JP2001091723A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法

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JP2001091723A JP26587499A JP26587499A JP2001091723A JP 2001091723 A JP2001091723 A JP 2001091723A JP 26587499 A JP26587499 A JP 26587499A JP 26587499 A JP26587499 A JP 26587499A JP 2001091723 A JP2001091723 A JP 2001091723A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光部とスペーサとを別途設ける必要性がな
く、かつ正確な位置にスペーサが形成されたカラーフィ
ルタを提供することを主目的とするものである。 【解決手段】 透明基板と、この透明基板の一方の面側
に設けられた複数色を所定のパターンで設けた画素部
と、上記透明基板上の上記画素部が形成された面と同一
面上に形成され、液晶ディスプレイを構成するもう一方
の基板との間隔を一定に保ち、かつ遮光部としての機能
を有するスペーサ(以下、遮光性スペーサとする場合が
ある。)とを少なくとも有するカラーフィルタであっ
て、上記遮光性スペーサが濡れ性を変化させることがで
きる濡れ性可変層上に形成されていることを特徴とする
カラーフィルタおよびその製造方法を提供することによ
り上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレーのセルギャップを制御するためのスペーサーを具
備するカラーフィルタであって、特にスペーサに遮光部
の機能を有するようにしたカラーフィルタおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレー用スペーサーと
は、ディスプレーの2枚の基板間隔を均一に保つための
ものであって、現在、このスペーサーとしては、プラス
チックビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ等の真球状
粒子が用いられている。このようなスペーサー用ビーズ
は、2枚の基板間に適当に分散され配置される。
【0003】しかしながら、この方法では上記スペーサ
ー用ビーズを均一に分散させることが難しく、また、画
素部分(ブラックマトリックスの開口)にもスペーサー
用ビーズが存在することになるため、液晶ディスプレー
のバックライトを透過させたり反射させたりするいわゆ
る「光漏れ」の現象を引き起す。これがカラー表示では
ホワイトスポットとして画面に表われ、表示コントラス
トを大幅に下げる原因となっている。
【0004】また、これらの問題点を解決するために、
カラーフィルタ上に柱状のスペーサを形成する試みも行
われている。しかしながら、その形成に際してはフォト
レジストを用いる方法が一般的であるため、露光、現
像、洗浄等に手間がかかるといった問題点があった。
【0005】さらに、上記カラーフィルタ上に柱状のス
ペーサを設ける場合は、光が透過しない部分にスペーサ
を形成する必要があるため、通常、遮光部上方に形成さ
れる。したがって、透明基板上には遮光部が形成され、
さらにその上にスペーサが形成されることになる。ここ
で、同一の部材で、この遮光部とスペーサとの機能を果
たすことができれば、工程の簡略化を図ることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、遮光部とスペーサとを別途設け
る必要性がなく、かつ正確な位置にスペーサが形成され
たカラーフィルタを提供することを主目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、透明基板と、この透明
基板の一方の面側に設けられた複数色を所定のパターン
で設けた画素部と、上記透明基板上の上記画素部が形成
された面と同一面上に形成され、液晶ディスプレイを構
成するもう一方の基板との間隔を一定に保ち、かつ遮光
部としての機能を有するスペーサ(以下、遮光性スペー
サとする場合がある。)とを少なくとも有するカラーフ
ィルタであって、上記遮光性スペーサが濡れ性を変化さ
せることができる濡れ性可変層上に形成されていること
を特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0008】このように、本発明は、スペーサが濡れ性
可変層上に形成されているため、濡れ性可変層の濡れ性
の変化を利用してスペーサを精度良く形成することがで
きる。したがって、スペーサとしてビーズを用いた場合
に生じる問題点を回避することができ、かつ少ない手間
で精度の高いスペーサをカラーフィルタ上に形成するこ
とができる。さらにこのスペーサが、遮光部としての機
能を有するものであるので、遮光部とスペーサとを別途
設ける必要性がなく、工程を簡略化することができる。
【0009】本発明においては、請求項2に示すよう
に、上記画素部が上記スペーサを形成するための濡れ性
可変層上に形成されていてもよい(第1実施態様)。
【0010】この場合は、スペーサおよび画素部が、濡
れ性可変層上に形成されていることにより、スペーサの
みならず画素部も濡れ性可変層上の濡れ性の変化により
形成することができ、画素部の形成を精度良くかつ容易
に行うことができる。
【0011】また、本発明においては、請求項3に記載
するように、上記画素部が上記透明基板と上記スペーサ
を形成するための濡れ性可変層との間に形成されていて
もよい(第2実施態様)。
【0012】この場合は、従来の工程により遮光部およ
びスペーサの無いカラーフィルタを形成し、この上に濡
れ性可変層を設け、そしてこの濡れ性可変層上に遮光性
スペーサを精度良く形成することができる。したがっ
て、カラーフィルタの製造工程を大幅に変更することな
く、最終工程として濡れ性可変層の塗布工程および遮光
性スペーサの形成工程を追加すれば足りるので、従来の
工程を活かして本発明のカラーフィルタを製造する場合
に好ましい態様であるといえる。
【0013】上記第2実施態様の場合は、請求項4に記
載するように、上記遮光性スペーサにより形成される開
口の幅より、上記画素部の幅が広いことが好ましい。こ
のように画素部の幅を上記開口の幅より広くとることに
より、画素部が形成されていない部分をバックライト光
が透過する、いわゆる色抜けといった不具合が生じる可
能性を低くすることが可能となるからである。
【0014】本発明においては、請求項5に記載するよ
うに、上記濡れ性可変層が、少なくとも光触媒とバイン
ダとからなる光触媒含有層であり、かつエネルギーの照
射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化
する層であることが好ましい。このように、エネルギー
の照射により液体との接触角が低下するように濡れ性の
変化する光触媒含有層が形成されれば、エネルギーのパ
ターン照射等を行うことにより容易にこの層の濡れ性を
変化させ、液体との接触角の小さい親インク性領域を形
成とすることができ、上記遮光性スペーサが形成される
部分のみ容易に親インク性領域とすることが可能とな
る。したがって、効率的にスペーサを有するカラーフィ
ルタが製造でき、コスト的に有利となるからである。
【0015】本発明に用いられる光触媒含有層は、上述
したように少なくとも光触媒とバインダとからなるもの
であるが、このうち光触媒は、請求項6に記載するよう
に酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化
スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTi
3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(B
23)、および酸化鉄(Fe23)から選択される1
種または2種以上の物質であることが好ましい。中でも
請求項7に記載するように酸化チタン(TiO2)であ
ることが好ましい。これは、酸化チタンのバンドギャッ
プエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ
化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからであ
る。
【0016】一方、光触媒含有層を構成する他の成分で
あるバインダは、請求項8に記載するように、YnSi
(4-n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル
基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基
を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。n
は0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の
1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分
解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好
ましい。
【0017】本発明においては、上記光触媒含有層上に
おける表面張力40dyne/cmの液体との接触角が、エネ
ルギーが照射されていない部分において10度以上であ
り、エネルギーが照射された部分において10度未満で
あることが好ましい(請求項9および請求項21)。エ
ネルギーが照射されていない部分は、撥インク性が要求
される部分であることから、表面張力40dyne/cmの液
体との接触角が10度未満である場合は、撥インク性が
十分でなく、インクや遮光性スペーサ形成用塗料等が残
存する可能性が生じるため好ましくない。また、エネル
ギーが照射された部分の表面張力40dyne/cmの液体と
の接触角が10度以上である場合は、この部分でのイン
クやスペーサ形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、
画素部での色抜け等が生じる可能性があるからである。
【0018】さらに、本発明においては、上記遮光性ス
ペーサが、インクジェット方式のインクが付着されて形
成されたものであり、このインクがUV硬化性インクを
であることが好ましい(請求項10)。インクジェット
方式で遮光性スペーサ形成用インクを付着させてスペー
サを形成することがきれば、上記遮光性スペーサの形成
が容易となるからであり、UV硬化性インクを用いるこ
とにより、インクジェット方式によりスペーサ形成用イ
ンクを付着させた後、UVを照射することにより、素早
くインクを硬化させることができ、遮光性スペーサの形
成が迅速に行えることができるので、効率面で好ましい
からである。
【0019】上述したようなカラーフィルタと、これに
対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入す
ることにより得られる液晶パネルは、工程が簡略化され
て手間がかからず、かつ正確な位置に遮光性スペーサが
形成されたカラーフィルタを用いた液晶パネルであるの
で、品質面およびコスト面に優れた液晶パネルとするこ
とができる(請求項22)。
【0020】また、本発明においては、上記目的を達成
するために、請求項11に記載するように、(1)透明
基板上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角
の低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程
と、(2)この光触媒含有層上に遮光性スペーサを形成
する工程と、(3)この遮光性スペーサが形成された光
触媒含有層にエネルギーを照射して、画素部用露光部を
形成する工程と、(4)この画素部用露光部にインクジ
ェット方式でインクを付着させて画素部を形成する行程
とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法
(以下、第3実施態様とする。)を提供する。
【0021】このように、本実施態様では、光触媒含有
層上に、遮光性スペーサを形成する。したがって、遮光
性スペーサを位置精度良く形成することができる場合が
あり、さらにビーズをスペーサとした場合に生じる問題
点を回避することができる。また、本発明のスペーサ
は、遮光部の機能を有するものであるので、透明基板上
に遮光部を形成しさらにその上方にスペーサを形成する
といった2工程を、遮光性スペーサを形成するという1
工程で行うことができるため、工程の簡略化を行うこと
ができる場合がある。さらに、光触媒含有層上にエネル
ギーを照射して画素部用露光部を形成し、画素部を形成
するものであるので、遮光性スペーサのみならず画素部
も光触媒含有層上の濡れ性の変化により形成することが
でき、画素部の形成を精度良くかつ容易に行うことがで
きる。
【0022】上記第3実施態様の場合、請求項12に記
載するように、上記遮光性スペーサを形成する工程が、
(a)上記光触媒含有層上の遮光性スペーサが形成され
る部位である遮光性スペーサ形成部にエネルギーを照射
して遮光性スペーサ用露光部を形成する工程と、(b)
この遮光性スペーサ用露光部に、遮光性スペーサを形成
する工程とを含む工程とすることができる。このよう
に、光触媒含有層にエネルギーを照射して濡れ性を変化
させてスペーサ用露光部を形成し、これによりスペーサ
を形成することにより、簡単な工程で上記遮光性スペー
サを形成することができる。
【0023】一方、上記第3実施態様の場合、請求項1
3に記載するように、上記遮光性スペーサを形成する工
程が、(a)上記光触媒含有層上に、遮光性スペーサを
形成するためのレジストを含む遮光性スペーサ層を形成
する工程と、(b)この遮光性スペーサ層に対して、露
光・現像を行って、上記光触媒含有層上に遮光性スペー
サを形成する工程とを含む工程とすることもできる。こ
のようにしてスペーサを形成することにより、平坦度や
高さの均一性の高い遮光性スペーサを形成することがで
きる。
【0024】また、上記課題を解決するために、本発明
は請求項14に記載するように、(1)透明基板上に、
エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する
方向に変化する光触媒含有層を設ける工程と、(2)こ
の光触媒含有層上の画素部が形成される部位である画素
部形成部にエネルギーを照射して画素部用露光部を形成
する工程と、(3)この画素部用露光部に、画素部をイ
ンクジェット方式で形成する工程と、(4)この画素部
が形成された光触媒含有層にエネルギーを照射して、画
素部境界部分にスペーサ用露光部を形成する工程と、
(5)このスペーサ用露光部に遮光性スペーサを形成す
る工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造
方法(以下、第4実施態様とする。)を提供する。この
ように、本発明においては、先に画素部を形成し、その
後遮光性スペーサを形成するようにしてもよい。
【0025】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、請求項15に記載するように、(1)透明基板上
に、複数色でかつ所定のパターンを有する画素部を形成
する工程と、(2)この画素部上に、エネルギー照射部
分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する光
触媒含有層を形成する工程と、(3)この光触媒含有層
上の上記画素部の境界部分上方に相当する部位にエネル
ギーを照射して、スペーサ用露光部を形成する工程と、
(4)上記スペーサ用露光部に遮光性スペーサを形成す
る工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造
方法(以下、第5実施態様とする。)を提供する。この
ような方法で製造すれば、従来のスペーサおよび遮光部
を具備しないカラーフィルタの製造工程によりカラーフ
ィルタを形成し、この上に光触媒含有層を設け、そして
この光触媒含有層上に遮光性スペーサを精度良く形成す
ることができる。したがって、スペーサおよび遮光部を
具備しないカラーフィルタの製造工程を大幅に変更する
ことなく、最終工程として光触媒含有層の塗布工程およ
び遮光性スペーサの形成工程を追加すれば足りるので、
工程の簡略化が図れると共に、従来の工程を活かして本
発明のカラーフィルタを製造することができる。
【0026】上記第5実施態様の場合、請求項16に記
載するように、上記画素部を形成する工程が、光触媒含
有層を用い、この光触媒含有層上の濡れ性の変化により
上記画素部を形成する工程であることが好ましい。この
ように、画素部を形成する工程が光触媒含有層上の濡れ
性の変化により画素部を形成することにより、画素部の
形成が精度良くかつ容易に行うことができるからであ
る。
【0027】また、この第5実施態様の場合、請求項1
7に記載するように、上記画素部の幅が、上記遮光性ス
ペーサにより形成される開口の幅より広く形成されるこ
とが好ましい。このように、画素部の幅を遮光性スペー
サにより形成される開口の幅より広く形成することによ
り、バックライト光が画素部を透過することなくカラー
フィルタを通過してしまう、いわゆる色抜けといった不
具合が生じる可能性を押さえることができる。
【0028】本発明においては、光触媒含有層に照射し
て露光させるためのエネルギーとしては、請求項18に
記載するように、通常は紫外光を含む光であることが好
ましいが、光描画照射によるパターンの形成等を行う場
合は、請求項19に記載するように、このエネルギーと
して光触媒反応開始エネルギーおよび反応速度増加エネ
ルギーを用い、上記光触媒反応開始エネルギーを照射し
た部分に上記反応速度増加エネルギーを照射することに
より、露光部分を形成するようにしてもよい。
【0029】これは、光触媒含有層に対し、光触媒反応
開始エネルギーを加え、この光触媒反応開始エネルギー
が加えられた領域内に反応速度増加エネルギーをパター
ン状に加えることにより露光部分のパターンを形成する
ものである。すなわち、いままで発明者等によって提案
されてきた光描画照射によるパターンの形成は、上記紫
外線等の光触媒反応開始エネルギーを用いるものであっ
たため、装置が高価、取り扱いが困難、さらには連続出
力ができない等の問題を有する場合があった。しかしな
がら、この方法においては、紫外線等の光触媒反応開始
エネルギーを加え、この光触媒反応開始エネルギーが加
えられた領域に対して赤外線等の反応速度増加エネルギ
ーを用いてパターンを形成するようにしたものであるの
で、パターン形成に際して、赤外線レーザ等の比較的安
価で取り扱いが容易である反応速度増加エネルギーを用
いることができるという利点を有するのである。
【0030】本発明においては、このように光触媒反応
開始エネルギーおよび反応速度増加エネルギーの二つの
エネルギーを用いる場合は、請求項20に記載するよう
に、上記光触媒反応開始エネルギーが紫外光を含む光で
あり、上記反応速度増加エネルギーが赤外線レーザで加
えられる熱エネルギーであることが好ましい。これは、
本発明においては二酸化チタンが光触媒として好適に用
いられるのであるが、この二酸化チタンのバンドギャッ
プの関係から光触媒反応開始エネルギーとしては紫外光
が好ましいからである。また、反応速度増加エネルギー
が熱であることが好ましく、この熱エネルギーは赤外線
レーザにより加えられることが好ましい。赤外線レーザ
を用いる方法は、比較的安価でかつ取り扱いが容易であ
るからである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遮光性スペーサが
形成されたカラーフィルタについて詳細に説明するが、
まずカラーフィルタについて説明した後、カラーフィル
タの製造方法について説明する。
【0032】A.カラーフィルタについて まず、本発明のカラーフィルタについて詳細に説明す
る。本発明のカラーフィルタは、透明基板と、この透明
基板の一方の面側に設けられた複数色を所定のパターン
で設けた画素部と、上記透明基板上の上記画素部が形成
された面と同一面上に形成され、液晶ディスプレイを構
成するもう一方の基板との間隔を一定に保ち、かつ遮光
部としての機能を有する遮光性スペーサとを少なくとも
有するカラーフィルタであって、上記遮光性スペーサが
濡れ性を変化させることができる濡れ性可変層上に形成
されていることを特徴とするものである。
【0033】このように、本発明は、遮光性スペーサが
濡れ性可変層上に形成されているため、濡れ性可変層の
濡れ性の変化を利用して遮光性スペーサを形成した場合
は、位置精度良く遮光性スペーサを形成することができ
る。したがって、スペーサとしてビーズ等を用いた場合
に生じる問題点を回避することができ、かつ少ない手間
で位置精度の高いスペーサをカラーフィルタ上に形成す
ることができる。さらにこのスペーサが、遮光部の機能
を有する遮光性スペーサであるので、遮光部を設けさら
にスペーサを設けるという二つの工程を単一の工程で行
うことが可能となる。したがって工程の簡略化を図るこ
とが可能となる。なお、本発明においては、遮光部の全
てが遮光性スペーサによって形成されていてもよいが、
これに限定されるものではなく、遮光部の一部がこの遮
光性スペーサにより形成されている場合も含むものであ
る。また、通常のスペーサとこの遮光性スペーサとを併
用してもよい。
【0034】このような遮光性スペーサが形成されたカ
ラーフィルタの具体的な位置関係としては、例えば、画
素部が、遮光性スペーサを形成するための濡れ性可変層
上に形成されている場合(第1実施態様)と、画素部
が、透明基板と遮光性スペーサを形成するための濡れ性
可変層との間に形成されている場合(第2実施態様)と
に分けることができる。以下、第1実施態様および第2
実施態様とに分けて説明する。
【0035】1.第1実施態様について 本発明の第1実施態様は、上述したように、画素部が、
遮光性スペーサを形成するための濡れ性可変層上に形成
されている場合であり、具体的には、濡れ性可変層が透
明基板上の一方の表面に設けられ、セルギャップを均一
に保ち、かつ遮光部としての機能を有する遮光性スペー
サが上記濡れ性可変層上に設けられ、上記画素部が上記
濡れ性可変層上の所定の位置に設けられているカラーフ
ィルタである。
【0036】第1実施態様においては、遮光性スペーサ
および画素部が、濡れ性可変層上に形成されていること
により、遮光性スペーサのみならず画素部も濡れ性可変
層上の濡れ性の変化により形成することができ、画素部
の形成を精度良くかつ容易に行うことができるという利
点を有する。
【0037】図1は、本発明の遮光性スペーサが形成さ
れたカラーフィルタにおける第1実施態様の一例を示す
ものである。このカラーフィルタ1は、透明基板2上に
設けられた濡れ性可変層3と、この濡れ性可変層3上に
形成された遮光性スペーサ4と、この遮光性スペーサ4
の開口を塞ぐ位置に形成された画素部5とから構成され
ている。
【0038】この第1実施態様のカラーフィルタにおい
ては、濡れ性可変層3上の画素部5を形成する領域であ
る画素部形成部にエネルギー照射することにより、濡れ
性可変層3上の画素部形成部を濡れ性の低い親インク性
領域とすることができる。したがって、この領域にイン
クジェット方式でインクを着色することにより、均一で
色むらの無い画素部5を有する高品質なカラーフィルタ
とすることができる。また、濡れ性可変層3上の遮光性
スペーサ4が形成される領域であるスペーサ形成部にも
同様にエネルギー照射することにより、スペーサ形成部
を濡れ性の低い親インク領域とすることができるので、
この親インク領域に遮光部としての機能を有するように
調製されたスペーサ形成用インク(遮光性スペーサ形成
用インク)を例えばインクジェット方式で付着させるこ
とにより、簡単な工程で遮光性スペーサを形成すること
ができる。
【0039】本発明の第1実施態様においては、遮光部
が全て遮光性スペーサにより形成される必要はなく、そ
の遮光部の一部が遮光性スペーサとして形成されたもの
であってもよい。すなわち、例えば、セルギャップを均
一に保つのに必要な間隔で、上記濡れ性可変層3上に上
記遮光性スペーサ4を形成し、その他、遮光部を形成す
る必要がある部位に関しては、透明基板2上に遮光部を
形成するようにしてもよい。また、濡れ性可変層3上
に、例えば2回エネルギー照射を行い、2回塗布工程を
行うことにより、高さの異なる2種類のスペーサを設
け、高さの高いものを遮光性スペーサとして用い、高さ
の低いものは単に遮光部として用いるようにしてもよ
い。なお、本発明でいう遮光部とは、一般にブラックマ
トリックスと称されているものであり、通常画素部の境
界部分に形成されているものである。以下、このような
カラーフィルタを構成する各部分についてそれぞれ説明
する。
【0040】(遮光性スペーサ)本発明の特徴は、スペ
ーサが形成されたカラーフィルタにおいて、このスペー
サが濡れ性可変層上に形成されている点、およびこのス
ペーサが遮光部の機能を有する遮光性スペーサである点
にある。ここでスペーサとは、カラーフィルタ側の基板
と、もう一方のアレイ側の基板との空隙(セルギャッ
プ)を均一に保ち、液晶パネル(セル)中の液晶層の厚
みを均一にする目的で形成されるものである。
【0041】本発明において、この遮光性スペーサが形
成される位置は、上述したように濡れ性可変層上で、か
つ画素部の境界部分であって通常遮光部が形成される部
位である。本発明においては、このような部位の全てに
遮光性スペーサを形成してもよいし、また二つ基板の間
の空隙(セルギャップ)を均一に保つ程度の間隔で遮光
性スペーサを設け、他の遮光部の必要な領域に関して
は、上述したようにスペーサとしての機能を有さない単
なる遮光部を設けるようにしてもよい。
【0042】このような遮光性スペーサの一般的な高さ
は約5μm程度である。また、本発明の遮光性スペーサ
は遮光部としての機能を有する必要があるので、通常黒
色に着色されている。
【0043】上述したような遮光性スペーサを形成する
材料としては、通常、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等
に顔料もしくは染料を添加したものを用いることができ
る。まず、これらの樹脂について説明し、次いで遮光性
スペーサに用いられる顔料もしくは染料について説明す
る。
【0044】 UV硬化性樹脂 遮光性スペーサに用いられるUV硬化性樹脂としては、
少なくとも1個以上の官能基を有し、光重合開始剤に硬
化エネルギー線を照射することにより発生するイオンま
たはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い分
子量の増加や架橋構造の形成を行うモノマーやオリゴマ
ーなどからなるものが用いられる。ここでいう官能基と
は、ビニル基、カルボキシル基、水酸基などの反応の原
因となる原子団または結合様式である。
【0045】このようなモノマー、オリゴマーとして
は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、
シリコンアクリレートなどのアクリル型、および不飽和
ポリエステル/スチレン系、ポリエン/スチレン系など
の非アクリル系が挙げられるが、中でも、硬化速度、物
性選択の幅の広さからアクリル型が好ましい。このよう
なアクリル型の代表例を以下に示す。
【0046】まず、単官能基のものとしては、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルEO付加
物アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレートのカプロラクトン付加物、2−フェノキシエ
チルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールア
クリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレー
ト、ノニルフェノールEO付加物にカプロラクトン付加
したアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、フルフリルアルコールのカプロラクトン付加物ア
クリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテ
ニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、
ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソボ
ルニルアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオ
キソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−
メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカ
プロラクトン付加物のアクリレート等を挙げることがで
きる。
【0047】また、多官能基のものとしては、ヘキサン
ジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエ
ステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのアクリル
酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロー
ルプロパンのアセタール化合物のジアクリレート、2,
2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシ
ジエトキシ)フェニル]メタン、水添ビスフェノールエ
チレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリシクロ
デカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、トリメチロールプロパンプロビレンオキサ
イド付加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオ
キサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートペンタアクリレート混合物、ジ
ペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物アクリレ
ート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレ
ート、2−アクリロイロキシエチルオスフェート等を挙
げることができる。
【0048】本発明に用いられるUV硬化性樹脂に含有
される光重合開始剤としては、特に限定されるものでは
なく、公知のものから選択して用いることができる。具
体的には、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ミヒ
ラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベンゾイン
エーテル系、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベ
ンゾエート系、α−アシロキシムエステル等のカルボニ
ル化合物、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チ
オキサントン類等のイオウ化合物、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルフォスフィノキシド等のリン
化合物等を挙げることができる。
【0049】 熱硬化性樹脂 遮光性スペーサに用いられる熱硬化性樹脂組成物として
は、熱エネルギーが付加されることにより硬化し、硬化
後の強度がスペーサとしての機能を有するものを挙げる
ことができる。代表例としては、ポリカーボネイト、ポ
リメチルメタクリレート、メチルフタレート単独重合体
または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリス
チレン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネイ
ト、アクリロニトリル/スチレン共重合体、ポリ(−4
−メチルペンテン−1)等を挙げることができる。
【0050】本発明において、遮光性スペーサに用いら
れる顔料もしくは染料としては、上記UV硬化性樹脂や
熱硬化性樹脂に分散または溶解可能なものであり、かつ
遮光性スペーサ形成時に遮光しうる光学濃度を得ること
が可能な黒色の顔料もしくは染料とすることができる。
【0051】具体的には、カーボンブラック、黒色酸化
鉄や二酸化マンガン等の金属酸化物といった黒色無機顔
料、アニリンブラック等の黒色有機顔料等を挙げること
ができる。さらに、アゾ系染料、アントラキノン系染
料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、カル
ボニウム系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、
キノリン系染料、ニトロ系染料、ベンゾキノン系染料、
ナフトキノン系染料、ナフタルイミド系染料、ペリノン
系染料、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、ア
ズレニウム系染料、スクアリリウム塩系染料等の染料、
および、ジアントラキノン、ハロゲン化銅フタロシアニ
ン、銅フタロシアニン、その他のフタロシアニン系顔
料、ペリレン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環キノ
ン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ピロ
ール系顔料、ピロロピロール系顔料、アゾ系顔料等の有
機顔料といった着色剤において、単独または任意の組合
せで混合して黒色となる着色剤であってもよい。
【0052】このような遮光性スペーサの形成方法とし
ては、後述するように濡れ性の変化を用いて形成する場
合は、インクジェット方式でスペーサ形成用インクを付
着させる方法や、ディピング法やスピナー法等を挙げる
ことができ、また濡れ性の変化を用いないで形成する方
法として、フォトリソ法を用いることも可能である。
【0053】本発明においては、工程数が少なく容易に
形成することができることから、遮光性スペーサがイン
クジェット方式のインクが付着して形成されたものであ
ることが好ましく、特に工程の短縮化等の理由からUV
硬化性インクが付着して形成されたスペーサであること
が好ましい。
【0054】(濡れ性可変層)上記遮光性スペーサ4が
その上に形成される濡れ性可変層3は、その表面の濡れ
性を、外からの刺激、例えば物理的刺激、化学的刺激等
により変化させることができる層であれば特に限定され
るものではない。例えば、酸またはアルカリ等により表
面の粗さの状態が変化し、濡れ性が変化する層等であっ
てもよいし、また紫外線や可視光、さらには熱等のエネ
ルギーの照射により濡れ性可変層内の物質が変化して濡
れ性が変化する層等であってもよい。
【0055】また濡れ性の変化に関しては、刺激が加え
られる前が液体との接触角が大きく、刺激が加えられた
後に液体との接触角が小さくなるように変化するような
濡れ性可変層であってもよいし、また逆に刺激が加えら
れる前が液体との接触角が小さく、刺激が加えられた後
に液体との接触角が大きく変化するような濡れ性可変層
であってもよい。
【0056】具体的には、後述する光触媒含有層が好ま
しい例ではあるが、他にも酸やアルカリ等により表面粗
さが変化するプラスチックや金属等を挙げることができ
る。
【0057】(光触媒含有層)本発明においては、この
濡れ性可変層が、エネルギーの照射により液体との接触
角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層であ
ることが好ましい。このように、露光(本発明において
は、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射
されたことをも意味するものとする。)により液体との
接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層
を設けることにより、エネルギーのパターン照射等を行
うことにより容易に濡れ性を変化させ、液体との接触角
の小さい親インク性領域のパターンを形成することがで
き、例えば遮光性スペーサが形成される部分のみ容易に
親インク性領域とすることが可能となる。したがって、
効率的にカラーフィルタが製造でき、コスト的に有利と
なるからである。なお、この場合のエネルギーとして
は、通常紫外光を含む光が用いられる。
【0058】ここで、親インク性領域とは、液体との接
触角が小さい領域であり、インクジェット用インクやス
ペーサ形成用塗料等に対する濡れ性の良好な領域をいう
こととする。また、撥インク性領域とは、液体との接触
角が大きい領域領域であり、インクジェット用インクや
スペーサ形成用塗料に対する濡れ性が悪い領域をいうこ
ととする。
【0059】上記光触媒含有層は、露光していない部分
においては、表面張力40dyne/cmの液体との接触角が
10度以上、好ましくは表面張力30dyne/cmの液体と
の接触角が10度以上、特に表面張力20dyne/cmの液
体との接触角が10度以上であることが好ましい。これ
は、露光していない部分は、本発明においては撥インク
性が要求される部分であることから、液体との接触角が
小さい場合は、撥インク性が十分でなく、インクやスペ
ーサ形成用塗料が残存する可能性が生じるため好ましく
ないからである。
【0060】また、上記光触媒含有層は、露光すると液
体との接触角が低下して、表面張力40dyne/cmの液体
との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50dyne
/cmの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60d
yne/cmの液体との接触角が10度以下となるような層で
あることが好ましい。露光した部分の液体との接触角が
高いと、この部分でのインクやスペーサ形成用塗料の広
がりが劣る可能性があり、スペーサがうまく形成できな
かったり、画素部での色抜け等が生じる可能性があるか
らである。
【0061】なお、ここでいう液体との接触角は、種々
の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協
和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイク
ロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果
から、もしくはその結果をグラフにして得たものであ
る。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する
液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を
用いた。
【0062】本発明に用いられる光触媒含有層は、少な
くとも光触媒とバインダとから構成されていることが好
ましい。このような層とすることにより、エネルギー照
射によって光触媒の作用で臨界表面張力を高くすること
が可能となり、液体との接触角を低くすることができる
からである。
【0063】このような光触媒含有層における、後述す
るような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、
必ずしも明確なものではないが、エネルギーの照射によ
って生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、
あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によっ
て、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられて
いる。
【0064】本発明において濡れ性可変層として光触媒
含有層を用いた場合、光触媒により、バインダの一部で
ある有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露
光部の濡れ性を変化させて親インク性とし、非露光部と
の濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よっ
て、スペーサ形成用塗料やインクジェット方式のインク
との受容性(親インク性)および反撥性(撥インク性)
を高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも
有利なスペーサを具備するカラーフィルタを得ることが
できる。
【0065】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)等を挙げることができ、これらから選択して1
種または2種以上を混合して用いることができる。
【0066】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0067】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0068】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された
光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光
触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心
線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の
撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が
不十分となるため好ましくない。
【0069】本発明において、光触媒含有層に使用する
バインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解
されないような高い結合エネルギーを有するものが好ま
しく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまた
はアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強
度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や
撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポ
リシロキサン等を挙げることができる。
【0070】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0071】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;お
よび、それらの部分加水分解物;および、それらの混合
物を使用することができる。
【0072】また、バインダとして、特にフルオロアル
キル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いること
ができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤と
して知られたものを使用することができる。
【0073】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
SiCH3(OCH32;(CF32CF(CF28
2CH2SiCH3(OCH32;CF3(C64)C2
4SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C
64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si
(OCH33
【0074】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
光触媒含有層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、
遮光性スペーサ形成用塗料やインクジェット方式用イン
クの付着を妨げる機能を発現する。
【0075】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0076】
【化1】
【0077】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0078】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合して
もよい。
【0079】本発明において光触媒含有層には上記の光
触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることが
できる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKK
OLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素
系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子
(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ
化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネ
オス(株)製フタージェントF−200、F251、ダ
イキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、
スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等
のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもで
きる。
【0080】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0081】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0082】上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを
必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布
液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成する
ことができる。使用する溶剤としては、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
い。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することができ
る。
【0083】(画素部)上記第1実施態様においては、
図1に示すように濡れ性可変層3、中でも上述した光触
媒含有層上に画素部5が設けられている。第1実施態様
では、上記光触媒含有層に対して露光され、液体との接
触角が低い親インク性領域に、インクジェット方式によ
り複数色のインクにより所定のパターンで画素部が形成
される。通常画素部は、赤(R)、緑(G)、および青
(B)の3色で形成される。この画素部における着色パ
ターン、着色面積は任意に設定することができる。
【0084】このような画素部を形成するインクジェッ
ト方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類され
るが、本発明においてはいずれのインクであっても用い
ることができる。
【0085】本発明で用いられる水性インクには、溶媒
として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒
を用いることがきる。一方、油性インクにはへッドのつ
まり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが
好ましく用いられる。このようなインクジェット方式の
インクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く
用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に
可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その
他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整
剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整
剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0086】また、通常のインクジェット方式のインク
は適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できない
が、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒さ
せることで着色剤自身に定着能を持たせることができ
る。このようなインクも本発明においては用いることが
できる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性
インクを用いることもできる。
【0087】本発明においては、中でもUV硬化性イン
クを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いる
ことにより、インクジェット方式により着色して画素部
を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを
硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることがで
きる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造する
ことができるからである。
【0088】このようなUV硬化性インクは、プレポリ
マー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするも
のである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリ
レート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレー
ト、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、
シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特
に限定することなく用いることができる。
【0089】モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル
等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマ
ー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリス
トールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマー
を用いることができる。上記プレポリマー及びモノマー
は単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0090】光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエ
ーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェ
ニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチ
オキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピ
ルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置
換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケト
ン等の中から所望の硬化特性、記録特性が得られるもの
を選択して用いることができる。その他必要に応じて脂
肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサン
ソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0091】(透明基板)本発明の第1実施態様におい
ては、図1に示すように、透明基板2上に濡れ性可変層
3、中でも上述した光触媒含有層が設けられる。
【0092】この透明基板としては、従来よりカラーフ
ィルタに用いられているものであれば特に限定されるも
のではないが、例えば石英ガラス、パイレックスガラ
ス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、
あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性
を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹
率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理に
おける作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を
含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマト
リックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィ
ルタに適している。本発明において、透明基板は通常透
明なものを用いるが、反射性の基板や白色に着色した基
板でも用いることは可能である。また、透明基板は、必
要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その
他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
【0093】(遮光部)本発明のカラーフィルタは、遮
光部の機能を有する遮光性スペーサを具備するものであ
る。したがって、遮光部が形成される部分全てにこの遮
光性スペーサを形成する場合は、本発明において遮光部
は形成されないことになる。しかしながら、上述したよ
うに、本発明においては、遮光部が形成される部分の一
部に遮光性スペーサを形成する場合も含むものであるの
で、この場合は遮光性スペーサと共に遮光部を形成する
必要が生じる。
【0094】このような遮光部としては、従来より用い
られている遮光部を用いることができ、例えばスパッタ
リング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000
Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパタ
ーニングすることにより形成されたもの等を用いること
ができる。このパターニングの方法としては、スパッタ
等の通常のパターニング方法が用いられる。
【0095】また、上記遮光部としては、樹脂バインダ
中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料
等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。用いら
れる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂
を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さ
らにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反
応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いるこ
とができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、
0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。こ
のよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリ
ソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いるこ
とができる。また、透明基板上に別途濡れ性可変層を設
け、この濡れ性可変層の濡れ性の変化したパターンを用
いてパターニングすることも可能であるし、上記遮光性
スペーサ形成用の濡れ性可変層上に別途エネルギーを照
射して、形成するようにしてもよい。
【0096】(保護層)図1においては図示されていな
いが、第1実施態様においては画素部5上にさらに保護
層を形成してもよい。この保護層は、画素部、あるい
は、画素部と光触媒含有層に含有される成分の液晶層へ
の溶出を防止するために設けられるものである。
【0097】保護層の厚みは、使用される材料の光透過
率、カラーフィルタの表面状態等を考慮して設定するこ
とができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定す
ることができる。保護層は、例えば、公知の透明感光性
樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護層とし
て要求される光透過率等を有するものを用いて形成する
ことができる。具体的には、耐薬品性・耐熱性に優れた
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコ
ーン樹脂等が用いられる。
【0098】(透明電極層)また、図1には示されてい
ないが、第1実施態様においては、画素部5上にさらに
透明電極層を形成してもよい。この透明電極層とは、ア
レイ側の電極に対応する電極であり、例えばITO膜や
ネサ膜等が知られており、全面成膜されたりマスキング
方式、リフトオフ方式、レジスト方式等によりパターニ
ングされて形成される。
【0099】2.第2実施態様について 本発明の第2実施態様は、上述したように画素部が、透
明基板と遮光性スペーサを形成するための濡れ性可変層
との間に形成されている場合であり、具体的には、画素
部が透明基板の一方の表面上に形成され、上記濡れ性可
変層が上記画素部を覆うように形成され、上記遮光性ス
ペーサがこの濡れ性可変層上であって、上記画素部の境
界部分に相当する部位の上方に形成されているカラーフ
ィルタである。
【0100】このようなカラーフィルタは、従来の工程
により遮光部の無いカラーフィルタを形成し、この上に
濡れ性可変層を設け、そしてこの濡れ性可変層上に遮光
性スペーサを精度良く形成することができる。したがっ
て、遮光部およびスペーサを具備しないカラーフィルタ
の製造工程を大幅に変更することなく、最終工程として
濡れ性可変層の塗布工程および遮光性スペーサの形成工
程を追加すれば足りるので、従来の工程を活かして本発
明のカラーフィルタを製造する場合に好ましい態様であ
るといえる。また、従来遮光部およびスペーサを二工程
で形成していたのに対し、遮光性スペーサを形成するこ
とにより、一工程で遮光部およびスペーサの機能を有す
る遮光性スペーサを形成することができるので、工程の
簡略化を図ることが可能である。
【0101】なお、ここでいう画素部の境界部分の上方
とは、画素部が形成された面を上側にして透明基板を水
平に保持した際の、透明基板の画素部境界部分の鉛直方
向上方を意味するものである。
【0102】図2は、本発明のカラーフィルタにおける
第2実施態様の一例を示すものである。このカラーフィ
ルタ1は、透明基板2上に設けられた画素部5、さらに
この画素部5の表面を平坦化するために形成された保護
層6、およびこの保護層6上に形成された透明電極層
7、この透明電極層7上に形成された濡れ性可変層3、
濡れ性可変層3上であって画素部5の境界部分上方に形
成された遮光性スペーサ4とから概略構成されている。
【0103】この例においては、画素部5上に保護層6
および透明電極層7が形成されているが、本実施態様に
おいてはこれに限定されるものではなく、例えば、保護
層6によらず、透明電極層7のみを形成することにより
画素部5上の面を平坦化することができるのであれば、
保護層6を形成する必要はなく、逆に保護層6のみで平
坦化して透明電極層7をこの位置に設けないものであっ
てもよい。さらに、画素部5を平坦性が良好に形成でき
る場合は、この透明電極層7および保護層6が形成され
ていなくてもよい。この位置に透明電極層7を設けない
場合、透明電極層7は、濡れ性可変層3上に形成されて
もよい。
【0104】本実施態様においては、上記画素部5が従
来より行われている、染色法、顔料分散法(感光性顔料
分散法および非感光性顔料分散法)、印刷法および電着
法等により形成されたものであってもよい。しかしなが
ら、このような従来の方法は、例えば顔料分散法の場合
は感光性レジストインクを用いて、露光、現像、硬化を
三色分繰り返して形成しなければならない等の種々の問
題がある。したがって、本実施態様においては、この画
素部5が濡れ性可変層上に形成され、濡れ性可変層の濡
れ性の変化により形成されたものが好ましい。すなわ
ち、本実施態様においては、少なくとも画素部5が図示
されていない画素部用濡れ性可変層上に形成されている
ことが好ましいのである。
【0105】このような画素部用濡れ性可変層として
は、上述したように光触媒含有層が好ましく、具体的に
は上述した光触媒含有層と同様の組成を有するものであ
る。
【0106】本実施態様においても、上述した第1実施
態様と同様に遮光部を全て遮光性スペーサにより形成す
る必要はなく、遮光部の一部を遮光性スペーサとしたも
のも含まれる。例えば、上述したように、遮光性スペー
サを形成する工程を2回行い高さの異なる遮光性スペー
サを形成し、高さの高い方を遮光性スペーサとし、高さ
の低いものを遮光部とするようにしてもよい。また、セ
ルギャップを一定に保つことが可能な間隔で遮光性スペ
ーサを形成し、残りの遮光部が必要な部分に関しては予
め透明基板上に遮光部を形成するようにしたものであっ
てもよい。この場合に形成される遮光部は透明基板2上
にスパッタ等により形成した単層クロムや低反射クロム
等であってもよく、また画素部5同様に画素部濡れ性可
変層上に形成された樹脂製ブラックマトリックス等であ
ってもよい。
【0107】この第2実施態様においては、上記遮光性
スペーサ4もしくはこの遮光性スペーサ4および図示略
の遮光部により形成される開口の幅より、画素部5の幅
が大きく形成されているものが好ましい。このように、
画素部5の幅が広く形成されていることにより、液晶パ
ネルとした際にバックライト光が画素部が形成されてい
ない部分を通過することがなく、色抜け等の不具合が生
じにくくなるからである。
【0108】本実施態様で用いられる透明基板2、濡れ
性可変層3、遮光性スペーサ4、画素部5、保護層6,
および透明電極層7の材料等に関しては、上記第1実施
態様のものと同様であるので、ここでの説明を省略す
る。
【0109】B.カラーフィルタの製造方法について 次に、本発明のスペーサが形成されたカラーフィルタの
製造方法について、以下に示すいくつかの実施態様を用
いて説明する。
【0110】1.第3実施態様について 本発明の第3実施態様は、上記本発明における第1実施
態様であるカラーフィルタを製造するための製造方法で
あり、(1)透明基板上に、エネルギー照射部分の濡れ
性が液体の接触角の低下する方向に変化する光触媒含有
層を設ける工程と、(2)この光触媒含有層上に遮光部
としての機能を有する遮光性スペーサを形成する工程
と、(3)この遮光性スペーサが形成された光触媒含有
層にエネルギーを照射して、画素部用露光部を形成する
工程と、(4)この画素部用露光部にインクジェット方
式でインクを付着させて画素部を形成する行程とを有す
るものである。
【0111】本実施態様における光触媒含有層上でのス
ペーサの形成方法に関しては種々の方法がある。ここで
は、濡れ性の相違によりスペーサを形成した第1の例と
フォトリソグラフィー法を用いてスペーサを形成した第
2の例とについて説明する。
【0112】2.第3実施態様の第1の例について 上記第3実施態様の第1の例の具体的工程は、(1)透
明基板上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触
角の低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程
と、(2)上記光触媒含有層上の遮光性スペーサが形成
される部位である遮光性スペーサ形成部にエネルギーを
照射して遮光性スペーサ用露光部を形成する工程と、
(3)この遮光性スペーサ用露光部に、遮光性スペーサ
を形成する工程と、(4)この遮光性スペーサが形成さ
れた光触媒含有層にエネルギーを照射して、画素部用露
光部を形成する工程と、(5)この画素部用露光部にイ
ンクジェット方式でインクを付着させて画素部を形成す
る行程を含む工程である。これらの各工程について、以
下に説明する。
【0113】(各工程の説明)図3は、上記第3実施態
様の第1の例の各工程を説明するためのものである。こ
の例においては、まず、透明基板2に光触媒含有層8が
形成される(図3(A))。この光触媒含有層8の形成
は、上述したような光触媒とバインダとを必要に応じて
他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、
この塗布液を塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行
させてバインダ中に光触媒を強固に固定することにより
形成される。使用する溶剤としては、エタノール、イソ
プロルパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
く、塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことかできる。
【0114】このようにして光触媒含有層8が形成され
た透明基板2に対して、紫外光等のエネルギー9をフォ
トマスク10によりパターン照射する。これにより、画
素部の境界部分に相当する部位である遮光性スペーサ形
成部を、光触媒含有層8内の光触媒の作用により親イン
ク性領域とした遮光性スペーサ用露光部11が形成され
る(図3(B))。
【0115】このようにして形成された遮光性スペーサ
用露光部11内に、インクジェット装置12を用いて、
エネルギー照射により親インク性領域となった遮光性ス
ペーサ用露光部11内に遮光性スペーサ形成用インク1
3を噴射して、インクを付着させる。(図3(C))。
この場合、遮光性スペーサ用露光部11内は上述したよ
うにエネルギーの照射により液体との接触角の小さい親
インク性領域となっており、他の部分は撥インク性であ
ることから、インクジェット装置12から噴出された遮
光性スペーサ形成用インク13は、遮光性スペーサ用露
光部11内に均一に広がると共に、所定の高さを有する
台形形状を形成する。そして、例えばUV硬化性のイン
クが用いられていた場合は、UVを照射することによ
り、横断面が台形形状の均一な高さを有する遮光性スペ
ーサ4を形成することができる(図3(D))。
【0116】ここで用いられる遮光性スペーサ形成用イ
ンク13としては、上述した遮光性スペーサを形成する
ためのUV硬化性樹脂、光重合開始剤もしくは熱硬化性
樹脂、さらには着色剤等を単独もしくは混合溶媒に溶解
もしくは分散したもの等を用いることができる。
【0117】このような溶媒としては、N−メチル−ピ
ロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、β−
メトキシイソブチル酸メチルエステル、エチル3−エト
キシプロピオネート、2−ブトキシエタノール、3−メ
チル−3−メトキシブタノール、エチルラクテート、合
成イソパラフィン系炭化水素、メチル−n−ヘキシルケ
トン、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタジオー
ル、イソホロン、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノプロピルエーテル、N,Nジメチルホルムア
マイド、酢酸Nプロピル、エチレングリコール、グリセ
リン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メチルエ
チルケトン、アセトン、シクロヘキサン、シクロヘキサ
ノール、ノルマルヘキサン、キシレン、トルエン、i−
プロパノール、i−ブタノール、n−ブタノール、メタ
ノール、エタノール、1,4−ブタンジオール、テトラ
ヒドロフラン等を挙げることができる。
【0118】本発明に用いられるインクジェット装置1
2としては、特に限定されるものではなく、帯電したイ
ンクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電
素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを
加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各
種の方法を用いたインクジェット装置を用いることがで
きる。
【0119】なお、上述した説明では、遮光性スペーサ
用露光部11に遮光性スペーサ形成用インク13を付着
させる手段としてインクジェット装置による方法を挙げ
たが、本発明ではこの方法に限定されるものではなく、
例えばディップコート法や、スピンナー法等の他の手段
を用いることも可能である。
【0120】次に、遮光性スペーサ4が形成された光触
媒含有層8の全面にエネルギー9を照射することによ
り、スペーサが形成されていない領域が親インク性領域
とされ、画素部用露光部14とされる(図3(E))。
この画素部用露光部14内に、インクジェット装置12
を用いてインク15を噴射して、それぞれ赤、緑、およ
び青に着色する(図3(F))。この場合、画素部用露
光部14内は上述したようにエネルギーの照射により液
体との接触角の小さい親インク性領域となっているた
め、インクジェット装置12から噴出されたインク15
は、画素部用露光部14内に均一に広がる。また、画素
部境界部分には遮光性スペーサが形成されているため、
インクが混じり合うことがない。
【0121】このようにして画素部用露光部14内に付
着したインクを固化させることにより画素部5が形成さ
れる(図3(G))。本発明において、インクの固化は
用いるインクの種類により種々の方法により行われる。
例えば、水溶性のインクであれば加熱等することにより
水を除去して固化が行われる。
【0122】このインクの固化工程を考慮すると、本発
明に用いられるインクの種類としては、インクがUV硬
化性インクであることが好ましい。これは、UV硬化性
インクであればUVを照射することにより、素早くイン
クを固化することができるので、カラーフィルタの製造
時間を短縮することができるからである。
【0123】上述したように、画素部用露光部14内の
インクは均一に広がっているため、このようにインクを
固化した場合、色抜けや色むらのない画素部5を形成す
ることができる。そして、必要に応じてこの上に保護層
や透明電極層を設けてもよい。
【0124】このような各工程を行うことにより、図1
に示すような本発明の第1実施態様のカラーフィルタ1
を製造することができる。
【0125】なお、上記例においては、画素部5の境界
部分の全てに遮光性スペーサ4を形成する例を示した
が、上述したようにセルギャップを均一に保つことがで
きる間隔で遮光性スペーサ4が形成されていれば、特に
画素部の境界部分の全てに遮光性スペーサが形成されて
いる必要はなく、この場合は遮光部と遮光性スペーサと
を共に用いる構成となる。
【0126】このように、遮光部を用いる場合は、例え
ば図3(A)の光触媒含有層8を形成する前に遮光部を
形成するようにしてもよいし、光触媒含有層8上へのフ
ォトマスク10によるパターン照射を別途行い、遮光部
を形成するようにしてもよい。
【0127】(照射するエネルギーについて)本発明に
おいては、光触媒含有層に照射するエネルギーとして
は、紫外光を含む光を用いることができる。このような
紫外光を含む光源としては、例えば、水銀ランプ、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることがで
きる。この露光に用いる光の波長は400nm以下の範
囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定すること
ができ、また、露光に際しての光の照射量は、露光され
た部位が光触媒の作用により親インク性を発現するのに
必要な照射量とすることができる。
【0128】エネルギーの照射に際してパターン照射が
必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマス
クを介したパターン照射により行うことができるが、他
の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いて
パターン状に描画照射する方法を用いることも可能であ
る。しかしながら、このようなレーザを用いた方法は、
装置が高価、取り扱いが困難、さらには連続出力ができ
ない等の問題を有する場合がある。
【0129】したがって、本発明においては、光触媒含
有層に対し、光触媒反応開始エネルギーを加え、この光
触媒反応開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度
増加エネルギーをパターン状に加えることにより親イン
ク性領域のパターンを形成するようにしてもよい。この
ようなエネルギーの照射方法を用いてパターンを形成す
ることにより、パターン形成に際して、赤外線レーザ等
の比較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加エネ
ルギーを用いることができ、これにより上述したような
問題が生じないからである。
【0130】このようなエネルギーを加えることにより
濡れ性の変化した親インク性領域のパターンが形成でき
るのは、以下の理由による。すなわち、まずパターンを
形成する領域に対して光触媒反応開始エネルギーを加え
ることにより、光触媒含有層に対する光触媒の触媒反応
を開始させる。そして、この光触媒反応開始エネルギー
が加えられた領域内に、反応速度増加エネルギーを加え
る。このように反応速度増加エネルギーを加えることに
より、既に光触媒反応開始エネルギーが加えられ、光触
媒の触媒作用により反応が開始されている光触媒含有層
内の反応が、急激に促進される。そして所定の時間、反
応速度増加エネルギーを加えることにより、特性変化層
内の特性の変化を所望の範囲まで変化させ、反応速度増
加エネルギーが加えられたパターンを濡れ性の変化した
親インク性領域のパターンとすることができるのであ
る。
【0131】a.光触媒反応開始エネルギーについて このエネルギー照射方法に用いられる光触媒反応開始エ
ネルギーとは、光触媒が光触媒含有層中の化合物に対し
て、その特性を変化させるための触媒反応を開始させる
エネルギーをいう。
【0132】ここで加える光触媒反応開始エネルギーの
量は、光触媒含有層中の濡れ性の変化を急激に生じない
程度の量である。加えられる光触媒反応開始エネルギー
の量が少ない場合は、反応速度増加エネルギーを加えて
パターンを形成する際の感度が低下するため好ましくな
く、またこの量が多すぎると、光触媒反応開始エネルギ
ーを加えた光触媒含有層における特性の変化の度合いが
大きくなりすぎて、反応速度増加エネルギーを加えた領
域との差異が不明確となってしまうため好ましくない。
この加えるエネルギーの量に関しては、予めエネルギー
を加える量と光触媒含有層中の濡れ性の変化量とを予備
実験等を行うことにより決定される。
【0133】この方法における光触媒反応開始エネルギ
ーとしては、光触媒反応を開始させることができるエネ
ルギーであれば特に限定されるものではないが、中でも
光であることが好ましい。
【0134】本発明において用いられる光触媒は、その
バンドギャップによって触媒反応を開始する光の波長が
異なる。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、
また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化
チタンであれば388nmの紫外光である。したがっ
て、光であれば可視光であれ紫外光であれ本発明で用い
ることができる。しかしながら、上述したようにバンド
ギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であ
り、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易とい
った理由から光触媒としては二酸化チタンが好適に用い
られる関係上、この二酸化チタンの触媒反応を開始させ
る紫外光を含む光であることが好ましい。具体的には、
400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範
囲の紫外光が含まれることが好ましい。
【0135】このような紫外光を含む光の光源として
は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げること
ができる。
【0136】本発明においては、この光触媒反応開始エ
ネルギーが加えられる範囲は、光触媒含有層の一部分で
あってもよく、例えばこの光触媒反応開始エネルギーを
パターン状に加え、さらに後述する反応速度増加エネル
ギーもパターン状に加えることにより、濡れ性が変化し
た親インク性領域のパターンを形成することも可能であ
るが、工程の簡略化、単純化等の理由から、この光触媒
反応開始エネルギーをパターンを形成する領域全面にわ
たって加えることが好ましく、このように全面にわたっ
て光触媒反応開始エネルギーが加えられた領域に反応速
度増加エネルギーをパターン状に加えることにより、光
触媒含有層上に親インク性領域のパターンを形成するよ
うにすることが好ましい。
【0137】b.反応速度増加エネルギーについて 次に、この方法に用いられる反応速度増加エネルギーに
ついて説明する。この方法に用いられる反応速度増加エ
ネルギーとは、上記光触媒反応開始エネルギーによって
開始された光触媒含有層の濡れ性を変化させる反応の反
応速度を増加させるためのエネルギーをいう。本発明に
おいては、このような作用を有するエネルギーであれば
いかなるエネルギーであっても用いることができるが、
中でも熱エネルギーを用いることが好ましい。
【0138】このような熱エネルギーをパターン状に光
触媒含有層に加える方法としては、光触媒含有層上に熱
によるパターンが形成できる方法であれば特に限定され
るものではないが、赤外線レーザによる方法や感熱ヘッ
ドによる方法等を挙げることができる。このような赤外
線レーザとしては、例えば指向性が強く、照射距離が長
いという利点を有する赤外線YAGレーザ(1064n
m)や、比較的安価であるという利点を有するダイオー
ドレーザ(LED;830nm、1064nm、110
0nm)等の他、半導体レーザ、He−Neレーザ、炭
酸ガスレーザ等を挙げることができる。
【0139】この方法においては、上述した光触媒反応
開始エネルギーを加えることにより、光触媒を活性化さ
せて光触媒含有層内の触媒反応による濡れ性の変化を開
始させ、この濡れ性の変化が生じた部分に反応速度増加
エネルギーを加えてその部分の触媒反応を促進させるこ
とにより、反応速度増加エネルギーが加えられた領域
と、加えられなかった領域との反応速度の差により、親
インク性領域のパターンを形成することができる。
【0140】3.第3実施態様の第2の例について 上記第3実施態様の第2の例の具体的工程は、上記第1
の例における(3)および(4)の工程を以下の工程と
した以外は、上記第1の例と同様である。 (3)上記光触媒含有層上に、遮光性スペーサを形成す
るためのレジストを含む遮光性スペーサ層を形成する工
程と、(4)この遮光性スペーサ層に対して、露光・現
像を行って、上記光触媒含有層上に遮光部としての機能
を有する遮光性スペーサを形成する工程。
【0141】上記第1の例と変更のあった(3)工程お
よび(4)工程について、図4を用いて説明する。
【0142】図4は、上記第2の例の工程(4)までを
説明するためのものである。この例においては、まず上
記第1の例と同様にして、表面に光触媒含有層8が形成
された透明基板2を準備する(図4(A))。透明基板
2および光触媒含有層8に関しては上述した例と同様で
あるので、ここでは説明を省略する。
【0143】次いで、上記光触媒含有層8上にレジスト
を含む遮光性スペーサ形成用塗料16を均一に塗布する
(図4(B))。ここで用いられるレジストとしては、
ネガ型であってもポジ型であってもよく、また光、X
線、電子ビーム等のエネルギー感応性であれば特に限定
されるものではない。中でも光硬化性のレジストがその
操作の簡易性の観点から好ましい。
【0144】具体的にはネガ型フォトレジストの例とし
ては、光重合開始剤、多官能性重合モノマー、バインダ
ー、必要に応じて熱重合禁止剤からなる光重合型材料、
ポリケイ皮酸ビニル、ポリシンナミリデン酢酸ビニル、
重クロム酸塩と水溶性ポリマーとの混合物に代表される
光架橋型材料、化学増幅系ネガ型のフォトレジストが挙
げられる。光重合型材料はビニル基を有するモノマー、
オリゴマー、特にビニル基のなかでもアクリロイル基が
最もよく使用されるが、具体的な材料名については上述
のUV硬化性樹脂の項で記載したモノマー、オリゴマー
が挙げられる。
【0145】一方、ポジ型フォトレジストの例として
は、o−ナフトキノンジアジド化合物とクレゾール樹脂
との混合物、o−ニトロベンジルエステル化合物とアル
カリ可溶性バインダーとの混合物、ジヒドロピリジン化
合物とノボラック樹脂との混合物、2−ジアゾ−1,3
−ジケド化合物、ポリ(p−ホルミロキシスチレン)、
光酸発生剤と酸分解性ポリマーで構成される2成分系化
学増幅型ポジ型フォトレジスト、光酸発生剤と酸分解性
溶解阻止剤とアルカリ可溶性樹脂で構成される3成分系
化学増幅型ポジ型フォトレジスト等が挙げられる。
【0146】このようなレジストを含むスペーサ形成用
の塗料としては、上述した遮光性スペーサの材料を有機
溶剤に溶解したもの等を挙げることができる。
【0147】上記遮光性スペーサ形成用塗料16を光触
媒含有層8上に均一に塗布する方法としては、スピンコ
ート法やバーコート法等を挙げることができる。
【0148】このようにして光触媒含有層8上に遮光性
スペーサ形成用塗料16が均一に塗布された透明基板2
上に、その上方からフォトマスク10を介してエネルギ
ー9を照射する(図4(C))。このフォトマスク10
は、遮光性スペーサ4が画素部の境界部分の全部もしく
は一部に形成されるように設計されたものである。
【0149】エネルギー9がパターン照射された遮光性
スペーサ形成用塗料16を現像することにより、遮光性
スペーサ4が光触媒含有層8上に形成される(図4
(D))。その後の工程および照射されるエネルギーや
用いられる材料等は、上述した第1の例と同様であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0150】4.第4実施態様について 本発明の第4実施態様は、上記本発明における第1実施
態様であるカラーフィルタを製造するための製造方法の
一つであり、(1)透明基板上に、エネルギー照射部分
の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する光触
媒含有層を設ける工程と、(2)この光触媒含有層上の
画素部が形成される部位である画素部形成部にエネルギ
ーを照射して画素部用露光部を形成する工程と、(3)
この画素部用露光部に、画素部をインクジェット方式で
形成する工程と、(4)この画素部が形成された光触媒
含有層にエネルギーを照射して、画素部境界部分に遮光
性スペーサ用露光部を形成する工程と、(5)この遮光
性スペーサ用露光部に遮光性スペーサを形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【0151】(各工程の説明)図5は、本発明の第4実
施態様を説明するためのものである。まず、上記第3実
施態様の第1の例と同様にして透明基板2上に光触媒含
有層8を形成する(図5(A))。次いで、この光触媒
含有層8が形成された透明基板2に対して、紫外光等の
エネルギー9をフォトマスク10によりパターン照射す
る。これにより、光触媒含有層8上の画素部が形成され
る部位である画素部形成部を、光触媒含有層8内の光触
媒の作用により親インク性領域とした画素部用露光部1
4が形成される(図5(B))。
【0152】このようにして形成された画素部用露光部
14内に、インクジェット装置12を用いて、エネルギ
ー照射により親インク性領域となった画素部用露光部1
4内にインク15を噴射して、それぞれ赤、緑、および
青に着色する(図5(C))。この場合、画素部用露光
部14内は上述したようにエネルギーの照射により液体
との接触角の小さい親インク性領域となっているため、
インクジェット装置12から噴出されたインク15は、
画素部用露光部14内に均一に広がる。また、露光が行
われていない光触媒含有層の領域は、撥インク性領域と
なっているため、インクはこの領域でははじかれて除去
されることになる。このようにして画素部用露光部14
内に付着したインクを固化させることにより画素部5が
形成される(図5(D))。なお、用いられるインクジ
ェット装置、インクの種類等は、上述した実施態様と同
様であるので、ここでの説明は省略する。
【0153】そして、このように画素部5が形成された
光触媒含有層8上にエネルギー9を全面照射することに
より、画素部5の境界部分の光触媒含有層8を親インク
性領域の遮光性スペーサ用露光部とする(図5
(E))。なお、上述したように遮光性スペーサ4を画
素部5の境界部分全面にわたって形成しない場合は、例
えば遮光性スペーサ形成用のフォトマスクを用いてパタ
ーン照射し、遮光性スペーサを形成した後、遮光部を形
成するようにしてもよい。
【0154】このようにして形成された遮光性スペーサ
用露光部に、例えばインクジェット装置12を用いて遮
光性スペーサ形成用インク13を付着させ(図5
(F))、例えば遮光性スペーサ形成用インク13がU
V硬化性樹脂であればUV照射を行う等して硬化して遮
光性スペーサ4を形成する(図5(G))。
【0155】本実施態様に用いられる材料や部材の形成
方法、さらには照射されるエネルギー等については、上
述した第3実施態様と同等であるので、ここでは説明を
省略する。
【0156】(画素部の形成方法について)本実施態様
においては、上述したように画素部5を一回のエネルギ
ーの照射と露光部へのインクの付着で形成してもよい
が、これではインクの付着に際してエネルギーが照射さ
れた親インク性領域である画素部用露光部間の距離が短
い。したがって、画素部の形成に際してインクが混ざる
等の問題が生じる可能性がある。このような問題を回避
する方法として、以下に示すようなエネルギー照射およ
び画素部の形成を少なくとも2回に分けて行う方法を挙
げることができる。
【0157】すなわち、上記図5(B)では画素部5に
対応する全ての画素部形成部に対してエネルギー照射す
るようなフォトマスク10を用いてエネルギー照射を行
ったが、まず画素部形成部の一つおきに画素部が形成さ
れるように、エネルギー9を照射するようなフォトマス
クを用いて、エネルギーをパターン照射して画素部用露
光部14とする。この画素部用露光部14にインクジェ
ット装置12を用いてインク15を付着させることによ
り、画素部形成部の一つおきの部分に画素部5を形成す
る。なお、ここで形成された画素部は、この画素部上に
2回目のインクジェット装置によるインクの着色を防止
するため、画素部自体が撥インク性であることが好まし
く、またその表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物
等の撥インク処理剤で処理するようにしてもよい。
【0158】そして、画素部5が一つおきに形成された
光触媒含有層8側から再度エネルギー9を照射すること
により、画素部5の間の画素部形成部を露光して画素部
用露光部14とし、ここにインクジェット装置12を用
いてインク15を付着させることにより、カラーフィル
タを得ることができる。この場合のエネルギー照射は、
光触媒含有層8上の遮光性スペーサを形成する部位を残
してパターン形成されることが好ましい。
【0159】この方法によれば、各画素部間の距離を少
なくするもしくは無くすことも可能であるので、平滑性
に優れた着色層(画素部の集合体)を形成することがで
きる。また、第1回目の画素部の形成に際して、形成さ
れる画素部の間が広いため、この部分を超えてインクが
混じり合うことはない。したがって、インクの混色等の
無い高品質なカラーフィルタを得ることができる。
【0160】なお、上述した方法では、一回目で形成す
る画素部5は一つおきとしたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、最初に形成される画素部が隣接しな
いようにするのであれば、例えば千鳥状等、カラーフィ
ルタの画素部の形状によって変更してもよい。また、上
述した説明では、2回に分けて画素部を形成するように
したが、必要であれば、3回もしくはそれ以上の回数で
画素部を形成するようにしてもよい。
【0161】(遮光部の形成方法)上述したように、本
発明の特徴である遮光性スペーサは、画素部境界部部分
の全てに形成されてもよいが、セルギャップを均一に保
てる間隔であれば、画素部境界部分の一部に形成されて
いてもよく、この場合は他の画素部境界部分には遮光部
が形成されることになる。このように遮光性スペーサと
遮光部とを共に形成する場合は、図5(D)に示すよう
に画素部5を形成した後、エネルギーをパターン照射し
て光触媒含有層上に遮光部用露光部を形成し、これに遮
光部形成用インクを付着させて遮光部を形成し、その後
全面露光することにより遮光性スペーサ用露光部を形成
し、ここに遮光性スペーサ形成用インクを付着させるよ
うにしてもよく、また遮光部と遮光性スペーサとの形成
順序を逆にしてもよい。
【0162】さらに、例えば画素部形成前にエネルギー
をパターン照射して光触媒含有層上に遮光部用露光部を
形成し、ここに予め遮光部を形成しておいてもよい。こ
のように、遮光部と遮光性スペーサとを併用する場合
の、光触媒含有層上での画素部、遮光部および遮光性ス
ペーサの形成順序は、特に限定されるものではない。
【0163】5.第5実施態様について 本発明の第5実施態様は、上記本発明における第2実施
態様であるカラーフィルタを製造するための製造方法の
一つであり、(1)透明基板上に、複数色でかつ所定の
パターンを有する画素部を形成する工程と、(2)この
画素部上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触
角の低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工
程と、(3)この光触媒含有層上の上記画素部の境界部
分上方に相当する部位にエネルギーを照射して、遮光性
スペーサ用露光部を形成する工程と、(4)上記遮光性
スペーサ用露光部に遮光性スペーサを形成する工程とを
含むものである。以下、この第5実施態様におけるカラ
ーフィルタの製造方法の各工程について図6を用いて説
明する。
【0164】図6は、本発明の第5実施態様の各工程を
説明するためのものである。図6(A)に示すように、
まず、透明基板2上に画素部5を設ける。この画素部5
の形成方法は本発明では特に限定されるものでなく、従
来行われているいかなる方法を用いたものであってもよ
い。
【0165】例えば画素部の形成方法としては、顔料分
散法や染色法、電着法等を用いることができる。しかし
ながら、従来の画素部の形成法は、青、赤、および緑の
三色の画素部を形成する際に、それぞれ別途形成する必
要性があることから、計3回もの画素部形成工程を行う
必要がある等種々の問題点がある。したがって、本発明
においては、画素部形成に際して、光触媒含有層上に画
素部を形成するようにすることが好ましい。
【0166】これは、このように、光触媒含有層上に画
素部を形成することにより、上述した遮光性スペーサの
形成と同様に、画素部を形成する領域にエネルギーを照
射して画素部形成部を親インク性とし、ここにインクジ
ェット方式で各色のインクを付着させることができる。
したがって、一回の露光と着色の工程により画素部を形
成することが可能となり、大幅に画素部形成工程を簡略
化することが可能となるという利点を有するからであ
る。
【0167】なお、光触媒含有層上に画素部を形成する
場合は、上記第4実施態様において説明したように、画
素部を例えば一つおきに形成するようにしてもよい(上
記第4実施態様の説明中の(画素部の形成方法)参
照)。この方法によれば、インクジェット方式でインク
を塗布する際に、インクを塗布する画素部用露光部間の
幅が広いことから、インクが混ざり合う等の不都合が生
じることを防止することができる。
【0168】このようにして透明基板2上に画素部5を
形成した後、さらにこの上に保護層6を設け、さらにそ
の上に透明電極層7を塗布する(図6(A))。このよ
うに保護層6および透明電極層7を画素部5上に塗布す
るのは、その上に塗布される光触媒含有層の平坦性を向
上させることが可能である点で好ましいからである。
【0169】なお、この場合、透明電極層7のみで平坦
性が確保できる場合は、画素部5上に透明電極層7のみ
を設けるようにしてもよい。本発明においては、この透
明電極層7および保護層6の形成は、必須の要件でなく
必要無い場合は特にこの部位に設ける必要はない。すな
わち、保護層6のみで平坦性を確保するようにした場合
は、透明電極層7は後述する光触媒含有層8上に塗布さ
れてもよい。
【0170】また、光触媒含有層上に画素部を形成する
場合に、上述したように画素部を2回に分けて塗布した
場合等においては、画素部を平坦に形成することができ
ることから、このような場合は特に保護層6および透明
電極層7を設ける必要はなく、直に画素部上に光触媒含
有層を形成するようにしてもよい。
【0171】本実施態様においては、さらにこの透明電
極層7上に光触媒含有層8を形成する(図6(B))。
そしてその後は、第3実施態様の第1の例と同様にして
遮光性スペーサ4を光触媒含有層8上に形成する(図6
(C)、(D)および(E))。
【0172】なお、本実施態様においても、遮光性スペ
ーサは遮光部と併用することが可能であり、上述した実
施態様のように、透明基板上に形成された遮光部と併用
しても、また光触媒含有層上に形成された遮光部と併用
してもよい。
【0173】このような方法で遮光性スペーサを具備す
るカラーフィルタを製造すれば、従来の工程により遮光
部の無いカラーフィルタを形成し、この上に光触媒含有
層を設け、そしてこの光触媒含有層上に遮光性スペーサ
を精度良く形成することができる。したがって、遮光部
およびスペーサを具備しないカラーフィルタの製造工程
を大幅に変更することなく、最終工程として光触媒含有
層の形成工程および遮光性スペーサの形成工程を追加す
れば足りるので、従来の工程を活かして遮光性スペーサ
を有する本発明のカラーフィルタを製造する場合に好ま
しい態様であるといえる。
【0174】本実施態様においては、照射されるエネル
ギー、用いられるインクジェット装置や各種インク等に
関しては、上述した他の実施態様で説明したものを用い
ることができるので、ここではその説明を省略する。
【0175】C.カラー液晶パネルについて 上述したような遮光性スペーサを具備するカラーフィル
タと、このカラーフィルタに対向する対向基板とを組み
合わせ、この間に液晶化合物を封入することによりカラ
ー液晶パネルが形成される。このようにして得られるカ
ラー液晶パネルは、本発明のカラーフィルタが有する利
点、すなわちビーズ状の従来のスペーサを用いた場合に
生じる上述したような問題点を解決し、かつ遮光性スペ
ーサを有するため工程の簡略化が図れるという利点を有
するカラーフィルタを用いることができるため、液晶デ
ィスプレーのバックライトを透過させたり反射させたり
するいわゆる「光漏れ」の現象を引き起すことがなく、
かつ低コストでカラー液晶パネルを得ることができる。
【0176】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0177】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳しく説明する。
【0178】1.光触媒含有層の形成 イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシラ
ンが主成分であるMF―160E((株)トーケムムロ
ダクツ製)0.4gとトリメトキシメチルシラン(東芝
シリコーン(株)製、TSL8113)3gと、光触媒
である酸化チタン水分散体のST−K01(石原産業
(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間攪拌
した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈
し光触媒含有層用組成物とした。
【0179】上記組成物を無アルカリガラスの透明基板
(14.1インチ)上にスピンコーターにより塗布し、
150℃で10分間の熱処理を行うことにより透明な光
触媒含有層(厚み0.2μm)を形成した。
【0180】2.露光による親インク性領域の形成 この光触媒含有層にフォトマスク(70μmの遮光部お
よび40μmの開口部のライン&スペース)を介して水
銀灯(365nm)により70mW/cm2の照度で5
0秒間パターン露光を行い、露光部を親インク性領域と
した。この親インク性領域である露光部における40dy
ne/cmの濡れ指数標準薬(純正化学社製No.40)と
の接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−
Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下
して30秒後)した結果、41度であった。また撥イン
ク性領域である未露光部において同様に測定した結果、
7度であった。このように、露光部が親インク性領域と
なり、未露光部が撥インク性領域であることが確認され
た。
【0181】3.遮光性スペーサの形成 次にインクジェット装置を用いて、紫外線硬化型モノマ
ー(2官能アクリレートモノマー;日本化薬製KAYA
RADPEG400DA)500g、重合開始剤(チバ
スペシャリティケミカルズ製ダロキュア1173)25
gの混合液にカーボンブラック100gを分散したもの
からなる遮光性スペーサ形成用インクを、上記親インク
性領域に付着させこれにUV処理を行い硬化させ遮光性
スペーサを形成した。
【0182】4.遮光性スペーサ高さの測定 得られた遮光性スペーサの高さにおける面内精度を触針
式膜厚測定装置により測定した。その結果、14.1イ
ンチの面内精度は3±0.1μmであり、スペーサとし
て用いるのに充分な高さの精度を有することがわかっ
た。
【0183】
【発明の効果】本発明は、遮光性スペーサが濡れ性可変
層上に形成されているため、濡れ性可変層の濡れ性の変
化を利用してスペーサを精度良く形成することができ
る。したがって、スペーサとしてビーズを用いた場合に
生じる問題点を回避することができ、かつ少ない手間で
精度の高いスペーサをカラーフィルタ上に形成すること
ができる。さらにこのスペーサが、遮光部の機能を有す
るものであるので、遮光部およびスペーサの形成といっ
た二つの工程を遮光性スペーサの形成という一つの工程
でまかなうことができるので、工程の簡略化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタにおける第1実施態様
の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルタにおける第2実施態様
の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明のカラーフィルタの製造方法における第
3実施態様の一例を説明するため工程図である。
【図4】本発明のカラーフィルタの製造方法における第
3実施態様の他の例を説明するための工程図である。
【図5】本発明のカラーフィルタの製造方法における第
4実施態様を説明するための工程図である。
【図6】本発明のカラーフィルタの製造方法における第
5実施態様を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルタ、 2…透明基板、 3…濡れ性可変層、 4…遮光性スペーサ、 5…画素部、 6…保護層、 7…透明電極層、 8…光触媒含有層 9…エネルギー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 323 G09F 9/30 349A 5C094 349 B41J 3/04 101Z (72)発明者 山本 学 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FB01 FC01 2H025 AA02 AB13 AB20 AC01 AD03 BH03 CB33 DA20 DA40 2H048 BA02 BA11 BA15 BA16 BA28 BA29 BA54 BA57 BA66 BB02 BB08 BB14 BB15 BB34 BB35 BB37 BB44 2H089 LA11 MA01X MA04X MA05X MA07X NA12 PA02 PA09 QA12 QA13 TA12 2H091 FA03Y FA35Y FB04 FB13 FD04 GA08 LA12 LA13 LA30 5C094 AA43 AA45 AA55 BA43 CA19 CA23 DA13 EC03 ED02 ED15 GB01

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、この透明基板の一方の面側
    に設けられた複数色を所定のパターンで設けた画素部
    と、前記透明基板上の前記画素部が形成された面と同一
    面上に形成され、液晶ディスプレイを構成するもう一方
    の基板との間隔を一定に保ち、かつ遮光部としての機能
    を有するスペーサとを少なくとも有するカラーフィルタ
    であって、前記遮光部としての機能を有するスペーサが
    濡れ性を変化させることができる濡れ性可変層上に形成
    されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記画素部が、前記スペーサを形成する
    ための前記濡れ性可変層上に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記画素部が、前記透明基板と前記スペ
    ーサを形成するための前記濡れ性可変層との間に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記遮光部としての機能を有するスペー
    サにより形成される開口の幅より、前記画素部の幅が広
    いことを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記濡れ性可変層が、少なくとも光触媒
    とバインダとからなる光触媒含有層であり、かつエネル
    ギーの照射により液体との接触角が低下するように濡れ
    性が変化する層であることを特徴とする請求項1から請
    求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィル
    タ。
  6. 【請求項6】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
    2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チ
    タン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングス
    テン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸
    化鉄(Fe23)から選択される1種または2種以上の
    物質であることを特徴とする請求項5記載のカラーフィ
    ルタ。
  7. 【請求項7】 前記光触媒が酸化チタン(TiO2)で
    あることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記バインダが、YnSiX(4-n)(ここ
    で、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、
    アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはア
    ルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの
    整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種
    以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物である
    オルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項
    5から請求項7までのいずれかの請求項に記載のカラー
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記光触媒含有層上における表面張力4
    0dyne/cmの液体との接触角が、エネルギーが照射され
    ていない部分において10度以上であり、エネルギーが
    照射された部分において10度未満であることを特徴と
    する請求項5から請求項8までのいずれかの請求項に記
    載のカラーフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記スペーサが、インクジェット方式
    のインクが付着されて形成されたものであり、このイン
    クがUV硬化性インクであることを特徴とする請求項1
    から請求項9までのいずれかの請求項に記載のカラーフ
    ィルタ。
  11. 【請求項11】 (1)透明基板上に、エネルギー照射
    部分の濡れ性が液体との接触角の低下する方向に変化す
    る光触媒含有層を設ける工程と、(2)この光触媒含有
    層上に遮光部としての機能を有するスペーサを形成する
    工程と、(3)この遮光部としての機能を有するスペー
    サが形成された光触媒含有層にエネルギーを照射して、
    画素部用露光部を形成する工程と、(4)この画素部用
    露光部にインクジェット方式でインクを付着させて画素
    部を形成する行程とを含むことを特徴とするカラーフィ
    ルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記遮光部としての機能を有するスペ
    ーサを形成する工程が、(a)前記光触媒含有層上のス
    ペーサが形成される部位であるスペーサ形成部にエネル
    ギーを照射してスペーサ用露光部を形成する工程と、
    (b)このスペーサ用露光部に、遮光部としての機能を
    有するスペーサを形成する工程とを含む工程であること
    を特徴とする請求項11記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記遮光部としての機能を有するスペ
    ーサを形成する工程が、(a)前記光触媒含有層上に、
    スペーサを形成するためのレジストを含むスペーサ層を
    形成する工程と、(b)このスペーサ層に対して、露光
    ・現像を行って、前記光触媒含有層上に遮光部としての
    機能を有するスペーサを形成する工程とを含むことを特
    徴とする請求項11記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】 (1)透明基板上に、エネルギー照射
    部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する
    光触媒含有層を設ける工程と、(2)この光触媒含有層
    上の画素部が形成される部位である画素部形成部にエネ
    ルギーを照射して画素部用露光部を形成する工程と、
    (3)この画素部用露光部に、画素部をインクジェット
    方式で形成する工程と、(4)この画素部が形成された
    光触媒含有層にエネルギーを照射して、画素部境界部分
    にスペーサ用露光部を形成する工程と、(5)このスペ
    ーサ用露光部に遮光部としての機能を有するスペーサを
    形成する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタ
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 (1)透明基板上に、複数色でかつ所
    定のパターンを有する画素部を形成する工程と、(2)
    この画素部上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の
    接触角の低下する方向に変化する光触媒含有層を形成す
    る工程と、(3)この光触媒含有層上の前記画素部の境
    界部分上方に相当する部位にエネルギーを照射して、ス
    ペーサ用露光部を形成する工程と、(4)前記スペーサ
    用露光部に遮光部としての機能を有するスペーサを形成
    する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記画素部を形成する工程が、光触媒
    含有層を用い、この光触媒含有層上の濡れ性の変化によ
    り前記画素部を形成する工程であることを特徴とする請
    求項15記載のカラーフィルタの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記画素部の幅が、前記遮光部として
    の機能を有するスペーサにより形成される開口の幅より
    広く形成されることを特徴とする請求項15または請求
    項16記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記光触媒含有層に照射するエネルギ
    ーが、紫外光を含む光であることを特徴とする請求項1
    1から請求項17までのいずれかの請求項に記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記光触媒含有層に照射するエネルギ
    ーが、光触媒反応開始エネルギーおよび反応速度増加エ
    ネルギーであり、前記光触媒反応開始エネルギーを照射
    した部分に前記反応速度増加エネルギーを照射すること
    により、露光部分を形成することを特徴とする請求項1
    1から請求項17までのいずれかの請求項に記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記光触媒反応開始エネルギーが紫外
    光を含む光であり、前記反応速度増加エネルギーが赤外
    線レーザにより加えられた熱エネルギーであることを特
    徴とする請求項19記載のカラーフィルタの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記光触媒含有層上における表面張力
    40dyne/cmの液体との接触角が、エネルギーが照射さ
    れていない部分において10度以上であり、エネルギー
    が照射された部分において10度未満であることを特徴
    とする請求項11から請求項21までのいずれかの請求
    項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1から請求項10までのいずれ
    かの請求項に記載のカラーフィルタと、これに対向する
    基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなるこ
    とを特徴とする液晶パネル。
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