JP2927753B2 - ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂組成物

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JP2927753B2 JP9961197A JP9961197A JP2927753B2 JP 2927753 B2 JP2927753 B2 JP 2927753B2 JP 9961197 A JP9961197 A JP 9961197A JP 9961197 A JP9961197 A JP 9961197A JP 2927753 B2 JP2927753 B2 JP 2927753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性を必要とす
る産業用素材に関し、詳しくは、立体規則性が主として
シンジオタクチックであるスチレン系重合体に、熱可塑
性樹脂を一定量加え、さらに、特定のリン系化合物とフ
ェノール系酸化防止剤とを添加して得られる熱安定性の
よいポリスチレン系樹脂組成物に関する。本発明のポリ
スチレン系樹脂組成物は、耐熱性構造材をはじめとし
て、耐熱性の要求される各種産業用資材,機械部品素材
等として、幅広くかつ有効に利用される。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリスチレンやポリ(p−メチ
ルスチレン)などのスチレン系重合体は、その重合体の
分子鎖の立体配置によって、アイソタクチック構造,シ
ンジオタクチック構造およびアタクチック構造に分類さ
れる。通常のラジカル重合によってアタクチック構造の
スチレン系重合体が、またチーグラー型触媒を用いるこ
とによってアイソタクチック構造のスチレン系重合体が
得られることが知られており、これまでは、アタクチッ
ク構造のポリスチレン系樹脂が一般に用いられている。
【0003】ところで先般、触媒としてチタン化合物と
水変性有機アルミニウム化合物とを用いて得られるシン
ジオタクチック構造のスチレン系重合体が新たに開発さ
れた(特開昭62−104818号公報)。このシンジ
オタクチック構造を有するポリスチレン系重合体は、他
の構造のものに比べて格別に融点が高いため、熱成形に
際しては高い温度において行う必要がある。しかし、こ
のように高い温度で成形する際には、熱分解による分子
量低下を招くことになり、機械的性質が低下する。
【0004】従来から、成形時の熱分解による機械的性
質の低下を防ぐために、ポリスチレン樹脂(通常はアタ
クチック構造)に、トリホスファイトとフェノール系酸
化防止剤を添加したものや、トリホスファイト,ジホス
ファイトおよびフェノール系酸化防止剤を加えた方法が
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常用
いられているアタクチック構造のポリスチレン樹脂用の
これら酸化防止剤は、シンジオタクチック構造を有する
ポリスチレン系樹脂の成形時の温度では揮散および熱分
解するため、シンジオタクチック構造を有するポリスチ
レン系樹脂にそのまま適用しても効果が得られない。そ
こで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、立体規則性
がシンジオタクチック構造であるスチレン系重合体を含
有する熱可塑性樹脂組成物に対し、特定の構造を有する
リン系化合物とフェノール系酸化防止剤とを配合すれ
ば、熱安定性の極めて良いポリスチレン系樹脂組成物が
得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を
完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(a)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体1〜99重量%,(b)熱可塑性樹脂1〜9
9重量%からなる組成物100重量部に対し、(c)酸
化防止剤として一般式
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 ,R2 は同一でも異なってい
てもよく、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基,炭素
数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリ
ール基を示す。〕で表されるリン系化合物とフェノール
系酸化防止剤を0.005〜5重量部配合してなるポリ
スチレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
本発明の組成物においては、(a)成分として、主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を
用いる。
【0010】このスチレン系重合体の主としてシンジオ
タクチック構造とは、立体化学構造が主としてシンジオ
タクチック構造、すなわち、炭素−炭素結合から形成さ
れる主鎖に対して、側鎖であるフェニル基や置換フェニ
ル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもの
であり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁
気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−
NMR法により測定されるタクティシティーは、連続す
る複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダ
イアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペン
タッドによって示すことができるが、本発明に言う、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体とは、通常は、ダイアッドで75%以上、好ましくは
85%以上、若しくは、ペンタッド(ラセミペンタッ
ド)で30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタ
クティシティーを有するポリスチレン,ポリ(アルキル
スチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ(アル
コキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル)お
よびこれらの混合物、あるいは、これらを主成分とする
共重合体を指称する。
【0011】なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャ
リーブチルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化ス
チレン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブ
ロモスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などがあ
る。また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ
(メトキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)など
がある。
【0012】これらのうち、特に好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、更には、スチレンとp−メチルスチレン
との共重合体を挙げることができる。
【0013】また、本発明に用いるスチレン系重合体
は、分子量については制限はないが、重量平均分子量が
10,000以上のものが好ましく、とりわけ、50,
000以上のものが最適である。ここで重量平均分子量
が10,000未満のものでは、このものの耐熱性,機
械的強度が充分でなく、配合後も充分な改善が認められ
ない。さらに、分子量分布についても、その広狭は制約
がなく、様々なものを充当することが可能である。
【0014】なお、この(a)成分である、主としてシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、融
点が160〜310℃であって、従来のアタクチック構
造のスチレン系重合体に比べて、耐熱性が格段に優れて
いる。
【0015】このような主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体は、例えば、不活性炭化水
素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物、及び
水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒とし
て、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応す
る単量体)を重合することにより製造することができる
(特開昭62−187708号公報)。
【0016】上記(a)成分は、組成物中に、1〜99
重量%、好ましくは5〜95重量%、より好ましくは2
0〜80重量%の割合で含有せしめられる。ここで
(a)成分の含有割合が1重量%未満であると、このも
のによる耐熱性の改良が認められない。一方、99重量
%を超えると、このもの自体の性質との有意差がなく、
このシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
を改質剤としてブレンドした意味がない。
【0017】次に、本発明の組成物においては、(b)
成分として、熱可塑性樹脂、正確には上述の(a)成分
である主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体以外の熱可塑性樹脂を用いる。
【0018】このような熱可塑性樹脂としては、組成物
の用途等により様々なものが選定され、特に制限はな
い。例えば、アタクチック構造のポリスチレン,アイソ
タクチック構造のポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂
などのスチレン系重合体をはじめ、ポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル,ポリカーボネート,ポリ
フェニレンオキサイド,ポリスルホン,ポリエーテルス
ルホンなどのポリエーテル,ポリアミド,ポリフェニレ
ンスルフィド(PPS),ポリオキシメチレンなどの縮
合系重合体、ポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステ
ル,ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系重合
体、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ
−4−メチルペンテン−1,エチレン−プロピレン共重
合体などのポリオレフィン、あるいはポリ塩化ビニル,
ポリ塩化ビニリデン,ポリ弗化ビニリデンなどの含ハロ
ゲンビニル化合物重合体などが挙げられる。
【0019】これらの中でも、アタクチック構造のポリ
スチレン、具体的には、重量平均分子量50,000〜
500,000、密度1.04〜1.065g/cm3 の汎
用ポリスチレン;ABS樹脂;ポリエステル、具体的に
は、極限粘度〔η〕0.4〜1.5dl/g、好ましくは
0.5〜1.4dl/g、密度1.33〜1.40g/cm3
融点255〜260℃のポリエチレンテレフタレート;
ポリカーボネート、具体的には、粘度平均分子量20,
000〜40,000、密度1.19〜1.22g/cm3
のポリカーボネート;ポリエーテル、具体的には、重量
平均分子量5,000〜100,000、密度1.05
〜1.07g/cm3 のポリフェニレンオキサイドなどが好
適である。
【0020】上述の(b)成分は、組成物中に1〜99
重量%、好ましくは5〜95重量%、より好ましくは2
0〜80重量%の割合で含有せしめられる。ここで
(b)成分の含有割合が1重量%未満であると、シンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体単独の場合
の性質との有意差がなく、衝撃強度に充分な改良効果が
得られない。一方、99重量%を超えると、シンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体による力学的,
熱的な性質の改善が期待できない。
【0021】さらに、本発明においては、上記樹脂成分
(a),(b)の他に、(c)成分として酸化防止剤を
用いる。ここで酸化防止剤としては、特定の構造を有す
るリン系化合物とフェノール系酸化防止剤とを用いる。
【0022】すなわち、本発明で用いるリン系化合物
は、一般式
【0023】
【化3】
【0024】〔式中、R1 ,R2 は同一でも異なってい
てもよく、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基,炭素
数3〜20のシクロアルキル基,炭素数6〜20のアリ
ール基を示す。〕で表される。
【0025】このリン系化合物の具体例としては、ジス
テアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオク
チルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニル
ペンタエリスルトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロ
ヘキシルペンタエリスルトールジホスファイトなどが挙
げられる。
【0026】また、フェノール系酸化防止剤としては、
既知のものを使用することができ、具体例としては、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ
フェニル−4−メトキシフェノール、2,2'−メチレンビ
ス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'
−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール)、2,2'−メチレンビス〔4−メチル−6−(α−
メチルシクロヘキシル)フェノール〕、1,1'−ビス(5
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)
ブタン、2,2'−メチレンビス−(4−メチル−6−シク
ロヘキシル−フェノール)、2,2'−メチレンビス−(4
−メチル−6−ノニルフェノール)、1,1,3−トリス−
(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニ
ル)ブタン、2,2'−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメル
カプト−ブタン、エチレングリコール−ビス−〔3,3−
ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチ
レート〕、1,1 −ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−3−(n−ドデシルチオ)−ブタン、
4,4'−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
2,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)マロン酸ジオクタデシルエステル、n−オク
タデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシン
ナメート)〕メタンなどが挙げられる。
【0027】本発明においては、前述の(a)成分と
(b)成分からなる組成物100重量部に対して、上記
のリン系化合物とフェノール系酸化防止剤との酸化防止
剤の合計で0.005〜5重量部、好ましくは、0.0
1〜1重量部を配合する。ここで酸化防止剤の配合量が
0.005重量部未満であると、十分な酸化防止効果が
得られず、一方、5重量部より多いと、力学的物性,耐
熱性,外観等に悪影響を及ぼす。
【0028】また、ここで用いるリン系化合物とフェノ
ール系酸化防止剤の比率は、前者:後者が100:1な
いし1:1、好ましくは10:1ないし2:1である。
【0029】本発明の組成物は、基本的には、上述の
(a),(b)および(c)成分よりなるものである
が、さらに必要に応じて無機充填材や例えば、核剤,難
燃剤,難燃助剤,可塑剤,相溶化剤等の各種添加剤を添
加することもできる。
【0030】無機充填材には各種のものがあり、目的等
に応じて適宜選定すればよい。具体的には、ガラス繊
維,炭素繊維,アルミナ繊維,カーボンブラック,グラ
ファイト,二酸化チタン,シリカ,タルク,マイカ,炭
酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭酸バリウム,炭酸マ
グネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸バリウム,オキシ
サルフェート,酸化スズ,アルミナ,カオリン,炭化ケ
イ素,金属粉末、あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。
【0031】本発明において、(a)主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体、(b)熱可
塑性樹脂、(c)酸化防止剤、およびその他所望により
加える他成分を混練するに当たっては、状況に応じて適
宜条件を選定すればよいが、一般には、バンバリーミキ
サー,ヘンシェルミキサーや混練ロールによる通常の溶
融混練によればよい。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0033】参考例1〔主としてシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンの製造〕 触媒成分としてテトラエトキシチタン2.67ミリモル
と、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子として2
67ミリモル用い、トルエン溶媒中において、スチレン
8リットル(L)の重合反応を、40℃で2.5時間実
施した。得られた重合体を洗浄後、乾燥した。重合体の
収量は、490gであった。次に、この重合体を、メチ
ルエチルケトンを溶媒として使用してソックスレー抽出
し、抽出残分97重量%を得た。
【0034】ここで得た抽出残の重合体は、重量平均分
子量が150万であり、融点は270℃であった。ま
た、この重合体は、同位体炭素の核磁気共鳴(13C−N
MR)法による分析から、シンジオタクチック構造に基
因する145.35ppm に吸収が認められ、そのピーク
面積から算出したペンタッドでのシンジオタクティシテ
ィーは、96%のものであった。
【0035】実施例1 熱可塑性樹脂としてアタクチックポリスチレン(商品
名:出光ポリスチレンUS−305、出光石油化学
(株)製)50重量部に対して、上記参考例1において
得られたシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
50重量部を配合し、これにリン系化合物としてビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト0.5重量部、フェノール系酸化防止
剤としてn−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート0.2重
量部を乾式混合した。次いで、この混合物を空気雰囲気
下300℃で2分間混練した後、押出し、得られた押出
成形体について、メチルエチルケトン(MEK)を溶媒
としてソックスレー抽出し、抽出残分50重量%を得
た。ここで得た抽出残分について、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー法(GPC法)により重量平均分
子量を測定した。この場合の測定溶媒には1,2,4−トリ
クロルベンゼンを用い、135℃において測定した。結
果を第1表に示す。
【0036】実施例2 熱可塑性樹脂としてポリカーボネート( 商品名:タフロ
ンA−2500、粘度平均分子量23,000、出光石
油化学(株)製)を用い、フェノール系酸化防止剤とし
てテトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン0.2重量
部を用い、ソックスレー抽出を行わなかったほかは、実
施例1と同様にした。結果を第1表に示す。
【0037】実施例3 熱可塑性樹脂としてポリフェニレンオキサイド(重量平
均分子量7,200、SCIENTIFIC POLYMER PRODUCTS IN
C.製 カタログ No.V−100)を用い、リン系化合物
としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.5重量部
を用い、ソックスレー抽出を行わなかったほかは、実施
例1と同様にした。結果を第1表に示す。
【0038】実施例4 熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(商品
名:ダイヤナイトMA−523、三菱レーヨン(株)
製、極限粘度〔η〕=0.78dl/g)を用い、リン系化
合物としてビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト0.25重量部、フェ
ノール系酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)〕メタン0.3重量部を用いたほかは、実施例4と
同様にした。結果を第1表に示す。
【0039】比較例1 リン系化合物としてビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.0重量部
を配合し、かつ、フェノール系酸化防止剤を用いなかっ
たほかは、実施例1と同様にした。結果を第1表に示
す。
【0040】比較例2 リン系化合物としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
1.0重量部を配合し、かつ、フェノール系酸化防止剤
を用いなかったほかは、実施例2と同様にした。結果を
第1表に示す。
【0041】比較例3 フェノール系酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート0.4重量部を配合し、かつリン系化合物
を用いなかったほかは、実施例3と同様にした。結果を
第1表に示す。
【0042】比較例4 リン系化合物として、本発明で用いる化合物とは異なる
化学構造を有するトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト0.5重量部を用い、かつ、フェノー
ル系酸化防止剤を用いなかったほかは、実施例5と同様
にした。結果を第1表に示す。
【0043】比較例5 酸化防止剤(リン系化合物およびフェノール系酸化防止
剤)を全く配合しなかった他は、実施例1と同様にし
た。結果を第1表に示す。
【0044】比較例6 酸化防止剤の配合割合を8.0重量部としたほかは、実施
例1と同様にした。結果を第1表に示す。その結果、分
子量は、第1表に示すように、実施例1と同等であった
ものの、押出成形体が黄色く着色しており、外観不良を
呈した。
【0045】
【表1】
【0046】〔第1表の脚注〕 *1 SPS:参考例1で得られたシンジオタクチック
ポリスチレン *2 aPS:アタクチックポリスチレン *3 PC:ポリカーボネート *4 PPO:ポリフェニレンオキサイド *5 PET:ポリエチレンテレフタレート
【0047】リン系化合物 *6;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト *7;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト *8;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト
【0048】フェノール系酸化防止剤 *9;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート *10;テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン
【0049】
【発明の効果】叙上の如く、本発明によれば、従来のポ
リスチレン系樹脂組成物に比べ、高温での成形加工によ
る分子量低下を抑制する効果が大きい。その結果、熱安
定性の良い耐熱性ポリスチレン系樹脂成形素材が得ら
れ、耐熱性および耐薬品性の要求される各分野の素材と
して有効に、かつ、幅広く利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:527) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)主としてシンジオタクチック構造
    を有するスチレン系重合体1〜99重量%,(b)熱可
    塑性樹脂1〜99重量%からなる組成物100重量部に
    対し、(c)酸化防止剤として一般式 【化1】 〔式中、R1 ,R2 は同一でも異なっていてもよく、そ
    れぞれ炭素数1〜20のアルキル基,炭素数3〜20の
    シクロアルキル基,炭素数6〜20のアリール基を示
    す。〕で表されるリン系化合物とフェノール系酸化防止
    剤を0.005〜5重量部配合してなるポリスチレン系
    樹脂組成物。
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