JP2001095347A - 茶畝跨走型茶葉摘採機における後方視界を確保した中継移送装置 - Google Patents

茶畝跨走型茶葉摘採機における後方視界を確保した中継移送装置

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JP2001095347A
JP2001095347A JP2000275606A JP2000275606A JP2001095347A JP 2001095347 A JP2001095347 A JP 2001095347A JP 2000275606 A JP2000275606 A JP 2000275606A JP 2000275606 A JP2000275606 A JP 2000275606A JP 2001095347 A JP2001095347 A JP 2001095347A
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leaf
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Susumu Masuda
進 増田
Koji Watanabe
貢次 渡辺
Yoshimasa Suzuki
由昌 鈴木
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Kawasaki Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 茶畝跨走型茶葉摘採機において一挙に大量の
摘採茶葉を、ほとんど傷めることなく、摘採機体から収
容部まで積極的に移送するとともに、操縦者の後方視界
を充分確保するようにした新規な中継移送装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明の中継移送装置5は、茶葉Aの受
入れ側が摘採機体3の後方において、作業進行方向に向
かって開口され、また移送装置の吐出部53が、移送装
置の始端より充分上方に設定されるとともに、収容部4
の上方において茶葉Aを受け入れるために開口された部
位に臨むように設けられ、受入れ側から吐出部53に到
る間は、操縦者用シート27に座った作業者の後方視界
を充分確保し得るように、摘採機の後方中央の範囲を迂
回するように形成されるとともに、摘採機体3後方から
収容部4の上方まで茶葉Aを移送する茶葉移送路52a
が、断面積をほぼ一定に維持するように、なめらかに変
更されて成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本出願人がすでに
出願に及んでいる特願平10−231384号(特開2
000−60269号)「茶畝跨走型茶葉摘採機におけ
る茶葉収容構造」に開示された発明の一部であって、茶
畝を跨いで走行する走行機体に、茶葉の摘採を行う摘採
機体を具えるとともに、摘採機体の後方に収容部を設け
た茶葉摘採機に関し、特に一挙に大量の摘採茶葉をほぼ
傷めることなく、摘採機体から収容部の上方まで上昇移
送することを前提としながら同時に、摘採機に乗車した
操縦者の後方視界を充分に確保できるようにした新規な
中継移送装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】茶園における摘採作業の合理化の要請に
従い、乗用型、自走型等の茶葉摘採機が種々開発されて
いる。これらは基本的には茶畝を跨ぐように走行する走
行機体に対して、茶葉を摘採する摘採機体を茶畝上面に
位置するように設け、摘採した茶葉を摘採機体の後方等
に設けられた収容部に移送し、収容する形態を採るもの
である。そしてこのような茶葉摘採機においても、合理
化の要請に伴い、摘採した茶葉を一挙に大量に収容でき
る収容機構が案出されてきている。この従来手法は、い
ずれも刈り取った茶葉を、移送途中において、例えば摘
採機の側部に一旦集約した後、移送風によって収容部ま
で上昇移送し、順次異なった移送態様の下に最終的に収
容部に収容するものであった。
【0003】しかしながらこのような移送手法では、途
中で移送態様を変える都度、例えば移送部断面が急激に
狭められたりするため、茶葉が相互にあるいは他の移送
部材に衝突したりして茶葉に傷みを生じさせることがあ
った。このようなことから本出願人は、一挙に大量の茶
葉を収容可能としながらも、摘採した茶葉をほとんど傷
めることがない収容構造の開発を試み、特願平10−1
57979号(特開平11−346535号)「茶畝跨
走型茶葉摘採機における茶葉収容構造」の特許出願に至
っている。この特開平11−346535号には、摘採
した茶葉を移送途中で集約することなく、茶葉の移送態
様を維持したまま、摘採機体から収容部まで、そのまま
送り込む中継移送装置が開示され、茶葉にほとんど傷み
を生じさせないという点で優れた効果を発揮するもので
あった。
【0004】しかしながらこのような中継移送装置は、
外観上、操縦者の後方に立ち壁のように設けられること
が多く、これに起因して操縦者の後方視界が確保し難い
という問題や、収容部に収容した茶葉の収容姿が確認し
難いという問題、あるいは偏った収容姿を直す際にも中
継移送装置が邪魔壁のように存在するため、その都度操
縦者が、摘採機から降りて収容部に行かなければならな
いという問題等が生じ、またこのようなことに起因して
場合によっては収容状況を確認するための作業者を常時
収容部に配置しなければならないことがあった。
【0005】このような背景から本出願人は、原出願
(特開2000−60269号)「茶畝跨走型茶葉摘採
機における茶葉収容構造」において、一挙に大量の茶葉
をほとんど傷めることなく収容しながら、同時に操縦者
の後方視界を充分確保し得る茶葉収容構造の開発を試み
た。
【0006】
【分割出願を試みた技術的事項】この原出願では、中継
移送装置を、摘採機の後方中央の範囲を迂回するように
形成することによって後方視界を確保するものである
が、端に中継移送装置を迂回形成したのでは茶葉の移送
方向や移送速度が急激に変えられ、茶葉を不用意に傷め
ることが懸念されるため、移送路内の断面積をほぼ一定
に維持するように移送路内の断面をなめらかに変更する
ようにし、これによって摘採した茶葉を傷つけずに収容
する技術内容が開示されている。しかしながら、摘採機
体から収容部の上方まで茶葉を積極的に上昇移送する中
継移送装置が、後方視界を確保し、もって後退時の安全
な運転と、前進作業時において作業進行に併せ、その都
度、茶葉の収容量の確認を可能とすると共に、更には茶
葉に生じさせる傷みを可及的に抑えるものであることを
考慮すると、中継移送装置、それ自体でも原出願から独
立して評価し得る技術的価値を有するものであるため、
原出願を分割出願に及び、別途権利取得を試みるもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
茶畝跨走型茶葉摘採機における後方視界を確保した中継
移送装置は、操縦者用シートを具え茶畝を跨ぐように走
行する走行機体と、茶畝上面に位置するように前記走行
機体に取り付けられて茶葉の摘採を行う摘採機体と、こ
の摘採機体の後方に設けられ茶葉を収容する収容部とを
具えた茶葉摘採機に搭載され、走行機体の進行に伴い、
摘採機体によって摘採した茶葉を収容部に送り込むよう
にしたダクト状の移送装置において、前記移送装置は、
摘採茶葉の受入れ側が摘採機体の後方においてその作業
進行方向に向かって開口しており、また移送装置の茶葉
の吐出部は、移送装置の始端よりも充分上方に設定され
るとともに、収容部の上方において茶葉を受け入れるた
めに開口された部位に臨むように設けられ、更に移送装
置における茶葉の受入れ側から茶葉の吐出部に到る間
は、操縦者用シートに座った作業者の後方視界を充分確
保し得るように、摘採機の後方中央の範囲を迂回するよ
うに形成されるとともに、摘採機体後方から収容部の上
方まで茶葉を移送する茶葉移送路が、断面積をほぼ一定
に維持するように、茶葉の移送に伴って、なめらかに断
面を変更するものであり、摘採後の茶葉は、茶葉移送路
内を流れる移送風によって摘採機体から収容部の上方ま
で積極的に上昇移送された後、吐出部からほぼ自然落下
して収容部に収容されることを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、一挙に大量の茶葉をほとんど傷
めることなく、摘採機体から収容部の上方まで移送しな
がら、同時に摘採機に乗車した操縦者の後方視界を充分
に確保できる。このため例えば収容部における茶葉の確
認が操縦者用シートからでも容易に行える。また収容姿
を直すために作業者が収容部に行く場合にも中継移送装
置が邪魔になることがなく、もちろん収容状況を確認す
るための作業者を常時収容部に配置する必要もない。更
に中継移送装置から吐き出された茶葉は、収容部内をほ
ぼ自然落下しながら収容されるため、収容にさいしても
茶葉が傷められることが、ほとんどない。更にまた中継
移送装置を後方に向かって充分上昇させるように設置す
るため、摘採機の後方張出寸法が従来に比べて短縮で
き、摘採機そのものの取り回し性を向上させる。
【0008】また請求項2記載の茶畝跨走型茶葉摘採機
における後方視界を確保した中継移送装置は、前記請求
項1記載の要件に加え、前記ダクト状の移送装置は、左
右の吐出部が摘採機の後方中央の範囲を迂回するように
湾曲形成されて、操縦者の後方視界を確保する開放空間
を構成したことを特徴として成るものである。この発明
によれば、中継移送装置が左右対象に形成でき、比較的
容易な設計仕様となり、また構成部品の共通化も比較的
容易に行える。
【0009】更にまた請求項3記載の茶畝跨走型茶葉摘
採機における後方視界を確保した中継移送装置は、前記
請求項1または2記載の要件に加え、前記移送装置は、
風送途中の茶葉の張り付き防止あるいは移送抵抗の軽減
化を図る加工が、茶葉移送路の内面に施されていること
を特徴として成るものである。この発明によれば、移送
中の茶葉を移送路の内面に張り付き難くしたり、茶葉の
移送抵抗そのものが軽減されるため、送り込んだ移送風
をより効果的に茶葉に作用させ得る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。説明にあたっては本発明を具えた茶
葉摘採機1の全体構成について概略的に説明しながら、
併せて本発明の中継移送装置5について説明する。茶葉
摘採機1は、一例として図1に示すように、茶畝T上を
跨ぐように走行する走行機体2と、茶畝T上面に位置す
るように走行機体2に取り付けられて茶葉Aの摘採を行
う摘採機体3と、この摘採機体3から離れた後方に設け
られ茶葉Aを収容する収容部4とを具えて成るものであ
り、本発明の中継移送装置5は、摘採機体3から収容部
4の上方まで積極的に茶葉Aを上昇移送するものであ
る。なおこの実施の形態では、摘採した茶葉Aを収容部
4において収葉袋6に収容する形態を採るため、中継移
送装置5の吐出し側に複数の収葉袋6が円状に吊り下げ
状態に取り付けられる。なおこの収葉袋6を、茶葉Aを
収容していない状態のものと、収容したものとに区別し
て示す場合には未収容収葉袋を6a、収容済収葉袋を6
bとして区別する。以下各構成部について説明する。
【0011】まず走行機体2について説明する。この走
行機体2は一例として図1、2に示すように茶畝Tを跨
ぐように概ね門形状に形成されたフレーム部21を骨格
部材とし、このフレーム部21に対し下方にクローラ2
2を設けるとともに、このクローラ22の上方に摘採機
体3が取り付けられる。そして摘採機体3を操作するた
めのコントロールユニット23、クローラ22等を駆動
させるためのエンジンユニット24、摘採機体3及び中
継移送装置5等の昇降に関与するスライダ25やウイン
チ26、作業者が座る操縦者用シート27等がフレーム
部21に設けられる。
【0012】次に摘採機体3について説明する。この摘
採機体3は、一例として図1、2に併せて示すように、
その上方に平行に二本の摘採機フレームパイプ31を配
設するとともに、その下方に茶畝T上面の円弧に沿うよ
うな摘採機フレーム基板32をほぼ平行に設け、更に摘
採機フレームパイプ31の片側の寄った位置に摘採機エ
ンジン33を搭載する。そしてこの摘採機エンジン33
によって一例としてバリカン刃を適用した刈刃34が駆
動されるとともに、摘採機エンジン33の下方に一体的
に組み付けたファンからの送風を摘採機フレーム基板3
2上に吹き出すための送風ダクト35を刈刃34の斜め
上前方に配設する。なお刈刃34は、摘採機フレーム基
板32の前方ほぼ延長上に設けられるものである。そし
てこの摘採機体3における摘採機フレームパイプ31と
摘採機フレーム基板32とにより区画され、摘採された
茶葉Aが中継移送装置5によって上昇移送されるまでの
部分を摘採作用部36とする。なおこの摘採作用部36
は、後述する中継移送装置5において実質的に摘採した
茶葉Aの受入れ側になる部位でもある。
【0013】次に収容部4について説明する。このもの
は、開口された上方から茶葉Aを受け入れ、最終的に茶
葉Aを収容する部分であり、この実施の形態では、摘採
した茶葉Aを収容袋6に収容する形態を採るため、実質
的に収容部4は、摘採した茶葉Aを収容した収容済収葉
袋6bを保持する部分となる。そして収容部4は、一例
として図1〜4に示すように、後述する中継移送装置5
の吐出部53の下方に籠状に設けられ、複数の収葉袋6
を吊り下げ状態に保持する保持枠41と、この保持枠4
1に固定される回転軸42とを具えて成るものである。
【0014】保持枠41は、一例として回転軸42に対
して上下に配される円状ステー43と、二つの円状ステ
ー43同士をほぼ鉛直方向に連結する連結ステー44
と、円状ステー43と回転軸42とを半径方向に連結す
る連結ステー45と、複数の収葉袋6を仕切るように設
けられる仕切りステー46とを具えて成るものである。
なお仕切りステー46は、上下の円状ステー43を傾斜
状態に連結している。また回転軸42は、走行機体2の
後部に回転自在に支持されるものであって、先端部分に
は一例としてベルト車47が設けられる。そしてこのベ
ルト車47が、別途付設されるモータ等によって回転駆
動されることによって、前記保持枠41の回転を行うも
のである。因みにこの実施の形態では、収容部4に六つ
の収葉袋6を取り付けるものであるが、これは摘採する
茶園の広さ等種々の環境に応じて適宜変更可能である。
【0015】なおこの実施の形態では、複数の収葉袋6
によって収容部4を構成したが、必ずしもこの形態に限
定されるものではなく、例えばコンテナによって収容部
4を構成しても構わない。因みにコンテナを適用した場
合には、中継移送装置5によって上昇移送されてきた茶
葉Aを、コンテナの上部からほぼ自然落下状態に収容で
き、より大量の茶葉Aを収容し得るものである。
【0016】次に中継移送装置5について説明する。中
継移送装置5は、茶葉Aの受入れ側が摘採機体3の後方
において、その作業進行方向に向かって開口されるとと
もに、吐出し側が収容部4の上部に配置され、摘採機体
3によって刈り取った茶葉Aを収容部まで積極的に上昇
移送するものである。また中継移送装置5は、摘採機体
3と共にスライダ25によって昇降自在に支持され、吹
き上げファン51と、送風ダクト52と、収容部4との
接続口53とを具えて成るものである。吹き上げファン
51は、一例として走行機体2の上部に左右二基設けら
れ、別途付設されるモータ等によって駆動され、送風ダ
クト52内に風を送るものである。
【0017】送風ダクト52は、摘採した茶葉Aを摘採
作用部36たる刈刃34後方部から収容部4の上方まで
風送するものであり、具体的には吹き上げファン51か
ら送り出された風が、茶葉摘採機1の側部を回り込むよ
うにして摘採作用部36に達し、この部分で茶葉Aと合
流し、合流後この茶葉Aを茶葉移送路52aを経由させ
て収容部4の上方まで風送する。なおこの合流部を茶葉
Aの上昇移送開始部36aと定義する。また送風ダクト
52は、一例として側傍部分が二重に構成され、摘採機
体3の昇降に伴い伸縮自在に設定される、このため吹き
上げファン51は摘採機体3の昇降にかかわらず、常時
走行機体2に固定される。
【0018】茶葉移送路52aは、上昇移送開始部36
aから吐出部53まで茶葉Aを積極的に上昇移送するも
のであり、移送路内の断面形状を茶葉Aの移送に伴って
なめらかに変更させている。具体的には図1、4に示す
ように運転中の操縦者が後方視界を充分確保できるよう
に、茶葉摘採機1を前後方向に見て、後方中央の範囲を
迂回するように湾曲させている。なおこの茶葉移送路5
2aが湾曲した、内側空間を迂回部52bと定義し、左
右二つの迂回部52bによって実質的に後方視界を充分
確保する開放空間を構成するとともに、この迂回部52
bによって茶葉移送路52aと収容部4との接触を回避
する作用をも担っている。
【0019】また移送路内の断面形状をなめらかに変化
させる構造としては、一例として図6(a)に示すよう
に上昇移送開始部36aから吐出部53に至るほぼ全域
にわたって徐々に変化させる形態を採るものであるが、
他にも例えば図6(b)に示すように上昇移送開始部3
6aの付近など、ある部分で変化させる形態等も採り得
る。従って請求項1に記載する「なめらか」とは、茶葉
移送路52aのほぼ全域あるいは適宜の変更域で、断面
形状を変化させる場合を包含するものである。なお上述
したいずれの形態においても、茶葉Aの傷みを可及的に
抑えるべく、移送路内の断面積S(各別に表示する場合
には上昇移送開始部36aに近い方からS1、S2、S
3、S4・・・と区別する)を、ほぼ一定に維持するも
のである。
【0020】一方、摘採された茶葉Aは、以上のように
形成された茶葉移送路52aを通って、摘採機体3から
収容部4の上方まで移送されるため、移送途中で傷みを
生じることがほとんどない。更に茶葉移送路52a内面
には、移送中の茶葉Aの張り付き防止あるいは移送抵抗
の軽減を図るためにメッキあるいはトリテトラフッ化エ
チレン(商品名テフロン:デュポン社の登録商標)のコ
ーティング等の処理が施されている。なお茶葉Aを収容
部4の上方まで移送するにあたり、この移送作用を補強
したい場合には、茶葉移送路52aの傾斜部上方あるい
は下方に補助ファンを設けることが可能である。一方、
摘採機体3の送風ダクト35から排出される風によって
茶葉Aを収容部4の上方(後述する吐出部53)まで上
昇移送することが可能であれば、上記吹き上げファン5
1からの送風をあえて行わないことも可能である。
【0021】吐出部53は、収容部4の上方において茶
葉Aを受け入れるために開口された部位に臨むように設
けられる部位であり、上昇移送されてきた茶葉Aを吐き
出し、収容部4にほぼ自然落下させる部分である。そし
て吐出部53は、一例として図2に示すように、摘採機
の側傍部からやや中央部に入り込んだ位置に設けられ、
このため吐出部53の手前側には、摘採機の側傍部から
中央部に向かう、なめらかな屈曲部が形成される。なお
この屈曲部分において、刈刃34後方から茶葉移送路5
2aの上部まで上昇移送されてきた茶葉Aが、強引に曲
げられて、傷みを生じることが懸念されるが、実際には
茶葉Aが移送路内を上昇することに伴い、移送風の作用
は徐々に低下するものであり、吐出部53に至る手前の
屈曲部分では、実質的にその移送効果は、ほとんどない
状態となる。従ってこの吐出部53に至る手前を屈曲状
態に形成しても、この屈曲部分で茶葉Aが傷められるこ
とはほとんどない。なお吐出部53の周囲には茶葉Aの
落下をガイドするシュートや案内シート等の案内部材を
設け、吐出部53と収容部4とを直に接続することも可
能である。因みにこのような案内部材としは、移送風の
みを外部に放出し得る通気性を有するものが好ましい。
【0022】次に以上のように構成された茶葉摘採機1
の作動態様について説明しながら併せて本発明の中継移
送装置5による茶葉Aの移送態様について説明する。 (1)未収容収葉袋の装着 まず実質的な摘採作業に先立ち、一例として六つの未収
容収葉袋6aを収容部4の上方の円状ステー43に吊り
下げ状態に取り付ける。その際収葉袋6の取り付けは紐
やクリップ等の適宜の取り付け手段によって行われる。
そして収葉袋6の装着作業に伴い、例えばスライダ25
による摘採機体3及び中継移送装置5等の高さ設定やウ
インチ26による刈刃34の最下点設定等、種々の設定
が行われる。
【0023】(2)茶葉摘採 以上のような設定が終了すると、作業者が操縦者用シー
ト27に座りエンジンユニット24を始動させ、コント
ロールユニット23によってクローラ22や摘採機エン
ジン33等を駆動させ、茶葉Aの摘採を開始する。その
際、茶葉Aは、図5(a)に示すように送風ダクト35
から排出される風によって摘採作用部36の後方に送ら
れ、次いで送風ダクト52を介して吹き上げファン51
から吹き出された風により茶葉移送路52a内を積極的
に上昇移送される。なお摘採機体3の送風ダクト35か
ら排出される風によって、茶葉Aを茶葉移送路52aの
上端部である吐出部53まで送り込むことが可能であれ
ば、もちろん吹き上げファン51からの送風を行わない
ことも可能である。
【0024】ここで茶葉移送路52aは、移送路内の断
面形状が茶葉Aの移送に伴ってなめらかに変更されて成
り、図1、4に示すように運転中の作業者が後方視界を
充分確保できるように、茶葉摘採機1を前後方向に見
て、後方中央の範囲を迂回するように湾曲した形状を採
る。従って摘採された茶葉Aは、図5(a)に併せて示
すように、移送路内を通って、収容部4の上方まで移送
されるものであり、移送途中で傷むことがほとんどな
い。またこのような構造を採ることによって茶葉移送路
52aと収容部4との接触も回避している。
【0025】その後、茶葉Aは、なめらかな屈曲部を経
由して、摘採機のやや中央部寄りに設けられた吐出部5
3に至るが、屈曲部においては移送風の効力が、ほとん
ど失われているため、この部分で茶葉Aに傷みを生じさ
せるることがほとんどなく、図5(b)に示すように、
茶葉Aは、吐出部53からほぼ自然落下しながら収葉袋
6に収容される。なお吐出部53の下方に位置する収葉
袋6が、茶葉Aでほぼいっぱいになると収容部4を適宜
の角度回転させ、次の収葉袋6を吐出部53の下方に位
置させるものである。また収葉袋6が吊り下げ状態に取
り付けられるため、一つの収葉袋6により多くの茶葉A
が収容される。
【0026】(3)収容済収葉袋の取り外し 収容部4に取り付けられたすべての収葉袋6が、茶葉A
でほぼいっぱいになると一旦摘採作業を中断し、収容済
収葉袋6bが取り外される。その際まず収葉袋6の取り
付けが解除され、開放端側を紐や面状ファスナ等により
閉鎖し、適宜の場所に収容済収葉袋6bを置く。その後
次の摘採作業のために再度未収容収葉袋6aを収容部4
に吊り下げ状態に円状に取り付ける。なおこのような収
葉袋6の交換作業は摘採作業中、断続的に繰り返され
る。
【0027】
【発明の効果】まず請求項1記載の発明によれば、摘採
機体3から収容部4の上方まで積極的に上昇移送される
茶葉Aの傷みを可及的に抑えながらも、操縦者の後方視
界を充分に確保できる。このため例えば収容部4におけ
る茶葉Aの確認が操縦者用シート27からでも容易に行
える。また収容姿を直すために作業者が収容部4に行く
場合にも中継移送装置5が邪魔になることがなく、もち
ろん収容状況を確認するための作業者を常時収容部に配
置する必要もない。更に吐出部53から吐き出された茶
葉Aは、収容部4内をほぼ自然落下しながら収容される
ため、収容にさいしても茶葉Aを傷めることが、ほとん
どない。
【0028】また請求項2記載の発明によれば、摘採機
の後方中央の範囲を迂回するように湾曲形成される茶葉
移送路52aを左右対象に構成でき、中継移送装置5を
構成する種々の部品を共通化することができる。
【0029】更にまた請求項3記載の発明によれば、移
送途中の茶葉Aは茶葉移送路52aの内側をスムーズに
送られるため、移送に伴う茶葉Aの傷みを一層効果的に
防止するとともに、茶葉Aを移送する移送風をより効率
的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中継移送装置を具えた茶葉摘採機の一
例を示す斜視図である。
【図2】同上側面図である。
【図3】同上背面図である。
【図4】同上平面図である。
【図5】本発明を具えた茶葉摘採機の移送及び収容態様
を段階的に示す説明図である。
【図6】茶葉移送路の断面形状をなめらかに変化させる
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 茶葉摘採機 2 走行機体 3 摘採機体 4 収容部 5 中継移送装置 6 収葉袋 6a 未収容収葉袋 6b 収容済収葉袋 21 フレーム部 22 クローラ 23 コントロールユニット 24 エンジンユニット 25 スライダ 26 ウインチ 27 操縦者用シート 31 摘採機フレームパイプ 32 摘採機フレーム基板 33 摘採機エンジン 34 刈刃 35 送風ダクト 36 摘採作用部 36a 上昇移送開始部 41 保持枠 42 回転軸 43 円状ステー 44 連結ステー 45 連結ステー 46 仕切りステー 47 ベルト車 51 吹き上げファン 52 送風ダクト 52a 茶葉移送路 52b 迂回部 53 吐出部 A 茶葉 S 断面積 S1 断面積 S2 断面積 S3 断面積 S4 断面積 T 茶畝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操縦者用シートを具え茶畝を跨ぐように
    走行する走行機体と、茶畝上面に位置するように前記走
    行機体に取り付けられて茶葉の摘採を行う摘採機体と、
    この摘採機体の後方に設けられ茶葉を収容する収容部と
    を具えた茶葉摘採機に搭載され、走行機体の進行に伴
    い、摘採機体によって摘採した茶葉を収容部に送り込む
    ようにしたダクト状の移送装置において、 前記移送装置は、摘採茶葉の受入れ側が摘採機体の後方
    においてその作業進行方向に向かって開口しており、 また移送装置の茶葉の吐出部は、移送装置の始端よりも
    充分上方に設定されるとともに、収容部の上方において
    茶葉を受け入れるために開口された部位に臨むように設
    けられ、 更に移送装置における茶葉の受入れ側から茶葉の吐出部
    に到る間は、操縦者用シートに座った作業者の後方視界
    を充分確保し得るように、摘採機の後方中央の範囲を迂
    回するように形成されるとともに、摘採機体後方から収
    容部の上方まで茶葉を移送する茶葉移送路が、断面積を
    ほぼ一定に維持するように、茶葉の移送に伴って、なめ
    らかに断面を変更するものであり、 摘採後の茶葉は、茶葉移送路内を流れる移送風によって
    摘採機体から収容部の上方まで積極的に上昇移送された
    後、吐出部からほぼ自然落下して収容部に収容されるこ
    とを特徴とする茶畝跨走型茶葉摘採機における後方視界
    を確保した中継移送装置。
  2. 【請求項2】 前記ダクト状の移送装置は、左右の吐出
    部が摘採機の後方中央の範囲を迂回するように湾曲形成
    されて、操縦者の後方視界を確保する開放空間を構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の茶畝跨走型茶葉摘採
    機における後方視界を確保した茶葉収容構造。
  3. 【請求項3】 前記移送装置は、風送途中の茶葉の張り
    付き防止あるいは移送抵抗の軽減化を図る加工が、茶葉
    移送路の内面に施されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の茶畝跨走型茶葉摘採機における後方視界
    を確保した中継移送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104350886A (zh) * 2013-02-22 2015-02-18 蒋春花 乘坐式采茶机及其工作方法
CN113016346A (zh) * 2021-04-09 2021-06-25 宜宾职业技术学院 一种组合筒式采茶装置及识别和定位茶叶采摘部位的方法

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