JP2001090191A - 耐震補強構造 - Google Patents

耐震補強構造

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JP2001090191A
JP2001090191A JP27197199A JP27197199A JP2001090191A JP 2001090191 A JP2001090191 A JP 2001090191A JP 27197199 A JP27197199 A JP 27197199A JP 27197199 A JP27197199 A JP 27197199A JP 2001090191 A JP2001090191 A JP 2001090191A
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JP27197199A
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Isao Sakamoto
功 坂本
Hisashi Okada
恒 岡田
Hiroshi Ito
弘 伊藤
Hiroshi Isoda
博 五十田
Hideki Idota
秀樹 井戸田
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Building Research Institute Ministry of Construction
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JAPAN CURTAINWALL MANUFACTURERS ASSOCIATION
Building Research Institute Ministry of Construction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口部を狭めることなく耐震性を大幅に向上
させることができる耐震補強構造の提供。 【解決手段】 耐震補強構造は、木造構造物1の開口部
2に沿って、アルミニウム合金を素材とする補強ラーメ
ン3を配設して成る。補強ラーメン3は、開口部2の両
側に位置する木柱に沿って配置した1対の補強柱5と、
該補強柱5の上部間に架設した補強梁6とから構成する
ことがある。補強柱5を溝形断面として、木柱4の相対
向する内側面及び内側面に交差する前後面に被せ、補強
柱5と木柱4とを固着すると、補強柱5の開口部2側へ
突出する部分の幅が小さくて済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造構造物の耐震
補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な木造構造物は、所定面積以上の
耐震壁を梁間方向及び桁行方向にバランス良く配置する
ことで耐震性を確保している。この耐震壁とは、木造軸
組構造においては、柱、梁より成る軸組に筋交を取り付
けたり、構造用面材を取り付けることで構成され、2×
4構造においては、縦横材を組み合わせた枠の外面に面
材を取り付けて構成される。
【0003】ところが、店舗付き住宅や1階に車庫を設
けた構造物では、人や自動車が出入りするための大きな
開口部を、1面以上の壁にそのほぼ全面に亘って形成し
なければならないので、該壁面の耐震性が低下するばか
りか構造物各部に配置した耐震壁のバランスが崩れてし
まい、この結果、大きな地震が発生すると甚大な被害を
受けやすい。因みに、阪神淡路大震災における建物損害
実体の調査研究によって提供されたデータによれば、併
用住宅の全壊率71.4%は、専従一般住宅の全壊率が
37.9%であるのに対して2倍近い効率である。
【0004】また、耐震性に問題がある構造物に対し
て、鉄骨造に改修したり、新たに筋交を入れて耐震壁面
積を増やす等の通常の補強方法を採用することも考えら
れるが(特開平8−246635号公報、特開平9−1
37610号公報)、建物に関する権利関係から鉄骨造
に改修できないこともあり、上記したような店舗や階下
を車庫としているような事情から開口部を塞ぐことが不
可能であったり、あるいは敷地が狭いため必要量の耐震
壁を設けられないことも多い。
【0005】従来、開口部を狭めることなく、所定の耐
力が得られる補強構造として、鋼を素材とするラーメン
構造の矩形の補強フレームを開口部が形成された木造建
物の正面に配置した木造建物の補強構造が、特開平9−
256465号公報に開示されている。しかし、このよ
うに鋼製の柱を木柱の1階部分のみに取り付けると、建
物構造として1階部分の靱性が失われて撓みにくくな
り、このため、地震で揺れた時に2階部分のみが大きく
変形して、木柱が1階と2階との境界部分で破損しやす
い。また、柱の剛性を均一化するために上下層に亘って
木柱に鉄骨を取りけようとすると、構造物のスラブを貫
通させなければならないので、非常に大がかりな改修工
事が必要となる。
【0006】さらに、鉄骨は重いので耐震性能上不利で
あるばかりか、立ち上げるために大型の建設機械を用い
なければならず、しかも、鉄骨では、その外面に種々の
機器を装着するための突起物等を形成しにくいという欠
点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、木造
構造物に形成されている大きな開口部を狭めることなく
耐震性を大幅に向上させることができ、しかも、木造構
造物が備える靱性を損なうことがなく、施工が簡単で、
補強ラーメン構成材の断面を様々に加工しやすい耐震補
強構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の耐震補強構造
は、木造構造物の開口部に沿って、アルミニウム合金を
素材とする補強ラーメンを配設して成る。開口部に沿っ
て補強ラーメンを配設したことにより、壁の耐震性能が
高まり、しかも、開口部がほとんど小さくならない。ま
た、補強ラーメンを、比較的柔軟性に富み、軽量なアル
ミニウム合金製としたことにより、木造構造の靱性が維
持され、工事が簡単で済む。
【0009】次の各構成を採用することができる。補強
ラーメンが、開口部の両側に位置する木柱に沿って配置
した1対の補強柱と、該補強柱の上部間に架設した補強
梁とから成る構成。補強柱は溝形断面を有し、該補強柱
を1対の木柱の相対向する内側面及び内側面に交差する
前後面に被せて、補強柱と木柱とを固着した構成。この
構成により、同じ断面寸法の補強柱であっても、開口部
の内側に突出する幅が少なくて済む。
【0010】木柱の下端部において、その前後面に切欠
部を形成すると共に、該切欠部にこれと同厚の下部補強
プレートを嵌合固着し、下部補強プレートの下端を基礎
構造に取り付けたベースプレートに固着すると共に、補
強柱を木柱の前後面及び下部補強プレートに接合して、
補強柱の下端を基礎構造に剛接合した構成。この構成に
より、補強ラーメンの柱脚部の剛性が高まる。木柱の切
欠部にこれと同厚の下部補強プレートを嵌合し、その外
面に補強柱を被せたことにより、補強柱の外面に物品取
付等の邪魔になる突起物が形成されない。補強梁を、補
強柱の上端からやや間隔をおいて、且つ、木柱間に架設
された既存梁からやや間隔をおいて下方に架設した構
成。これによれば、補強梁の高さが低く補強ラーメンの
剛性が高まる。
【0011】補強梁と補強柱とを、該補強梁より上方の
みに突出する接合補強プレートを介して接合した構成。
接合補強プレートが補強梁よりも下方の開口部側に突出
しないため、体裁が良く、開口部が狭まらない。既存梁
と補強梁との間に欄間を設けた構成。これにより、補強
梁上方の剛性を高めることができる。補強ラーメンをラ
グスクリューによって取り付けた構成。ボルト接合に比
べて、荷重が加わらない状態でのすべり変形、いわゆる
「あそび」が無い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は、既存の木造構造
物1に施工した耐震補強構造を示す。木造構造物1は店
舗付き住宅或いは車庫付き住宅であって、1階の梁間方
向に沿う正面外壁にほぼ全面に亘って開口部2を形成
し、開口部2の周縁に沿ってアルミニウム合金を素材と
する補強ラーメン3を配設してある(図1)。この補強
ラーメン3は、木造構造物1の1階壁の高さ中央から上
の部分であって、且つ、スパンの半分までの重量、すな
わち図のドットで塗りつぶした部分の重量を支えること
になる。
【0013】補強ラーメン3は、開口部2の両側に位置
する木柱4に沿って配置した1対の補強柱5と、木柱4
間に架設した既存の梁22の下方において、補強柱5の
上部間に架設した補強梁6とから成る(図2)。補強柱
5は断面溝形であり、1対の木柱4の相対向する内側面
及び内側面に交差する前後面に被せた後、補強柱5の外
面から木柱4の前後面にラグスクリュー15を打ち込ん
で、木柱4に固着してある(図3)。また、補強柱5の
上端の内側面には、補強梁6の端部が溶接或いはボルト
止めすることにより剛接合してある。
【0014】上記木造構造物1において、補強ラーメン
3が支えなければならない部分(図1の塗りつぶした部
分)の重量は、建築基準法施行令46条で定められた木
造建築物の重量に基づいて計算すると、2階建ての場合
で、瓦棒葺き等の軽い屋根とした時は278kg/m2,瓦
葺き等の重い屋根とした時は317kg/m2であり、3階
建ての場合で、軽い屋根とした時は448kg/m2,重い
屋根とした時は487kg/m2となる。従って、1階壁に
配置した補強ラーメン3が支えなければならない重量
を、2階建てでは300〜350kg/m2,3階建てでは
400〜525kg/m2と設定する。この重量に基づい
て、標準設計用せん断力係数C0=0.2とした場合の設計
用地震力と、C0=0.1とした場合の地震力を表1に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】構造物の必要壁量は、変形角1/120ra
d.の時の荷重以上の許容せん断耐力を有するように定め
られているので、補強ラーメン3に変形角1/120ra
d.における耐力として、最低限表1で示した値があれ
ば、建物の他の部分が発揮する耐力と合わせて耐震構造
上、充分ということなる。上記第1の実施形態における
補強ラーメン3において、補強梁6の高さを2300m
m,補強柱5間の幅を3600mm,木柱4を134mm角
とし、補強柱5の幅を200mm,前後奥行きを150m
m,板厚を8mmとし、補強梁6の剛性を補強柱5と同じ
とし、その上端部寄りに水平荷重を加えた時、補強柱5
の下端を剛接合した場合と、ピン接合した場合との層間
変形角を図4に示す。
【0017】このモデルでは、補強柱5に規格寸法のア
ルミ型材を用いたため、木柱4の断面寸法は実際のもの
より大きくなっているが、例え、補強柱5の下端をピン
接合して変形しやすい場合であっても、水平荷重0.6
トンで変形角1/200rad.であるにすぎず、十分なせ
ん断耐力を有していることがわかる。又、補強柱5を構
成するアルミニウム合金製型材の降伏荷重は4.96ト
ンであり、この点からも補強ラーメン3は必要な耐力を
備えている。
【0018】図5は本発明の第2の実施形態を示す。補
強ラーメン3の補強柱5を断面角形にし、補強柱5を木
柱4の内側面に沿って配設して、補強ラーメン3を開口
部2に沿って取り付ける。補強梁6の高さを2300m
m,補強柱5間の幅を3600mm,木柱4を120mm角
とし、補強柱5の幅を200mm,前後奥行きを100m
m,板厚を10mmとし、補強梁6の剛性を補強柱5と同
じとし、木柱4と補強柱5とを接合金物を用いて完全に
一体化した補強ラーメン3において、その上端部寄りに
水平荷重を加えた時、補強柱5の下端を剛接合した場合
と、ピン接合した場合との層間変形角を図6に示す。ま
た、同様の条件で木柱4と補強柱5とを独立して立設し
た補強ラーメン3において、上端部寄りに水平荷重を加
えた時、補強柱5の下端を剛接合した場合と、ピン接合
した場合との層間変形角を図7に示す。第2の実施形態
に係る補強ラーメン3は、図3に示すものより開口部2
を狭めることになるが、特に木柱4と補強柱5とを一体
化したときは大きな耐力が得られる。
【0019】図8乃至図11は本発明の第3の実施形態
を示す。補強梁6は、補強柱5の上端からやや間隔を開
けて、且つ、木柱4間に架設した梁22からもやや間隔
を開けて下方に架設してある(図8)。補強柱5は第1
の実施形態と同様に断面溝形とし、補強梁6は断面角形
とする(図9及び図10)。また、補強柱5と補強梁6
とは、補強梁6より上方のみに突出する接合補強プレー
ト7を介して剛接合してある。接合補強プレート7は、
補強柱5の内側面に当接固定される垂直片8と、垂直片
8の下端から張り出して補強梁6の上面に当接固定され
る水平片9と、垂直片8及び水平片9に直交するようそ
の前後縁に沿ってそれぞれ設けられる起立片10とを備
える。また、垂直片8及び水平片9には、複数のナット
通し孔11が穿設してある。
【0020】補強柱5の裏面において、垂直片8及び補
強梁6を接合する部分には当て板12が重合される。こ
の当て板12及び補強柱5には、連通するナット通し孔
11a,11bを穿設すると共に、当て板12の裏面に
はナット通し孔11aを囲むようにナット13を固着し
てある。また、補強柱5の内側面表面には、補強梁6の
端部に挿入される接合ピース14が取り付けられる。接
合ピース14は、上下接合ピース14a,14bから成
り、上下接合ピース14a,14bを当接すると一端が
開口する短い角筒形となる。この接合ピース14の閉塞
端面の上下部にはそれぞれボルト通し孔11cが穿設し
てある。さらに、接合ピース14の周壁及び補強梁6の
端部には、互いに連通するボルト通し孔11d,11e
が穿設してあり、接合ピース14の内面にはボルト通し
孔11dを囲むようにナット13’が固着してある。
【0021】補強柱5と補強梁6とを接合し、補強ラー
メン3を開口部2に沿って取り付けるには、まず、補強
柱5の裏面に当て板12を固着しておき、この補強柱5
を1対の木柱4の相対向する内側面及び内側面に交差す
る前後面に被せた後、補強柱5の外面から木柱の前後面
にラグスクリュー15を打ち込んで、補強柱5を木柱4
に固着する。次に、補強柱5の内側面表面において補強
梁6を取り付ける位置に、接合ピース14の閉塞端面を
あてがい、接合ピース14のボルト通し孔11cと補強
柱5及び当て板12のボルト通し孔11b,11aを通
してナット13にボルト16を螺入して、接合ピース1
4を補強柱5に取り付ける。次いで、接合ピース14の
外周に補強梁6の端部をはめ込み、補強梁6及び接合ピ
ース14の下面のボルト通し孔11e,11dを通して
ナット13’にボルト16を螺入して、補強梁6の下面
を接合ピース14を介して補強柱5に固着する。
【0022】最後に、補強柱5の内側面と補強梁6の上
面とで形成される角部に接合補強プレート7を係合さ
せ、接合補強プレート7の垂直片8のボルト通し孔11
と補強柱5及び当て板12のボルト通し孔11b,11
aを通してナット13にボルト16を螺入し、接合補強
プレート7の水平片9のボルト通し孔11と補強梁6及
び接合ピース14の上面のボルト通し孔11e,11d
を通してナット13’にボルト16を螺入して、補強柱
5と補強梁6の上面とを接合補強プレート7を介して接
合する。なお、接合補強プレート7と補強柱5及び補強
梁6とは、ボルト16を用いずに溶接で接合することも
できる。補強ラーメン3の下部は、図11に示すように
木柱4の下端部及び基礎構造に接合してある。
【0023】木柱4の下端部前後面にそれぞれ一定厚み
の切欠部17を形成し、切欠部17にこれと同厚の下部
補強プレート18を嵌合する。また、各下部補強プレー
ト18の下端は、それぞれその前後に張り出すベースプ
レート19の上面端縁に溶接してある。そして、下部補
強プレート18の外面を覆うように、補強柱5を木柱4
の内側面及び内側面に交差する前後面に被せ、その後、
補強柱5の外面から木柱の前後面にラグスクリュー15
を打ち込んで木柱4と補強柱5とを固着すると共に、補
強柱5、下部補強プレート18及び木柱4を貫通するボ
ルト20によって、補強柱5の下部を下部補強プレート
を介して木柱4の下端部に剛接合する。また、ベースプ
レート19を土台等の基礎構造の上面にボルト等により
固着して、補強柱5を下部補強プレート18及びベース
プレート19を介して基礎構造に剛接合する。
【0024】図12は、本発明の第4の実施形態を示
す。梁22と補強梁6との間に、開閉窓サッシ或いは明
かり取り用の格子を組み込んだ欄間21を形成する。こ
のように欄間21を設けると体裁が良く、しかも、補強
ラーメン3の剛性が高くなって変形しにくくなる。
【0025】図13は、本発明の第5の実施形態を示
す。補強ラーメン3は、新築の木造構造物1の開口部2
に沿って配置され、補強柱5の上端部間に上記各実施形
態のものと同様にして補強梁6を架設すると共に、補強
柱5の下端部間に下部補強梁23を架設して構成してあ
る。この補強ラーメン3は、土間コンクリート24を打
設する前に予め開口部2に沿って取り付けておくので、
下部補強梁23は土間コンクリート24の下に埋設され
て邪魔になることはない。
【0026】なお、上記各実施形態において、木造構造
物1の桁行方向に沿う外壁に開口部を形成し、該開口部
に沿って補強ラーメンを配置することもできる。また、
広い空間を有する木造構造物においては、外壁ではなく
構造物内部の耐力壁部分に形成された開口部に沿って補
強ラーメンを配設することも可能である。さらに、補強
柱5を木柱4に取り付けるのに、ラグスクリュー15で
はなくボルトを用いることもできるが、ボルト接合する
と初期剛性及び最大許容荷重が大きい反面、ボルト挿通
用の加工孔とボルトとの間の隙間により、荷重が加わら
ない状態で滑りのみが進むいわゆる「あそび」が発生す
るのに対し、ラグスクリュー15による接合ではこのよ
うな「あそび」が見られない。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載された構成によれば、開
口部をほとんど狭めることなく、簡単な工事で十分な耐
震性を補強ラーメンによって確保することができ、しか
も、ラーメン構成部材がアルミニウム合金であることに
よって木造構造物の靱性を阻害することがなく、鋼製ラ
ーメンのように靱性がないために各階層の間で木柱が折
れてしまう危険もない。また、押し出し成形によって、
必要に応じて様々な断面の補強ラーメンを簡単に得るこ
とが可能であり、シャッター装着用の溝を構成するフィ
ン等を一体に形成しておくことができる。また、アルミ
ニウム合金であることにより、軽量で取り扱い易い上に
耐食性、耐候性に優れる。
【0028】請求項2に記載された構成によれば、床面
に沿う横架材を設けないので、既存の木造構造物の開口
部に沿って容易に取り付けることができ、開口部を出入
りする際に邪魔にならない。請求項3に記載の構成によ
れば、木柱を補強柱の溝形断面に嵌め込んで取り付ける
ことができるので、開口部の内側に突出する幅が少なく
て済み、開口部を狭めてしまうことが少ない。補強ラー
メンを後付けで施工することも可能である。請求項4に
記載の構成によれば、補強ラーメンの柱脚部の剛性が高
まって、許容せん断耐力がさらに高まる。
【0029】請求項5に記載の構成によれば、水平な補
強梁の端部と垂直な補強柱とを補強柱に突き当てた補強
梁の上面側で補強プレートなどを用いて確実に固定し易
い。これにより、補強ラーメン全体の剛性がいっそう大
きくなる。請求項6に記載の構成によれば、接合補強プ
レートによって補強ラーメンの強度が向上し、しかも、
接合補強プレートは補強梁よりも下方へ突出することは
なく、また、多くは欄間にのみこまれてしまうので、開
口部を狭めることがなく、体裁が良い。請求項7に記載
の構成によれば、上方からの荷重に対して補強梁の剛性
が高まり、また、欄間が飾りとなって外観が優れる。請
求項8に記載の構成によれば、荷重が加わらない状態で
のすべりによる変形を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る木造構造物の正
面、側面及び平面を示す図
【図2】補強ラーメンの正面図
【図3】木柱及び補強柱の断面図
【図4】第1の実施形態に係る補強ラーメンにおいて、
水平荷重と層間変位角との関係を示す図
【図5】本発明第2の実施形態に係る木柱及び補強柱の
断面図
【図6】同上の補強ラーメンにおいて、木柱と補強柱と
を一体化したときの水平荷重と層間変位角との関係を示
す図
【図7】同上の補強ラーメンにおいて、木柱と補強柱と
を独立させたときの水平荷重と層間変位角との関係を示
す図
【図8】本発明の第3の実施形態に係る補強ラーメンの
正面図
【図9】図8のA部の拡大平断面図
【図10】図8のC−C線断面図
【図11】図3のB部の拡大分解斜視図
【図12】本発明の第4の実施形態に係る補強ラーメン
の正面図
【図13】本発明の第5の実施形態に係る木造構造物の
正面から見た断面図
【符号の説明】
1 木造構造物 2 開口部 3 補強ラーメン 4 木柱 5 補強柱 6 補強梁 7 接合補強プレート 8 垂直片 9 水平片 10 起立片 11,11a,11b,11c,11d,11e ボル
ト通し孔 12 当て板 13,13’ ナット 14 接合ピース 14a 上接合ピース 14b 下接合ピース 15 ラグスクリュー 16 ボルト 17 切欠部 18 下部補強プレート 19 ベースプレート 20 ボルト 21 欄間 22 既存梁 23 下部補強梁 24 土間コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 弘 茨城県つくば市立原1番地 (72)発明者 五十田 博 茨城県つくば市立原1番地 (72)発明者 井戸田 秀樹 愛知県東海市養父町諸ノ木26−3−803 Fターム(参考) 2E002 EB12 EC01 FA02 LA00 LA01 LB02 MA11 2E176 AA09 BB28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造構造物の開口部に沿って、アルミニ
    ウム合金を素材とする補強ラーメンを配設し、木造構造
    物に固定してあることを特徴とする耐震補強構造。
  2. 【請求項2】 前記補強ラーメンが、開口部の両側に位
    置する木柱に沿って配置した1対の補強柱と、該補強柱
    の上部間に架設した補強梁とから成ることを特徴とする
    請求項1に記載の耐震補強構造。
  3. 【請求項3】 前記補強柱は溝形断面を有し、木柱の内
    側面から木柱に嵌め込んで装着し、補強柱と木柱とを固
    着したことを特徴とする請求項2に記載の耐震補強構
    造。
  4. 【請求項4】 前記木柱の下端部において、前記前後面
    に切欠部を形成すると共に、該切欠部にこれと同厚の下
    部補強プレートを嵌合固着し、前記下部補強プレートの
    下端を基礎構造に取り付けたベースプレートに固着する
    と共に、前記補強柱を前記木柱の前後面及び下部補強プ
    レートに接合して、前記補強柱の下端を基礎構造に剛接
    合したことを特徴とする請求項3に記載の耐震補強構
    造。
  5. 【請求項5】 前記補強梁を、前記補強柱の上端からや
    や間隔をおいて、且つ、木柱間に架設された既存梁から
    やや間隔をおいて下方に架設したことを特徴とする請求
    項2乃至4のいずれかひとつに記載の耐震補強構造。
  6. 【請求項6】 前記補強梁と補強柱とを、該補強梁より
    上方のみに突出する接合補強プレートを介して接合した
    ことを特徴とする請求項5に記載の耐震補強構造。
  7. 【請求項7】 前記既存梁と補強梁との間に欄間を設け
    たことを特徴とする請求項5又は6に記載の耐震補強構
    造。
  8. 【請求項8】 前記補強ラーメンをラグスクリューによ
    って木造構造物に取り付けたことを特徴とする請求項1
    乃至7のいずれかひとつに記載の耐震補強構造。
JP27197199A 1999-09-27 1999-09-27 耐震補強構造 Withdrawn JP2001090191A (ja)

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