JP2001098022A - 末端ビニリデン基含有スチレン系重合体、その製造方法及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents

末端ビニリデン基含有スチレン系重合体、その製造方法及びそれを含有する樹脂組成物

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JP2001098022A
JP2001098022A JP2000127214A JP2000127214A JP2001098022A JP 2001098022 A JP2001098022 A JP 2001098022A JP 2000127214 A JP2000127214 A JP 2000127214A JP 2000127214 A JP2000127214 A JP 2000127214A JP 2001098022 A JP2001098022 A JP 2001098022A
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polymer
styrene
vinylidene
terminal
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Takashi Sawaguchi
孝志 澤口
Nobuhide Ishihara
伸英 石原
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Sawaguchi Takashi
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Sawaguchi Takashi
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体の末端に反応性を有する官能基を導入可能で、耐
熱性,耐薬品性に優れ、他の樹脂との反応性や相溶性が
良好であるスチレン系重合体、その製造方法及びそれを
含有する樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 末端ビニリデン基含有スチレン系重合体
は、主としてシンジオタクチック構造を有し、少なくと
も片方の末端が下記一般式(1)で表されるビニリデン
基である。 【化1】 (式中、Rは水素原子,炭素原子,ハロゲン原子,酸素
原子,窒素原子,イオウ原子,リン原子又はケイ素原子
を含む置換基を示し、nは1,2又は3を示す。nが2
又は3のときは、各Rは同じでも異なっていてもよ
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端ビニリデン基
含有スチレン系重合体及びその製造方法に関し、さらに
詳しくは、主としてシンジオタクチック構造をスチレン
系重合体の片方又は両方の末端がビニリデン基であるス
チレン系重合体、その製造方法及びそれを含有する樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らの研究グループは、先にシン
ジオタクティシティの高いスチレン系重合体を発明し、
さらにこのスチレン系モノマーと他の成分を共重合した
シンジオタクチックスチレン系共重合体を発明した(特
開昭62−104818号公報、同63−241009
号公報)。しかし、これらのシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体あるいは共重合体は、耐熱性,
耐薬品性等に優れるものの、他の樹脂との反応性や相溶
性に乏しく、用途が限定されるという問題があった。こ
の問題点を改良するため、該スチレン系重合体に官能基
を導入すべく、触媒面や重合方法面での検討がなされて
きた。例えば、特開平05−247147号公報には、
側鎖に二重結合を有する高分子重合体にスチレン系モノ
マーをグラフト共重合させたグラフト共重合体が、特開
平05−295056号公報には、末端に重合活性ビニ
ル基を有するマクロモノマーにスチレン系モノマーをブ
ロック共重合させたブロック共重合体が開示されてい
る。
【0003】しかしながら、これらのスチレン系グラフ
ト共重合体やブロック共重合体においては、オレフィン
系セグメント中に反応性基がランダムに存在するため、
スチレン系モノマーを共重合させる際、同時に架橋をも
併発してしまい、有効なグラフト共重合体の生成が阻害
されるという問題がある。また、特開平10−2371
39号公報には、シンジオタクチックポリスチレン連鎖
とポリオレフィン連鎖とをグラフトさせたグラフト共重
合体が開示されているが、グラフト部分が架橋を生じる
おそれがあり、物性を十分にコントロールできるまでに
は至っていない。さらに、重合中、β水素脱離によって
成長末端に二重結合を導入することが考えられるが、ポ
リオレフィンの場合とは異なり、シンジオタクチックポ
リスチレン末端にはビニレン型二重結合が導入される
(M.Kuramoto et al. Polymer Preprints,Japan,Vol.4
3,No.6,1718(1994)) 。このビニレン型二重結合は、量
的にも少なく、比較的安定である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の課題
を解決するためになされたもので、シンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体の末端に反応性を有する
官能基を導入することができ、しかも耐熱性,耐薬品性
に優れ、他の樹脂との反応性や相溶性が良好なスチレン
系重合体を提供することを目的とする。さらに、本発明
はこのようなスチレン系重合体の効率のよい製造方法及
び該スチレン系重合体を含有する樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体の末端に反応性を
有する官能基を導入しうるビニリデン基含有スチレン系
重合体及びその効率的な製造方法を見出し本発明を完成
したものである。
【0006】すなわち、本発明は主としてシンジオタク
チック構造を有し、少なくとも片方の末端が下記一般式
(1)で表されるビニリデン基であることを特徴とする
末端ビニリデン基含有スチレン系重合体を提供するもの
である。
【化2】 (式中、Rは水素原子,炭素原子,ハロゲン原子,酸素
原子,窒素原子,イオウ原子,リン原子又はケイ素原子
を含む置換基を示し、nは1,2又は3を示す。nが2
又は3のときは、各Rは同じでも異なっていてもよ
い。)
【0007】また、本発明の末端ビニリデン基含有スチ
レン系重合体の製造方法は、主としてシンジオタクチッ
ク構造を有する分子量が5,000〜1,000,00
0のスチレン系重合体を、圧力20mmHg以下、温度
270℃〜500℃で熱分解する。さらに、本発明の末
端ビニリデン基含有スチレン系重合体樹脂組成物は、上
記末端ビニリデン基含有スチレン系重合体を1〜95重
量%含有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の末端ビニリデン基含有ス
チレン系重合体は、少なくとも片方の末端に上記一般式
(1)で表されるビニリデン基を有するものであればよ
く、両方の末端に該ビニリデン基を有するものであって
もよい。該ビニリデン基につながっているポリスチレン
部分が、主としてシンジオタクチック構造を有している
ものであることが必要である。
【0009】主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体(以下、「SPS」と称す)におい
て、シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシン
ジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成され
る主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合
はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができ、本発明におけるSPSとしては、通常はラセ
ミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若
しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50
%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチ
レン) 、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン) 、ポリ
(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)、これらの水素化重合体及び混合物、又はこれらを
主成分とする共重合体が挙げられる。
【0010】ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ
(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ
(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチル
スチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニル
ナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などが挙げら
れ、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロ
ロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオ
ロスチレン)などが挙げられ、ポリ(ハロゲン化アルキ
ルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)
などが挙げられ、ポリ(アルコキシスチレン)として
は、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレ
ン)などが挙げられる。なお、これらのうち特に好まし
いSPSとしては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルス
チレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−タ
ーシャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0011】SPSの製造方法については、公知の方法
を用いればよく、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶
媒の不存在下で、チタン化合物及び水とトリアルキルア
ルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量
体(上記スチレン系重合体に対応する単量体) を重合す
る方法等が挙げられる(特開昭62―187708号公
報等) 。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)及
びこれらの水素化重合体についても同様に公知の方法
例えば、特開平1−46912号公報、特開平1−17
8505号公報記載の方法などにより得ることができ
る。
【0012】本発明の末端ビニリデン基含有スチレン系
重合体の製造方法としては、特に制限はないが、好まし
くは本発明の方法、すなわち分子量が5,000〜1,
000,000のSPSを熱分解する方法が挙げられ
る。具体的には、SPSを不活性雰囲気下、20mmH
g以下の圧力、270℃〜500℃の温度にて、好まし
くは0.5〜10mmHgの圧力、300℃〜400℃
の温度にて熱分解させることにより製造される。
【0013】また、前記の末端ビニリデン基含有スチレ
ン系重合体は、以下に示すようなスチレン系重合体等と
の樹脂組成物としても、反応性を有するものとして有用
である。 (1)配合割合 前記末端ビニリデン基含有スチレン系重合体が1重量%
〜95重量%、好ましくは1重量%〜80重量%、他の
スチレン系重合体が99重量%〜5重量%、好ましくは
99重量%〜20重量%。前記末端ビニリデン基含有ス
チレン系重合体が1重量%未満では反応性等の効果が十
分でなく、95重量%を超えると組成物としての効果、
すなわち耐熱性、耐薬品性等の相乗効果がない場合があ
る。
【0014】(2)その他の添加剤 本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない限
り、無機充填材、酸化防止剤、核剤、可塑剤、離型剤、
難燃剤、顔料、カ−ボンブラック、帯電防止剤等の添加
剤あるいはその他の熱可塑性樹脂を配合することができ
る。 無機充填材 無機充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ
繊維、タルク、カーボンブラック、グラファィト、二酸
化チタン、シリカ、マイカ、アスベスト、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、オキシサルフェ
ート、酸化スズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金
属粉末等、又はこれらの混合物が挙げられる。 核剤 核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾ
エート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレン
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホ
スフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、
タルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意
に選択して用いることができる。なお、これらの核剤は
単独、又は二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0015】酸化防止剤 酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系、
銅化合物系等公知のものから任意に選択して用いること
ができる。なお、これらの酸化防止剤は単独、又は、二
種以上を組み合わせて用いることができる。 難燃剤、難燃助剤 難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化シンジオ
タクチックポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエ−テ
ルなどの臭素化ポリマー、臭素化ジフェニルアルカン、
臭素化ジフェニルエーテルなどの臭素化芳香族化合物、
トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリス−3−クロロプロピルホスフェートなどのリ
ン系等公知のものから任意に選択して用いることができ
る。難燃助剤としては、三酸化アンチモンなどのアンチ
モン化合物、その他公知のものから任意に選択して用い
ることができる。なお、これらの難燃剤及び難燃助剤は
単独、又は二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0016】(3)樹脂組成物の調製方法等 本発明の樹脂組成物の調製方法については特に制限はな
く公知の方法により調製することができる。例えば本発
明の末端ビニリデン基含有スチレン系重合体成分と前記
(2)の各種添加剤を、リボンブレンダー,ヘンシェル
ミキサー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単
軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニー
ダ,多軸スクリュー押出機等を用いて溶融混練すること
により、本発明の樹脂組成物を得ることができる。溶融
混練時の樹脂温度としては、270℃〜350℃、好ま
しくは270℃〜300℃である。270℃未満の場
合、樹脂の粘度が高すぎるため生産性の低下を引き起こ
すため好ましくない。また、350℃を超えると熱劣化
等が起こるため好ましくない。また、成形方法について
も特に制限はなく射出成形,押出成形等公知の方法によ
り成形することができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明する。 実施例1(末端ビニリデン基含有スチレン系重合体の合
成) 重量平均分子量が198,000で、ラセミペンタッド
におけるシンジオタクティシティーが99%であるシン
ジオタクチックポリスチレン10gを耐熱性フラスコ内
にとり、窒素ガス気流下(100ml/分)で、2mm
Hgに減圧し、攪拌しながら加熱し、350℃の温度で
90分間保持することにより、熱分解を行った。その
後、液体窒素により冷却し、フラスコ内に残留している
不揮発性ポリマーをキシレンにより抽出し、メチルアル
コール中に再沈殿させた。50℃にて減圧乾燥し、6g
のポリマーを得た。このポリマーの重量平均分子量は3
2,000であった。得られたポリマーについて、同位
体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)の測定を
行った。その結果である13C−NMRチャートを図1に
示す。同図に示したように、113ppm付近にピーク
があり、このピークは末端ビニリデン基のα炭素を示す
ものである。また、145ppm付近には、C1 炭素の
ピークがあり、ケミカルシフトからシンジオタクチック
ポリスチレン構造を保持していることが確認できた。さ
らに、図1における113ppm付近を拡大した図2を
示す。113ppm付近のピ−ク強度より計算した一分
子当たりの末端ビニリデン基の平均数(fTVD)は2
に近く、ほとんど全てのポリマー分子が両末端にビニリ
デン基を持っていることを示した。
【0018】尚、fTVDは下記式により算出される。
【数1】 〔式中、シグナル強度(TVD)は、13C−NMRにお
ける113ppm付近の末端ビニリデン基の炭素に帰属
するピーク強度であり、シグナル強度(TBZ)は34
ppm付近の末端ベンジル基に帰属するピーク強度であ
る。〕
【0019】実施例2(末端ビニリデン基含有スチレン
系重合体の合成) 重量平均分子量が198,000で、ラセミペンタッド
におけるシンジオタクティシティーが99%であるシン
ジオタクチックポリスチレン1,000gをステンレス
製反応器内にとり、窒素ガス気流下(100ml/分)
で、2mmHgに減圧し、攪拌しながら加熱し、390
℃の温度で60分間保持することにより、熱分解を行っ
た。その後、液体窒素により冷却し、反応器内に残留し
ている不揮発性ポリマーをキシレンにより抽出し、メチ
ルアルコール中に再沈殿させた。50℃にて減圧乾燥
し、650gのポリマーを得た。このポリマーの重量平
均分子量は28,000であった。得られたポリマーに
ついて、13C−NMR法の測定を行った。その結果であ
る113ppm付近を拡大した13C−NMRチャートを
図3を示す。図3におけるピークは末端ビニリデン基の
α炭素を示すものである。また、145ppm付近に
は、C1 炭素のピークがあり、ケミカルシフトからシン
ジオタクチックポリスチレン構造を保持していることが
確認できた。さらに、113ppm付近のピ−ク強度よ
り計算した一分子当たりの末端ビニリデン基の平均数
(fTVD)は1であった。
【0020】実施例3(末端ビニリデン基含有スチレン
系重合体の合成) 重量平均分子量が198,000で、ラセミペンタッド
におけるシンジオタクティシティーが99%であるシン
ジオタクチックポリスチレン1,000gをステンレス
製反応器内にとり、窒素ガス気流下(100ml/分)
で、2mmHgに減圧し、攪拌しながら加熱し、370
℃の温度で90分間保持することにより、熱分解を行っ
た。その後、液体窒素により冷却し、反応器内に残留し
ている不揮発性ポリマーをキシレンにより抽出し、メチ
ルアルコール中に再沈殿させた。50℃にて減圧乾燥
し、100gのポリマーを得た。このポリマーの重量平
均分子量は18,000であった。得られたポリマーに
ついて、13C−NMR法の測定を行った。その結果であ
る113ppm付近を拡大した13C−NMRチャートを
図4を示す。図4におけるピークは末端ビニリデン基の
α炭素を示すものである。また、145ppm付近に
は、C1 炭素のピークがあり、ケミカルシフトからシン
ジオタクチックポリスチレン構造を保持していることが
確認できた。さらに、113ppm付近のピ−ク強度よ
り計算した一分子当たりの末端ビニリデン基の平均数
(fTVD)は1であった。
【0021】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体は末端にビニリデン基を有するため、末端に反応性を
有する官能基を導入可能で、耐熱性,耐薬品性に優れ、
他の樹脂との反応性や相溶性が良好である。また本発明
の製造方法により、このような末端にビニリデン基を有
しシンジオタクチック構造を有する新規のスチレン系重
合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で合成したポリマーの13C−NMRチ
ャートである。
【図2】 実施例で合成したポリマーの13C−NMRチ
ャートであり、113ppm付近を拡大したチャートで
ある。
【図3】 実施例で合成した別のポリマーの13C−NM
Rチャートであり、113ppm付近を拡大したチャー
トである。
【図4】 実施例で合成した別のポリマーの13C−NM
Rチャートであり、113ppm付近を拡大したチャー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AA08 AH03 AJ01 AJ03 CA02 CA11 CA19 CA21 4J100 AB00P AB02P AB03P AB04P AB08P AB09P BA05P BA06P CA12 CA31 DA01 FA28 FA29 HA51 HA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有
    し、少なくとも片方の末端が下記一般式(1)で表され
    るビニリデン基であることを特徴とする末端ビニリデン
    基含有スチレン系重合体。 【化1】 (式中、Rは水素原子,炭素原子,ハロゲン原子,酸素
    原子,窒素原子,イオウ原子,リン原子又はケイ素原子
    を含む置換基を示し、nは1,2又は3を示す。nが2
    又は3のときは、各Rは同じでも異なっていてもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    る分子量が5,000〜1,000,000のスチレン
    系重合体を、圧力20mmHg以下、温度270℃〜5
    00℃で熱分解し、請求項1に記載の末端ビニリデン基
    含有スチレン系重合体を生成することを特徴とする末端
    ビニリデン基含有スチレン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の末端ビニリデン基含有
    スチレン系重合体を1〜95重量%含有することを特徴
    とする末端ビニリデン基含有スチレン系重合体樹脂組成
    物。
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