JP3895938B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と呼ぶ)は、新しい自己発光型素子として期待されている。有機EL素子は、ホール注入電極と電子注入電極との間にキャリア輸送層(電子輸送層またはホール輸送層)および発光層が形成された積層構造を有している。
【0003】
ホール注入電極としては、金またはITO(インジウム−スズ酸化物)のような仕事関数の大きな電極材料が用いられ、電子注入電極としては、Mg(マグネシウム)またはLi(リチウム)のような仕事関数の小さな電極材料が用いられる。
【0004】
また、ホール輸送層、発光層および電子輸送層には有機材料が用いられる。ホール輸送層にはp型半導体の性質を有する材料が用いられ、電子輸送層にはn型半導体の性質を有する材料が用いられる。発光層も、電子輸送性またはホール輸送性のようなキャリア輸送性を有するとともに、蛍光または燐光を発する有機材料により構成される。
【0005】
これらのホール注入電極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入電極はこの順に積層され、有機EL素子が形成される。
【0006】
なお、用いる有機材料によって、ホール輸送層、電子輸送層および発光層の各機能層が複数の層により構成されたり、または省略されたりする。
【0007】
例えば、Chihaya Adachi et al., Appl. Phys.Lett., Vol.55, pp.1489-1491(1989 )に示された素子構造では、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層および電子輸送層の2層の有機層しか存在しない。それは、NSDという発光材料により構成された発光層が良好なホール輸送性を有しているので、発光層がホール輸送層も兼ねているからである。
【0008】
また、C.W.Tang et al., Appl. Phys.Lett., Vol.51, pp.913-915(1987) に示された素子構造は、ホール輸送層および発光層の2層の有機層から構成されている。この場合、発光層のトリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(以下、Alqと呼ぶ)が発光および電子輸送の2つの役割を果たしている。
【0009】
一方、S.A.VanSlyke et al., Appl. Phys.Lett., Vol.69, pp.2160-2162(1996) に示された素子構造は、ホール注入層、ホール輸送層および発光層の3層の有機層から構成されている。この場合、ホール注入層は銅フタロシアニンから構成され、ホール輸送層と同様の働きを示し、素子全体では、ホール輸送層が2層存在することになる。
【0010】
このように、用いる有機材料によって、電子輸送層、ホール輸送層および発光層の構成数を自由に調整することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、有機EL素子の輝度−電圧特性において、電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが急峻である場合が多い。ディスプレイへの有機EL素子の応用を考えた場合、この電圧の上昇に対する輝度曲線の急峻な立ち上がりが問題となる。
【0012】
電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが急峻である場合には、わずかな電圧の変動においても、輝度が大きく変化する。ディスプレイ上では、わずかな電圧の変動に対して輝度が大きく変化すると、輝度むらが発生する。
【0013】
このような場合、有機EL素子の駆動回路の設計上、輝度を高精度に制御することが困難となる。この問題は、有機EL素子の有機材料として高分子系有機材料を用いた場合にも、低分子系有機材料を用いた場合にも、共通している。
【0014】
本発明の目的は、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さが緩和されるとともに、高い発光効率を得ることができる有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、ホール注入電極と発光層との間に酸化ランタン、酸化錫、または酸化白金からなる酸化金属膜が設けられたものである。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられ、前記ホール注入電極と前記発光層との間にホール注入層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ホール注入電極と前記ホール注入層との間に、ホール注入電極からのホールの注入を抑制する酸化金属膜が設けられたものである。
【0016】
有機エレクトロルミネッセンス素子の内部にホールが過剰に存在する場合、ホールの中には、再結合を行わず、そのまま電子注入電極に通過するものが多い。これが発光効率の低下の原因となる。
【0017】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、ホール注入電極と発光層との間に酸化ランタン、酸化錫、または酸化白金からなる酸化金属膜が設けられているので、ホール注入電極からのホールの注入が酸化ランタンからなる酸化金属膜により抑制される。また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられ、前記ホール注入電極と前記発光層との間に、ホール注入層と、ホール輸送層とが設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ホール注入電極と前記ホール注入層との間に、たとえば、酸化ガリウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫、または酸化白金等からなる酸化金属膜が設けられているので、ホール注入電極からのホールの注入が、これらの酸化金属膜により抑制される。
それにより、素子内部でのチャージバランス(正電荷と負電荷との均衡)が改善される。その結果、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さが緩和されるとともに、発光効率が向上する。
【0018】
特に、ホール注入材料およびホール輸送材料にアミン系材料を用い、電子輸送材料にAlqを用いている場合には、ホールが流れやすい。そのため、素子の内部にホールが過剰に存在する。この場合にも、酸化金属膜によりホールの注入が抑制されるので、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さが緩和されるとともに、発光効率が向上する。
【0019】
酸化金属膜は、酸化ガリウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫または酸化白金であることが好ましい。この場合、薄い膜厚でかつ緻密な酸化金属膜が形成される。
【0020】
酸化金属膜の膜厚は、1Å以上100Å以下であることが好ましい。この場合、ホール注入電極から発光層へのホールの注入が酸化金属膜により抑制されるとともに、トンネル効果によりホール注入電極から発光層に一部のホールが注入される。膜厚が100Åよりも厚くなると、ホールの注入が極端に抑制され、逆に発光効率が低下する。膜厚が1Åよりも薄い場合には、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さを緩和する効果が低くなる。
【0021】
酸化金属膜の膜厚は、5Å以上20Å以下であることが好ましい。この場合、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さがより緩和されるとともに、より高い発光効率が得られる。
【0022】
ホール注入電極と発光層との間にホール注入層がさらに設けられ、酸化金属膜はホール注入電極とホール注入層との間に設けられてもよい。この場合、ホール注入電極からホール注入層へのホールの注入が酸化金属膜により抑制される。したがって、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さがより緩和されるとともに、より高い発光効率が得られる。
【0023】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、ホール注入電極と発光層との間に、ヘリコンスパッタ法により、上記の酸化金属膜を形成するものである。
【0024】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によれば、ホール注入電極と発光層との間に酸化金属膜が設けられているので、ホール注入電極からのホールの注入が酸化金属膜により抑制される。それにより、素子内部でのチャージバランス(正電荷と負電荷との均衡)が改善される。その結果、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さが緩和されるとともに、発光効率が向上する。
【0025】
酸化金属膜は、酸化ガリウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫または酸化白金であることが好ましい。この場合、薄い膜厚でかつ緻密な酸化金属膜が形成される。
【0026】
酸化金属膜の膜厚は、1Å以上100Å以下であることが好ましい。この場合、ホール注入電極から発光層へのホールの注入が酸化金属膜により抑制されるとともに、トンネル効果によりホール注入電極から発光層に一部のホールが注入される。膜厚が100Åよりも厚くなると、ホールの注入が極端に抑制され、逆に発光効率が低下する。膜厚が1Åよりも薄い場合には、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さを緩和する効果が低くなる。
【0027】
酸化金属膜を、ヘリコンスパッタ法により形成することが好ましい。それにより、薄い膜厚を有する緻密な酸化金属膜を形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する)の構造の一例を示す模式図である。
【0029】
図1の有機EL素子100において、ガラス基板1上に、透明導電膜からなるホール注入電極(陽極)2が形成されている。ホール注入電極2上には、酸化金属膜3が形成されている。酸化金属膜3上に、有機材料からなるホール注入層4、有機材料からなる発光層5および有機材料からなる電子輸送層6が順に形成されている。電子輸送層6上には、電子注入電極(陰極)7が形成されている。
【0030】
酸化金属膜3は、酸化タンタル、酸化ガリウム、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫または酸化白金からなることが好ましい。それにより、薄くかつ緻密な酸化金属膜3を形成することが可能となる。
【0031】
また、酸化金属膜3の膜厚は、1Å〜100Åであることが好ましく、5Å以上20Å以下であることがより好ましく、ほぼ10Åであることがさらに好ましい。この場合、酸化金属膜3によりホール注入電極2からホール注入層4へのホールの注入が抑制されるとともに、一部のホールがトンネル効果によりホール注入電極2からホール注入層4に注入される。
【0032】
この酸化金属膜3は、ヘリコンスパッタ法(誘導結合RFプラズマ支援マグネトロンスパッタ法)により形成することが好ましい。それにより、薄くかつ緻密な酸化金属膜3を形成することが可能となる。
【0033】
発光層5は、低分子系有機材料により形成されてもよく、あるいは高分子系有機材料により形成されてもよい。
【0034】
有機EL素子100のホール注入電極2と電子注入電極7との間に電圧を印加することにより、有機EL素子100の発光層5が発光し、ガラス基板1の裏面から光が出射される。
【0035】
図1の有機EL素子100においては、ホール注入電極2とホール注入層4との間に酸化金属膜3が挿入されていることにより、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりの急峻さが緩和されるとともに、高い発光効率が得られる。
【0036】
なお、有機EL素子の構造は、上記の構造に限定されず、種々の構造を用いることができる。例えば、ホール注入電極2と電子注入電極7との間にホール注入層および発光層の2層を設けてもよい。また、ホール注入電極2と電子注入電極7との間にホール注入層、ホール輸送層および発光層の3層を設けてもよい。また、ホール注入電極2と電子注入電極7との間にホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層の5層を設けてもよく、これらのうちホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層または電子注入層のいずれかを省略してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例1〜12および比較例1,2の有機EL素子を作製し、発光特性を測定した。
【0038】
まず、実施例1〜3および比較例1では、酸化金属膜の有無および膜厚の違いによる発光特性における効果を調べた。
【0039】
実施例1〜3の有機EL素子は、図1に示した構造を有する。ホール注入電極(陽極)2はインジウム−スズ酸化物(ITO)からなる。ホール注入層4は、厚み500Åを有し、下記式(1)の分子構造式を有する2TNATAからなる。発光層5は、厚み150Åを有し、ホスト材料として下記式(2)の分子構造を有するNPBを含み、発光性ドーパントとして下記式(3)の分子構造を有するルブレンをホスト材料に対して5重量%含む。電子輸送層6は、厚み350Åを有し、電子輸送材料として、下記式(4)の分子構造を有するAlqを含む。電子注入電極(陰極)7は、厚み2000ÅのMgIn合金(比率10対1)からなる。発光層3の材料は、低分子系有機材料であり、発光色は黄色である。
【0040】
上記のNPBとは、N,N'- ジ(ナフタレン-1- イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(N,N'-Di(naphthalen-1-yl)-N,N'-diphenyl-benzidine)である。
【0041】
【化1】
Figure 0003895938
【0042】
【化2】
Figure 0003895938
【0043】
【化3】
Figure 0003895938
【0044】
【化4】
Figure 0003895938
【0045】
ここで、上記構造を有する有機EL素子を以下のようにして作製した。まず、ガラス基板1上にインジウム−スズ酸化物(ITO)からなるホール注入電極2を形成した。次に、ホール注入電極2が形成されたガラス基板1を、中性洗剤により洗浄した後、アセトン中で10分間およびエタノール中で10分間超音波洗浄した。さらに、オゾンクリーナにてガラス基板1の表面の洗浄を行った。
【0046】
この後、上記ITOからなるホール注入電極2上に、ヘリコンスパッタ法により、酸化ガリウム(Ga23 )からなる酸化金属膜3を形成した。スパッタの条件は、圧力:2.0×10-3Torr、ターゲット(2.5インチ):200W、コイル:50W、ラジカルガンの放電なし、Arガス流量:8sccm、O2 ガス流量:10sccm、基板温度の制御なしとした。
【0047】
その後、酸化金属膜3上に、真空蒸着法によりホール注入層4、発光層5、電子輸送層6および電子注入電極7を順に積層した。これらの蒸着は、いずれも真空度1×10-6Torrで基板温度の制御を行わずに常温の条件下で行った。
【0048】
実施例1では、酸化金属膜3の膜厚を10Å(=1nm)とし、実施例2では、酸化金属膜3の膜厚を20Å(=2nm)とし、実施例3では、酸化金属膜3の膜厚を40Å(=4nm)とした。
【0049】
比較例1の有機EL素子は、酸化金属膜3を形成しない点を除いて、実施例1〜3と同じ条件で作製した。
【0050】
実施例1〜3および比較例の有機EL素子のホール注入電極2に正のバイアス電圧を印加し、電子注入電極6に負のバイアス電圧を印加し、発光特性の測定を行った。
【0051】
図2は実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における輝度−電流密度特性の測定結果を示す図である。図3は実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における発光効率−電流密度特性の測定結果を示す図である。図4は実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における輝度−電圧特性の測定結果を示す図である。図5は実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における発光効率−輝度特性の測定結果を示す図である。
【0052】
図1に示すように、実施例1,2および比較例1では、輝度が電流密度に比例して増加したが、実施例3では、輝度が電流密度に比例しなかった。
【0053】
図2に示すように、実施例1,2および比較例1では、電流密度の広い範囲で十分な発光効率が得られたが、実施例3では、発光効率が低くなった。
【0054】
図3に示すように、比較例1では、電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが急峻となったが、実施例1では、電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが比較例1に比べて緩やかになり、実施例2では、電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが比較例1に比べてさらに緩やかになった。実施例3では、電圧の上昇に対する輝度曲線の立ち上がりが実施例2に比べてさらに緩やかになったが、輝度が低下した。
【0055】
図4に示すように、実施例1,2および比較例1では、輝度の広い範囲で十分な発光効率が得られたが、実施例3では、発光効率が低くなった。
【0056】
表1に実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における輝度、輝度上昇率および発光効率を示す。表1には、電圧5Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧10Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧上昇率(電圧10Vでの輝度/電圧5Vでの輝度)および1000cd/m2 での発光効率[cd/A]が示される。
【0057】
【表1】
Figure 0003895938
【0058】
表1に示すように、実施例1では、比較例1に比べて輝度上昇率が低くなり、実施例2では、比較例1に比べて輝度上昇率がさらに低くなっている。また、実施例1では、比較例1に比べて発光効率が高くなっており、実施例2では、比較例1に比べて発光効率がやや高くなっている。なお、実施例3においては、1000cd/m2 で発光しなかった。
【0059】
図1〜図4および表1の結果から、酸化金属膜3の膜厚が10Åおよび20Åである場合には、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりが緩和され、かつ十分な発光効率が得られることがわかる。特に、酸化金属膜3の膜厚が10Åである場合には、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりが緩和され、かつ高い発光効率が得られることがわかる。
【0060】
次に、実施例4〜8では、酸化金属膜3の材料の違いによる発光特性における効果を調べた。
【0061】
実施例4〜8の有機EL素子は、酸化ガリウムからなる酸化金属膜3の代わりにそれぞれ酸化タンタル、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫および酸化白金からなる酸化金属膜3を用いた点を除いて、実施例1の有機EL素子と同じ条件で作製した。
【0062】
表2に実施例4〜8の有機EL素子における輝度、輝度上昇率および発光効率を示す。表2には、電圧5Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧10Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧上昇率(電圧10Vでの輝度/電圧5Vでの輝度)および1000cd/m2 での発光効率[cd/A]が示される。
【0063】
【表2】
Figure 0003895938
【0064】
表2に示すように、実施例4〜8では、上記の比較例1に比べて輝度上昇率が低くなっている。また、実施例4,5,7,8では、上記の比較例1に比べて発光効率が十分に高くなっており、実施例6では、比較例1に比べて発光効率がやや高くなっている。
【0065】
表2の結果から、酸化金属膜3が酸化タンタル、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化錫および酸化白金からなる場合にも、酸化金属膜3が酸化ガリウムからなる場合と同様に、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりが緩和され、かつ十分な発光効率が得られることがわかる。
【0066】
次いで、実施例9および比較例2では、高分子系有機材料を用いた場合の発光特性を調べた。
【0067】
実施例8の有機EL素子は、ホール注入電極2、酸化金属膜3、発光層5および電子注入電極7を順に有する。ホール注入電極(陽極)2はインジウム−スズ酸化物(ITO)からなる。発光層5は、厚み1200Åを有し、ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体からなる。電子注入電極(陰極)7は、厚み2000ÅのMgIn合金からなる。発光層3の材料は、高分子系有機材料であり、発光色は黄色である。
【0068】
実施例9の有機EL素子は、発光層5の材料として高分子系有機材料を用いた点、およびホール注入層4および電子輸送層6を形成しない点を除いて、実施例1の有機EL素子と同じ条件で作製した。
【0069】
比較例2の有機EL素子は、酸化金属膜3を形成しない点を除いて、実施例9と同じ条件で作製した。
【0070】
表3に実施例9および比較例2の有機EL素子における輝度、輝度上昇率および発光効率を示す。表3には、電圧4Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧7Vでの輝度[cd/m2 ]、電圧上昇率(電圧7Vでの輝度/電圧4Vでの輝度)および1000cd/m2 での発光効率[cd/A]が示される。
【0071】
【表3】
Figure 0003895938
【0072】
表3に示すように、実施例9では、比較例2に比べて輝度上昇率が約半分になっている。また、実施例9では、比較例2に比べて発光効率がやや高くなっている。
【0073】
表3の結果から、発光層5の材料として高分子系有機材料を用いた場合にも、発光層5の材料として低分子系有機材料を用いた場合と同様に、酸化金属膜3を形成することにより、輝度−電圧特性における電圧の上昇に対する輝度の立ち上がりが緩和され、かつ十分な発光効率が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の構造の一例を示す模式図である。
【図2】実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における輝度−電流密度特性の測定結果を示す図である。
【図3】実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における発光効率−電流密度特性の測定結果を示す図である。
【図4】実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における輝度−電圧特性の測定結果を示す図である。
【図5】実施例1〜3および比較例1の有機EL素子における発光効率−輝度特性の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 ホール注入電極
3 酸化金属膜
4 ホール注入層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入電極
100 有機EL素子

Claims (6)

  1. ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられ、前記ホール注入電極と前記発光層との間にホール注入層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ホール注入電極と前記ホール注入層との間に、ホール注入電極からのホールの注入を抑制する酸化ランタン、酸化錫、または酸化白金からなる酸化金属膜が設けられたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記酸化金属膜の膜厚は、1Å以上100Å以下であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記酸化金属膜の膜厚は、5Å以上20Å以下であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層が設けられ、前記ホール注入電極と前記発光層との間にホール注入層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記ホール注入電極と前記発光層との間に、ヘリコンスパッタ法により、酸化ランタン、酸化錫、または酸化白金からなる酸化金属を含む酸化金属膜を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記酸化金属膜の膜厚は、1Å以上100Å以下であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記酸化金属膜の膜厚は、5Å以上20Å以下であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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