JP2001098920A - オイル分離装置 - Google Patents

オイル分離装置

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JP2001098920A
JP2001098920A JP27512699A JP27512699A JP2001098920A JP 2001098920 A JP2001098920 A JP 2001098920A JP 27512699 A JP27512699 A JP 27512699A JP 27512699 A JP27512699 A JP 27512699A JP 2001098920 A JP2001098920 A JP 2001098920A
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oil separating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス衝突板に付着凝集したオイルの、ガ
ス流中への飛散量を少なくしてオイル分離効率を高くす
ること。 【解決手段】 オイル分離室A2の側壁6,7に支持さ
れて上面側に流入したからガスを下面側へ通過させる複
数のガス噴出口16aが形成されたガス噴出板16と、
前記ガス噴出口16aから噴出したガスが衝突する位置
に配置され且つガスが衝突した際にガス中に含まれるオ
イルが付着し凝集するガス衝突板18と、内端が前記ガ
ス衝突板18に連結され且つ前記ガス衝突板18から外
方に延びて外端側に行くに従い下方に傾斜する下面がオ
イルガイド面として形成された複数の連結アーム19
と、前記各連結アーム19の外端を支持し且つ前記側壁
6,7に支持された枠状支持部材20とを有し、前記複
数の連結アーム19間にガス通過口A2aを形成するオ
イル分離部材17と、を備えたオイル分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用エンジン
のクランク室内に溜まったブローバイガス中に含まれる
オイルミストを分離して回収するオイル分離装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンまたはディーゼルエン
ジン等の車両用エンジンでは、エンジンのクランク室ま
たはシリンダヘッドカバー内に漏出するブローバイガス
をできるだけクリーンな状態にするため、オイル分離装
置を通してから、吸気管側に還流させている。
【0003】図10は従来のオイル分離装置の一例の説
明図で、図10Aは正面断面図、図10Bは前記図10
AのXB−XB線断面図である。図10において、オイ
ル分離装置01は、ケース02を有している。ケース0
2内部はガス噴出板03により、図10で右側のガス流
入室02aと左側のオイル分離室02bとに仕切られて
いる。ガス噴出板03の下側部分には適当な直径(例え
ば0.1mm)の複数のガス噴出口03aが形成されて
いる。ガス流入室02aの右側壁には、ブローバイガス
が流入するガス流入口04が形成され、オイル分離室0
2bの左側壁には吸気管(図示せず)に連通するガス流
出口05が形成されている。前記オイル分離室02bに
は、前記複数のガス噴出口03aに対向する位置にガス
衝突板06が配置されており、ガス衝突板06の上端と
前記ケース02の上壁との間にはガス通過口07が形成
されている。前記ケース02の下壁には前記ガス衝突板
06の右側部分にドレインパイプ08が連結されてい
る。
【0004】前記ガス流入口04から流入したブローバ
イガスは複数のガス噴出口03aを通過する際に流速が
増大して、ガス衝突板06に衝突する。この衝突時にブ
ローバイガス中のオイル成分は、ガス衝突板06表面に
付着し、凝集する。凝集したオイルはガス衝突板06表
面を伝わって下方に流れ、ドレインパイプ08から図示
しないエンジンのオイルパン内に回収される。前記ガス
衝突板06に衝突した後のブローバイガスは、ガス衝突
板06上方のガス通過口07を通り、ガス流出口05か
ら、図示しないエンジン吸気管を通ってエンジンの燃焼
室に流入する。燃焼室に流入したブローバイガス中に含
まれるオイル成分は燃焼される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図10に示す従来
のオイル分離装置では、次の問題点があった。 (1)ブローバイガスが高流速時にはガス衝突板06に
付着凝集したオイルがガス衝突板06を伝って落下する
ことなく、ガスの流れに伴ってガス通過口07を通過す
るガス中に飛散することがある。このガス中に飛散した
オイルの一部はガス流出口05より外部に流出する。そ
のため、オイル分離効率が低下するという問題点があっ
た。 (2)また、1μm程度以下の微小粒径のオイルは付着
し難いので、その一部は支持板に凝集することなく、ガ
スの流れに伴ってガス流出口05から外部に流出してし
まう。そのため、オイル分離効率が低いという問題点も
あった。
【0006】本発明は前述の事情に鑑み、ガス衝突板に
付着凝集したオイルの、ガス流中への飛散量を少なくし
てオイル分離効率を高くすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
る本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施
例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符
号をカッコで囲んだものを付記する。なお、本発明を後
述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明
の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例
に限定するものではない。
【0008】(本発明)前記課題を解決するため、本発
明のオイル分離装置(U)は、オイル分離室(A2)の
側壁(6,7)に支持されて上面側に流入したガスを下
面側へ通過させる複数のガス噴出口(16a)が形成さ
れたガス噴出板(16)と、前記ガス噴出口(16a)
から噴出したガスが衝突する位置に配置され且つガスが
衝突した際にガス中に含まれるオイルが付着し凝集する
ガス衝突板(18)と、内端が前記ガス衝突板(18)
に連結され且つ前記ガス衝突板(18)から外方に延び
て外端側に行くに従い下方に傾斜する下面がオイルガイ
ド面として形成された複数の連結アーム(19)と、前
記各連結アーム(19)の外端を支持し且つ前記側壁
(6,7)に支持された枠状支持部材(20)とを有
し、前記複数の連結アーム(19)間にガス通過口(A
2a)を形成するオイル分離部材(17)と、前記オイ
ル分離室(A2)のオイル分離部材(17)の下方に設
けたガス流出口(12a)と、前記オイル分離室(A
2)の下壁(4)に設けたドレイン孔(13a,14
a)と、を備えていることを特徴とする。
【0009】(本発明の作用)前記構成を備えた本発明
のオイル分離装置(U)では、オイル分離室(A2)の
側壁(6,7)に支持されたガス噴出板(16)に形成
された複数のガス噴出口(16a)は、ガス噴出板(1
6)の上面側に流入したガスを下面側へ通過させる。ガ
ス噴出口(16a)通過時に増速してガス噴出口(16
a)から噴出したガスは、ガス衝突板(18)に衝突す
る。ガス衝突板(18)に衝突したガス中に含まれるオ
イルはガス衝突板(18)表面に付着し凝集する。ガス
衝突板(18)表面に凝集したオイルはガス通過口(A
2a)を下方へ流れるガス流および重力によりガス衝突
板(18)の下面側に移動する。前記ガス衝突板(1
8)は、ガス衝突板(18)から外方に延びる複数の連
結アーム(19)により支持されており、前記複数の連
結アーム(19)間に形成されるガス通過口(A2a)
の開口面積は大きく形成することができる。このため、
ガス通過口(A2a)を下方に流れるガス流の速度を低
くすることができるので、そのガス流の中に、ガス衝突
板(18)表面で凝集したオイルが飛散するのを防止す
ることができる。
【0010】前記ガス衝突板(18)の下面側に移動し
たオイルは、前記複数の連結アーム(19)の下面によ
り形成された外端側に行くに従い下方に傾斜するオイル
ガイド面を伝わって前記側壁(2,6,7,8)に流れ
る。側壁(2,6,7,8)に流れたオイルは側壁
(2,6,7,8)を伝わって下方に流れ、前記オイル
分離室(A2)の下壁(4)に設けたドレイン孔(14
a)から流出する。前記ガス噴出口(16a)を通過し
てガス衝突板(18)で衝突したガスは前記ガス通過口
(A2a)を下方に流れ、前記オイル分離室(A2)の
ガス衝突板(オイル分離部材)(18)の下方に設けた
ガス流出口(12a)から流出する。
【0011】
【発明の実施の形態】前記本発明において、前記複数の
連結アーム(19)の外端を、前記各側壁(2,6,
7,8)の接続部であるコーナ部に隣接させて配置する
ことが可能である。これにより、前記連結アーム(1
9)下面のオイルガイド面を伝わって流れるオイルを、
前記コーナ部に導くことができる。この場合、コーナ部
に導かれたオイルはコーナ部の各側壁(2,6,7,
8)部分を伝わって下方に流れる。コーナ部付近はガス
流の速度が低い領域なので、コーナ部の各側壁(2,
6,7,8)部分を伝わって下方に流れるオイルのガス
流中への飛散量は少ない。
【0012】また、前記本発明において、前記ガス噴出
板(16)とその下方に配置したオイル分離部材(1
7)の下流側に、2段目のガス噴出板(16′)とオイ
ル分離部材(17′)とを設けることが可能であり、さ
らに3段以上設けることも可能である。その際、2段目
以下のガス噴出板(16′)およびオイル分離部材(1
7′)の枠状支持部材(20′)とオイル分離室(A
2)の側壁(2,6,7,8)との間に、オイルが下方
に通過可能なオイル通過口(A2b)および(A2c)
が形成される。このように、前記ガス噴出板(16,1
6′)およびオイル分離部材(17,17′)を上下方
向に2段以上設けることによりオイル分離効率が向上す
る。また、2段目以下のガス噴出板(16′)および枠
状支持部材(20′)と、オイル分離室(A2)の側壁
(2,6,7,8)との間に、オイルが下方に通過可能
なオイル通過口(A2b,A2c)を形成することによ
り、2段目以下のガス噴出板(16′)より上方のガス
衝突板(18)で凝集してオイル分離室(A2)の側壁
(2,6,7,8)を伝わって下方に流れるオイルをオ
イル分離室(A2)の下壁(4)に設けたドレイン孔
(14a)に導くことができる。また、前記本発明にお
いて、ガス衝突板(18,18′)の表面に、不織布、
植毛体または多孔材料(焼結金属、発泡ウレタン等)の
ようなオイルを一時的に滞留させるオイル保持部材(1
8a)を設けることが可能である。そのようにすれば、
オイル分離効率を向上させることができる。
【0013】(実施例)次に図面を参照しながら、本発
明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以
後の説明の理解を容易にするために、図面において、前
後方向をX軸方向、右左方向をY軸方向、上下方向をZ
軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す
方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左
方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上
側、下側とする。また、図中、「○」の中に「・」が記
載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、
「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏
に向かう矢印を意味するものとする。
【0014】(実施例1)図1は本発明のオイル分離装
置の実施例1の分解斜視図である。図2は前記図1のII
−II線断面図である。図3はガス衝突板および枠状支持
部材の説明図で、図3Aは前記図2のIIIA−IIIA線断
面図、図3Bは前記図3Aの要部平面図である。
【0015】図1〜図3において、オイル分離装置Uは
ケースU1を有している。ケースU1はケース本体1を
有している。ケース本体1は、後側壁2、上壁3、下壁
4、右側壁5、左側壁6および前後に延びる仕切壁7を
有し、前面(X側の面)は開口している。前記仕切壁7
の上端は上壁3との間にガスの流通が可能な空間が形成
されるように、上壁3から離れている。前記ケース本体
1の前面開口を閉塞する前面カバー8は、複数のネジ9
によりケース本体1に着脱可能である。前面カバー8は
ケースU1の前側壁を形成している。前記左側壁6内面
には前後(X軸方向)に延びる噴出板装着溝6aおよび
衝突板装着溝6bが形成されており、仕切壁7には前記
溝6a,6bと対向する位置に前後(X軸方向)に延び
る噴出板装着溝7aおよび衝突板装着溝7bが形成され
ている。前記符号1〜9で示された要素により前記オイ
ル分離装置UのケースU1が構成されている。
【0016】右側壁5にはガス流入口11aを有するガ
ス流入管11(図2参照)が接続され、左側壁6にはガ
ス流出口12aを有するガス流出管12が接続されてい
る。ガス流出管12はケースU1内に突出している。下
壁4には、仕切壁7の右側および左側にドレイン孔13
aおよび14aをそれぞれ有するドレイン孔13aおよ
び14aが接続されている。噴出板装着溝6a,7aに
はガス噴出板16が装着されている。ガス噴出板16の
中央部分には複数のガス噴出口16a(図2参照)が形
成されている。図2において、オイル分離装置Uのケー
スU1内部の空間Aは、仕切壁7の右側およびガス噴出
板16の上方の空間である拡張室A1と、仕切壁7の左
側およびガス噴出板16の下方の空間であるオイル分離
室A2とに分離される。前記拡張室A1は、前記ガス噴
出板16の上方の空間A1aを含んでいる。
【0017】前記ガス噴出板16の下方のオイル分離室
A2の前後左右を囲む周壁は、前記後側壁2、左側壁
6、仕切壁7および前側壁(前面カバー)8により形成
されており、上方(Z方向)から下方(−Z方向)にガ
スが流れる。このオイル分離室A2には、アルミ合金の
一体成形部品であるオイル分離部材17が配置されてい
る。オイル分離部材17は、前記ガス噴出口16aから
噴出したガスが衝突する位置に配置され且つガスが衝突
した際にガス中に含まれるオイルが付着し凝集するガス
衝突板18と、内端が前記ガス衝突板18に連結され且
つ前記ガス衝突板18から外方に延びる4本の連結アー
ム19と、前記各連結アーム19の外端を支持し且つ前
記側壁2,6,7,8に支持された略四角形の枠状支持
部材20とを有している。オイル分離部材17の枠状支
持部材20は、衝突板装着溝6b,7bに装着されてい
る。
【0018】前記ガス衝突板18は円形プレートにより
構成されている。前記各連結アーム19は外端側に行く
に従い下方に傾斜する下面を有し、その下面はオイルガ
イド面として形成されている。前記連結アーム19の外
端は前記四角形の枠状支持部材20のコーナ部に接続さ
れている。また、前記ガス衝突板18の外側には前記4
本の連結アーム19(図3参照)により分割されたガス
通過口A2aが形成されている。なお、ガス衝突板18
表面で凝集したオイルはガス衝突板18の表面および側
面を伝わって下面に移動するが、その際、ガス通過口A
2aを下方へ通過するガス流の速度が大きいと、前記オ
イルがガス流の中に飛散するおそれがあるので、前記ガ
ス通過口A2aのガス流の速度を小さくするため、本実
施例1では4本の連結アーム19を使用することによ
り、前記ガス通過口A2aの面積が大きく形成されてい
る。
【0019】(実施例1の作用)前記構成を備えた実施
例1のオイル分離装置Uでは、ガス流入室A1の下部に
設けたガス流入口11aから、ガス(ブローバイガス)
が流入し、拡張室A1に流入する。拡張室A1に流入し
たガスは流速の急激な減少に伴い、ガスの中の液状オイ
ルは重力により下方に落下したり、またはガス流入室A
1の側壁2,5,7,8を伝って下方に落下する。この
ため、ガス中の液状オイルの一部が、ガス流入室A1で
分離され、ドレイン孔13aから図示しないエンジンの
オイルパンに還流されるので、オイル分離室A2への液
状オイルの流入量は減少する。
【0020】前記ガス噴出板16の上方に流れたガス
(ブローバイガス)は、ガス噴出板16に形成された複
数のガス噴出口16aを上方から下方へ通過する際、増
速される。ガス噴出口16から噴出する増速されたガス
は、ガス衝突板18に衝突する。ガス衝突板に衝突した
ガス中に含まれるオイルは、ガス衝突板18表面に付着
し凝集する。
【0021】図4は実施例1の作用説明図で前記図3A
のIV−IV線断面図であり、ガス衝突板表面に凝集し
たオイルが、ガス衝突板下面に移動し、枠状支持部材の
下面に沿って移動する様子を示す図である。図4におい
て、ガス衝突板18表面に凝集したオイルは、前記ガス
通過口A2aを上方から下方へ流れるガス流によりガス
衝突板18下面側に移動する。本実施例1ではガス通過
口A2の面積が大きく形成されており、ガス通過口A2
aを下方へ通過するガスの流速が小さいので、ガス衝突
板18表面で凝集したオイルは、ガス衝突板18の下面
に移動する際に、ガス通過口A2aを下方に流れるガス
流の中に飛散しない。このため、オイル分離効率が高く
なる。
【0022】オイル分離部材17は前記ガス衝突板18
から外方に延びる4本の連結アーム19を有しており、
前記ガス衝突板18下面に移動したオイルは、前記4本
の連結アーム19の下面により形成された外端側に行く
に従い下方に傾斜するオイルガイド面を伝わって前記側
壁2,6,7,8の接続部(コーナ部)に流れる。コー
ナ部に流れたオイルは、各側壁2,6,7,8の接続部
(コーナ部)を伝わって下方に流れ、前記オイル分離室
A2の下壁4に設けたドレイン孔14aから流出し、図
示しないエンジンのオイルパンに還流する。前記コーナ
部はガスの旋回流が少なく、ガス流の流速の小さい領域
であるので、コーナ部を伝って下方に流れるオイルがガ
ス流中に飛散する可能性は非常に少ない。このため、オ
イルの分離効率を向上させることができる。
【0023】前記ガス噴出口16aを通過してガス衝突
板18に衝突してオイル分が分離されたガスは前記ガス
通過口A2aを通って下方に流れた後、前記オイル分離
室A2のガス衝突板(オイル分離部材)18の下方に設
けたガス流出口12aから流出する。この流出ガスは、
図示しないエンジン吸気管を通ってエンジンの燃焼室に
流入し、ガス中に残留するオイル成分は燃焼される。ガ
ス流出管12はケースU1内に突出しているので左側壁
6を伝って下降するオイルを吸引することはない。
【0024】(実施例2)図5は本発明のオイル分離装
置の実施例2の説明図である。なお、この実施例2の説
明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要
素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違し
ているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されて
いる。図5において、ガス衝突板18の表面にオイル保
持部材18aが固定されている。オイル保持部材18a
として、不織布が使用されている。この実施例2では、
オイル保持部材18a表面に衝突したガスはガス中のオ
イルをオイル保持部材18表面に付着させながら四方に
分散して、ガス通過口A2aを通って下方に流れる。
【0025】オイル保持部材18a表面に付着したオイ
ルはオイル保持部材18aの内部にしみ込んでさらに上
方からのガス流により力を受け外方へ移動されてオイル
保持部材18aの外周面からしみ出す。オイル保持部材
18aの外周面からしみ出したオイルは、前記実施例1
と同様にガス衝突板18表面(側面)を伝わって下面に
移動し、4本の連結アーム19の下面により形成された
オイルガイド面を伝わって前記側壁2,6,7,8の接
続部(コーナ部)に流れる。なお、実施例2において、
ガス衝突板18の表面に固定するオイル保持部材18a
としては、前記不織布の代わりに、植毛体や多孔材料
(焼結金属、発泡ウレタン等)のような、オイルを一時
的に滞留させる部材を設けることが可能である。そのよ
うにすれば、オイル分離効率が向上する。
【0026】(実施例3)図6〜図8は本発明の実施例
3の説明図であり、図6は前記実施例1の図2に対応す
る図である。図7は上下2段に配置されたガス噴出板お
よびガス衝突板のうちの下流側に配置されたガス噴出板
の説明図で、図7Aは前記図6のVIIA−VIIA線断面
図、図7Bはガス噴出板の平面図である。図8は上下2
段に配置されたガス噴出板およびガス衝突板のうちの下
流側に配置されたガス衝突板および枠状支持部材の説明
図で、図8Aは前記図6のVIIIA−VIIIA線断面図、
図8Bはガス衝突板の平面図である。なお、この実施例
3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する
構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相
違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成さ
れている。
【0027】図6〜図8に示す実施例3では、前記実施
例1のオイル分離部材17の下方(下流側)に、ガス噴
出板16′と、オイル分離部材17′が配置されてい
る。すなわち、本実施例3は、ガス噴出板およびガス衝
突板が2段設けられている点で、1段の前記実施例1と
相違している。図6〜図8において、2段目のガス噴出
板16′は、図7Bに示すように、ガス噴出口16a′
が形成されるとともにコーナ部が切除されている。そし
てガス噴出板16′の外側縁を支持するため、後側壁
2、左側壁6、仕切壁7およびカバー(前側壁)8に
は、それぞれ噴出板装着溝2a′,6a′,7a′,お
よび8a′が形成されている。前記ガス噴出板16′の
コーナ部が切除されているため、周壁のコーナ部には小
さなオイル通過口A2bが形成されている。
【0028】前記上から2段目のガス噴出板16′の下
側には、2段目のオイル分離部材17′が配置されてい
る。オイル分離部材17′はガス衝突板18′と四角形
の枠状支持部材20′との間を連結する4本の連結アー
ム19′とで形成される。図8に示すように、前記枠状
支持部材20′のコーナ部は、角部を斜めに切除した形
状をしている。そして前記枠状支持部材20′の外側縁
を支持するため、後側壁2、左側壁6、仕切壁7および
カバー(前側壁)8には、それぞれ衝突板装着溝2
b′,6b′,7b′,および8b′が形成されてい
る。枠状支持部材20′のコーナ部が切除されているた
め、各側壁2,6,7,8のコーナ部には小さなオイル
通過口A2cが形成されている。
【0029】(実施例3の作用)図9は実施例3の作用
説明図で前記図7AのIX−IX線断面図であり、ガス衝
突板表面に凝集したオイルが、ガス衝突板下面に移動
し、枠状支持部材の下面およびオイル分離室A2の周壁
のコーナ部に沿って移動する様子を示す図である。図9
において、前記構成を備えたオイル分離装置の実施例3
では、オイル分離室A2の1段目のガス噴出板16およ
びガス衝突板18では前記実施例1と同様にオイルが分
離され、さらに2段目のガス噴出板16′およびガス衝
突板18′で1段目と同様にオイル分離が行われる。ま
た、1段目のガス衝突板18で分離し、枠状支持部材2
0の連結アーム19の下面を伝わって側壁2,6,7,
8のコーナ部を下方に流れるオイルは、前記オイル通過
口A2b,A2cを通過して、前記オイル分離室A2の
下壁4に設けたドレイン孔14aから流出する。本実施
例3ではガス噴出板およびガス衝突板(16および1
8、16′および18′)が2段設けられているので、
オイル分離効率が向上する。
【0030】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)ガス衝突板18としては金属板、硬質樹脂板等
の外、セラミック板等のきめの細かい多孔質板を使用可
能である。 (H02)オイル分離部材17は、それを構成するガス衝
突板18、連結アーム19および枠状支持部材20を一
体成形する代わりに別々に成形したものを連結して構成
することが可能である。
【0031】
【発明の効果】前述の本発明のオイル分離装置では、ガ
ス衝突板に付着凝集したオイルを、ガス流の中に飛散さ
せることなく回収できる。このため、本発明はオイル分
離効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のオイル分離装置の実施例1の
分解斜視図である。
【図2】 図2は前記図1のII−II線断面図である。
【図3】 図3はガス衝突板および枠状支持部材の説明
図で、図3Aは前記図2のIIIA−IIIA線断面図、図3
Bは前記図3Aの要部平面図である。
【図4】 図4は実施例1の作用説明図で前記図3Aの
IV−IV線断面図であり、ガス衝突板表面に凝集した
オイルが、ガス衝突板下面に移動し、枠状支持部材の下
面に沿って移動する様子を示す図である。
【図5】 図5は本発明のオイル分離装置の実施例2の
説明図である。
【図6】 図6は本発明の実施例3の説明図で、前記実
施例1の図2に対応する図である。
【図7】 図7は上下2段に配置されたガス噴出板およ
びガス衝突板のうちの下流側に配置されたガス噴出板の
説明図で、図7Aは前記図6のVIIA−VIIA線断面
図、図7Bはガス噴出板の平面図である。
【図8】 図8は上下2段に配置されたガス噴出板およ
びガス衝突板のうちの下流側に配置されたガス衝突板お
よび枠状支持部材の説明図で、図8Aは前記図6のVII
IA−VIIIA線断面図、図8Bはガス衝突板の平面図で
ある。
【図9】 図9は実施例3の作用説明図で前記図7Aの
IX−IX線断面図であり、ガス衝突板表面に凝集したオ
イルが、ガス衝突板下面に移動し、枠状支持部材の下面
およびオイル分離室A2の周壁のコーナ部に沿って移動
する様子を示す図である。
【図10】 図10は従来のオイル分離装置の一例の説
明図で、図10Aは正面断面図、図10Bは前記図10
AのXB−XB線断面図である。
【符号の説明】
4…オイル分離室の下壁、11a…ガス流入口、12a
…ガス流出口、13a,14a…ドレイン孔、16,1
6′…ガス噴出板、16a…複数のガス噴出口、17,
17′…オイル分離部材、ガス衝突板18,18′…ガ
ス衝突板(オイル分離部材)、19,19′…連結アー
ム、20,20′…枠状支持部材 A2…オイル分離室、A2a…ガス通過口 U…オイル分離装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイル分離室の側壁に支持されて上面側
    に流入したガスを下面側へ通過させる複数のガス噴出口
    が形成されたガス噴出板と、 前記ガス噴出口から噴出したガスが衝突する位置に配置
    され且つガスが衝突した際にガス中に含まれるオイルが
    付着し凝集するガス衝突板と、内端が前記ガス衝突板に
    連結され且つ前記ガス衝突板から外方に延びて外端側に
    行くに従い下方に傾斜する下面がオイルガイド面として
    形成された複数の連結アームと、前記各連結アームの外
    端を支持し且つ前記側壁に支持された枠状支持部材とを
    有し、前記複数の連結アーム間にガス通過口を形成する
    オイル分離部材と、 前記オイル分離室のオイル分離部材の下方に設けたガス
    流出口と、 前記オイル分離室の下壁に設けたドレイン孔と、を備え
    たオイル分離装置。
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