JP2002078432A - 浮力調整型フロート - Google Patents

浮力調整型フロート

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JP2002078432A
JP2002078432A JP2000270007A JP2000270007A JP2002078432A JP 2002078432 A JP2002078432 A JP 2002078432A JP 2000270007 A JP2000270007 A JP 2000270007A JP 2000270007 A JP2000270007 A JP 2000270007A JP 2002078432 A JP2002078432 A JP 2002078432A
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buoyancy
pipe
water supply
hollow pipe
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JP2000270007A
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Masayuki Hirata
正幸 平田
Hiroshi Ono
博 大野
Shinji Fujimoto
真二 藤本
Hideki Yamashita
英樹 山下
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Molten Corp
Original Assignee
Molten Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロート本体強度を増した構造とし、かつ波
動の揺れによる水の侵入を防止し浮力の安定性を得るよ
うに図り、設置、浮力の調整作業等全般的な取扱性が向
上し、かき筏の増しフロートとして好適な浮力調整型フ
ロートを得る。 【解決手段】 ポリエチレン樹脂等より成る両端面が膨
らんだ円筒中空体のフロート本体10内の中間部位当た
りに、中空パイプ14を上端は給排水口12にネジ16
にて下端はフロート底部の位置決め突起21に係止させ
て立設固定し強度の高い構造のフロートとなす。給排水
口に併設する給気口23に設けた一方向バルブ24を介
して給気されると、その内圧上昇によりフロート内の水
が中空パイプ下端の連通部20からパイプ内へと入り給
排水口から排出されて、浮力調整が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚類養殖筏、牡蠣
筏等の筏においてその増しフロートして用いられるに好
適な浮力調整型フロートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かきの養殖に際しては、稚貝を付
着した貝殻を多数固定した針金をかき筏から海中に吊り
下げてなされる。図12および図13は、従来構造のか
き筏1を示し、直径約10cm、長さ約10mの孟宗竹
2a、2bをワイヤ(図示せず)等で格子状に組んで作
られることが多い。すなわち、40〜50本の横竹2a
を約45cm間隔で並べ、この上に約3mの間隔で、押
さえ用の孟宗竹2bを配列して、ワイヤ等で結び、フロ
ート3を固定するのである。そして、横竹2aと押さえ
用の竹2bの間に形成される空間から、かきの稚貝(図
示せず)を付着した貝殻4、4…を多数固定した針金5
が海中に吊り下げられる。
【0003】通常、養殖当初は、稚貝の貝殻4に対する
付着力は弱く、筏1が波浪、潮流等を受けて揺れると、
この稚貝が貝殻4から振り落されるおそれがある。それ
故、筏1はこの時期できるだけ静止していることが望ま
しく、乾舷は低く設定される。
【0004】しかしながら、かきは成長するにしたがっ
て重くなるから、そのままの浮力では不十分となり、途
中でフロートを増加させる必要がある。その方法とし
て、従来クレーンで筏1を持ち上げて、筏1の下に増し
フロートを差し込む方法が採られている。このフロート
としては、発泡スチロールを使用した一定の浮力をもつ
フロートが一般的である。
【0005】また、漁網、いけす、桟橋等のフロートと
して浮沈構造のフロートも知られている(実公平8−8
49号)。この公報には、フロートに水の出入口を設
け、フロート内に海水を注入し、その量に応じて浮力を
調整するものであり、水の出入口に管を突起状に形成し
た構造が開示されている。
【0006】上記のように筏の一端をクレーンで持ち上
げてフロートを筏下面に差し込む方法では、筏のフレー
ム(通常、孟宗竹をワイヤで結んで作製される)に大き
な折れ曲がり力が加わるためにこれが折れたり、或いは
フレーム全体の形状が変形するおそれがある。また、そ
の作業は大がかりで、かつ面倒なものとなるという問題
もある。
【0007】一方、上記公報に開示の浮沈構造フロート
を使用し、浮力を減じた状態で、筏の下方へ移動し、所
定位置で浮力を増大させてフロートに結び付けるという
方法も可能である。
【0008】しかしながら、この種増しフロートは、運
搬時或いは筏への装着の際、転がされたり、投げられた
りすることがあるために、フロートに突起があると、こ
れが破損するおそれがある。それ故上記公報に開示する
ような、水の出入口を管状突起構造とすること、或いは
これに限らずフロートに突起部分を設けることは好まし
くない。
【0009】このようなフロートが転がされたり、投げ
落とされたりする取り扱いが行われても、破損しにくい
構造を有する浮力調整型フロートを、本出願人におい
て、特願平9−334895号(特開平11−1510
52号)として提案している。
【0010】この場合、このような円筒中空体であって
その表面に突起物がなく、またバルブが、凹所内に設置
されている構造のフロートとすることによって、転がり
やすく取り扱い性が増す上に、該フロートを転がしても
これが他の物に衝突するおそれは少なく、破損の危険性
も少なくなる。
【0011】また、フロート本体にバルブ及び給排水用
開口が設けてあるので、フロートを筏に設置する場合、
該フロートを海水面に設置したら、それらバルブ及び給
排水用開口で容易にフロート本体内のエアの量を増減す
ることが行え、浮力を自在に調整し、増しフロートとし
て簡便に使用できるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】而るに、上記出願(特
願平9−334895号)に提案せる、下面に給排水用
開口なる開放口を持つフロートにあっては、フロート内
の空気減少を生じるので、長期使用に際しては、給気の
必要があり、定期的なメンテナンスを必要とする。また
同フロートのような内部に補強板を持たない中空構造で
は、長期の使用に際して、波力等の外力によりその変形
を許してしまい、そのフロートの変形は、フロートと筏
を繋ぐロープまたは鋼線製のフロートバンドが緩むとい
う問題を招く等の欠点があった。
【0013】本発明は、上記の点に鑑み成されたもの
で、これら、安定した浮力を得るには問題となるフロー
ト内空気減少と、フロート自体の機械的強度の不十分さ
からフロートを筏に着実に装着保持できないというよう
な問題に鑑み成されたもので、フロートの同一面側にそ
れぞれ着脱自在な蓋部材で閉塞した給気口と給排水口と
を設け、下部にフロート内空気減少をもたらす給排水用
の開放口を存在させず、そしてフロート内には補強体と
なる中空パイプを配し、このパイプ下端に設けた切り欠
き孔等の連通部を介して水はパイプ内に導入され上昇し
て上記給排水口より排出可能となり、かつ給気口には、
一方向の給気用バルブを設けるという構造によって、こ
れらの問題を解決した改良された浮力調整型フロートを
提供することを目的とする。
【0014】なお、下面開放口を持つフロートによる空
気ロス(浮力減)の原因は、下記による。 1.筏の動揺によって、フロートが傾斜し、フロート内
空気がオーバーフローする。 2.水温の変化による膨脹収縮により、フロート内空気
がオーバーフローする。 3.フロートの喫水が波浪等により変動することによ
り、フロート内圧力が変化し、フロート内の内圧力が高
圧から低圧になる場合に、体積膨脹し、フロート内によ
りオーバーフローする。
【0015】特に、牡蠣筏等の増しフロートして使用す
る場合は、取り付け時は浮力0であり、すなわちバラス
ト水完全満水状態でセットされ、完了後は、完全にエア
ーを入れた状態で使用されるケース(バラスト水完全排
水状態)が殆どであり、上記の空気減少を生じ易いので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る浮力調整型
フロートは、円筒中空体よりなるフロート本体と、該フ
ロート本体内において、その直径方向かつ上下方向に固
定された中空パイプと、該パイプの下方に形成され、該
パイプ内と上記フロート本体内とを連通する連通部と、
上記パイプの上端に形成された蓋部材と、上記フロート
本体の上部に形成された上記フロート本体内への給水又
は給気のみが可能なバルブと、該バルブ上に着脱自在に
形成された蓋部材とを備えてなるものである。
【0017】かかる構成において、フロート下部には給
排水用の開放口は無いので、フロート本体内からの空気
排出は無くなる。また給気口にはフロート内への給気の
み許す一方向バルブを設けているので、そこからの空気
流出の心配もない。これにより、フロートの浮力は安定
し、筏に大きな揺れが起きず、牡蠣等が筏から脱落する
ことなどを防げる。
【0018】また、フロート本体内部には、上下方向に
固定した中空パイプからなる補強体を設けてあるので、
フロートの機械的強度が増し、波浪等でフロートが変形
することは防止されるとともに、長期使用によりフロー
ト内が減圧状況となっても、フロートの変形を極力抑え
ることができ、筏を係留するロープ等の緩みも殆ど無く
なる。これにより筏を安定して設置でき、養殖を順調に
行えるようになる。また、中空パイプの下部にフロート
内と連通する連通部を有しているので、フロート内の水
は上記連通部より導入されパイプ内を上昇してスムーズ
に排出できるようになっている。こうして、フロート下
部に開放口を存在させないことにより、フロート内空気
減少が防止される。また、給気口、給排水口がフロート
の同一面側にあるので、浮力調整のための給排気、給排
水作業が容易に行えるようになる。さらに、フロート内
に立設するパイプは、給排水口から差し込まれ、ネジに
てその上部固定がなされれば、パイプ下端はフロート底
面に固定されて固定可能となっているので、パイプのフ
ロート内セッティングも簡単になせる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を、図面
に基づき説明する。
【0020】図1ないし9において、10は、両端面が
断面円弧状に膨出せしめられた円筒中空体よりなるフロ
ート本体で、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、例えばポ
リエチレン(PE)樹脂にて構成される。11、11
は、円筒体部分の中間に適当な間隔を隔てて円周状に形
成された溝で、フロート本体10の形状を補強するとと
もに、筏のフレームに固定するに際しワイヤを通すため
のものである。
【0021】ここで、フロート本体10は、回転成形に
より作製される。すなわちフロート本体10形状のキャ
ビティを有する一対の金型内にPE樹脂を入れ、金型を
加熱し樹脂を溶融し、金型を回転することによりキャビ
ティ内面に一定肉厚のPE樹脂層を形成した後、自然放
冷さらに冷却水をかけて冷却し、金型を分割して成形品
であるフロート本体10を取り出すのである。
【0022】12は、フロート本体10の円周面のほぼ
中央部域に、下位にいくほど孔径が小さくなるように3
段状に穿設形成された円形の給排水口で、その孔口から
浮力調整のための海水などがフロート内に給排水され
る。またこの給排水口12のうちその中位段の円形孔部
12Aの内周には、図6の拡大図に示すように、ネジ1
3が刻設されている。
【0023】14は、上記給排水口12に上方よりフロ
ート本体10内に嵌挿されて、取り付け固定される中空
パイプで、中空パイプ14の上端に設けた頭部15の外
周にはネジ16が形成されており、このネジ16が上記
円形孔部12Aのネジ13に螺合して中空パイプ上端の
取付固定がなされている。ここで、この中空パイプ14
は後述するようにその下端を固定されることによって、
フロート本体10の補強の作用と、フロート本体10内
にバラスト用の水、例えば海水を給排水する作用をなす
ものとなっている。
【0024】また17は、中空パイプ14の取付後の上
記給排水口12を塞ぐための蓋部材、すなわち保護キャ
ップで、これもその外周部に設けたネジ18が、上記円
形孔部12Aの上位部分のネジ13に螺合して着脱自在
に装着されている。19aおよび19bは、それぞれ中
空パイプ14の頭部15と円形孔部12Aとの間、およ
び保護キャップ17と円形孔部12Aとの間に挿着され
たリング状のゴム製シールである。
【0025】さて、このフロート本体10内に差し込ま
れた中空パイプ14の下端は、上記給排水口12と対向
するようにフロート本体10下部の内底面に突設形成さ
れている先端が丸まった形の位置決め突起21に嵌合固
定される。これにより、中空パイプ14は、上下方向お
よび直径方向に固定されて、フロート本体10内のほぼ
中間位置にて支柱のごとく存在し、フロートがつぶれな
いように防止する補強体としての役目を果たすものとな
っている。
【0026】また、この中空パイプ14の下端部には、
図7、8に示すように、所々を矩形状に切り欠れ、フロ
ート本体10内と連通する連通部20,20……が複数
個形成されている。この連通部20,20……、すなわ
ち矩形状の切欠孔は、後述するように、フロート内にバ
ラスト水を給水するときの送水口となるとともに、空気
を供給し浮力を増す際にフロート内の水を排出させると
きに排水孔となるもので、排水時にはフロート内圧の上
昇にて、水はこの孔から中空パイプ14内に入り上昇せ
しめられて、上記給排水口12より排出せしめられる。
【0027】なお、中空パイプ14下端のこの給排水の
ための連通部20の孔形状は、実施例に示す矩形状に限
らず、円弧状など適宜な形状とすることができる。
【0028】さらに、中空パイプ14内とフロート本体
10内との連通を、このような中空パイプ14の下端部
に形成した切り欠き孔のような連通部20によらなくて
も連通させることができる。その構造は、図10及び図
11に示す如きもので、すなわち、単に中空パイプ14
の下端部14Bをフロート本体10の底面10Bに当接
させただけであってもよい。これによると、フロート本
体10内に空気供給したときそのフロート内圧力の上昇
により、フロートが膨脹しフロートの底面10Bが膨ん
で、中空パイプ14の下端部14Bとフロート底面10
Bとの間に隙間Sが生じ、その隙間Sによって、フロー
ト内と中空パイプ内とが連通状態になるからである。そ
のため、水はフロート内圧力により、この隙間Sから中
空パイプ14内に流入し、上昇し給排水口12から排出
されることが可能となるからである。
【0029】23は、上記中空パイプ14が取付られる
給排水孔12と同じフロート本体10の上面側に形成さ
れた円形状の給気口で、これも下位にいくほど孔径が小
さくなる上記給排水口12と同形態の3段状の孔部であ
る。
【0030】24は、上記給気口12の下位段の孔部に
嵌挿され栓体のごとく覆着された空気のみを供給可能と
した着脱自在なゴム製のバルブであり、図9に示すよう
に、そこに着脱自在とされる空気供給用のゴムホース2
5を介して、空気がポンプ(図示せず)により供給され
るとき、その空気供給圧力により下端の弁部27が想像
線に示すように開き、空気のみをフロート本体10内へ
と導入させるように開閉制御される一方向バルブであ
り、ゴムなど弾性体(例えば、EPDM)より形成され
ている。
【0031】すなわち、このバルブ24は、その本体部
の中央部には上記ゴムホース25を差し込むための差込
み凹所26が形成され、その空気供給路なる凹所26の
底部において設けたバルブ24の小さくて薄い厚さの円
盤状部には、その片端(左端)から水平に半径分だけ切
り込み28(スリット)を入れられることによって、円
盤状部の半円部分だけが、普段は実線図に示すごとく空
気供給路(差し込み凹所26)の先端口を弾性力で閉じ
ている状態にあり、一方、空気が供給されるときにはそ
の供給圧によって一点鎖線図のように外方へ曲がり、空
気供給路(差し込み凹所26)とフロート本体10内空
間とを連通するようにめくれ上がって開くという弾性的
な開閉動作をする弁部27を有しているのである。
【0032】29は、バルブ24をカバーするように給
気口23に装着される蓋部材、すなわち保護キャップ
で、ポリエチレン(PE)樹脂等より構成されその外周
にはネジ30が切られている。このネジ30は、給気口
23の中位段の孔部23B内周に形成したネジ31と螺
合して着脱自在に取り付け固定されている。なお、この
バルブ24を完全に取り外してしまえば、給気口23
は、排気口および給水口としても作用する。
【0033】32は、上記保護キャップ29の外周に装
着されたリング状のシール部で、給気口23との間を封
止する。また上記給気用のゴムホース25の先端部に
は、バルブ側の差込凹所から簡単には抜けないように、
竹の子の根本部のように輪状をした抜け止め用の段付き
部が設けられている。
【0034】34、34はフロート本体10のバルブ2
2が位置する側と同じ側、すなわち上側の端部に形成さ
れた一対の凹所で、この凹所34、34の相対向する側
壁に孔が穿設され、この孔にパイプ35が貫通せしめら
れ接着固定される。このパイプ35により係留孔36が
形成される。なお、パイプ35が孔36を塞ぐことによ
り、この部分におけるフロート本体10の水密性が維持
される。
【0035】ここで、フロート本体10の寸法の一例を
挙げると、円筒体の直径は75cm,高さ115cm,
中空パイプ14の内径4cm、外径4.7cm,溝11
の幅3cm,深さ2cm,間隔74cm,端部膨出面の
曲率75cm,肉厚7〜8cm,給排水口12の直径
7.5cm,一方向バルブ24の直径(R)5cm,パ
イプ35の長さ15cm,係留孔36の内径2.5cm
とすることができる。
【0036】さて、上記した構造の本発明のフロートの
使用方法について説明すると、フロートは、先ず海面に
浮かんだ状態で、その給排水口12の保護キャップ17
を取り外し、給水ホースにより海水を流入させて、その
浮力を減じる。なお、給気口23の保護キャップ29お
よびバルブ24を取り外し、そこからの海水流入も可能
である。給水後、給排水口12に保護キャップ17を装
着してその口を閉塞する。給気口23も使用したとき
は、バルブ24を元のように取付け、保護キャップ29
にて施蓋する。かかる状態で、図示しないが、孟宗竹を
格子状に組んで、筏フレームの下方に移動せしめられ
る。この移動は、作業者が係留孔36にロープ38を通
してこれを引っ張ることによりなされる。
【0037】そして、筏1の所定位置にまで移動した
後、ロープ38は筏1に繋がれ、今度は給気口23の保
護キャップ29を取り外し、覗いたバルブ24に給気用
ホース25を連結し、コンプレッサより空気をフロート
本体10に給気する。このとき、バルブ24の弁部27
は、その給気圧により、図9の一点鎖線図に示すように
下側に曲げられて開くので、空気通路から空気がフロー
ト本体10内へと給気される。
【0038】こうして、フロート本体10へ給気され、
そのフロート内圧力が上昇すると、中空パイプ14の下
端の連通部20、すなわち排水孔よりフロート内の海水
が中空パイプ14内に侵入し、上昇せしめられて、給排
水口12よりフロート外に排出される。こうしてフロー
ト本体10内へ徐々に空気が導入されて、フロート本体
10の浮力が増し、その上部が筏1下部に接触する状態
となったとき、溝11にワイヤを巻き、フロート本体1
0を筏1に強固に固定する。
【0039】その後、さらにフロート本体10に空気が
送り込まれ、完全に水が中空パイプ14を介し給排水口
12から排出され、空気と入れ替われば、浮力は最大と
される。そして、給気用ホース25が外され、保護キャ
ップ29がバルブ24に被されれば、フロートの設置は
完了する。
【0040】かくして、1個の増しフロートの設置が終
了し、同様の方法で必要な数のフロートが設置される。
以後、フロートの浮力の調整は、必要に応じ増減され
る。この場合、通常はかきの成長に伴って筏は沈むか
ら、その場合には、再びバルブに給気用ホースを接続す
ることにより、フロートには給気されてその浮力が増大
される。また、台風等海面に波が立つときは、バルブを
取り外し、フロート内の空気を抜き、乾舷を低くして筏
の揺れを抑える措置をとることができる。
【0041】このように、フロート本体の同じ面側に、
下部に中空パイプを連設結合した給排水口と、空気供給
のみを可能にする一方向バルブを取り付けた給気口を設
けることにより、バラスト水の排出を中空パイプをして
可能としたから、波動によりフロートが変動し、フロー
ト内圧力を変化させ浮力を変動させ、筏の設置を不安定
とさせるフロート外よりの水の侵入を防ぐことができ
る。
【0042】また、フロート内は水の排出のみで、外部
より水侵入等は無いことから、長期使用の際、フロート
内圧力は徐々に減圧状態(0.8kg/cm2)となる
が、フロート内の中間に中空パイプを立設するという構
造により、フロートが補強され、その変形が抑えられ
て、フロート内容積が減少しないので、浮力のロスはほ
とんど生じないようにすることができ、牡蠣筏は安定
し、養殖を順調に行えるようになる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フロートの同じ上面側に給排水口と給気口を設け、それ
ぞれの口部を着脱自在な蓋部材にて閉塞するとともに、
給気口にはフロート内への給気のみを可能とする一方向
バルブを装着して、従来のように開き放しの口を無くし
たフロート構造としたので、従来この開放口からフロー
トが波により変動した場合には、空気が逃げたり、或い
は水が侵入しフロート内圧力を変化させてしまうことか
ら、浮力が減じてしまうというような問題は生じなくな
り、長期に渡って安定した浮力を維持し、牡蠣筏等に設
置してその取扱性が良くなりその養殖が順調に行なわれ
るようになるフロートとすることができる。
【0044】また、長期の使用に際して、給気口は一方
向バルブにて閉じられているため、空気流出は防がれて
従来のような所定の浮力を得るために定期的に必要とし
ていた給気の管理は無くなり、メンテナンス性も向上す
る。
【0045】またフロート内部に上下方向およびその直
径方向に固定された中空パイプを設けた構造とし、堅牢
化を図ったので、波力等の外力がかかっても、フロート
の変形は抑えられ、外部衝撃に強い構造とすることがで
きる。したがって、従来のような、フロートの板厚を増
して強度を得ていた場合に比べ、経済性を損なわせない
でフロートを補強することができるとともに、このよう
に中空パイプで補強され、変形を防止されたものであれ
ば、このフロート本体をロープのゆるみなど無くして筏
に係留することができ、所要の浮力を長期に維持できる
ようになる。
【0046】そして、この中空パイプは、給排水口から
差込み、その上端のネジ部を給排水口のネジ部に螺合
し、下端はフロート底面に突出する位置決め突起等にて
固定する方法で、容易に取付設置することができる。そ
して、こうしてフロート内に組み入れた中空パイプの下
端に設けた切り欠き孔等による連通部にて、フロート内
から水を排出し浮力調整を適切に行えるばかりではな
く、このような孔部による連通部としなくても、単に中
空パイプの下端がフロート内底面に当接させても、給気
時に上昇する内圧てフロート全体が膨らんで生じる隙間
が連通部となって、水排出を可能にする巧妙な構造を可
能としたので、さらに部品点数を多く必要としないで給
排水構造を形成することができる。
【0047】さらに、給気のみなさせる一方向バルブを
備えた給気口と給排水口とが同一の上面側にあるので、
給気用、給水用のホースの連結作業等が行い易くなっ
て、浮力調整が迅速に行えるようになりフロート設置の
全体作業が改善される。これにより、かき養殖筏のよう
に、養殖当初と終了時とで筏にかかる重量が異なる場合
(かきの場合徐々にその重量が増す)に、本発明構造の
フロートは、増しフロートとして有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る浮力調整型フロート
の斜視図である。
【図2】フロートの平面図である。
【図3】フロートの要部を破断して示す正面図である。
【図4】フロートの左側面図である。
【図5】給排水口と給気口との構造を示した図3におけ
る要部拡大断面図である。
【図6】補強のためフロート本体内に設置される中空パ
イプ上部がネジにて給排水口に取付られる構造を示す構
造図である。
【図7】下端に連通部(排水孔)を有した中空パイプ下
端がフロート内底部の位置決め突起にて取付られる構造
を示す要部拡大構造図である。
【図8】下端に連通部(排水孔)を有した中空パイプの
部分斜視図である。
【図9】フロート内への給気のみを可とするように給気
口にセットされた一方向バルブの断面図である。
【図10】下端をフロート内底面に当接して位置決めし
た他の実施例にかかる中空パイプの要部拡大構造図であ
る。
【図11】図10の構造において、フロート内の給気に
て高まる内圧にて、中空パイプ下端に隙間が形成され、
排水可能となる模様を示す図である。
【図12】かき筏の一般的構造を示す斜視図である。
【図13】かき筏の一般的構造を示す側面図である。 1 かき筏 2a,2b 孟宗竹 3 フロート 10 フロート本体 10B フロート底面 12 給排水口 13 ネジ 14 中空パイプ 14B 中空パイプの下端部 16 ネジ 17 保護キャップ 20 連通部 21 位置決め突起 23 給気口 24 バルブ 25 給気用ホース 29 保護キャップ 30,31 ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 真二 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 (72)発明者 山下 英樹 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 Fターム(参考) 2B104 CA01 CC02 CC10 CG08 DD01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒中空体よりなるフロート本体と、該
    フロート本体内において、その直径方向かつ上下方向に
    固定された中空パイプと、該パイプの下方に形成され、
    該パイプ内と上記フロート本体内とを連通する連通部
    と、上記パイプの上端に形成された蓋部材と、上記フロ
    ート本体の上部に形成された上記フロート本体内への給
    水又は給気のみが可能なバルブと、該バルブ上に着脱自
    在に形成された蓋部材とを備えてなる浮力調整型フロー
    ト。
  2. 【請求項2】 上記パイプは、その両端がそれぞれ上記
    フロート本体の上面および下面に固定され、上記フロー
    ト本体の補強体として機能するものである請求項1記載
    の浮力調整型フロート。
  3. 【請求項3】 上記パイプは、その上端部分外周にネジ
    が刻設されるとともに、上記パイプの上記ネジに対応す
    る部分にこのネジにかみ合うネジが形成されてなり、上
    記パイプがこのネジにて固定されたとき、その下端が上
    記フロート本体の底部内面に当接せしめられる請求項1
    又は2記載の浮力調整型フロート。
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