JP2001097038A - 空調機器 - Google Patents

空調機器

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JP2001097038A
JP2001097038A JP28145499A JP28145499A JP2001097038A JP 2001097038 A JP2001097038 A JP 2001097038A JP 28145499 A JP28145499 A JP 28145499A JP 28145499 A JP28145499 A JP 28145499A JP 2001097038 A JP2001097038 A JP 2001097038A
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air
exhaust port
air conditioner
thermoelectric conversion
conversion module
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JP28145499A
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English (en)
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Itaru Shibata
田 格 柴
Satoshi Nagashima
島 智 永
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を実現して自動車に採用することがで
き、除湿時間の短縮化を実現する。 【解決手段】 一方および他方の吸気口11,12と、
一方および他方の排気口13,14と、吸気口11,1
2および排気口13,14の間に設けられて電子冷却熱
電変換モジュール2をそなえかつ互いに反する面に吸湿
被膜4を各々具備した熱伝導板5と、排気口13,14
へ向かいつつ熱伝導板5によって加熱冷却された空気流
を多湿暖気Hと乾燥冷気Cとに分離して一方の排気口1
3および他方の排気口14へ振り分ける分離機構21を
具備した空気切り替え器20と、電子冷却熱電変換モジ
ュール2に加熱冷却信号Saを付与しかつ電子冷却熱電
変換モジュール2への加熱冷却信号Saに同期して空気
切り替え器20に切り替え信号Sbを付与することがで
きる制御回路30を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの小型
空調機器として用いるのに好適な空調機器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した空調機器としては、例え
ば、吸湿部材を具備して除湿を行い得るようにしたもの
があり、この空調機器では、肉厚のある大きな吸湿部材
を用いることによって除湿機能を高めるようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の空調
機器において、上記したように、除湿機能を充実させる
ためには、薄肉軽量でかつ小型の吸湿部材は採用するこ
とができないことから、コンパクトなものにするのが困
難であり、例えば、スペースが限られている自動車に用
いるのには適していない。
【0004】また、従来の空調機器では、吸湿部材のみ
による除湿を行うだけなので、除湿時間が多くかかって
しまうという問題があり、これらの問題を解決すること
が従来の課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題に着目し
てなされたもので、小型化を実現したうえで、自動車に
も採用することが可能であり、加えて、除湿時間の短縮
化をも実現することができる空調機器を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る空調機器は、一方および他方の吸気口と、一方および
他方の排気口と、前記吸気口および排気口の間に設けら
れて電気的に加熱冷却可能な熱電変換モジュールをそな
えかつ互いに反する面に吸湿被膜をそれぞれ具備した熱
伝導板と、前記排気口へ向かいつつ熱伝導板によって加
熱冷却された空気流を加熱空気流と冷却空気流とに分離
して一方の排気口および他方の排気口へ振り分ける分離
機構を具備した空気切り替え器と、熱電変換モジュール
に加熱冷却信号を与えると共に空気切り替え器の分離機
構に駆動信号を与える制御回路を備え、熱電変換モジュ
ールに対する加熱冷却信号および空気切り替え器の分離
機構に対する駆動信号を制御回路から同期して付与する
構成としたことを特徴としており、この空調機器の構成
を上記した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0007】本発明の請求項2に係わる空調機器は、一
方および他方の吸気口と、一方および他方の排気口と、
前記吸気口および排気口の間に設けられて電気的に加熱
冷却可能な熱電変換モジュールをそなえかつ互いに反す
る面に吸湿被膜をそれぞれ具備した熱伝導板と、前記排
気口へ向かいつつ熱伝導板によって加熱冷却された空気
流を加熱空気流と冷却空気流とに分離して一方の排気口
および他方の排気口へ振り分ける分離機構を具備した空
気切り替え器と、熱電変換モジュールに加熱冷却信号を
与えると共に熱電変換モジュールに印加する加熱冷却信
号に同期して空気切り替え器の分離機構に駆動信号を付
与する制御回路を備えた構成としており、この空調機器
の構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】本発明の請求項3に係わる空調機器は、熱
電変換モジュールをそなえかつ互いに反する面に吸湿被
膜をそれぞれ具備した熱伝導板を複数組設け、空気切り
替え器の分離機構は、複数組の熱伝導板によってそれぞ
れ加熱冷却された空気流を加熱空気流と冷却空気流とに
分離して一方の排気口および他方の排気口へ振り分け可
能としてある構成としている。
【0009】本発明の請求項4に係わる空調機器は、熱
電変換モジュールを電子冷却熱電変換モジュールとした
構成とし、本発明の請求項5に係わる空調機器におい
て、熱伝導板の吸湿被膜は、酸化アルミニウム,二酸化
珪素,酸化マグネシウム,シリカゲル,ゼオライト,リ
チウム化合物からなる吸湿材,高分子化合物からなる吸
湿材,珪酸系の吸湿材,多孔質金属および活性炭のうち
の少なくとも一つの吸湿材を含んでいる構成としてい
る。ここで、吸湿材とは、その結晶構造あるいは分子構
造に起因する細孔の空間や吸着点に水の分子を保持する
ことができる材料のことを言う。
【0010】本発明の請求項6に係わる空調機器は、熱
伝導板の吸湿被膜の厚みを0.1mm以上5mm以下と
した構成とし、本発明の請求項7に係わる空調機器は、
熱伝導板にアルミニウム,銅およびステンレス鋼のいず
れかを使用する構成としている。
【0011】本発明の請求項8に係わる空調機器は、一
方および他方の排気口に温度湿度センサを設け、制御回
路は、温度湿度センサからの切り替え信号に基づいて演
算して、熱電変換モジュールに対する加熱冷却信号およ
び空気切り替え器の分離機構に対する駆動信号を算出す
る構成としている。
【0012】本発明に係わる空調機器において、吸気口
および排気口には、断熱性の観点から合成樹脂製のパイ
プを用いることが好ましく、吸気口と排気口とを結ぶ通
風路には、熱電変換モジュールをそなえかつ吸湿被膜を
具備した熱伝導板や、分離機構を具備した空気切り替え
器を収納する筐体としての機能を持たせることが可能で
ある。
【0013】また、本発明に係わる空調機器の吸湿被膜
は、吸湿した水分を加熱して蒸発させることにより、再
生させることが可能である。
【0014】さらに、本発明の請求項3に係わる空調機
器における空気切り替え器の分離機構は、複数組の熱伝
導板の間隔に相当する幅の流路を有し、これらの流路
は、熱伝導板の間を通過した加熱空気流(多湿暖気)と
冷却空気流(乾燥冷気)とが混合することなく確実に分
離するように配置され、熱電変換モジュールへの加熱冷
却信号に同期した分離機構の作動により、多湿暖気は一
方の排気口へ流れ、乾燥冷気は他方の排気口へ流れる。
【0015】さらにまた、本発明に係わる空調機器の制
御回路は、タイマ回路あるいは温度湿度センサ回路から
構成される。
【0016】
【発明の作用】本発明の請求項1および2に係わる空調
機器において、空調の対象となる部屋(ないしは空間)
の室内の空気(内気)は、一方の吸気口から導入され、
熱電変換モジュールによって加熱された熱伝導板の面に
沿って流れる空気は、吸湿被膜から加熱により放出され
た水分(湿気)を得て熱伝導板通過後に多湿暖気とな
り、熱電変換モジュールによって冷却された熱伝導板の
面に沿って流れる空気は、吸湿被膜に水分(湿気)を吸
収されて熱伝導板通過後に乾燥冷気となる。
【0017】この際、熱電変換モジュールによる熱伝導
板の加熱冷却は、熱伝導板に具備された吸湿被膜の吸湿
量を考慮して、制御回路により随時切り替え得ることか
ら、熱伝導板に具備された吸湿被膜の吸湿能力が水分飽
和によって低下するのが回避されることとなる。
【0018】上記のようにして生じた多湿暖気および乾
燥冷気は、熱電変換モジュールに付与される加熱冷却信
号に同期して作動する空気切り替え器の分離機構に導か
れて、混合することなく多湿暖気と乾燥冷気とに確実に
分離されるので、多湿暖気を室外につながる他方の排気
口から排気すると共に、乾燥冷気を室内につながる一方
の排気口を通して室内に戻すと、室内の空気の除湿を行
いながら室内の冷房がなされることとなる。
【0019】また、室外の空気(外気)は、他方の吸気
口から導入され、熱電変換モジュールによって加熱冷却
された熱伝導板を通過することで、上記と同じく多湿暖
気および乾燥冷気となり、多湿暖気を室外につながる他
方の排気口から排気すると共に、乾燥冷気を室内につな
がる一方の排気口を通して室内に戻せば、室内の空気と
外気とを置換しつつ除湿および冷房がなされることとな
る。
【0020】さらに、室内の空気を一方の吸気口から導
入しつつ室外の空気を他方の吸気口から導入すること
で、室内の空気の換気,除湿および冷房が同時になされ
ることとなる。
【0021】本発明の請求項3に係わる空調機器では、
熱伝導板を複数配置した分だけ、多量の多湿暖気および
乾燥冷気を生じさせ得ることとなり、本発明の請求項4
に係わる空調機器において、熱電変換モジュールに印加
する電流の方向を変えると熱伝導板の加熱面と冷却面と
の切り替えがなされ、印加する電流の量を変化させるこ
とで、加熱量(放熱量)および冷却量(吸熱量)の制御
がなされることとなり、本発明の請求項5に係わる空調
機器では、吸湿材を選択する余地が広がることとなる。
【0022】本発明の請求項6に係わる空調機器では、
熱伝導板の吸湿機能が低下したり除湿が困難になったり
するのが回避されることとなり、本発明の請求項7に係
わる空調機器では、熱伝導板に用いる材料の選択の余地
が広がることとなり、本発明の請求項8に係わる空調機
器では、効率の良い除湿がなされることとなる。
【0023】
【発明の効果】本発明の請求項1および2に係わる空調
機器では、上記した構成としていることから、厚味のあ
る大きな吸湿部材を用いる必要がない分だけ小型化を実
現でき、その結果、自動車にも採用することが可能であ
り、加えて、除湿時間の短縮化をも実現することが可能
であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0024】本発明の請求項3に係わる空調機器では、
上記した構成としていることから、熱伝導板を複数配置
した分だけ、多湿暖気および乾燥冷気を多量に生じさせ
ることができるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0025】本発明の請求項4に係わる空調機器では、
上記した構成としていることから、熱電変換モジュール
に印加する電流の量を変化させるだけで、加熱量および
冷却量の制御を行うことができ、本発明の請求項5に係
わる空調機器では、上記した構成としていることから、
吸湿材の選択の余地を広げることが可能であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
【0026】本発明の請求項6に係わる空調機器におい
て、上記した構成としていることから、熱伝導板の吸湿
機能が低下したり除湿が困難になったりするのを防ぐこ
とができ、本発明の請求項7に係わる空調機器では、上
記した構成としていることから、熱伝導板に用いる材料
を選択する余地を広げることが可能であり、本発明の請
求項8に係わる空調機器では、上記した構成としている
ことから、除湿を効率良く行うことが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0028】[第1実施例]図1ないし図3は、本発明
に係わる空調機器の一実施例を示している。
【0029】図1に示すように、この空調機器1は、ポ
リカーボネート(PC)樹脂製の60mm角のパイプか
らなる空調機ケース10を備えており、この空調機ケー
ス10の一端側には一方および他方の吸気口11,12
が設けてあると共に、他端側には一方および他方の排気
口13,14が設けてある。
【0030】空調機ケース10の中間部分には、電気的
に加熱冷却可能な電子冷却熱電変換モジュール(熱電変
換モジュール)2を間にしかつ互いに反する面に吸湿被
膜4,4を各々具備した厚さ1.6mmのアルミニウム
板(縦120mm×横58mm)からなる熱伝導板5,
5が、ほぼ4mmの間隔をおいて4組設けてある。
【0031】この実施例において、電子冷却熱電変換モ
ジュール2には熱電子工業(株)製のCP1.4−12
7−045L型(縦40mm×横40mm×厚さ3.3
mm)のモジュールを使用し、熱伝導板5,5の互いに
対向するアルミニウム素地面に熱伝導性接着剤により接
着してあるものとしている。この場合、熱伝導板5,5
の互いに対向するアルミニウム素地面には吸湿被膜4を
形成しておらず、断熱材6(図3にのみ示す)を設けて
隙間を埋めるようにしている。一方、吸湿被膜4はアル
ミナ80重量%−シリカ20重量%組成の吸着材からな
っており、厚さ1.2mmで形成してある。
【0032】また、この空調機器1は、図2および図3
にも示すように、空調機ケース10における中間部分の
熱伝導板5,5の排気口13,14側に位置して熱伝導
板5,5によって加熱冷却された空気流を多湿暖気(加
熱空気流)Hと乾燥冷気(冷却空気流)Cとに分離して
一方の排気口13および他方の排気口14へ振り分ける
分離機構21を具備した空気切り替え器20と、電子冷
却熱電変換モジュール2に加熱冷却信号Saを与えると
共に電子冷却熱電変換モジュール2に印加する加熱冷却
信号Saに同期して空気切り替え器20の分離機構21
に切り替え信号(駆動信号)Sbを付与する制御回路3
0を備えている。
【0033】空気切り替え器20の分離機構21は、複
数の流路22を有するブロック23を有しており、この
ブロック23の各流路22は、4組の熱伝導板5の間隔
(4mm)に合わせて配置してある、すなわち、熱伝導
板5,5の間を通過した多湿暖気Hと乾燥冷気Cとが混
合することなく確実に分離するように配置してある。こ
のブロック23は、電子冷却熱電変換モジュール2に加
熱冷却信号Saが付与されるのに同期した分離機構21
の作動により図3左右方向に移動して、多湿暖気Hを他
方の排気口14へ流し、乾燥冷気Cを一方の排気口13
へ流すようになっている。
【0034】制御回路30は、一方および他方の排気口
13,14に設けた温度湿度センサ32からの信号Sc
に基づいて演算して、電子冷却熱電変換モジュール2に
対する加熱冷却信号Saおよび空気切り替え器20の分
離機構21に対する切り替え信号Sbを算出するように
している。
【0035】そこで、この空調機器1の一方の吸気口1
1から温度30゜C、相対湿度60%RHの空気を毎分
3mで送り込み(他方の吸気口12は閉じておく)、
4組の熱伝導板5,5間にそれぞれ位置して互いに直列
に接続した4個の電子冷却熱電変換モジュール2に4ア
ンペアの電流を流した際の、一方の排気口13から排気
される空気の温度および湿度を測定したところ、表1に
示す結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、時間の経過とともに、一方の排
気口13から排気される空気の温度および湿度が低下し
ていることがわかる、すなわち、一方の排気口13から
乾燥冷気Cが排気されていることがわかる。
【0038】この空調機器1において、一方の吸気口1
1からの空気の送り込みを続けると、送風開始から20
分経過時に一方の排気口13から排気される空気の湿度
の低下が止まり、逆に湿度が上昇を始めるが、これは、
吸湿被膜4が飽和したためである。
【0039】つまり、電子冷却熱電変換モジュール2で
冷却されていた熱伝導板5の吸湿被膜4は水分を吸収し
て飽和状態にあり、一方、電子冷却熱電変換モジュール
2で加熱されていた熱伝導板5の吸湿被膜4は水分を放
出して乾燥しているので、一方の排気口13から排気さ
れる空気の湿度が上昇を始めた時点で、電子冷却熱電変
換モジュール2に印加する電流の方向を変えて熱伝導板
5の加熱面と冷却面との切り替えを行い、これと同時
に、空気切り替え器20の分離機構21を作動させてブ
ロック23を図3の左右方向に移動させ、一方の排気口
13に流れ込む空気を切り替えれば、乾燥状態にある吸
湿被膜4の近傍を通過した空気が一方の排気口13に流
れ込むこととなる。
【0040】そして、切り替え直後の送風開始から2
0.5分経過時において、一方の排気口13から排気さ
れる空気の温度および湿度はいずれも一旦高くなるもの
の、電子冷却熱電変換モジュール2の冷却速度が極めて
早いため、切り替えから1分経過時(送風開始から21
分経過時)において、乾燥していた吸湿被膜4は電子冷
却熱電変換モジュール2によって急速に冷却され、した
がって、一方の吸気口11から送り込まれた空気の除湿
および冷却が再開される。
【0041】一方、水分を十分に吸収して飽和状態にあ
る吸湿被膜4は電子冷却熱電変換モジュール2によって
加熱され、水分を放出する。
【0042】上記したように、この空調機器1におい
て、電子冷却熱電変換モジュール2に印加する電流の方
向を10分毎に変えれば、一方の吸気口11から送り込
まれた空気の除湿および冷却を継続して行い得ることと
なり、制御回路30にタイマ33を設けて、10分を1
サイクルとして切り替わるようにタイマ33をセットす
れば、継続した除湿および冷却が自動的になされること
となる。
【0043】ここで、上記空調機器1における制御回路
30のタイマ33による切り替えサイクルを30分に設
定した場合と、1分に設定した場合とにおいて、一方の
排気口13から排気される空気の温度および湿度をそれ
ぞれ測定したところ、表2および表3に示す結果を得
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表2に示すように、吸湿被膜4が飽和する
時間に比べて切り替えのサイクルタイムが長いため、送
風開始から20分経過した後は、一方の排気口13から
排気される空気の温度および湿度がいずれも上昇に転じ
ており、電子冷却熱電変換モジュール2に印加する電流
の方向を変えるまで上昇することが判る。
【0047】また、表3に示すように、吸湿被膜4がそ
の吸湿機能を十分に発揮するのに必要な時間に比べて切
り替えのサイクルタイムがあまりにも短いため、切り替
え時において、一方の排気口13から排気される空気の
温度および湿度はいずれもほとんど低下しておらず、こ
の切り替えサイクルのまま空調機器1を作動させたとし
ても、除湿および冷却がほとんどなされないことが判
る。
【0048】したがって、この空調機器1において、一
方の吸気口11から送り込まれた空気の除湿および冷却
を効率よく行ううえで、制御回路30のタイマ33によ
る切り替えサイクルを10分に設定するのが最適である
ことが実証できた。
【0049】次に、吸湿被膜の厚さを0.05mmとし
たことを除いて他の構成を上記空調機器1の構成と同じ
にした比較例1の空調機器、および、吸湿被膜の厚さを
8mmとしたことを除いて他の構成を上記空調機器1の
構成と同じにした比較例2の空調機器の各々の一方の吸
気口から温度30゜C、相対湿度60%RHの空気を毎
分3mで送り込み、直列に接続した4個の電子冷却熱
電変換モジュールに4アンペアの電流を流した際の、一
方の排気口から排気される空気の温度および湿度をそれ
ぞれ測定したところ、表4および表5に示す結果を得
た。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】表4に示すように、比較例1の空調機器で
は、吸湿被膜が薄すぎるため、除湿能力が低く、一方の
排気口から排気される空気の湿度がほとんど減少しない
ことが判る。
【0053】また、表5に示すように、比較例2の空調
機器において、吸湿被膜の厚みがあり過ぎるため、電子
冷却熱電変換モジュールによる冷却に時間がかかり、一
方の排気口から排気される空気の温度が低下する速度が
遅く、空気の湿度が下がる速度も遅いことが判る。
【0054】したがって、上記した空調機器1のよう
に、熱伝導板5の吸湿被膜4の厚みを0.1mm以上5
mm以下の範囲に収めることで、吸湿被膜4の吸湿機能
が低下したり除湿が困難になったりするのを回避でき、
一方の吸気口11から送り込まれた空気の除湿および冷
却を確実かつ迅速に行い得ることが立証できた。
【0055】[第2実施例]この実施例に係わる空調機
器は、熱伝導板の吸湿被膜をコージェライト膜としてお
り、他の構成は第1実施例の空調機器1と同じである。
【0056】そこで、この実施例に係わる空調機器につ
いて、一方の吸気口から温度30゜C、相対湿度60%
RHの空気を毎分3mで送り込み、直列に接続した4
個の電子冷却熱電変換モジュールに4アンペアの電流を
流した際の、一方の排気口から排気される空気の温度お
よび湿度を測定したところ、表6に示す結果を得た。
【0057】
【表6】
【0058】表6に示すように、この実施例に係わる空
調機器では、その吸湿被膜の吸湿能力が第1実施例の空
調機器1の吸湿被膜4の吸湿能力を上回ることから、一
方の吸気口から送り込まれた空気の除湿および冷却をよ
り一層迅速に行い得ることが判る。
【0059】[第3実施例]この実施例に係わる空調機
器において、一方の排気口に酸化アルミニウム基板上に
櫛型電極を形成してなる湿度センサを設け、タイマによ
る切り替え制御ではなく、この湿度センサからの切り替
え信号(一方の排気口における空気の湿度が50%RH
となったときに出力される信号)に基づいて、電子冷却
熱電変換モジュールに加熱冷却信号を付与すると共に空
気切り替え器の分離機構に駆動信号を付与するといった
制御を行うようにしており、他の構成は第1実施例の空
調機器1と同じである。
【0060】そこで、この実施例に係わる空調機器につ
いて、一方の吸気口から温度30゜C、相対湿度70%
RHの空気を毎分3mで送り込み、直列に接続した4
個の電子冷却熱電変換モジュールに4アンペアの電流を
流した際の、一方の排気口から排気される空気の温度お
よび湿度を測定したところ、表7に示す結果を得た。
【0061】
【表7】
【0062】表7に示すように、一方の吸気口から送り
込む空気の湿度が高い分だけ、吸湿被膜が飽和するまで
の時間が第1実施例の空調機器1と比べて短くなってい
るものの、第1実施例の空調機器1と同じく、一方の吸
気口から送り込まれた空気の除湿および冷却を確実かつ
迅速に行い得ることが判る。
【0063】本発明に係わる空調機器の詳細な構成は、
上記した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる空調機器の一実施例を示す構成
説明図(a)および熱電変換モジュールをそなえた複数
組の熱伝導板の配置状況を示す部分斜視説明図(b)で
ある。
【図2】図1における空調機器の空気切り替え器を示す
部分斜視説明図である。
【図3】図1における空調機器の作動状態を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 空調機器 2 電子冷却熱電変換モジュール(熱電変換モジュー
ル) 4 吸湿被膜 5 熱伝導板 11 一方の吸気口 12 他方の吸気口 13 一方の排気口 14 他方の排気口 20 空気切り替え器 21 分離機構 30 制御回路 C 乾燥冷気(冷却空気流) H 多湿暖気(加熱空気流) Sa 加熱冷却信号 Sb 切り替え信号(駆動信号)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方および他方の吸気口と、一方および
    他方の排気口と、前記吸気口および排気口の間に設けら
    れて電気的に加熱冷却可能な熱電変換モジュールをそな
    えかつ互いに反する面に吸湿被膜をそれぞれ具備した熱
    伝導板と、前記排気口へ向かいつつ熱伝導板によって加
    熱冷却された空気流を加熱空気流と冷却空気流とに分離
    して一方の排気口および他方の排気口へ振り分ける分離
    機構を具備した空気切り替え器と、熱電変換モジュール
    に加熱冷却信号を与えると共に空気切り替え器の分離機
    構に駆動信号を与える制御回路を備え、熱電変換モジュ
    ールに対する加熱冷却信号および空気切り替え器の分離
    機構に対する駆動信号を制御回路から同期して付与する
    ことを特徴とする空調機器。
  2. 【請求項2】 一方および他方の吸気口と、一方および
    他方の排気口と、前記吸気口および排気口の間に設けら
    れて電気的に加熱冷却可能な熱電変換モジュールをそな
    えかつ互いに反する面に吸湿被膜をそれぞれ具備した熱
    伝導板と、前記排気口へ向かいつつ熱伝導板によって加
    熱冷却された空気流を加熱空気流と冷却空気流とに分離
    して一方の排気口および他方の排気口へ振り分ける分離
    機構を具備した空気切り替え器と、熱電変換モジュール
    に加熱冷却信号を与えると共に熱電変換モジュールに印
    加する加熱冷却信号に同期して空気切り替え器の分離機
    構に駆動信号を付与する制御回路を備えたことを特徴と
    する空調機器。
  3. 【請求項3】 熱電変換モジュールをそなえかつ互いに
    反する面に吸湿被膜をそれぞれ具備した熱伝導板を複数
    組設け、空気切り替え器の分離機構は、複数組の熱伝導
    板によってそれぞれ加熱冷却された空気流を加熱空気流
    と冷却空気流とに分離して一方の排気口および他方の排
    気口へ振り分け可能としてある請求項1または2に記載
    の空調機器。
  4. 【請求項4】 熱電変換モジュールを電子冷却熱電変換
    モジュールとした請求項1ないし3のいずれかに記載の
    空調機器。
  5. 【請求項5】 熱伝導板の吸湿被膜は、酸化アルミニウ
    ム,二酸化珪素,酸化マグネシウム,シリカゲル,ゼオ
    ライト,リチウム化合物からなる吸湿材,高分子化合物
    からなる吸湿材,珪酸系の吸湿材,多孔質金属および活
    性炭のうちの少なくとも一つの吸湿材を含んでいる請求
    項1ないし4のいずれかに記載の空調機器。
  6. 【請求項6】 熱伝導板の吸湿被膜の厚みを0.1mm
    以上5mm以下とした請求項1ないし5のいずれかに記
    載の空調機器。
  7. 【請求項7】 熱伝導板にアルミニウム,銅およびステ
    ンレス鋼のいずれかを使用する請求項1ないし6のいず
    れかに記載の空調機器。
  8. 【請求項8】 一方および他方の排気口に温度湿度セン
    サを設け、制御回路は、温度湿度センサからの切り替え
    信号に基づいて演算して、熱電変換モジュールに対する
    加熱冷却信号および空気切り替え器の分離機構に対する
    駆動信号を算出する請求項1ないし7のいずれかに記載
    の空調機器。
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