JP2001098459A - 改質ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

改質ポリエステル繊維の製造方法

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JP2001098459A
JP2001098459A JP27956099A JP27956099A JP2001098459A JP 2001098459 A JP2001098459 A JP 2001098459A JP 27956099 A JP27956099 A JP 27956099A JP 27956099 A JP27956099 A JP 27956099A JP 2001098459 A JP2001098459 A JP 2001098459A
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polyester fiber
fiber
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modified polyester
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Tomoki Nakamura
知基 中村
Yuichiro Ikeda
裕一郎 池田
Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟な風合いを有し、洗濯などに対する耐久
性に優れた改質ポリエステル繊維の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 ポリエステル繊維を対繊維機能付与剤を
含む加工液で処理するに際し、該加工液中にキャリアー
を併存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種機能の耐久性
に優れた改質ポリエステル繊維の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維に制電、吸
水、防汚、吸湿、撥水、撥油、抗ピル、防炎、難燃、防
融、抗菌、防臭等の機能を付与すること目的として、該
繊維を種々の対繊維機能付与剤(以下、「機能剤」とい
う)を含む加工液で処理する方法が提案されている。然
しながら、これらの方法では、通常、機能剤は繊維の表
面に付着しているに過ぎず、従って、洗濯、ドライクリ
ーニング等で機能剤が容易に脱落し、その耐久性には限
界があった。
【0003】一方、上記繊維の表面に高分子量の樹脂被
膜を形成することにより、その水溶性および溶剤溶解性
を低下させて耐久性を向上させる方法も提案されてい
る。しかし、このような方法では、繊維の風合硬化が大
さく、さらに洗濯等の揉み作用による物理的摩耗によっ
て、樹脂皮膜が剥離し易く、やはりその耐久性には限界
がある。
【0004】さらに、特開昭57−66570号公報に
は、高速紡糸によりポリエステル繊維の内部構造を変化
させることにより、機能剤で後加工した際の耐久性を向
上させる方法が開示されているが、該方法では、使用可
能な繊維が限定されるという欠点を有しており、柔軟な
風合を維持したままで、半永久的に機能を維持すること
が可能なポリエステル繊維の改質法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する欠点を解消し、柔軟な風合いを有し、
洗濯などに対する耐久性に優れた改質ポリエステル繊維
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
繊維を対繊維機能付与剤を含む加工液で処理するに際
し、該加工液中にキャリアーを併存させることを特徴と
する改質ポリエステル繊維の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するキャリアーには
特に制限はなく、例えば染色ノート第22版(色染社発
行)に記載の、従来公知の任意のキャリアーが使用でき
る。具体的には、メチルナフタレン型キャリアーである
α−メチルナフタレン、β−メチルナフタレン、芳香族
エーテル型キャリアーであるオキシエチレンフェニルフ
ェノールエーテル、或いはオルトフェニルフェノール、
クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、オルトフェノー
ル塩、安息香酸、ベンゾール誘導体、アセトフェノン、
セルソルブ誘導体、等を挙げることができる。
【0008】本発明においては、上記キャリアーを、機
能剤を含む加工液中に併存させてポリエステル繊維を処
理することが必要である。ここで、併存とは、機能剤を
含む加工液による後処理が終了する以前の段階におい
て、機能剤とキャリヤーとを該加工液中に共存させるこ
とを言い、機能剤及びキャリヤーの添加の順序は問わな
い。
【0009】キャリヤーの併存による、機能の耐久性向
上の作用機構は、まだ明らかではないが、ポリエステル
繊維の内部微細構造変化と密接な関係があると推定され
る。即ち、キャリヤーによりポリエステル繊維が膨潤さ
れ、繊維中の非結晶領域の自由体積が拡大する結果、機
能剤が、ポリエステルの表面より幾分内部にまで浸透し
耐久性を向上させているものと推定される。
【0010】本発明で使用するポリエステル繊維は、実
質的にポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートから
なり、これらに必要に応じて既知の第三成分を共重合し
たポリエステルが適宜用いられる。
【0011】また、本発明においては、使用するポリエ
ステル繊維の製造法による制約を受けず、目的に応じ
て、FOY(Fully Oriented Yarn)・POY(Partiall
y Oriented Yarn)・USY(Ultra Speed spinning Yar
n)等のいずれの繊維でも使用できる。また、複合紡糸さ
れたポリエステル繊維への適応も可能である。
【0012】本発明で使用する機能剤は一般に、制電、
吸水、防汚、吸湿、撥水、撥油、抗ピル、防炎、難燃、
防融、抗菌、防臭等の機能性を繊維に付与するために用
いられているものを言い、官能基を有する化合物からな
るものがほとんどである。
【0013】例えば制電、吸水、防汚、吸湿、親水性付
与のための化合物としては、ポリエチレングリコール
と,ポリエチレンテレフタレートとのブロック共重合
体、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、ア
クリル酸及びメタクリル酸のメトキシポリエチレングリ
コールエステル、N−メチロールアクリル酸アミド等が
例示される。
【0014】また、撥水、撥油性付与のための化合物と
しては、アルミニウム石鹸、アセト酢酸ブチルエステル
/ブチルチタネート錯化合物、ステアリン酸クロミック
クロライド、ステアロイルメチルアミドメチレンピリジ
ニウム塩等があり、またポリアクリル酸フッ化アルキル
エステル等の有機フッ素化合物、メチルハイドロジエ
ン、ポリシロキサン等のシリコーン化合物等が例示され
る。
【0015】防炎、難燃性付与のための化合物として
は、リン含有化合物、ハロゲン化合物、チオ尿素ホルマ
リン反応物等がある。そのような化合物には、例えばト
リスジブロモプロピルホスフェート、テトラキスハイド
ロキシメチルホスホニウムクロライド、および下記式で
示される化合物等がある。
【化1】
【0016】さらに、抗菌、防臭性付与のための化合物
としては、第4級アンモニウム化合物、有機水銀化合
物、フェノール類およびその塩素化物、ナフテン酸等の
有機酸の金属塩等があり、そのような化合物の具体例と
しては、N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミ
ド、N一ジメチル−N′−フェニル−N’−(フロロジク
ロロメチルチオ)スルファミド、2−(4−チアゾイル)
ベンズイミダゾール、2−クロロ−2−(2,4−ジクロロ
フェノキシ)フェノール、クロールへキシジン等が例示
される。
【0017】上記化合物の分子量は2500以下である
ことが望ましい。分子量が2500より大きい場合は繊
維内部への吸尽が少なく、機能付与効果が小さい傾向が
ある。また、分子量が50〜200程度の低分子化合物
の場合でも重合性化合物であるときは、重合条件下で加
工液による処理を行なうことによって繊維内部での重合
が可能となり本発明の効果が発揮される。
【0018】これら化合物の繊維への付着量は、0.0
1〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜1
0重量%である。該付着量0.01重量%以下の場合、
化合物によっては機能付与効果が低い場合があり、また
洗濯耐久性が劣る場合もある。一方、該付着量が15重
量%を超えると、繊維表面への付着量が多くなって風合
変化が大きくなり易い。
【0019】これら化合物を、ポリエステル繊維に付着
させる際には、該化合物の水溶液、水系エマルジョン或
いは溶剤溶液中に繊維を浸漬後加熱処理する、浸漬−絞
液後加熱処理する、或いは繊維の染色と同時に処理する
等、公知の処理方法を採用することができるが、繊維の
染色と同時に処理すれば、耐久性向上効果が大きい点で
好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中の物性は下記の方法に従って測定
した。 (1)摩擦帯電圧 JIS L1094法(5.2)に準拠し、測定を行った。 (2)洗濯 JIS L0217 103法による洗濯を10回実施した。
【0021】[実施例1]経糸に50デニール/24フ
ィラメントのポリエステルセミダルFOY糸、緯糸に7
5デニール/36フィラメントのポリエステルセミダル
FOY糸を配して製織した、目付け55g/m2のタフ
タを、メチルナフタレン型キャリヤーであるテトロシン
AT−M(山川薬品製)と、親水加工剤である片末端封鎖
ポリエチレングリコール/ポリエチレンテレフタレート
/ポリエチレンイソフタレートブロック共重合物(分子
量1万、高松油脂社製SR-1000)とを含む加工液で処理
した。
【0022】具体的な処理方法としては、5gのタフタ
を、上記メチルナフタレン型キャリヤーを0.15g
(3%owf)および該片末端封鎖ポリエチレングリコ
ール/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソ
フタレートブロック共重合物を0.025g(0.5%
owf)含む200gの水系加工液に入れ、ミニカラー
式染色機を用いて130℃で30分間処理した後、引続
いて、2g/lの水酸化ナトリウムおよび2g/lのハ
イドロサルファイドナトリウム並びに2g/lのスコア
ロール(花王製ナンバー400)を含む80℃の水中で
15分間還元洗浄を実施し、ついで湯洗し、さらに12
0℃で5分間乾燥した後、180℃で1分熱セットし
た。
【0023】得られた布帛および該布帛を10回洗濯し
た後の布帛の摩擦帯電圧を測定したところ、それぞれ5
00V、600Vであり、良好な洗濯耐久性を示した。
【0024】[比較例1]実施例1において、キャリヤ
ーを使用しない以外は実施例1と同様に実施した。得ら
れた布帛および該布帛を10回洗濯した後の布帛の摩擦
帯電圧を測定したところ、それぞれ500V、2500V
であり、洗濯耐久性に劣っていた。
【0025】[比較例2]実施例1において、メチルナ
フタレン型キャリヤーに代えて芳香族エーテル型キャリ
ヤー(山川薬品製、テトロシンA)を使用した以外は実
施例1と同様に実施した。得られた布帛および該布帛を
10回洗濯した後の布帛の摩擦帯電圧を測定したとこ
ろ、それぞれ500V、700Vであり、良好な洗濯耐久
性を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 東義 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 4L033 AA07 AB01 AC03 AC04 AC05 AC06 AC07 AC10 BA00 BA04 BA14 BA39 CA10 CA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維を対繊維機能付与剤を
    含む加工液で処理するに際し、該加工液中にキャリアー
    を併存させることを特徴とする改質ポリエステル繊維の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 キャリアーがメチルナフタレン型キャリ
    アーである請求項1記載の改質ポリエステル繊維の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 キャリアーが芳香族エーテル型キャリア
    ーである請求項1記載の改質ポリエステル繊維の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309486A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Teijin Ltd 機能付与されたポリトリメチレンテレフタレート繊維構造体およびその製造方法
JP2006152508A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Nisshinbo Ind Inc 防汚性繊維構造物及びその加工方法
WO2012081596A1 (ja) 2010-12-16 2012-06-21 東レ株式会社 ポリエステル系繊維構造物の加工剤およびそれを用いたポリエステル系繊維構造物の製造方法
US20160137813A1 (en) * 2007-09-26 2016-05-19 Toray Industries, Inc. Method for producing polyester fibers

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