JPH11132293A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

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Publication number
JPH11132293A
JPH11132293A JP31424297A JP31424297A JPH11132293A JP H11132293 A JPH11132293 A JP H11132293A JP 31424297 A JP31424297 A JP 31424297A JP 31424297 A JP31424297 A JP 31424297A JP H11132293 A JPH11132293 A JP H11132293A
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JP
Japan
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belt
block
reinforcing member
reinforcing material
beam portion
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Pending
Application number
JP31424297A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Takagi
晋一 高木
Shoji Tsuji
勝爾 辻
Akihiko Tokuda
明彦 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication of JPH11132293A publication Critical patent/JPH11132293A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリからの側圧をサイドピラーの弾性で緩
和し、補強材の疲労を防止することにより、長寿命の高
負荷伝動ベルトを提供する。 【解決手段】 上方に開口部のある嵌合溝を有するブロ
ック5をセンターベルト4、4に係止し、ブロックは補
強材の周囲に樹脂を被覆したベルトにおいて、前記補強
材はビーム部のみに配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー製の
センターベルトと耐側圧を補強するブロックからなる高
負荷伝動ベルトを用いたベルト駆動装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から無段変速装置等の高負荷伝動を
要求される用途として適用されるベルトとして、ゴム製
Vベルト、また、特開昭55−100443号公報のよ
うな金属ベルトが提案されている。
【0003】しかしゴム製Vベルトでは高負荷用のもの
であっても最大面圧が10kg/cm2程度であり、そ
れ以上のトルクのかかる用途であるとゴム製Vベルトが
高い側圧に耐えられず座屈変形してしまう。
【0004】そこで、オイルによる潤滑の不要な乾式の
ベルトであるとともに高負荷にも耐えうるベルトとして
心体を埋設したゴムベルトに硬質の樹脂等からなるブロ
ックを固定してベルト幅方向の強度を高め、耐久性を向
上させたベルトも多数提案されている。
【0005】そのようなベルトの中で、ブロックの形状
が一対のプーリ当接部とそのプーリ当接部を連結するビ
ーム部で三方を囲んだセンターベルト嵌合溝を形成し、
プーリ当接部のビーム部で連結されている反対側にセン
ターベルトが抜けないようにロック部を形成したような
ブロックを用いた高負荷伝動ベルトを本発明者らが提案
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのブロック
はセンターベルトの嵌合溝が上方向に開口しており、そ
のようなベルトをプーリに掛架して走行させた場合、ブ
ロックが前傾状態になったり、傾いてプーリに進入する
ことによって、ブロックの上部分のみがプーリに当たる
ことになる。そうすると、プーリからの側圧でサイドピ
ラーがブロックの内方向に押されて嵌合溝の開口部が閉
じる方向に撓むという現象が起こる。
【0006】その時にブロックのビーム部とサイドピラ
ーとの境目やビーム部の下辺中央付近に応力が集中し、
ブロックの破損につながるという問題があった。また、
このようなベルトでは、ブロックの側面とプーリとが接
触し摩擦力によって動力が伝達される場合、プーリから
十分な側圧を受けて伝動に寄与しているのは、ブロック
の下半分であるということがわかった。
【0007】そこで、本発明ではこのような構成の高負
荷伝動ベルトの、ほとんど下半分のみでプーリからの側
圧を受けて伝動が行われるという状況を利用し、ベルト
の長寿命化と軽量化をはかったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために請求項1では、エラストマー中に心
線を埋設した無端のセンターベルトと、該センターベル
トの長手方向に複数嵌合配置したブロックからなり、該
ブロックは、ビーム部および該ビーム部の両端から上方
に伸びるサイドピラーによって三方を囲んだ嵌合溝が形
成され、該嵌合溝にセンターベルトを嵌合するととも
に、サイドピラーにはセンターベルトが抜けるのを防止
するロック部が形成された高負荷伝動ベルトにおいて、
前記ブロックは補強材の周囲に樹脂を被覆したベルトで
あり、前記補強材は少なくともビーム部に配置され、サ
イドピラーおよびロック部には全く補強材を配置しない
ことを特徴としている。
【0009】このような構成を採ることによって、補強
材のないサイドピラーは比較的自由に曲げることができ
るようになり、プーリから受けた側圧をサイドピラーの
弾性で吸収してビーム部に大きな歪みが生じるのを防止
することができるので、ブロックの早期破損を招くこと
がない。また、もともと動力の伝動にあまり寄与してい
ないブロックのサイドピラーの補強材を、なくすことに
よってブロックの軽量化が可能であり、ベルト全体でか
なりの軽量化となるので、ベルト走行中の遠心力を小さ
くすることができ、高速走行時の過大な遠心張力の発
生、振動、騒音の面で改善がなされる。
【0010】また請求項2では、補強材はビーム部の全
域およびサイドピラーの少なくとも一部に配置され、ロ
ック部には全く補強材を配置しないことでサイドピラー
に請求項1同様の弾性によって応力を吸収させる機能を
持たせる一方、応力集中の起きやすいサイドピラーとビ
ーム部との境界部にある程度の強度を持たせたものであ
る。
【0011】また請求項3では、サイドピラーに配置す
る補強材の厚みをビーム部の配置する補強材よりも薄く
することによってサイドピラーの弾性率を低く設定して
いる。
【0012】請求項4では、エラストマー中に心線を埋
設した無端のセンターベルト、該センターベルトの長手
方向に複数嵌合配置したブロックからなり、該ブロック
は、ビーム部および該ビーム部の両端から上方に伸びる
サイドピラーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、
該嵌合溝にセンターベルトを嵌合するとともに、サイド
ピラーにはセンターベルトが抜けるのを防止するロック
部が形成された高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロッ
クは補強材の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記
補強材はブロックの全域に配置され、サイドピラーおよ
びロック部に配置した補強材の厚みをビーム部に配置し
た補強材よりも薄くすることによって弾性率を低く設定
したことを特徴としている。
【0013】そうすることによって、サイドピラーやロ
ック部にもある程度の強度を持たせて、かつ、弾性も持
たせることができるので、プーリに架けて走行させたと
きに受ける応力をサイドピラーで吸収することができ、
ビーム部の破損を防止することができる
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明高負荷伝動ベルトの
要部斜視図、図2はブロックの正面図である。
【0015】本発明の高負荷伝動ベルト1は、図1に示
すようにエラストマー2内に心線3をスパイラル状に埋
設してなる同じ幅の二本のセンターベルト4、4' とセ
ンターベルト4の長手方向に複数嵌合配置するブロック
5からなる。ブロック5の両側面5a、5bは、プーリ
のV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動さ
れたプーリから動力を受け取ってブロック5に係止固定
したセンターベルトを介して従動側のプーリに動力を伝
えるものである。
【0016】ブロック5は、図2に示すようにビーム部
6の両端から上方に向かって一対のサイドピラー7、8
が延びており、ビーム部6およびサイドピラー7、8で
三方を囲まれた嵌合溝9を形成している。嵌合溝9は上
方に開口部10が開いており、一対のサイドピラー7、
8の上端から嵌合溝9の内面側に向かって延びるロック
部11、12が対向するように設けられている。嵌合溝
9には、上方に開口した開口部10からセンターベルト
4、4' が装着されるが、装着後は前記ロック部11、
12によって抜けないようになっている。
【0017】ブロック5を構成する補強材13は、ブロ
ックの耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサ
ートであり、素材としてはアルミ合金や鉄などの金属が
挙げられる。アルミ合金の弾性率が7000kgf/m
m2で比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22
000kgf/mm2で比重が7.8であり、軽量化の
面では鉄よりのもアルミ合金を用いるほうが有利である
が、強度的には鉄のほうが高い。本発明では補強材13
をブロックの一部にしか配置しないので重量のある鉄を
用いても、ベルト全体の重量としては重くなりすぎない
というメリットもある。他に樹脂14と同じものもしく
はカーボン繊維やアラミド繊維の織布やスダレ等で補強
した樹脂で十分な強度を持つものを用いたとしても本発
明の趣旨を外れるものではない。
【0018】ただし、耐側圧性や曲げ剛性を持たせると
いう面では金属材料が優れており、金属製の補強材の所
定箇所に樹脂14を被覆したブロックを用いることが好
ましい。
【0019】樹脂14を所定の箇所に配置する場合、ブ
ロックの大きさよりもひと回り小さい金属材料からなる
補強材13を用いてそのほぼ全面を樹脂14で被覆した
ものを用いると、部分的に樹脂14を被覆配置したもの
に比べて、樹脂の剥離などの問題が発生しにくいので好
ましい形態ということができる。ただし、全面といって
も製造工程の上で樹脂14を被覆する際に補強材13を
固定する部材が接触しているところは、補強材13が露
出する箇所が発生することになるが、その程度の補強材
13の露出は、実質的に全面を樹脂で被覆している形態
に含まれるといってよいものである。
【0020】補強材13を被覆する樹脂14としては、
比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベル
ト4を構成するエラストマー2と比べると剛性の高い、
具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質
ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0021】また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミ
ド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属
繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィス
カー、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入
した強化樹脂からなる。
【0022】ブロック5は、補強材13の表面に樹脂を
被覆したものであり、センターベルト4,4' 挿入、組
付けしベルトとしてプーリに掛架し走行させると、プー
リからの側圧を受けて、サイドピラー7、8が内方に押
されビーム部が撓むディッシングが起きる。そうすると
サイドピラーとビーム部との境界15やビーム部の下辺
の中央付近16に応力が集中し、補強材13が疲労して
くるとベルトの破壊につながりベルト寿命となってしま
う。
【0023】そこで本発明では補強材13の形態を工夫
することにより、これらの問題が起きないようにしてい
る。まず一つ目は、図2に示すように、補強材13はビ
ーム部6のみに配置し、サイドピラー7、8およびロッ
ク部11、12には補強材13を配置しないで形成され
たブロックとしている。
【0024】こうすることによって、サイドピラー7、
8は樹脂のみからなることになり、補強材13を配置し
たものと比べると格段に弾性変形し易くなる。そのため
プーリから側圧を受けてもサイドピラーの弾性変形で側
圧による応力の大部分を吸収し、サイドピラーとビーム
部の境界15やビーム部の下辺の中央付近16に応力が
集中しブロックの破損につながることもない。更に、補
強材13がサイドピラーとロック部に配置されていない
分、ブロックの全域に配置したものと比べると、かなり
の軽量化につながる。
【0025】次に二つ目として、図3に示すように基本
的にはビーム部中心に補強材13を配置するものである
が、サイドピラー7、8には全く補強材13を配置しな
いわけではなく、ビーム部に配置する補強材13からわ
ずかに延長した程度に配置している。
【0026】そうすることによって、サイドピラー7、
8に適度な弾性を持たせることができるとともに、ビー
ム部6とサイドピラー7、8との境界15を補強するこ
とができ、ブロックの軽量化の効果も得ることができ
る。また、サイドピラーに配置する補強材の厚みを薄く
することによって、弾性率を低く設定することもできる
ので、ビーム部に配置した補強材にかかる応力集中をや
わらげることができる。
【0027】さらに、図4の例は軽量化という面では少
し不利になるものの、ブロックの全域に渡って補強材を
設け、サイドピラー7、8とロック部11、12の部分
に配置する補強材の厚みを図5に示すように薄くするこ
とによって弾性率を低く設定し、弾性を持たせ、ビーム
部に配置した補強材の応力集中を緩和するという構成も
本発明の主旨に含まれるものである。この場合でも、サ
イドピラーとロック部に配置した補強材は厚みを薄くし
ているので軽量化の効果を期待することはできる。ここ
サイドピラーは補強材と樹脂の複合材料からなっている
が、その弾性率とは両方の材料を合わせるとともに、形
状に起因するものを含めた見かけの弾性率のことであ
る。
【0028】センターベルト4、4' を構成するエラス
トマー2として使用されるものは、NR(天然ゴム)、
SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプ
レンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ハイパロン(ク
ロロスルフォン化ポリエチレン)、HNBR(水素化ニ
トリルゴム)、不飽和カルボン酸金属塩を含有したHN
BR等のゴムの単一材、またはこれらのブレンド物から
なるゴム配合物やポリウレタン樹脂等でが挙げられる。
図面ではセンターベルトを2本用いる例を説明している
が、1本を用いるものでも構わない。
【0029】エラストマー2内にスパイラル状に埋設す
る心線3、3' としては、ポリアミド、ポリエステル、
アラミド等の合成繊維、あるいはスチールコード、ガラ
ス繊維コード、カーボン繊維コード等の無機繊維の単体
からなるコードやこれらの混紡からなる撚りコードもし
くは織布が用いられる。
【0030】図6のようにブロック5にはサイドピラー
7、8の、ブロック前面のほぼセンターベルト4の心線
2と略同じ高さの位置に、凸部17と、背面の凹部18
からなるガイド部を設け、その凸部17と凹部18が嵌
合し、隣り合うブロック同志の動きが規制しブロックを
整列させるガイドの役目を果たしている。また、凸部1
7および凹部18は曲面としてベルトの屈曲で隣り合う
ブロックとの間の角度が変わる際にも、摩耗しないよう
にしてもよい。
【0031】上記のように凸部17と凹部18からなる
ガイド部を嵌合することによって、ベルト長手方向でブ
ロックを整列することができ、ベルトのプーリへの進入
の際にブロックがプーリに衝突することによって発生す
る衝突音を防止することができる。また、ガイド部をサ
イドピラー7、8の中央に設けることによって、センタ
ーベルト4側方のほぼセンターベルト4の心線3と同じ
高さであるピッチライン上に配置することができるの
で、隣り合うブロック同志の相対的な動きが最も少ない
場所であり、凸部と凹部の摩耗も他の場所に設けたとき
と比べて少ないと言えより好ましい形態である。
【0032】ブロック5の前面においてサイドピラー
7、8の上下方向中央付近から下半分はビーム部6を含
めて傾斜面となっており、ベルトがプーリに進入して屈
曲したときに前後のブロック同志が前面と背面とで接触
しないようになっている。更に、図7に断面を示すよう
に嵌合溝9内のビーム部6の上面には、凸条部9a、を
形成しており、センターベルト4の下面の溝条部4aと
噛み合うようになっている。そして、樹脂14でロック
部11、12の下面に凸条部9bを形成するとともに、
センターベルト4の上面に設けた溝条部4bと嵌合させ
てもよく、よりブロック5とセンターベルト4との間の
固定強度が高まることになる。
【0033】補強材13をサイドピラー7、8とロック
部11、12にも配置する形態であれば、樹脂14は少
なくとも、プーリと接触するプーリ接触面5a、5bに
相当する部分に設ける必要があるものであり、図4で示
すようにブロック5は、金属製の補強材13の全面を樹
脂14で被覆したものとなっているが、例えば金属製の
補強材13のプーリ当接部に相当する部分とビーム部に
相当する部分を樹脂14で被覆して構成したものでも使
用可能である。
【0034】
【実施例】次に、本発明のベルトを実際に走行させて寿
命に至る時間を比較する試験を行った。実施例1として
は図1に示すような高負荷伝動ベルトであり、ブロック
は図2のようにビーム部のみに補強材が配置されたもの
を用いた。なお、センターベルトには水素化ニトリルゴ
ム中にアラミド繊維からなる心線をスパイラル状に埋設
した上下に凸部を有するベルトを用い、ブロックの補強
材の素材としてはアルミニウム合金、樹脂はフェノール
樹脂を用いた。実施例2としては、補強材の素材として
鉄鋼を使用した以外は実施例1と同じベルトを用いた。
【0035】比較例としては、実施例と同じ形状であ
り、補強材がビーム部だけでなくサイドピラーやロック
部にも配置されており、全域に渡って均質な強度を有す
る補強材を配置した以外は、実施例と全く同じ条件のベ
ルトを用いた。
【0036】三つのベルトの走行条件は、駆動側プーリ
のピッチ径が65mmで回転数が3200rpm、従動
側プーリのピッチ径が130mmで回転数が1600r
pm、そして雰囲気温度は90℃、負荷は駆動側が5k
gfm、従動側が10kgfmで行った。
【0037】それぞれのベルトのトルク5kgfmでの
寿命に至る時間を測定しおよび故障現象を観察した。そ
の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1からわかるように、比較例では230
時間でブロックが破損して寿命となり、破損したブロッ
クのビーム部の根元において補強部に亀裂が発生してい
るのに対して、実施例1では、そのような破損は見られ
ず295時間走行後でビーム部の中央で座屈破損による
寿命となっている。実施例2は更に長い345時間走行
した後にセンターベルトの切断が起こっている。
【0040】次に、上記実施例1および比較例のブロッ
クにおいて、ブロックが角度1°で前傾しながらプーリ
に進入していった際に、ブロックの補強材の下辺中央付
近16に発生する応力をFEM解析した結果を、図6に
示す。図6からわかるように、補強材がブロックの全域
に渡って配置された比較例では、補強材の下辺中央付近
に発生する応力は、実施例1のものよりも大きく、実施
例1のほうが、寿命が長くなることが裏付けられてい
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明の高負荷伝動ベルト
は、請求項1では、エラストマー中に心線を埋設した無
端のセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に
複数嵌合配置したブロックからなり、該ブロックは、ビ
ーム部および該ビーム部の両端から上方に伸びるサイド
ピラーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、該嵌合
溝にセンターベルトを嵌合するとともに、サイドピラー
にはセンターベルトが抜けるのを防止するロック部が形
成された高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは補
強材の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記補強材
は少なくともビーム部に配置され、サイドピラーおよび
ロック部には全く補強材を配置しないことを特徴として
いる。
【0042】このような構成を採ることによって、補強
材のないサイドピラーは比較的自由に曲げることができ
るようになり、プーリから受けた側圧をサイドピラーの
弾性で吸収してビーム部に大きな歪みが生じるのを防止
することができるので、ブロックの早期破損を招くこと
がない。また、もともと動力の伝動にあまり寄与してい
ないブロックのサイドピラーの補強材を、なくすことに
よってブロックの軽量化が可能であり、ベルト全体でか
なりの軽量化となるので、ベルト走行中の遠心力を小さ
くすることができ、高速走行時の過大な遠心張力の発
生、振動、騒音の面で改善がなされる。
【0043】また請求項2では、補強材はビーム部の全
域およびサイドピラーの少なくとも一部に配置され、ロ
ック部には全く補強材を配置しないことでサイドピラー
に請求項1同様の弾性によって応力を吸収させる機能を
持たせる一方、応力集中の置きやすいサイドピラーとビ
ーム部との境界部にある程度の強度を持たせたものであ
る。
【0044】また請求項3では、サイドピラーに配置す
る補強材の厚みをビーム部の配置する補強材よりも薄く
することによって弾性率を低く設定している。
【0045】請求項4では、エラストマー中に心線を埋
設した無端のセンターベルト、該センターベルトの長手
方向に複数嵌合配置したブロックからなり、該ブロック
は、ビーム部および該ビーム部の両端から上方に伸びる
サイドピラーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、
該嵌合溝にセンターベルトを嵌合するとともに、サイド
ピラーにはセンターベルトが抜けるのを防止するロック
部が形成された高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロッ
クは補強材の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記
補強材はブロックの全域に配置され、サイドピラーおよ
びロック部に配置した補強材の厚みをビーム部に配置し
た補強材よりも薄くすることによって弾性率を高く設定
したことを特徴としている。
【0046】そうすることによって、サイドピラーやロ
ック部にもある程度の強度を持たせて、かつ、弾性も持
たせることができるので、プーリに架けて走行させたと
きに受ける応力をサイドピラーで吸収することができ、
ビーム部の破損を防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図であ
る。
【図2】ブロックの正面図である。
【図3】ブロックの別の例を示す正面図である。
【図4】ブロックの更に別の例を示す正面図である。
【図5】図4に示すブロックの側面図である。
【図6】ガイド凸部位置での縦断面図である。
【図7】高負荷伝動ベルトの嵌合溝位置での縦断面図で
ある。
【図8】補強材の下辺中央付近にかかる応力をの比較を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 エラストマー 3 心線 4 センターベルト 4' センターベルト 5 ブロック 5a 側面 5b 側面 6 ビーム部 7 サイドピラー 8 サイドピラー 9 嵌合溝 10 開口部 11 ロック部 12 ロック部 13 補強部 14 樹脂 15 境界 16 下辺中央付近 17 凸部 18 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー中に心線を埋設した無端の
    センターベルトと、該センターベルトの長手方向に複数
    嵌合配置したブロックからなり、該ブロックは、ビーム
    部および該ビーム部の両端から上方に伸びるサイドピラ
    ーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、該嵌合溝に
    センターベルトを嵌合するとともに、サイドピラーには
    センターベルトが抜けるのを防止するロック部が形成さ
    れた高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは補強材
    の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記補強材はビ
    ーム部に配置され、サイドピラーおよびロック部には全
    く補強材を配置しないことを特徴とする高負荷伝動ベル
    ト。
  2. 【請求項2】 エラストマー中に心線を埋設した無端の
    センターベルトと、該センターベルトの長手方向に複数
    嵌合は位置したブロックからなり、該ブロックは、ビー
    ム部および該ビーム部の両端から上方に伸びるサイドピ
    ラーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、該嵌合溝
    にセンターベルトを嵌合するとともに、サイドピラーに
    はセンターベルトが抜けるのを防止するロック部が形成
    された高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは補強
    材の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記補強材は
    ビーム部の全域およびサイドピラーの少なくとも一部に
    配置され、ロック部には全く補強材を配置しないことを
    特徴とする高負荷伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 サイドピラーに配置する補強材の厚みを
    薄くすることによってビーム部の配置する補強材よりも
    弾性率を低く設定した請求項2記載の高負荷伝動ベル
    ト。
  4. 【請求項4】 エラストマー中に心線を埋設した無端の
    センターベルトと、該センターベルトの長手方向に複数
    嵌合配置したブロックからなり、該ブロックは、ビーム
    部および該ビーム部の両端から上方に伸びるサイドピラ
    ーによって三方を囲んだ嵌合溝が形成され、該嵌合溝に
    センターベルトを嵌合するとともに、サイドピラーには
    センターベルトが抜けるのを防止するロック部が形成さ
    れた高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは補強材
    の周囲に樹脂を被覆したベルトであり、前記補強材はブ
    ロックの全域に配置され、サイドピラーおよびロック部
    に配置した補強材はビーム部に配置した補強材よりも弾
    性率を高く設定したことを特徴とする高負荷伝動ベル
    ト。
  5. 【請求項5】 サイドピラーおよびロック部に配置する
    補強材の厚みを薄くすることによって強度を低く設定し
    ている請求項4記載の高負荷伝動ベルト。
JP31424297A 1997-10-29 1997-10-29 高負荷伝動ベルト Pending JPH11132293A (ja)

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