JP2001090785A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

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JP2001090785A
JP2001090785A JP26791999A JP26791999A JP2001090785A JP 2001090785 A JP2001090785 A JP 2001090785A JP 26791999 A JP26791999 A JP 26791999A JP 26791999 A JP26791999 A JP 26791999A JP 2001090785 A JP2001090785 A JP 2001090785A
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belt
weight
block
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resin
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JP26791999A
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Shoji Tsuji
勝爾 辻
Arata Hasegawa
新 長谷川
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロックの強度、耐熱性、耐摩耗性などの物
性を向上させ、寿命の長い高負荷伝動ベルトを提供す
る。 【解決手段】 センターベルト2に複数のブロック5を
装着した高負荷伝動ベルト1において、ブロック5は金
属製の補強材13の少なくとも側面に樹脂部14を被覆
してなり、樹脂部14はフェノール樹脂100重量部中
に炭素繊維が20〜100重量部とホウ酸アルミニウム
ウィスカが5〜60重量部配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー製の
センターベルトと耐側圧性を補強するブロックからな
り、自動車や農機具などの無段変速や特に大きなトルク
を伝える用途に用いる高負荷伝動ベルトに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、二輪車やバギー車あるいはゴルフ
カートなどの特殊車両において駆動用に変速ゴムベルト
が使用されている。しかし近年、用途が高馬力化する傾
向にあり、耐久性への要求品質もより高いものとなって
きた。
【0003】しかし、ゴム製Vベルトでは高負荷用のも
のであっても最大面圧が10kg/cm2程度であり、
それ以上のトルクのかかる用途であるとゴム製Vベルト
が高い側圧に耐えることができず座屈変形して、動力を
十分に伝えることができなくなる、もしくは故障となっ
てしまう。
【0004】よって従来のゴムベルトではこのような高
馬力化に耐えることができず、耐久性などの要求品質を
満たすことが困難になってきている。
【0005】従来のゴムベルトよりも耐久性を向上させ
たものとして無段変速装置などの高負荷伝動を要求され
る用途のベルトとしては、特開昭55−100443号
公報に開示されているような金属ベルトが提案されてい
る。
【0006】このような金属ベルトは耐側圧性に優れて
おり、かなりの高い側圧に耐えることができ、座屈変形
の心配はないが、一般的に変速プーリは鉄やアルミニウ
ム合金などの金属材料で構成されている。それで金属ベ
ルトはプーリとの当接面の焼き付きや摩耗を防止するた
めに、絶えずオイルを供給しながらベルトを走行させる
必要がある。そうなるとオイルを供給するための装置を
設けなければならないので、オイルポンプに消費される
動力の分、効率が悪くなることや、ベルトの伝動装置と
しては大型のものにならざるを得ない。
【0007】そこで、オイルによる潤滑の不要な乾式の
ベルトであるとともに高負荷にも絶えることのできるベ
ルトとして心線を埋設したゴムベルトに硬質の樹脂など
からなるブロックを固定してベルト幅方向の強度を高
め、耐久性を向上させたベルトも多数提案されている。
【0008】そのようなブロックを用いた例として、特
公昭62−7418号公報や特開平6−288440号
公報に開示されるようなブロックの両側面にそれぞれス
ロット部を設け、そのスロット部にゴム製の張力帯を挿
入したベルトや、特開昭63−154833号公報に開
示されているようなセンターベルトの上下にそれぞれ樹
脂素材からなる上ブロックと下ブロックを配置してボル
トやリベットなどの締着材で固定するというものが提案
されている。
【0009】このようなベルトは、金属部品同士の接触
がないためにベルトにオイルを常に供給しつづけるとい
った潤滑を必要とせず、駆動装置としては軽量化や小型
化が可能で、メンテナンスの面でも手間がかからないと
いうメリットを有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
金属製のベルトやエラストマー製のセンターベルトにブ
ロックを固定したようなベルトは高負荷を伝動する際の
プーリからの大きな側圧に耐えることができるものであ
るが、ゴムベルトに比較するとベルトの重量が重くなっ
てしまう。
【0011】そのために発熱も大きく、耐摩耗性、耐圧
縮性、耐疲労性とともに耐熱性などの諸物性として高い
水準の要求品質を満足する必要がある。
【0012】これらのベルトの構造としては、大きな荷
重がかかるため、ブロックの局所に発生する応力を小さ
くするためには、寸法精度の向上が必要となってくる。
また、強度的にも樹脂のみからなるブロックでは不充分
であり、金属からなる補強材をインサート材として表面
にフェノール樹脂を被覆したブロックが用いられてい
る。
【0013】しかし、一般的にフェノール樹脂やエポキ
シ樹脂のような熱硬化性樹脂の欠点は脆さと摩耗性にあ
り、上記のような大きな圧力、そしてプーリとの滑りが
発生している状態で108サイクル以上の耐疲労性を満
足することは困難である。
【0014】ブロックは金属製の補強材とその周囲を被
覆する樹脂素材からなっており、樹脂部分の強度と耐摩
耗性を上げるためにいろいろな繊維が配合されている。
たとえばガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、ポリア
ミド繊維、セルロース、綿、アラミド繊維、炭素繊維な
どの繊維が具体的に挙げられる。
【0015】しかし、ガラス繊維、金属繊維などの無機
繊維は相手材を傷つけてしまうという問題があり、本発
明に係るベルトのようなプーリとの摩擦が常に発生する
状態での使用は、プーリを傷つけて摩耗させ動力の伝達
性が悪くなる原因にもなるので不適である。ポリアミド
繊維の場合は吸湿によって物性が低下するという問題が
あり、セルロースは湿熱によって劣化してしまう。ま
た、綿は耐熱性に問題がある。よって自動車や農業機械
などの使用環境を考えると長期間に渡って使用しつづけ
るには不安がある。炭素繊維はそれ単独では耐衝撃性に
劣るといった問題がある。
【0016】そこで、例えば特開平8−74935のよ
うにフェノール樹脂に炭素繊維とアラミド繊維を配合し
て、硬度を上げるとともに耐衝撃性もある程度もたせる
ことができるという樹脂を用いることが提案されてい
る。
【0017】アラミド繊維を炭素繊維と併用して配合す
ると様々な面で優れたブロックとすることができるが、
耐熱性、寸法安定性、耐摩耗性、成形性、樹脂接着性の
面で不足する部分があり、本発明では前記のような不具
合を解消し、十分な強度を持っている上に、耐熱性、寸
法安定性、耐摩耗性、成形性、樹脂との接着性に優れた
高負荷伝動ベルトの提供を目的する。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような目的
を達成するために、請求項1ではセンターベルトと、該
センターベルトにベルト長手方向に所定ピッチで設けた
複数のブロックとからなり、センターベルトをブロック
に設けた溝に嵌合挿入することによってブロックをセン
ターベルトに固定する高負荷伝動ベルトにおいて、該ブ
ロックは金属製の補強材の少なくともプーリに接触する
側面に樹脂部を被覆した構成からなり、前記樹脂部はフ
ェノール樹脂100重量部中に炭素繊維が20〜100
重量部とホウ酸アルミニウムウィスカが5〜60重量部
配合されていることを特徴とする特徴とする。
【0019】ホウ酸アルミニウムウィスカは高強度、高
弾性を有する繊維であり、繊維の配向が小さいため優れ
た寸法精度と寸法安定性を有し、硬度が高く耐摩耗性に
も優れている。また流動性が高いので成形加工にも適し
ている。フェノール樹脂に対して炭素繊維に加えて前記
のようなホウ酸アルミニウムウィスカを配合することに
よってブロックの樹脂部における寸法安定性、耐摩耗性
を向上させることができ、しかも成形性を阻害すること
もない。
【0020】請求項2ではホウ酸アルミニウムウィスカ
の繊維長が5〜40μm、繊維径が0.3〜1.5μm
である高負荷伝動ベルトとしている。
【0021】樹脂中に配合するポリアリレート繊維の長
さを所定長さ、所定の径のものに限定して用いることに
よって、ブロックの耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性などを
より効果的に向上させることができる。
【0022】請求項3では、樹脂部には更にポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールが5〜40重量部配合
されている高負荷伝動ベルトとしている。
【0023】ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルを配合することによって更に耐衝撃性が向上して、ブ
ロックの破損などによるベルトが寿命になるといった問
題を解消することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる高負荷伝動ベ
ルトは形状としては特に限られるものではなく、例えば
次のような形状が挙げられる。図1は本発明高負荷伝動
ベルトの要部斜視図、図2はブロックの正面図である。
【0025】図1に示すのは本発明の高負荷伝動ベルト
1の一例であって形状は特に限定されるものではない。
図1に示すようにエラストマー2内に心線3をスパイラ
ル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト4、
4´とセンターベルト4、4´の長手方向に複数嵌合配
置するブロック5からなる。ブロック5の両側面5a、
5bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっ
ており、駆動されたプーリから動力を受け取ってブロッ
ク5に係止固定したセンターベルトを介して従動側のプ
ーリに動力を伝えるものである。
【0026】ブロック5は、図2に示すようにビーム部
6の両端から上方に向かって一対のサイドピラー7、8
が延びており、ビーム部6およびサイドピラー7、8で
三方を囲まれた嵌合溝9を形成している。嵌合溝9は上
方に開口部10が開いており、一対のサイドピラー7、
8の上端から嵌合溝9の内面側に向かって延びるロック
部11、12が対向するように設けられている。嵌合溝
9には、上方に開口した開口部10からセンターベルト
4、4´が装着されるが、装着後は前記ロック部11、
12によって抜けないようになっている。
【0027】なお、ブロック5は補強材13とその表面
を被覆した樹脂部14からなっており、本発明では後で
説明するように樹脂部14に特定の繊維を配合したフェ
ノール樹脂を用いている。樹脂部14は補強材13の前
面を覆う必要はなく、少なくともプーリと接触する側面
5a、5bに被覆していればよい。
【0028】ブロック5のサイドピラー8、9の前面に
は突起15を設けるとともに図示はしないが後面には該
突起15が嵌る凹部を設けており、両者が嵌り合うこと
によってベルト走行中にブロックが整列するようになっ
ている。
【0029】なお、2本のセンターベルト4、4´を用
いて嵌合溝9内に嵌合しやすくした例を説明している
が、別にセンターベルトを1本使用したものでも構わな
い。
【0030】また、別の例としては、次の図3に示すよ
うなものが挙げられる。図3は本発明の高負荷伝動ベル
ト21の正面断面図である。
【0031】この場合は、センターベルト22、23に
配置するブロック24には両側面にセンターベルト2
2、23を差し込む嵌合溝が開口しており、2本のセン
ターベルト22、23を嵌合したものとなっている。
【0032】本発明では、上記のようなベルトに用いる
ブロック5として、金属製の補強材13の表面に樹脂部
14を被覆したものを用いており、被覆する樹脂として
は、フェノール樹脂100重量部に炭素繊維を20〜1
00重量部とホウ酸アルミニウムウィスカを5〜60重
量部配合した繊維補強樹脂を用いている。
【0033】このような特定の繊維でフェノール樹脂を
補強することによって、本発明における技術分野の高負
荷伝動ベルトの用途で用いる場合に特に問題となりやす
い耐熱性、寸法安定性、耐摩耗性、耐衝撃性の不足など
の問題が解消されるとともに成形性の面でも非常に好適
なブロックを得ることができる。
【0034】なお、配合する夫々の繊維の役割である
が、炭素繊維は配合することによって強度を上げること
ができるものであり、ホウ酸アルミニウムウィスカを配
合することによって耐熱性、耐摩耗性、寸法安定性をよ
くすることができるとともに、炭素繊維のみのでは問題
となっていた耐衝撃性をよくし、騒音の発生などの問題
を解消するという面で物性を改善できる。
【0035】ホウ酸アルミニウムウィスカは化学式を9
Al23・2B23で示される複合酸化物で、Al23
成分を8割以上含んでいるために、アルミナに類似した
高強度、高弾性率を有し、耐摩耗性に優れた化合物であ
る。そのようなホウ酸アルミニウムウィスカを炭素繊維
とともにフェノール樹脂に配合することによって、炭素
繊維によって付与された物性を損なうことなく耐衝撃性
を改善し騒音の発生を低減することができる。
【0036】本発明の高負荷伝動ベルトのブロック5の
樹脂部14に用いることができるホウ酸アルミニウムウ
ィスカとして商品化されているものとしては、四国化成
工業株式会社製の登録商標アルボレックスを挙げること
ができる。
【0037】それぞれの繊維の配合量はフェノール樹脂
100重量部に対して炭素繊維が20〜100重量部の
範囲となっている。炭素繊維の量が20重量部未満であ
ると、強度が十分に補強できず100重量部を超えると
プーリとの接触や前後のブロック同士の接触により発生
する騒音が大きくなってしまうことと耐衝撃性の面で不
利になるので好ましくない。
【0038】ホウ酸アルミニウムウィスカの配合量は、
上記のような効果を発揮するためにフェノール樹脂10
0重量部に対して5〜60重量部の範囲とすることが好
ましい。5重量部未満であると耐衝撃性、耐摩耗性の改
善の効果や騒音を低減する効果が少なく、60重量部を
こえて配合すると、成形性が悪くなるので好ましくな
い。
【0039】また、使用するホウ酸アルミニウムウィス
カの繊維長は5〜40μmで繊維径は0.3〜1.5μ
mのものを用いることが好ましい。繊維長が5未満ある
いは繊維径が0.3μm未満になると小サイズ過ぎてホ
ウ酸アルミニウムウィスカの物性がブロックの物性とし
て反映されにくくなり、耐摩耗性、耐衝撃性、騒音の低
減の効果が十分に得られない。また、繊維長が40μm
を超えるようなものあるいは繊維径が1.5μmを超え
るようなものを用いると、ペレット化が困難になるなど
樹脂の成形性を悪化させるという問題があり、ブロック
の成形が困難になるので好ましくない。
【0040】樹脂部14中にはこれらの繊維以外にも必
要に応じて、フィラー、ウィスカ、シリカ、炭酸カルシ
ウムなどの無機材料等を混入してもかまわない。特にポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊
維を配合することによって、前記のような耐摩耗性、耐
衝撃性を改善し、騒音を下げるという面で好ましいとい
える。
【0041】ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル(PBO)繊維は、高強度、高弾性率、耐熱性、耐衝
撃性に優れた繊維であり、やはり配合することによって
これらの特性を樹脂に付与することができる。配合量と
してはフェノール樹脂100重量部に対して5〜40重
量部であることが好ましく、5重量部未満であると.前
記のような特性を十分に発揮することができず、40重
量部を超えると内部発熱して硬化してしまい、ペレット
化が困難となるので好ましくない。
【0042】また用いるポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール(PBO)繊維の繊維長は0.1〜6mm
のものを用いることが好ましく。0.1mm未満である
と.やはり前記のようなPBO繊維の特性を付与する硬
化が少なくなり、6mmを超えるようなものであると配
合量が多すぎる場合と同様に材料としてペレット化する
のが困難になるので好ましくない。
【0043】また、本発明の高負荷伝動ベルト1に用い
るセンターベルト4を構成するエラストマー2として使
用されるものは、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン
・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NB
R(ニトリルゴム)、ハイパロン(クロロスルフォン化
ポリエチレン)、HNBR(水素化ニトリルゴム)、不
飽和カルボン酸金属塩を含有したHNBR等のゴムの単
一材、またはこれらのブレンド物からなるゴム配合物や
ポリウレタン樹脂等でが挙げられる。
【0044】エラストマー2内に埋設する心線3として
は、ポリアミド、ポリエステル、アラミド等の合成繊
維、あるいはスチールコード、ガラス繊維コード、カー
ボン繊維コード等の無機繊維の単体からなるコードやこ
れらの混紡からなる撚りコードもしくは織布が用いられ
る。
【0045】
【実施例】次に、本発明の高負荷伝動ベルトを次のよう
な構成で作成し、ベルトの耐久試験、騒音試験を行い、
ブロック側面の摩耗量を測定した。
【0046】ベルトは図1に示すようなブロックを用い
たベルトであり、アルミニウム合金の補強材を用いてイ
ンサート成形した。樹脂部に用いる樹脂の構成を変えて
実施例1〜7と比較例1〜5のベルトとした。
【0047】(実施例1)実施例1に用いた樹脂は、フ
ェノール樹脂100重量部に対して炭素繊維30重量
部、繊維長が10〜30μmの範囲にあるもので、繊維
径が0.5〜1.0μmのホウ酸アルミウィスカ(四国
化成工業社製アルボレックスYS3A)を30重量部、
グラファイトを12重量部配合したものを用い、心線と
してアラミド繊維からなるロープをスパイラル状に埋設
したメタクリル酸亜鉛を添加した水素化ニトリルゴムか
らなるセンターベルトに、上記の繊維を配合した樹脂を
表面に被覆したブロックを装着したベルトを用いた。
【0048】(実施例2)実施例2ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量を60重量部にした以外は実施例1と同
様のベルトを作成して用いた。
【0049】(実施例3)実施例3ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量を90重量部にした以外は実施例1と同
様のベルトを作成して用いた。
【0050】(実施例4)実施例4ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの配合量を10重量部にした以外は実施例1と同様
のベルトを作成して用いた。
【0051】(実施例5)実施例5ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でポリアリレート繊維の配
合量を50重量部にした以外は実施例1と同様のベルト
を作成して用いた。
【0052】(実施例6)実施例6ではフェノール樹脂
100重量部に対する炭素繊維の配合量を60重量部と
し、更にポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊
維を20重量部配合した以外は実施例1と同様のベルト
を作成して用いた。
【0053】(比較例1)比較例1ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が15重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの配合量を30重量部にした以外は実施例1と同様
のベルトを作成して用いた。
【0054】(比較例2)比較例2ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が110重量部でホウ酸アルミニウムウ
ィスカの配合量を30重量部にした以外は実施例1と同
様のベルトを作成して用いた。
【0055】(比較例3)比較例3ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの配合量を2重量部にした以外は実施例1と同様の
ベルトを作成して用いた。
【0056】(比較例4)比較例4ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの配合量を70重量部にした以外は実施例1と同様
のベルトを作成して用いた。
【0057】(比較例5)比較例5ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの代りにアラミド繊維を30重量部配合した以外は
実施例1と同様のベルトを作成して用いた。
【0058】(比較例6)比較例6ではブロックに用い
た樹脂の配合をフェノール樹脂100重量部に対する炭
素繊維の配合量が60重量部でホウ酸アルミニウムウィ
スカの配合量を30重量部とし、更にポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維を50重量部配合した以
外は実施例1と同様のベルトを作成して用いた。
【0059】上記のベルトの耐久試験としては、駆動プ
ーリ径が65mm、従動プーリ径が130mmとの間に
ベルトを巻きかけて、駆動プーリ回転数を3600rp
m、従動プーリ回転数を1800rpmとし入力トルク
が6kgfmで軸荷重を350kgfとし、ベルト走行
時の雰囲気温度90℃でベルトを走行させた。
【0060】ベルト騒音試験は、前記のベルト耐久試験
と同じプーリレイアウトで、回転数や、軸荷重も同じ条
件でベルトを走行させ、所定位置(L1=50mm、L
2=100mm)で騒音計により全騒音レベルを測定し
た。
【0061】ブロック側面の摩耗量はベルト走行100
時間後のベルトからブロックを抜き取り投影機を用いて
測定した。以上の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1からわかるように、実施例1〜6のベ
ルトがセンターベルトの破壊で寿命となっているのに対
して、比較例1〜3、5はブロックの樹脂部が原因で寿
命となっている。
【0064】炭素繊維の配合量の少ない比較例1は短時
間でブロック樹脂部の摩耗のため寿命となっており、ブ
ロックの摩耗量も大きな数値となっていることから、樹
脂部の強度が不足していることがわかる。また、比較例
2からは炭素繊維が多くなりすぎた場合は、ブロック樹
脂部衝撃破壊のため寿命となっており、騒音レベルも高
い数値であることから、ブロックが硬く耐衝撃性の面で
は不足していることがわかる。
【0065】次に、ホウ酸アルミニウムウィスカの配合
量の少ない比較例3ではブロック樹脂部衝撃破壊のため
寿命となっており、騒音と摩耗量も実施例と比べるとか
なり大きな値となっている。特に実施例2との比較によ
りホウ酸アルミニウムウィスカを配合することによって
耐摩耗性がよくなるだけでなく、騒音を抑える効果があ
ることがわかる。
【0066】逆にホウ酸アルミニウムウィスカが多すぎ
ると比較例4からわかるように混練ができなくなり、ブ
ロックを成形することができない。
【0067】ホウ酸アルミニウムウィスカの代わりにア
ラミド繊維を用いた比較例5では、騒音と摩耗量の面で
ホウ酸アルミニウムウィスカには多少劣るもののほぼ同
等の改善が見られるが、244時間でブロック樹脂部疲
労破壊のため寿命となっており、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカに比べると疲労強度の点で劣っていることがわか
る。
【0068】実施例6よりPBO繊維を配合することに
よって騒音低減や耐摩耗性の面でかなりな向上が見られ
ており、PBO繊維を併用配合することによってベルト
の寿命を延ばすことができるという結果が得られている
が、配合量を多くしすぎた比較例6では比較例4と同様
に混練することができずブロックが成形できなかった。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1ではセン
ターベルトと、該センターベルトにベルト長手方向に所
定ピッチで設けた複数のブロックとからなり、センター
ベルトをブロックに設けた溝に嵌合挿入することによっ
てブロックをセンターベルトに固定する高負荷伝動ベル
トにおいて、該ブロックは金属製の補強材の少なくとも
プーリに接触する側面に樹脂部を被覆した構成からな
り、前記樹脂部はフェノール樹脂100重量部中に炭素
繊維が20〜100重量部とホウ酸アルミニウムウィス
カが5〜60重量部配合されていることを特徴とする特
徴とする。
【0070】ホウ酸アルミニウムウィスカは高強度、高
弾性を有する繊維であり、繊維の配向が小さいため優れ
た寸法精度と寸法安定性を有し、硬度が高く耐摩耗性に
も優れている。また流動性が高いので成形加工にも適し
ている。フェノール樹脂に対して炭素繊維に加えて前記
のようなホウ酸アルミニウムウィスカを配合することに
よってブロックの樹脂部における寸法安定性、耐摩耗性
を向上させることができ、しかも成形性を阻害すること
もない。
【0071】請求項2ではホウ酸アルミニウムウィスカ
の繊維長が5〜40μm、繊維径が0.3〜1.5μm
である高負荷伝動ベルトとしている。
【0072】樹脂中に配合するポリアリレート繊維の長
さを所定長さ、所定の径のものに限定して用いることに
よって、ブロックの耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性などを
より効果的に向上させることができる。
【0073】請求項3では、樹脂部には更にポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールが5〜40重量部配合
されている高負荷伝動ベルトとしている。
【0074】ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルを配合することによって更に耐衝撃性が向上して、ブ
ロックの破損などによるベルトが寿命になるといった問
題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明高負荷伝動ベルトの一例を示す要部斜視
図である。
【図2】図1の高負荷伝動ベルトで用いるブロックの断
面図である。
【図3】本発明高負荷伝動ベルトの別の例を示す正面断
面図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 エラストマー 3 心線 4 センターベルト 5 ブロック 5a 側面 5b 側面 13 補強材 14 樹脂部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センターベルトと、該センターベルトに
    ベルト長手方向に所定ピッチで設けた複数のブロックと
    からなり、センターベルトをブロックに設けた溝に嵌合
    挿入することによってブロックをセンターベルトに固定
    する高負荷伝動ベルトにおいて、該ブロックは金属製の
    補強材の少なくともプーリに接触する側面に樹脂部を被
    覆した構成からなり、前記樹脂部はフェノール樹脂10
    0重量部中に炭素繊維が20〜100重量部とホウ酸ア
    ルミニウムウィスカが5〜60重量部配合されているこ
    とを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 ホウ酸アルミニウムウィスカの長さが5
    〜40μmで繊維径が0.3〜1.5μmである請求項
    1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 樹脂部には更にポリパラフェニレンベン
    ゾビスオキサゾールが5〜40重量部配合されている請
    求項2記載の高負荷伝動ベルト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116956A (ja) * 2009-10-26 2011-06-16 Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd フェノール樹脂成形材料及び摺動部材
CN109578516A (zh) * 2017-09-29 2019-04-05 丰田自动车株式会社 传动带

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