JP2001101473A - 紙葉類識別装置及び方法 - Google Patents

紙葉類識別装置及び方法

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JP2001101473A JP28296099A JP28296099A JP2001101473A JP 2001101473 A JP2001101473 A JP 2001101473A JP 28296099 A JP28296099 A JP 28296099A JP 28296099 A JP28296099 A JP 28296099A JP 2001101473 A JP2001101473 A JP 2001101473A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 米ドル紙幣等のような紙葉類において印刷ず
れ若しくは裁断ずれによって紙葉類の紙の周辺から絵柄
の位置がずれたものでも、鑑別率が低下することなく効
率良く画像による識別を行うことができる紙葉類識別装
置及び方法を提供する。 【解決手段】 紙幣等の紙葉類の全面の画像を採取して
その絵柄を基に少なくとも前記紙葉類の種類を判定する
紙葉類識別装置において、前記紙葉類の外周辺から絵柄
までの余白長を基に外形から見た絵柄のずれ量を検出
し、検出したずれ量により前記紙葉類の画像認識の基点
となる画素位置を補正する。また、前記余白長の差を求
めるに際し、搬送方向の同一位置であるチャンネル及
び、搬送横方向であるラインが等しい部分で差を求め、
該差の値が所定値以上であった場合には所定の最大値を
代入することにより過補正を防止するようにし、更に、
各辺の複数の部分の余白長の最大値及び最小値を除外し
て平均値を求めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣等の紙葉類の
種類や真偽を判定する紙葉類識別装置及び方法に関し、
特に、輪郭に対する絵柄の位置ずれが存在する場合があ
る米ドル紙幣の様な紙葉類を識別対象とした紙葉類識別
装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、紙幣の形状例と識別対象エリ
アとの関係を模式図で示しており、一般に日本国紙幣の
ように紙幣1は外形である紙幣輪郭1aが均一であり、
輪郭1aと絵柄1bの絶対位置が一定である。紙幣の識
別装置ではこのことを利用して,紙幣1の外形形状より
採取した識別対象エリア2内の画像データをブロッキン
グしてパターンマッチング等による識別処理をしてい
る。
【0003】このような紙幣等の紙葉類識別装置によ
り、搬送されてくる紙葉類を対象として、その種類,真
偽,汚れ,破損等を識別する場合、紙葉類の破れや折れ
等による“欠落”や、搬送過程で生じる“位置ずれ”,
“斜行ずれ”を考慮して処理する必要がある。
【0004】紙葉類の破れや折れ等による欠落を考慮し
て認識処理を行うようにしたものとしては、例えば特開
平8−263718号公報に記載のものがある。この公
報に記載のものは、紙葉類の外形に欠落部分がある場合
でもその欠落部分を周辺の複数の画素データを基に補完
して完全な外形形状を得て、この外形よりブロッキング
を行なってパターン認識を行なうようにしている。この
公報に記載のものは、紙葉類の識別に使用するイメージ
データを欠落前の状態に近い状態にすることができ、誤
判定率を下げることができるという効果を奏するもので
ある。
【0005】一方、紙葉類の搬送過程で生じる位置ず
れ,斜行ずれを考慮して認識処理を行うようにしたもの
としては、例えば特開平6−318245号公報に記載
のものがある。この公報に記載のものでは、ラインセン
サを用いて高速で走行する紙葉類の全領域の画像データ
を取り込み、検出時間配列(紙葉類と背景との境界を検
出した時間と読取画素位置に対応する素子番号とを対応
させた検出時間配列)をバッファメモリに書き込む。そ
して、読取画像の傾きを斜行補正手段により補正した後
に紙幣の四隅を特定し、その四隅の座標から中心位置座
標を求め、これを基準にしてバッファメモリの中の有効
領域を決定する。この有効領域の濃淡画像を等分割処理
し、この等分割処理された濃淡画像の特徴データを求
め、これから一定の統計量を抽出して2値化に用いる閾
値を決定するようにしている。この公報に記載のもの
は、紙葉類の一部を読み取って当該紙葉類の種類や真偽
を認識するものではないので、搬送により紙葉類の位置
がずれた場合も認識処理が影響を受けることが無いとい
う効果を奏するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、紙幣
などの種類や真偽を識別する識別装置では、従来から、
位置ずれや斜行ずれに対する考慮はされているが、外形
枠から見た絵柄部の画像位置がずれている場合は考慮さ
れていない。例えば米ドル紙幣のような紙幣では、裁断
時の裁断位置ずれのために、図14に示すように紙幣1
の外形輪郭1aと絵柄1bの位置がバラバラになってい
るものでも紙幣として流通している。このような紙幣の
画像特徴を認識して紙幣の金種や方向を判定する紙幣識
別機において、外形寸法を求めてその外形を基に採取し
た識別対象エリア2内の画像をブロック化し、そのブロ
ック化した画像情報によって紙幣を識別すると、図14
中に示すようにブロック化した識別対象エリア2内の画
像の絵柄1bに対する位置がずれ、パターンマッチング
等の識別処理が正確にできない。すなわち、リジェクト
が多発してしまうといった問題点が発生する。また、流
通されている紙幣は裁断ずれのほとんどが平行ずれであ
って、斜めになっているものは極端に少ないと考えられ
るが、このような平行ずれに対しても考慮されていなか
った。すなわち、従来の識別装置では、紙幣の絵柄が外
形の辺に対して位置ずれが生じている場合が有る米ドル
紙幣のような紙幣を識別対象とした場合、正常紙幣であ
っても認識できない事態が生じ、鑑別率が低下するとい
った問題があった。
【0007】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、米ドル紙幣等のような紙葉
類において印刷ずれ若しくは裁断ずれによって紙葉類の
紙の周辺から絵柄の位置がずれたものでも、鑑別率が低
下することなく効率良く画像による識別を行うことがで
きる紙葉類識別装置及び方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙幣等の紙葉
類の種類や真偽を判定する紙葉類識別装置及び方法に関
するものであり、本発明の上記目的は、装置の発明にお
いては、紙葉類の全面の画像を採取してその絵柄を基に
少なくとも前記紙葉類の種類を判定する紙葉類識別装置
において、前記紙葉類の外周辺から絵柄までの余白長を
基に外形から見た絵柄のずれ量を検出し、検出したずれ
量により前記紙葉類の画像認識の基点となる画素位置を
補正することによって達成される。
【0009】また、絵柄を有する紙葉類に光を照射し
て、該紙葉類から得られる透過光と反射光の内、少なく
とも反射光を受光して前記紙葉類の絵柄を対象として識
別する紙葉類識別装置において、前記紙葉類の画像デー
タに基づいて外形から中心座標を求める外形中心座標抽
出手段と、前記紙葉類の外周辺である外形エッジから絵
柄までの余白長を抽出する余白長抽出手段とを設け、前
記余白長抽出手段によって前記紙葉類の縦及び横方向に
おける各両サイドの外形エッジからの余白長の差を求
め、この差を用いて前記外形中心座標抽出手段により求
めた外形からの中心座標を補正することによって前記絵
柄の中心座標を得るようにすることによって達成され
る。さらに、前記余白長の差を求めるに際し、搬送方向
の同一位置であるチャンネル及び、搬送横方向であるラ
インが等しい部分で差を求め、該差の値が所定値以上で
あった場合には所定の最大値を代入することにより過補
正を防止するようにし、更に、各辺の複数の部分の余白
長の最大値及び最小値を除外して平均値を求めることに
よって、一層効果的に達成される。
【0010】また、方法の発明においては、絵柄を有す
る紙葉類に光を照射して、該紙葉類から得られる透過光
と反射光の内、少なくとも反射光を受光して前記紙葉類
の絵柄を対象として識別する紙葉類識別方法において、
前記紙葉類の縦及び横方向における各両サイドのエッジ
からの余白長の差を求め、この差を用いて前記紙葉類の
各両サイドのエッジから求めた中心座標を補正すること
によって前記絵柄の中心座標を得ると共に、前記余白長
の差を求めるに際し、搬送方向の同一位置であるチャン
ネル及び、搬送横方向であるラインが等しい部分で差を
求め、該差の値が所定値以上であった場合には所定の最
大値を代入することにより過補正を防止するようにし、
更に、各辺の複数の部分の余白長の最大値及び最小値を
除外して平均値を求めるようにすることによって達成さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、米ドル紙幣等の印刷
ずれ若しくは裁断ずれを起こした紙幣の画像データをイ
メージラインセンサを用いて画素値をデジタルデータと
して取り込んでメモリに展開する方式の紙幣識別装置に
おいて、紙幣用紙の外形輪郭から絵柄までの紙幣周辺の
白紙部分の長さを求めて絵柄のずれ量を検出し、検出し
たずれ量により画像認識の基点となる画素位置を補正す
ることにより、画像位置のずれが生じた紙幣も効率良く
紙幣識別を行うことを可能としている。とりわけ米ドル
札は絵柄部分が枠で囲まれており絵柄部を特定するには
好適な紙幣であるが、紙幣の製造品質が悪く裁断ずれが
多く発生している。本発明は、このような外形輪郭に対
して絵柄の位置ずれが存在する米ドル紙幣等のような紙
葉類を識別対象とした識別装置に好適に適用される。
【0012】以下、図面に基づいて本発明の好適な実施
例について詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明に係る紙葉類(以下、「紙
幣」を例とする)識別装置の主要部の構成例をブロック
図で示している。図1において、光学センサ部10は、
図示しない紙幣搬送路上の所定の位置に、紙葉類1の搬
送方向に直行して多数の検出器を配列したもので、LE
Dアレイ、フォトダイオードアレイなどから成るイメー
ジラインセンサで構成される。光学センサ部10では、
紙幣1が搬送されるのに伴い紙幣上を面状に走査し、紙
幣上の各位置での反射光や透過光など物理量の分布を検
出する。なお、本実施例では、透過型と反射型の両方の
センサ部を有する光学センサを用いた場合を例として説
明する。
【0014】A/D変換処理部30は、光学センサ部1
0の出力をAD変換し、デジタルデータとして以後取り
扱えるようにする。デジタル値に変換された各画素のデ
ータは、次に説明する4個のバッファメモリ40に格納
される。本実施例では、透過の2波長光,反射の2波長
光の4種類の光を受光し、検出した紙幣1の画素データ
を4個(2波長光分×透過・反射)のバッファメモリ4
0に一時記憶する。
【0015】画像データ抽出部50は、外形中心座標抽
出手段51と、余白長抽出手段52と、補正値演算手段
53と、後述する画像抽出用の各手段とから構成され
る。余白長抽出手段52は、バッファメモリ40に一時
記憶された内容と所定の閾値とを比較して、紙幣の外周
辺である外形エッジから絵柄までの余白の幅(余白長)
を縦及び横方向の各部位毎に抽出し、抽出した各部位の
余白長を余白長カウンタに記憶する。
【0016】補正値演算手段53は、余白長カウンタに
記憶された余白長を基に紙幣の外形から見た絵柄のずれ
量を求め、求めたずれ量により画像認識の基点となる画
素位置を補正する。ここで、画像認識の基点とは例えば
紙幣の中心座標であり、一般的には外形中心座標抽出手
段51によって外形エッジから求めた外形中心座標を紙
幣の中心座標としている。本発明では、余白長抽出手段
52によって縦及び横方向における各両サイドの外形エ
ッジからの余白長さの差を求め、この差を用いて上記外
形中心座標を補正するようにしている。
【0017】図示されない画像抽出用の手段としては、
求めた画像中心座標及び斜行情報を基に識別対象エリア
内を予め設定されているブロック数に分割し、各分割さ
れたブロックの画像データの総和を求めてブロック値と
する画像ブロッキング手段を備えている。また、この画
像ブロッキング手段によりブロッキングした各ブロック
値の総和でそれぞれのブロック値を割ることにより正規
化を行う正規化手段を備えている。
【0018】識別部20は、紙葉類識別装置として動作
を司るCPU21,動作プログラムを記憶するROM2
2及び基準データ等を記憶するRAM23等から成り、
バッファメモリ40に記憶された正規化データと基準デ
ータ(紙幣の種類毎の基準となる正規基準データ)とを
照合して紙幣1の識別(鑑別)を行う。識別に使用され
る基準データは、紙幣上の所定のチェック位置と、該所
定位置での許容データ等から成り、金種及びその方向別
に用意されたテーブルに予め登録されている。
【0019】次に、本発明に係るラインセンサの構成に
ついて説明する。
【0020】図2は、多波長光源を有する透過/反射型
ラインセンサ100の構成例を示している。ラインセン
サ100は長形状の対向した発光部110及び受発光部
120で成っており、被識別媒体としての紙幣は、発光
部110及び受発光部120の間の紙幣通路を搬送され
るようになっている。発光部110は、ライン状の透過
用2波長LEDアレイ(交互配列されたLED1,LE
D2)111と紙幣照射用のロッドレンズ112とで一
体的に構成され、通過する紙幣を均一に照射するように
なっている。また、受発光部120は、ライン状の反射
用2波長LEDアレイ(交互配列されたLED3,LE
D4)121と、受光用のフォトダイオードアレイ12
3と、フォトダイオードアレイ123の受光角を制限
し、指向性を高めて分解能を向上させるセルフォックレ
ンズアレイ(SLA)122と、フォトダイオードアレ
イ123の各素子の蓄積時間が制御可能なマルチプレク
サ回路124とで一体的に構成されている。透過用2波
長LEDアレイ111及び反射用LEDアレイ121は
電流制御の駆動回路で制御され、フォトダイオードアレ
イ123の感知出力はマルチプレクサ回路124で発光
波長に応じた適宜の蓄積時間で制御されて出力される。
LEDアレイは、赤外光を発光するLED素子と他の可
視光との組み合わせが一般的で、赤色、緑色、オレンジ
色の組み合わせも一般的であるが、紙幣等に用いる場合
には、黄緑色が紙幣の配色との関係から両波長の光を当
てた場合の透過光及び反射光の吸収パターンが異なり、
その紙幣の汚損及び真偽判定に有利となる。このため、
本発明では透過光及び反射光共に赤外光(940nm)
及び黄緑光(570nm)としている。また、透過用2
波長LEDアレイ111及び反射用LEDアレイ121
は受光側を共通に用いることを考慮すれば、同一直線上
に交互に並べることが望ましいが、2列にする場合は千
鳥に入れ替わるような構成が望ましい。また、発光素子
としてLEDを用いているが、他の素子でも可能であ
る。更に、例として透過2波長、反射2波長としたが透
過、反射に関係なく、自由に複数波長を処理することが
可能である。
【0021】本実施例では、透過用2波長LEDアレイ
111及び反射用LEDアレイ121は、IR光(例え
ば940nmの赤外光)発光LEDとYG光(例えば5
70nmの黄緑光)発光LEDとを交互に、64個(1
光源×2波長)直線状に配列した構成としている。受光
センサ(フォトダイオードアレイ123)はフォトダイ
オードを一直線状に配列したライン状アレイで、所定間
隔(例えば1.6mmピッチ)で128チャンネル分配
列し、透過の2波長光、反射の2波長光の全4種類の光
を1本のイメージセンサで受光する構成としている。そ
して、透過型センサと反射型センサの内、少なくとも反
射型センサの出力を基に外形を割出し、紙幣の絵柄デー
タの中心座標を補正するようにしている。なお、紙幣に
よっては透過型センサと反射型センサのいずれか一方の
センサのみでも可能である。本実施例では、世界各国の
各種紙幣に対応できるように、多波長の光源を有する両
方のセンサを備え、各国及び当該紙幣の種類に応じて波
長と透過/反射を可変制御して、複数波長による透過光
/反射光による採取データの最適な画像データから当該
紙幣の外形エッジと絵柄を検出し得るようにしている。
また、反射用に受光側のモジュールにはモニタ用白地1
25が設けられており、受光量が一定になるように紙幣
の識別を始める前に蓄積時間を調整するようにしてい
る。すなわち、複数波長の異なる光源に対して同一の受
光素子を用いる場合には、受光波長によって受光素子の
感度が異なることになるが、本発明では受光素子の受光
時の蓄積時間を制御することによって、感度差及び光量
のばらつきによる誤差が生じないようにしている。
【0022】上述のような構成において、本発明に係る
紙葉類識別装置の動作例を図3のフローチャートに従っ
て説明する。なお、ここでは画像データの抽出に係る技
術事項は特徴的な事項の説明に留め、本発明に係る絵柄
の位置ずれの補正処理を主体として詳細に説明する。
【0023】先ず、図3のステップS1におけるデータ
採取時の動作例について説明する。
【0024】データの取込みにはメカタイミングクロッ
クを使用し、例えば紙幣を1.5mm搬送する毎にライ
ンセンサ100からの画素データの読み出しを実施して
いる。読み出しは、先ず(1)透過光用のLEDアレイ
111によりIR光(赤外光)発光LED(以下、IR
光LEDとする)をパルス点灯して1ライン分読み出
し、次に(2)透過光用のLEDアレイ121によりY
G光(黄緑光)発光LED(以下、YG光LEDとす
る)をパルス点灯して1ラインを読み出し、(3)反射
光用のIR光LEDをパルス点灯して1ラインを読み出
し、(4)反射光のYG光LEDをパルス点灯し1ライ
ンを読み出し、上記(1)〜(4)を1サイクルとして
いる。
【0025】ラインセンサ100は、透過のIR光,透
過のYG光,反射のIR光,反射のYG光の順に時分割
して、共通の受光用のフォトダイオードアレイ123に
よっ画素データを読み込む。感度の調整は、透過用2波
長LEDアレイ111及び反射用LEDアレイ121を
構成する各LEDの発光量及び発光時間による光蓄積時
間の調整によって行われる。なお、暗出力の補正は受光
回路において行われる。各ラインのスキャンは紙幣の搬
送距離に応じて発生するメカクロックに同期して行わ
れ、本例では1.5mm搬送される毎にスキャンのトリ
ガ信号が発せられ、その内で紙幣が0.1mm搬送され
る間に上記の1サイクルの読み出しが実行され、透過I
R,透過YG,反射IR,反射YGの順にスキャンが完
了するようにしている。そのスキャン開始の周期は1.
5mm搬送毎である。
【0026】次に、バッファメモリ40への画像データ
の展開方法について説明する。
【0027】上述のようにして光学センサ部10から取
込まれた各ラインの透過IR,透過YG,反射IR,反
射YGに対するデータは、それぞれA/D変換処理部3
0を介してデジタルデータに順次変換され、該当のバッ
ファメモリ40へ格納される。バッファメモリ40は、
上記透過IR,透過YG,反射IR,反射YGに対応し
て4個用意されており、例えば、透過のIR光では12
8チャンネル×96ライン分(搬送方向では最大 96
×1.5mm=144mm)のメモリアドレスが用意さ
れている。本例では、タイミングセンサを設け、紙幣の
後端がイメージラインセンサを通過した時にデータの採
取は終了するようにプログラムされている。バッファメ
モリ40と同様に、透過のIR,透過のYG光,反射の
IR光,反射のYG光用にそれぞれ所定の容量のメモリ
がRAM22に用意されている。
【0028】次に、図3のステップS2(2値化処理)
からステップS4(左端/右端エッジ検出処理)までの
処理について説明する。
【0029】紙幣を識別対象とする場合、紙幣の端部の
欠損や斜行状態の影響を鑑み、精度の高い画像データの
抽出を行う必要がある。画像データ抽出部50では、透
過のIR光のデータを基に、スレッシュホールド値によ
り採取したデータを2値化した後、前端エッジと後端エ
ッジを求めるために、各チャンネル毎に(縦方向)に1
の入っているアドレスをカウントする。そして、札幅を
カウントすると共にその前端座標と後端座標を格納す
る。このカウント値が所定値以上あるところに対して
は、前端と後端(斜めになって三角の2辺の長さの部分
を除外する為)が存在する場所のチャンネルを求め、該
当チャンネルに対し、0→1に変る位置を前辺の座標、
1→0に変る位置を後端の座標とする。
【0030】なお、スキャンの方向は搬送方向であり、
取込んだ紙幣1の画像例を示す図5の上から下の方向
(Y方向)ヘセンスを行い、もし紙幣1に孔があいてい
ても、同一のメモリレジスタを用いることにより、最後
の1→0となるY軸方向の座標を後端座標とする。(X
方向はチャンネル番号で指定される。)
【0031】次に、図3のステップS5における外形エ
ッジ情報に基づく中心座標の算出処理,及び斜行角の抽
出処理について説明する。
【0032】画像データ抽出部50では、上述のように
して得られた札幅長のうちで、最頻値を実札長として中
心座標を求めるための中心線の計算に利用する。画像デ
ータ抽出部50内の中央位置検出手段では、(前端+後
端)/2の計算を行って、図10に示す紙幣1の画像の
前辺FRTEGEと後ろ辺BAKEGEの中心直線y=
ax+bを求める。次に左右の辺LFTEGE,RIT
EGEに対しても同一チャンネル(X方向にメモリをセ
ンスする)をセンスして縦方向の辺の中心直線 x=c
y+dを求める。そして、求めた2本の直線から中心座
標C(ch,ln)を求める。また、直線:y=ax+
bの式の傾きより回転補正する角度θを得る。この角度
θは、後述するステップ8の画像回転処理で使用する。
【0033】次に、図3のステップS6における裁断ず
れの検出処理及び中心座標の補正処理について説明す
る。
【0034】図6(B)は、ラインセンサ100の検出
信号を示しており、図6(A)は凹部が媒体有り部を示
している。媒体の輪郭抽出には透過光を用いるのが好ま
しい。そして、絵柄部の特定にはYG光の反射光データ
を用いる。この図6(B)に示されるTH1(閾値1)
は、本例ではセンサに設けたモニタ用白地部で検出した
反射出力の50%の明るさの値で、TH2(閾値2)
は、TH2=TH1×0.8としている。図6(B)の
最下部の数字は画像を取り出すために切り出したライン
数(搬送方向の走査線の数)を示している。余白長抽出
手段52では、透過のIR光の受光出力より得られた外
形エッジ上の複数の部位を基点に、反射光のYG光出力
に対して媒体内部方向にスキャンし、当該画素のデータ
を各閾値と比較し、例えば上記閾値TH1と閾値TH2
との範囲内であれば余白部と判断してその画素数(ライ
ン数,チャンネル数)を所定の検索範囲内で計数し、そ
の結果である紙幣の各辺,各部位毎の計数値を基にして
紙幣外周部の前後端部(上下端部)と左右短部の各余白
部の長さを求める。
【0035】ここで、前後端部の余白長の検出処理につ
いて具体例を示して説明する。
【0036】余白長抽出手段52では、先ず、開始基点
及び検索数を設定する。図5に示すように、紙幣の外形
エッジの各端部(前端部FRTEGE,後端部BAKE
GE,左端部LFTEGE,右端部RITEGE)に対
して、各々に検出対象(余白部抽出対象)となる複数の
部位を設定する。その際、設定する部位は、図9中の2
点鎖線で示す矩形枠の範囲内で設定する。これは、チャ
ンネル方向とライン方向からそれぞれ中心部に向けて検
索して余白長を検出する際に、斜行状態においても紙幣
の画像データが存在する場所を検索できるようにするた
めで、本実施例では、次の処理により外形エッジの枠内
に内接する矩形領域(各辺がライン方向とチャンネル方
向に平行な矩形の領域)を検出領域として求めて、その
検出領域の範囲内で余白長の検出対象となる複数の部位
を設定するようにしている。なお、検出領域内において
余白を検出できない場合は、後述する処理により検出領
域外の方向にスキャンして余白を検出するようにしてい
る。
【0037】上記検出領域を求める際には、図9に示す
ように、例えば0チャンネルよりスキャンして最初に閾
値TH−L以上となるチャンネルをLG−Blft、1
27チャンネルより逆スキャンして同条件を満たすチャ
ンネルをLG−Brgtとし、0ラインよりスキャンし
て最初に閾値TH−W以上となるラインをWD−Bfr
t、画像を取り出すために切り出したラインの最終ライ
ンより逆スキャンして同条件を満たすラインをWD−B
bakとしてそれぞれ求め、これらのLG−Blft,
LG−Brgt,WD−Bfrt,WD−Bbakを通
る直線で囲まれる図9中の2点鎖線で示す矩形枠内を上
記検出領域とする。
【0038】本例では、上記矩形の検出領域内において
設定した各端部(前端部、後端部、左端部、右端部)の
8部位のうち、図5に示すように、中央部の2部位を除
く6部位(F1〜F6,B1〜B6,L1〜L6,R1
〜R6)を余白長の抽出対象としており、当該端部にお
ける6部位の各部位毎に開始基点から余白幅の方向に検
索数分、画素データを読み出して余白部分の長さを求め
るようにしている。ここで、図5中に示す前端部FRT
EGEと後端部BAKEGEの各6部位F1〜F6,B
1〜B6は、当該チャンネルの位置(X軸の位置に相
当)に対応し、左端部LFTEGEと右端部LFTEG
E、右端部RITEGEの各6部位L1〜L6,R1〜
R6は、当該ラインの位置(Y軸の位置に相当)に対応
している。さらに、ライン番号,チャンネル番号がバッ
ファメモリの物理アドレスに対応しているが、ここでは
物理アドレスに基づく説明は省略する。
【0039】以下、具体例として前端部の部位F1にお
ける余白長の検出動作を図4のフローチャートを用いて
詳細に説明する。なお、前端部の各部位における余白長
の検索(抽出)処理は、前端部の部位F1(開始基点F
P)から検索数分、以下のステップを繰返すことにより
行なうが、他の部位F2〜部位F5、及び後端部,左端
部,右端部の各部位1〜5についても同様の処理で余白
長を求める。
【0040】前端部における余白長の検出動作の開始基
点としては、本例では前端エッジ上の部位F1のポイン
トFPを設定する。ここで、処理する部位により検索数
(ライン又はチャンネル数)が異なるので、初期設定処
理として、図7に示すようなテーブルから検索数を読み
込み、各端部と開始基点に対応させて記憶しておく(ス
テップS701)。
【0041】さらに初期設定処理として、当該部位の余
白部分の長さ(幅)をカウントする余白長カウンタWL
に“0”をセットし、FBデータ(計算に使用するワー
ク用レジスタであって画像データを格納するレジスタ)
を“0”クリアする(ステップS702)。
【0042】本例では、余白長の検出動作の開始基点F
Pは、前端部の部位F1(図5中の前端エッジFRTE
GEの線と部位F1の矢印の線とが交わる位置)であ
り、検索対象の位置をライン/チャンネルに対応させて
PT(LN,CH)として表した場合、ラインLNには
部位F1に於ける前端ライン数が入り、チャンネルCH
には部位F1のチャンネル数が入る。以下、上記PT
(LN,CH)を簡略化してPTで示し、PTの位置に
対応するデータをDT(PT)で表して説明する。本例
では、図7に示すように前端部における検索は、1〜5
の5回である(ステップS703)。
【0043】まず、余白長カウンタWLが0であるかを
判断する(ステップS704)。初期値は0であるの
で、ステップS705へ進む。ステップS705では、
現在の検索位置PTの画像データDT(PT)を読み出
し、閾値TH1以上(閾値TH1より明るい)かどうか
を判定する。そして、閾値TH1より明るい場合は余白
と判断して、余白長カウンタWLを1加算すると共に、
FBデータとして1ライン前の座標の画像データである
DT(PT−1)を記憶しておく。そして、検索数を1
加算して検索対象の位置PTを余白幅の方向(図9中の
矢印方向)に進め(ステップS706)、ステップS7
03に戻り、次の位置を検索する。次の検索数は2であ
り、既に余白長カウンタWLには1が入っているので、
ステップS704からステップS707へと進み、DT
(PT)≧TH1かどうかを判断し、閾値TH1より明
るい場合は余白長カウンタWLを+1してステップS7
03に戻り、更に次の位置を検索する(ステップS70
8)。
【0044】次に、上記ステップS707において、D
T(PT)≧TH1でない場合、すなわち、指定の検索
回数中に絵柄が入って来た場合を説明する。まず、該当
部の画像データを読み出し、ステップS704において
エッジ幅カウンタWLは0で無いのでステップS707
に進み、DT(PT)≧TH1では無いので、FBデー
タ=FBデータ+DT(PT)を計算し(ステップS7
09)、その値がTH4(本例ではTH4=TH1×
1.5)よりも明るいかどうかを判定し(ステップS7
10)、明るければ余白部と見なして余白長カウンタW
Lに+1を加え(ステップS711)、そうでなければ
絵柄部と見なし、余白長カウンタWLの加算はしないで
該当部位の余白長の算出処理を終了する。
【0045】次に、検索開始時に白部を検出しないで余
白長カウンタWLが0のままの場合の処理を説明する。
ステップ4において余白長カウンタWLが0の場合に
は、DT(PT)≧TH1かどうかを判定し、明るいの
であればステップS706へ進むが、暗い場合はステッ
プS712へ進む。ステップS712では、1つ前のラ
インにおける画像データであるDT(PT−1)が閾値
TH2(本例ではTH2=TH1×0.8)以上である
かどうかを判断し、閾値TH2よりも暗ければステップ
S703に戻り、次の位置を検索する。閾値TH2より
も明るければ、1つ前のラインの画像データDT(PT
−1)の0.8倍の値を閾値TH3として設定し(ステ
ップS713)、これと現在の画像データDT(PT)
とを比較する(ステップS714)。ステップS714
においてDT(PT)<TH3、すなわち閾値TH3よ
り暗いときはステップS703に戻り、次の位置を検索
し、閾値TH3より明るい場合は白部と判断し、余白長
カウンタに1を加え、FBデータに現在の画像データD
T(PT)を代入する(ステップS715)。続いて、
2ライン前の画像データDT(PT−2)を調べ、これ
が閾値TH3より明るいかどうかを判定し(ステップS
716)、明るければ白地だったと判断し、余白長カウ
ンタを+1し、FBデータ+DT(PT−3)を計算し
てFBデータに代入し(ステップS717)、上記ステ
ップS710へ進む。上記ステップS716において、
DT(PT−2)≧TH3で無い場合には、FBデータ
+DT(PT−2)を計算してFBデータに代入し(ス
テップS718)、上記ステップS710へ進む。
【0046】上述のフローに基づく余白長の計算を前端
部に対して6部位分、後端部に対して6部位分、左端部
に対して6部位分、右端部に対して6部位分それぞれ実
施する。なお、前端部、後端部に対してはPT−1はラ
イン方向であるが、左右端部についてはチャンネル方向
となる。また、後端部と右端部の処理では、PT−1,
PT−2はそれぞれPT+1,PT+2となる。
【0047】次に、画像認識の基点となる画素位置(本
例では中心座標)の補正処理を説明する。ここでは、余
白長抽出手段52で検出した前端部と後端部における各
部位1〜6の余白長を示す数値が、図8中に示す数値と
なっている場合を例とする。
【0048】補正値演算手段53では、前端部(左端
部)の余白長と後端部(右端部)の余白長との差ESA
(1)〜ESA(6)を、搬送方向の同一位置であるチ
ャンネル及び、搬送横方向であるラインが等しい部分で
各部位1〜6毎に求め、当該部位のESA(I)の値が
所定の規定値よりも大きい場合は、過補正を防止するた
めに当該部位のESA(I)の値を規定値(所定の最大
値)に変更する。本例では規定値を±2とし、±2の範
囲に入っていない部位3の値“−3”を規定値(所定の
最大値)である“−2”に補正する。そして、補正後の
各部位の前後余白長の差ESA(1)〜ESA(6)の
うち、最大値と最小値を除いた4つの評価値の平均値を
求め、外形エッジに対する絵柄部の前後方向(ライン方
向=図5の矢印Y方向)の補正値βを算出する。
【0049】上記ずれ量βの算出処理を次の数1、数2
に基づいて具体的に説明する。
【0050】
【数1】EgeSA={(ΣESI(I)−MaxES
I(I)−MinESI(I))+γ}/4 ここで、γは緩和補正値であり、上記数1内の(ΣES
I(I)−MaxESI(I)−MinESI(I))
が負の時はγ=“1”、正の時はγ=“−1”、0の時
はγ=“0”とする。
【数2】β=EgeSA/2
【0051】図8中の各部位1〜6毎の前後余白長差E
SA(1)〜ESA(6)の値を例とすると、上記数1
中のΣESA(I)は、(−2)+(−1)+(−2)
+(−2)+(−2)+(−2)=−11となる。ここ
で、ESA(3)は−3であるが、過補正を防止するた
めに補正されて−2となっている。また、前後余白長差
の絶対値が最大であるMaxESA(I)は部位3であ
るが、同様に補正されて−2となっている。また最小値
を示すMinESA(I)は部位2であり、−1とな
る。このとき、緩和補正値γは、上記数1内の(ΣES
I(I)−MaxESI(I)−MinESI(I))
が−8となり負なので、γ=1を使用し、上記数1
の{}の中は−7となる。これを4で割ると−1.75
となる。なお、4で割算を行うのは、最大値と最小値を
除外した4部位の平均値を計算して1本分の長さを求め
るためである。
【0052】補正値演算手段53では、上記数1により
求めた結果EgeSA=−1.75を上記数2により1
/2にする。本例ではβ=−0.875となる。そし
て、このライン方向の補正値βを各辺(外形エッジ清
報)から求めた中心座標C(ch,ln)の値に加算を
した後の値を四捨五入し、補正後のライン方向の中心座
標とする。この時、外形エッジから求めた中心座標C
(ch,ln)も整数ではなく、小数点以下をもった数
値で記憶しており、四捨五入による誤差が生じ無いよう
にする。本例では、前後方向(ライン方向)の補正値β
は−1となり、絵柄が中央部より1ライン分、上方にず
れているということになる。
【0053】補正値演算手段53では、同様に左右の余
白長に対しても補正値を得る。ここでは説明を省略し、
上下と同様にして求めた“外形エッジに対する絵柄部の
左右方向(チャンネル方向)の補正値”をαとする。そ
して、これらの補正値αとβに基づいて、前記ステップ
S5において外形エッジ情報から求めた中心座標C(c
h,ln)を補正し、図12に示すように新しい中心座
標C(ch+α,ln+β)として設定する。
【0054】以上の処理により求めた新しい中心座標C
(ch+α、ln+β)を用いて識別対象エリア2を設
定し、この識別対象エリア2内をブロッキングするよう
にすれば、ブロッキングした部分の画像が一定したもの
となるので、安定して後続の処理である識別処理を行う
ことができ、輪郭に対する絵柄の位置ずれが存在する紙
幣であっても高精度な識別結果を得ることができる。
【0055】次に、図3のステップS7における画像回
転処理(斜行ずれの補正処理)について説明する。
【0056】搬送過程で生じる斜行ずれを補正する際に
はアフィン変換を用いるが、アフィン変換後のアドレス
に対する元の画像データのアドレスを求めて、その場所
の画像データを変換後のアドレスにコピーする。
【0057】図11(A)及び(B)は、画像回転前の
データと画像回転後のデータを模式図で示しており、画
像データ抽出部50内の斜行補正手段では、画像回転後
の画素データIR−Uhdat(x,y)アドレスに相
当する画像回転前の画素データIR−Uhdat(x
l,yl)アドレスを次の数3の演算により得て、対象
となる画像データをコピーする。この操作によって、通
常のアフィン変換に特有の変換後の座標データに抜けが
生じることを防ぐことができる。
【0058】
【数3】
【0059】次に、図3のステップS8における画像ブ
ロッキング処理について説明する。
【0060】画像データ抽出部50内の画像ブロッキン
グ手段は、補正値演算手段53により補正して求めた画
像の中心座標C(ch+α、ln+β)を基に、識別対
象エリア内を予め設定されているブロック数に分割を行
い、例えばブロッキング左端位置(チャンネル番号)を
基準にして複数チャンネル毎、複数ライン毎にブロック
化してブロック単位で画像データを順次抽出する。
【0061】続いて、図3のステップS9における画像
正規化処理について説明する。
【0062】画像データ抽出部50内の画像正規化手段
は、画像ブロッキング手段によりブロッキングした画像
データの総和で各ブロックの値を割ることにより正規化
を行う。この正規化により全面的な画像の明るさの変動
に関わらす識別を行うことができる。
【0063】続いて、図3のステップS10,S11に
おける識別処理と識別結果の出力処理について説明す
る。
【0064】識別部20では、例えば各ブロックを積分
平均・正規化して得られるパターンを予め用意した基準
パターンと比較照合することでパターン認識を行い、紙
葉類1の種類、真偽、表裏、方向等を識別し、これらの
識別結果を出力する。
【0065】なお、上述した実施の形態においては、紙
幣を例として説明したが紙幣に限るものではなく、有価
証券など、絵柄の周辺部に余白部分を有する紙葉類であ
れば本発明を適用することができる。また、画像認識の
基点が紙幣の中心座標である場合を例として説明した
が、中心座標以外であっても本発明を適用することがで
きる。さらに、紙幣の絵柄の形状は、図面において矩形
状を例として説明したが、矩形状の絵柄若しくは矩形の
絵柄枠を有する紙幣に限るものではなく、本発明で言う
絵柄の中心は、絵柄の重心に相当するものであり、任意
形状の絵柄に適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、米ドル紙幣等に見られる裁断ミス若しく印刷ずれに
よる絵柄部の位置ずれが発生している紙葉類に対して、
外形から見た絵柄部のずれ量を検出し、画像認識の基点
となる画素位置を上記ずれ量に応じて補正し、補正後の
正確な画像認識の基点に基づいて識別処理を行い得るよ
うにしているので、絵柄がずれた紙葉類であっても識別
処理が影響を受けることが無くなり、鑑別率の低下を回
避することができ、識別性能(鑑別率/信頼性)の高い
識別装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙葉類識別装置の主要部の構成例
を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るラインセンサの構成例を模式的に
示す斜視図である。
【図3】本発明に係る紙葉類識別装置の動作例を示すフ
ローチャートである。
【図4】本発明に係る余白長の検出動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明に係る余白長の算出方法を説明するため
の図である。
【図6】本発明に係る媒体有無の検出信号とラインセン
サの検出信号の一例を示す図である
【図7】本発明に係る余白長の検出処理に用いるテーブ
ルの一例である。
【図8】本発明に係る余白長の検出結果の一例を示す図
である。
【図9】本発明に係る余白長の検出領域を示す模式図で
ある。
【図10】紙幣の外形から中心座標を算出する方法を説
明するための模式図である。
【図11】画像回転前のデータと画像回転後のデータを
示す模式図である。
【図12】本発明による補正後の中心座標を示す模式図
である。
【図13】一般的な紙幣の形状例と識別対象エリアとの
関係を示す模式図である。
【図14】裁断位置ずれがある紙幣の形状例と識別対象
エリアとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 紙葉類 1a 外形輪郭 1b 絵柄 2 識別対象エリア 10 光学センサ部 20 識別部 21 CPU 22 ROM 23 RAM 30 A/D変換処理部 40 画像データバッファ(バッファメモリ) 50 画像データ抽出部 51 外形中心座標抽出手段 52 余白長抽出手段 53 補正値演算手段 100 ラインセンサ 110 発光部 120 受発光部
フロントページの続き (72)発明者 古賀 正敏 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内 Fターム(参考) 3E041 AA02 AA03 AA04 BA11 BB02 BB03 BC06 CA01 CB03 CB05 CB06 CB08 EA03 5L096 AA06 BA03 CA09 CA14 CA17 DA02 EA15 EA16 EA43 FA06 FA32 FA62 FA64 FA67 FA69 GA19 GA51 HA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙葉類の全面の画像を採取してその絵柄
    を基に少なくとも前記紙葉類の種類を判定する紙葉類識
    別装置において、前記紙葉類の外周辺から絵柄までの余
    白長を基に外形から見た絵柄のずれ量を検出し、検出し
    たずれ量により前記紙葉類の画像認識の基点となる画素
    位置を補正するようにしたことを特徴とする紙葉類識別
    装置。
  2. 【請求項2】 絵柄を有する紙葉類に光を照射して、該
    紙葉類から得られる透過光と反射光の内、少なくとも反
    射光を受光して前記紙葉類の絵柄を対象として識別する
    紙葉類識別装置において、前記紙葉類の画像データに基
    づいて外形から中心座標を求める外形中心座標抽出手段
    と、前記紙葉類の外周辺である外形エッジから絵柄まで
    の余白長を抽出する余白長抽出手段とを設け、前記余白
    長抽出手段によって前記紙葉類の縦及び横方向における
    各両サイドの外形エッジからの余白長の差を求め、この
    差を用いて前記外形中心座標抽出手段により求めた外形
    からの中心座標を補正することによって前記絵柄の中心
    座標を得るようにしたことを特徴とする紙葉類識別装
    置。
  3. 【請求項3】 前記余白長の差を求めるに際し、搬送方
    向の同一位置であるチャンネル及び、搬送横方向である
    ラインが等しい部分で差を求め、該差の値が所定値以上
    であった場合には所定の最大値を代入することにより過
    補正を防止するようにし、更に、各辺の複数の部分の余
    白長の最大値及び最小値を除外して平均値を求めること
    を特徴とする請求項2に記載の紙葉類識別装置。
  4. 【請求項4】 絵柄を有する紙葉類に光を照射して、該
    紙葉類から得られる透過光と反射光の内、少なくとも反
    射光を受光して前記紙葉類の絵柄を対象として識別する
    紙葉類識別方法において、前記紙葉類の縦及び横方向に
    おける各両サイドのエッジからの余白長の差を求め、こ
    の差を用いて前記紙葉類の各両サイドのエッジから求め
    た中心座標を補正することによって前記絵柄の中心座標
    を得ると共に、前記余白長の差を求めるに際し、搬送方
    向の同一位置であるチャンネル及び、搬送横方向である
    ラインが等しい部分で差を求め、該差の値が所定値以上
    であった場合には所定の最大値を代入することにより過
    補正を防止するようにし、更に、各辺の複数の部分の余
    白長の最大値及び最小値を除外して平均値を求めるよう
    にしたことを特徴とする紙葉類識別方法。
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