JP3711737B2 - 撮像媒体の傾斜角度検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像媒体の傾斜角度検出方法に関し、特にスキャンした画像から傾いて撮像された矩形媒体の画像領域の傾斜角度を検出してその画像領域を真っ直ぐに補正するために使用する撮像媒体の傾斜角度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙幣を鑑別するような装置では、紙幣を搬送しながら搬送路の途中に配置されたイメージセンサにより紙幣の画像を読み取り、読み取った画像を処理することによって、金種判定および真贋判定を行っている。紙幣は金種によって様々な寸法を有しており、特に外国紙幣では大きさが多様である。このような紙幣を搬送する搬送路は、その幅を鑑別対象の金種の中で最も幅の大きな紙幣の幅に合わせて作られる。このため、特に幅の狭い紙幣が搬送されると、搬送路上で常に真っ直ぐな状態に保たれて搬送されることは少なく、どうしても曲がった状態、すなわち斜行状態で搬送されることになる。この結果、イメージセンサによる撮像においても、紙幣は斜行状態で読み取られることになる。
【0003】
紙幣を鑑別するには、紙幣に印刷されている特徴的な模様などを読み取ることから始まるが、そのとき、特徴的な模様が読み取った紙幣の画像のどの座標位置にあるのか正確に分からなければならない。ところが、斜行状態で読み取られた画像は斜行状態のままであるため、そのまま利用することはできないので、前処理として斜行状態を真っ直ぐな状態にする斜行補正が行われる。
【0004】
たとえば特開平8−212417号公報に記載の技術では、まず、読み取った紙幣のイメージデータから紙幣の輪郭、すなわち紙幣の短手および長手の4辺の情報を求め、これにより、紙幣の斜行角度を求めている。その後、斜行した画像をその画像の角を原点として斜行量分だけ回転させる処理をして、真っ直ぐな状態の画像にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の技術によれば、紙幣の斜行状態を求めるのに紙幣全体をスキャンした後、その全体画像から輪郭情報を抽出して四つの辺を求めることにより斜行角度を求めているため、比較的処理時間およびメモリ資源が必要となるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、傾斜して読み取った画像の傾斜角度を高速かつ高精度で検出することができる撮像媒体の傾斜角度検出方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、矩形媒体を撮像することによって得られた画像の傾きを検出する撮像媒体の傾斜角度検出方法において、前記矩形媒体の相対移動に従って、移動方向に直角な方向にスキャンすることによりスキャンラインの画素を取得しながら、前記スキャンライン上でスキャン方向に背景画素から媒体画素に最初に変わる開始座標値と最後に媒体画素から背景画素に変わる終了座標値とを取得するとともに前記開始座標と終了座標との差からスキャンライン上の媒体長を取得することを順次行い、各スキャンラインの前記媒体長から最頻の媒体長を求め、媒体画像全体のスキャンライン数に対する前記最頻の媒体長を含むスキャンラインの数の割合が設定値以上あるかどうかを判断し、前記設定値以上と判断された場合に、前記最頻の媒体長を含む上位および下位の所定数のスキャンラインに対し、上位の各スキャンラインと下位の各スキャンラインとを総組み合わせしたスキャンライン対の前記媒体長の開始座標または終了座標を用いてそれぞれ傾斜角度を算出し、総組み合わせの数だけ求めた前記傾斜角度からその平均を算出して撮像媒体の傾斜角度とする、ことを特徴とする撮像媒体の傾斜角度検出方法が提供される。
【0008】
このような撮像媒体の傾斜角度検出方法によれば、矩形媒体をスキャンすることによって画像を取得するときに、スキャンしながら、スキャンライン上で背景画素から媒体画素に最初に変わる開始座標値と最後に媒体画素から背景画素に変わる終了座標値とを調べることによって、スキャンライン上にある媒体の長さを、画像取得と同時処理で得ることができる。これは、スキャンするときに、媒体を透過する光を検出するタイプでは、媒体を透過しないで得られた透光画素と媒体を透過して得られた非透光画素とでは画素値が大きく異なるので、スキャンライン上の媒体の両端の座標、すなわち媒体長が画像取得と同時に求めることが可能であることによる。このようにして求められたスキャンラインごとの媒体長は、媒体の移動方向の2辺が平行であるため、その2辺を同時に横切るスキャンライン上ではほぼ同じ値となるので、その最頻値を求めることで、その2辺の媒体の移動方向との傾斜角度を求めることが可能となる。このとき、まず、その最頻の媒体長を含むスキャンラインの数が媒体画像全体のスキャンライン数に対して占める割合をチェックすることにより、媒体の4角が折れ曲がったり欠損していて媒体が過剰に傾斜していないかどうかを判断する。傾斜過剰の場合は、たとえ傾斜角度を求めたとしてもその計算精度は悪いので、その媒体は傾斜角度を求めることができないと判断する。次に、最頻の媒体長を含むスキャンラインの中から、上位および下位の所定数のスキャンラインを選び出し、その上位の各スキャンラインと下位の各スキャンラインとの総組み合わせで角度を求める。すなわち、各組み合わせのスキャンライン対に対し、それらの媒体長の開始または終了位置の座標値の差とスキャンライン間の距離とから傾斜角度を算出する。最後に、総組み合わせの数だけ求めた傾斜角度からその平均を算出して撮像媒体の傾斜角度としている。傾斜角度の検出は、全画像の撮像後ではなく、画像撮像と同時に開始することができるため、高速処理が可能になり、しかも、角度算出には最頻の媒体長を含む上位および下位の所定数のスキャンラインを使用し、それらの総組み合わせので角度を求めるようにしたことにより、計算精度を上げることができ、信頼性の高い撮像媒体の傾斜角度検出が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、紙幣鑑別のための画像読み取り装置に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は紙幣鑑別装置の画像読み取り装置の概略構成を示す図である。この図1において、紙幣1の搬送方向に対して直角な方向に紙幣1をスキャンするような画像読み取り装置が設けられている。紙幣1は図示しない紙幣搬送部によってたとえばその長手方向に搬送されてくるものとする。画像読み取り装置は、紙幣搬送路を挟んでその下部に発光素子2が配置され、上部にセルフォックレンズ3を介して受光素子4が配置されている。発光素子2はたとえば発光ダイオードを一列に配列した発光ダイオードアレイから構成され、受光素子4はたとえばCCD(charge coupled device )ラインセンサである。
【0011】
紙幣1の画像読み取りは、一定の速度で搬送された紙幣1に対して所定のタイミングで発光素子2を発光させ、紙幣の下面を照射し、照射した光を反対側にあるセルフォックレンズ3を介して受光素子4に結像させることにより行われる。受光素子4は、紙幣1を透過しないで直接入射された光を画素値の大きな透光画素として検出し、紙幣1を透過して入射された光を画素値の小さな非透光画素として検出し、図示しない画像処理部に出力する。
【0012】
画像処理部では、このようにして取得した画像から紙幣の斜行方向を検出し、その斜行画像を補正する処理を行うが、その処理の流れについて説明する。
図2は斜行画像処理の概略の流れを示すフローチャートである。まず、画像読み取り装置によって得られた画素値からスキャンラインごとに非透光画素値の長さに対応する短手長を求め、その分布を取得する(ステップS1)。斜行角度検出精度を高めるために、その短手長分布から短手長が最も多く分布する短手長最頻値、すなわち紙幣の長手辺に折れ、欠けがある部分を除いた信頼性の高い値を求める(ステップS2)。この最頻値としては、±1ドットは許容範囲内とする。ここで、短手長最頻値の頻度合計が設定値以上かどうかを判断する(ステップS3)。短手長最頻値の頻度合計が小さければ、紙幣の長手辺が異常に短いか長手長両辺が平行ではないと考えられる。したがって、この最頻値をもとに斜行角度を求めることはできないので、この紙幣は異常であると判断して返却するリジェクト処理を行う(ステップS4)。斜行角度を正しく検出できることが分かれば、次に、斜行角度の検出を行う(ステップS5)。この斜行角度の検出の詳細は、後述する。次に、斜行補正の対象を定めるために、紙幣領域の算出を行って、紙幣の4角の座標を求める(ステップS6)。次に、紙幣が大きく斜行している場合は誤鑑別の原因になるので、その斜行角度がたとえば10゜以内にあるかどうかを判断し(ステップS7)、10゜よりも大きく斜行していれば、リジェクト処理を行う。次に、斜行角度を求めた複数の角度値の分散が設定範囲内かどうかが判断される(ステップS8)。分散が大きければ、求めた斜行角度は信頼できる値でないので、リジェクト処理される。最後に、このようにして求めた斜行角度だけ、紙幣の領域を回転させることにより斜行補正を行う(ステップS9)。
【0013】
次に、斜行角度の検出までの処理の詳細を順次説明する。まず、紙幣の画像データについて説明する。
図3は画像データの用語の定義を説明する図である。画像データはxy座標系で表すものとし、紙幣搬送方向と反対方向をy軸、紙幣搬送方向に直角な方向をx軸とする。斜行状態で示した矩形領域が紙幣領域、スキャンラインが最初に検出した紙幣領域の点を最上点、最後に検出した点を最下点、スキャンラインが最初に検出する長手辺のy座標位置を最左点、最後に検出する長手辺のy座標位置を最右点、最上点と最下点とのy軸方向の差を長手長、最左点と最右点とのx軸方向の差を短手長、紙幣領域の平均の傾きを平均斜行角度θとする。また、短手長、長手長、平均斜行角度θは、それぞれに示す矢印の方向を正としている。
【0014】
ここで、紙幣1の画像データの取り込みは、搬送されてくる紙幣の先端、図では上から順に行われ、各スキャンラインについては左から右の方向にスキャンする。各スキャンラインでは、まず、最左点および最右点が求められる。スキャンすることによって得られる画素は、紙幣を透過しないで受光素子4に入力された場合の透光画素値と、紙幣を透過してきた場合の非透光画素値とでは大きく異なる。そこで、スキャンライン上で最初に非透光画素が出現した座標値を最左点とし、最後に非透光画素の出現座標位置を最右点とする。なお、紙幣1には、スキャンラインの途中に穴が明いているものもあり、その穴によって一旦非透光画素になるが、スキャンライン上で最後に出現した非透光画素を求めるようにしているので、必ず、最右点が求められる。
【0015】
短手長は、最右点から最左点を差し引いて1を加えた値によって求められる。各スキャンラインごとの最左点、最右点、および短手長は全スキャンラインリストと呼ぶテーブルに記憶される。また、各スキャンラインごとに紙幣の短手長の頻度分布を短手長頻度分布全リストと呼ばれるテーブルに記憶する。そして、この短手長頻度分布全リストを用いて、短手長が1画素以上のものを対象として頻度が最大の短手長、すなわち、最頻短手長を求める。これにより、長手の辺に欠けと呼ばれる欠損部分が存在するスキャンラインを除いた、両側の長手辺を横切るスキャンラインが最頻短手長となる。
【0016】
このようにして求めた最頻短手長の最左点の座標値から斜行角度を求めることになるが、その斜行角度を精度よく求めるには、できるだけ距離の離れた最頻短手長を使用することが重要である。この最頻短手長が分布する距離は紙幣の斜行状態で変化する。ここで、求めることができるできる斜行角度の範囲について説明する。
【0017】
図4は紙幣を最大斜行角度で撮像したときの状態を示した説明図である。図4において、紙幣が搬送される搬送路の幅を100mm、想定している最小紙幣サイズが117×60であるとする。搬送路の幅に対して鑑別する紙幣が最大斜行状態で搬送された場合、最大斜行角度は22.3°になる。これは紙幣の状態が良好な場合であって、流通紙幣の場合は角が折れ曲がっていることがある。その場合は、さらに斜行角度が大きくなる。しかし、斜行角度が22.3°より大きくなると、斜行角度を求めるための短手長の最頻値が少なくなるので、それから求めた斜行角度は精度が悪くなり、ひいては鑑別率の低下につながる。したがって、最大斜行角度は22.3°とし、これより斜行角度が大きな紙幣は、最頻値をもとに斜行角度を求めることはできないので、斜行不定とし、リジェクトすることにしている。ただし、紙幣鑑別としては、紙幣の角のある程度の折れ曲がりは許容しなければいけないので、ここでは、4角の20mm×20mmは折れ曲がっていたり欠損していたとしてもいいことにする。
【0018】
そこで、最大斜行角度にあるときの紙幣に関して、その斜行角度を求めるために必要な有効スキャンラインを考えると、まず、図4の上下においてスキャンラインが短手辺を横切る領域はy軸方向に23.2mmあるので、スキャン間隔を約1.38mmとすれば、17ラインになり、スキャンラインが両側の長手辺を同時に横切る領域は85.1mmであるので、61ラインとなる。紙幣の4角の折れ曲がりを考慮すると、最大傾斜角度で有効なy軸方向の距離は48.0mmであり、対象とできるラインは35となる。さらに、実際には、この折れ曲がり部分の境界を通るスキャンラインの画素値は撮像タイミングにより紙幣の切れ目になっていると、誤差が1ドット分出るので、上下1ラインを除外することにししている。したがって、最大斜行状態にある最小紙幣の斜行角度を求めるのに有効なスキャンラインの最大距離は、33ラインとなる。このとき、紙幣を横切るスキャンライン全体の数が94ラインとなるので、その最大距離の範囲は全体の35%になる。つまり、最頻短手長のラインが全スキャンラインの35%に満たなければ、その紙幣は形状異常と判断してよいことになる。
【0019】
斜行角度は、できるだけ距離の離れた最頻短手長のたとえば最左点の座標から算出することにより高い精度で求めることができる。ところが、紙幣を搬送する速度や受光素子による撮像には必ず誤差があるので、この誤差を考慮した場合に、斜行角度算出の精度を保証するには、スキャンラインの距離はどれくらい必要かについて説明する。
【0020】
図5は搬送速度誤差による角度変動を示す説明図である。紙幣を搬送する搬送速度には速度変動があり、その場合、撮像された画像は搬送方向に伸縮した画像となる。図5において、搬送速度が変動しないで撮像された紙幣の画像をI1とし、この画像I1の読み取り開始の位置をp0、読み取り終了の位置をp1とする。紙幣の搬送速度が一定した状態で撮像されたならば、紙幣の画像I1は矩形形状となるが、たとえば搬送速度が速くなると、p2の位置で読み取りが終了するので、画像は搬送方向に縮んだ形に変形された画像I2になる。したがって、この画像I2の斜行角度は、実際の斜行角度より大きくなる。逆に、搬送速度が遅くなると、斜行角度は実際よりも小さくなる。この搬送速度の変動による斜行角度の誤差は、速度変動を3%とすると、角度変動は±1.031倍になる。
【0021】
これに対して、撮像誤差は実測で±1ドットあるので、斜行角度が0で入った場合でも最悪2ドットはずれることになる。ここで、角度誤差θを、
【0022】
【数1】
θ=tan-1(2/y) ・・・(1)
で求めると、表1のようになる。
【0023】
【表1】
【0024】
この表1は、角度を見るドット間距離、すなわちy軸方向のスキャンラインのいくつかの数に対してそれぞれの角度誤差と速度変動を加味した角度誤差とを示している。この表1によれば、ドット間距離を16ラインから順次190ラインまで大きくしていくと、角度誤差は7.1から0.6まで減少していくことがわかる。このときの速度変動を考慮した角度誤差もドット間距離が大きくなるにつれて小さくなっている。
【0025】
ここで、斜行角度算出の精度を5°以上保証しようとすると、この表1から最小紙幣で少なくとも24ラインの距離は必要であることがわかる。したがって、最大誤差を5°に抑えるためには、最小紙幣での最大距離(33ライン)から5%を保証するのに必要な距離(24ライン)を除いた上下5ラインで斜行角度を算出すればよいことがわかる。なお、撮像誤差に関しては、現実的に±1ドットの誤差は角度算出のための点数を増やすことで、0とみなすことができる。
【0026】
図6は斜行角度の計算例を説明するための図である。図6において、紙幣画像I3をスキャンしながら各スキャンラインの短手長を求めたときの様子を示しており、ここで、紙幣の両長手辺を横切るスキャンラインとして、その上下領域にてライン11〜23が得られたとする。ここで、一番上と一番下のライン11,23は折れや欠けの可能性が高い紙幣の角をスキャンしたものであるため、この2本は斜行角度算出には使われない。また、長手辺に存在する欠けによって短手長が最頻値より短いライン13についても斜行角度算出から除外される。また、上位の有効ラインの5番目のライン17と下位の有効ラインの下から5番目のライン18との距離は、角度算出の精度の5°以上を保証するため、24ライン以上離れている。
【0027】
斜行角度算出には、上位の五つのライン12,14,15,16,17と下位の五つのライン18,19,20,21,22とが使われる。まず、ライン12の最左点の座標値と下位の五つのライン18,19,20,21,22の各最左点の座標値とで角度を求め、さらに、ライン14,15,16,17のそれぞれについて、下位の五つのライン18,19,20,21,22との間で同様にして角度算出を繰り返す。すなわち、上位の有効な五つのラインと下位の有効な五つのラインとの総当たりの組み合わせで、合計25個の角度を求め、最後にそれらの平均を以って斜行角度とするようにしている。
【0028】
すなわち、上位1本目のライン12の最左点のx座標値に対して下位5本目のライン18の最左点のx座標値との差をΔx11とし、以下、下位4本目、3本目、2本目、1本目のライン19,20,21,22の最左点のx座標値との差をΔx12,Δx13,Δx14,Δx15とし、同様に、上位2本目のライン14の最左点のx座標値に対して下位5本目、4本目、3本目、2本目、1本目のライン18,19,20,21,22の最左点のx座標値との差をΔx21,Δx22,Δx23,Δx24,Δx25とし、これを上位5本目のライン17の最左点のx座標値に対する下位1番目のライン22の最左点のx座標値との差について同様の方法で定義する。また、上位1本目のライン12のy座標値に対して下位5本目のライン18のy座標値との差をΔy11とし、以下、下位4本目、3本目、2本目、1本目のライン19,20,21,22のy座標値との差をΔy12,Δy13,Δy14,Δy15とし、同様に、上位2本目のライン14のy座標値に対して下位5本目、4本目、3本目、2本目、1本目のライン18,19,20,21,22のy座標値との差をΔy21,Δy22,Δy23,Δy24,Δy25とし、これを上位5本目のライン17のy座標値に対する下位1番目のライン22のy座標値との差について同様の方法で定義する。すると、斜行角度は以下の計算式2によって算出することができる。
【0029】
【数2】
斜行角度=
tan-1(Δx11/Δy11+Δx11/Δy12+
・・・+Δx55/Δy55)/25 ・・・(2)
このように、±1ドットを許容範囲内として求めた短手長の最頻値が、紙幣画像がある部分の全体の35%以上で、最頻値の中で上位6ライン目と下位6ライン目との距離が24ライン以上あったときに、上位2〜6ライン目と下位2〜6ライン目との全組み合わせから求めた25の角度の平均を斜行角度としたことで、最小紙幣の折れ欠けなしのときの最大斜行角度で、4角が20mm×20mmの折れがあるときの有効ドット数をもとに1点で計測したときの最大斜行誤差は、5°以下を保証することができる。最頻値が35%に満たない有効ライン過少の場合、および計算対象ライン間が24未満の有効ライン過少の場合はそれぞれ斜行不定としてリジェクト処理される。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、矩形媒体をスキャンしながらスキャン方向の媒体長探索による最頻の媒体長を取得し、その最頻の媒体長の中から上位および下位にある数ラインの総組み合わせで角度検出を行うように構成した。これにより、媒体画像を全部取得するまで待つことなく、取得しながらの角度検出の同時処理をするため、処理を高速化でき、総組み合わせの数だけ求めた多数の角度値をもとに最終的な傾斜角度を求めているので、精度の高い傾斜角度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙幣鑑別装置の画像読み取り装置の概略構成を示す図である。
【図2】斜行画像処理の概略の流れを示すフローチャートである。
【図3】画像データの用語の定義を説明する図である。
【図4】紙幣を最大斜行角度で撮像したときの状態を示した説明図である。
【図5】搬送速度誤差による角度変動を示す説明図である。
【図6】斜行角度の計算例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 紙幣
2 発光素子
3 セルフォックレンズ
4 受光素子
Claims (3)
- 矩形媒体を撮像することによって得られた画像の傾きを検出する撮像媒体の傾斜角度検出方法において、
前記矩形媒体の相対移動に従って、移動方向に直角な方向にスキャンすることによりスキャンラインの画素を取得しながら、前記スキャンライン上でスキャン方向に背景画素から媒体画素に最初に変わる開始座標値と最後に媒体画素から背景画素に変わる終了座標値とを取得するとともに前記開始座標と終了座標との差からスキャンライン上の媒体長を取得することを順次行い、
各スキャンラインの前記媒体長から最頻の媒体長を求め、
媒体画像全体のスキャンライン数に対する前記最頻の媒体長を含むスキャンラインの数の割合が設定値以上あるかどうかを判断し、
前記設定値以上と判断された場合に、前記最頻の媒体長を含む上位および下位の所定数のスキャンラインに対し、上位の各スキャンラインと下位の各スキャンラインとを総組み合わせしたスキャンライン対の前記媒体長の開始座標または終了座標を用いてそれぞれ傾斜角度を算出し、
総組み合わせの数だけ求めた前記傾斜角度からその平均を算出して撮像媒体の傾斜角度とする、
ことを特徴とする撮像媒体の傾斜角度検出方法。 - 前記設定値は、前記媒体が最大角度で傾斜したときの前記媒体の4角の所定領域を除くスキャンラインの前記最頻の媒体長を用いて前記傾斜角度を求めた場合の角度誤差が所定値以下となるのを保証するライン数の、前記媒体画像全体のスキャンライン数に対する割合であることを特徴とする請求項1記載の撮像媒体の傾斜角度検出方法。
- 前記傾斜角度を算出するステップは、前記最頻の媒体長を含むスキャンラインの中で最上位および最下位のスキャンラインを角度計算の対象から除外することを特徴とする請求項1記載の撮像媒体の傾斜角度検出方法。
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