JP2001099655A - ジャイロスコープおよびこれを用いた入力装置 - Google Patents

ジャイロスコープおよびこれを用いた入力装置

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JP2001099655A
JP2001099655A JP27761799A JP27761799A JP2001099655A JP 2001099655 A JP2001099655 A JP 2001099655A JP 27761799 A JP27761799 A JP 27761799A JP 27761799 A JP27761799 A JP 27761799A JP 2001099655 A JP2001099655 A JP 2001099655A
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electrode
electrodes
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JP27761799A
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Munemitsu Abe
宗光 阿部
Eiji Shinohara
英司 篠原
Masaki Esashi
正喜 江刺
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デバイスの小型化、検出感度の向上、駆動電
圧の低減等が図れるジャイロスコープを提供する。 【解決手段】 本発明のジャイロスコープ1は、3本の
脚9と支持部10とを有する音叉2と、音叉2を挟持す
る上側ガラス基板7、下側ガラス基板8と、各脚9の上
面に設けられた駆動用可動電極3と、これと対向して上
側ガラス基板7の下面に設けられた駆動用固定電極4
と、各脚9の先端部上面に設けられ、互いに並列接続さ
れた3個の検出用可動電極5と、これと対向して上側ガ
ラス基板7の下面に設けられ、1個おきに並列接続され
た3対6個の検出用固定電極6とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジャイロスコープ
とこれを用いた入力装置に関し、特に角速度入力時の音
叉の脚の変位を容量の変化で検出するタイプのジャイロ
スコープとこれを用いた入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、導電性を有するシリコン等の
材料で形成された音叉を用いたジャイロスコープが知ら
れている。この種のジャイロスコープは、音叉の脚を一
方向に振動させ、振動中に脚の長手方向を中心軸とする
角速度が入力された際にコリオリ力によって生じる前記
振動方向と垂直な方向の振動を検出するものである。コ
リオリ力により生じる振動の大きさは角速度の大きさに
対応するので、このジャイロセンサを角速度センサとし
て用いることができ、例えばパソコンの座標入力装置等
に適用することができる。
【0003】図21は、従来のジャイロスコープの主要
部である音叉の構成を示す図である。この図に示す通
り、この例の音叉100は、3本の脚101と各脚10
1の基端側を連結する支持部102とを有しており、導
電性を付与したシリコンで形成されている。音叉100
は、基板103上に支持部102で固定されており、各
脚101の下方にあたる箇所には駆動用電極(図示略)
がそれぞれ設けられている。したがって、駆動用電極に
電圧を印加した際に生じる静電引力によって各脚101
が鉛直方向に振動する構成となっている。
【0004】このジャイロスコープにおいて、鉛直方向
振動中に脚101の長手方向を回転軸とする角速度が入
力されると水平方向の振動が生じるが、この水平方向の
振動は各脚101の両側方に配置された一対の検出用電
極104で検出している。すなわち、脚101が水平方
向に変位した際、脚101の一方側に配置された検出用
電極104と脚101との間隔が狭まると、他方側に配
置された検出用電極104と脚101との間隔が広が
り、各検出用電極104と脚101とで構成される2組
の静電容量が変化する。この静電容量の変化から、入力
された角速度の大きさを検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
ジャイロスコープは、各脚101の両側方に検出用電極
104が配置されているため、脚101と脚101との
間隔(以下、脚間ギャップという)をあまり狭くするこ
とができなかった。すなわち、検出用電極104の幅を
1、検出用電極104と脚101との間隔および検出
用電極104同士の間隔をx2とすると、脚間ギャップ
GはG=2x1+3x2となり、一般的な半導体デバイス
製造技術を利用したシリコン加工におけるx1、x2の加
工限界から、脚間ギャップGの縮小化にも限界があっ
た。
【0006】その一方、3脚型の音叉において脚間ギャ
ップGを小さくすると、この種のデバイスの共振の大き
さを表す性能指標である「Q値」が大きくなることがわ
かった。Q値を大きくすることができれば、角速度の検
出感度が向上することに加えて、デバイスに入力する電
気エネルギーから振動エネルギーへの変換効率が向上す
るため、駆動電圧の低減を図ることができる。
【0007】ところが上述したように、脚間ギャップが
縮小化できれば、デバイスの小型化、検出感度の向上、
駆動電圧の低減等、種々の利点が得られることが予想さ
れながらも、従来のジャイロスコープは脚間ギャップの
縮小化に限界があったため、その実現が不可能であっ
た。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、上記種々の利点が得られ、高品
質、低コストのジャイロスコープ、およびこのジャイロ
スコープを利用した入力装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1のジャイロスコープは、音叉をなす
振動片と、該振動片と対向配置された基材と、前記振動
片を駆動する駆動手段と、前記振動片の先端部の変位検
出方向と平行な面側に設けられ、各々が前記振動片の変
位検出方向の最大振幅以上の幅を有する複数の検出用可
動電極と、それぞれ複数の電極を有する2つの電極群か
らなり、該2つの電極群のそれぞれの電極が前記複数の
検出用可動電極のいずれかの電極との間で容量を形成す
るよう前記複数の検出用可動電極と対向配置されて前記
基材に設けられるとともに、前記2つの電極群の一方の
電極群をなす各電極の外端が該各電極と対向する前記検
出用可動電極の一方の外端よりも前記変位検出方向の最
大振幅以上外側にはみ出しており、他方の電極群をなす
各電極の外端が該各電極と対向する前記検出用可動電極
の他方の外端よりも前記変位検出方向の最大振幅以上外
側にはみ出しており、前記各電極が前記振動片の変位検
出方向の最大振幅以上の幅を有する検出用固定電極とを
有してなり、前記検出用固定電極のうちの一方の電極群
とこれと対向する前記複数の検出用可動電極との間で形
成される容量の和と、前記検出用固定電極のうちの他方
の電極群とこれと対向する前記複数の検出用可動電極と
の間で形成される容量の和との差を検出することを特徴
とするものである。
【0010】本発明の第2のジャイロスコープは、音叉
をなす振動片と、該振動片と対向配置された基材と、前
記振動片を駆動する駆動手段と、前記基材に設けられた
検出用固定電極であって、前記振動片の先端部の変位検
出方向と平行な面と対向して設けられ、各々が前記振動
片の変位検出方向の最大振幅以上の幅を有する複数の検
出用固定電極と、それぞれ複数の電極を有する2つの電
極群からなり、該2つの電極群のそれぞれの電極が前記
複数の検出用固定電極との間で容量を形成するよう前記
複数の検出用固定電極のいずれかの電極と対向配置され
て前記振動片の先端部の変位検出方向と平行な面側に設
けられるとともに、前記2つの電極群の一方の電極群を
なす各電極の外端が該各電極と対向する前記検出用固定
電極の一方の外端よりも前記変位検出方向の最大振幅以
上外側にはみ出しており、他方の電極群をなす各電極の
外端が該各電極と対向する前記検出用固定電極の他方の
外端よりも前記変位検出方向の最大振幅以上外側にはみ
出しており、前記各電極が前記振動片の変位検出方向の
最大振幅以上の幅を有する検出用可動電極とを有してな
り、前記検出用可動電極のうちの一方の電極群とこれと
対向する前記複数の検出用固定電極との間で形成される
容量の和と、前記検出用可動電極のうちの他方の電極群
とこれと対向する前記複数の検出用固定電極との間で形
成される容量の和との差を検出することを特徴とするも
のである。
【0011】本発明のジャイロスコープの検出原理も従
来と同様、音叉の振動片(先に述べた「脚」に相当)の
振動を容量変化で検出するものである。通常、容量C
は、C=ε・(S/d) ……(1)(ε:誘電体の誘
電率、S:電極の面積、d:電極間のギャップ)で表さ
れる。ところが、従来のジャイロスコープが、振動時に
おける脚と検出用電極との間隔の変化、上記(1)式で
言えば、電極間ギャップdの変化による容量変化を検出
するのに対し、本発明のジャイロスコープは、振動時に
おける検出用電極同士の対向面積の変化、上記(1)式
で言えば、電極面積Sの変化による容量変化を検出する
点で相違している。
【0012】すなわち、本発明の第1のジャイロスコー
プは、振動片側に、その先端部の変位検出方向と平行な
面上に、各々が振動片の変位検出方向の最大振幅以上の
幅を有する複数の検出用可動電極を設ける一方、基材側
には、それぞれ複数の電極を有する2つの電極群からな
り、2つの電極群のそれぞれの電極が複数の検出用可動
電極のいずれかとの間で容量を形成するよう前記複数の
検出用可動電極のいずれかと対向配置されるとともに、
一方の電極群をなす各電極の外端が各検出用可動電極の
一方の外端よりも変位検出方向の最大振幅以上外側には
み出しており、他方の電極群をなす各電極の外端が各検
出用可動電極の他方の外端よりも変位検出方向の最大振
幅以上外側にはみ出しており、各電極が振動片の変位検
出方向の最大振幅以上の幅を有する検出用固定電極を設
けたことを構成上の最大の特徴点としている。
【0013】容量変化の検出方法としては、2つの電極
群からなる検出用固定電極のうちの一方の電極群をなす
各電極とこれらと対向する複数の検出用可動電極との間
で形成される複数の容量の和と、2つの電極群からなる
検出用固定電極のうちの他方の電極群をなす各電極とこ
れらと対向する複数の検出用可動電極との間で形成され
る複数の容量の和との差を検出することを特徴としてい
る。
【0014】また、本発明の第2のジャイロスコープ
は、基材側に、振動片の先端部の変位検出方向と平行な
面上に、各々が振動片の変位検出方向の最大振幅以上の
幅を有する複数の検出用固定電極を設ける一方、振動片
側には、それぞれ複数の電極を有する2つの電極群から
なり、2つの電極群のそれぞれの電極が複数の検出用固
定電極のいずれかとの間で容量を形成するよう複数の検
出用固定電極のいずれかと対向配置されるとともに、一
方の電極群をなす各電極の外端が各検出用固定電極の一
方の外端よりも変位検出方向の最大振幅以上外側にはみ
出しており、他方の電極群をなす各電極の外端が各検出
用固定電極の他方の外端よりも変位検出方向の最大振幅
以上外側にはみ出しており、各電極が振動片の変位検出
方向の最大振幅以上の幅を有する検出用可動電極を設け
たことを構成上の最大の特徴点としている。
【0015】容量変化の検出方法としては、2つの電極
群からなる検出用可動電極のうちの一方の電極群の各電
極とこれらと対向する複数の検出用固定電極との間で形
成される複数の容量の和と、2つの電極群からなる検出
用可動電極のうちの他方の電極群の各電極とこれらと対
向する複数の検出用固定電極との間で形成される複数の
容量の和との差を検出することを特徴としている。言い
換えると、本発明の第1、第2のジャイロスコープで
は、容量変化量の検出に差動検出法を用いている。
【0016】この構成としたことにより、駆動手段によ
り音叉の振動片を振動させた状態で振動片の長手方向を
回転軸とする角速度が入力されると、コリオリ力によっ
て前記振動方向と直交する方向の振動が生じる。この
時、振動片側の検出用可動電極と基材側の検出用固定電
極とが少なくとも一部対向した状態にあり、振動片の振
動に伴って検出用可動電極と検出用固定電極との対向面
積が変化するため、容量変化が生じる。この容量変化を
検出することで角速度を検出することができる。なお、
各検出用電極の幅が振動片の変位検出方向の最大振幅以
上であるとしたのは、仮に各検出用電極の幅が振動片の
最大振幅よりも小さかったとすると、振動片が大きな角
速度を受けて振動片が最大に振動した場合、振動片側の
検出用可動電極と基材側の検出用固定電極とが対向しな
い状態が生じ、容量検出が不可能となってしまうからで
ある。ここで言う「振幅」とは、「変位検出方向の振
幅」と記載したように、あくまでも角速度入力時のコリ
オリ力によって生じる振動の振幅のことであり、駆動手
段による振動の振幅のことではない。
【0017】つまり、本発明のジャイロスコープでは、
振動片の基端部を任意の基材に支持した場合、その基材
上に振動片の検出用可動電極と対向するように検出用固
定電極を設ければよく、従来のように脚と脚の間に検出
用電極を設ける必要がなくなる。その結果、脚間ギャッ
プを音叉を構成する材料、例えばシリコンの加工限界程
度にまで小さくすることができるため、Q値を大きくす
ることができ、検出感度の向上、駆動電圧の低減を図る
ことができる。勿論、デバイスの小型化を図ることも可
能である。
【0018】さらに、本発明のジャイロスコープでは、
基材側、振動片側のいずれか一方に設けられた検出用電
極に対して、この検出用電極に対向する他方側の検出用
電極が2つの電極群からなり、しかも、2つの電極群の
うち一方の電極群の各電極の外端が対向側の検出用電極
の一方の外端よりも変位検出方向の最大振幅以上外側に
はみ出しており、他方の電極群の各電極の外端が対向側
の検出用電極の他方の外端よりも変位検出方向の最大振
幅以上外側にはみ出すように配置されている。この構成
であると、振動片がいずれか一方向に変位した場合、一
方の電極群の各電極とこれと対向する検出用電極との対
向面積が増え、容量が増加する方向に変化したとする
と、他方の電極群の各電極とこれと対向する検出用電極
との間では逆に対向面積が減り、容量が減少する方向に
変化することになる。そこで、容量検出時に、2つの電
極群からなる検出用電極のうちの一方の電極群側で形成
される複数の容量の和と他方の電極群側で形成される複
数の容量の和との差分をとると、変位が無いときの初期
容量値は等しいために消去され、一方側の容量変化量は
正、他方側の容量変化量は負となるので、容量変化量の
みが残る。したがって、初期容量値の中に含まれるノイ
ズ成分をキャンセルすることができるので、検出精度を
向上させることができる。また、2つの電極群からなる
検出用電極の各電極群の電極数が他方の検出用電極の電
極数と同一である構成、すなわち、2つの電極群を構成
する各電極をこれと対向する1つの検出用電極に対して
互いに対となるような構成にすると、幅方向を最も有効
に使うことができる。
【0019】前記駆動手段としては、例えば振動片側と
基材側に互いに対向するように駆動用電極を設ければよ
い。その場合、駆動用電極を、各振動片の延在方向に延
ばして形成し、駆動用電極と検出用電極との間の寄生容
量の発生を防ぐためにこれら電極を離間させて設けるこ
とが望ましい。仮に駆動用電極と検出用電極との間で寄
生容量が発生すると、角速度を検知し、検出用電極との
間に生じた容量変化を検出する際、この寄生容量をも検
知してしまい、これがノイズ成分となり、SN比が低下
するという不具合が生じるが、駆動用電極と検出用電極
とを離間させて配置すれば、このような不具合の発生が
防止される。検出側の電極の形成位置に関しては、音叉
の上面または下面に設けることができる。この場合、検
出容量が大きくとれるとともに、電極の形成が容易にな
る。また、検出用可動電極は、振動片の延在方向端面に
設けることもできる。この場合、検出用固定電極を音叉
と同じプロセスで形成できるとともに、検出用固定電極
と駆動手段の干渉を少なくすることができる。
【0020】前記振動片を導電性材料で構成する場合、
前記複数の検出用可動電極もしくは複数対の検出用可動
電極は、振動片の少なくとも先端部に形成された絶縁膜
を介して設けることが好ましい。
【0021】本発明の入力装置は、上記本発明のジャイ
ロスコープを用いたことを特徴とするものである。本発
明のジャイロスコープの使用により、例えばパソコンの
座標入力装置等の小型の機器を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1ないし図5を参照して説明
する。図1は本実施の形態のジャイロスコープの全体構
成を示す分解斜視図、図2はその平面図(ただし、電極
構成は上側ガラス基板の下面を示している)、図3は図
2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線
に沿う断面図(脚1本分を示す拡大図)、図5はジャイ
ロスコープの製造方法を示す工程断面図である。図中符
号2は音叉、3は駆動用可動電極、4は駆動用固定電
極、5は検出用可動電極、6は検出用固定電極、7は上
側ガラス基板(基材)、8は下側ガラス基板である。
【0023】本実施の形態のジャイロスコープ1は、図
1および図2に示すように、3本の脚9(振動片)とこ
れらの基端側を連結する支持部10とを有する3脚型の
音叉2が用いられている。また、音叉2の周囲には枠部
11が設けられており、これら音叉2と枠部11とは、
元々は厚さ200μm程度の導電性を有する1枚のシリ
コン基板から形成されている。図3に示すように、枠部
11は上側ガラス基板7と下側ガラス基板8との間に挟
持されて固定されるとともに、2枚のガラス基板7、8
の内面のうち、音叉2の上方および下方に位置する領域
は10μm程度の深さの凹部7a、8aとなっており、
各ガラス基板7、8と音叉2との間に10μm程度の間
隙が形成されることで音叉2の各脚9が宙に浮いた状態
となり、振動可能となっている。
【0024】図1および図2に示すように、各脚9の上
面の基端側の位置には、各脚9に1個ずつの駆動用可動
電極3が脚9の長手方向に延在するように設けられてい
る。図1では図面を見やすくするため、図示を省略した
が、駆動用可動電極3は、図3に示すように、シリコン
基板上に形成された膜厚500nm程度のシリコン酸化
膜等からなる絶縁膜12を介して形成されている。
【0025】一方、上側ガラス基板7の下面の前記駆動
用可動電極3と対向する位置には、各脚9に1個ずつの
駆動用固定電極4が脚9の長手方向に延在するように設
けられている。これら駆動用可動電極3、駆動用固定電
極4は膜厚300nm程度のアルミニウム膜またはクロ
ム膜、もしくは白金/チタン膜等から形成されており、
これら電極3、4に駆動信号を供給するための配線1
3、14がこれら電極3、4と同じレイヤーのアルミニ
ウム膜またはクロム膜、もしくは白金/チタン膜等によ
り一体的に形成されている。
【0026】また、各脚9の上面の駆動用可動電極3の
形成位置よりも脚9の先端部寄りの位置には、各脚9に
対して3個ずつの検出用可動電極5が、脚9の長手方向
に延在するように設けられている。これら3個の検出用
可動電極5は、駆動用可動電極3と同様、膜厚300n
m程度のアルミニウム膜またはクロム膜等からなり、シ
リコン基板上のシリコン酸化膜等からなる絶縁膜12を
介して形成されている。また、これら3個の検出用可動
電極5は互いに並列接続されており、さらに検出信号取
り出し用の配線15が形成されている。
【0027】一方、上側ガラス基板7の下面の駆動用固
定電極4の形成位置よりも脚9の先端部寄りの位置に
は、各検出用可動電極5と対向するように各検出用可動
電極5に対して2個ずつ(1対)、各脚9に対して6個
ずつ(3対)の検出用固定電極6が設けられている。こ
れら1脚あたり6個の検出用固定電極6は、1個おきに
それぞれ並列接続されており、並列接続された2系統か
ら検出信号取り出し用の配線16a、16bがそれぞれ
延びている。すなわち、本実施の形態では、検出用固定
電極6側が2つの電極群で構成されており、検出用固定
電極6の各電極群の電極数(3個)が、検出用可動電極
5の電極数(3個)と同一であって、検出用固定電極6
の各電極群内の電極が互いに並列接続された構成であ
る。
【0028】図4に示すように、各脚9上の検出用可動
電極5と上側ガラス基板7上の1対の検出用固定電極6
とは対向配置されているが、脚9の変位検出方向におけ
る検出用可動電極5の両外端(図4における左端と右
端)と1対の検出用固定電極6の各々の外端が揃うよう
に完全に対向配置されているわけではなく、1対の検出
用固定電極6をなす各電極の外端が各検出用可動電極5
の両外端よりも脚9の最大振幅以上外側にはみ出してい
る。また、各検出用可動電極5の幅W1および各検出用
固定電極6の幅W2は、脚9の最大振幅以上の寸法に設
定されている。
【0029】ここで、各部の寸法の一例を示すと、1つ
の脚7の幅Wが200μm、各検出用可動電極5の幅W
1が35μm、検出用可動電極5間の間隔G1が15μ
m、各検出用固定電極6の幅W2が20μm、検出用固
定電極6間の間隔G2が5μm、一対の検出用固定電極
6の各々の外端の検出用可動電極5外端からのはみ出し
量Zが5μm、である。なお、この脚9の変位検出方向
の最大振幅は1μmに設定している。本例では、一対の
検出用固定電極6のうち、一方の検出用固定電極6の外
端の検出用可動電極5外端からのはみ出し量と、他方の
検出用固定電極6の外端の検出用可動電極5外端からの
はみ出し量とを同じにしているが、これらのはみ出し量
はともに脚9の最大振幅以上の寸法にすればよく、必ず
しも同じでなくても良い。
【0030】さらに、ジャイロスコープ1の機能上は特
に必要ではなく、後述する製造上の都合により必要なも
のであるため、ここでは図示を省略するが、実際には、
駆動用固定電極4および検出用固定電極6が設けられた
領域以外の上側ガラス基板7の内面側、および下側ガラ
ス基板8の内面側には、駆動用固定電極4および検出用
固定電極6と同一のアルミニウム膜またはクロム膜等か
らなる同電位パターンが設けられている。
【0031】次に、上記構成のジャイロスコープ1を製
造する方法の一例を説明する。図5Aに示すように、シ
リコン基板17を用意し、熱酸化法、TEOS−CVD
法等の手法を用いてシリコン基板17の上面にシリコン
酸化膜18を形成し、これを周知のフォトリソグラフィ
ー技術によりパターニングして上側ガラス基板7と接続
される枠部11となる部分以外の領域にシリコン酸化膜
18を残す。このシリコン酸化膜18が導電性のシリコ
ンとその上に形成する各電極とを電気的に絶縁する絶縁
膜12として機能する。
【0032】次に、図5Bに示すように、シリコン酸化
膜18上を含むシリコン基板17の上面の全域に膜厚3
00nm程度のアルミニウム膜またはクロム膜、もしく
は白金/チタン膜等をスパッタし、その後、周知のフォ
トリソグラフィー技術によりこれをパターニングしてシ
リコン基板17上面の所定の位置に駆動用可動電極3お
よび検出用可動電極5を形成する。
【0033】図示を省略するが、別途、2枚のガラス基
板を用意し、表面にクロム膜をスパッタした後、レジス
トパターンを形成し、このレジストパターンをマスクと
してクロム膜をエッチングする。次に、このレジストパ
ターンおよびクロム膜をマスクとしてガラス基板表面の
フッ酸エッチングを行い、ガラス基板上の音叉の位置に
対応する領域に深さ10μm程度の凹部を形成する。そ
の後、レジストパターンおよびクロムパターンを除去す
る。次に、1枚のガラス基板については、膜厚300n
m程度のアルミニウム膜またはクロム膜、もしくは白金
/チタン膜等を全面にスパッタした後、周知のフォトリ
ソグラフィー技術を用いてこれをパターニングして駆動
用固定電極4、検出用固定電極6および同電位パターン
を形成し、こちらの基板を上側ガラス基板7とする。同
様に、もう1枚のガラス基板についても、アルミニウム
膜またはクロム膜、もしくは白金/チタン膜等を全面に
スパッタした後、これをパターニングして同電位パター
ンを形成し、下側ガラス基板8とする。
【0034】次に、図5Cに示すように、シリコン基板
17の下面と下側ガラス基板8とを陽極接合法を用いて
接合する。この際、シリコン基板17のうち、後で枠部
11となる部分が接合されることになる。陽極接合法で
はシリコン基板に正、ガラス基板に負の電位を印加して
シリコンとガラスを接合することができるが、シリコン
基板17が後に音叉2となる部分では下側ガラス基板8
表面との間隙が10μm程度しかないため、陽極接合時
の静電引力によりシリコン基板17が撓んで下側ガラス
基板8と接触すると、この部分も接合されてしまい、振
動可能な音叉2を形成できなくなる。したがって、下側
ガラス基板8に接合すべきでない部分が接合されてしま
うのを防止する目的で下側ガラス基板8表面をシリコン
基板17と同電位とするために、下側ガラス基板8表面
の同電位パターンを用いるのである。上側ガラス基板7
についても同様である。
【0035】次に、図5Dに示すように、シリコン基板
17表面にレジストパターン19を形成する。この際、
レジストパターン19の平面形状は、図2に示すような
音叉2、枠部11等、シリコンを残す部分の形状とな
る。このレジストパターン19をマスクとして、反応性
イオンエッチング等の異方性エッチングを用いてシリコ
ン基板17を貫通するエッチングを行う。これにより、
音叉2、枠部11がそれぞれ形成され、音叉2の部分は
下側ガラス基板8の上方で宙に浮いた状態となる。その
後、レジストパターン19を除去すると、図5Eに示す
形状となる。
【0036】次に、下側ガラス基板8に接合されたシリ
コン基板17の上面と上側ガラス基板7とを陽極接合法
を用いて接合する。この際、図3に示すように、シリコ
ン基板17の枠部11が上側ガラス基板7に接合される
ことになる。以上の工程により、本実施の形態のジャイ
ロスコープ1が完成する。
【0037】本実施の形態のジャイロスコープ1を使用
する際には、駆動用可動電極3の配線13と駆動用固定
電極4の配線14との間に駆動源としての発振器を接続
し、検出用可動電極5の配線15と一方の検出用固定電
極6の配線16aとの間に第1の容量検出器を接続する
とともに、検出用可動電極5の配線15と他方の検出用
固定電極6の配線16bとの間に第2の容量検出器を接
続し、音叉2は接地しておく。発振器を駆動して駆動用
可動電極3−駆動用固定電極4間に数kHz程度の周波
数の電圧を印加すると、音叉2の各脚9が鉛直方向に振
動する。その状態で、脚9の長手方向を回転軸とする角
速度が入力されると、入力された角速度の大きさに応じ
た水平方向の振動が生じる。この時、音叉2の各脚9の
各検出用可動電極5と上側ガラス基板7の1対の検出用
固定電極6とが対向した状態にあり、脚9の水平振動に
伴って各検出用可動電極5と各検出用固定電極6の対向
面積が変化するため、容量変化が生じる。この時の容量
変化量を第1の容量検出器および第2の容量検出器で差
動検出することにより角速度の大きさを検出することが
できる。
【0038】したがって、本実施の形態のジャイロスコ
ープ1では、従来のジャイロスコープのように脚と脚の
間に検出用電極を設ける必要がなくなる。その結果、脚
間ギャップをシリコン基板の加工限界近く、例えば数十
μm程度にまで小さくすることができ、Q値を大きくす
ることができる。例えば脚幅が200μmのジャイロス
コープにおいて、脚間ギャップが300μm〜400μ
m程度であるとQ値は1000前後であるが、脚間ギャ
ップを数十μm程度にまで狭めるとQ値は2000前後
と、約2倍に増大することができる。このQ値の増大に
より、角速度センサとしての検出感度の向上、駆動電圧
の低減を図ることができる。さらに、デバイスの小型化
を図ることもできる。
【0039】本出願人は、本発明の目的を達成するため
に、他の構成のジャイロスコープを既に出願している。
本発明のジャイロスコープは既出願のジャイロスコープ
の改良版であって、既出願のジャイロスコープに対して
以下のような利点を有している。図19は既出願のジャ
イロスコープの全体構成を示す分解斜視図、図20は図
19のXX−XX線に沿う断面図である。なお、図19およ
び図20において、図1〜図4に示した本実施の形態の
ジャイロスコープと共通の構成要素には同一の符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0040】図19および図20に示すジャイロスコー
プ21は、上記実施の形態のジャイロスコープ1と異な
り、上側ガラス基板7の下面に、1本の脚9に対して2
個ずつの検出用固定電極6が設けられている。そして、
導電性シリコンからなる脚9そのものを電極として機能
させているため、各脚9には駆動用電極も検出用電極も
設けられていない。
【0041】これに対して、本実施の形態のジャイロス
コープ1の場合、1つの脚9に対して3個の検出用可動
電極5および6個の検出用固定電極6が設けられてお
り、1個の検出用可動電極5に対して2個1対の検出用
固定電極6が対向配置されている。そして、3個の検出
用可動電極5同士は互いに並列接続され、6個の検出用
固定電極6は1個おきにそれぞれ並列接続されている。
これを等価回路図で示すと図15のようになる。また、
対向する検出用可動電極5と検出用固定電極6とで形成
される容量をそれぞれC1、C2、C3、C4、C5、C6
する。脚9に対して角速度が入力されず、コリオリ力が
働かずに変位が0の時(初期状態)の1脚あたりの容量
をCdt1とすると、 Cdt1=C1+C2+C3+C4+C5+C6 ……(2) と表される。次に、脚9に対して任意の角速度が入力さ
れ、コリオリ力が働いて変位が生じた時の全体の容量を
dt2とすると、本実施の形態のジャイロスコープ1で
は差動検出を行っているため、 Cdt2={(C1+ΔC1)+(C3+ΔC3)+(C5+ΔC5)} −{(C2+ΔC2)+(C4+ΔC4)+(C6+ΔC6)} ……(3 ) (ただし、ΔC1、ΔC2、…、ΔC6は各容量における
容量変化量)と表される。図15において、(3)式の
1項目((C1+ΔC1)+(C3+ΔC3)+(C 5+Δ
5))は容量検出器CAで、2項目((C2+ΔC2)+
(C4+ΔC4)+(C6+ΔC6))は容量検出器CB
測定される。(3)式を書き換えると、次の(4)式と
なる。
【数1】 具体的な容量値の一例として、Cdt1は1pF程度、Δ
iは0.01〜0.1pF程度に設定される。
【0042】図19、図20に示した既出願のジャイロ
スコープ21の場合、1つの脚9に対して2個の検出用
電極6が設けられているため、(4)式におけるnが2
であり、例えば1脚あたりの容量変化量は0.02〜
0.2pF程度となる。これに対して、本実施の形態の
ジャイロスコープ1の場合、(4)式におけるnが6で
あり、例えば1脚あたりの容量変化量は0.06〜0.
6pF程度となる。したがって、脚9が同じ大きさの角
速度を受け、同じ大きさの変位が生じたとしても、本実
施の形態のジャイロスコープ1では既出願のジャイロス
コープ21に比べて3倍の容量変化、言い換えると、3
倍の感度を得ることができる。よって、1つの脚に対し
てn個の検出用電極を設けると、既出願のジャイロスコ
ープ21に比べて(n/2)倍の感度を得ることができ
る。このように、本実施の形態のジャイロスコープ1に
よれば、検出感度をより向上させることができる。
【0043】さらに、本実施の形態では差動検出を行っ
ているが、(4)式に示した通り、1個おきの初期容量
値の和が互いに等しい(C1+C3+C5=C2+C4
6)ため、初期容量値分が消去され、容量変化量のみ
が残る。したがって、初期容量値の中に含まれるノイズ
成分をキャンセルすることができるので、検出精度を向
上させることができる。
【0044】また、本実施の形態のジャイロスコープ1
は、音叉2が2枚のガラス基板7、8の間に挟持されて
いるため、ガラス基板7、8によって音叉2の部分が保
護され、取り扱いやすいものとなっている。さらに、音
叉2の部分に塵埃が入りにくい構造であるから、外乱が
抑制され、センサ精度を向上することができる。また、
真空封止も行える構造であり、これによれば更にQ値を
向上させることができる。また本実施の形態の場合、検
出用固定電極6側が2つの電極群で構成されており、検
出用固定電極6の各電極群の電極数(3個)が、検出用
可動電極5の電極数(3個)と同一であり、2つの電極
群を構成する各検出用固定電極6を、これと対向する1
つの検出用可動電極5に対して互いに対となる構成とし
ているので、振動片の幅方向を最も有効に利用すること
ができる。
【0045】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図6を参照して説明する。図6は本実施
の形態のジャイロスコープの脚1本分の電極構成を示す
拡大図である。本実施の形態のジャイロスコープの基本
構成は第1の実施の形態と全く同様であり、本実施の形
態のジャイロスコープが第1の実施の形態と異なる点
は、脚1本あたりの電極の構成のみである。以下では、
図4と共通の構成要素に同一の符号を付した図6を用い
て異なる部分のみを説明し、共通部分の説明は省略す
る。
【0046】第1の実施の形態においては、上側ガラス
基板7の下面と脚9の上面のみに検出用可動電極5、検
出用固定電極6がそれぞれ設けられていたが、本実施の
形態のジャイロスコープ23では、下側ガラス基板8の
上面と脚9の下面にも同様の電極が設けられている。す
なわち、図6に示すように、各脚9の下面の先端部寄り
の位置には、各脚9に対して3個ずつの検出用可動電極
5が、脚9の長手方向に延在するように設けられてい
る。これら3個の検出用可動電極5は、脚9上面側の電
極と同様、膜厚300nm程度のアルミニウム膜または
クロム膜、もしくは白金/チタン膜等からなり、シリコ
ン酸化膜等からなる絶縁膜12を介して形成されてい
る。また、これら3個の検出用可動電極5は互いに並列
接続されており、さらに検出信号取り出し用の配線が形
成されている。
【0047】一方、下側ガラス基板8の上面には、各検
出用可動電極5と対向するように各検出用可動電極5に
対して2個ずつ(1対)、各脚9に対して6個ずつ(3
対)の検出用固定電極6が設けられている。これら1脚
あたり6個の検出用固定電極6は、1個おきにそれぞれ
並列接続されており、並列接続された2系統から検出信
号取り出し用の配線がそれぞれ延びている。また、各検
出用電極は、1対の検出用固定電極6をなす各電極の外
端が各検出用可動電極5の両外端よりも脚9の最大振幅
以上外側にはみ出すように配置されている。また、各検
出用可動電極5の幅および各検出用固定電極6の幅は、
脚の最大振幅以上の寸法に設定されている。
【0048】本実施の形態のジャイロスコープ23にお
いても、脚間の検出用電極をなくせることによりQ値を
増大することができ、角速度センサとしての検出感度の
向上、駆動電圧の低減、デバイスの小型化が図れる、と
いった第1の実施の形態と同様の効果を奏することがで
きる。
【0049】さらに検出感度について言えば、本実施の
形態の場合、脚9の上面側に形成される容量と脚9の下
面側に形成される容量とを並列接続することにより、1
個の脚9に対して12個の容量が形成されることとな
り、第1の実施の形態のジャイロスコープ1に対して2
倍、図19、図20に示した既出願のジャイロスコープ
21に対して6倍の感度向上を図ることが可能となる。
【0050】[第3の実施の形態]以下、本発明の第3
の実施の形態を図7を参照して説明する。図7は本実施
の形態のジャイロスコープの脚1本分の電極構成を示す
拡大図である。本実施の形態のジャイロスコープの基本
構成は第1、第2の実施の形態と全く同様であり、異な
る点は、上記第1、第2の実施の形態では、脚側の1個
の検出用電極に対してガラス基板側に2個1対の検出用
電極を設けたのに対し、本実施の形態では、これとは逆
に、ガラス基板側の1個の検出用電極に対して脚側に2
個1対の検出用電極を設けた点である。以下では、図4
と共通の構成要素に同一の符号を付した図7を用いて異
なる部分のみを説明し、共通部分の説明は省略する。
【0051】本実施の形態のジャイロスコープ24は、
図7に示すように、上側ガラス基板7下面の脚9の先端
部寄りにあたる位置に、各脚9に対して3個ずつの検出
用固定電極20が、脚9の長手方向に延在するように設
けられている。これら3個の検出用固定電極20は、膜
厚300nm程度のアルミニウム膜またはクロム膜、も
しくは白金/チタン膜等から形成されている。また、こ
れら3個の検出用固定電極20は互いに並列接続されて
おり、さらに検出信号取り出し用の配線が形成されてい
る。
【0052】一方、脚9の上面には、各検出用固定電極
20と対向するように各検出用固定電極20に対して2
個ずつ(1対)、各脚9に対して6個ずつ(3対)の検
出用可動電極22が設けられている。これら1脚あたり
6個の検出用可動電極22は、シリコン酸化膜等からな
る絶縁膜12を介して形成され、1個おきに3個の検出
用可動電極22が1つの電極群をなし、これら同じ電極
群内の電極がそれぞれ並列接続されており、並列接続さ
れた2系統から検出信号取り出し用の配線がそれぞれ延
びている。また、各検出用電極は、1対の検出用可動電
極22をなす各電極の外端が各検出用固定電極20の両
外端よりも脚9の最大振幅以上外側にはみ出すように配
置されている。また、各検出用可動電極22の幅および
各検出用固定電極20の幅は、脚9の最大振幅以上の寸
法に設定されている。
【0053】本実施の形態のジャイロスコープ24にお
いても、脚間の検出用電極をなくせることによりQ値を
増大することができ、角速度センサとしての検出感度の
向上、駆動電圧の低減、デバイスの小型化が図れる、と
いった第1、第2の実施の形態と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0054】[第4の実施の形態]以下、本発明の第4
の実施の形態を図8を参照して説明する。図8は本実施
の形態のジャイロスコープの脚1本分の電極構成を示す
拡大図である。本実施の形態のジャイロスコープの基本
構成は第1〜第3の実施の形態と全く同様であり、異な
る点は、上記第1〜第3の実施の形態では、脚側または
ガラス基板側の1個の検出用電極に対して他方のガラス
基板側または脚側に2個1対の検出用電極を設けたのに
対し、以下に説明する第4、第5の実施の形態では、ガ
ラス基板側の検出用固定電極の総数と脚側の検出用可動
電極の総数が同じであり、検出用固定電極と検出用可動
電極とが1対1に対応している点が異なっている。以下
では、第3の実施の形態の図7と共通の構成要素に同一
の符号を付した図8を用いて異なる部分のみを説明し、
共通部分の説明は省略する。
【0055】本実施の形態のジャイロスコープ44は、
図8に示すように、上側ガラス基板7下面の脚9の先端
部寄りにあたる位置に、各脚9に対して6個ずつの検出
用固定電極45a,45bが、脚9の長手方向に延在す
るように設けられている。これら6個の検出用固定電極
45a,45bは、膜厚300nm程度のアルミニウム
膜またはクロム膜、もしくは白金/チタン膜等から形成
されている。また、これら6個の検出用固定電極45
a,45bのうち、左側3個の検出用固定電極45a間
(同じ電極群内)、および右側3個の検出用固定電極4
5b間(同じ電極群内)が互いに並列接続されており、
さらに検出信号取り出し用の配線(図示せず)が形成さ
れている。
【0056】一方、脚9の上面には、各検出用固定電極
45a,45bと対向するように各検出用固定電極45
a,45bに対して1個ずつ、各脚9に対して6個ずつ
の検出用可動電極46a,46bが設けられている。こ
れら1脚あたり6個の検出用可動電極46a,46bは
シリコン酸化膜等からなる絶縁膜12を介して形成され
ている。これら6個の検出用可動電極46a,46bの
うち、左側3個の検出用可動電極46a間(同じ電極群
内)、および右側3個の検出用可動電極45b間(同じ
電極群内)が互いに並列接続されており、並列接続され
た2系統から検出信号取り出し用の配線がそれぞれ延び
ている。また、各検出用電極は、左側3個の検出用可動
電極46aをなす各電極の外端が左側3個の検出用固定
電極45aをなす各電極の外端よりも脚9の最大振幅以
上左側(外側)にはみ出すように配置される一方、右側
3個の検出用可動電極46bをなす各電極の外端が右側
3個の検出用固定電極45bをなす各電極の外端よりも
脚9の最大振幅以上右側(外側)にはみ出すように配置
されている。また、各検出用可動電極46a,46bの
幅および各検出用固定電極45a,45bの幅は、脚9
の最大振幅以上の寸法に設定されている。
【0057】本実施の形態のジャイロスコープ44を使
用する際には、左側の検出用可動電極46aの配線と左
側の検出用固定電極45aの配線との間に第1の容量検
出器C1を接続するとともに、右側の検出用可動電極4
6bの配線と右側の検出用固定電極45bの配線との間
に第2の容量検出器C2を接続する。音叉2の各脚9を
鉛直方向に振動させた状態で、脚9の長手方向を回転軸
とする角速度が入力されると、入力された角速度の大き
さに応じた水平方向の振動が生じる。この時、例えばガ
ラス基板7に対して脚9が右方向(図中矢印Hで示す方
向)に変位したとすると、左側の検出用可動電極46a
と検出用固定電極45aとで形成される容量は増加する
ため、第1の容量検出器C1側で測定される容量変化量
は正、右側の検出用可動電極46bと検出用固定電極4
5bとで形成される容量は減少するため、第2の容量検
出器C2側で測定される容量変化量は負、となる。これ
を差動検出することにより角速度の大きさを検出するこ
とができる。
【0058】本実施の形態のジャイロスコープ44にお
いても、脚間の検出用電極をなくせることによりQ値を
増大することができ、角速度センサとしての検出感度の
向上、駆動電圧の低減、デバイスの小型化が図れる、と
いった第1〜第3の実施の形態と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0059】なお、本実施の形態では、左側3個の検出
用可動電極46aをなす各電極の外端が左側3個の検出
用固定電極45aをなす各電極の外端よりも左側にはみ
出すように配置し、右側3個の検出用可動電極46bを
なす各電極の外端が右側3個の検出用固定電極45bを
なす各電極の外端よりも右側にはみ出すように配置した
が、はみ出す方向をこれと逆にしてもよい。すなわち、
左側3個の検出用可動電極46aをなす各電極の外端を
左側3個の検出用固定電極45aをなす各電極の外端よ
りも右側にはみ出させ、右側3個の検出用可動電極46
bをなす各電極の外端を右側3個の検出用固定電極45
bをなす各電極の外端よりも左側にはみ出させてもよ
い。
【0060】[第5の実施の形態]以下、本発明の第5
の実施の形態を図9を参照して説明する。図9は本実施
の形態のジャイロスコープの脚1本分の電極構成を示す
拡大図である。本実施の形態のジャイロスコープの基本
構成は第1〜第4の実施の形態と全く同様であり、検出
用電極の数に関しては第4の実施の形態と同様である。
ただし、第4の実施の形態と異なる点は、検出用固定電
極と検出用可動電極との位置関係のみである。以下で
は、第4の実施の形態の図8と共通の構成要素に同一の
符号を付した図9を用いて異なる部分のみを説明し、共
通部分の説明は省略する。
【0061】本実施の形態のジャイロスコープ54は、
図9に示すように、上側ガラス基板7下面の脚9の先端
部寄りにあたる位置に、各脚9に対して6個ずつの検出
用固定電極55a,55bが、脚9の長手方向に延在す
るように設けられている。これら6個の検出用固定電極
55a,55bのうち、1個おきの検出用固定電極55
a同士(同じ電極群内)、検出用固定電極55b同士
(同じ電極群内)が互いに並列接続されており、さらに
検出信号取り出し用の配線(図示せず)が形成されてい
る。
【0062】一方、脚9の上面には、各検出用固定電極
55a,55bと対向するように各検出用固定電極55
a,55bに対して1個ずつ、各脚9に対して6個ずつ
の検出用可動電極56a,56bが設けられている。こ
れら6個の検出用可動電極56a,56bは、検出用固
定電極と同様、1個おきの検出用可動電極56a同士
(同じ電極群内)、検出用可動電極56b同士(同じ電
極群内)が互いに並列接続されており、さらに検出信号
取り出し用の配線(図示せず)が形成されている。ま
た、各検出用電極は、一方の電極群をなす各検出用可動
電極56aの右端がこれと対向する各検出用固定電極5
5aの右端よりも脚9の最大振幅以上右側(外側)には
み出すように配置される一方、他方の電極群をなす各検
出用可動電極56bの左端がこれと対向する各検出用固
定電極55bの左端よりも脚9の最大振幅以上左側(外
側)にはみ出すように配置されている。また、各検出用
可動電極56a,56bの幅および各検出用固定電極5
5a,55bの幅は、脚9の最大振幅以上の寸法に設定
されている。
【0063】本実施の形態のジャイロスコープ54を使
用する際には、検出用可動電極56aの配線と検出用固
定電極55aの配線との間に第1の容量検出器C1を接
続するとともに、検出用可動電極56bの配線と検出用
固定電極55bの配線との間に第2の容量検出器C2を
接続する。音叉2の各脚9を鉛直方向に振動させた状態
で、脚9の長手方向を回転軸とする角速度が入力される
と、入力された角速度の大きさに応じた水平方向の振動
が生じる。この時、例えばガラス基板7に対して脚9が
右方向(図中矢印Hで示す方向)に変位したとすると、
検出用可動電極56aと検出用固定電極55aとで形成
される容量は減少するため、第1の容量検出器C1側で
測定される容量変化量は負、検出用可動電極56bと検
出用固定電極55bとで形成される容量は増加するた
め、第2の容量検出器C2側で測定される容量変化量は
正、となる。これを差動検出することにより角速度の大
きさを検出することができる。
【0064】本実施の形態のジャイロスコープ54にお
いても、脚間の検出用電極をなくせることによりQ値を
増大することができ、角速度センサとしての検出感度の
向上、駆動電圧の低減、デバイスの小型化が図れる、と
いった第1〜第4の実施の形態と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0065】[第6の実施の形態]以下、本発明の第6
の実施の形態を図10ないし図12を参照して説明す
る。特許請求の範囲において、「…、前記振動片の先端
部の変位検出方向と平行な面上に設けられ…複数の検出
用可動電極と、…」と記載したが、第1〜第5の実施の
形態では、振動片(脚)が有する「変位検出方向と平行
な面」のうち、脚の上面または下面に検出用可動電極を
形成した例を挙げた。それに対して、本実施の形態で
は、脚の先端面に検出用可動電極を形成した例を説明す
る。図10は本実施の形態のジャイロスコープの全体構
成を示す分解斜視図、図11はその平面図、図12は脚
1本分を示す拡大平面図である。本実施の形態について
も、第1〜第5の実施の形態と異なる点は検出用電極の
構成のみである。したがって、図10ないし図12にお
いて、図1および図2と共通の構成要素には同一の符号
を付し、共通部分の詳細な説明は省略する。
【0066】本実施の形態のジャイロスコープは、図1
0ないし図12に示すように、各脚9が延在する方向の
先端面9aと対向するように、各脚9に対して1個ずつ
の検出用電極設置部26がそれぞれ下側ガラス基板8上
に固定されている。脚9と検出用電極設置部26の互い
に対向する面の面積はほぼ同一である。そして、音叉
2、枠部11とともに、検出用電極設置部26も、元々
は厚さ200μm程度の導電性を有する1枚のシリコン
基板から形成されている。
【0067】各脚9の先端面9aには、各脚9に対して
3個ずつの検出用可動電極27が、脚9の変位検出方向
と垂直な方向、すなわち鉛直方向にそれぞれ延在するよ
うに設けられている。これら3個の検出用可動電極27
は、アルミニウム膜またはクロム膜等からなり、シリコ
ン酸化膜等からなる絶縁膜12を介して各脚9の先端面
9a上に形成されている。また、これら3個の検出用可
動電極27同士は互いに並列接続されている。
【0068】一方、検出用電極設置部26の脚9の先端
面9aとの対向面26a上には、各検出用可動電極27
と対向するように各検出用可動電極27に対して2個ず
つ(1対)、各脚9に対して6個ずつ(3対)の検出用
固定電極28が設けられている。これら1脚あたり6個
の検出用固定電極28は、1個おきにそれぞれ並列接続
されており、並列接続された2系統から検出信号取り出
し用の配線(図示略)がそれぞれ延びている。また、各
検出用電極は、1対の検出用固定電極28をなす各電極
の外端が各検出用可動電極27の両外端よりも脚9の最
大振幅以上外側にはみ出すように配置されている。ま
た、各検出用可動電極27の幅および各検出用固定電極
28の幅は、脚9の最大振幅以上の寸法に設定されてい
る。なお、駆動用電極の構成は、第1、第2の実施の形
態と同様である。
【0069】本実施の形態のジャイロスコープ25の場
合、角速度入力時のコリオリ力による脚の振動方向(変
位検出方向)が図12における紙面左右方向となるた
め、脚9の振動に伴って検出用可動電極27と検出用固
定電極28の対向面積が変化し、容量変化が生じる。こ
の容量変化を検出することにより角速度の大きさを検出
することができる。
【0070】本実施の形態のジャイロスコープ25にお
いても、脚間の検出用電極をなくせることによりQ値を
増大することができ、角速度センサとしての検出感度の
向上、駆動電圧の低減、デバイスの小型化が図れる、と
いった第1〜第5の実施の形態と同様の効果を奏するこ
とができる。さらに本実施の形態の場合、検出用固定電
極28を音叉2と同じプロセスで形成できるとともに、
検出用固定電極28と駆動用電極との干渉を少なくする
ことができる。
【0071】[第7の実施の形態]以下、本発明の第7
の実施の形態を図13を参照して説明する。本実施の形
態も第6の実施の形態と同様、脚の先端面に検出用可動
電極を形成し、これと対向する検出用電極設置部の対向
面に検出用固定電極を形成した例である。この構成の場
合も検出用可動電極や検出用固定電極の数、位置関係に
関しては、脚の上面、下面に検出用可動電極を設ける場
合と同様のバリエーションが考えられる。第7、第8の
実施の形態ではこれらについて簡単に説明する。図13
は本実施の形態のジャイロスコープの脚1本分を示す拡
大平面図である。図13において、図12と共通の構成
要素には同一の符号を付し、共通部分の詳細な説明は省
略する。
【0072】本実施の形態のジャイロスコープ64は、
図13に示すように、各脚9の先端面9aには、各脚9
に対して6個ずつの検出用可動電極65a,65bが、
脚9の変位検出方向と垂直な方向(紙面を貫通する方
向)にそれぞれ延在するように設けられている。一方、
検出用電極設置部26の脚9の先端面9aとの対向面2
6a上には、各検出用可動電極65a,65bと対向す
るように各検出用可動電極65a,65bに対して1個
ずつ、各脚9に対して6個ずつの検出用固定電極66
a,66bが設けられている。また、左側3個の検出用
固定電極66aをなす各電極の外端が左側3個の検出用
可動電極65aをなす各電極の外端よりも脚9の最大振
幅以上左側(外側)にはみ出すように配置される一方、
右側3個の検出用固定電極66bをなす各電極の外端が
右側3個の検出用可動電極65bをなす各電極の外端よ
りも脚9の最大振幅以上右側(外側)にはみ出すように
配置されている。
【0073】[第8の実施の形態]以下、本発明の第8
の実施の形態を図14を参照して説明する。図14は本
実施の形態のジャイロスコープの脚1本分を示す拡大平
面図である。図14において、図12と共通の構成要素
には同一の符号を付し、共通部分の詳細な説明は省略す
る。
【0074】本実施の形態のジャイロスコープ74は、
図14に示すように、各脚9の先端面9aには、各脚9
に対して6個ずつの検出用可動電極75a,75bが、
脚9の変位検出方向と垂直な方向(紙面を貫通する方
向)にそれぞれ延在するように設けられている。一方、
検出用電極設置部26の脚9の先端面9aとの対向面2
6a上には、各検出用可動電極75a,75bと対向す
るように各検出用可動電極75a,75bに対して1個
ずつ、各脚9に対して6個ずつの検出用固定電極76
a,76bが設けられている。また、一方の電極群をな
す各検出用可動電極75aの左端がこれと対向する各検
出用固定電極76aの左端よりも左側(外側)にはみ出
す一方、他方の電極群をなす各検出用可動電極75bの
右端がこれと対向する各検出用固定電極76bの右端よ
りも右側(外側)にはみ出すように配置されている。
【0075】以上に述べた第7、第8の実施の形態のジ
ャイロスコープの場合も、第6の実施の形態と同様の効
果を奏することができる。
【0076】[第9の実施の形態]以下、本発明の第9
の実施の形態を図16ないし図18を参照して説明す
る。本実施の形態は第1〜第8の実施の形態のジャイロ
スコープを用いた入力装置の例であり、具体的にはパソ
コンの座標入力装置であるペン型マウスに適用した例で
ある。
【0077】本実施の形態のペン型マウス30は、図1
6に示すように、ペン型のケース31の内部に第1〜第
8の実施の形態で示したようなジャイロスコープ32
a、32bが2個収容されている。2個のジャイロスコ
ープ32a、32bは、図17に示すように、ペン型マ
ウス30を上から見たとき(図16の矢印A方向から見
たとき)に各ジャイロスコープ32a、32bの音叉の
脚の延在方向が直交するように配置されている。また、
各ジャイロスコープ32a、32bを駆動し、回転角を
検出するための駆動検出回路33が設けられている。そ
の他、ケース31内に電池34が収容されるとともに、
一般のマウスのスイッチに相当する2つのスイッチ35
a、35b、マウス本体のスイッチ36等が備えられて
いる。
【0078】使用者は、このペン型マウス30を持ち、
所望の方向にペン先を移動させることによって、パソコ
ン画面上のカーソル等をペン先の移動方向に応じて動か
すことができる。すなわち、ペン先を図16中の紙面3
7のX軸方向に沿って移動させると、ジャイロスコープ
32bが回転角θ1を検出し、紙面37のY軸方向に沿
って移動させると、ジャイロスコープ32aが回転角θ
2を検出する。それ以外の方向に移動させた場合には回
転角θ1と回転角θ2の組み合わせとなる。したがっ
て、パソコン側では回転角θ1および回転角θ2に対応
した信号をペン型マウス30から受け取って、図18に
示すように、画面38上のカーソル39等の移動前の点
から画面38上でのX’軸、Y’軸に対応させて回転角
θ1、θ2の大きさに対応する距離だけカーソル39を
移動させる。このようにして、このペン型マウス30
は、光学式エンコーダ等を用いた一般のマウスと同様の
動作を実現することができる。
【0079】ここで用いた本発明のジャイロスコープ3
2a、32bは、小型、低駆動電圧、高感度という特徴
を持っているため、本実施の形態のペン型マウス30の
ような小型の座標入力機器に好適に使用することができ
る。また、ナビゲーションやヘッドマウントディスプレ
イなど、角速度を検知する一般の入力装置に応用が可能
である。
【0080】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記の実施の形態のジャイロスコープでは、駆動用
電極を上側ガラス基板側に設けた例を示したが、下側ガ
ラス基板側に設けてもよい。また、片側のガラス基板に
設けるのみならず、双方のガラス基板ともに設ける構成
としてもよい。一方、検出用電極に関しては、各脚あた
りに設ける検出用電極の数は任意に設定してかまわな
い。しかしながら、感度向上の面からは、加工が可能で
ある限り、多くすることが望ましい。また、検出用電極
の形成位置は、3本の脚で例えば上面側、下面側、上面
側というように異なる面側に設けてもよい。また、上記
実施の形態では3脚型の音叉を用いた例を示したが、脚
の数も変更が可能であり、1本でも良い。
【0081】また、シリコンからなる音叉を2枚のガラ
ス基板で挟持するのではなく、上側ガラス基板がない構
成としてもよい。この場合、より簡易な構造のジャイロ
スコープとなる。また、陽極接合法による張り合わせを
考慮すると、シリコンとガラスの相性がよいが、ガラス
基板に関しては任意の基材の表面にガラスを融着したも
のでも代用できる。また、音叉の材料としてシリコンに
代えて、カーボンを用いることも可能である。その他、
各種構成部材の材料、寸法等の具体的な記載は上記実施
の形態に限ることなく、適宜変更が可能である。
【0082】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ジャイロスコープにおいては、従来のように音叉の脚と
脚との間に検出用電極を設ける必要がなくなるため、Q
値を大きくすることができ、検出感度の向上、駆動電圧
の低減、デバイスの小型化を図ることができる。このジ
ャイロスコープの使用により、例えばパソコンの座標入
力装置等の小型の機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のジャイロスコー
プを示す分解斜視図である。
【図2】 同、平面図である。
【図3】 図2のIII−III線に沿う側断面図である。
【図4】 図2のIV−IV線に沿う側断面図であり、脚1
本あたりの電極構成を示す拡大図である。
【図5】 同、ジャイロスコープの製造方法を順を追っ
て示す工程断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態のジャイロスコー
プにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態のジャイロスコー
プにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態のジャイロスコー
プにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図9】 本発明の第5の実施の形態のジャイロスコー
プにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図10】 本発明の第6の実施の形態のジャイロスコ
ープを示す分解斜視図である。
【図11】 同、平面図である。
【図12】 同、実施の形態のジャイロスコープにおけ
る脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図13】 本発明の第7の実施の形態のジャイロスコ
ープにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図14】 本発明の第8の実施の形態のジャイロスコ
ープにおける脚1本分の電極構成を示す拡大図である。
【図15】 第1の実施の形態のジャイロスコープの容
量の構成を示す等価回路図である。
【図16】 本発明の第9の実施の形態であるペン型マ
ウスを示す斜視図である。
【図17】 同、ペン型マウスに用いた2個のジャイロ
スコープの配置を示す平面図である。
【図18】 同、ペン型マウスを用いて操作を行うパソ
コン画面を示す正面図である。
【図19】 本出願人が既に出願したジャイロスコープ
の一例を示す分解斜視図である。
【図20】 図19のXX−XX線に沿う側断面図である。
【図21】 従来のジャイロスコープの一例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1,21,23,24,25,32a,32b,44,
54,64,74 ジャイロスコープ 2 音叉 3 駆動用可動電極 4 駆動用固定電極 5,22,27,46a,46b,56a,56b,6
5a,65b,75a,75b 検出用可動電極 6,20,28,45a,45b,55a,55b,6
6a,66b,76a,76b 検出用固定電極 7 上側ガラス基板 8 下側ガラス基板 9 脚(振動片) 10 支持部 11 枠部 12 絶縁膜 17 シリコン基板 26 検出用電極設置部 30 ペン型マウス(入力装置)
フロントページの続き (72)発明者 篠原 英司 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 江刺 正喜 宮城県仙台市太白区八木山南一丁目11−9 Fターム(参考) 2F105 AA01 AA08 AA10 BB02 BB03 BB13 CC01 CD03 CD07 CD13 5B087 AA02 AA07 BC12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音叉をなす振動片と、該振動片と対向配
    置された基材と、前記振動片を駆動する駆動手段と、前
    記振動片の先端部の変位検出方向と平行な面側に設けら
    れ、各々が前記振動片の変位検出方向の最大振幅以上の
    幅を有する複数の検出用可動電極と、それぞれ複数の電
    極を有する2つの電極群からなり、該2つの電極群のそ
    れぞれの電極が前記複数の検出用可動電極のいずれかの
    電極との間で容量を形成するよう前記複数の検出用可動
    電極と対向配置されて前記基材に設けられるとともに、
    前記2つの電極群の一方の電極群をなす各電極の外端が
    該各電極と対向する前記検出用可動電極の一方の外端よ
    りも前記変位検出方向の最大振幅以上外側にはみ出して
    おり、他方の電極群をなす各電極の外端が該各電極と対
    向する前記検出用可動電極の他方の外端よりも前記変位
    検出方向の最大振幅以上外側にはみ出しており、前記各
    電極が前記振動片の変位検出方向の最大振幅以上の幅を
    有する検出用固定電極とを有してなり、前記検出用固定
    電極のうちの一方の電極群とこれと対向する前記複数の
    検出用可動電極との間で形成される容量の和と、前記検
    出用固定電極のうちの他方の電極群とこれと対向する前
    記複数の検出用可動電極との間で形成される容量の和と
    の差を検出することを特徴とするジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】 音叉をなす振動片と、該振動片と対向配
    置された基材と、前記振動片を駆動する駆動手段と、前
    記基材に設けられた検出用固定電極であって、前記振動
    片の先端部の変位検出方向と平行な面と対向して設けら
    れ、各々が前記振動片の変位検出方向の最大振幅以上の
    幅を有する複数の検出用固定電極と、それぞれ複数の電
    極を有する2つの電極群からなり、該2つの電極群のそ
    れぞれの電極が前記複数の検出用固定電極との間で容量
    を形成するよう前記複数の検出用固定電極のいずれかの
    電極と対向配置されて前記振動片の先端部の変位検出方
    向と平行な面側に設けられるとともに、前記2つの電極
    群の一方の電極群をなす各電極の外端が該各電極と対向
    する前記検出用固定電極の一方の外端よりも前記変位検
    出方向の最大振幅以上外側にはみ出しており、他方の電
    極群をなす各電極の外端が該各電極と対向する前記検出
    用固定電極の他方の外端よりも前記変位検出方向の最大
    振幅以上外側にはみ出しており、前記各電極が前記振動
    片の変位検出方向の最大振幅以上の幅を有する検出用可
    動電極とを有してなり、前記検出用可動電極のうちの一
    方の電極群とこれと対向する前記複数の検出用固定電極
    との間で形成される容量の和と、前記検出用可動電極の
    うちの他方の電極群とこれと対向する前記複数の検出用
    固定電極との間で形成される容量の和との差を検出する
    ことを特徴とするジャイロスコープ。
  3. 【請求項3】 前記検出用固定電極の前記2つの電極群
    の各々の電極数が、前記検出用可動電極の電極数と同一
    であることを特徴とする請求項1記載のジャイロスコー
    プ。
  4. 【請求項4】 前記検出用可動電極の前記2つの電極群
    の各々の電極数が、前記検出用固定電極の電極数と同一
    であることを特徴とする請求項2記載のジャイロスコー
    プ。
  5. 【請求項5】 前記振動片が導電性材料からなり、前記
    振動片の少なくとも先端部に形成された絶縁膜を介して
    前記複数の検出用可動電極または前記複数対の検出用可
    動電極が設けられたことを特徴とする請求項1または2
    記載のジャイロスコープ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    のジャイロスコープを用いたことを特徴とする入力装
    置。
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