JP3962647B2 - 壁構造 - Google Patents

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JP3962647B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築物の構造材に構造用面材が張設された壁構造に関し、詳しくは耐力向上対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木造軸組工法や枠組壁工法(ツーバイフォー)の水平耐力は、筋交いや、構造用合板等の構造用面材を柱間に取り付けて確保している。また、構造用面材と胴縁を一体化したパネルを柱間と横架材間に釘打ち固定する構造もある(特開平9−158350号公報参照)。
【0003】
このような耐力壁の強度は、建築物の規模や形状に応じて建築基準法で定められているが、通常はこの建築基準法で定められている基準以上の耐力壁量を配置することで構造設計が行われている。耐力壁は、今までは、建築物の変形(損傷限界=仕上げ材が脱落したり窓が割れる等)に対応できるように、所定の水平力に対してある一定限界の変形量に抵抗する耐力により、「壁倍率」という数値で決められていたが、阪神淡路大震災の際に、倒壊により多くの人命が失われたのを機に、「損傷限界」に加えて「倒壊限界=2階部分が落下したり建築物が転倒する等」に対しても考慮するよう求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の耐力壁は、構造用面材とその表面に固定される胴縁の素材や、これらを固定する釘は同じ種類のものを用いているため、これらは均一な性状であって力に対して単純に抵抗してしまい、変形や破壊が単純に起こってしまう。つまり、台風や地震等の時の水平力に対して、ある種類の素材からなるものは、損傷限界では大きな抵抗力を示して小規模の地震に強いが、倒壊限界が小さくて大地震の際に危険な場合がある。一方、別の種類の素材からなるものは、変形が大きくなっても倒壊は起こらず大規模の地震に強いが、小さな荷重で大きく変形するので、地震が小規模でも壁紙が破れたり仕上げ材が破損して補修する必要が生ずるといったことになりかねない。このように、単一な材料特性に頼ってしまうと、損傷限界及び倒壊限界の性能を共に向上させた壁構造にすることが難しい。
【0005】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、損傷限界及び倒壊限界の両性能が向上した耐力壁を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、建築物の構造材である軸組材又は枠組材に構造用面材が第1固定金具の打ち付けにより張設され、上記構造用面材の表面に胴縁が第2固定金具の打ち付けにより固定され、上記構造用面材と胴縁の材質、上記第1固定金具と第2固体金具の種類、及び第1固定金具の打ち付け間隔と第2固定金具の打ち付け間隔がそれぞれ異なっていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、構造用面材と胴縁の材質、第1固定金具と第2固体金具の種類、及び第1固定金具の打ち付け間隔と第2固定金具の打ち付け間隔がそれぞれ異なることにより、各々の異なる材料特性が複合して総合的に耐力が強化され、損傷限界及び倒壊限界の性能が共に向上して優れた耐震性能が得られる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、胴縁が複数枚の構造用面材に跨って固定されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、外力が複数枚の構造用面材全体に胴縁を経て分散し、局所的な外力集中が回避されて耐震性能が高まる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、構造用面材の表面に被覆材が張設され、胴縁が上記被覆材の上から構造用面材に固定されていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、構造用面材が被覆材により保護される。特に、被覆材が防水シートである場合には、構造用面材の繋ぎ目が上記被覆材で覆われて雨水等の浸入が防止される。また、被覆材を構造用面材の表面に被覆するだけなので、壁構造の耐震性能に悪影響を及ぼさない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1〜3はこの発明の実施の形態1に係る壁構造を示す。同図中、1は建築物の構造材である軸組材であり、該軸組材1は、下部横架材である土台2と、その上方に配設された上部横架材である胴差3と、上記土台2と胴差3との間に間隔をあけて立設されて両者を連結する縦軸材である複数本の柱4と、隣り合う柱4の間に立設された1本の縦軸材である間柱5とで構成されている。
【0015】
上記軸組材1の土台2、胴差3、左右2本の柱4及び間柱5には、矩形状の構造用面材6Aが1枚ずつ第1固定金具としての第1釘7を外周端縁部と上記間柱5に対応する箇所に間隔をあけて打ち付けることにより縦張りにより張設されている。
【0016】
上記各構造用面材6Aの表面には、縦胴縁8Aが第2固定金具としての第2釘9を左右両端縁部と上記間柱5に対応する箇所に間隔をあけて打ち付けることにより固定されている。
【0017】
この実施の形態1では、上記構造用面材6Aと縦胴縁8Aの材質、上記第1釘7と第2釘9の種類、及び第1釘7の打ち付け間隔W1と第2釘9の打ち付け間隔W2がそれぞれ異なっていることを特徴としている。本例では、第2釘9の打ち付け間隔W2が第1釘7の打ち付け間隔W1の略2倍に設定されている。
【0018】
軸組材は、製材、集成材、ディメンション・ランバー(公称厚さが2インチ以上5インチ未満、幅2インチ以上の針葉樹で、材面が寸法加工された構造用材)、LVL(単板積層材/Laminated Veneer Lumber)、PSL(Paralled Strand Lumber)等からなり、構造用面材及び縦胴縁は、構造用合板、構造用パネル、火山性ガラス質複層板、OSB(Oriented Strand Board)、パーティクルボード、石膏ボード、ケイカル板、ダイライト(大建工業(株)製)等からなり、建設省告示第1100号、国土交通省告示第1540号、第1541号の面材及び大臣認定等において、耐力面材と認められた板状体であればよい。
【0019】
また、第1釘は、構造用面材の表面から軸組材の所定の位置まで貫入する長さであればよく、第2釘は、縦胴縁の表面から構造用面材を経て軸組材の所定の位置まで貫入する長さであればよく、これら第1釘及び第2釘をそれぞれ所定の間隔をあけて打ち付けることにより、構造用面材を軸組材に張設するとともに縦胴縁を構造用面材の表面に固定する。なお、本例では、第1固定金具として第1釘を、第2固定金具として第2釘をそれぞれ例示したが、それぞれネジであってもよい。具体的には、第1固定金具が釘である場合にはN50、CN50、SN50等であり、ネジの場合にはDTSN32、WSN32等であり、その長さは20〜50mmである。第2固定金具は上記第1固定金具の長さに3〜20mmの長さを補足したものであり、第1釘及び第2釘の打ち付け間隔はそれぞれ100〜300mmであるが、これに限定されない。
【0020】
また、本例では、構造材として、木造軸組工法で用いられる軸組材を例示したが、縦枠、上枠及び下枠からなるツーバイフォー工法で用いられる枠組材であってもよい。
【0021】
また、本例では、胴縁として縦胴縁を例示したが、後述するいくつかの変形例のように横胴縁であってもよく、縦胴縁と横胴縁の両方であってもよい。そして、縦胴縁の場合は構造用面材の少なくとも左右両端に、横胴縁の場合は構造用面材を少なくとも上下方向に略3等分(約900mm間隔)した水平ラインに固定するのがよい。
【0022】
また、本例では、軸組材の横架材が土台と胴差である場合を例示したが、胴差と桁の場合であってもよい。
【0023】
次に、実施の形態1に係る壁構造(実施例1)と従来の壁構造(従来例1)を下記の要領にて試験し、表1〜3、図4及び図5に示す試験データを得た。いずれの壁構造も実大構造である。
【0024】
<試験方法>
JIS A 1414に規定するタイロッド式の面せん断試験並びに建築基準法施行令第46条第4項表1の(八)項の認定に係る性能評価方法による。完全弾塑性モデルの誘導方法及び壁倍率の算出方法も上記の性能評価方法による。
【0025】
Figure 0003962647
【0026】
【表1】
Figure 0003962647
【0027】
【表2】
Figure 0003962647
【0028】
【表3】
Figure 0003962647
【0029】
<試験結果>
上記の各種の試験データにより、降伏耐力(Py)及び降伏点変位(δv)が共に改善されていたことから、実施例1は従来例1に比べて損傷限界(中地震時の損傷抵抗)の性能が向上することが判った。
【0030】
また、終局耐力(Pu)及び終局変位(δu)が共に改善されていたことから、実施例1は従来例1に比べて倒壊限界(大地震時の損傷抵抗)の性能が向上することが判った。
【0031】
さらに、実施例1は従来例1に比べて建築物の壁の耐震性能を示す壁倍率の数値が向上していた。
【0032】
これらのことは、各々の異なる材料特性が複合して総合的に耐力が強化することにより得られるものであり、よって、構造用面材と縦胴縁の材質、第1釘と第2釘の種類、及び第1釘の打ち付け間隔と第2釘の打ち付け間隔をそれぞれ異ならせることにより、様々なレベルの台風や地震に対応可能な優れた耐震性能を有する壁構造が実現できる。
【0033】
図6〜12は面材張設の変形例を、図13〜15は胴縁配置の変形例をそれぞれ示す。これら面材張設の変形例と胴縁配置の変形例を組み合わせることによっても上記と同様の作用効果を奏することができるものである。以下、各変形例の構成について説明する。
【0034】
図6は面材張設の変形例1であり、実施の形態1の壁構造(図1(a))と比べて間柱5がない点と、構造用面材6Aの上下方向に延びる左右の長辺側だけを第1釘7で土台2、胴差3及び柱4に釘打ちしている点の2点が異なるほかは実施の形態1と同様に構成されているので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。以下の変形例においても特徴部分のみを説明する。
【0035】
図7は面材張設の変形例2であり、実施の形態1の壁構造と比べて構造用面材6Aの上下方向に延びる左右の長辺側と、その中間部分だけを第1釘7で土台2、胴差3、柱4及び間柱5に釘打ちしている点の2点が異なるほかは実施の形態1と同様に構成されている。
【0036】
図8は面材張設の変形例3であり、実施の形態1の壁構造と比べて間柱5がない点が異なるほかは実施の形態1と同様に構成されている。
【0037】
図9は面材張設の変形例4であり、この変形例4には間柱5がなく、変形例1(図6)と同様の軸組構成をしているが、寸法の異なる2種類の構造用面材6B,6Cを張設している点が変形例1(図6)と異なる。下側の構造用面材6Bは土台2と胴差3との間隔の略2/3の長さであり、上側の構造用面材6Cは土台2と胴差3との間隔の略1/3の長さであり、両者の繋ぎ目部分には繋ぎ材としての受材はない。
【0038】
図10は面材張設の変形例5であり、変形例4(図9)に間柱5を加え、この間柱5とその上下の延長線上にある土台2及び胴差3に第1釘7で構造用面材6B,6Cを釘打ちしているものである。
【0039】
図11は面材張設の変形例6であり、変形例4(図9)に受材10を加え、構造用面材6B,6Cの周囲を第1釘7で土台2、胴差3、柱4及び受材10に釘打ちしているものである。
【0040】
図12は面材張設の変形例7であり、変形例6(図11)に間柱5を加え、この間柱5にも第1釘7で構造用面材6B,6Cを釘打ちしているものである。
【0041】
図13は胴縁配置の変形例1であり、実施の形態1の壁構造(図1(b))と比べて間柱5がなく、したがって、縦胴縁8Aは構造用面材6Aの上下方向に延びる長辺側両サイドだけを第2釘9で土台2、胴差3及び柱4に釘打ちしている点が異なるほかは実施の形態1と同様に構成されている。
【0042】
図14は胴縁配置の変形例2であり、変形例1(図13)に上下2本の横胴縁8Bを加え、構造用面材6Aの水平方向に延びる上下の短辺側に上記横胴縁8Bを第2釘9で釘打ちしたものである。
【0043】
図15は胴縁配置の変形例3であり、実施の形態1に上下に2本ずつ横胴縁8Bを加え、構造用面材6Aの水平方向に延びる上下の短辺側に上記横胴縁8Bを第2釘9で釘打ちしたものである。
【0044】
図16は壁構造の変形例であり、実施の形態1に被覆材11を加えたものである。つまり、構造用面材6Aの表面に被覆材11を張設し、縦胴縁8Aを上記被覆材11の上から構造用面材6Aに第2釘9で釘打ちにより固定したものである。したがって、構造用面材6Aを被覆材11で保護することができる。そして、被覆材11が防水シートである場合には、構造用面材6Aの繋ぎ目を上記被覆材11で覆って雨水等が浸入しないようにすることができる。また、被覆材11を構造用面材6Aの表面に被覆するだけなので、壁構造に悪影響を及ぼすことなく耐震性能を確保することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図17〜19はこの発明の実施の形態2に係る壁構造を示す。同図中、1は建築物の構造材である軸組材であり、該軸組材1は、下部横架材である土台2と、その上方に配設された上部横架材である胴差3と、上記土台2と胴差3との間に間隔をあけて立設されて両者を連結する縦軸材である複数本の柱4と、隣り合う柱4の間に立設された3本の縦軸材である間柱5と、隣り合う柱4と間柱5との間、及び隣り合う間柱5間を上下に略3等分するように配設された横架材である複数本の受材10とで構成されている。
【0046】
上記軸組材1の土台2、胴差3、左右2本の柱4、間柱5及び受材10には、3枚の矩形状の構造用面材6Dが上下に並べられ、1枚ずつ第1固定金具としての第1釘7を外周端縁部と上記間柱5及び受材10に対応する箇所に間隔をあけて打ち付けることにより横張りにより張設されている。
【0047】
上記各構造用面材6Dの表面には、3本の縦胴縁8Aが第2固定金具としての第2釘9を左右両端縁部と上記間柱5に対応する箇所に間隔をあけて打ち付けることにより固定されている。つまり、3本の縦胴縁8Aが3枚の構造用面材6Dにそれぞれ跨って固定されている。
【0048】
この実施の形態2では、上記構造用面材6Dと縦胴縁8Aの材質、上記第1釘7と第2釘9の種類、及び第1釘7の打ち付け間隔W1と第2釘9の打ち付け間隔W2がそれぞれ異なっていることを特徴としている。本例では、第2釘9の打ち付け間隔W2が第1釘7の打ち付け間隔W1の略3倍に設定されている。
【0049】
軸組材は、製材、集成材、ディメンション・ランバー(公称厚さが2インチ以上5インチ未満、幅2インチ以上の針葉樹で、材面が寸法加工された構造用材)、LVL(単板積層材/Laminated Veneer Lumber)、PSL(Paralled Strand Lumber)等からなり、構造用面材及び縦胴縁は、構造用合板、構造用パネル、火山性ガラス質複層板、OSB(Oriented Strand Board)、パーティクルボード、石膏ボード、ケイカル板、ダイライト(大建工業(株)製)等からなり、建設省告示第1100号、国土交通省告示第1540号、第1541号の面材及び大臣認定等において、耐力面材と認められた板状体であればよい。
【0050】
また、第1釘は、構造用面材の表面から軸組材の所定の位置まで貫入する長さであればよく、第2釘は、縦胴縁の表面から構造用面材を経て軸組材の所定の位置まで貫入する長さであればよく、これら第1釘及び第2釘をそれぞれ所定の間隔をあけて打ち付けることにより、構造用面材を軸組材に張設するとともに縦胴縁を構造用面材の表面に固定する。なお、本例では、第1固定金具として第1釘を、第2固定金具として第2釘をそれぞれ例示したが、それぞれネジであってもよい。具体的には、第1固定金具が釘である場合にはN50、CN50、SN50等であり、ネジの場合にはDTSN32、WSN32等であり、その長さは20〜50mmである。第2固定金具は上記第1固定金具の長さに3〜20mmの長さを補足したものであり、第1釘及び第2釘の打ち付け間隔はそれぞれ100〜300mmであるが、これに限定されない。
【0051】
また、本例では、構造材として、木造軸組工法で用いられる軸組材を例示したが、縦枠、上枠及び下枠からなるツーバイフォー工法で用いられる枠組材であってもよい。
【0052】
また、本例では、胴縁として縦胴縁を例示したが、後述するいくつかの変形例のように横胴縁であってもよく、縦胴縁と横胴縁の両方であってもよい。そして、縦胴縁の場合は構造用面材の少なくとも左右両端に、横胴縁の場合は構造用面材を少なくとも上下方向に略3等分(約900mm間隔)した水平ラインに固定するのがよい。
【0053】
また、本例では、軸組材の横架材が土台と胴差である場合を例示したが、胴差と桁の場合であってもよい。
【0054】
次に、実施の形態2に係る壁構造(実施例2)と従来の壁構造(従来例2)を下記の要領にて試験し、表4〜6、図20及び図21に示す試験データを得た。いずれの壁構造も実大構造である。
【0055】
<試験方法>
JIS A 1414に規定するタイロッド式の面せん断試験並びに建築基準法施行令第46条第4項表1の(八)項の認定に係る性能評価方法による。完全弾塑性モデルの誘導方法及び壁倍率の算出方法も上記の性能評価方法による。
【0056】
Figure 0003962647
【0057】
【表4】
Figure 0003962647
【0058】
【表5】
Figure 0003962647
【0059】
【表6】
Figure 0003962647
【0060】
<試験結果>
上記の各種の試験データにより、降伏耐力(Py)及び降伏点変位(δv)が共に改善されていたことから、実施例2は従来例2に比べて損傷限界(中地震時の損傷抵抗)の性能が向上することが判った。
【0061】
また、終局耐力(Pu)及び終局変位(δu)が共に改善されていたことから、実施例2は従来例2に比べて倒壊限界(大地震時の損傷抵抗)の性能が向上することが判った。
【0062】
さらに、実施例2は従来例2に比べて建築物の壁の耐震性能を示す壁倍率の数値が向上していた。
【0063】
これらのことは、各々の異なる材料特性が複合して総合的に耐力が強化することにより得られるものであり、よって、構造用面材と縦胴縁の材質、第1釘と第2釘の種類、及び第1釘の打ち付け間隔と第2釘の打ち付け間隔をそれぞれ異ならせることにより、様々なレベルの台風や地震に対応可能な優れた耐震性能を有する壁構造が実現できる。
【0064】
また、3本の縦胴縁8Aを3枚の構造用面材6Dにそれぞれ跨って固定することで、外力を3枚の構造用面材6D全体に縦胴縁8Aを経て分散させ、局所的な外力集中を回避して耐震性能を高めることができる。
【0065】
図22〜30は面材張設の変形例を、図31〜44は胴縁配置の変形例をそれぞれ示す。これら面材張設の変形例と胴縁配置の変形例を組み合わせることによっても上記と同様の作用効果を奏することができるものである。以下、各変形例の構成について説明する。
【0066】
図22は面材張設の変形例8であり、実施の形態2の壁構造(図17(a))と比べて受材10がなく、したがって、当該箇所に第1釘7による釘打ちがない点と、上下2枚の構造用面材6Dの土台2及び胴差3に対する釘打ち箇所が柱4及び間柱5の延長線上である点との2点が異なるほかは実施の形態2と同様に構成されているので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。以下の変形例においても特徴部分のみを説明する。
【0067】
図23は面材張設の変形例9であり、実施の形態2の壁構造と比べて間柱5が1本だけである点が異なるほかは実施の形態2と同様に構成されている。
【0068】
図24は面材張設の変形例10であり、この変形例10は変形例9(図23)から受材10をなくし、上下2枚の構造用面材6Dの土台2及び胴差3に対する釘打ち箇所が柱4及び間柱5の延長線上である点との2点が異なるほかは変形例9と同様に構成されている。
【0069】
図25は面材張設の変形例11であり、この変形例11は変形例10(図24)と同様の軸組構成をしているが、間柱5に対応する箇所及びその延長線上に第1釘7による釘打ちをしていない点が変形例10と異なるものである。
【0070】
図26〜30は面材張設の変形例12〜16であり、これら変形例12〜16は、3枚の構造用面材6Dを互い違いに水平方向に位置ずれさせて千鳥状に横張り配置したものである。そのうち、変形例12の軸組構成は実施の形態1(図1(a))と同様であり、柱4及び間柱5に対応する箇所及びそれらの延長線上に第1釘7による釘打ちをしている。
【0071】
図27は面材張設の変形例13であり、縦軸材4としては間柱5がなく柱4だけであり、受材10が上下に隣り合う構造用面材6Dの繋ぎ目に対応するように配設され、土台2、胴差3、柱4及び受材10に対応して第1釘7を釘打ちしている。
【0072】
図28は面材張設の変形例14であり、変形例13(図27)の隣り合う柱4間に間柱5を加えたものである。
【0073】
図29は面材張設の変形例15であり、変形例13(図27)の軸組構成に対し、各構造用面材6Dの短辺側だけを柱4に第1釘7で釘打ちしたものである。
【0074】
図30は面材張設の変形例16であり、変形例15(図29)に対してさらに各構造用面材6Dの中央部分を柱4に第1釘7で釘打ちしたものである。
【0075】
図31は胴縁配置の変形例4であり、縦張りした2枚の構造用面材6Aに対して4本の横胴縁8Bを土台2と胴差3との間を略3等分するように配設することで、各横胴縁8Bを2枚の構造用面材6Aに跨って第2釘9で釘打ち固定したものである。
【0076】
図32(a),(b)は胴縁配置の変形例5であり、縦張りした隣り合う構造用面材6Aの表面に5本の縦胴縁8Aを第2釘9で釘打ち固定したものであり、そのうち、構造用面材6Aの継ぎ目部分に幅広の縦胴縁8Aを用いている。
【0077】
図33は胴縁配置の変形例6であり、寸法の異なる2種類の構造用面材6B,6Cを張設し、下側の構造用面材6Bは土台2と胴差3との間隔の略2/3の長さであり、上側の構造用面材6Cは土台2と胴差3との間隔の略1/3の長さである。横胴縁8Bを土台2と胴差3との間を略3等分するように配設しているが、構造用面材6B,6Cの継ぎ目部分には横胴縁8Bを2本配設している。
【0078】
図34は胴縁配置の変形例7であり、変形例6(図33)において構造用面材6B,6Cの継ぎ目部分に1本の幅広の横胴縁8Bを配設したものである。
【0079】
図35は胴縁配置の変形例8であり、変形例6(図33)に縦胴縁8Aを加えたものである。
【0080】
図36は胴縁配置の変形例9であり、変形例8(図35)から横胴縁8Bをなくしたものである。
【0081】
図37は胴縁配置の変形例10であり、横張りした構造用面材6Dの左右両隣の継ぎ目部分に2枚の縦胴縁8Aが配設された状態、つまり実施の形態2(図17(b))に相当するものである。
【0082】
図38は胴縁配置の変形例11であり、変形例10(図37)において横張りした構造用面材6Dの左右両隣の継ぎ目部分に1本の幅広の縦胴縁8Aを配設したものである。
【0083】
図39は胴縁配置の変形例12であり、横張りした上下3枚の構造用面材6Dの周囲を縦胴縁8Aと横胴縁8Bとで囲むとともに、中央部分にも縦胴縁8Aを配設したものである。
【0084】
図40は胴縁配置の変形例13であり、変形例12(図39)においてさらに横胴縁8Bを2本追加したものである。
【0085】
図41は胴縁配置の変形例14であり、変形例13(図40)において上下に隣り合う構造用面材6Dの継ぎ目部分に1本の幅広の横胴縁8Bを配設したものである。
【0086】
図42は胴縁配置の変形例15であり、変形例10(図37)つまり実施の形態2(図17(b))において、縦胴縁8Aを2本なくして左右両端と中央部分の3本にしたものである。
【0087】
図43は胴縁配置の変形例16であり、変形例14(図41)において縦胴縁8Aを全てなくしたものである。
【0088】
図44は胴縁配置の変形例17であり、変形例16(図43)において上下に隣り合う構造用面材6Dの継ぎ目部分に1本の幅広の横胴縁8Bを配設したものである。
【0089】
なお、実施の形態2においても、図16に示すような被覆材11を構造用面材6Dの表面に張設し、縦胴縁8Aを上記被覆材11の上から構造用面材6Dに第2釘9で釘打ちにより固定するようにしてもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、構造用面材と胴縁の材質、第1固定金具と第2固体金具の種類、及び第1固定金具の打ち付け間隔と第2固定金具の打ち付け間隔をそれぞれ異ならせたので、各々の異なる材料特性の複合化により総合的に強化された耐力が得られ、損傷限界及び倒壊限界の両性能が向上して耐震性能を優れたものにすることができる。
【0091】
請求項2に係る発明によれば、胴縁を複数枚の構造用面材に跨って固定したので、外力を局所的に集中しないように複数枚の構造用面材全体に胴縁を経て分散させて高い耐震性能を得ることができる。
【0092】
請求項3に係る発明によれば、構造用面材の表面に被覆材を張設し、その上から胴縁を構造用面材に固定したので、構造用面材を雨水等から保護することができるとともに、被覆材を設けることによって耐震性能が低下しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る壁構造を示し、(a)は縦胴縁を固定する前の状態であり、(b)は縦胴縁を固定した状態である。
【図2】図1(b)の縦断面図である。
【図3】図1(b)の横断面図である。
【図4】実施例1と従来例1において荷重と真のせん断変形角との関係を示すグラフである。
【図5】図4において変形角の初期部分を拡大したグラフである。
【図6】面材張設の変形例1である。
【図7】面材張設の変形例2である。
【図8】面材張設の変形例3である。
【図9】面材張設の変形例4である。
【図10】面材張設の変形例5である。
【図11】面材張設の変形例6である。
【図12】面材張設の変形例7ある。
【図13】胴縁配置の変形例1である。
【図14】胴縁配置の変形例2である。
【図15】胴縁配置の変形例3である。
【図16】壁構造の変形例である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る壁構造を示し、(a)は縦胴縁を固定する前の状態であり、(b)は縦胴縁を固定した状態である。
【図18】図17(b)の縦断面図である。
【図19】図17(b)の横断面図である。
【図20】実施例2と従来例2において荷重と真のせん断変形角との関係を示すグラフである。
【図21】図20において変形角の初期部分を拡大したグラフである。
【図22】面材張設の変形例8である。
【図23】面材張設の変形例9である。
【図24】面材張設の変形例10である。
【図25】面材張設の変形例11である。
【図26】面材張設の変形例12である。
【図27】面材張設の変形例13である。
【図28】面材張設の変形例14である。
【図29】面材張設の変形例15である。
【図30】面材張設の変形例16である。
【図31】胴縁配置の変形例4である。
【図32】(a)は胴縁配置の変形例5であり、(b)は面材接合箇所を拡大して示す横断面図である。
【図33】胴縁配置の変形例6である。
【図34】胴縁配置の変形例7である。
【図35】胴縁配置の変形例8である。
【図36】胴縁配置の変形例9である。
【図37】胴縁配置の変形例10である。
【図38】胴縁配置の変形例11である。
【図39】胴縁配置の変形例12である。
【図40】胴縁配置の変形例13である。
【図41】胴縁配置の変形例14である。
【図42】胴縁配置の変形例15である。
【図43】胴縁配置の変形例16である。
【図44】胴縁配置の変形例17である。
【符号の説明】
1 軸組材
6A〜6D 構造用面材
7 第1釘(第1固定金具)
8A 縦胴縁
8B 横胴縁
9 第2釘(第2固定金具)
11 被覆材
W1 第1釘(第1固定金具)の打ち付け間隔
W2 第2釘(第2固定金具)の打ち付け間隔

Claims (3)

  1. 建築物の構造材である軸組材又は枠組材に構造用面材が第1固定金具の打ち付けにより張設され、
    上記構造用面材の表面に胴縁が第2固定金具の打ち付けにより固定され、
    上記構造用面材と胴縁の材質、上記第1固定金具と第2固体金具の種類、及び第1固定金具の打ち付け間隔と第2固定金具の打ち付け間隔がそれぞれ異なっていることを特徴とする壁構造。
  2. 請求項1記載の壁構造において、
    胴縁が複数枚の構造用面材に跨って固定されていることを特徴とする壁構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の壁構造において、
    構造用面材の表面に被覆材が張設され、胴縁が上記被覆材の上から構造用面材に固定されていることを特徴とする壁構造。
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