JP2001093671A6 - 二重絶縁層を有する有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐久性の高い有機発光素子を提供する。
【解決手段】有機電界発光素子は、基板11上に形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。第1絶縁層14は、正孔注入を制御し、陰極から注入される電子の流れを防止する。第2絶縁層17は、トンネルリング効果による電子注入を容易にし、陽極から注入された正孔の流れを防止する。
【選択図】図5
【解決手段】有機電界発光素子は、基板11上に形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。第1絶縁層14は、正孔注入を制御し、陰極から注入される電子の流れを防止する。第2絶縁層17は、トンネルリング効果による電子注入を容易にし、陽極から注入された正孔の流れを防止する。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界発光(Electroluminescence、以下ELと略記する)の特性を示す素子に関するものである。詳しくは、伝導性有機物を発光層として有する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の有機EL素子は、陽極と陰極間に挿入された電気伝導性有機染料または共役高分子からなる有機物薄膜を備える。陽極と陰極間に電圧を印加すると、陽極から正孔が注入され、陰極からは電子が注入され、これらが発光層へ移動して再結合することによって、有機EL素子は発光する。
【0003】
図1乃至図4は、従来の有機EL素子を示す断面図である。図1の有機EL素子は、基板11上に、陽極12、有機物発光層15、及び陰極19を備える。有機物発光層15は単一の薄膜である。有機物発光層15には、適切な正孔と電子の移動度を有する高分子物質として、例えば、PPV誘導体であるMEH-PPV(poly(2-methoxy-5-(2-ethylhexyl-oxy)-p-phenylenevinylene)がもっぱら使用される。
【0004】
このように、発光層が単層である場合、その発光層内で、正孔と電子の移動が生じなければならない。しかし、通常の有機物発光層15では正孔輸送特性が支配的である。
【0005】
そこで、図2の有機EL素子は、正孔移動度が大きい層と、電子移動度が大きい層とが積層された発光層15を備える。この有機EL素子は、単層の有機EL素子より、正孔注入と電子注入が容易になされる。1 詳しくは、有機物発光層15は、陽極から注入された正孔を主発光層15bへ移動させる正孔輸送層15a、正孔と電子が再結合して発光する主発光層15b、及び陰極から注入された電子を主発光層15bへ輸送する電子輸送層15cを含む多層構造である。陽極12はプラス(+)電極へ連結され、正孔輸送層15aまたは主発光層15bに正孔を注入させる。陽極12は、主に有機または無機伝導性物質であり、仕事関数が4.0eVより大きい伝導性酸化物または透明な金属層が使用される。
【0006】
有機伝導性物質としては、ポリアニリン(polyaniline、PANI)が主に利用され、金属酸化物としては、ITO(indium-tin-oxide)、IZO(indium-zinc-oxide)、SnOx(tin-oxide)、ZnOx(zinc-oxide)、MgInOx(magnesium-indium-oxide)、CdSnO(cadmium-tin-oxide)、VOx(vanadium-oxide)、MoOx(molybdenum-oxide)、RuOx(ruthenium-oxide)等が、金属としては、金、銀、ニッケル、パラジウム、及び白金などが使用される。
【0007】
陽極12として金属酸化物及び金属を用いる場合には、熱蒸着法、スパッタリング法、レーザー溶発法(laser ablation)及び化学気相蒸着法(CVD)によって陽極12は成膜される。この場合、陽極12の適切な厚さは、20 nm乃至500 nmであり、さらに適した厚さは、5nm乃至50 nmである。
【0008】
主発光層15bとしては、単分子蛍光物質であるアルミニウムキノルレ−ト(Alq3:aluminum tris(8-hydroxyquinolinate))またはドーピングしたAlq3薄膜などが使用される。共役高分子物質ではポリペリレンビニレン(PPV:poly(paraphenylenevinylene))、ポリ-3-オクチルチオフェン(poly(3-octylthiophene))、ポリパラフェニレン(PPP、poly(paraphenylene))、または蛍光性染料などを含む物質が使用され、高分子バインダー(polymeric binder)と蛍光染料の混合物が含まれてもよい。
【0009】
主発光層15bは、一般的に単分子の場合には、熱蒸着方法で成膜され、高分子の場合には、スピンコーティング方法により製造される。そして、薄膜の溶媒を除去するために真空下で溶媒の沸点(bp)より高い温度で熱処理が施される。
【0010】
電子輸送層15cとしては、電子移動度に優れたAlq3が主に使用され、高分子の場合には、PBD(2-(4-biphenylyl)5-(4-tert-buthylphenyl)1.3.4-oxadiazole)が用いられる。
【0011】
陰極19は、電子輸送層15cまたは主発光層15bへ電子を注入し、主に、仕事関数が小さい(4.2eV以下)金属(Ca、Ag、Mg-Ag、Ca/Al、Al等)または合金(Al-Li、Al-Mg等)が用いられる。
【0012】
基板11の材料は、ガラス、プラスチック、高分子フイルムまたはSi、Be、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InSbなどの単結晶半導体などが用いられる。両電極12、19間に1μm以下の薄い伝導性有機薄膜(主発光層15b)を含む有機EL素子では、その素子の寿命が薄膜の平坦度(roughness)と密接な関係がある。特に最も多用されるITO電極の場合、InとSnの粒子のサイズの差(数nm〜10nm程度)のために、均一な薄膜を得ることが難しい。薄膜の平坦度の差は、素子に電気を加えた時に、高い電界の差を生じさせるので、素子の駆動中に局部的な電気的短絡が発生し、非発光部分の大きさを増加させる。そのため、素子寿命は短い。
【0013】
従って、陽極12と正孔輸送層15a間に、CuPc(cupper phthalocyanine)のような金属着物の緩衝層13を挿入し、界面間の接触向上により寿命を延長させたり(Appl.Phys.Lett.第69巻pp2160-2162(1996)参照)、SiO2、Al2O3のような絶縁層を緩衝層として挿入し、正孔注入の障壁(barrier)の特性を利用して正孔と電子の均衡から発光効率と輝度を向上させる[Appl.Phys.Lett.第74巻15号pp2227-2229(1999)参照]。
【0014】
他方、有機EL素子に電子注入を増加させることにより、発光効率を増加させるために、図4のように、陰極19と主発光層15b間に仕事関数が小さい金属の合金、アルカリフッ素化合物、アルカリ土類金属フッ素化合物、またはアルカリ金属アセテート等の電子注入層16を挿入することもある。挿入された電子注入層16は、陰極19からトンネル効果(tunneling effect)により電子注入を増加させることにより、発光効率の向上をもたらす。これに対しては、G.Jabbourらが発表した論文(Appl.Phys.Lett.第73巻第9号、pp1185-1187)と、C.Ganzorigらが発表した論文(Proceeding of International conference on Science and Technologies ofAdvanced Polymers、Yamagata、July26th-30th、1999)に詳しく記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、詳述した従来の有機EL素子等は、注入された電荷の電流漏れ(currentleakage)や、駆動中に発生する熱による電子注入電極の拡散、または発生する酸素によるITO電極の抵抗増加等によって、発光効率及び/または寿命減少という問題点がある。
【0016】
従って、発光効率を増加させながら耐久性が強い長寿命を有する有機EL素子に対する研究開発が求められる。本発明の目的は、素子の発光効率及び耐久性を向上させた有機EL素子を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、基板上に陽極、有機物発光層、陰極が順次形成された有機電界発光素子において、前記陽極と有機物発光層との間に形成された第1絶縁層と、前記有機物発光層(15)と陰極(19)との間に形成された第2絶縁層(17)とを備える有機EL素子を提供する。第1絶縁層は正孔注入を制御し、また陰極から注入される電子の流れを防止する。第2絶縁層はトンネルリング効果による電子注入を容易にし、また陽極から注入された正孔の流れを防止する。
【0018】
請求項2の発明は、第1、第2絶縁層が酸化膜絶縁層とフッ素化合物膜絶縁層とをそれぞれ含む複数の絶縁層からなることを特徴とする。請求項3の発明は、第1、第2絶縁層の厚さが0.3nm〜10nmの範囲にあることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、第1、第2絶縁層が4.0eV以上のバンドギャップを有する物質からなることを特徴とする。請求項5の発明は、第1、第2絶縁層が無機絶縁層及び有機絶縁層の少なくともいずれか一方の非伝導性物質を含む物質からなることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面に基づいて本発明による二重絶縁層を挿入した有機EL素子の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図5に示すように、基板11上に陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。前記有機物発光層15は単層構造である。このような構造の有機EL素子は、次のような工程により製造できる。
【0021】
先ず、基板11上に、陽極となるITO電極12を形成した後、その上にLiFの真空蒸着方法により、第1絶縁層14を成膜する。この時の蒸着速度は0.01nm/sである。またLiF以外に絶縁層として4.0 eV以上のバンドギャップ(band-gap)を有する物質を用いることが望ましい(第1工程)。
【0022】
ここで、第1絶縁層14があまりにも薄い場合、実際に薄膜が有効に機能しない。逆に、10nm以上の場合には、トンネル(tunneling)効果よりむしろ厚い障壁のため、電荷注入が難しい。
【0023】
そのため、第1絶縁層14の厚さは、0.3 nm〜10 nmが望ましく、より望ましくは1nm程度である。次いで、第1絶縁層14上に有機物発光層15を成膜する。例えば、共役高分子の一つであるMEH-PPVを、1,2-ジクロロエタン(1,2-dichloroethane)溶媒に溶解した溶液をスピンコーティングする(第2工程)。
【0024】
次に、薄膜の溶媒を除去するために、真空オーブンにおいて溶媒の沸点より高い温度(本例では60℃)で、1時間、加熱処理する(第3工程)。そして、有機物発光層15上に、第1絶縁層14と同方法で第2絶縁層17を蒸着させる(第4工程)。
【0025】
最後に、Alを熱蒸着またはスパッタリング方法で成膜して陰極19を形成する(第5工程)。
(第2実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図6の断面図のように、基板11上に陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19が順次に形成された構造であり、有機物発光層15は正孔輸送層15aと主発光層15bの2層構造をなす。
【0026】
本実施形態の有機EL素子は、次のような工程を通じて製造する。先ず、基板11上にITO電極12を形成し、ITO電極12上にLiFからなる第1絶縁層14を実施形態1の第1工程と同様にして蒸着させる。
【0027】
次いで、第1絶縁層14上に、PVK(poly(9-vinylcarbazole)の溶液をスピンコーティングし、そのコーティングされた溶液中の溶媒を除去するために真空オーブンで加熱処理して正孔輸送層15aを形成する。
【0028】
そして、MEH-PPV溶液を正孔輸送層15a上にスピンコーティングした後、真空オーブンの加熱により、MEH-PPV溶液中の溶媒を除去して主発光層15bを形成する。単分子を用いる場合は、N,N-ジフェニル-N,N-ビス(3-メチルフェニル)-1,1-ビフェニル-4,4-ジアミン(以下、TPDと略する)の蒸着により正孔輸送層15aを成膜する。正孔輸送層15aの厚さは50nm、蒸着速度は0.1〜0.4 nm/sが望ましい。
【0029】
そして、正孔輸送層15a上に、Alq3の薄膜(主発光層)15bを成膜する。主発光層15bの厚さは50nmで、蒸着速度は0.1〜0.4nm/sが望ましい。次に、実施形態1の第4、5工程と同方法で、主発光層15b上に第2絶縁層17及び陰極19を順次成膜する。
(第3実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図7の断面構造を有する。即ち、基板11上に順次に形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を備える。この有機EL素子において、前記第1、第2絶縁層14,17は、それぞれ酸化膜絶縁層14a,17aとフッ素化合物膜絶縁層14b,17bとを含む積層構造である。有機物発光層15は正孔輸送層15aと主発光層15bとを含む積層構造である。
【0030】
本実施形態の有機EL素子は、次のような工程により製造される。先ず、基板11上にITO電極12を成膜する。その後、ITO電極12上に、酸化窒化膜絶縁層14a(Ta2OxNy(tantalium oxynitride)膜)を成膜する。酸化窒化膜絶縁層14aにより、駆動中に発生する酸素がITO電極12へ広がって電極の抵抗が増加することと、電流漏れ(current leakage)とが防止される酸化窒化膜絶縁層14aは、一定のArガス圧力下で、窒素ガスと酸素ガスの圧力を調節してTa2O5ターゲット(taget)を利用したスパッタリング法により製造される。
【0031】
次に、酸化窒化膜絶縁層14a上に、LiFを真空蒸着法で1nmの厚さで蒸着させ、フッ素化合物膜絶縁層14bを成膜する。次いで、単分子または高分子の正孔輸送層15a及び主発光層15bを第2実施形態と同じ工程で成膜する。
【0032】
主発光層15b上に、Al2O3を1 nm厚さに真空蒸着し、酸化膜絶縁層17aを形成し、その上にLiFを真空蒸着法により1 nmの厚さで蒸着させ、フッ素化合物膜絶縁層17bを成膜する。
【0033】
最後に、Alを熱蒸着またはスパッタリング法で陰極19を成膜する。
(第4実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図8のような断面構造を有する。即ち、基板11上に順次形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を備える。有機物発光層15は正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの三層構造を有する。
【0034】
本実施形態の有機EL素子については、有機物発光層15を製造する工程のみが、第1実施形態と異なる。即ち、第1絶縁層14上にPVKの溶液をスピンコーティングした後、その溶液中の溶媒を除去するために、真空オーブンにて加熱処理し、正孔輸送層15aを形成する。その後、MEH-PPV溶液を正孔輸送層15a上にスピンコーティングした後、真空オーブンの加熱により溶媒を除去し、主発光層15bを成膜する。次に、第2実施形態において主発光層15bを製造する工程と同様にして、主発光層15b上にAlq3からなる電子輸送層15cを形成する。
【0035】
次に、実施形態1の第4、5工程と同様にして電子輸送層15c上に第2絶縁層17及び陰極19を順次成膜する。
(第5実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図9のような断面構造を有する。即ち、基板11上に順次形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。前記第1、第2絶縁層14,17は、実施形態3のように、それぞれ酸化膜絶縁層14a,17aとフッ素化合物膜絶縁層14b,17bの複数層をなす。有機物発光層15は第5実施形態のように正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの多層構造をなす。
【0036】
本実施形態の有機EL素子は、次のように製造する。基板11上にITO電極12を形成した後、第4実施形態と同じ工程により酸化窒化膜絶縁層14aとフッ素化合物膜絶縁層14bを順次成膜する。
【0037】
その後、フッ素化合物膜絶縁層14b上に、第5実施形態と同様にして正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの多層構造をなす有機物発光層15を成膜する。
【0038】
また電子輸送層15c上に第4実施形態と同様にして酸化窒化膜絶縁層17aとフッ素化合物膜絶縁層17bを順次形成した後、上述の各実施形態と同様に陰極19を成膜する。
【0039】
以上の各実施形態において絶縁層として用いた物質は、一例を挙げたことに過ぎず、次のような物質が使用され得る。
無機絶縁層及び/または有機絶縁層として、非伝導性物質(non conductivematerials)を含む物質。
【0040】
非伝導性物質は、強い双極性特性を有するものであり、アルカリ金属や、アルカリ土類金属のフッ素化物及び酸化物を含む物質。
非伝導性物質は、アルカリフッ素化合物を含むものであり、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化セシウムを含む物質。
【0041】
非伝導性物質は、アルカリ土類金属のフッ素化合物を含むものであり、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、またはフッ化バリウムを含む物質。
【0042】
非伝導性物質は、アルカリ酸化物を含むものであり、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウムまたは酸化セシウムを含む物質。
非伝導性物質は、アルカリ土類金属酸化物を含むものであり、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、または酸化バリウムを含む物質。
【0043】
非伝導性物質は、金属または非金属酸化物を含むものであり、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化タンタルなどを含む物質。
非伝導性物質は、金属または非金属窒化物を含むものであり、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素を含む物質。
【0044】
非伝導性物質は、アルカリ金属アセテート物質を含むものであり、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウムまたは酢酸セシウムを含む物質である。
【0045】
図10は、有機EL素子の輝度(黒印)と電圧(白印)の経時変化を示す。横軸は経過時間(秒)を示し、縦軸は輝度及び電圧を示す。図10中の四角印aは、発光層と陰極間に1層の絶縁層を使用した従来例の有機EL素子の変化を示す。図10の丸印bは、二重絶縁層を使用した実施形態1の有機EL素子の変化を示す。輝度が顕著に減少し、素子に加えられる駆動電圧が漸次に増加することが分かる。
【0046】
従って、各実施形態によれば、複数の絶縁層を挿入すれば、耐久性の向上した長寿命の素子が製造される。また、陽極と発光層間に挿入された第1絶縁層は正孔注入を制御し、また陰極から注入される電子の流れを防止する遮断効果があるので、均衡のとれた電荷注入が行われる。そして、陰極と発光層間に挿入された第2絶縁層は、トンネルリング効果による電子注入を容易にし、陽極から注入された正孔の流れを防止し、電荷の再結合確率を増加させるので、発光効率の向上した素子が得られる。
【0047】
各実施形態の有機EL素子において、陽極12と有機物発光層15との間の第1絶縁層14は、次のような作用をする。第一に、一般に有機EL素子において、正孔の移動度は電子の移動度より100倍程度大きい。このような電荷の移動度の差は、電荷注入の不均衡によって漏れ電流を増加させ、発光効率を減少させる。従って、第1絶縁層の作用は、正孔が発光層へ移動するのに障壁役割をするものであり、注入された正孔と陰極から注入された電子との電荷注入の均衡により発光効率を増加させる。
【0048】
第二に、陰極から注入された電子が陽極へ流れることを防止する電子遮断効果(electron blocking effect)で、陽極と陰極間で正孔と電子の再結合確率(recombination probability)を増加させ、発光効率を増加させる。
【0049】
第三に、陽極と絶縁層間または絶縁層と有機薄膜の界面間の接触を増加させるので、素子の耐久性を増加させる。第四に、適した絶縁層の選定と適切な厚さの絶縁層を挿入し、陽極から正孔注入を制御できる。
【0050】
第五に、複数の絶縁層14a、14bを挿入する場合、陽極に接した絶縁層14aによりITO電極に酸素が広がって抵抗が増加することと、漏れ電流(leakage current)が防止でき、発光層に接した絶縁層14bにより界面の接触を増加させて耐久性の向上した素子を製造することができる。
【0051】
また、有機物発光層15と陰極19との間に注入された第2絶縁層17は、次のような作用をする。第一に、トンネルリング効果により、効率的な電子の注入で発光効率を増加させる。
【0052】
第二に、適した絶縁層の選択と適した厚さの絶縁層を挿入するにより、発光層と陰極間の界面接触を増加させて耐久性を増加させる。第三に、陽極から注入された正孔が陰極へ流れることを防止する正孔遮断効果(Hole blocking effect)により、発光効率を増加させる。
【0053】
第四に、複数の絶縁層17a、17bを利用する場合、駆動中に熱により陰極が発光層へ広がって素子の寿命が減少することを防止できる。また発光層に接した絶縁層17aにより、発光層と第2絶縁層の界面接触を向上させ、陰極に接した絶縁層17bにより、絶縁層と陰極との界面接触を向上させ、耐久性を向上させる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性の強い長寿命の素子が得られる。また、発光効率の向上した素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の有機EL素子の断面図。
【図2】 従来の有機EL素子の断面図。
【図3】 従来の有機EL素子の断面図。
【図4】 従来の有機EL素子の断面図。
【図5】 本発明の第1実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図6】 本発明の第2実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図7】 本発明の第3実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図8】 本発明の第4実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図9】 本発明の第5実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図10】 図5の有機EL素子と従来例の有機EL素子の輝度及び電圧の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
11:基板 12:陽極
13:緩衝層 14:第1絶縁層
14a、17a:酸化窒化膜絶縁層 14b、17b:フッ素化合物膜絶縁層
15:有機物発光層 15a:正孔輸送層
15b:主発光層 15c:電子輸送層
16:電子注入層 17:第2絶縁層
19:陰極
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界発光(Electroluminescence、以下ELと略記する)の特性を示す素子に関するものである。詳しくは、伝導性有機物を発光層として有する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の有機EL素子は、陽極と陰極間に挿入された電気伝導性有機染料または共役高分子からなる有機物薄膜を備える。陽極と陰極間に電圧を印加すると、陽極から正孔が注入され、陰極からは電子が注入され、これらが発光層へ移動して再結合することによって、有機EL素子は発光する。
【0003】
図1乃至図4は、従来の有機EL素子を示す断面図である。図1の有機EL素子は、基板11上に、陽極12、有機物発光層15、及び陰極19を備える。有機物発光層15は単一の薄膜である。有機物発光層15には、適切な正孔と電子の移動度を有する高分子物質として、例えば、PPV誘導体であるMEH-PPV(poly(2-methoxy-5-(2-ethylhexyl-oxy)-p-phenylenevinylene)がもっぱら使用される。
【0004】
このように、発光層が単層である場合、その発光層内で、正孔と電子の移動が生じなければならない。しかし、通常の有機物発光層15では正孔輸送特性が支配的である。
【0005】
そこで、図2の有機EL素子は、正孔移動度が大きい層と、電子移動度が大きい層とが積層された発光層15を備える。この有機EL素子は、単層の有機EL素子より、正孔注入と電子注入が容易になされる。1 詳しくは、有機物発光層15は、陽極から注入された正孔を主発光層15bへ移動させる正孔輸送層15a、正孔と電子が再結合して発光する主発光層15b、及び陰極から注入された電子を主発光層15bへ輸送する電子輸送層15cを含む多層構造である。陽極12はプラス(+)電極へ連結され、正孔輸送層15aまたは主発光層15bに正孔を注入させる。陽極12は、主に有機または無機伝導性物質であり、仕事関数が4.0eVより大きい伝導性酸化物または透明な金属層が使用される。
【0006】
有機伝導性物質としては、ポリアニリン(polyaniline、PANI)が主に利用され、金属酸化物としては、ITO(indium-tin-oxide)、IZO(indium-zinc-oxide)、SnOx(tin-oxide)、ZnOx(zinc-oxide)、MgInOx(magnesium-indium-oxide)、CdSnO(cadmium-tin-oxide)、VOx(vanadium-oxide)、MoOx(molybdenum-oxide)、RuOx(ruthenium-oxide)等が、金属としては、金、銀、ニッケル、パラジウム、及び白金などが使用される。
【0007】
陽極12として金属酸化物及び金属を用いる場合には、熱蒸着法、スパッタリング法、レーザー溶発法(laser ablation)及び化学気相蒸着法(CVD)によって陽極12は成膜される。この場合、陽極12の適切な厚さは、20 nm乃至500 nmであり、さらに適した厚さは、5nm乃至50 nmである。
【0008】
主発光層15bとしては、単分子蛍光物質であるアルミニウムキノルレ−ト(Alq3:aluminum tris(8-hydroxyquinolinate))またはドーピングしたAlq3薄膜などが使用される。共役高分子物質ではポリペリレンビニレン(PPV:poly(paraphenylenevinylene))、ポリ-3-オクチルチオフェン(poly(3-octylthiophene))、ポリパラフェニレン(PPP、poly(paraphenylene))、または蛍光性染料などを含む物質が使用され、高分子バインダー(polymeric binder)と蛍光染料の混合物が含まれてもよい。
【0009】
主発光層15bは、一般的に単分子の場合には、熱蒸着方法で成膜され、高分子の場合には、スピンコーティング方法により製造される。そして、薄膜の溶媒を除去するために真空下で溶媒の沸点(bp)より高い温度で熱処理が施される。
【0010】
電子輸送層15cとしては、電子移動度に優れたAlq3が主に使用され、高分子の場合には、PBD(2-(4-biphenylyl)5-(4-tert-buthylphenyl)1.3.4-oxadiazole)が用いられる。
【0011】
陰極19は、電子輸送層15cまたは主発光層15bへ電子を注入し、主に、仕事関数が小さい(4.2eV以下)金属(Ca、Ag、Mg-Ag、Ca/Al、Al等)または合金(Al-Li、Al-Mg等)が用いられる。
【0012】
基板11の材料は、ガラス、プラスチック、高分子フイルムまたはSi、Be、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InSbなどの単結晶半導体などが用いられる。両電極12、19間に1μm以下の薄い伝導性有機薄膜(主発光層15b)を含む有機EL素子では、その素子の寿命が薄膜の平坦度(roughness)と密接な関係がある。特に最も多用されるITO電極の場合、InとSnの粒子のサイズの差(数nm〜10nm程度)のために、均一な薄膜を得ることが難しい。薄膜の平坦度の差は、素子に電気を加えた時に、高い電界の差を生じさせるので、素子の駆動中に局部的な電気的短絡が発生し、非発光部分の大きさを増加させる。そのため、素子寿命は短い。
【0013】
従って、陽極12と正孔輸送層15a間に、CuPc(cupper phthalocyanine)のような金属着物の緩衝層13を挿入し、界面間の接触向上により寿命を延長させたり(Appl.Phys.Lett.第69巻pp2160-2162(1996)参照)、SiO2、Al2O3のような絶縁層を緩衝層として挿入し、正孔注入の障壁(barrier)の特性を利用して正孔と電子の均衡から発光効率と輝度を向上させる[Appl.Phys.Lett.第74巻15号pp2227-2229(1999)参照]。
【0014】
他方、有機EL素子に電子注入を増加させることにより、発光効率を増加させるために、図4のように、陰極19と主発光層15b間に仕事関数が小さい金属の合金、アルカリフッ素化合物、アルカリ土類金属フッ素化合物、またはアルカリ金属アセテート等の電子注入層16を挿入することもある。挿入された電子注入層16は、陰極19からトンネル効果(tunneling effect)により電子注入を増加させることにより、発光効率の向上をもたらす。これに対しては、G.Jabbourらが発表した論文(Appl.Phys.Lett.第73巻第9号、pp1185-1187)と、C.Ganzorigらが発表した論文(Proceeding of International conference on Science and Technologies ofAdvanced Polymers、Yamagata、July26th-30th、1999)に詳しく記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、詳述した従来の有機EL素子等は、注入された電荷の電流漏れ(currentleakage)や、駆動中に発生する熱による電子注入電極の拡散、または発生する酸素によるITO電極の抵抗増加等によって、発光効率及び/または寿命減少という問題点がある。
【0016】
従って、発光効率を増加させながら耐久性が強い長寿命を有する有機EL素子に対する研究開発が求められる。本発明の目的は、素子の発光効率及び耐久性を向上させた有機EL素子を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、基板上に陽極、有機物発光層、陰極が順次形成された有機電界発光素子において、前記陽極と有機物発光層との間に形成された第1絶縁層と、前記有機物発光層(15)と陰極(19)との間に形成された第2絶縁層(17)とを備える有機EL素子を提供する。第1絶縁層は正孔注入を制御し、また陰極から注入される電子の流れを防止する。第2絶縁層はトンネルリング効果による電子注入を容易にし、また陽極から注入された正孔の流れを防止する。
【0018】
請求項2の発明は、第1、第2絶縁層が酸化膜絶縁層とフッ素化合物膜絶縁層とをそれぞれ含む複数の絶縁層からなることを特徴とする。請求項3の発明は、第1、第2絶縁層の厚さが0.3nm〜10nmの範囲にあることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、第1、第2絶縁層が4.0eV以上のバンドギャップを有する物質からなることを特徴とする。請求項5の発明は、第1、第2絶縁層が無機絶縁層及び有機絶縁層の少なくともいずれか一方の非伝導性物質を含む物質からなることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面に基づいて本発明による二重絶縁層を挿入した有機EL素子の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図5に示すように、基板11上に陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。前記有機物発光層15は単層構造である。このような構造の有機EL素子は、次のような工程により製造できる。
【0021】
先ず、基板11上に、陽極となるITO電極12を形成した後、その上にLiFの真空蒸着方法により、第1絶縁層14を成膜する。この時の蒸着速度は0.01nm/sである。またLiF以外に絶縁層として4.0 eV以上のバンドギャップ(band-gap)を有する物質を用いることが望ましい(第1工程)。
【0022】
ここで、第1絶縁層14があまりにも薄い場合、実際に薄膜が有効に機能しない。逆に、10nm以上の場合には、トンネル(tunneling)効果よりむしろ厚い障壁のため、電荷注入が難しい。
【0023】
そのため、第1絶縁層14の厚さは、0.3 nm〜10 nmが望ましく、より望ましくは1nm程度である。次いで、第1絶縁層14上に有機物発光層15を成膜する。例えば、共役高分子の一つであるMEH-PPVを、1,2-ジクロロエタン(1,2-dichloroethane)溶媒に溶解した溶液をスピンコーティングする(第2工程)。
【0024】
次に、薄膜の溶媒を除去するために、真空オーブンにおいて溶媒の沸点より高い温度(本例では60℃)で、1時間、加熱処理する(第3工程)。そして、有機物発光層15上に、第1絶縁層14と同方法で第2絶縁層17を蒸着させる(第4工程)。
【0025】
最後に、Alを熱蒸着またはスパッタリング方法で成膜して陰極19を形成する(第5工程)。
(第2実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図6の断面図のように、基板11上に陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19が順次に形成された構造であり、有機物発光層15は正孔輸送層15aと主発光層15bの2層構造をなす。
【0026】
本実施形態の有機EL素子は、次のような工程を通じて製造する。先ず、基板11上にITO電極12を形成し、ITO電極12上にLiFからなる第1絶縁層14を実施形態1の第1工程と同様にして蒸着させる。
【0027】
次いで、第1絶縁層14上に、PVK(poly(9-vinylcarbazole)の溶液をスピンコーティングし、そのコーティングされた溶液中の溶媒を除去するために真空オーブンで加熱処理して正孔輸送層15aを形成する。
【0028】
そして、MEH-PPV溶液を正孔輸送層15a上にスピンコーティングした後、真空オーブンの加熱により、MEH-PPV溶液中の溶媒を除去して主発光層15bを形成する。単分子を用いる場合は、N,N-ジフェニル-N,N-ビス(3-メチルフェニル)-1,1-ビフェニル-4,4-ジアミン(以下、TPDと略する)の蒸着により正孔輸送層15aを成膜する。正孔輸送層15aの厚さは50nm、蒸着速度は0.1〜0.4 nm/sが望ましい。
【0029】
そして、正孔輸送層15a上に、Alq3の薄膜(主発光層)15bを成膜する。主発光層15bの厚さは50nmで、蒸着速度は0.1〜0.4nm/sが望ましい。次に、実施形態1の第4、5工程と同方法で、主発光層15b上に第2絶縁層17及び陰極19を順次成膜する。
(第3実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図7の断面構造を有する。即ち、基板11上に順次に形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を備える。この有機EL素子において、前記第1、第2絶縁層14,17は、それぞれ酸化膜絶縁層14a,17aとフッ素化合物膜絶縁層14b,17bとを含む積層構造である。有機物発光層15は正孔輸送層15aと主発光層15bとを含む積層構造である。
【0030】
本実施形態の有機EL素子は、次のような工程により製造される。先ず、基板11上にITO電極12を成膜する。その後、ITO電極12上に、酸化窒化膜絶縁層14a(Ta2OxNy(tantalium oxynitride)膜)を成膜する。酸化窒化膜絶縁層14aにより、駆動中に発生する酸素がITO電極12へ広がって電極の抵抗が増加することと、電流漏れ(current leakage)とが防止される酸化窒化膜絶縁層14aは、一定のArガス圧力下で、窒素ガスと酸素ガスの圧力を調節してTa2O5ターゲット(taget)を利用したスパッタリング法により製造される。
【0031】
次に、酸化窒化膜絶縁層14a上に、LiFを真空蒸着法で1nmの厚さで蒸着させ、フッ素化合物膜絶縁層14bを成膜する。次いで、単分子または高分子の正孔輸送層15a及び主発光層15bを第2実施形態と同じ工程で成膜する。
【0032】
主発光層15b上に、Al2O3を1 nm厚さに真空蒸着し、酸化膜絶縁層17aを形成し、その上にLiFを真空蒸着法により1 nmの厚さで蒸着させ、フッ素化合物膜絶縁層17bを成膜する。
【0033】
最後に、Alを熱蒸着またはスパッタリング法で陰極19を成膜する。
(第4実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図8のような断面構造を有する。即ち、基板11上に順次形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を備える。有機物発光層15は正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの三層構造を有する。
【0034】
本実施形態の有機EL素子については、有機物発光層15を製造する工程のみが、第1実施形態と異なる。即ち、第1絶縁層14上にPVKの溶液をスピンコーティングした後、その溶液中の溶媒を除去するために、真空オーブンにて加熱処理し、正孔輸送層15aを形成する。その後、MEH-PPV溶液を正孔輸送層15a上にスピンコーティングした後、真空オーブンの加熱により溶媒を除去し、主発光層15bを成膜する。次に、第2実施形態において主発光層15bを製造する工程と同様にして、主発光層15b上にAlq3からなる電子輸送層15cを形成する。
【0035】
次に、実施形態1の第4、5工程と同様にして電子輸送層15c上に第2絶縁層17及び陰極19を順次成膜する。
(第5実施形態)本実施形態の有機EL素子は、図9のような断面構造を有する。即ち、基板11上に順次形成された陽極12、第1絶縁層14、有機物発光層15、第2絶縁層17、陰極19を有する。前記第1、第2絶縁層14,17は、実施形態3のように、それぞれ酸化膜絶縁層14a,17aとフッ素化合物膜絶縁層14b,17bの複数層をなす。有機物発光層15は第5実施形態のように正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの多層構造をなす。
【0036】
本実施形態の有機EL素子は、次のように製造する。基板11上にITO電極12を形成した後、第4実施形態と同じ工程により酸化窒化膜絶縁層14aとフッ素化合物膜絶縁層14bを順次成膜する。
【0037】
その後、フッ素化合物膜絶縁層14b上に、第5実施形態と同様にして正孔輸送層15a、主発光層15b、電子輸送層15cの多層構造をなす有機物発光層15を成膜する。
【0038】
また電子輸送層15c上に第4実施形態と同様にして酸化窒化膜絶縁層17aとフッ素化合物膜絶縁層17bを順次形成した後、上述の各実施形態と同様に陰極19を成膜する。
【0039】
以上の各実施形態において絶縁層として用いた物質は、一例を挙げたことに過ぎず、次のような物質が使用され得る。
無機絶縁層及び/または有機絶縁層として、非伝導性物質(non conductivematerials)を含む物質。
【0040】
非伝導性物質は、強い双極性特性を有するものであり、アルカリ金属や、アルカリ土類金属のフッ素化物及び酸化物を含む物質。
非伝導性物質は、アルカリフッ素化合物を含むものであり、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化セシウムを含む物質。
【0041】
非伝導性物質は、アルカリ土類金属のフッ素化合物を含むものであり、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、またはフッ化バリウムを含む物質。
【0042】
非伝導性物質は、アルカリ酸化物を含むものであり、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウムまたは酸化セシウムを含む物質。
非伝導性物質は、アルカリ土類金属酸化物を含むものであり、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、または酸化バリウムを含む物質。
【0043】
非伝導性物質は、金属または非金属酸化物を含むものであり、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化タンタルなどを含む物質。
非伝導性物質は、金属または非金属窒化物を含むものであり、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素を含む物質。
【0044】
非伝導性物質は、アルカリ金属アセテート物質を含むものであり、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウムまたは酢酸セシウムを含む物質である。
【0045】
図10は、有機EL素子の輝度(黒印)と電圧(白印)の経時変化を示す。横軸は経過時間(秒)を示し、縦軸は輝度及び電圧を示す。図10中の四角印aは、発光層と陰極間に1層の絶縁層を使用した従来例の有機EL素子の変化を示す。図10の丸印bは、二重絶縁層を使用した実施形態1の有機EL素子の変化を示す。輝度が顕著に減少し、素子に加えられる駆動電圧が漸次に増加することが分かる。
【0046】
従って、各実施形態によれば、複数の絶縁層を挿入すれば、耐久性の向上した長寿命の素子が製造される。また、陽極と発光層間に挿入された第1絶縁層は正孔注入を制御し、また陰極から注入される電子の流れを防止する遮断効果があるので、均衡のとれた電荷注入が行われる。そして、陰極と発光層間に挿入された第2絶縁層は、トンネルリング効果による電子注入を容易にし、陽極から注入された正孔の流れを防止し、電荷の再結合確率を増加させるので、発光効率の向上した素子が得られる。
【0047】
各実施形態の有機EL素子において、陽極12と有機物発光層15との間の第1絶縁層14は、次のような作用をする。第一に、一般に有機EL素子において、正孔の移動度は電子の移動度より100倍程度大きい。このような電荷の移動度の差は、電荷注入の不均衡によって漏れ電流を増加させ、発光効率を減少させる。従って、第1絶縁層の作用は、正孔が発光層へ移動するのに障壁役割をするものであり、注入された正孔と陰極から注入された電子との電荷注入の均衡により発光効率を増加させる。
【0048】
第二に、陰極から注入された電子が陽極へ流れることを防止する電子遮断効果(electron blocking effect)で、陽極と陰極間で正孔と電子の再結合確率(recombination probability)を増加させ、発光効率を増加させる。
【0049】
第三に、陽極と絶縁層間または絶縁層と有機薄膜の界面間の接触を増加させるので、素子の耐久性を増加させる。第四に、適した絶縁層の選定と適切な厚さの絶縁層を挿入し、陽極から正孔注入を制御できる。
【0050】
第五に、複数の絶縁層14a、14bを挿入する場合、陽極に接した絶縁層14aによりITO電極に酸素が広がって抵抗が増加することと、漏れ電流(leakage current)が防止でき、発光層に接した絶縁層14bにより界面の接触を増加させて耐久性の向上した素子を製造することができる。
【0051】
また、有機物発光層15と陰極19との間に注入された第2絶縁層17は、次のような作用をする。第一に、トンネルリング効果により、効率的な電子の注入で発光効率を増加させる。
【0052】
第二に、適した絶縁層の選択と適した厚さの絶縁層を挿入するにより、発光層と陰極間の界面接触を増加させて耐久性を増加させる。第三に、陽極から注入された正孔が陰極へ流れることを防止する正孔遮断効果(Hole blocking effect)により、発光効率を増加させる。
【0053】
第四に、複数の絶縁層17a、17bを利用する場合、駆動中に熱により陰極が発光層へ広がって素子の寿命が減少することを防止できる。また発光層に接した絶縁層17aにより、発光層と第2絶縁層の界面接触を向上させ、陰極に接した絶縁層17bにより、絶縁層と陰極との界面接触を向上させ、耐久性を向上させる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性の強い長寿命の素子が得られる。また、発光効率の向上した素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の有機EL素子の断面図。
【図2】 従来の有機EL素子の断面図。
【図3】 従来の有機EL素子の断面図。
【図4】 従来の有機EL素子の断面図。
【図5】 本発明の第1実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図6】 本発明の第2実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図7】 本発明の第3実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図8】 本発明の第4実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図9】 本発明の第5実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図10】 図5の有機EL素子と従来例の有機EL素子の輝度及び電圧の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
11:基板 12:陽極
13:緩衝層 14:第1絶縁層
14a、17a:酸化窒化膜絶縁層 14b、17b:フッ素化合物膜絶縁層
15:有機物発光層 15a:正孔輸送層
15b:主発光層 15c:電子輸送層
16:電子注入層 17:第2絶縁層
19:陰極
Claims (15)
- 基板(11)上に陽極(12)、有機物発光層(15)、陰極(19)が順次形成された有機電界発光素子において、
前記陽極(12)と有機物発光層(15)との間に形成された第1絶縁層(14)と、その第1絶縁層は正孔注入を制御し、また陰極(19)から注入される電子の流れを防止することと、
前記有機物発光層(15)と陰極(19)との間に形成された第2絶縁層(17)と、その第2絶縁層はトンネルリング効果による電子注入を容易にし、また陽極(12)から注入された正孔の流れを防止することとを特徴とする有機電界発光素子。 - 前記第1、第2絶縁層(14、17)が、酸化膜絶縁層(14a、17a)とフッ素化合物膜絶縁層(14b、17b)とをそれぞれ含む複数の絶縁層からなることを特徴とする請求項1の有機電界発光素子。
- 前記第1、第2絶縁層(14、17)の厚さは0.3nm〜10nmの範囲にあることを特徴とする請求項1の有機電界発光素子。
- 前記第1、第2絶縁層(14、17)は、4.0eV以上のバンドギャップを有する物質からなることを特徴とする請求項1の有機電界発光素子。
- 前記第1、第2絶縁層(14、17)は、無機絶縁層及び有機絶縁層の少なくともいずれか一方の非伝導性物質を含む物質からなることを特徴とする請求項1の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、強い双極性特性を有するものであり、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物及びフッ素化物を含んだ物質であることを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質はアルカリフッ素化合物を含むものであり、前記アルカリフッ素化合物はフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、及びフッ化セシウムのうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、アルカリ土類金属フッ素化合物を含むものであり、前記アルカリ土類金属フッ素化合物はフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、及びフッ化バリウムのうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、アルカリ酸化物を含むものであり、前記アルカリ酸化物は酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム及び酸化セシウムのうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、アルカリ土類金属酸化物を含むものであり、前記アルカリ土類金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムを含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、金属または非金属酸化物を含むものであり、前記金属または非金属酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン及び酸化タンタルのうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、金属または非金属窒化物を含むものであり、前記金属または非金属窒化物は窒化アルミニウム、窒化ガリウム、及び窒化ケイ素のうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記非伝導性物質は、アルカリ金属アセテート物質を含むものであり、前記アルカリ金属アセテート物質は酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム及び酢酸セシウムのうち少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項5の有機電界発光素子。
- 前記有機物発光層(15)が、正孔輸送層(15a)、主発光層(15b)からなることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項の有機電界発光素子。
- 前記有機物発光層(15)が、正孔輸送層(15a)、主発光層(15b)、電子輸送層(15c)からなることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項の有機電界発光素子。
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