JP2001095424A - 浮力調整型フロート - Google Patents

浮力調整型フロート

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JP2001095424A
JP2001095424A JP27957099A JP27957099A JP2001095424A JP 2001095424 A JP2001095424 A JP 2001095424A JP 27957099 A JP27957099 A JP 27957099A JP 27957099 A JP27957099 A JP 27957099A JP 2001095424 A JP2001095424 A JP 2001095424A
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Masayuki Hirata
正幸 平田
Hiroshi Ono
博 大野
Shinji Fujimoto
真二 藤本
Hideki Yamashita
英樹 山下
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Molten Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロート本体強度を増した構造とし、かつ波
動の揺れによる水の侵入を防止し浮力の安定性を得るよ
うに図り、設置、浮力の調整作業等全般的な取扱性も向
上させ、かき筏の増しフロートとして好適な浮力調整型
フロートを得る。 【解決手段】 ポリエチレン樹脂等より成る両端面が膨
らんだ円筒中空体のフロート本体10内の中間部位当た
りに中空パイプ14を立設して外力変形に強い構造のフ
ロート3となし、上部口には給気用のバルブ14を装着
してその複数の連通孔22からフロート本体へ給気、給
水を行い、一方、バルブと反対側に設けた給水用開口1
5には、フロート本体外へのみ排水する一方向バルブ3
5を設けてフロートの波動による水侵入を防ぎ、内部空
気圧を減少させない安定した浮力と得る。また給気圧で
開き排水させる一方向バルブにより浮力調整も容易で、
さらにフロートの固定作業も簡単に行えるようにした増
しフロートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚類養殖筏、牡蠣
筏等の筏においてその増しフロートして用いられるに好
適な浮力調整型フロートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かきの養殖に際しては、稚貝を付
着した貝殻を多数固定した針金をかき筏から海中に吊り
下げてなされる。図10および図11は、従来構造のか
き筏1を示し、直径約10cm、長さ約10mの孟宗竹
2a、2bをワイヤ(図示せず)等で格子状に組んで作
られることが多い。すなわち、40〜50本の横竹2a
を約45cm間隔で並べ、この上に約3mの間隔で、押
さえ用の孟宗竹2bを配列して、ワイヤ等で結び、フロ
ート3を固定するのである。そして、横竹2aと押さえ
用の竹2bの間に形成される空間から、かきの稚貝(図
示せず)を付着した貝殻4、4…を多数固定した針金5
が海中に吊り下げられる。
【0003】通常、養殖当初は、稚貝の貝殻4に対する
付着力は弱く、筏1が波浪、潮流等を受けて揺れると、
この稚貝が貝殻4から振り落されるおそれがある。それ
故、筏1はこの時期できるだけ静止していることが望ま
しく、乾舷は低く設定される。
【0004】しかしながら、かきは成長するにしたがっ
て重くなるから、そのままの浮力では不十分となり、途
中でフロートを増加させる必要がある。その方法とし
て、従来クレーンで筏1を持ち上げて、筏1の下に増し
フロートを差し込む方法が採られている。このフロート
としては、発泡スチロールを使用した一定の浮力をもつ
フロートが一般的である。
【0005】また、漁網、いけす、桟橋等のフロートと
して浮沈構造のフロートも知られている(実公平8−8
49号)。この公報には、フロートに水の出入口を設
け、フロート内に海水を注入し、その量に応じて浮力を
調整するものであり、水の出入口に管を突起状に形成し
た構造が開示されている。
【0006】上記のように筏の一端をクレーンで持ち上
げてフロートを筏下面に差し込む方法では、筏のフレー
ム(通常、孟宗竹をワイヤで結んで作製される)に大き
な折れ曲がり力が加わるためにこれが折れたり、或いは
フレーム全体の形状が変形するおそれがある。また、そ
の作業は大がかりで、かつ面倒なものとなるという問題
もある。
【0007】一方、上記公報に開示の浮沈構造フロート
を使用し、浮力を減じた状態で、筏の下方へ移動し、所
定位置で浮力を増大させてフロートに結び付けるという
方法も可能である。
【0008】しかしながら、この種増しフロートは、運
搬時或いは筏への装着の際、転がされたり、投げられた
りすることがあるために、フロートに突起があると、こ
れが破損するおそれがある。それ故上記公報に開示する
ような、水の出入口を管状突起構造とすること、或いは
これに限らずフロートに突起部分を設けることは好まし
くない。
【0009】このようなフロートが転がされたり、投げ
落とされたりする取り扱いが行われても、破損しにくい
構造を有する浮力調整型フロートを、本出願人におい
て、特願平9−334895号(特開平11−1510
52号)として提案している。
【0010】この場合、このような円筒中空体であって
その表面に突起物がなく、またバルブが、凹所内に設置
されている構造のフロートとすることによって、転がり
やすく取り扱い性が増す上に、該フロートを転がしても
これが他の物に衝突するおそれは少なく、破損の危険性
も少なくなる。
【0011】また、フロート本体にバルブ及び給排水用
開口が設けてあるので、フロートを筏に設置する場合、
該フロートを海水面に設置したら、それらバルブ及び給
排水用開口で容易にフロート本体内のエアの量を増減す
ることが行え、浮力を自在に調整し、増しフロートとし
て簡便に使用できるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】而るに、上記出願(特
願平9−334895号)に提案せる、下面に給排水用
開口なる開放口を持つフロートにあっては、フロート内
の空気減少を生じるので、長期使用に際しては、給気の
必要があり、定期的なメンテナンスを必要とする。また
同フロートのような内部に補強板を持たない中空構造で
は、長期の使用に際して、波力等の外力によりその変形
を許してしまい、そのフロートの変形は、フロートと筏
を繋ぐロープまたは鋼線製のフロートバンドが緩むとい
う問題を招く等の欠点があった。
【0013】本発明は、上記の点に鑑み成されたもの
で、これら、安定した浮力を得るには問題となるフロー
ト内空気減少と、フロート自体の機械的強度の不十分さ
からフロートを筏に着実に装着保持できないというよう
な問題に鑑み成されたもので、フロート内に給排気、給
排水用の連通孔を有して補強体となる中空パイプを配す
とともに、フロートに設けた給排水用の下面開放口に
は、一方向バルブを設けるという構造によって、これら
の問題を解決した改良された浮力調整型フロートを提供
することを目的とする。
【0014】なお、下面開放口を持つフロートによる空
気ロス(浮力減)の原因は、下記による。 1.筏の動揺によって、フロートが傾斜し、フロート内
空気がオーバーフローする。 2.水温の変化による膨脹収縮により、フロート内空気
がオーバーフローする。 3.フロートの喫水が波浪等により変動することによ
り、フロート内圧力が変化し、フロート内の内圧力が高
圧から低圧になる場合に、体積膨脹し、フロート内によ
りオーバーフローする。
【0015】特に、牡蠣筏等の増しフロートして使用す
る場合は、取り付け時は浮力0であり、すなわちバラス
ト水完全満水状態でセットされ、完了後は、完全にエア
ーを入れた状態で使用されるケース(バラスト水完全排
水状態)が殆どであり、上記の空気減少を生じ易いので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る浮力調整型
フロートは、円筒中空体よりなるフロート本体と、該フ
ロート本体内において、その直径方向かつ上下方向に固
定され上記フロート本体の形状を維持補強する中空パイ
プよりなるとともに該パイプに上記フロート本体内に連
通する孔が形成されてなる補強体と、該補強体の上端に
固定され給排水及び給排気を行うバルブと、上記フロー
ト本体の下部に穿設された給排水及び給排気用開口と、
該開口に固定され上記フロート本体内の空気又は水を排
気又は排水する一方向バルブとを備えてなるものであ
る。
【0017】かかる構成において、フロート下部の給排
水用開口には、一方向バルブがあって、フロート外への
排水のみを許し、フロート内へ水侵入は阻止するように
なっているので、フロート本体内からの空気排出は無く
なり、フロートの浮力は安定し、筏に大きな揺れが起き
ず、牡蠣等が筏から脱落することなどを防げる。
【0018】また、フロート本体内部には、上下方向に
固定した中空パイプからなる補強体を設けてあるので、
フロートの機械的強度が増し、波浪等でフロートが変形
することは防止されるとともに、長期使用によりフロー
ト内が減圧状況となっても、フロートの変形を極力抑え
ることができ、筏を係留するロープ等の緩みも殆ど無く
なる。これにより筏を安定して設置でき、養殖を順調に
行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を、図面
に基づき説明する。
【0020】図1、図2において、10は、両端面が断
面円弧状に膨出せしめられた円筒中空体よりなるフロー
ト本体で、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、例えばポリ
エチレン(PE)樹脂にて構成される。11、11は、
円筒体部分の中間に適当な間隔を隔てて円周状に形成さ
れた溝で、フロート本体10の形状を補強するととも
に、筏のフレームに固定するに際しワイヤを通すための
ものである。
【0021】ここで、フロート本体10は、回転成形に
より作製される。すなわちフロート本体10形状のキャ
ビティを有する一対の金型内にPE樹脂を入れ、金型を
加熱し樹脂を溶融し、金型を回転することによりキャビ
ティ内面に一定肉厚のPE樹脂層を形成した後、自然放
冷さらに冷却水をかけて冷却し、金型を分割して成形品
であるフロート本体10を取り出すのである。
【0022】12は、フロート本体10の円周面のほぼ
中央部域に形成された円形状の凹所で、その中央には外
周面にネジ13b(図4参照)が形成されている嵌合筒
13が、円筒体の外に突出しないような高さで突設形成
されている。
【0023】14は、この嵌合筒13の口部を通して、
上方よりフロート本体10内に嵌挿されて、取り付け固
定される中空パイプで、フロート本体10の補強の作用
と、フロート本体10内にバラスト用の水、例えば海水
を給排水したり、或いは浮力を調整するための空気を給
排気する作用をするものとなっている。
【0024】すなわち、このフロート本体10内に差し
込まれた中空パイプ14の下端は、上記嵌合筒13と対
向するようにフロート本体10下部の内底面に突設形成
されている先端が丸まった形の位置決め突起21に嵌合
固定される。これにより、中空パイプ14は、上下方向
および直径方向に固定されて、フロート本体10内のほ
ぼ中間位置にて支柱のごとく存在し、フロートがつぶれ
ないように防止する補強体としての役目を果たすものと
なっている。
【0025】また、この中空パイプ14の円周面には、
フロート本体10内と連通する連通孔22が複数個、穿
設形成されている。例えば、中空パイプ14の上方に連
通孔22が2個形成され、下方に連通孔22が8個形成
されるという具合である。このように設けたこれらの連
通孔22,22,……により、フロート本体10に対し
ての給排水、給排気がなされるようになっている。
【0026】なお、給排水、吸排気のためのこの連通孔
を設ける位置、およびその孔の数等は、適宜に設定すれ
ばよい。
【0027】23は、上記中空パイプ14ならびに嵌合
筒13の口部に栓体のごとく覆着され、図4に示すよう
に、そこに着脱自在とされる供給用のゴムホース24を
介して、海水および空気が、ポンプ(図示せず)により
供給されようにしたゴム製のバルブであり、空気および
海水が供給されるときの供給圧力により、下端の弁部2
5が図6に示すように開き、中空パイプ14内へと海水
および空気が導入されるよう開閉制御する。
【0028】すなわち、このバルブ23は、図5、図6
に示すように、径大の円形部26aと径小の円形部26
bとから成るとともに、その中央部には上記ゴムホース
24を差し込むための差込み凹所27が形成され、さら
にその凹所27底部から細い通孔が縦に連通形成され
て、空気および水(海水)の供給路28が形成されてい
る。そして、供給路28の先端(下端)に位置して設け
られているゴムバルブの小さくて薄い厚さの円盤状部に
は、その片端(左端)から水平に半径分だけ切り込み2
9(スリット)を入れられることによって、円盤状部の
半円部分だけが、普段は実線図に示すごとく供給路28
の先端口を弾性力で閉じている状態にあり、一方、空
気、水が供給されるときにはその供給圧によって外方へ
曲がり、供給路28と中空パイプ14内空間とを連通す
るようにめくれ上がって開くという弾性的な開閉動作を
する弁部25を有しているのである。
【0029】30は、上記バルブ23の外周に一体形成
したリング状のシール部で、バルブ23が中空パイプ1
4上部口に嵌着されたとき、パイプ14内周面に強く密
着してその口部の封止を確実にする。一方、このバルブ
23の差込凹所27に差し込まれるゴムホース24が簡
単には抜けないように、その差込端部には、竹の子の根
本部のように輪状をした抜け止め用の段付き部31が設
けられている。
【0030】また、33は、上記バルブ23および嵌合
筒13を共に保護するように上記嵌合筒13のネジ部1
3bに螺装される保護キャップで、ポリエチレン(P
E)樹脂等より構成される。
【0031】15は、フロート本体10の円周面上であ
って、凹所12に対し反対側の位置、すなわち凹所12
及びバルブ23の位置を上とすると下側に穿設された給
排水用開口である。この開口15は、いずれか一方の端
部側にずれて位置せしめられている。開口15をこのよ
うなずらした位置に設けたのは、フロートを陸上に上げ
たとき内部の水を流出しやすくするためである。すなわ
ち、開口15側が下となるようフロート本体10を傾斜
させれば、排水がしやすくなるのである。
【0032】そして、この開口15にはフロート本体1
0内の空気を排気したり、又は水を排水したりするとい
う排気および排水作用のみを可能とする一方向バルブ3
5が着脱自在に装着されている。すなわち、この一方向
バルブ35は、ゴムなど弾性体(例えば、EPDM)よ
りなり、その構造は図7、図8及び図9に示すように、
中央部の底が内側に凹み、その凹みを取り囲むようにそ
の外側周囲に、断面半円弧状をした環形部36が立ち上
がるように一体形成された半径Rの円形体状の構造物で
ある。そしてその一方向バルブ35は、その環形部36
の先端部の厚みをその本体部分よりは薄く形成してその
部分を変形自在とさせてあり、これにより、後で詳述す
るが、フロート内の水圧又は空気圧が上昇したときに
は、外側(矢印)方向に撓んで、開口15を開かせるよ
うに作用するリップ弁36Vを形成している。
【0033】また、一方向バルブ35の本体部分の裏側
には、全周で複数個の、実施例では3個の取付け用の係
止片37が所要間隔を隔てて突出形成されている。各係
止片37はその先端に外側に向かって直角に突出した係
止爪38を有している。なお、上記係止片37および係
止爪38は、図8に示すように、一方向バルブ35の中
心とする一定半径R1、R2の円に沿う形で曲がってい
る円弧形状を成している。また、係止爪38の数は、3
個とは限らず、適当数に設定することができる。
【0034】上記一方向バルブ35の取り付け方を説明
すれば、バルブ35をフロート本体10の開口15に下
からあてがい、バルブ35の係止爪38を開口15に押
し入れる。すると、押し入れる際に内側に曲がるように
弾性変形していた係止片38は、元の垂直に近い状態に
復帰し、図7に示すように、係止爪38は直角に横に曲
がった状態に戻り、開口15の口縁に内側から引っ掛か
り固定される。
【0035】一方、バルブ外周の環形部36先端のリッ
プ弁36Vは、開口15周辺におけるフロートの下部壁
15Dに下側から全体的に当たる。このように、一方向
バルブ35は、その係止爪37とその環形部先端、すな
わちリップ弁36Vとで、フロートの下部壁15Dを挟
持するような状態で装着される。しかも、一方向バルブ
の環形部36は、図7に示すよう、その成型時の立ち上
がった形態を維持し、フロートの下部壁15Dにその弾
性力で強く弾接するため、下部壁15Dとの間に隙間を
作らず、開口15をフロート外部と連通しないように、
リップ弁36Vは閉じた状態に保持している。
【0036】16、16はフロート本体10のバルブ2
3が位置する側と同じ側、すなわち上側の端部に形成さ
れた一対の凹所で、この凹所16、16の相対向する側
壁に孔が穿設され、この孔にパイプ17が貫通せしめら
れ接着固定される。このパイプ17により係留孔18が
形成される。なお、パイプ17が孔を塞ぐことにより、
この部分におけるフロート本体10の水密性が維持され
る。
【0037】ここで、フロート本体10の寸法の一例を
挙げると、円筒体の直径は75cm,高さ115cm,
中空パイプの内径4cm、外径4.7cm,上部の2個
の連通孔の直径1.2cm、下部の8個の連通孔の直径
1.0cm,溝11の幅3cm,深さ2cm,間隔74
cm,端部膨出面の曲率75cm,肉厚7〜8cm,給
排水用開口15(円形)の直径10cm,一方向バルブ
の直径(R)14cm,その環形部の曲率r2.0c
m、係止片の外径10cm,係止爪の外径12cm,パ
イプ17の長さ15cm,係留孔18の内径2.5cm
とすることができる。
【0038】さて、上記した構造の本発明のフロートの
使用方法について説明すると、フロートは、先ず海面に
浮かんだ状態で、その給水用開口15が上を向くように
回転させ、そこにある一方向バルブ35を取り外した
後、給水用開口15に取りつけた給水ホースにより海水
を流入させて、その浮力を減じる。給水後、一方向バル
ブ35を取りつける。かかる状態で、図示しないが、孟
宗竹を格子状に組んで形成した筏フレームの下方に移動
せしめられる。この移動は、作業者が係留孔18にロー
プ20を通してこれを引っ張ることによりなされる。
【0039】そして、フレーム19の所定位置にまで移
動した後、ロープ20はフレーム19に繋がれ、再び給
水用開口15を下側にするようにフロートを逆回転さ
せ、上に位置したバルブ23の保護キャップ33が取り
外され、給気用ホース24がバルブ23に連結されて、
コンプレッサよりエアがフロート本体10に給気され
る。このとき、バルブ23の弁部25は、その給気圧に
より、図6の破線図に示すように下側に曲げられて開く
ので、中空パイプ14内へと給気され、さらに中空パイ
プ14の連通孔22からフロート本体10内へと給気さ
れる。
【0040】こうして、フロート本体10へ給気され、
そのフロート内圧力が上昇すると、一方向バルブ35の
リップ弁36Vが、図7の破線図に示すように、今まで
接していたフロート本体の下部壁15Dから離れるよう
に開き、これにより海水は、矢印のようにフロート外に
排出される。こうしてフロート本体10内へ徐々に空気
が導入されて、フロート本体10の浮力が増し、その上
部がフレーム19に接触する状態となったとき、溝11
にワイヤ21を巻き、フロート本体10をフレーム19
に強固に固定する。
【0041】その後、さらにフロート本体10に空気が
送り込まれ、完全に水が排出され、空気と入れ替われ
ば、浮力は最大とされる。そして、給気用ホース24が
外され、保護キャップ33がバルブ23に被されれば、
フロートの設置は完了する。
【0042】かくして、1個の増しフロートの設置が終
了し、同様の方法で必要な数のフロートが設置される。
以後、フロートの浮力の調整は、必要に応じ増減され
る。この場合、通常はかきの成長に伴って筏は沈むか
ら、その場合には、再びバルブに給気用ホースを接続す
ることにより、フロートには給気されてその浮力が増大
される。また、台風等海面に波が立つときは、バルブを
取り外し、フロートのエアを抜き、乾舷を低くして筏の
揺れを抑える措置をとることができる。
【0043】このように、給水用開口15に一方向バル
ブ35を取り付けることにより、バラスト水の排出を可
能としながら、波動によりフロートが変動し、フロート
内圧力を変化させ浮力を変動させ、筏の設置を不安定と
させるフロート外よりの水の侵入を防ぐことができる。
【0044】また、フロート内は水の排出のみで、外部
より水侵入等は無いことから、長期使用の際、フロート
内圧力は徐々に減圧状態(0.8kg/cm2)となる
が、フロート内の中間に中空パイプ14を立設するとい
う構造により、フロートが補強され、その変形が抑えら
れて、フロート内容積が減少しないので、浮力のロスは
ほとんど生じないようにすることができ、牡蠣筏は安定
し、養殖を順調に行えるようになる。
【0045】なお、フロートへのバラスト用の水流入
は、中空パイプ14を介して行うことも可能である。そ
の場合は、中空パイプのキャップ、バルブを取り外し、
給水ホースで中空パイプに水を流入させると、中空パイ
プに設けた連通孔が給水孔となって、フロート内へ入り
込み、給水される。この場合、フロート内の空気は、中
空パイプ14の上端の開口から排気される。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フロート本体の下面に位置している給水用開口に、フロ
ート内からの水の排出のみをさせる一方向バルブを装着
し、従来のように給水口が開き放しとならないフロート
構造としたので、従来この開放口からフロートが波によ
り変動した場合には、空気が逃げたり、或いは水が侵入
しフロート内圧力を変化させてしまうことから、浮力が
減じてしまうというような問題は生じなくなり、長期に
渡って安定した浮力を維持し、牡蠣筏等に設置してその
取扱性が良くなりその養殖が順調に行なわれるようにな
るフロートとすることができる。
【0047】また、長期の使用に際して、給水開口は一
方向バルブにて閉じられているため、空気流出は防がれ
ているので、従来のような所定の浮力を得るために定期
的に必要としていた給気の管理は無くなり、メンテナン
ス性も向上する。
【0048】またフロート内部に上下方向およびその直
径方向に固定された中空パイプを設けた構造とし、堅牢
化を図ったので、波力等の外力がかかっても、フロート
の変形は抑えられ、外部衝撃に強い構造とすることがで
きる。したがって、従来のような、フロートの板厚を増
して強度を得ていた場合に比べ、経済性を損なわせない
でフロートを補強することができるとともに、このよう
に中空パイプで補強され、変形を防止されたものであれ
ば、このフロート本体をロープのゆるみなど無くして筏
に係留することができ、所要の浮力を長期に維持できる
ようになる。
【0049】そして、この中空パイプにフロート内と連
通する給気、給水用の連通孔を設けて、中空パイプに給
気、給水用パイプとしての機能を持たせたので、部品点
数を多く必要としないで給気、給水構造を形成すること
ができる。
【0050】さらに、中空パイプを介しての給気による
フロート内圧力の上昇に基づいて、一方向バルブが開
き、フロート内の水を排出しそれに見合う空気が自動的
に供給されるので、浮力調整が迅速に行えるようにな
る。この浮力調整作業の容易性により、かき養殖筏のよ
うに、養殖当初と終了時とで筏にかかる重量が異なる場
合(かきの場合徐々にその重量が増す)に、本発明構造
のフロートは、増しフロートとして有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る浮力調整型フロート
の斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】補強のためフロート本体内に設置される中空パ
イプの斜視図である。
【図4】空気および水の供給のためのゴムバルブを上部
に装着した中空パイプの上部部分の拡大構造図である。
【図5】上記ゴムバルブの斜視図である。
【図6】図6のB−B線断面図である。
【図7】水のフロート外へのみの通流を可とするように
一方向バルブが装着されたフロートの給水用開口部の構
造断面図である。
【図8】上記一方向バルブの部分平面図である。
【図9】上記一方向バルブの縦断面図である。
【図10】かき筏の一般的構造を示す斜視図である。
【図11】かき筏の一般的構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 かき筏 2a,2b 孟宗竹 3 フロート 10 フロート本体 13 嵌合筒 14 中空パイプ 15 給水用開口 21 位置決め突起 22 連通孔 23 ゴムバルブ 25 弁部 35 一方向バルブ 36V リップ弁 37 係止片 38 係止爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 真二 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 (72)発明者 山下 英樹 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 Fターム(参考) 2B106 NA14 NA19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒中空体よりなるフロート本体と、該
    フロート本体内において、その直径方向かつ上下方向に
    固定され上記フロート本体の形状を維持補強する中空パ
    イプよりなるとともに該パイプに上記フロート本体内に
    連通する孔が形成されてなる補強体と、該補強体の上端
    に固定され給排水及び給排気を行うバルブと、上記フロ
    ート本体の下部に穿設された給排水及び給排気用開口
    と、該開口に固定され上記フロート本体内の空気又は水
    を排気又は排水する一方向バルブとを備えてなる浮力調
    整型フロート。
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