JP3868547B2 - 繊維処理剤用添加剤および繊維処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維処理剤用添加剤および繊維処理剤に関し、詳しくは各種繊維処理剤の繊維に対する湿潤性、浸透性を著しく向上させる繊維処理剤用添加剤およびこれを含有してなる繊維処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
疎水性が高く、各種処理剤を均一に付着させるのが困難であるポリプロピレン,ポリエステル,ナイロン等の合成繊維に、平滑性や潤滑性を付与したり、その風合を向上させるための処理剤として、流動パラフィンや両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンのエマルジョンが広く使用されている。しかしこれらの繊維の生産工程は高速化されつつあり、これに伴い糸速も高速になる傾向にある。そしてこのような高速下で、例えばキスロール方式により繊維を処理した場合には、上記のような繊維処理剤が糸の芯まで均一に付着、浸透せず、仮撚加工,製織,編立て等の各工程で、糸切れ,羽毛立ちまたはテンションムラ等が発生するという問題点があった。
この問題点を解決するため、糸速600m/分以上の高速加工に供されるポリエステルまたはポリアミド繊維用紡糸油剤として、ポリエーテル系潤滑剤にジメチルシロキサン・メチルオキシアルキレンシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位:メチルオキシアルキレンシロキサン単位=20〜100:1〜9)を添加配合してなる組成物が提案されている(特公昭62−60510号公報参照)。しかしこのような共重合体を用いても、該紡糸油剤を糸全体に満遍なく均一に湿潤させることは不可能であった。
一方、ポリオレフィン系繊維製の紙おむつやナプキンに、アルキロールアミド化合物とジメチルシロキサン・メチルオキシアルキレンシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位:メチルオキシアルキレンシロキサン単位=7〜100:1〜10)からなる処理剤を塗布してその透水性を向上させる方法が提案されている(特公平7−109064号公報参照)。しかしこの方法では、透水性が不十分であるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、従来公知の各種繊維処理剤に特定の有機ケイ素化合物を添加配合することにより、これらの繊維処理剤の繊維に対する湿潤性、浸透性が著しく向上することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、各種繊維処理剤の繊維に対する湿潤性、浸透性を著しく向上させる繊維処理剤用添加剤およびこれを含有してなる繊維処理剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】
本発明は、
[1] 一般式:
【化2】
[式中、Rはメチル基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R2は水素原子,炭素原子数1〜5のアルキル基および式:R3CO−(R3は炭素原子数1〜5のアルキル基である。)で示される基からなる群から選択される基であり、nは4〜15の整数である。]で表わされる繊維処理剤用添加剤。
[2] [1] 記載の繊維処理剤用添加剤を0.005〜1.0重量%含有することを特徴とする繊維処理剤。
[3] エマルジョンまたは水溶液である [2] 記載の繊維処理剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
最初に本発明の繊維処理剤用添加剤について説明する。本発明の繊維処理剤用添加剤は、上記一般式で示されるオルガノトリシロキサンである。上式中、Rはメチル基である。R1は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、エチレン基,n−プロピレン基,イソプロピレン基,n−ブチレン基が例示されるが、特にn−プロピレン基が好ましい。R2は水素原子,炭素原子数1〜5のアルキル基および式:R3CO−(R3は 炭素原子数1〜5のアルキル基である。)で示される基からなる群から選択される基である。炭素原子数1〜5のアルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基が例示される。nは4〜15の整数であり、好ましくは7〜12の整数である。これは4未満であると水への溶解性が低下し、15を越えると繊維処理剤の浸透性や湿潤性を十分に向上させることができなくなるためである。尚、このnは平均で4〜15の範囲に入っていればよく、例えば、nが6と12の2種類のオルガノトリシロキサンを1:1の割合で配合して、平均で8としてもよい。
【0006】
本発明の繊維処理剤用添加剤としては、下記式で示されるオルガノトリシロキサンが例示される。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0007】
このようなオルガノトリシロキサンは、例えば、精製して高純度(好ましくは99.8%以上の純度)の式:
【化7】
で示されるオルガノハイドロジェントリシロキサンを得た後、これに式:CH2=CHCH2O(C2H4O)10Hで示されるポリオキシエチレンアリルエーテルを加えて、10〜20ppmの塩化白金酸等の付加反応用触媒の存在下、110〜130℃で3〜4時間反応させることにより製造することができる。
【0008】
次に本発明の繊維処理剤について説明する。
本発明の繊維処理剤は、前記繊維処理剤用添加剤を0.005〜1.0重量%含有することを特徴とする。このような繊維処理剤としては、例えば、有機系,シリコーン系,フッ化ポリマー系のものが挙げられる。
有機系の繊維処理剤としては、流動パラフィン,ワックス,鉱物油のような炭化水素系や脂肪酸エステル系が例示される。
シリコーン系の繊維処理剤としては、ポリジメチルシロキサン,アミノ基含有オルガノポリシロキサン,エポキシ基含有オルガノポリシロキサン,カルボキシル基含有オルガノポリシロキサン,アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサン,オキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサン,オルガノハイドロジェンポリシロキサンのような液状のオルガノポリシロキサン系や、オルガノアルコキシシラン,アミノアルキルアルコキシシラン,エポキシアルキルアルコキシシランのようなオルガノシラン系およびこれらの混合物が挙げられる。さらにシリコーンレジンやコロイダルシリカを配合したものであってもよい。
フッ化ポリマー系の繊維処理剤としては、下記式で示されるようなパーフルオロアルキル基を有する反応性単量体の重合体が例示される。
CH2=CHC8F17
CF3(CF2)9(CH2)2OCH=CH2
CF3(CF2)7(CH2)11OCOCH=CH2
(CF3)2CF(CF2)6(CH2)3OCOCH=CH2
CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)=CH2
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OCOCH3)OCOC(CH3)=CH2CF2Cl(CF3)CF(CF2)7CONHCOOCH=CH2
H(CF2)10OCOCH=CH2
CF2Cl(CF2)10CH2OCOC(CH3)=CH2
また上記したような反応性単量体と、パーフルオロアルキル基を有しない他の反応性単量体との共重合体も使用できる。パーフルオロアルキル基を有しない他の反応性単量体としては、N−メチロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,グリシジルアクリレート,グリシジルメタクリレート,アジリジニルアクリレート,アジリジニルメタクリレート,ジアセトンアクリルアミド,ジアセトンメタクリルアミド,メチロール化ジアセトンアクリルアミド,エチレンジアクリレート,ヒドロキシアルキルアクリレート,ヒドロキシアルキルメタクリレート,3−フルオロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのような化合物が挙げられる。これらの他にも、塩化ビニル,エチレン,酢酸ビニル,フッ化ビニル,アクリルアミド,メタクリルアミド,スチレン,α−メチルスチレン,アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル,ベンジルアルキルエーテル,ハロゲン化アルキルビニルエーテル,ビニルアルキルケトン,シクロヘキシルアクリレートまたはメタクリレート,無水マレイン酸,ブタジエン,イソプロピレン,クロロプロピレンが例示される。この単量体は一種のみを使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
【0009】
本発明の繊維処理剤は、前記繊維処理剤用添加剤を0.005〜1.0重量%含有することを特徴とし、特に0.01〜0.1重量%含有するのが好ましい。この濃度は繊維を処理する段階における濃度である。従って、例えば特開平2−169773号公報の実施例3に記載されているように、式:
【化8】
で示されるアミノ基含有オルガノポリシロキサン,式:CH3O(C2H4O)7CH2COOHで示される化合物,ポリオキシエチレントリメチルノナノールエーテルおよび水からなるエマルジョン系繊維処理剤を製造し、さらに水を加えて処理浴(原液を希釈し、繊維処理に適した濃度に調整した浴)を調製した後、これに前記繊維処理剤用添加剤を該処理浴の濃度として0.005〜1.0重量%となるような量配合すればよい。また、処理浴を調製する前(希釈前)の原液の繊維処理剤に、予め繊維処理剤用添加剤を0.2重量%となるような量添加配合しておき、繊維を処理する都度、これを20倍に希釈して該添加剤濃度が0.01重量%となるようにしてもよい。
【0010】
本発明の繊維処理剤は、エマルジョンや水溶液等の水を分散媒とした形態であることが好ましい。エマルジョン化する際に使用される乳化剤は特に限定されないが、具体的には、ノニオン系界面活性剤,アニオン系界面活性剤,カチオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ソルビタンアルキルエステル類,ポリエチレングライコール,ポリプロピレングライコールが例示される。アニオン系界面活性剤としては、オクチルベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸;高級アルコール硫酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル;アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩またはアンモニウム塩が例示される。カチオン系界面活性剤としては、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド,牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの塩が例示される。一般に、ノニオン系界面活性剤を単独で使用したり、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤を併用したり、またはノニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤を併用したりして使用される。またこれ以外にも本発明の繊維処理剤には、必要に応じて、ポリビニルアルコール,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等の増粘剤;グリオキザール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,ポリエステル樹脂,アクリル樹脂等の樹脂加工剤,防腐剤,着色剤,pH調整剤,緩衝剤などを添加配合することができる。
【0011】
本発明の繊維処理剤を繊維材料に適用する方法としては、スプレー付着,ロール付着,ハケ塗り,浸漬等の方法が挙げられる。適用後、常温放置,熱風吹付もしくは加熱処理などを行うことにより処理が完結する。一般には、本発明の繊維処理剤中に繊維材料を浸漬し、次いで絞りローラ等で付着量をコントロールした後、乾燥させ、さらに120〜150℃の乾燥機中で加熱処理する方法が用いられる。
【0012】
繊維材料としては、材質的には、毛髪,羊毛,絹,麻,アンゴラ,モヘア,アスベストのような天然繊維;レーヨン,ベンベルグのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリエステル,ポリアミド,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニル,ビニロン,ポリエチレン,ポリプロピレン,スパンデックスのような合成繊維;ガラス繊維,カーボン繊維,シリコンカーバイド繊維のような無機繊維が例示される。形状的には、ステープル,フィラメント,トゥ,トップ,糸が例示される。形態的には、編物,織物,不織布,紙が例示される。
【0013】
以上のような本発明の繊維処理剤用添加剤は、エマルジョン系や水溶液系のような水を希釈媒とした繊維処理剤の湿潤性,浸透性向上剤として有用である。しかも、0.005〜1.0重量%という少量の添加量で非常に顕著な効果を発現する。そしてこの添加剤を含有してなる本発明の繊維処理剤は、各種繊維材料に均一に付着するという利点を有する。特に、疎水性が高く、繊維処理剤の浸透性,湿潤性が低いポリプロピレン製の不織布,糸が太くて表面を処理するだけでは芯まで均一に繊維処理剤が浸透しにくいトップ,トゥまたは、天然のラノリンが付着しているため湿潤性が低く水系の繊維処理剤をはじきやすい羊毛製の布帛やトップ等に、短時間に内部まで均一に浸透、湿潤する。このため、処理ムラが発生せず、生産性の向上に寄与できるという利点を有する。このような本発明の繊維処理剤は、例えば、原糸用油剤,原綿用油剤,紡績油剤,コーン油剤,編立て油剤,製織油剤,ミシン糸用潤滑剤,布帛の柔軟仕上げ剤,帯電防止剤,樹脂加工剤,防融加工剤,抗菌防臭加工剤,親水加工剤,防汚加工剤,難燃処理剤,濃染剤として使用される。
【0014】
【実施例】
次に本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中、部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃における測定値である。
【0015】
【実施例1】
式:
【化9】
で示される粘度41センチストークスのオルガノトリシロキサン0.1グラムを水99.9グラムに溶解して、繊維処理剤用添加剤の0.1%水溶液を調製した。得られた水溶液の表面張力(dynes/cm)を、表面張力計を用いて測定した。この結果を表1に示した。本発明の繊維処理剤用添加剤の表面張力は著しく低く、各種繊維に対する湿潤性が良好であることが判明した。
また、100ccビーカーに、流動パラフィン20%,ポリオキシエチレン(6モル)ラウリルエーテル15%,ポリオキシエチレン(9.5モル)ノニルフェニルエーテル5%および水60%からなるエマルジョン系繊維処理剤(編立て油剤)10部、上記で得られた繊維処理剤用添加剤の水溶液10部および水80部を投入し、これらを均一に混合して処理浴を調製した。この処理浴に、婦人セーター用装飾用銀糸(10μm厚のポリエステルフィルムにアルミニウムを真空蒸着したもの)として使用されるスリット前のポリエチレンテレフタレート製のフィルム(0.5cm幅)を2秒間浸漬して引き上げた。そしてこのフィルムに上記繊維処理剤が均一に付着しているか否か(濡れ性)を目視にて測定した。この結果を表1に示した。本発明の繊維処理剤は添加剤の濃度が0.01%と低濃度であるにもかかわらず、はじかれることなく上記フィルムに均一に付着していた。これより、本発明の繊維処理剤用添加剤は編立て油剤用濡れ性向上剤として非常に好適であることが判明した。
【0016】
【比較例1〜6】
実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(7モル付加)オレイルエーテルの0.1%水溶液(比較例1),ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.1%水溶液(比較例2),ポリオキシエチレン(10モル)オクチルエーテルの0.1%水溶液(比較例3),平均単位式:
【化10】
で示される粘度395センチストークスのジメチルシロキサン・メチルオキシエチレンシロキサン共重合体の0.1%水溶液(比較例4),平均単位式:
【化11】
で示される粘度153センチストークスのジメチルシロキサン・メチルオキシエチレンシロキサン共重合体の0.1%水溶液(比較例5)を調製した。得られた水溶液の表面張力およびポリエチレンテレフタレート製フィルムに対する濡れ性を実施例1と同様にして測定した。さらに、水の表面張力およびポリエチレンテレフタレート製フィルムに対する濡れ性を実施例1と同様にして測定した(比較例6)。これらの結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】
式:
【化12】
で示される粘度75センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサン300部と、粘度55センチストークスのメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物5部を均一に混合し、次いでこれにポリオキシエチレン(6モル)ラウリルエーテル30部および水150部を加えて均一に攪拌した後、コロイドミル型乳化機を用いて乳化した。乳化後、さらに水515部を加えて均一なエマルジョン系繊維処理剤(羊毛用防縮加工剤)を調製した。このエマルジョン系繊維処理剤80部に、コロイダルシリカ[日産化学工業(株)製;商品名スノーテックスAK(水分80%、コロイダルシリカ20%)]を20部添加した。さらに縮合反応用触媒として、ジンクオクトエート20部をポリオキシエチレン(45モル)ノニルフェノールエーテル2.5部,ジアルキル(ヤシ油)ジメチルアンモニウムクロライド2.5部および水75部で乳化したエマルジョン触媒1部と、式:
【化13】
で示される粘度31センチストークスの繊維処理剤用添加剤を0.2部添加して処理浴を調製した。この処理浴をスポイトを用いて、10cm×10cmの羊毛100%の未染色の紳士服地用サージ生地に1滴滴下して滴の拡散時間を測定したところ、2.2秒であった。
【0019】
【比較例7】
実施例2において、繊維処理剤用添加剤を添加しなかった以外は実施例2と同様にして処理浴を調製した。得られた処理浴を用いて実施例2と同様にして、紳士服地用サージ生地に対する滴の拡散時間を測定したところ、4.6秒であり、実施例2に比べて約2倍の時間を要した。これらの結果より、羊毛のように天然のラノリン等が表面に付着している繊維を処理する場合には繊維処理剤が浸透するのに時間がかかるため、従来は処理速度を低下させなければならなかったが、本発明の繊維処理剤用添加剤を使用することにより処理速度を上げることができることが判明した。
【0020】
【実施例3】
ナイロンタフテッドカーペット用のポリプロピレン不織布製基布(厚さ35mm)に抗菌防臭加工を施すために、式:[C18H37(CH3)2N(CH2)3Si(OCH3)3]+Cl-で示される抗菌防臭加工処理剤の1%水溶液を1リットル調製した。次いでこの水溶液中に、式:
【化14】
で示される粘度41センチストークスの繊維処理剤用添加剤の0.1%水溶液を、該添加剤の濃度が0.05%となるような量添加して処理浴を調製した。この処理浴を50cm×50cm×5cm(高さ)の角バットに移液し、次いでこの中に30cm×30cmのポリプロピレン不織布製基布を2.5秒間浸漬した。浸漬後すばやくマングルロール型絞り機を用いて絞り率を100%に調整して絞った。このようにして処理した基布の一部をはさみを用いて切断して、処理剤の浸透性を目視にて測定したところ、基布の中心部にも上記抗菌防臭加工処理剤が均一に浸透していた。
【0021】
【比較例8】
実施例3において、繊維処理剤用添加剤を添加しなかった以外は実施例3と同様にして処理浴を調製した。得られた処理浴を用いて実施例3と同様にして、ポリプロピレン不織布製基布に対する浸透性を測定したところ、中心部約0.08mmは乾燥したままの状態で湿潤していなかった。これより、抗菌防臭加工処理剤が基布の芯までは浸透しておらず処理が不完全であり、この部分に抗菌防臭効果が付与されていないことが判明した。
【0022】
【発明の効果】
本発明の繊維処理剤用添加剤は上記一般式で示されるオルガノトリシロキサンであり、各種繊維処理剤の繊維に対する湿潤性、浸透性を少量で著しく向上させるという利点を有する。またこの繊維処理剤用添加剤を含有してなる本発明の繊維処理剤は、短時間で各種繊維に均一に湿潤、浸透するという利点を有する。
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