JP2001097221A - 全方向移動台車 - Google Patents

全方向移動台車

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JP2001097221A
JP2001097221A JP2000222617A JP2000222617A JP2001097221A JP 2001097221 A JP2001097221 A JP 2001097221A JP 2000222617 A JP2000222617 A JP 2000222617A JP 2000222617 A JP2000222617 A JP 2000222617A JP 2001097221 A JP2001097221 A JP 2001097221A
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秀樹 山下
Shigeki Fujiwara
茂喜 藤原
Hitoshi Kitano
斉 北野
Yasushi Maeda
裕史 前田
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の人誘導型台車としては実現されなかっ
た、全方向に移動可能な駆動方向性に極めてフレキシビ
リティのある全方向移動台車を提供する。 【解決手段】 全方向移動可能な少なくとも3つ以上の
駆動車輪1と、駆動車輪1を駆動する駆動部2と、操作
者が操作力を加える操作部3を備えた車体4と、前記操
作部3に加えられた操作力Hを検出する操作力検出手段
5とを有し、車体4に搭載した制御手段6によって、車
体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1と車体を左右
方向に駆動させる駆動要素D2と車体を旋回させる駆動
要素D3から規定される駆動系の駆動要素値Dを操作力
検出手段5で検出された操作力Hに応じて最適化し、得
られた駆動系の駆動要素値Dに応じて各駆動車輪1を駆
動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全方向移動台車に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人誘導型台車としては、特開平8
−282498号公報記載のパワーアシスト付運搬車が
提案されている。このパワーアシスト付運搬車では車体
に備えられた操作部に加えた外力に応じたアシスト力が
走行兼操舵用駆動車輪に加えられる。しかしながら、こ
の公報の実施例中のパワーアシスト付運搬車の走行兼操
舵用駆動車輪にあっては、左右1対に線対称に配置した
2つの駆動車輪の回転数差を制御することによって走行
兼操舵用駆動車輪を実現しているに過ぎないため、横ず
さり移動や斜め移動ができず、台車の駆動方向性のフレ
キシビリティが極めて乏しい。また、これに伴って操作
部に加えた外力を検出するための構成も、走行のための
前後の推進方向と操舵のための回転方向(正確には左右
方向)の外力を検出するだけとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みて為されたものであり、従来の人誘導型台車としては
実現されなかった、全方向に移動可能な駆動方向性に極
めてフレキシビリティのある全方向移動台車を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
全方向移動台車は、全方向移動可能な駆動車輪1と、駆
動車輪1を駆動する駆動部2と、操作者が操作力を加え
る操作部3を備えた車体4と、前記操作部3に加えられ
た操作力Hを検出する操作力検出手段5とを有し、車体
4に搭載した制御手段6によって、車体4を前後方向に
駆動させる駆動要素D1と車体を左右方向に駆動させる
駆動要素D2と車体を旋回させる駆動要素D3から規定さ
れる駆動系の駆動要素値Dを操作力検出手段5で検出さ
れた操作力Hに応じて最適化し、得られた駆動系の駆動
要素値Dに応じて各駆動車輪1を駆動することを特徴と
するものである。
【0005】また、本発明の請求項2に係る全方向移動
台車は、請求項1の構成に加えて、全方向移動可能な駆
動車輪が、ボールホイールやユニバーサルホイール等の
全方向駆動車輪であって、該全方向駆動車輪を少なくと
も3個備えていることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の請求項3に係る全方向移動
台車は、請求項1又は2の構成に加えて、全方向移動台
車の使用時の重心位置Gに作用する、車体4を前後方向
に駆動させる駆動要素D1(G)と車体を左右方向に駆動さ
せる駆動要素D2(G)と車体を旋回させる駆動要素D3(G)
を駆動系の駆動要素値Dとして用いることを特徴とする
ものである。
【0007】また、本発明の請求項4に係る全方向移動
台車は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、前
記制御手段6への入力手段を前記操作力検出手段5とは
別に設けたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項5に係る全方向移動
台車は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、車
体4に搭載した制御手段6によって、車体4を前後方向
に駆動させる駆動要素D1と車体4を左右方向に駆動さ
せる駆動要素D2と車体4を旋回させる駆動要素D3から
規定される駆動系の駆動要素値を操作力検出手段5で検
出された操作力Hに応じて最適化するにあたり、前後方
向の駆動要素値は検出された前後方向の力fhxに対し
て第1のゲインKxを掛けたものから最適化し、左右方
向の駆動要素値は検出された左右方向の力fhyに対し
て第2のゲインKyを掛けものから最適化し、さらに旋
回方向の駆動要素値は検出された旋回方向の力fhψに
対して第3のゲインKψを掛けたものと左右方向の力f
hyに第4のゲインKyψを掛けたものとの和から最適
化することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項6に係る全方向移動
台車は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、全
方向移動台車の駆動方向の自由度を前後、左右、旋回の
3自由度と、前後、旋回の2自由度とに切り替えられる
ことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項7に係る全方向移動
台車は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、全
方向移動台車の駆動方向の自由度を前後、左右の2自由
度と、前後、旋回の2自由度とに切り替えられることを
特徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項8に係る全方向移動
台車は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、全
方向移動台車の駆動方向の自由度を前後、旋回の2自由
度と、左右の1自由度とに切り替えられることを特徴と
するものである。
【0012】また、本発明の請求項9に係る全方向移動
台車は、請求項6乃至8のいずれかの構成に加えて、全
方向移動台車の駆動方向の自由度切替が切替スイッチ8
によって行われることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項10に係る全方向移
動台車は、請求項6乃至8のいずれかの構成に加えて、
操作部3が複数個設けてあり、操作者がいずれの操作部
3で操作するかによって駆動方向の自由度が切り替わる
ことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の請求項11に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至10のいずれかの構成に加え
て、車体4に搭載した制御手段6は、左右方向の移動時
のみ、車体4の左右方向の障害物を検知する障害物検知
手段60の出力を受けて警報の出力もしくは停止を行う
ものであることを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項12に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、
操作力検出手段5は、1つの操作部3に加えられた操作
力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方向の分力H2
と車体旋回方向モーメントH Mとを検出することを特徴
とするものである。
【0016】また、本発明の請求項13に係る全方向移
動台車は、請求項12の構成に加えて、操作部3と操作
部ベース9とを操作力Hに応じて車体前後方向に相対的
変位d1(l),d1(r)が生じる機構10l,10rにより
左右2ヵ所で接続し、前記操作部ベース9に操作力Hに
応じて車体4に対して車体左右方向に相対的変位d2
生じる機構11を設けると共に前記各相対的変位
1(l),d1(r),d2を検出する変位検出手段12a,
12b,12cを設け、検出した各相対的変位d1(l)
1(r),d2から操作力Hの車体前後方向の分力H1と車
体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメントHMとを
検出することを特徴とするものである。
【0017】また、本発明の請求項14に係る全方向移
動台車は、請求項12の構成に加えて、操作部3の把持
部13が操作力Hに応じて操作部3に対して車体左右方
向に相対的変位d2を生じる機構14を設けると共に前
記相対的変位d2を検出する変位検出手段16aを設
け、操作部3と車体4とを操作力Hに応じて車体前後方
向に相対的変位d1(l),d1(r)が生じる機構15l,1
5rにより左右2ヵ所で接続すると共に前記左右2ヵ所
で生じる各相対的変位d1(l),d1(r)を検出する変位検
出手段16b,16cを設け、検出した各相対的変位d
1(l),d1(r),d2から操作力Hの車体前後方向の分力
1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメント
Mとを検出することを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の請求項15に係る全方向移
動台車は、請求項13又は14の構成に加えて、操作力
Hに応じて操作部3の操作部ベース9に対して左右に生
じる車体前後方向の相対的変位d1(l),d1(r)を夫々d
l,dr、操作部ベース9の車体4に対して生じる車体
左右方向の相対的変位d2をdc、操作力Hの車体前後
方向の分力H1及び車体左右方向の分力H2及び車体旋回
方向モーメントHMをFhx,Fhy,Mhとすると、
Fhx,Fhy,Mhとdl,dr,dc間の線形性か
ら、比例定数k1,k2,k3,k4を実験で求め、操作力
検出手段5の演算部にて下記式 Fhx=k1×(dr+dl) Fhy=k2×dc Mh=k3×(dr−dl)+k4×dc により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
るものである。
【0019】また、本発明の請求項16に係る全方向移
動台車は、請求項12の構成に加えて、操作部3と車体
4とを左右2ヵ所で接続すると共に前記左右2ヵ所の接
続部17に該接続部17に作用する車体前後方向の力I
1(l),I1(r)と車体左右方向の力I2(l),I2(r)を検出
する力センサー18を夫々配設し、検出した左右の接続
部17に作用する車体前後方向の力I1(l),I1(r)と車
体左右方向の力I2(l),I2(r)から、操作力Hの車体前
後方向の分力H1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方
向モーメントHMとを検出することを特徴とするもので
ある。
【0020】また、本発明の請求項17に係る全方向移
動台車は、請求項16の構成に加えて、操作力Hに応じ
て左側接続部17lに生じる車体前後方向の力I1(l)
車体左右方向の力I2(l)をFlx,Fly、右側接続部
17rに生じる車体前後方向の力I1(r)と車体左右方向
の力I2(r)をFrx,Fry、操作力Hの車体前後方向
の分力H1及び車体左右方向の分力H2及び車体旋回方向
モーメントHMをFhx,Fhy,Mhとすると、Mh
とFlx,Frx間の線形性から、比例定数k 5を実験
で求め、操作力検出手段5の演算部にて下記式 Fhx=Frx+Flx Fhy=Fry+Fly Mh=k5×(Frx−Flx) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
るものである。
【0021】また、本発明の請求項18に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、
操作部3と車体4とを操作力Hに応じて車体前後方向に
相対的変位が生じる機構21l,21rにより左右2ヵ
所で接続すると共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変
位d1(l),d1(r)を検出する変位検出手段22a,22
bを設け、検出した各相対的変位d1(l),d1(r)から操
作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方向の分力
2と車体旋回方向モーメントHMとを検出することを特
徴とするものである。
【0022】また、本発明の請求項19に係る全方向移
動台車は、請求項18の構成に加えて、操作力Hに応じ
て生じる前記各相対的変位d1(l),d1(r)の内、左側の
相対的変位d1(l)をdl、右側の相対的変位d1(r)をd
r、操作力Hの車体前後方向の分力H1及び車体左右方
向の分力H2及び車体旋回方向モーメントHMをFhx,
Fhy,Mhとすると、Fhx,Fhy,Mhとdl,
dr間の線形性から、比例定数k6,k7,k8を実験で
求め、操作力検出手段5の演算部にて下記式 Fhx=k6×(dr+dl) Fhy=k7×(dr−dl) Mh=k8×(dr−dl) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
るものである。
【0023】また本発明の請求項20に係る全方向移動
台車は、請求項12乃至19のいずれかの構成に加え
て、操作力検出手段5からの出力値の所定時間内の変化
量をもとに断線を判定する断線判定手段を備えるととも
に、該断線判定手段は車体4の速度に応じて上記判定の
ための所定時間の値を変更することを特徴とするもので
ある。
【0024】また、本発明の請求項21に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至20のいずれかの構成に加え
て、全方向移動可能な駆動車輪1が、ユニバーサルホイ
ールタイプの全方向駆動車輪であって、4個以上の偶数
個の駆動車輪1が車体に左右対称に且つ左右に並ぶ対の
駆動車輪1の駆動軸1aの交点が車体4の左右方向中央
に位置するものとして配置されているとともに、左右に
並ぶ対の駆動車輪1の駆動軸1aが車体の前後方向軸と
なす角度θがすべて同じであり、さらに上記対の駆動車
輪1は車体の前後方向において離れて配置されているこ
とを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の請求項22に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至20のいずれかの構成に加え
て、全方向移動可能な駆動車輪1が、ボールホイールや
ユニバーサルホイール等の全方向駆動車輪であって、該
駆動車輪1を操作部3から離れている側に多く配置する
ことを特徴とするものである。
【0026】また、本発明の請求項23に係る全方向移
動台車は、請求項22の構成に加えて、駆動車輪1の両
側に自在車輪23を配置することを特徴とするものであ
る。
【0027】また、本発明の請求項24に係る全方向移
動台車は、請求項21乃至23のいずれかの構成に加え
て、全方向移動可能な駆動車輪1と車体4とを繋ぐ連結
部24にその長さが駆動車輪1の接地する接地面25の
凹凸に応じて上下に伸縮し、尚且つ連結部24の伸縮範
囲内において駆動車輪1が接地面25に対して一定値以
上の押付力で作用する駆動車輪押付機構を設けたことを
特徴とするものである。
【0028】また、本発明の請求項25に係る全方向移
動台車は、請求項21乃至24のいずれかの構成に加え
て、駆動車輪はカバーで覆われていることを特徴とする
ものである。
【0029】また、本発明の請求項26に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至25のいずれかの構成に加え
て、操作者の手が操作部3から離れたことを検知する手
段の出力を受けて制御手段6は車体を停止させることを
特徴とするものである。
【0030】また、本発明の請求項27に係る全方向移
動台車は、請求項26の構成に加えて、操作者の手が操
作部3から離れたことを検知する手段の出力を受けて制
御手段6は制御中心CCにおける車体速度を徐々に低下
させて停止させることを特徴とするものである。
【0031】また、本発明の請求項28に係る全方向移
動台車は、請求項26または27のいずれかの構成に加
えて、制御手段は車体速度が略零になった時に電磁ブレ
ーキをかけることを特徴とするものである。
【0032】また、本発明の請求項29に係る全方向移
動台車は、請求項26乃至28のいずれかの構成に加え
て、制御手段6は、操作者の手が操作部3に触れている
ことを検知する手段の出力を受けて通常制御に戻すこと
を特徴とするものである。
【0033】また、本発明の請求項30に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至29のいずれかの構成に加え
て、車体4に搭載した制御手段6において、車体4を前
後方向に駆動させる駆動要素D1と車体4を左右方向に
駆動させる駆動要素D2と車体4を旋回させる駆動要素
3として車体4を前後方向に駆動させる駆動力F1と車
体左右方向推進力F2と車体旋回モーメントMを設定
し、これら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動
系の駆動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作
力Hに応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値D
に応じて各駆動車輪1の駆動力fi(i=1,…,n)
を演算し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動力f
i(i=1,…,n)となるよう各駆動車輪1に駆動力
i(i=1,…,n)を発生させることを特徴とする
ものである。
【0034】また、本発明の請求項31に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至20のいずれかの構成に加え
て、車体4に搭載した制御手段6において、車体4を前
後方向に駆動させる駆動要素D1と車体を左右方向に駆
動させる駆動要素D2と車体を旋回させる駆動要素D3
して車体前後方向速度υ1と車体左右方向速度υ2と車体
旋回方向速度υ3を設定し、これら駆動要素D1,D2
3から規定される駆動系の駆動要素値Dを操作力検出
手段5で検出された操作力Hに応じて最適化し、得られ
た駆動系の駆動要素値Dに応じて各駆動車輪1の駆動速
度vi(i=1,…,n)を演算し、演算により得られ
た各駆動車輪1の駆動速度vi(i=1,…,n)とな
るよう各駆動車輪1に駆動力fi(i=1,…,n)を
発生させることを特徴とするものである。
【0035】また、本発明の請求項32に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至21のいずれかの構成に加え
て、車体4に搭載した制御手段6において、車体4を前
後方向に駆動させる駆動要素D1と車体を左右方向に駆
動させる駆動要素D2と車体を旋回させる駆動要素D3
して車体前後方向加速度α1と車体左右方向加速度α2
車体旋回方向加速度α3を設定し、これら駆動要素D1
2,D3から規定される駆動系の駆動要素値Dを操作力
検出手段5で検出された操作力Hに応じて最適化し、得
られた駆動系の駆動要素値Dに応じて各駆動車輪1の駆
動加速度ai(i=1,…,n)を演算し、演算により
得られた各駆動車輪1の駆動加速度ai(i=1,…,
n)となるよう各駆動車輪1に駆動力fi(i=1,
…,n)を発生させることを特徴とするものである。
【0036】また、本発明の請求項33に係る全方向移
動台車は、請求項1乃至32のいずれかの構成に加え
て、車体が配膳車であることを特徴とするものである。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1
乃至図6に示す。図1は本発明の全方向移動台車の一例
である配膳車を示し、図4はこの配膳車の車体4に配設
される全方向移動可能な駆動車輪1を示すものである。
この駆動車輪1は、ユニバーサルホイールタイプの全方
向駆動車輪であって、駆動部2である駆動モーター26
のモーター軸に連結された主軸1aと、この主軸の周り
に回転可能な回転枠体1bと、この回転枠体1bに支持
され、主軸1aに垂直な平面内においてこの主軸1aの
周りに等間隔に配設された4本の支軸1cに夫々回転自
在に保持された4個のローラー1dとからなり、この各
ローラー1dの支軸1cを含む縦断面の外形が主軸1a
を中心とする円の円周の一部を形成することにより4個
のローラー1dによって主軸1aを中心として形成され
る大径ローラー1eの主軸1aを中心とする回転と各ロ
ーラー1dによる夫々の支軸1cを中心とする回転とが
可能に構成されたものであり、ローラー1dの位置を周
方向において半ピッチずらした2つの大径ローラー1e
が軸方向に並んでいる駆動車輪1を図5に示すように車
体4の底面4bの前側に1個、その主軸1aが車体4の
前後方向の中心線上に位置するように配設すると共に、
車体4の底面4bの後側に2個、夫々の主軸1aの延長
線が車体4の前後方向の中心線と略45°で交わるよう
に車体4の前後方向の中心線に対して線対称に位置する
ように配設する(尚、以下の説明では車体4の底面4b
の前側に配設した駆動車輪1を1F、車体4の底面4b
の後側左に配設した駆動車輪1を1RL、車体4の底面
4bの後側右に配設した駆動車輪1を1RRと呼ぶこと
にする)。
【0038】このように駆動車輪1F,1RL,1RR
を車体4の底面4bに配置することで、駆動車輪1F,
1RL,1RRを適宜回転駆動させることによって、車
体4の前後方向及び左右方向の移動を可能にすると共
に、駆動車輪1F,1RL,1RRの主軸1aの延長線
が点A(以下、車軸交点Aと呼ぶ)で交わるため、各駆
動車輪1F,1RL,1RRの大径ローラー1eを適宜
回転駆動させることによって、点Aを中心とした車体4
の旋回も可能となる。
【0039】車体4の前面4fの上部には3個の駆動車
輪1F,1RL,1RRの主軸1aの回転中心を含む平
面に平行に操作部3となる略円弧状の把持部27が配設
される。操作者はこの操作部3を把持して、意図する方
向に配膳車を誘導する。この時、操作部3に操作者が加
える操作力Hを、操作部3或いは操作部3と車体4の前
面4fとの接続部に設けられた操作力検出手段5にて検
出し、車体4に搭載した制御手段6によって、車体4を
前後方向に駆動させる駆動要素D1と車体を左右方向に
駆動させる駆動要素D2と車体を旋回させる駆動要素D3
から規定される駆動系の駆動要素値Dを操作力検出手段
5で検出された操作力Hに応じて最適化し、得られた駆
動系の駆動要素値Dに応じて駆動車輪1F,1RL,1
RRを駆動する。
【0040】尚、上記の車体4を前後方向に駆動させる
駆動要素D1と車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2
と車体を旋回させる駆動要素D3とは、全方向移動台車
を1つの移動単体と見なした場合に、3つの駆動車輪1
F,1RL,1RRの力学的要素(駆動力fi/駆動速
度vi/駆動加速度ai;i=1,2,3)の合成で決ま
る移動単体の力学的要素(推進力F/速度υ/加速度
α)を、移動単体を前後方向に推進させる力学的要素
(車体前後方向推進力F1/車体前後方向速度υ1/車体
前後方向加速度α1)と移動単体を左右方向に駆動させ
る力学的要素(車体左右方向推進力F2/車体左右方向
速度υ2/車体左右方向加速度α2)と移動単体を旋回さ
せる力学的要素(車体旋回モーメントM/車体旋回速度
υ3/車体旋回加速度α3)とに分解することで各々定義
されるものであり、駆動系の駆動要素値Dとは上記
1,D2,D3の3つの値から定義される行列を指す。
【0041】次に上記制御方法について詳述する。図2
は上記駆動要素D1,D2,D3として車体前後方向推進
力F1、車体左右方向推進力F2、車体旋回モーメントM
を設定した場合の制御系の基本的なフローチャートを示
すものである。まず、操作者の操作部3に加えた操作力
Hを操作力検出手段5にて検出し、この検出値に基づい
て配膳車を1つの移動単体と見なした場合に要求され
る、車体前後方向推進力F1と、車体左右方向推進力F2
と、車体旋回モーメントMとを演算する。続いて、この
1,F2,Mを基にして3つの駆動車輪1F,1RL,
1RRに求められる駆動力f1,f2,f3を演算し、3
つの駆動車輪1F,1RL,1RRが演算した駆動力f
1,f2,f3となるよう3つの駆動車輪1F,1RL,
1RRの駆動部2に必要トルクを出力する。
【0042】図6は上記演算を導くための全方向移動台
車の力学モデル図である。この力学モデル図は、全方向
移動台車の3つの駆動車輪1F,1RL,1RRの路面
との接地部分を作用点P1,P2,P3と見なす。車軸
交点Aから作用点P1,P2,P3までの距離をL1
2,L3とし、作用点F,RL,RRに車軸交点Aと作
用点P1,P2,P3を結ぶ線に対して直角な方向に上
記駆動力f1,f2,f 3が作用したとする。この時、3
つの駆動車輪1F,1RL,1RRの駆動力f1,f2
3の車軸交点Aにおける合力Fとその作用方向φと、
合力Fの車体を前後方向に駆動させる成分F1と、合力
Fの車体を左右方向に駆動させる成分F2及び車軸交点
A回りの車体旋回モーメントMは次式で表せる。
【0043】
【数1】
【0044】上記式より、各駆動車輪1F,1RL,1
RRの駆動力fi(i=1,2,3)を制御することに
よって、全方向移動台車の車軸交点Aにおける合力Fと
車軸交点A回りの車体旋回モーメントMは制御すること
ができるため、全方向駆動性と最適な駆動力Fの実現を
可能とする。尚、上記モデルは、駆動車輪1が3つの時
のものであるが、駆動車輪1が何個であっても、各駆動
車輪1の主軸1aが1点で交わるのであれば、上記式と
同様な関係式に基づいて全方向移動台車の移動方向と駆
動力Fを制御することができる。
【0045】図3は上記理論に基づいた全方向移動台車
の駆動特性を制御するためのブロック図である。まず、
操作者が操作部3に操作力Hを加えると、操作力Hが操
作部3を介して直接全方向移動台車に加わると共に、操
作力検出手段5によって検出された操作力Hに応じて適
宜駆動車輪1F,1RL,1RRにアシスト力Fa1
Fa2,Fa3が働く。このアシスト力Fa1,Fa2,F
3は、次の流れで決定される。まず、操作力検出手段
5によって検出した操作力Hより、操作力の車体前後方
向の分力H1と、操作力の車体左右方向の分力H2と、操
作力の車体左右方向の分力HMとに分解し、これらに予
め設定したアシストゲイン(力増倍率)を乗じて、全方
向移動台車を1つの移動単体と見なした場合の、車体前
後方向推進力F1と、車体左右方向推進力F2と、車体旋
回モーメントMとで規定される駆動系の駆動要素値Dを
演算する。
【0046】次に前述の関係式より、駆動車輪1F,1
RL,1RRに求められる駆動力f 1,f2,f3を演算
し、これらf1,f2,f3をアシスト力Fa1,Fa2
Fa3として駆動車輪1F,1RL,1RRに働かせ
る。このように車体4に搭載した制御手段6によって、
車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1と車体を左
右方向に駆動させる駆動要素D2と車体を旋回させる駆
動要素D3から規定される駆動系の駆動要素値Dを操作
力検出手段5で検出された操作力Hに応じて最適化し、
得られた駆動系の駆動要素値Dに応じて各駆動車輪1を
駆動することで、従来の人誘導型台車としては、実現さ
れなかった、全方向に移動可能な駆動方向性に極めてフ
レキシビリティのある全方向移動台車を実現できる。
【0047】尚、上記の例でのユニバーサルホイールタ
イプの駆動車輪1は、4個のローラー1dで大径ローラ
ー1eが形成されたものとなっているが、このユニバー
サルホイールタイプの駆動車輪1は、図7に示すように
3個以上のローラー1dで大径ローラー1eを形成する
ことができる。
【0048】本発明の実施の形態の他の例を図8に示
す。この全方向移動台車は、使用時の重心位置Gに作用
する、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1(G)
車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2(G)と車体を旋
回させる駆動要素D3(G)を駆動系の駆動要素値Dとして
用いるものであり、他の構成は前記例と同じである。図
8(a)の例は、全方向移動台車の任意の点Gと操作部
3における操作力Hの作用点Wが車体4の前後方向に距
離L、車体4の左右方向に距離lだけ離れている場合を
示すものであり、使用時の重心位置Gに作用する、車体
4を前後方向に駆動させる駆動要素D1(G)と車体を左右
方向に駆動させる駆動要素D2(G)と車体を旋回させる駆
動要素D3(G)として、使用時の重心位置Gに作用する、
車体前後方向推進力F1(G)、車体左右方向推進力
2(G)、車体旋回モーメントM(G)を設定する。この
時、操作力Hの操作力の車体前後方向の分力H1と、操
作力Hの車体左右方向の分力H2と、操作力Hの車体旋
回方向モーメントHMと、使用時の重心位置Gに作用す
る、車体前後方向推進力F1(G)、車体左右方向推進力F
2(G)、車体旋回モーメントM(G)との関係は次式で表せ
る。
【0049】F1(G)=H12(G)=H2(G)=HM+H2×L−H1×l 上記式よりF1(G),F2(G),M(G)を求め、これらの値
より、駆動系の駆動要素値Dを決定し、前記例の演算式
に従って、各駆動車輪1の駆動力fi(i=1,…,
n)を求める。尚、図8(b)は、全方向移動台車の使
用時の重心位置Gが図8(a)のものと車体4の左右方
向に対称な位置にある場合を示すものである。この場
合、D1(G),D2(G),D3(G)の内、D3(G)、即ち、使用
時の重心位置Gに作用する車体旋回モーメントM(G)
みが異なり、M(G)は次式で表せる。
【0050】M(G)=HM+H2×L+H1×l このように全方向移動台車の使用時の重心位置Gに作用
する、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1(G)
車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2(G)と車体を旋
回させる駆動要素D3(G)を駆動系の駆動要素値Dとして
用いることにより、操作者の手応えに自然な操作感を与
え、新規使用者でも操作し易い全方向移動台車を実現で
きる。
【0051】次に本発明の実施の形態の他の例を図9乃
至図10に示す。この例は、制御手段6への入力手段を
操作力検出手段5とは別に設けたものであり、他の構成
は第1の例と同じである。図9は制御手段6への入力手
段を操作力検出手段5とは別に設けた操作パネル28の
2例を例示したものであり、上側に示す操作パネル28
は、操作者が操作力Hを直接加える操作部3の他に車体
左右方向の操作を直接行えるジョイスティック29を設
けた例であり、下側に示す操作パネル28は、操作者が
操作力Hを直接加える操作部3の他に車体左右方向の操
作を直接行える操作スイッチ30を設けた例である。
【0052】この2例のブロック図は図10に示す通り
である。このブロック図から明らかなように操作部3に
加わる操作力Hを検出する操作力検出手段5の他に全方
向移動台車へのインターフェースを別に設けることによ
って、全方向移動台車の駆動方向を拘束した操作ができ
るため、限られた空間等で全方向移動台車を操作する
際、操作者にとって操作が容易になる。
【0053】次に本発明の実施の形態の他の例を図11
乃至図12に示す。この例は、全方向移動台車の駆動方
向の自由度を前後、左右、旋回の3自由度と、前後、旋
回の2自由度とに切り替えられることを特徴とするもの
で、他の構成は第1の例と同じである。図11は上記の
モード切替を切替スイッチ8にて行えるようにしたもの
であり、そのブロック図は第1の例にて既述のブロック
図(図3)において、車体前後方向推進力F1と、車体
左右方向推進力F2と、車体旋回モーメントMとで規定
される駆動系の駆動要素値Dの演算プロセスと、駆動車
輪1F,1RL,1RRに求められる駆動力f1,f2
3の演算プロセスとの間に前後、左右、旋回の3自由
度と、前後、旋回の2自由度の2つの駆動自由度を切り
替えるプロセスを設けたものである(図12)。このブ
ロック図から明らかなように全方向移動台車の駆動方向
が前後、左右、旋回の3自由度に駆動可能なモードと前
後、旋回の2自由度に駆動可能なモードとに切り替えら
れることにより、駆動方向性に極めてフレキシビリティ
のある全方向移動性と左右方向の駆動方向性を拘束した
前後・旋回移動性を提供することができるため、操作者
の熟練度に応じて操作部の操作特性を設定できる。
【0054】次に本発明の実施の形態の他の例を図13
乃至図14に示す。この例は、全方向移動台車の駆動方
向の自由度を前後、左右の2自由度と、前後、旋回の2
自由度とに切り替えられることを特徴とするもので、他
の構成は第1の例と同じである。図13は上記のモード
切替を切替スイッチ8にて行えるようにしたものであ
り、そのブロック図は第1の例にて既述のブロック図
(図3)において、車体前後方向推進力F1と、車体左
右方向推進力F2と、車体旋回モーメントMとで規定さ
れる駆動系の駆動要素値Dの演算プロセスと、駆動車輪
1F,1RL,1RRに求められる駆動力f1,f2,f
3の演算プロセスとの間に前後、左右の2自由度と、前
後、旋回の2自由度の2つの駆動自由度を切り替えるプ
ロセスを設けたものである(図14)。このブロック図
から明らかなように全方向移動台車の駆動方向が前後、
左右の2自由度に駆動可能なモードと前後、旋回の2自
由度に駆動可能なモードとに切り替えられることによ
り、旋回方向の駆動方向性を拘束した前後・左右移動性
と左右方向の駆動方向性を拘束した前後・旋回移動性を
提供することができるため、操作者の熟練度に応じて操
作部の操作特性を設定できる。
【0055】次に本発明の実施の形態の他の例を図15
乃至図16に示す。この例は、全方向移動台車の駆動方
向の自由度を前後、旋回の2自由度と、左右の1自由度
とに切り替えられることを特徴とするもので、他の構成
は第1の例と同じである。図12は上記のモード切替を
切替スイッチ8にて行えるようにしたものであり、その
ブロック図は第1の例にて既述のブロック図(図3)に
おいて、車体前後方向推進力F1と、車体左右方向推進
力F2と、車体旋回モーメントMとで規定される駆動系
の駆動要素値Dの演算プロセスと、駆動車輪1F,1R
L,1RRに求められる駆動力f1,f2,f3の演算プ
ロセスとの間に前後、旋回の2自由度と、左右の1自由
度の2つの駆動自由度を切り替えるプロセスを設けたも
のである(図16)。このブロック図から明らかなよう
に全方向移動台車の駆動方向が前後、旋回の2自由度に
駆動可能なモードと左右の1自由度に駆動可能なモード
とに切り替えられることにより、左右方向の駆動方向性
を拘束した前後・旋回移動性と前後、旋回の駆動方向性
を拘束した左右移動性を提供することができるため、操
作者の熟練度に応じて操作部の操作特性を設定できる。
【0056】尚、図11乃至図12の例及び図13乃至
図14の例及び図15乃至図16の例のフローチャート
は図17、図18、図19のようになる。このように上
記3例とも全方向移動台車の駆動方向の自由度切替が切
替スイッチ8によって行われることで、操作者にとって
駆動自由度のモード切替操作が容易になると共にヒュー
マンエラーを未然に防ぐことが可能となる。
【0057】次に本発明の実施の形態の他の例を図20
に示す。この例は、操作部3が複数個設けてあり、操作
者がいずれの操作部3で操作するかによって駆動方向の
自由度が切り替わることを特徴とするものであり、他の
構成は第1の例と同じである。図20は複数個の操作部
3を設けた操作パネル28の3例を例示したものであ
り、図中左上側に示す操作パネル28は、操作者が直接
加える操作力Hの内、操作力Hの車体前後方向の分力H
1と操作力Hの操作力の車体旋回方向モーメントHMを検
出できる操作力検出手段5と連結された操作部3と、車
体左右方向の操作を直接行えるジョイスティック29を
設けた例であり、図中左下側に示す操作パネル28は、
操作者が直接加える操作力Hの内、操作力Hの車体前後
方向の分力H1と操作力Hの車体旋回方向モーメントHM
を検出できる操作力検出手段5と連結された操作部3
と、車体左右方向の操作を直接行える操作スイッチ30
を設けた例であり、図中右下側に示す操作パネル28
は、操作者が直接加える操作力Hの内、操作力Hの車体
前後方向の分力H1と操作力Hの車体旋回方向モーメン
トHMを検出できる操作力検出手段5と連結された操作
部3と、車体前後方向及び車体左右方向及び車体旋回方
向の3軸方向の操作が行えるジョイスティック31を設
けた例である。尚、図中右下側に示す操作パネル28に
設けたジョイスティック31は、車体前後方向及び車体
左右方向の2軸方向の操作が行えるものであってもよ
い。このように操作部3が複数個設けてあり、操作者が
いずれの操作部3で操作するかによって駆動方向の自由
度が切り替わることで、操作者に駆動自由度のモード切
替を自覚的に行わせることができるため、全方向移動台
車の意図しない動作を起こりにくくし、ヒューマンエラ
ーを未然に防ぐことが可能となると共に、駆動自由度の
モード切替操作が切替スイッチ8等によらないため、操
作手順が簡略化できる。
【0058】次に本発明の実施の形態の他の3例を図2
1乃至図25及び図26乃至図29及び図30乃至図3
3に示す。これらの例は全て操作力検出手段5が、1つ
の操作部3に加えられた操作力Hの車体前後方向の分力
1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメント
Mとを検出することを特徴とするものであり、他の構
成は第1の例と同じである。このようにすることで、1
つの操作部3で操作力の3軸方向の力を検出できるた
め、全方向移動台車の操作が簡単になる。以下、各例に
ついて詳細を述べる。
【0059】まず、図21乃至図25の例について述べ
る。この例は、操作部3と操作部ベース9とを操作力H
に応じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d1(r)が生
じる機構10l,10rにより左右2ヵ所で接続し、操
作部ベース9に操作力Hに応じて車体4に対して車体左
右方向に相対的変位d2が生じる機構11を設けると共
に前記各相対的変位d1(l),d1(r),d2を検出する変
位検出手段12a,12b,12cを設け、検出した各
相対的変位d1(l),d1(r),d2から操作力Hの車体前
後方向の分力H1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方
向モーメントH Mとを検出することを特徴とするもので
あり、他の構成は第1の例と同じである。尚、本例では
上記の操作部3と操作部ベース9との間に設けられる操
作力Hに応じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d
1(r)が生じる機構10l,10rに板バネ32を用いる
と共に、操作部ベース9に操作力Hに応じて車体4に対
して車体左右方向に相対的変位d2が生じる機構11に
車体左右方向の動きをバネで拘束したリニアガイド33
を用い、また、各相対的変位d1(l),d1(r),d2を検
出する変位検出手段12a,12b,12cにはギャッ
プセンサー34a,34b,34cを用いる。これらギ
ャップセンサー34a,34b,34cにて検出された
各相対的変位d1(l),d1(r),d2をdl,dr,dc
とし、操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方
向の分力H2と車体旋回方向モーメントH MをFhx,F
hy,Mhとすると、Fhx,Fhy,Mhとdl,d
r,dc間の線形性から、次式が成り立つ。
【0060】Fhx=k1×(dr+dl) Fhy=k2×dc Mh=k3×(dr−dl)+k4×dc 尚、上記式の比例定数k1,k2,k3,k4は実験で求め
られるものであり、上記3式より、各相対的変位dl,
dr,dcからFhx,Fhy,Mhを精度良く計算す
ることが可能となる。
【0061】ここで、図22は、操作部3に操作力H
(車体前後方向の分力H1のみ)が車体前方に作用した
状態を示すものであり、図23は操作部3に操作力H
(車体左右方向の分力H2のみ)が車体左方向に作用し
た状態を示すものであり、図24は操作部3に操作力H
(車体旋回方向の分力HMのみ)が反時計回りの方向に
作用した状態を示すものである。このように操作部3と
操作部ベース9とを操作力Hに応じて車体前後方向に相
対的変位d1(l),d1(r)が生じる機構10l,10rに
より左右2ヵ所で接続し、操作部ベース9に操作力Hに
応じて車体4に対して車体左右方向に相対的変位d2
生じる機構11を設けると共に前記各相対的変位
1(l),d1(r),d2を検出する変位検出手段12a,
12b,12cを設け、検出した各相対的変位d1(l)
1(r),d2から操作力Hの車体前後方向の分力H1と車
体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメントHMとを
検出することで、簡単な構成で請求項12の構成が実現
できる。また、リニアガイド33のバネの剛性とギャッ
プセンサー34a,34b,34cの分解能を仕様に合
わせて適宜選定できるので、仕様に応じた変位検出手段
を設定することができる。尚、上記例では、操作部ベー
ス9と車体4の前面4fとが車体左右方向の動きをバネ
で拘束したリニアガイド33を介して連結され、操作力
Hの車体左右方向の分力H2の大きさにより相対的変位
2が生じるような機構になっているが、このリニアガ
イド33を図25に示す板バネ35で代用することも可
能である。
【0062】次に図26乃至図29の例について述べ
る。この例は、操作部3の把持部13が操作力Hに応じ
て操作部3に対して車体左右方向に相対的変位d2を生
じる機構14を設けると共に前記相対的変位d2を検出
する変位検出手段16aを設け、操作部3と車体4とを
操作力Hに応じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d
1(r)が生じる機構15l,15rにより左右2ヵ所で接
続すると共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位d
1(l),d1(r)を検出する変位検出手段16b,16cを
設け、検出した各相対的変位d1(l),d1(r),d2から
操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方向の分
力H2と車体旋回方向モーメントHMとを検出することを
特徴とするものであり、他の構成は第1の例と同じであ
る。図26(b)は操作部3の把持部13が操作力Hに
応じて操作部3に対して車体左右方向に相対的変位d2
を生じる機構14を示す詳細図である。この機構14と
相対的変位d2の変位検出手段16aを簡単に説明する
と、把持部13を加えられた操作力Hの車体左右方向の
分力H2によって把持部13が車体左右方向の分力H2
方向にハンドル36に対してスライドし、このスライド
量、即ち操作部3に対する相対的変位d2をハンドル3
6に固設した変位検出手段16a(ギャップセンサー3
4a)にて検出する仕組みになっている。尚、把持部1
3に加える操作力Hをなくすと、把持部13に内装した
バネ37の復元力で把持部13がハンドル36に対して
正規位置に戻る。また、操作部3と車体4とを操作力H
に応じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d1(r)が生
じる機構15l,15rには板バネ32を用い、また、
各相対的変位d1(l),d1(r)を検出する変位検出手段1
6b,16cにはギャップセンサー34b,34cを用
いる。これらギャップセンサー34a,34b,34c
にて検出された各相対的変位d1(l),d1(r),d2をd
l,dr,dcとし、操作力Hの車体前後方向の分力H
1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメントH
MをFhx,Fhy,Mhとすると、Fhx,Fhy,
Mhとdl,dr,dc間の線形性から、前記例と同じ
く次式が成り立つ。
【0063】Fhx=k1×(dr+dl) Fhy=k2×dc Mh=k3×(dr−dl)+k4×dc 尚、上記式の比例定数k1,k2,k3,k4は実験で求め
られるものであり、上記3式より、各相対的変位dl,
dr,dcからFhx,Fhy,Mhを精度良く計算す
ることが可能となる。
【0064】ここで、図27は、操作部3に操作力H
(車体前後方向の分力H1のみ)が車体前方に作用した
状態を示すものであり、図28は操作部3に操作力H
(車体左右方向の分力H2のみ)が車体左方向に作用し
た状態を示すものであり、図29は操作部3に操作力H
(車体旋回方向の分力HMのみ)が反時計回りの方向に
作用した状態を示すものである。このように操作部3の
把持部13が操作力Hに応じて操作部3に対して車体左
右方向に相対的変位d2を生じる機構14を設けると共
に前記相対的変位d2を検出する変位検出手段16aを
設け、操作部3と車体4とを操作力Hに応じて車体前後
方向に相対的変位d1(l),d1(r)が生じる機構15l,
15rにより左右2ヵ所で接続すると共に前記左右2ヵ
所で生じる各相対的変位d1(l),d1(r)を検出する変位
検出手段16b,16cを設け、検出した各相対的変位
1(l),d1(r),d2から操作力Hの車体前後方向の分
力H1と車体左右方向の分力H2と車体旋回方向モーメン
トHMとを検出することで、簡単な構成で請求項12の
構成が実現できる。また、把持部13に内装したバネ3
7の剛性とギャップセンサー34a,34b,34cの
分解能を仕様に合わせて適宜選定できるので、仕様に応
じた変位検出手段を設定することができる。
【0065】次に図30の例について述べる。この例
は、操作部3と車体4とを左右2ヵ所で接続すると共に
前記左右2ヵ所の接続部17に接続部17に作用する車
体前後方向の力I1(l),I1(r)と車体左右方向の力I
2(l),I2(r)を検出する力センサー18を夫々配設し、
検出した左右の接続部17に作用する車体前後方向の力
1(l),I1(r)と車体左右方向の力I2(l),I2(r)
ら、操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方向
の分力H2と車体旋回方向モーメントHMとを検出するこ
とを特徴とするもので、他の構成は第1の例と同じであ
る。接続部17は操作部3の把持部分の径よりも細く、
剛性が低くしてあり、操作部3に加わる操作力Hによ
り、歪みが生じ易くしてある。この左右の接続部17に
接続部17の車体前後方向及び車体左右方向の歪みを計
測する力センサー18、即ち、2軸力センサー38が取
り付けられる。2軸力センサー38の詳細図を図30
(b)(c)に示す。この2軸力センサー38は、左右
の接続部17のくびれ部分に左右一対の歪みゲージ39
を貼り付けることで構成され、左右の接続部17のくび
れ部分にて歪み量εll,εlr,εrl,εrrが検
出される。これら歪み量より、操作部3に加えた操作力
Hに応じて左右の接続部17に発生する力が次式より求
まる。
【0066】I1(l)=9×(εlr+εll) I2(l)=10×(εlr−εll) I1(r)=11×(εrr+εrl) I2(r)=12×(εrr−εrl) 尚、上記式で、k9,k10,k11,k12は接続部17の
断面形状、材質から決まる比例定数である。上記4式か
ら得られる、左側接続部17lに作用する車体前後方向
の力I1(l)及び車体左右方向の力I2(l)をFlx,Fl
yとし、右側接続部17rに作用する車体前後方向の力
1(r)及び車体左右方向の力I2(r)をFrx,Fryと
し、操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方向
の分力H2と車体旋回方向モーメントHMをFhx,Fh
y,Mhとすると、Fhx,Fhy,Mhは次式で表せ
る。
【0067】Fhx=Frx+Flx Fhy=Fry+Fly Mh=k5×(Frx−Flx) 尚、上記式中の比例定数k5は、MhとFlx,Frx
間の線形性から実験で求められるものである。このよう
に操作部3と車体4とを左右2ヵ所で接続すると共に前
記左右2ヵ所の接続部17に接続部17に作用する車体
前後方向の力I1( l),I1(r)と車体左右方向の力
2(l),I2(r)を検出する力センサー18を夫々配設
し、検出した左右の接続部17に作用する車体前後方向
の力I1(l),I1(r)と車体左右方向の力I2(l),I2(r)
から、操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左右方
向の分力H2と車体旋回方向モーメントHMとを検出する
ことで、簡単な構成で請求項12の構成を実現できると
共に、上記3式より、各相対的変位dl,dr,dcか
らFhx,Fhy,Mhを精度良く計算することができ
る。また、歪みゲージ39で力センサー18を構成する
ため、操作力検出手段5が安価で済む。
【0068】次に本発明の実施の形態の他の例を図31
乃至図33に示す。この例は、操作部3と車体4とを操
作力Hに応じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d
1(r)が生じる機構21l,21rにより左右2ヵ所で接
続すると共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位d
1(l),d1(r)を検出する変位検出手段22a,22bを
設け、検出した各相対的変位d1(l),d1(r)から操作力
Hの車体前後方向の分力H 1と車体左右方向の分力H2
車体旋回方向モーメントHMとを検出することを特徴と
するものであり、他の構成は第1の例と同じである。
尚、本例では上記の操作部3と車体4とを操作力Hに応
じて車体前後方向に相対的変位d1(l),d1(r)が生じる
機構21l,21rに板バネ32を用い、上記左右2ヵ
所で生じる各相対的変位d1(l),d1(r)を検出する変位
検出手段22a,22bにはギャップセンサー34a,
34bを用いる。これらギャップセンサー34a,34
bにて検出された各相対的変位d1(l),d1(r)をdl,
drとし、操作力Hの車体前後方向の分力H1と車体左
右方向の分力H2と車体旋回方向モーメントHMをFh
x,Fhy,Mhとすると、Fhx,Fhy,Mhとd
l,dr間の線形性から、次式が成り立つ。
【0069】Fhx=k6×(dr+dl) Fhy=k7×(dr−dl) Mh=k8×(dr−dl) 尚、上記式で、比例定数k6,k7,k8は実験によって
求められる。
【0070】ここで、図32は、操作部3に操作力H
(車体前後方向の分力H1のみ)が車体前方に作用した
状態を示すものであり、図33は操作部3に操作力H
(車体左右方向の分力H2のみ)が車体左方向に作用し
た状態を示すものである。このように、操作部3と車体
4とを操作力Hに応じて車体前後方向に相対的変位が生
じる機構21l,21rにより左右2ヵ所で接続すると
共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位d1(l),d
1(r)を検出する変位検出手段22a,22bを設け、検
出した各相対的変位d1(l),d1(r)から操作力Hの車体
前後方向の分力H1と車体左右方向の分力H2と車体旋回
方向モーメントHMとを検出することで、簡単な構成で
請求項12の構成を実現できると共に、各相対的変位d
l,drからFhx,Fhy,Mhを精度良く計算する
ことができる。
【0071】次に本発明の実施の形態の他の例を図34
に示す。この例は、全方向駆動車輪である駆動車輪1を
操作部3から離れている側に多く配置することを特徴と
するものであり、他の構成は第1の例と同じである。既
述の通り、全方向駆動車輪である駆動車輪1が3つ以上
あれば、全方向移動が実現できる。図34に示す例は操
作部3側に1車輪、後部側に2車輪を配置したものであ
り、各駆動車輪1の主軸1aが1点で交わるように配置
したものである。このように全方向駆動車輪である駆動
車輪1を操作部3から離れている側に多く配置すること
で、全方向移動台車の駆動車輪1の配置が不均一な場合
でも走行性に悪影響を及ぼさない。
【0072】次に本発明の実施の形態の他の例を図35
に示す。この例は、全方向駆動車輪である駆動車輪1の
両側に自在車輪23を配置することを特徴とするもので
あり、他の構成は第1の例と同じである。即ち、これ
は、図4に示したユニバーサルホイールタイプの駆動車
輪1の両側に駆動車輪1のローラー1dよりも車輪径の
大きい自在車輪23を配置したものである。これによっ
て、ユニバーサルホイールタイプの駆動車輪1にあって
は、本来、自由回転を行うローラー1dの直径は、駆動
車輪1全体の直径の制約を受けて小さくせざるを得ず、
これ故にローラー1dの自由回転方向の段差踏破性に問
題を生じるが、上記のように駆動車輪1の両側に駆動車
輪1のローラー1dよりも車輪径の大きい自在車輪23
を配置し、段差を自在車輪23で受けられるようにする
ことで、段差踏破性に影響を与えるのは自在車輪23の
直径となるため、段差踏破性を確保することができる。
【0073】次に本発明の実施の形態の他の例を図36
乃至図38に示す。この例は、全方向移動可能な駆動車
輪1の駆動部2と車体4の底面4bとを連結部24にて
繋いだものであり、他の構成は第1の例と同じである。
この連結部24は、ガイド部材41と、バネガイド42
と、バネ43と、駆動車輪懸架部材43とからなる。駆
動車輪懸架部材43は、各駆動車輪1の駆動部2と結ば
れた脚部43aと、バネガイド42の外周に嵌め込まれ
たバネ43によるバネ圧を受ける受け部43bとからな
り、各駆動車輪1の駆動部2に結ばれた駆動車輪懸架部
材43は、全方向移動台車の荷の積載状況及び路面の凹
凸具合及び全方向移動台車の駆動による重心位置の移動
等に応じて、ガイド部材41にガイドされて上下にスト
ロークする。
【0074】ユニバーサルホイールタイプ(あるいはボ
ールホイールタイプ)の全方向駆動車輪を駆動車輪1と
する場合、少なくとも3つ以上の駆動車輪1を設けるこ
とで車体の全方向移動を可能とするが、前述のように駆
動車輪1を4つ以上設ける場合も考えられる。ここで、
駆動車輪1が3つである場合、全方向移動台車は3点支
持されるため、路面に凹凸があっても、3つの駆動車輪
1全てが路面に確実に接地し、全駆動車輪1と路面との
グリップ力が確保され、安定した全方向移動台車の駆動
制御が得られる。ところが、駆動車輪1が4つ以上であ
る場合、全方向移動台車の荷の積載状況や路面の凹凸具
合や全方向移動台車の駆動による重心位置の移動等によ
って、全駆動車輪1の内のどれかが路面から浮いてしま
う場合が考えられ、このような場合、安定した全方向移
動台車の駆動制御を確保することはできなくなる。とこ
ろが、上記のような駆動車輪懸架部材43が全方向移動
台車の荷の積載状況や路面の凹凸具合や全方向移動台車
の駆動による重心位置の移動等に応じて、ガイド部材4
1にガイドされて上下にストロークする駆動車輪押付機
構を設けることで、前記問題は解消され、全方向移動台
車の全駆動車輪1と接地面25とのグリップ力は確保さ
れ、全方向移動台車の駆動制御の安定性が向上する。
尚、図37は駆動車輪懸架部材が最下限まで降りた時の
上記駆動車輪押付機構の概略図であり、図38は接地面
25が凹面の時の駆動車輪押付機構の概略図を示すもの
である。
【0075】ところで、上述の実施の形態の例は全て、
車体4に搭載した制御手段6において、車体4を前後方
向に駆動させる駆動要素D1と車体4を左右方向に駆動
させる駆動要素D2と車体4を旋回させる駆動要素D3
して車体4を前後方向に駆動させる駆動力F1と車体左
右方向推進力F2と車体旋回モーメントMを設定し、こ
れら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動系の駆
動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作力Hに
応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値Dに応じ
て各駆動車輪1の駆動力fi(i=1,…,n)を演算
し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動力fi(i
=1,…,n)となるよう各駆動車輪1に駆動力f
i(i=1,…,n)を発生させるようにしたもの(ト
ルク制御としたもの)であるが、車体4に搭載した制御
手段6において、車体4を前後方向に駆動させる駆動要
素D1と車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2と車体
を旋回させる駆動要素D3として車体前後方向速度v1
車体左右方向速度v2と車体旋回方向速度v3を設定し、
これら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動系の
駆動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作力H
に応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値Dに応
じて各駆動車輪1の駆動速度vi(i=1,…,n)を
演算し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動速度v
i(i=1,…,n)となるよう各駆動車輪1に駆動力
i(i=1,…,n)を発生させることも可能であ
る。
【0076】図39は上記方法に基づいた全方向移動台
車の駆動特性を制御(速度制御)するためのブロック図
である。まず、操作者が操作部3に操作力Hを加える
と、操作力Hが操作部3を介して直接全方向移動台車に
加わると共に、操作力検出手段5によって検出された操
作力Hに応じて適宜駆動車輪1F,1RL,1RRにア
シスト力Fa1,Fa2,Fa3が働く。このアシスト力
Fa1,Fa2,Fa3は、次の流れで決定される。ま
ず、操作力検出手段5によって検出した操作力Hより、
操作力の車体前後方向の分力Hを、操作力の車体前後方
向の分力H1と、操作力の車体左右方向の分力H2と、操
作力の車体旋回方向モーメントHMとに分解し、これら
に予め設定した変換率を乗じて、全方向移動台車を1つ
の移動単体と見なした場合の、車体前後方向速度v
1と、車体左右方向速度v2と、車体旋回方向速度v3
で規定される駆動系の駆動要素値Dを演算する。次に予
め設定した関係式より、駆動車輪1F,1RL,1RR
に求められる駆動力f1,f2,f3を演算し、これら
1,f2,f3をアシスト力Fa1,Fa2,Fa3として
駆動車輪1F,1RL,1RRに働かせる。
【0077】このように車体4に搭載した制御手段6に
おいて、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1
車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2と車体を旋回
させる駆動要素D3として車体前後方向速度v1と車体左
右方向速度v2と車体旋回方向速度v3を設定し、これら
駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動系の駆動要
素値Dを操作力検出手段5で検出された操作力Hに応じ
て最適化し、得られた駆動系の駆動要素値Dに応じて各
駆動車輪1の駆動速度vi(i=1,…,n)を演算
し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動速度vi
なるよう各駆動車輪1に駆動力fi(i=1,…,n)
を発生させることで、全方向移動台車の積載状況や路面
状況に関係なく全方向移動台車が操作者に追従する。
【0078】さらに、前記例は車体4に搭載した制御手
段6において、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素
1と車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2と車体を
旋回させる駆動要素D3として車体前後方向速度v1と車
体左右方向速度v2と車体旋回方向速度v3を設定し、こ
れら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動系の駆
動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作力Hに
応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値Dに応じ
て各駆動車輪1の駆動速度vi(i=1,…,n)を演
算し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動速度vi
(i=1,…,n)となるよう各駆動車輪1に駆動力f
i(i=1,…,n)を発生させるようにしたものであ
るが、以下に述べる例は、車体4に搭載した制御手段6
において、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1
と車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2と車体を旋
回させる駆動要素D3として車体前後方向加速度a1と車
体左右方向加速度a2と車体旋回方向加速度a3を設定
し、これら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動
系の駆動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作
力Hに応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値D
に応じて各駆動車輪1の駆動加速度ai(i=1,…,
n)を演算し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動
加速度ai(i=1,…,n)となるよう各駆動車輪1
に駆動力fi(i=1,…,n)を発生させることも可
能である。
【0079】図40は上記方法に基づいた全方向移動台
車の駆動特性を制御(加速度制御)するためのブロック
図である。まず、操作者が操作部3に操作力Hを加える
と、操作力Hが操作部3を介して直接全方向移動台車に
加わると共に、操作力検出手段5によって検出された操
作力Hに応じて適宜駆動車輪1F,1RL,1RRにア
シスト力Fa1,Fa2,Fa3が働く。このアシスト力
Fa1,Fa2,Fa3は、次の流れで決定される。ま
ず、操作力検出手段5によって検出した操作力Hより、
操作力の車体前後方向の分力Hを、操作力の車体前後方
向の分力H1と、操作力の車体左右方向の分力H2と、操
作力の車体左右方向の分力HMとに分解し、これらに予
め設定した変換率を乗じて、全方向移動台車を1つの移
動単体と見なした場合の、車体前後方向加速度a1と、
車体左右方向加速度a2と、車体旋回方向加速度a3とで
規定される駆動系の駆動要素値Dを演算する。次に予め
設定した関係式より、駆動車輪1F,1RL,1RRに
求められる駆動力f1,f2,f 3を演算し、これらf1
2,f3をアシスト力Fa1,Fa2,Fa3として駆動
車輪1F,1RL,1RRに働かせる。
【0080】このように車体4に搭載した制御手段6に
おいて、車体4を前後方向に駆動させる駆動要素D1
車体を左右方向に駆動させる駆動要素D2と車体を旋回
させる駆動要素D3として車体前後方向加速度a1と車体
左右方向加速度a2と車体旋回方向加速度a3を設定し、
これら駆動要素D1,D2,D3から規定される駆動系の
駆動要素値Dを操作力検出手段5で検出された操作力H
に応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値Dに応
じて各駆動車輪1の駆動加速度ai(i=1,…,n)
を演算し、演算により得られた各駆動車輪1の駆動加速
度ai(i=1,…,n)となるよう各駆動車輪1に駆
動力fi(i=1,…,n)を発生させることで、全方
向移動台車の積載重量や路面状況に関係なく全方向移動
台車が操作者に追従する。
【0081】図41は前述のユニバーサルホイールタイ
プの駆動車輪1を車体4に4つ設ける場合の一例を示し
ており、車体1に左右対称に且つ左右に並ぶ対の駆動車
輪1,1の主軸(駆動軸)1aの交点が車体4の左右方
向中央に位置するものとして配置されているとともに、
左右に並ぶ対の駆動車輪1,1の主軸1a,1aが車体
の前後方向軸となす角度がすべて同じであり、さらに上
記対の駆動車輪1,1は車体4の前後方向において離れ
て配置されたものとなっている。このような駆動車輪1
の配置は、車体4が前後方向に長い長方形状であって
も、安定した配置となる上に、駆動制御に際しての演算
が簡単となるほか、段差乗り越え性も良好なものとな
る。
【0082】ユニバーサルホイールタイプの駆動車輪1
が4つの場合の制御について説明すると、図42はトル
ク制御を行っている場合を示しており、4つの駆動車輪
1の出力f1,f2,f3,f4で発生する車体4の重
心Gでの駆動力(Fx、Fy、M)を求めると、 Fx=−f1・sinθ−f2・sinθ+f3・si
nθ+f4・sinθ Fy=f1・cosθ−f2・cosθ−f3・cos
θ+f4・cosθ Mx=Wsinθ・(f1+f2+f3+f4) My=L1cosθ・(f1+f4)+L2・cosθ
(f2+f3) ただし、Mx、Myは全駆動車輪1で発生する力のx,
y分力により発生するモーメントの夫々の合計であり、 M=Mx+My =(Wsinθ+L1・cosθ)(f1+f4)+(Wsinθ・+L2・ cosθ)(f2+f3) また、前後のバランスを考慮して f1−f4=f2−f3 となるようにする。これらをまとめれば、
【0083】
【数2】
【0084】となり、該式から所望の車体駆動力(F
x、Fy、M)を発揮させる場合の各駆動車輪1のトル
ク(f1,f2,f3,f4)は
【0085】
【数3】
【0086】で求めることができる。ここで、L,αは L=Wsinθ+L1・cosθ α=(Wsinθ+L2・cosθ)/(Wsinθ+
L1・cosθ) である。
【0087】車体4を速度制御で駆動している場合につ
いては、図43に示すように、車体4の制御中心CCの
速度が[Vax,Vay,Vaψ]の時、各駆動車輪1
の回転速度v1,v2,v3,v4は次式(0)で求め
ることができる。
【0088】
【数4】
【0089】これは (L1・cosθ+W・sinθ)=L1v (L2・cosθ+W・sinθ)=L2v とおくと、次式
【0090】
【数5】
【0091】で表すことができる。つまり、所望の車体
速度[Vax,Vay,Vaψ]に対して各駆動車輪1
の駆動回転速度v1,v2,v3,v4を求めることが
でき、車体4の速度制御を行うことができる。
【0092】なお、駆動車輪1の速度から車体4の速度
[Vax,Vay,Vaψ]を求めることを考えると、
4輪の速度から3軸(x、y、ψ)の速度を求めるのは
冗長であるために、1輪を除く他の3輪(好ましくはス
リップ等のために1輪が空転している時を考慮して最も
回転速度が速い駆動車輪1を除く他の3輪)から逆行列
で車体4の速度(平面内動作速度)を求めるとよい。
【0093】たとえば、速度v1の駆動車輪1が空転し
ていると判断された場合、速度v1を除く他の駆動車輪
1の速度v2,v3,v4と車体4の所望速度[Va
x,Vay,Vaψ]との関係
【0094】
【数6】
【0095】つまりは
【0096】
【数7】
【0097】から
【0098】
【数8】
【0099】を求める。
【0100】ここで、 L1v−L2v=cosθ・(L1−L2) L1v+L2v=(cosθ・(L1+L2)+2sinθ・W) =LL とおくと、上記式の右辺は
【0101】
【数9】
【0102】となり、よって
【0103】
【数10】
【0104】となる。
【0105】同様に、速度v2,v3,v4のいずれか
の駆動車輪1が空転していると判断されれば、車体速度
[Vax,Vay,Vaψ]は速度v2,v3,v4の
いずれかを省いた時の以下の算出式で各々求めることが
できる。
【0106】
【数11】
【0107】ここで、3輪から車体速度[Vax,Va
y,Vaψ]を求める場合、上記4つの式(1)(2)
(3)(4)のいずれかの式を用いて求めるほか、各式
で車輪による重みが違うことから、式(1)(2)
(3)(4)の左辺右辺を各々足し合わせて、平均して
求めるようにすることもできる。
【0108】また、駆動軸1aの取付角度θを45°に
すれば、sinθ=cosθとなるために、さらに計算
が簡単となる。
【0109】ところで、速度制御を行っている場合にお
いて、左右方向の真横に移動させる場合、制御中心CC
周りの移動速度[Vax,Vay,Vaψ]は、操作部
3から制御中心までの距離をLh(図44参照)とする
と、操作力(fhx、fhy、fhψ)が制御中心CC
に働いた作用力(fhx,fhy,fhψ+Lh・fh
y)の各成分に定数であるところのアシストゲイン(K
x,Ky,Kψ)を掛けたものとして、 vax=Kx・fhx vay=Ky・fhy vaψ=Kψ・fhψ+Kψ・Lh・fhy (i) で求めているが、図44(b)に示すように、操作者が
両手間の距離Lsだけ離して操作部3を握って操作して
いる場合、操作部3に働く操作力のモーメント成分fh
ψは、左手でx方向にflx、右手でx方向にfrxの
力を加えて発生させたとすると、 fhψ=flx・Ls/2−frx・Lx/2 であり、flx,frxは偶力で総和は0(flx+f
rx=0)であることから、 flx=−frx=fhψ/Ls (ii) となる。
【0110】一方、真横移動させるためには、vaψ=
0である必要があることから、上記式(i)から fhψ+Lh・fhy=0 fhy=−fhψ/Lh (iii) 式(ii)(iii)より、 frx/fhy=(fhψ/Lx)/(fhψ/Lh) frx=(Lh/Ls)・fhy (iv) つまり、真横に移動させる場合、横方向の力の(Lh/
Ls)倍の力を前後方向に加える必要がある。ちなみ
に、距離Lhがほぼ1.25m、距離Lsがほぼ0.5
mの場合、式(iv)からfrx=2.5fryとなり、真
横に移動させる場合、横方向の約2.5倍の力を前後方
向に加える必要がある。
【0111】これは、旋回を抑えるために加える力の方
が真横にかける力よりも遙かに大きいことを意味するの
であるが、これではかなりの違和感があると考えられる
ことから、第4のアシストゲインとしてKyψを導入
し、vaψの式を vaψ=Kψ・fhψ+Kyψ・Lh・fhy とし、Kψ:Kyψ=Ls:Lhとなるような値のK
ψ,Kyψを用いることで、横方向の力と偶力とが同程
度で真横移動できるようになる。
【0112】次に本発明の実施の形態の他の例を図45
に示す。この例は、車体4の左右両側面における前端寄
りと後端寄りとの部分に、超音波センサーからなる障害
物センサー60を夫々取り付けて、車体4の左右方向の
障害物を検知することができるようにしたものであり、
また前記制御手段6は、左右方向の移動時のみ、障害物
センサー60からの障害物検知出力を受けた時、障害物
検知の警報を出力したり、操作部6への操作入力の状態
にかかわらず停止させてしまうようにしたものである。
【0113】左右方向移動(横移動)していない時に
は、余計な警報が鳴ったり不用意に停止してしまったり
することがなくて障害物検知についての信頼性を高める
ことができるものであり、しかも周囲の人にとっては予
測しがたい移動である横移動を行っている時には、障害
物センサー6を作動させ、所定距離内に障害物(人を含
む)を検知すれば警報を鳴らしたり停止させたりするた
めに、安全な運行を行うことができる。
【0114】なお、横移動しているかどうかの判断につ
いては、横移動指令値がある閾値以上の時、または各駆
動車輪1の速度検出値から演算で求めた車体速度の横移
動速度成分がある閾値以上の時、または請求項6乃至請
求項9の発明のように駆動方向の自由度を切り換える場
合において現状が横方向移動が可能となっている時とす
ればよい。障害物センサー60そのものは常時作動させ
ておき、障害物検知に伴う警報出力や停止は横移動して
いる時のみとしてもよいのはもちろんである。
【0115】また、警報音を発する場合、警報発生手段
(図示せず)を車体4の左右に夫々設けて、障害物を検
知した側の警報音発生手段が警報を発するようにしてお
くことで、どちらの側面に障害物があるかを操作者に知
らせることもできる。操作者用に正面パネルの左右に警
報音発生手段を取り付け、車体4の側方に立っている人
用に左右両側面にも警報音発生手段を取り付けるように
してもよい。なお、障害物を検知した場合、ある距離ま
では警報を、障害物がさらに近づけば停止を行うように
してもよいものである。
【0116】ところで、全方向移動台車の運行の安全性
を高めるという点においては、操作力検出手段5に関し
て断線を検出することができるようにしておくことが望
ましく、この場合の断線の検出は、操作部3に加えられ
た操作力を検出する操作力検出手段5からの出力の所定
時間内の変化量が小さい時に断線していると判断する断
線判定手段で行うのが簡便である。しかし、このような
判定で断線を検出する場合、停止状態から動かす時のよ
うに加速のために大きな操作力を操作部3に加えると、
操作力検出手段5の測定範囲を超えるようなことがあ
り、この時には最大検出範囲の値で上記出力はほぼ一定
となることが多く、誤って断線していると判定されてし
まうことがある。これを回避するために、断線判定のた
めの所定時間の値を長くすることが考えられるが、長く
した時には速度が速い時点で実際に断線が起こった時、
これを検出して停止させてしまうまでに時間がかかると
ともにこの間の移動距離も長くなる。
【0117】このために上記断線判定にあたっては、車
体速度に応じて断線判定のための所定時間の長さを切り
換えるとよい。すなわち、図46に示すように、車体速
度が零の時の断線判定のための所要時間をT0、車体速
度がv1の時の断線判定のための所要時間をT1、車体
速度がv2の時の断線判定のための所要時間をT2(た
だし、|v1|<|v2|)とする時、T0>T1>T
2とするのである。これによって、上記問題を解消する
ことができる。
【0118】図47は駆動車輪1全体をカバー19で覆
ったものを示している。カバー19の下端と床面との間
の隙間は20〜30mm程度としておくのが好ましい。
このようなカバー19の存在は、駆動車輪1が操作者や
他の人の足を踏んでしまう事態が生じるのを避けること
ができるほか、駆動車輪1から発生する騒音を抑制する
ことができる。カバー19の内面に防音材を貼っておけ
ば、より効果的である。また、図48に示すように、カ
バー19の下端縁にブラシ状の防音材19aを取り付け
て、カバー19と床面との間の隙間に位置させた防音材
19aで音漏れを防ぐようにするのも効果的である。
【0119】以上の各例では、全方向移動可能な駆動車
輪1として、姿勢変化を必要とすることなく駆動方向を
切り換えることができるユニバーサルホイールタイプの
全方向駆動車輪を用いたものを示したが、全方向駆動車
輪としてはボールホイールタイプを用いたものであって
もよく、さらには図49以下に示すような全方向移動に
際して姿勢変化を伴うタイプの駆動車輪1を備えたもの
であってもよい。
【0120】すなわち、同軸上に並ぶ一対の通常車輪で
ある駆動車輪1,1が車体4の底面に配した回転テーブ
ル70に取り付けられて、各駆動車輪1毎に駆動源2で
あるモータ26が設けられている。また、上記回転テー
ブル70は車体4に対して方向指示(ステアリング)用
のモータ71で鉛直軸回りに回転駆動されるものとなっ
ている。なお、駆動車輪1の軸は、回転テーブル70の
回転中心を通っている。さらに、自在車輪23が車体4
の操作部3が配された一端側の底面に取り付けられてい
る。両駆動車輪1,1は独立して回転駆動させることが
できるために、両駆動車輪1,1の駆動用モータ26,
26の合力によって推進させることができ、両モータ2
6,26の出力差によって旋回させることができ、さら
に方向指示用のモータ71によって進行方向を任意に設
定することができる。図中72は速度エンコーダーであ
る。
【0121】今、操作部3で検出された操作力Hのうち
の車体前後方向の分力をH1、車体左右方向の分力を
2、旋回方向モーメントをHMとすると、上記前後方向
及び左右方向の分力H1,H2及び旋回方向モーメントH
Mを合力の大きさと方向(Fp,ψ)で表すと、 Fp=(H1 2+H2 21/2 ψ=tan-1(H2,H1) となることから、方向指示用のモータ71は上記ψに従
って角度制御する。また、駆動車輪1,1の間隔をd、
操作部3から回転テーブル70中心までの距離をLhと
すると、車体の推進力Fmx及び旋回力Fmy・dは Fmx=Kp・Fp Fmy・d=Ks・HM・Lh となり(ただし、Kp,Ksはアシストゲインとなる定
数)、2つのモータ26,26への出力のうちの一方へ
の出力Frは Fr=(Fmx+Fmy)/2 他方への出力Flは Fl=(Fmx−Fmy)/2 となる。これらモータ26,26への出力Fr、Flと
上記モータ71への出力(角度)ψにより、操作入力に
応じて前後方向と左右方向と旋回とを行わせることがで
き、図52に示すような動きを車体4に行わせることが
できる。すなわち、この場合においても、車体4を前後
方向に駆動させる駆動要素D1と車体4を左右方向に駆
動させる駆動要素D2と車体4を旋回させる駆動要素D3
から規定される駆動系の駆動要素値を操作力検出手段5
で検出された操作力Hに応じて最適化し、得られた駆動
系の駆動要素値に応じて各駆動車輪1のための駆動源2
6,71を駆動するものとなっている。なお、図53は
上記制御のフローチャートを、図51はトルク制御とし
ている場合の上記アシストゲイン(力増幅率)Kp,K
sの例を示しており、図51(b)に示すように不感帯
を設定するようにしてもよい。
【0122】本発明の実施の形態のさらに他の例を図5
4及び図55に示す。これは操作者が操作力を加える操
作部3に操作者の手が触れているかどうかを検出するた
めのセンサー80(たとえば静電容量型タッチセンサー
や光電式タッチセンサー)を設けておき、操作者の手が
操作部3から離れたことのセンサー80による検知出力
で、たとえばダイナミックブレーキをオンとすることに
より車体4を停止させるようにしたものである。操作さ
れていない状態での慣性による移動が殆どなく、安全な
ものである。なお、図54には方向指示用モータ71を
備えた全方向移動可能な駆動車輪1,1の場合を示して
いるが、前述の全方向駆動車輪である駆動車輪1,1を
備えたものであってもよいのはもちろんである。
【0123】上記停止に際しては、より好ましくは制御
中心CC(図43参照)における速度(Vax,Va
y,Vaψ)を図56に示すように手が離れた瞬間Ts
より徐々に低下させて零とすることで停止させるのが好
ましい。滑らかに停止させることができる。図57はこ
の場合の制御フローの一例を示しており、4つの駆動車
輪1から夫々駆動速度v1,v2,v3,v4を得るこ
とができるようにしているとともに、これら駆動速度か
ら制御中心CCにおける台車速度(Vax,Vay,V
aψ)を求めて、パワーアシストのための台車指令速度
(Vaax,Vaay,Vaaψ)を算出し、この指令
速度から各駆動車輪1への指令速度を算出する速度制御
を行っている場合において、所定の単位時間当たりの速
度減速量(Vx0,Vy0,Vψ)を設定しておき、手
が離れた瞬間Tsからの経過時間に応じて指令速度(V
aax,Vaay,Vaaψ)を低下させて停止させて
いる。図中のax(b)はbの符号を返す関数である。
制御中心CCでの速度を徐々に下げていくために、単純
に各モータ26への指令速度を下げていく場合よりもス
ムーズに停止させることができる。
【0124】さらには車体速度が略零になった時に、電
磁ブレーキをかけるようにしておくと、坂で停止した時
でも安全なものとなる。図58中のTbは電磁ブレーキ
ロック時点を示す。
【0125】なお、操作者の手が操作部3に再度触れた
ことがセンサー80から出力されたならば、通常制御に
戻すものとする。間違って手を離してしまったり手が離
れた誤判断されるようなことがあっても、手が離れてい
ないと判断された時点で復帰するために、違和感を少な
くすることができる。
【0126】また、操作者の手が操作部3に触れたこと
や操作部3から離れたことの検出については、上記セン
サー80を用いるほか、操作部3に加えられる操作力を
検出する前述の力センサの出力値の変動量から判断する
ようにしてもよい。
【0127】ところで、この全方向移動台車は、前述の
ように、病院などでの配膳に使用する配膳車に好適に適
用することができる。温冷機能を備えた最近の多機能型
配膳車は600〜700kgにも達する質量がある上に
そのサイズも大きいが、軽く動かせるとともに小回りも
効くために、その運行が容易となる。
【0128】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の発明にあって
は、全方向移動可能な少なくとも3つ以上の駆動車輪
と、駆動車輪を駆動する駆動部と、操作者が操作力を加
える操作部を備えた車体と、前記操作部に加えられた操
作力を検出する操作力検出手段とを有し、車体に搭載し
た制御手段によって、車体を前後方向に駆動させる駆動
要素と車体を左右方向に駆動させる駆動要素と車体を旋
回させる駆動要素から規定される駆動系の駆動要素値を
操作力検出手段で検出された操作力に応じて最適化し、
得られた駆動系の駆動要素値に応じて各駆動車輪を駆動
することで、従来の人誘導型台車としては、実現されな
かった、斜行や横行を含む全方向に移動可能で駆動方向
性に極めてフレキシビリティのある全方向移動台車を実
現できる。
【0129】また、本発明の請求項2に記載の発明にあ
っては、請求項1に記載の発明の効果に加えて、全方向
移動可能な駆動車輪が、ボールホイールやユニバーサル
ホイール等の全方向駆動車輪であって、該全方向駆動車
輪を少なくとも3個備えていることで、駆動車輪はその
姿勢を何も変化させない状態で移動方向を全方向に切り
替えることができるものであり、このために瞬時に動か
せたい方向に移動できるホロノミックな全方向移動台車
となる。ことにパワーアシスト制御を行うものにおいて
は、もたつきがないものとすることができる。
【0130】また、本発明の請求項3に記載の発明にあ
っては、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、
全方向移動台車の使用時の重心位置に作用する、車体を
前後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆動
させる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素を駆動系の
駆動要素値として用いることで、操作者の手応えに自然
な操作感を与え、新規使用者でも操作し易い全方向移動
台車を実現できる。
【0131】また、本発明の請求項4に記載の発明にあ
っては、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、前記制御手段への入力手段として補助入力手
段を別途設けたことで、全方向移動台車の駆動方向を拘
束した操作ができるため、限られた空間等で全方向移動
台車を操作する際、操作者にとって操作が容易になる。
【0132】また、本発明の請求項5に記載の発明にあ
っては、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、車体に搭載した制御手段によって、車体を前
後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆動さ
せる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素から規定され
る駆動系の駆動要素値を操作力検出手段で検出された操
作力に応じて最適化するにあたり、前後方向の駆動要素
値は検出された前後方向の力に対して第1のゲインを掛
けたものから最適化し、左右方向の駆動要素値は検出さ
れた左右方向の力に対して第2のゲインを掛けたものか
ら最適化し、さらに旋回方向の駆動要素値は検出された
旋回方向の力に対して第3のゲインを掛けたものと左右
方向の力に第4のゲインを掛けたものとの和から最適化
するために、真横移動を違和感なくできるようにゲイン
を調整することができる。
【0133】また、本発明の請求項6に記載の発明にあ
っては、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、全方向移動台車の駆動方向が前後、左右、旋
回の3自由度に駆動可能なモードと前後、旋回の2自由
度に駆動可能なモードとに切り替えられることで、駆動
方向性に極めてフレキシビリティのある全方向移動性と
左右方向の駆動方向性を拘束した前後・旋回移動性を提
供することができるため、操作者の熟練度に応じて操作
部の操作特性を設定できる。
【0134】また、本発明の請求項7に記載の発明にあ
っては、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、全方向移動台車の駆動方向が前後、左右の2
自由度に駆動可能なモードと前後、旋回の2自由度に駆
動可能なモードとに切り替えられることで、旋回方向の
駆動方向性を拘束した前後・左右移動性と左右方向の駆
動方向性を拘束した前後・旋回移動性を提供することが
できるため、操作者の熟練度に応じて操作部の操作特性
を設定できる。
【0135】また、本発明の請求項8に記載の発明にあ
っては、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、全方向移動台車の駆動方向が前後、旋回の2
自由度に駆動可能なモードと左右の1自由度に駆動可能
なモードとに切り替えられることで、左右方向の駆動方
向性を拘束した前後・旋回移動性と前後、旋回の駆動方
向性を拘束した左右移動性を提供することができるた
め、操作者の熟練度に応じて操作部の操作特性を設定で
きる。
【0136】また、本発明の請求項9に記載の発明にあ
っては、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、全方向移動台車の駆動方向の自由度切替が切
替スイッチによって行われることで、操作者にとって駆
動自由度のモード切替操作が容易になると共にヒューマ
ンエラーを未然に防ぐことが可能となる。
【0137】また、本発明の請求項10に記載の発明に
あっては、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の効
果に加えて、操作部が複数個設けてあり、操作者がいず
れの操作部で操作するかによって駆動方向の自由度が切
り替わることで、操作者に駆動自由度のモード切替を自
覚的に行わせることができるため、全方向移動台車の意
図しない動作を起こりにくくし、ヒューマンエラーを未
然に防ぐことが可能となると共に、駆動自由度のモード
切替操作が切替スイッチ等によらないため、操作手順が
簡略化できる。
【0138】また、本発明の請求項11に記載の発明に
あっては、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の
効果に加えて、車体に搭載した制御手段は、左右方向の
移動時のみ、車体の左右方向の障害物を検知する障害物
検知手段の出力を受けて警報の出力もしくは停止を行う
ために、第3者にとって予想外の動きを行うものであっ
ても、第3者に対する安全性を確保することができる上
に、余計な警報を鳴らす恐れを少なくすることができ
る。
【0139】また、本発明の請求項12に記載の発明に
あっては、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効
果に加えて、操作力検出手段が、1つの操作部に加えら
れた操作力の車体前後方向の分力と車体左右方向の分力
と車体旋回方向モーメントとを検出することで、1つの
操作部で操作力の3軸方向の力を検出できるため、全方
向移動台車の操作が簡単になる。
【0140】また、本発明の請求項13に記載の発明に
あっては、請求項12に記載の発明の効果に加えて、操
作部と操作部ベースとを操作力に応じて車体前後方向に
相対的変位が生じる機構により左右2ヵ所で接続し、前
記操作部ベースに操作力に応じて車体に対して車体左右
方向に相対的変位が生じる機構を設けると共に前記各相
対的変位を検出する変位検出手段を設け、検出した各相
対的変位から操作力の車体前後方向の分力と車体左右方
向の分力と車体旋回方向モーメントとを検出すること
で、簡単な構成で請求項12の構成が実現できる。
【0141】また、本発明の請求項14に記載の発明に
あっては、請求項12に記載の発明の効果に加えて、操
作部の把持部が操作力に応じて操作部に対して車体左右
方向に相対的変位を生じる機構を設けると共に前記相対
的変位を検出する変位検出手段を設け、操作部と車体と
を操作力に応じて車体前後方向に相対的変位が生じる機
構により左右2ヵ所で接続すると共に前記左右2ヵ所で
生じる各相対的変位を検出する変位検出手段を設け、検
出した各相対的変位から操作力の車体前後方向の分力と
車体左右方向の分力と車体旋回方向モーメントとを検出
することで、簡単な構成で請求項12の構成が実現でき
る。
【0142】また、本発明の請求項15に記載の発明に
あっては、請求項13又は14に記載の発明の効果に加
えて、操作力に応じて操作部の操作部ベースに対して左
右に生じる車体前後方向の相対的変位を夫々dl,d
r、操作部ベースの車体に対して生じる車体左右方向の
相対的変位をdc、操作力の車体前後方向の分力及び車
体左右方向の分力及び車体旋回方向モーメントをFh
x,Fhy,Mhとすると、Fhx,Fhy,Mhとd
l,dr,dc間の線形性から、比例定数k1,k2,k
3,k4を実験で求め、操作力検出手段の演算部にて下記
式 Fhx=k1×(dr+dl) Fhy=k2×dc Mh=k3×(dr−dl)+k4×dc により、Fhx,Fhy,Mhを求めることで、各相対
的変位dl,dr,dcからFhx,Fhy,Mhを精
度良く計算することができる。
【0143】また、本発明の請求項16に記載の発明に
あっては、請求項12に記載の発明の効果に加えて、操
作部と車体とを左右2ヵ所で接続すると共に前記左右2
ヵ所の接続部に該接続部に作用する車体前後方向の力と
車体左右方向の力を検出する力センサーを夫々配設し、
検出した左右の接続部に作用する車体前後方向の力と車
体左右方向の力から、操作力の車体前後方向の分力と車
体左右方向の分力と車体旋回方向モーメントとを検出す
ることで、簡単な構成で請求項12の構成を実現でき
る。
【0144】また、本発明の請求項17に記載の発明に
あっては、請求項16に記載の発明の効果に加えて、操
作力に応じて左側接続部17lに生じる車体前後方向の
力と車体左右方向の力をFlx,Fly、右側接続部1
7rに生じる車体前後方向の力と車体左右方向の力をF
rx,Fry、操作力の車体前後方向の分力及び車体左
右方向の分力及び車体旋回方向モーメントをFhx,F
hy,Mhとすると、MhとFlx,Frx間の線形性
から、比例定数k5を実験で求め、操作力検出手段の演
算部にて下記式 Fhx=Frx+Flx Fhy=Fry+Fly Mh=k5×(Frx−Flx) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることで、各相対
的変位dl,dr,dcからFhx,Fhy,Mhを精
度良く計算することができる。
【0145】また、本発明の請求項18に記載の発明に
あっては、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効
果に加えて、操作部と車体とを操作力に応じて車体前後
方向に相対的変位が生じる機構により左右2ヵ所で接続
すると共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位を検出
する変位検出手段を設け、検出した各相対的変位から操
作力の車体前後方向の分力と車体左右方向の分力と車体
旋回方向モーメントとを検出することで、簡単な構成で
請求項12の構成を実現できる。
【0146】また、本発明の請求項19に記載の発明に
あっては、請求項18に記載の発明の効果に加えて、操
作力に応じて生じる前記各相対的変位の内、左側の相対
的変位をdl、右側の相対的変位をdr、操作力の車体
前後方向の分力及び車体左右方向の分力及び車体旋回方
向モーメントをFhx,Fhy,Mhとすると、Fh
x,Fhy,Mhとdl,dr間の線形性から、比例定
数k6,k7,k8を実験で求め、操作力検出手段の演算
部にて下記式 Fhx=k6×(dr+dl) Fhy=k7×(dr−dl) Mh=k8×(dr−dl) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることで、各相対
的変位dl,drからFhx,Fhy,Mhを精度良く
計算することができる。
【0147】また本発明の請求項20に記載の発明にあ
っては、請求項12乃至19に記載の発明の効果に加え
て、操作力検出手段からの出力値の所定時間内の変化量
をもとに断線を判定する断線判定手段を備えるととも
に、該断線判定手段は車体の速度に応じて上記判定のた
めの所定時間の値を変更するために、断線についての誤
判定が生じるおそれを少なくすることができる。
【0148】また、本発明の請求項21に記載の発明に
あっては、請求項1乃至20のいずれかに記載の発明の
効果に加えて、全方向移動可能な駆動車輪が、ユニバー
サルホイールタイプの全方向駆動車輪であって、4個以
上の偶数個の駆動車輪が車体に左右対称に且つ左右に並
ぶ対の駆動車輪の駆動軸の交点が車体の左右方向中央に
位置するものとして配置されているとともに、左右に並
ぶ対の駆動車輪の駆動軸が車体の前後方向軸となす角度
がすべて同じであり、さらに上記対の駆動車輪は車体の
前後方向において離れて配置されていることから、台車
形状が矩形状、殊に前後に長い長方形状であっても安定
した駆動車輪の配置が可能である上に、制御のための演
算も容易となり、さらには段差乗り越え性も良好とな
る。
【0149】また、本発明の請求項22に記載の発明に
あっては、請求項1乃至20に記載の発明の効果に加え
て、全方向移動可能な駆動車輪を操作部から離れている
側に多く配置することで、駆動車輪の配置が不均一な場
合でも走行性に悪影響を及ぼさない。
【0150】また、本発明の請求項23に記載の発明に
あっては、請求項22に記載の発明の効果に加えて、全
方向移動可能な駆動車輪にあっては、本来、自由回転を
行うローラーの直径は、駆動車輪全体の直径の制約を受
け、大きくとられないため、ローラーの自由回転方向の
段差踏破性に問題を生じるが、全方向移動可能な駆動車
輪の両側に自在車輪を配置し、段差を自在車輪で受けら
れるようにすることで、段差踏破性に影響を与えるのは
自在車輪の直径となるため、段差踏破性を確保すること
ができる。
【0151】また、本発明の請求項24に記載の発明に
あっては、請求項21乃至23のいずれかに記載の発明
の効果に加えて、全方向移動可能な駆動車輪と車体とを
繋ぐ連結部にその長さが駆動車輪の接地する接地面の凹
凸に応じて上下に伸縮し、尚且つ連結部の伸縮範囲内に
おいて駆動車輪が接地面に対して一定値以上の押付力で
作用する駆動車輪押付機構を設けたことで、全方向移動
台車の荷の積載状況及び路面の凹凸具合及び全方向移動
台車の駆動による重心位置の移動等に応じて、駆動車輪
押付機構が働き、全駆動車輪と接地面とのグリップ力が
確保され、全方向移動台車の駆動制御の安定性が向上す
る。
【0152】また、本発明の請求項25に記載の発明に
あっては、請求項21乃至24のいずれかに記載の発明
の効果に加えて、駆動車輪はカバーで覆われていること
から、足を踏まれてしまうことがなくて安全である上
に、車輪から発生する音を抑制することができる。
【0153】また、本発明の請求項26に記載の発明に
あっては、請求項1乃至25のいずれかに記載の発明の
効果に加えて、操作者の手が操作部から離れたことを検
知する手段の出力を受けて制御手段は車体を停止させる
ことから、早く停止できて安全である。
【0154】また、本発明の請求項27に記載の発明に
あっては、請求項26に記載の発明の効果に加えて、操
作者の手が操作部から離れたことを検知する手段の出力
を受けて制御手段は制御中心における車体速度を徐々に
低下させて停止させることから、滑らかに停止させるこ
とができる。
【0155】また、本発明の請求項28に記載の発明に
あっては、請求項26または27に記載の発明の効果に
加えて、制御手段は車体速度が略零になった時に電磁ブ
レーキをかけるために、停止した場所が坂の途中であっ
ても安全である。
【0156】また、本発明の請求項29に記載の発明に
あっては、請求項26乃至28のいずれかに記載の発明
の効果に加えて、制御手段は、操作者の手が操作部に触
れていることを検知する手段の出力を受けて通常制御に
戻すことから、間違って手が離れたとしても手を戻すこ
とで復帰できるために、違和感を少なくすることができ
る。
【0157】また、本発明の請求項30に記載の発明に
あっては、請求項1乃至29に記載の発明の効果に加え
て、車体に搭載した制御手段において、車体を前後方向
に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆動させる駆
動要素と車体を旋回させる駆動要素として車体前後方向
推進力と車体左右方向推進力と車体旋回モーメントを設
定し、これら駆動要素から規定される駆動系の駆動要素
値を操作力検出手段で検出された操作力に応じて最適化
し、得られた駆動系の駆動要素値に応じて各駆動車輪の
駆動力を演算し、演算により得られた各駆動車輪の駆動
力となるよう各駆動車輪に駆動力を発生させることで、
全方向移動台車の操作時の操作者の手応えを軽減し、操
作性の高い全方向移動台車を実現できる。
【0158】また、本発明の請求項31に記載の発明に
あっては、請求項1乃至29に記載の発明の効果に加え
て、車体に搭載した制御手段において、車体を前後方向
に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆動させる駆
動要素と車体を旋回させる駆動要素として車体前後方向
速度と車体左右方向速度と車体旋回方向速度を設定し、
これら駆動要素から規定される駆動系の駆動要素値を操
作力検出手段で検出された操作力に応じて最適化し、得
られた駆動系の駆動要素値に応じて各駆動車輪の駆動速
度を演算し、演算により得られた各駆動車輪の駆動速度
となるよう各駆動車輪に駆動力を発生させることで、全
方向移動台車の荷の積載状況や路面状況に関係なく全方
向移動台車が操作者に追従できる。
【0159】また、本発明の請求項32に記載の発明に
あっては、請求項1乃至29に記載の発明の効果に加え
て、車体に搭載した制御手段において、車体を前後方向
に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆動させる駆
動要素と車体を旋回させる駆動要素として車体前後方向
加速度と車体左右方向加速度と車体旋回方向加速度を設
定し、これら駆動要素から規定される駆動系の駆動要素
値を操作力検出手段で検出された操作力に応じて最適化
し、得られた駆動系の駆動要素値に応じて各駆動車輪の
駆動加速度を演算し、演算により得られた各駆動車輪の
駆動加速度となるよう各駆動車輪に駆動力を発生させる
ことで、全方向移動台車の積載状況や路面状況に関係な
く全方向移動台車が操作者に追従できる。
【0160】また、本発明の請求項33に記載の発明に
あっては、請求項1乃至32のいずれかに記載の発明の
効果に加えて、車体が配膳車であると、運行性に優れた
配膳車を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
全方向移動台車の使用イメージ図である。
【図2】同上のフローチャートである。
【図3】同上のブロック図である。
【図4】同上の(a)は全方向移動可能な駆動車輪の正
面図、(b)は全方向移動可能な駆動車輪の側面図であ
る。
【図5】同上の全方向移動台車の下面図である。
【図6】同上の全方向移動台車の力学モデル図である。
【図7】全方向移動可能な駆動車輪の他の例を示し、
(a)は駆動車輪の正面図、(b)は駆動車輪の側面図
である。
【図8】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、(a)(b)は全方向移動台車の力学モデル図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、全方向移動台車の使用イメージ図である。
【図10】同上のブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、走行自由度切替操作部を示す。
【図12】同上のフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、走行自由度切替操作部を示す。
【図14】同上のフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、走行自由度切替操作部を示す。
【図16】同上のフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、フローチャートを示す。
【図18】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、フローチャートを示す。
【図19】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、フローチャートを示す。
【図20】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、全方向移動台車の使用イメージ図である。
【図21】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、操作部周辺の上面図である。
【図22】同上の車体前後方向の力H1が加わった時の
操作部周辺の上面図である。
【図23】同上の車体左右方向の力H2が加わった時の
操作部周辺の上面図である。
【図24】同上の車体旋回方向モーメントHMが加わっ
た時の操作部周辺の上面図である。
【図25】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、操作部周辺の上面図である。
【図26】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、(a)は操作部周辺の上面図、(b)は操作部の把
持部周辺の断面図である。
【図27】同上の車体前後方向の力H1が加わった時の
操作部周辺の上面図である。
【図28】同上の(a)は車体前後方向の力H2が加わ
った時の操作部周辺の上面図、(b)は操作部の把持部
周辺の断面図である。
【図29】同上の車体旋回方向モーメントHMが加わっ
た時の操作部周辺の上面図である。
【図30】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、(a)は操作部周辺の上面図、(b)は左側2軸力
センサー取り付け部の拡大図、(c)は右側2軸力セン
サー取り付け部の拡大図である。
【図31】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、操作部周辺の上面図である。
【図32】同上の車体前後方向の力H1が加わった時の
操作部周辺の上面図である。
【図33】同上の車体前後方向の力H2が加わった時の
操作部周辺の上面図である。
【図34】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、全方向移動台車の下面図である。
【図35】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、全方向移動台車の下面図である。
【図36】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、駆動車輪押付機構の概略図である。
【図37】同上の駆動車輪懸架部材が最下限まで降りた
時の駆動車輪押付機構の概略図である。
【図38】同上の接地面が凹面の時の駆動車輪押付機構
の概略図である。
【図39】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、ブロック図である。
【図40】本発明の実施の形態の他の例を示すものであ
り、ブロック図である。
【図41】本発明の実施の形態の他の例を示す概略平面
図である。
【図42】同上のトルク制御に関する説明図である。
【図43】同上の速度制御に関する説明図である。
【図44】(a)(b)は本発明の実施の形態の他の例
における真横移動についての説明図である。
【図45】本発明の実施の形態の他の例を示す概略平面
図である。
【図46】本発明の実施の形態の他の例における断線判
定に関する説明図である。
【図47】本発明の実施の形態の他の例を示す破断斜視
図である。
【図48】同上の他例の破断斜視図である。
【図49】本発明の実施の形態の他の例を示す斜視図で
ある。
【図50】(a)(b)は同上の駆動車輪部分の断面図
と底面図である。
【図51】(a)(b)は同上のアシストゲインについ
ての説明図である。
【図52】(a)(b)は同上の動きの説明図である。
【図53】同上のフローチャートである。
【図54】本発明の実施の形態の他の例を示す斜視図で
ある。
【図55】同上のフローチャートである。
【図56】同上の他例の動作説明図である。
【図57】同上の他例のフローチャートである。
【図58】本発明の実施の形態の他の例の動作説明図で
ある。
【符号の説明】
1 駆動車輪 2 駆動部 3 操作部 4 車体 5 操作力検出手段 6 制御手段 8 切替スイッチ 10l 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 10r 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 11 操作力に応じて車体に対して車体左右方向に相対
的変位を生じる機構 12a 変位検出手段 12b 変位検出手段 12c 変位検出手段 13 把持部 14 操作力に応じて操作部に対して車体左右方向に相
対的変位を生じる機構 15l 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 15r 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 16a 変位検出手段 16b 変位検出手段 16c 変位検出手段 17 接続部 17l 左側接続部 17r 右側接続部 18 力センサー 21l 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 21r 操作力に応じて車体前後方向に相対的変位を生
じる機構 22a 変位検出手段 22b 変位検出手段 23 自在車輪 23 自在車輪 24 連結部 25 接地面 α1 車体前後方向加速度 α2 車体左右方向加速度 α3 車体旋回方向加速度 ai 駆動車輪の駆動加速度 d1(l) 操作力に応じて車体前後方向に生じる相対的変
位 d1(r) 操作力に応じて車体前後方向に生じる相対的変
位 d2 操作力に応じて車体に対して車体左右方向に生じ
る相対的変位 dc 操作力に応じて操作部ベースの車体に対して生じ
る車体左右方向の相対的変位 dl 操作力に応じて操作部の操作部ベースに対して左
に生じる車体前後方向の相対的変位 dr 操作力に応じて操作部の操作部ベースに対して右
に生じる車体前後方向の相対的変位 D 駆動系の駆動要素値 D1 車体を前後方向に駆動させる駆動要素 D2 車体を左右方向に駆動させる駆動要素 D3 車体を旋回させる駆動要素 D1(G) 全方向移動台車の使用時の重心位置に作用す
る、車体を前後方向に駆動させる駆動要素 D2(G) 全方向移動台車の使用時の重心位置に作用す
る、車体を左右方向に駆動させる駆動要素 D3(G) 全方向移動台車の使用時の重心位置に作用す
る、車体を旋回させる駆動要素 fi 駆動車輪の駆動力 F1 車体前後方向推進力 F2 車体左右方向推進力 Fhx 操作力の車体前後方向の分力 Fhy 操作力の車体左右方向の分力 G 重心位置 H 操作力 H1 操作力の車体前後方向の分力 H2 操作力の車体左右方向の分力 HM 操作力の車体旋回方向モーメント I1(l) 左側接続部に作用する車体前後方向の力 I1(r) 右側接続部に作用する車体前後方向の力 I2(l) 左側接続部に作用する車体左右方向の力 I2(r) 右側接続部に作用する車体左右方向の力 k1 比例定数 k2 比例定数 k3 比例定数 k4 比例定数 k5 比例定数 k6 比例定数 k7 比例定数 k8 比例定数 M 車体旋回モーメント Mh 操作力の車体旋回方向モーメント n 自然数 υ1 車体前後方向速度 υ2 車体左右方向速度 υ3 車体旋回方向速度 vi 駆動車輪の駆動速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 7/14 B62B 3/00 A G (72)発明者 北野 斉 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 前田 裕史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全方向移動可能な駆動車輪と、駆動車輪
    を駆動する駆動部と、操作者が操作力を加える操作部を
    備えた車体と、前記操作部に加えられた操作力を検出す
    る操作力検出手段とを有し、車体に搭載した制御手段に
    よって、車体を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を
    左右方向に駆動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動
    要素から規定される駆動系の駆動要素値を操作力検出手
    段で検出された操作力に応じて最適化し、得られた駆動
    系の駆動要素値に応じて各駆動車輪を駆動することを特
    徴とする全方向移動台車。
  2. 【請求項2】 全方向移動可能な駆動車輪が、ボールホ
    イールやユニバーサルホイール等の全方向駆動車輪であ
    って、該全方向駆動車輪を少なくとも3個備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の全方向移動台車。
  3. 【請求項3】 全方向移動台車の使用時の重心位置に作
    用する、車体を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を
    左右方向に駆動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動
    要素を駆動系の駆動要素値として用いることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の全方向移動台車。
  4. 【請求項4】 前記制御手段への入力手段として補助入
    力手段を別途設けたことを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の全方向移動台車。
  5. 【請求項5】 車体に搭載した制御手段によって、車体
    を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に駆
    動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素から規定
    される駆動系の駆動要素値を操作力検出手段で検出され
    た操作力に応じて最適化するにあたり、前後方向の駆動
    要素値は検出された前後方向の力に対して第1のゲイン
    を掛けたものから最適化し、左右方向の駆動要素値は検
    出された左右方向の力に対して第2のゲインを掛けもの
    から最適化し、さらに旋回方向の駆動要素値は検出され
    た旋回方向の力に対して第3のゲインを掛けたものと左
    右方向の力に第4のゲインを掛けたものとの和から最適
    化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の全方向移動台車。
  6. 【請求項6】 全方向移動台車の駆動方向の自由度を前
    後、左右、旋回の3自由度と、前後、旋回の2自由度と
    に切り替えられることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれかに記載の全方向移動台車。
  7. 【請求項7】 全方向移動台車の駆動方向の自由度を前
    後、左右の2自由度と、前後、旋回の2自由度とに切り
    替えられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の全方向移動台車。
  8. 【請求項8】 全方向移動台車の駆動方向の自由度を前
    後、旋回の2自由度と、左右の1自由度とに切り替えら
    れることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の全方向移動台車。
  9. 【請求項9】 全方向移動台車の駆動方向の自由度切替
    が切替スイッチによって行われることを特徴とする請求
    項6乃至8のいずれかに記載の全方向移動台車。
  10. 【請求項10】 操作部が複数個設けてあり、操作者が
    いずれの操作部で操作するかによって駆動方向の自由度
    が切り替わることを特徴とする請求項6乃至8のいずれ
    かに記載の全方向移動台車。
  11. 【請求項11】 車体に搭載した制御手段は、左右方向
    の移動時のみ、車体の左右方向の障害物を検知する障害
    物検知手段の出力を受けて警報の出力もしくは停止を行
    うものであることを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れかに記載の全方向移動台車。
  12. 【請求項12】 操作力検出手段は、1つの操作部に加
    えられた操作力の車体前後方向の分力と車体左右方向の
    分力と車体旋回方向モーメントとを検出することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の全方向移動台
    車。
  13. 【請求項13】 操作部と操作部ベースとを操作力に応
    じて車体前後方向に相対的変位が生じる機構により左右
    2ヵ所で接続し、前記操作部ベースに操作力に応じて車
    体に対して車体左右方向に相対的変位が生じる機構を設
    けると共に前記各相対的変位を検出する変位検出手段を
    設け、検出した各相対的変位から操作力の車体前後方向
    の分力と車体左右方向の分力と車体旋回方向モーメント
    とを検出することを特徴とする請求項12に記載の全方
    向移動台車。
  14. 【請求項14】 操作部の把持部が操作力に応じて操作
    部に対して車体左右方向に相対的変位を生じる機構を設
    けると共に前記相対的変位を検出する変位検出手段を設
    け、操作部と車体とを操作力に応じて車体前後方向に相
    対的変位が生じる機構により左右2ヵ所で接続すると共
    に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位を検出する変位
    検出手段を設け、検出した各相対的変位から操作力の車
    体前後方向の分力と車体左右方向の分力と車体旋回方向
    モーメントとを検出することを特徴とする請求項12に
    記載の全方向移動台車。
  15. 【請求項15】 操作力に応じて操作部の操作部ベース
    に対して左右に生じる車体前後方向の相対的変位を夫々
    dl,dr、操作部ベースの車体に対して生じる車体左
    右方向の相対的変位をdc、操作力の車体前後方向の分
    力及び車体左右方向の分力及び車体旋回方向モーメント
    をFhx,Fhy,Mhとすると、Fhx,Fhy,M
    hとdl,dr,dc間の線形性から、比例定数k1
    2,k 3,k4を実験で求め、操作力検出手段の演算部
    にて下記式 Fhx=k1×(dr+dl) Fhy=k2×dc Mh=k3×(dr−dl)+k4×dc により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
    る請求項13又は14に記載の全方向移動台車。
  16. 【請求項16】 操作部と車体とを左右2ヵ所で接続す
    ると共に前記左右2ヵ所の接続部に該接続部に作用する
    車体前後方向の力と車体左右方向の力を検出する力セン
    サーを夫々配設し、検出した左右の接続部に作用する車
    体前後方向の力と車体左右方向の力から、操作力の車体
    前後方向の分力と車体左右方向の分力と車体旋回方向モ
    ーメントとを検出することを特徴とする請求項12に記
    載の全方向移動台車。
  17. 【請求項17】 操作力に応じて左側接続部に生じる車
    体前後方向の力と車体左右方向の力をFlx,Fly、
    右側接続部に生じる車体前後方向の力と車体左右方向の
    力をFrx,Fry、操作力の車体前後方向の分力及び
    車体左右方向の分力及び車体旋回方向モーメントをFh
    x,Fhy,Mhとすると、MhとFlx,Frx間の
    線形性から、比例定数k5を実験で求め、操作力検出手
    段の演算部にて下記式 Fhx=Frx+Flx Fhy=Fry+Fly Mh=k5×(Frx−Flx) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
    る請求項16に記載の全方向移動台車。
  18. 【請求項18】 操作部と車体とを操作力に応じて車体
    前後方向に相対的変位が生じる機構により左右2ヵ所で
    接続すると共に前記左右2ヵ所で生じる各相対的変位を
    検出する変位検出手段を設け、検出した各相対的変位か
    ら操作力の車体前後方向の分力と車体左右方向の分力と
    車体旋回方向モーメントとを検出することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の全方向移動台車。
  19. 【請求項19】 操作力に応じて生じる前記各相対的変
    位の内、左側の相対的変位をdl、右側の相対的変位を
    dr、操作力の車体前後方向の分力及び車体左右方向の
    分力及び車体旋回方向モーメントをFhx,Fhy,M
    hとすると、Fhx,Fhy,Mhとdl,dr間の線
    形性から、比例定数k6,k7,k8を実験で求め、操作
    力検出手段の演算部にて下記式 Fhx=k6×(dr+dl) Fhy=k7×(dr−dl) Mh=k8×(dr−dl) により、Fhx,Fhy,Mhを求めることを特徴とす
    る請求項18に記載の全方向移動台車。
  20. 【請求項20】 操作力検出手段からの出力値の所定時
    間内の変化量をもとに断線を判定する断線判定手段を備
    えるとともに、該断線判定手段は車体の速度に応じて上
    記判定のための所定時間の値を変更することを特徴とす
    る請求項12乃至19のいずれかに記載の全方向移動台
    車。
  21. 【請求項21】 全方向移動可能な駆動車輪が、ユニバ
    ーサルホイールタイプの全方向駆動車輪であって、4個
    以上の偶数個の駆動車輪が車体に左右対称に且つ左右に
    並ぶ対の駆動車輪の駆動軸の交点が車体の左右方向中央
    に位置するものとして配置されているとともに、左右に
    並ぶ対の駆動車輪の駆動軸が車体の前後方向軸となす角
    度がすべて同じであり、さらに上記対の駆動車輪は車体
    の前後方向において離れて配置されていることを特徴と
    する請求項1乃至20のいずれかに記載の全方向移動台
    車。
  22. 【請求項22】 全方向移動可能な駆動車輪が、ボール
    ホイールやユニバーサルホイール等の全方向駆動車輪で
    あって、該駆動車輪を操作部から離れている側に多く配
    置することを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに
    記載の全方向移動台車。
  23. 【請求項23】 駆動車輪の両側に自在車輪を配置する
    ことを特徴とする請求項22に記載の全方向移動台車。
  24. 【請求項24】 全方向移動可能な駆動車輪と車体とを
    繋ぐ連結部にその長さが駆動車輪の接地する接地面の凹
    凸に応じて上下に伸縮し、尚且つ連結部の伸縮範囲内に
    おいて駆動車輪が接地面に対して一定値以上の押付力で
    作用する駆動車輪押付機構を設けたことを特徴とする請
    求項21乃至23のいずれかに記載の全方向移動台車。
  25. 【請求項25】 駆動車輪はカバーで覆われていること
    を特徴とする請求項21乃至24のいずれかに記載の全
    方向移動台車。
  26. 【請求項26】 操作者の手が操作部から離れたことを
    検知する手段の出力を受けて制御手段は車体を停止させ
    ることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載
    の全方向移動台車。
  27. 【請求項27】 操作者の手が操作部から離れたことを
    検知する手段の出力を受けて制御手段は制御中心におけ
    る車体速度を徐々に低下させて停止させることを特徴と
    する請求項26記載の全方向移動台車。
  28. 【請求項28】 制御手段は車体速度が略零になった時
    に電磁ブレーキをかけることを特徴とする請求項26ま
    たは27記載の全方向移動台車。
  29. 【請求項29】 制御手段は、操作者の手が操作部に触
    れていることを検知する手段の出力を受けて通常制御に
    戻すことを特徴とする請求項26乃至28のいずれかに
    記載の全方向移動台車。
  30. 【請求項30】 車体に搭載した制御手段において、車
    体を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に
    駆動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素として
    車体前後方向推進力と車体左右方向推進力と車体旋回モ
    ーメントを設定し、これら駆動要素から規定される駆動
    系の駆動要素値を操作力検出手段で検出された操作力に
    応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値に応じて
    各駆動車輪の駆動力を演算し、演算により得られた各駆
    動車輪の駆動力となるよう各駆動車輪に駆動力を発生さ
    せることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記
    載の全方向移動台車。
  31. 【請求項31】 車体に搭載した制御手段において、車
    体を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に
    駆動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素として
    車体前後方向速度と車体左右方向速度と車体旋回方向速
    度を設定し、これら駆動要素から規定される駆動系の駆
    動要素値を操作力検出手段で検出された操作力に応じて
    最適化し、得られた駆動系の駆動要素値に応じて各駆動
    車輪の駆動速度を演算し、演算により得られた各駆動車
    輪の駆動速度となるよう各駆動車輪に駆動力を発生させ
    ることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載
    の全方向移動台車。
  32. 【請求項32】 車体に搭載した制御手段において、車
    体を前後方向に駆動させる駆動要素と車体を左右方向に
    駆動させる駆動要素と車体を旋回させる駆動要素として
    車体前後方向加速度と車体左右方向加速度と車体旋回方
    向加速度を設定し、これら駆動要素から規定される駆動
    系の駆動要素値を操作力検出手段で検出された操作力に
    応じて最適化し、得られた駆動系の駆動要素値に応じて
    各駆動車輪の駆動加速度を演算し、演算により得られた
    各駆動車輪の駆動加速度となるよう各駆動車輪に駆動力
    を発生させることを特徴とする請求項1乃至29のいず
    れかに記載の全方向移動台車。
  33. 【請求項33】 車体が配膳車であることを特徴とする
    請求項1乃至32のいずれかに記載の全方向移動台車。
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