JP2001095490A - 菓子組成物およびその製造方法 - Google Patents

菓子組成物およびその製造方法

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JP2001095490A JP2000277443A JP2000277443A JP2001095490A JP 2001095490 A JP2001095490 A JP 2001095490A JP 2000277443 A JP2000277443 A JP 2000277443A JP 2000277443 A JP2000277443 A JP 2000277443A JP 2001095490 A JP2001095490 A JP 2001095490A
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Walda Brown
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良されたチョコレート特性を有する菓子組
成物。 【解決手段】 菓子組成物はチョコレートまたはチョコ
レート被覆配合物および純粋フレーバ化合物の混合物を
含む。これらの純粋化合物は少なくとも1種の短鎖脂肪
酸および少なくとも1種のラクトンを含む。化合物は組
成物にミルクチョコレートフレーバを付与する有効量で
組合せて含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は純粋脂肪酸およびラ
クトンの添加によりチョコレートおよびチョコレート被
覆配合物のチョコレート特性を改良する組成物および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品技術は飲料、アイスクリーム、ケー
キおよびクッキー、アイシングを含む各種製品およびチ
ョコレート自体のチョコレートフレーバの増強に関する
開示で満ち溢れている。ココアバターおよびココア粉末
はこの目的にもっとも普通に使用される。しかし、カカ
オ豆は天然の農産物であるので、カカオ豆の世界の供給
は各種の予測し得ない條件により非常に変動するので、
ココアバターおよびココア粉末は相対的に高価となり、
往々入手が困難になる。
【0003】この理由および他の理由で、ココアバター
およびココア粉末に対し天然または人工の満足できる代
替物を見出す多くの努力がなされている。例えば、米国
特許第4,335,153号明細書は穀粉、脂肪および
少量の水、フレーバおよび着色料を含むイミテーション
ココア粉末を開示する。米国特許第4,312,890
号明細書はココア粉末の特徴のあるテクスチャー、色
調、フレーバ、アロマおよび食感を有するローストした
酵母製品を開示する。米国特許第5,932,275号
明細書はココアバター代替物として使用に適するパーム
核油混和物を開示する。
【0004】ピラジンおよびピラジン誘導体はチョコレ
ート、ココアバターおよびココア粉末のフレーバに寄与
する重要な化合物であることは古くから認められてい
る。例えば、米国特許第4,707,365号明細書は
ココアアロマは主としてローストの程度により影響さ
れ、およびローストの強さはココアアロマのメチル化ピ
ラジンのクロマトグラフィにより評価できることを開示
する。米国特許第3,328,402号、第3,45
9,556号および第3,579,353号明細書もフ
レーバ付与剤、特にチョコレートフレーバ付与剤として
ピラジンおよびピラジン誘導体を開示した。例えば、米
国特許第3,459,556号明細書(タツオモロエ)
は多数の物質のフレーバ改良方法を開示する。ココアお
よびチョコレートフレーバの改良として、モロエからの
引用文はココアアロマに対し次の処方を開示する(重量
部)、 テトラメチルピラジン 10 バニリン 10 アミルフェニルアセテート 1 イソ−バレルアルデヒド 1 イソ−ブチルアルデヒド 0.5 フェニルエチルアルコール 0.2 エチルアセテート 0.1
【0005】フェニルアセトアルデヒドおよびイソバレ
ルアルデヒドのような他の化合物もチョコレートフレー
バに寄与することが既知である。従って、ココアの抽出
物を使用するものを含めて市販のチョコレートフレーバ
はすべて常にピラジン、フェニルアセトアルデヒド、ま
たはイソバレルアルデヒドを単独または組合せて含有す
る。
【0006】通例乳脂に見出される型の短鎖飽和脂肪酸
およびラクトンのような付加的化合物もしばしば市販の
チョコレートフレーバに含まれるが、これらの化合物は
通例チョコレートフレーバの主要成分ではなく、および
/またはピラジン、フェニルアセトアルデヒド、および
/またはイソバレルアルデヒドの存在しないチョコレー
トフレーバには含まれない。従って、チョコレートまた
はチョコレート被覆配合物のフレーバに対するこれら化
合物の単独効果は未知であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は純粋
フレーバ活性化合物の各種組合せを単に添加することに
より通例当業者が達成するもの以上にチョコレートまた
はチョコレート被覆配合物のフレーバ付与に改良および
/または単純化を供することを求める。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は改良されたチョ
コレート特性を有するチョコレート組成物およびチョコ
レート組成物の改良方法に関する。具体的には、本発明
はチョコレートまたはチョコレート被覆配合物を含む組
成物および少なくとも1種の短鎖脂肪酸および少なくと
も1種のラクトンを含む純粋フレーバ化合物の混合物に
関する。これらの純粋フレーバ化合物は組成物にミルク
チョコレートフレーバを付与する有効量で組合せて含
む。好ましくは、これらの化合物はピラジン、フェニル
アセトアルデヒド、および/またはイソバレルアルデヒ
ドを含まずに利用される。
【0009】本発明は改良されたミルクチョコレート特
性を有する組成物の製造方法にも関する。具体的には、
本発明はチョコレートまたはチョコレート被覆配合物
と、少なくとも1個の短鎖脂肪酸および少なくとも1個
のラクトンをチョコレートまたはチョコレート被覆配合
物にミルクチョコレートフレーバを付与する有効量で含
む純粋フレーバ化合物の混合物とを組合せる方法に関す
る。
【0010】純粋フレーバ化合物の組合せをチョコレー
トおよびチョコレート被覆配合物のような脂肪をベース
とする菓子マスに添加すると、特にこれらの純粋フレー
バ化合物はチョコレートフレーバに対し任意の3種の通
例物質、すなわち、ピラジン、フェニルアセトアルデヒ
ドおよびイソバレルアルデヒドを含まずに添加するの
で、このようなマスのチョコレート特性を改良できるこ
とは意外なことであった。「本質的に含まない」とは組
成物のピラジン、フェニルアセトアルデヒド、およびイ
ソバレルアルデヒドフレーバ付与剤量は零またはそのフ
レーバの閾値以下の量であり、従ってこれらはこのよう
な組成物では有意でないことを示すために使用する。
【0011】次の定義を本明細書で使用する、「チョコ
レート」とはチョコレートの味および特性を付与する十
分な品質を有する任意の菓子製品を意味するために使用
する。適当なチョコレートは限定されないが、スイート
チョコレート、ミルクチョコレート、バターミルクチョ
コレート、ビタースイートチョコレートおよび21C.
F.R.§163で規定される「リーガル」チョコレー
トを含む。チョコレートはチョコレートフレーバおよび
チョコレート類似物およびチョコレート代替物として使
用する任意の他の物質を有する被覆配合物も含む、「チ
ョコレート特性」とはチョコレートまたはチョコレート
被覆配合物のフレーバを意味するために使用する、「チ
ョコレート被覆配合物」とはココアバターよりむしろ植
物脂肪のようなココアバター代替物に基づく任意の菓子
製品を意味するために使用する。植物脂肪の他に、この
ような被覆は一般に糖、ココア固体、落花生固体、また
は他の天然または人工フレーバのようなフレーバ付与
剤、乳化剤、着色料および場合により乳固体を含有す
る、「純粋フレーバ化合物」とは食品のアロマ、フレー
バまたは味に影響する能力を有することが既知または立
証されている任意の純粋化合物を意味するために使用す
る。
【0012】本発明の好ましい態様では、組成物はミル
クチョコレートまたはチョコレート被覆配合物および短
鎖脂肪酸およびラクトンを、改良されたチョコレート特
性を有するチョコレートまたはチョコレート被覆配合物
が製造されるような量で含む。
【0013】短鎖脂肪酸は3〜16個、好ましくは4〜
10個の炭素原子を有するものを含む。有利には、酪
酸、カプロン酸、カプリル酸およびイソ吉草酸を単独ま
たは組合せて使用する。これらの酸の2種は適するが、
望む最終味により3種以上を使用することができる。も
っとも好ましい態様では、酪酸は第1脂肪酸成分として
使用し、カプロン酸、カプリル酸または双方は第2脂肪
酸成分として使用する。
【0014】これらの短鎖脂肪酸は一般的には菓子マス
重量基準で約5〜75ppm、好ましくは約10〜50
ppmの総量で使用する。脂肪酸の組合せを使用する場
合、それぞれが総量を供する各種量で含むことができ
る。第1脂肪酸を過半量で、1種以上の異る第2脂肪酸
を少量で使用することも本発明の範囲内にある。例え
ば、第1脂肪酸は約5〜30ppm、好ましくは約15
〜25ppmの量で含むことができ、第2脂肪酸はそれ
ぞれ0.1〜10ppm、好ましくは0.1〜5ppm
の量で含まれる。有利には、少なくとも1種の第2脂肪
酸を第1脂肪酸と組合せて使用する。望む場合、2種以
上の第2脂肪酸は使用できる。これらの態様では、第1
脂肪酸としてより低い炭素鎖脂肪酸および第2脂肪酸と
してより高い炭素鎖脂肪酸を使用することは好ましい。
これらは第1脂肪酸として4〜6個の炭素原子を有する
ものおよびこれらは第2脂肪酸として4〜10個の炭素
原子を有するものが好ましい。例はもっとも好ましいこ
の成分の組合せおよび量を説明する。
【0015】ラクトンは6〜20個の炭素原子、好まし
くは6〜16個の炭素原子を有するδ−およびγ−ラク
トンを含む。8〜12個の炭素原子を有するものはもっ
ともしばしば使用され、δ−デカラクトン、δ−ドデカ
ラクトンおよびγ−オクタラクトンはもっとも好まし
い。
【0016】1つのラクトンは使用できるが、2つ以上
の異るラクトンの組合せを使用することは好ましい。有
利には、2つの異るラクトンを使用し、これらの炭素原
子数の差は少なくとも2個である。
【0017】ラクトンの使用量は菓子マス重量基準で約
0.05〜25ppm、好ましくは2〜15ppmに変
化できる。組合せを使用する場合、各量は約0.1〜
7、好ましくは0.25〜4ppmの範囲でよい。再
度、例はこの成分のもっとも好ましい組合せおよび量を
説明する。
【0018】本発明の短鎖飽和脂肪酸およびラクトンは
通常乳脂に、そこでは純粋形ではないが見出される。こ
れらの化合物は通例市販チョコレートフレーバに見出す
ことができるが、これらはチョコレートフレーバに単独
で、または市販チョコレートフレーバの主要成分、すな
わちピラジン、フェニルアセトアルデヒド、またはイソ
バレルアルデヒドを含まずに使用されない。それだけ
で、本発明で使用する化合物はそのもの自体チョコレー
トフレーバに似ていない。意外なことに、これらの化合
物はチョコレートまたはチョコレート被覆配合物に添加
されると、組成物のミルクチョコレート特性は改良され
た。
【0019】好ましい態様では、本発明組成物はすぐれ
たチョコレート様フレーバ、強い乳フレーバ、および僅
かに強い乳酸性フレーバを特徴とする。一層好ましく
は、純粋フレーバ化合物は酪酸、カプロン酸、カプリル
酸、δ−デカラクトンおよびδ−ドデカラクトンから成
る群から選択する。本発明のもっとも好ましい態様で
は、純粋フレーバ化合物の混合物は酪酸、カプロン酸、
カプリル酸、δ−デカラクトン、およびδ−ドデカラク
トンの組合せである。
【0020】本発明の菓子組成物は限定されないが、チ
ョコレートおよび被覆配合物を含む各種製品に使用でき
る。当業者は本発明組成物および方法の各種使用を容易
に想像できる。
【0021】
【実施例】本発明は本発明のもっとも好ましい組成物を
詳細に記載する次例を引用してさらに特徴づける。 例1 ミルクチョコレート被覆配合物を先ず次の一般組成によ
り調製した。 表示量の次の純粋フレーバ化合物を次にミルクチョコレ
ート被覆配合物に添加し、組成物の評価はチョコレート
およびココアの味覚試験に熟練したパネルが行なった。 パネルの官能試験のコメントはフレーバおよびアロマ特
徴の双方に対し供された。
【0022】例2 純粋フレーバ化合物の3つの追加組合せを例1記載のミ
ルクチョコレート被覆配合物に添加し、組成物の評価は
チョコレートおよびココアの味覚試験に熟練したパネル
が行なった。 パネルの官能評価コメントは次の通りである。 これらの例から分かるように、短鎖脂肪酸および環状ラ
クトンの組合せは望ましいフレーバをチョコレートまた
はチョコレート被覆配合物に付与するために使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホワリイ メリッサ アメリカ合衆国 オハイオ、メアリイスビ ル、 オーチャド ロード 20640 (72)発明者 ワルダ ブラウン アメリカ合衆国 オハイオ、リッジウェ イ、 タウンシップ ロード 177 19463

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョコレートまたはチョコレート被覆配
    合物および少なくとも1種の短鎖脂肪酸および少なくと
    も1種のラクトンを含む純粋フレーバ化合物の混合物を
    含み、純粋フレーバ化合物はミルクチョコレートフレー
    バを付与する有効量で組合せて含むことを特徴とする、
    改良されたチョコレート特性を有する菓子組成物。
  2. 【請求項2】 純粋フレーバ化合物の総量は約5〜10
    0ppmである、請求項1記載の菓子組成物。
  3. 【請求項3】 純粋化合物の混合物は本質的にピラジ
    ン、フェニルアセトアルデヒド、およびイソバレルアル
    デヒドフレーバ付与剤を含まない、請求項2記載の菓子
    組成物。
  4. 【請求項4】 各短鎖飽和脂肪酸は3〜16個の炭素原
    子の炭素鎖を有し、少なくとも2種の異る脂肪酸は組合
    せて使用し、脂肪酸の総量は約5〜75ppmである、
    請求項2記載の菓子組成物。
  5. 【請求項5】 第1脂肪酸は約1〜30ppm量で含
    み、および少なくとも1つの付加的脂肪酸は約0.1〜
    10ppm量で含み、第1脂肪酸は付加的脂肪酸のもの
    より炭素原子が少なくとも2個短かい炭素鎖を有する、
    請求項4記載の菓子組成物。
  6. 【請求項6】 第1脂肪酸は約1〜30ppm量で含
    み、少なくとも2つの付加的脂肪酸はそれぞれ約0.1
    〜10ppm量で含み、第1脂肪酸は付加的脂肪酸のも
    のより炭素原子が少なくとも2個短かい炭素鎖を有す
    る、請求項4記載の菓子組成物。
  7. 【請求項7】 第1脂肪酸は約1〜25ppm量の酪酸
    であり、付加的脂肪酸はそれぞれ約0.1〜5ppm量
    のカプロン酸およびカプリル酸である、請求項6記載の
    菓子組成物。
  8. 【請求項8】 ラクトンは5〜20個の炭素原子を有す
    るγ−ラクトンおよびδ−ラクトンを含み、少なくとも
    2種の異るラクトンは組合せて使用し、炭素原子数の差
    は少なくとも2個であり、環状ラクトンの総量は約0.
    05〜25ppmである、請求項2記載の菓子組成物。
  9. 【請求項9】 2種のラクトンは少なくとも炭素原子2
    個だけ異り、それぞれ約0.05〜7ppm量で含む、
    請求項8記載の菓子組成物。
  10. 【請求項10】 1種のラクトンはδ−デカラクトンで
    あり、1種のラクトンはδ−ドデカラクトンであり、そ
    れぞれ約0.05〜4ppm量で含む、請求項9記載の
    菓子組成物。
  11. 【請求項11】 チョコレートまたはチョコレート被覆
    配合物に少なくとも1種の短鎖脂肪酸および少なくとも
    1種のラクトンを含む純粋フレーバ化合物の混合物を添
    加することからなり、純粋フレーバ化合物はチョコレー
    トまたはチョコレート被覆化合物にチョコレートフレー
    バを付与する有効量で組合せて含むことを特徴とする、
    改良されたチョコレート特性を有する菓子組成物の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 菓子マスは脂肪をベースとする菓子マ
    スであり、純粋化合物の総添加量は約1〜100ppm
    である、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 純粋化合物の混合物は本質的にピラジ
    ン、フェニルアセトアルデヒド、またはイソバレルアル
    デヒドフレーバ付与剤を含まない、請求項11記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 それぞれが3〜16個の炭素原子の炭
    素鎖を有する少なくとも2種の異る脂肪酸を添加し、1
    種の脂肪酸は他の1種より炭素原子が少なくとも2個短
    かい炭素鎖を有し、脂肪酸の総添加量は約1〜75pp
    mである、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 それぞれは5〜20個の炭素原子を含
    み、ラクトンの炭素原子数は少なくとも2個だけ異り、
    環状ラクトンの総量は約0.05〜25ppmである、
    少なくとも2種の異るラクトンを添加する、請求項11
    記載の方法。
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