JP2019065656A - 高床パネル構造及び高床パネルを用いた立体構造物 - Google Patents

高床パネル構造及び高床パネルを用いた立体構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】設置現場における設置作業(組立作業)及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行すること。【解決手段】前後方向に所定間隔空けて配置され上下方向に立設する複数の金属製の支柱3と、複数の支柱3上端部間に連結されている縦梁4と、複数の高床パネル5とが設けられ、複数の支柱3と縦梁4とが一体に連結された支持部材2を左右方向へ所定間隔空けて配設し、左右に隣り合う支持部材2上に高床パネル5の左右両端部を載置して、高床パネル5を支持部材2に固定し、左右に隣り合う支持部材2が高床パネル5の金属製フレームを介在して連結されてなり、高床パネル5の金属製フレームが隣り合う支持部材を連結するよう横梁として構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、工場、倉庫、大型店舗のいわゆる中2階、イベント用の仮設ステージ、仮設舞台、展示用ステージ、さらには立体駐車場等として広く適用することができる、高床パネル構造及び高床パネルを用いた立体構造物に関する。
従来の倉庫内の物置、基材置場、あるいは立体駐車場などの構造体である立体構造物としては、例えば、矩形の構造体であれば、構造物の4隅に位置する角部用組立要素、角部と角部の間の辺部用組立要素及び構造物内方の中央部用組立要素を所要位置に配置して、これらの組立要素の柱の上端間に梁部材を連結すると共に下端間にブレース部材を連結することによって組み立てられる立体駐車場構造体が提案されている(下記の特許文献1参照)。この立体駐車場構造体は、比較的短期間にかつ比較的安価に分離自在に組み立てられ、埋設基礎構造を全く必要としないにもかかわらず立体駐車場として十分な強度及び剛性を有する、との優れた特性を有している。
特公平6-15786号公報
しかしながら、上記立体構造体においては、角部用組立要素、辺部用組立要素、中央部用組立要素、梁、ブレース部材等を別部材として多数製造し、それらを現場に輸送した後、それらを現場において組み立てることによって設置しなければならなかった。したがって、現場における組立部品(角部用組立要素、辺部用組立要素、中央部用組立要素、梁等の組立部品)の種類が多いこと、それらの重量が重いこと等に起因して、設置現場における組立工数が多く、労力の負担が比較的多くなり、設置作業(組立作業)及び分解撤去作業が大掛かりで困難となる。その結果、上記立体構造体の設置期間及び設置コストは、それ以前の立体構造体よりは改善されてはいるものの、未だ充分満足できるものとはいえない。
また、上記したように、現場における組立部品の種類が多いこと、それらの重量が重いこと等に起因して、設置現場における組立工数が多くなるので、縦方向及び横方向のスペースの拡大及び縮小が比較的困難であり、多くの労力及び時間を要すると共に、設置現場までの輸送が比較的困難で輸送コストが高くなる、部品管理が煩雑となり管理コストが高くなる、との問題点をも有している。また上記立体構造体は、立体駐車場あるいは立体駐輪場等には好適に使用されうるが、その用途は比較的狭く、この面においても改善が要望される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、設置現場における設置作業(組立作業)及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、その結果、設置期間及び分解撤去期間を著しく短縮でき、トータルコストを大幅に低減し、また設置現場における主要組立部品の種類を低減して設置現場における主要組立工数を低減することにより、設置作業及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、さらには設置現場における主要組立部品の種類を低減し、しかも分解された主要組立部品の輸送を著しく容易にして輸送コストを低減することを可能にする、新規な高床パネル構造及び高床パネルを用いた立体構造物を提供することである。
本発明の高床パネルは上記課題を解決するために、基礎面から立設する支持部材の上に載置可能であって、周囲に四角形の金属製のフレームを有する高床パネルにおいて、前記金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋と、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋と、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設するコンクリートと、から構成され、該コンクリートが前記金属製フレーム内の上部側に配設され、前記コンクリートの下部に空間部が設けられ、前記金属製フレームの空間部側に前記支持部材へのネジ取付部を有する。
前記高床パネル構造の前記金属製フレームは、垂直面からなる前後・左右の側面とこれら側面の上部と下部から前記高床パネルの内方へ水平方向に延びる上部フランジ部及び下部フランジを形成し、前記側面には隣り合う高床パネル同士のフレームを締結するためのネジ取付孔を形成し、前記下部フランジには前記支持部材に該高床パネルを固定可能にするネジ取付孔が形成され、複数の隣り合う高床パネル同士が縦方向及び/又は横方向に連接し、複数の高床パネルが締結手段によって連結されることが好ましい。
本発明の高床パネルを用いた立体構造物は、前後方向に所定間隔空けて配置され上下方向に立設する複数の金属製の支柱と、前記複数の支柱上又は支柱上端部間に連結されている金属製の縦梁と、周囲に金属製フレームを有する複数の高床パネルとが設けられ、前記複数の支柱と前記縦梁とが一体に連結された支持部材を左右方向へ所定間隔空けて複数列配設し、左右に隣り合う前記支持部材上に前記高床パネルの左右両端部を載置して、前記高床パネルを前記支持部材に固定し、前記左右に隣り合う支持部材の列が前記高床パネルの金属製フレームを介在して連結されてなり、前記隣り合う支持部材の左右方向の連結が前記高床パネルによって連結されている。
前記立体構造物の前記高床パネルは、前記金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋と、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋と、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設するコンクリートと、から構成されている鉄筋コンクリート高床パネルであり、該高床パネルの床表面側が前記コンクリートで形成され、前記高床パネルの前記金属製フレームの底側に形成した空間部側に前記支持部材への取付部を有することが好ましい。
前記立体構造物は、前記支柱の側面から斜め上方に延びて、該支柱の側面と前記高床パネルとを連結する補強部材を締結部材によって固定することが好ましい。
前記立体構造物の前記支柱は前記支柱上部に前記第1ネジ取付部を設け、該第1ネジ取付部の下部には、前記支柱の側面から水平方向へ突出し、前記縦梁を支持するとともに前記縦梁の高さ方向を位置決めする載置用金具を設け、前記縦梁は前記複数の支柱上端部間に連結され、該縦梁の両端部には下方に延び前記載置用金具に載置される延出部が形成され、該縦梁の両端部には前記第1ネジ取付部に対応する位置に第2ネジ取付部を形成し、前記第1ネジ取付部と第2ネジ取付部とを締結することによって前記支柱と前記縦梁とを連結することによって前記支持部材を形成し、該支持部材と前記高床パネルとを締結部材によって締結することが好ましい。
前記立体構造物の前記高床パネルの金属製フレームの下部側面には、貫通孔が複数形成され、該下部側面が高床パネルと隣り合う場合は、隣接する高床パネル同士を固定するためのネジ貫通孔となり、前記下部側面が高床パネルと隣り合わない場合は、フェンスを固定するネジ貫通孔になることが好ましい。
前記立体構造物は、工場、倉庫、大型店舗内の中二階、集会などのステージとして使用されることが好ましい。
前記立体構造物は、立体駐車場として使用されることが好ましい。
前記立体構造物の前記高床パネルには、該高床パネルの周縁部に沿ってかつ該周縁部の内方側へ間隔をとって排水溝を形成し、前記支持部材の上面に載置され隣り合う高床パネルの間に隙間を形成し、該隙間には排水通路を備えたドレーンを配設し、前記排水溝と前記排水通路を連通する連通路を前記高床パネルに形成することができる。
前記立体構造物の前記高床パネルは、該高床パネルに形成された排水溝よりも内側にある内表面を前記フレームの高さよりも高く形成し、前記ドレーンの排水通路の上部にはドレーンカバーを設け、ドレーンカバーの表面と前記内表面とをほぼ同じ高さに配置し、前記ドレーンカバーの端部を屈曲させて、前記排水溝まで延長することができる。
前記立体構造物の前記立体駐車場には高床パネルに上るためのスロープが形成され、
該スロープは、上り方向へ所定間隔空けて配置される金属製の左右一対の支柱と、該左右一対の支柱間に連結されている金属製の連結梁とを設け、前記スロープを形成するパネルが、矩形の金属製フレーム、該金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設する鉄筋コンクリートとから構成されている鉄筋コンクリートスロープパネルであり、
該スロープパネルの床表面側が前記コンクリートで形成されていることが好ましい。
前記立体構造物は、前記スロープの下側の傾斜の勾配を小さくし、スロープの中間位置で傾斜を大きくし、スロープの上側の高床パネルの手前で傾斜を小さくするように形成することが好ましい。
前記立体構造物は、前記スロープを形成するパネルの金属製フレームと前記支柱とを連結する前記スロープのズレを防止するためのブレースを設けることができる。
前記立体構造物は、前記立体駐車場を施設する基礎面となる部分に段部を形成し、前記スロープの入口側に形成される前記パネルの後部を前記段部に支持させることができる。
前記立体構造物は、少なくとも、前記支柱と前記縦梁とからなる支持部材の組付け、該支持部材と前記高床パネルの組付け、前記筋交いの前記支柱及び前記高床パネルへの組付けを締結部材によって締結することができる。
前記立体構造物は、前記支持部材を構成する金属製の構成部材の長さを5m以内とし、前記高床パネルのフレームの長さを5m以内とすることができる。
本発明によれば、前後方向に所定間隔空けて配置され上下方向に立設する複数の金属製の支柱と、前記複数の支柱上又は支柱上端部間に連結されている金属製の縦梁と、周囲に金属製フレームを有する複数の高床パネルとが設けられ、前記複数の支柱と前記縦梁とが一体に連結された支持部材を左右方向へ所定間隔空けて配設し、左右に隣り合う前記支持部材上に前記高床パネルの左右両端部を載置して、前記高床パネルを前記支持部材に固定し、前記左右に隣り合う支持部材が前記高床パネルの金属製フレームを介在して連結されてなり、前記隣り合う支持部材の左右方向の連結が前記高床パネルによって連結されているので、横梁(例えば、H鋼を半減することができる)を省略することができる。
また、高床パネルを前記フレームと鉄筋コンクリートによって形成することによって、製造コストを軽減することができる。高床パネルの金属性フレーム内のコンクリートの下部に空間部が設けられ、空間部における金属製フレームに支持部材へのネジ取付部を形成することができる。
全体がほぼ締結部材によって組立、解体ができるので、リサイクルが可能となった。
本発明の第1の実施形態の立体構造物の全体を示す斜視図である。 図1の立体構造物の組立途中の斜視図である。 図1の立体構造物の側面図である(踊り場、階段を省略している)。 図1の立体構造物の背面図である。 図1の立体構造物の支柱の位置を示す平面図である。 図1の立体構造物に用いられる支柱の正面図である。 図6の支柱の下部の基台であり、Aは立体構造物のコーナに用いられる基台の平面図、Bは立体構造物のサイド(辺)に用いられる基台の平面図、Cは立体構造物のセンターに用いられる平面図である。 図1の立体構造物の支柱と縦梁の接続部の分解斜視図である。 図1の支柱の柱頭部を示す図であり、Aは立体構造物のコーナに配置される支柱上部の平面図、Bは辺部に配置される支柱上部の平面図、Cはセンターに配置される支柱上部の平面図、Dは支柱の第1取付部の正面図、Eは支柱の載置用金具の正面図(図面左)と側面図(図面右)である。 図1の立体構造物の筋交いによる接合部の正面図である。 Aは、図1の立体構造物の辺部(a列、d列)に配設される筋交いの接合部の側面図、Bは横断面図である。 Aは、図1の立体構造物の中央部(b列、c列)に配設される筋交いの接合部の側面図、Bは横断面図である。 Aは、図1の立体構造物の辺部(a列、d列)に配設される縦梁の平面図、Bは中央部(b列、c列)に配設される筋交いの平面図、Cは縦梁の側面図である。 図1の立体構造物の縦梁に接合される取付平板であり、Aは辺部(a列、d列)に配設される取付平板の正面図(立体構造物の正面から見て)、Bは平面図、Cは中央部(b列、c列)に配設される取付平板の正面図、Bは平面図である。 図1の立体構造物の支柱と縦梁の分解側面図である。 図1の立体構造物の支柱と縦梁の接続部の側面図である。 図1の立体構造物の高床パネルの平面図である。 Aは、図17の高床パネルの正面図(立体構造物の正面から見て)、Bは高床パネルの底面側から見た部分破断斜視図である。 図17の高床パネルと縦梁の接続部を示す分解図である。 Aは、図17の高床パネルのフレーム角部を示す平面図、Bはフレーム角部の分解平面図である。 図1の立体構造物の各構成物の分解正面図である。 図1の立体構造物のフェンスの正面図である。 図1の立体構造物の支柱の施工方法を示し、Aはアンカーボルトのピンを打ち込んでいるところの部分断面図、Bはアンカーボルトの下部が拡がった状態の部分断面図である。 図17の高床パネルの拡大図である。 図1の立体構造物のフェンスの取付方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の立体構造物としての立体駐車場を前方から見た斜視図である。 図26の立体駐車場の組立途中の斜視図である。 図26の立体駐車場の床面を示す斜視図である。 図26の立体駐車場の高床パネルの排水溝が形成されている部分の断面図である。 図26の立体駐車場の高床パネルの排水溝と連通路が形成されている部分の断面図である。 図30の連通路を形成する成形金具の側面図である。 図26の立体駐車場の高床パネルの成形方法を示し、Aは止め金具の平面図、Bは止め金具を高床パネルのフレームに設置した状態の断面図である。 図32のAの止め金具をセットした高床パネルのフレームにコンクリートを成形した後の高床パネルの断面図である。 止め金具が高床パネルの連通路の成形金具がある位置にセットされた状態の断面図である。 図26の立体駐車場の高床パネルに吊下げ用のインサートナットを埋設した状態の断面図である。 図26の立体駐車場に配設されているドレーンの斜視図である。 図36のドレーンの連通路を示し、Aは排水口付きドレーンの側面図、Bは排水口無しドレーンの側面図、Cは排水口付きドレーンの拡大図、Dはドレーンの断面図である。 図26の立体駐車場のドレーンが高床パネルの間に懸架されている状態の断面図である。 図38のドレーン周囲の構成部材分解断面図である。 図36のドレーンが高床パネルの連通路に配設されている状態の断面図である。 図26の立体駐車場のb列又はc列の支持部材付近の正面図である(高床パネルは断面図になっている)。 スロープを有する立体駐車場の斜視図である。 図42に示す立体駐車場のスロープであり、図面上はスロープの平面図、図面下はスロープの側面図である。 図42に示す立体駐車場のスロープの中間部分の拡大図である。 図42に示す立体駐車場のスロープを構成する支持部材であり、Aは支持部材の側面図、Bは平面図、Cは正面図である。 図42に示す立体駐車場の支柱の橋頭部であり、Aはスロープの下側の支柱の側面図、Bはスロープの中間部の支柱の側面図、Cはスロープの上側の支柱の側面図である。 図42に示すスロープのスロープパネルの側面図である。 図42に示すスロープのフェンスの側面図である。 図42に示すスロープの下側の拡大側面図である。 図42に示す下側のスロープとコンクリート基礎の断面図である。 本発明の第3の実施形態の立体駐車場の斜視図である。 図51に示す立体構造物の背面図である。 図51に示す立体構造物の側面図である。 図51に示す立体駐車場の基礎を示し、Aは支柱の基台のある部分の側面図、Bは立体駐車場の基礎の断面図、Cは平面図である。 図51に示す立体構造物の支柱であり、Aは立体構造物のサイドに配設される支柱の正面図、Bはセンター側に配設される支柱の正面図である。 図55のBに示す支柱の拡大図である。 Aは、図55のAに示す支柱の断面図、Bは図55のBに示す断面図である。 図51に示す立体駐車場の2階フロアの高床パネルの平面図である。 図51に示す立体駐車場の2階フロアの高床パネルの取付状態を示す平面図である。 図51に示す立体駐車場のセンター側の支柱が高床パネルを貫通している状態の平面図である。 本発明の第4の実施形態の立体構造物の斜視図である。 図61の立体構造物の支柱、縦梁、横梁の取付部を示す斜視図である。
以下、本発明の第1の実施形態における高床パネル構造及び高床パネルを用いた立体構造物について、図面を参照しながら説明する。
[立体構造物1の概要]
図1は、本発明に係わる立体構造物の斜視図、図2はその立体構造物の組立途中の斜視図、図3は側面図、図4は背面図である。立体構造物1は、主に、工場、倉庫、大型店舗のいわゆる中2階、イベント用の仮設ステージ、仮設舞台、展示用ステージなどに使用される。
大型の立体構造物1は、複数の支柱3、縦梁4、高床パネル5、筋交い6、フェンス7、踊り場8、階段9から構成されている。立体構造物1の大きさとしては、踊り場8及び階段9を除いて、平面視で見た縦横が各15mの大きさである。支柱3は縦横にそれぞれ4本の計16本(図5のa1〜d4を参照)が用いられ、縦方向に隣り合う支柱3の間には、縦梁4が懸架されるようにして連結され、支持部材2を構成する。支持部材2の上には高床パネル5が敷設されている。外側に位置する高床パネル5の周囲にはフェンス7が取付けられている。
なお、本明細書では、図1の立体構造物1の高床パネル5が6枚並んでいる方を縦又は前後方向とし、3枚並んでいる方を横又は左右方向とする。前後方向は図1の立体構造物1の手前を前側とする。
さらに、説明の便宜のため図5を参照にして、支柱3の位置に応じて縦列を左側から右へアルファベットのa、b、c、d列とし、横列を手前側から1、2、3、4列として示し、それらの列に配設された支柱3などの位置を縦列や横列の座標として説明する。また、立体構造物1の踊り場8及び階段9を除いた立体構造物1の4隅をコーナ(符号10aを付した場所)とも呼び、立体構造物1の前後、左右の外周辺であって、a列、d列、1列、4列のコーナを除く部分をサイド(符号10bを付した場所)とも呼び、立体構造物1の内部をセンター(符号10cを付した場所)とも呼ぶ。
以下、立体構造物1を構成する各構成部材を説明する。
[支柱3の構成]
図6は支柱3を示す。支柱3は下側に基台10を設け、基台10から上方へ延びる横断面が四角形の柱11が立設する。本実施形態では、図5〜図7を参照にして基台10は、支柱3が用いられる位置によって異なる3種類の基台10a〜10cがある。立体構造物1のコーナ10aに配設される基台10は立体構造物1の四隅に配置される支柱3の柱11の下に配設され、サイド10bに配設される基台10は、立体駐車場1のコーナ10aを除く側辺に配置される柱11の下に配設され、センター10cに配設される基台10は立体構造物1の中央の4か所に配置される柱11の下に配設される。柱11と基台10はともに鉄製であり、柱11の下端部は基台10に溶接によって接合される。
さらに柱11と基台10が接合された直角に向き合う柱11の側面と基台10の底面には、二等辺直角三角形状の平板であるフィン12が、柱11の幅方向中心位置に合わせて、溶接によって接合されている。フィン12の枚数、位置は基台10毎に異なっている。コーナ10aの基台10には、柱11から立体駐車場1の両サイド10b側に向けてフィン12が2枚接合され(図7のA参照)、サイド10bの基台10には、立体駐車場1のサイド方向両側に沿って2枚、これらのフィンとは直角にかつ立体構造物1の内方に向けて1枚の計3枚が接合され(図7のB参照)、センター10cの基台10には柱11のそれぞれ前後左右の面に計4枚のフィン12が十字形状に位置付けられて接合される(図7のC参照)。
なお、柱11の横断面は175mm(縦・横)×6mm(肉厚)の正四角形であり、フィン12は高さ10cm、底辺10cmの直角三角形である。支柱の高さは2.7mである。
図6、図8及び図9を参照にして、柱11の柱頭部には、縦梁4の第1ネジ取付部としての取付部15が設けられている。取付部15は袋ナット15aを備えている。インサートからなる袋ナット15aは内部に雌ネジ15bが形成された丸棒であって、柱頭部の対向する面に開けられた孔13の間に臨んで溶接によって接合される。本実施形態では、取付部15に左右に2列、上下に4列の計8個の袋ナット15aが、柱頭部内に水平方向に整列して配設され且つ孔13の周囲に溶接によって接合される。
ネジ取付部15の下には載置用金具15が設けられている。載置用金具16は、柱11の幅とほぼ同じ長さの断面がL字形状の金具であって、その幅方向中間位置に三角形状のフィン16aが補強金具として接合されている。載置用金具16は柱11面に接合されると、柱11面に対して水平方向へ突出する懸架面16bが形成される。懸架面16bは縦梁4の端部を懸架する役割と、縦梁4の高さ方向を位置決めする役割を果たす。
柱11の上端部には四角形状の取付平板17が設けられ、取付平板17は上面に高床パネル5が載置され、高床パネル5を固定するための取付金具となる。取付平板17の縦方向の長さは柱11の幅に等しく、横方向の長さは柱11の幅よりも広く形成され、柱11の上端部から水平に舌片状に突出する。その突出した部分には、高床パネル5を固定する取付孔18が形成されている。
上述した、取付部15、袋ナット15a、載置用金具16の有無や、取付平板17の形状が支柱3の位置との関係で異なる場合がある。
取付部15は、四角形の柱11の一側面又は向かい合う二側面に設けられ、縦方向に並ぶ支柱3の前側(図5の1列参照)及び後側(図5の4列参照)の柱11には一側面に取付部15が設けられ、それらの間の柱11(図5の2列、3列参照)には向かい合う二側面に取付部15が設けられている。
図5及び図9を参照にして、袋ナット15aについては、袋ナット15aの一端に雌ネジ15bが形成されているものと(図9のA参照)、両端に雌ネジ15bが形成されているものがある(図9のB及びC参照)。袋ナット15aの一端のみに雌ネジ15bが形成されているものは、立体構造物1の前後に位置する支柱3の柱11である(図5の1列、4列を参照)。縦梁4の一端部のみを支持するので、袋ナット15aの縦梁4が配設される側にのみ雌ネジ15bが形成される。1列と4列の間に位置する支柱3の柱11には、袋ナット15aの両端に雌ネジ15bが形成されている(図5の2列、3列の支柱3の柱)。前後に隣り合う2つの縦梁4の端部を支持するからである。
載置用金具16もまた、支柱3の柱11に1つ接合されているものと柱11に2つ接合されているものがある(図3参照)。柱11に載置用金具16が1つ形成されているものは、立体構造物1の前後に位置する支柱3の柱11である(図5の1列、4列の支柱3の柱)。縦梁4の一端のみの懸架でよいからである。前後に位置する支柱3の間にある支柱3の柱11には、2つの載置用金具16が接合される(図5の2列、3列の支柱の柱)。前後に隣り合う2つの縦梁4の端部を懸架するからである。
取付平板17の形状もまた、支柱3が配置される位置によって、高床パネル5を取付ける孔18の位置や孔数が異なる。すなわち、高床パネル5には角部に取付孔43が形成される(図18のB参照)。そこで、立体構造物1の4つの各コーナ10aに位置する支柱3の取付平板17には、高床パネル5の1つの角部が載置されるので、高床パネル5の取付孔43に対応する位置に各1つの孔18が形成される(図9のA参照)。コーナ10aを除く立体構造物1のサイド10bに位置する支柱3には、それぞれ2枚の高床パネル5の角部が載置されるので、取付平板17に各2つの孔18が形成される(図9のB参照)。センターに配設される支柱3にはそれぞれ4枚の高床パネル5の角部が載置されるので、取付平板17に各4つの孔18が形成されている(図9のC参照)。
図10〜図12を参照にして、柱11の側面には、支持金具19が接合されている。支持金具19は断面がU字形状であって、高床パネル5の底面に接合される支持金具19と共に、筋交い6を柱11と高床パネル5を柱11に固定するものである。筋交い6の下端部が柱11に配設された支持金具19に固定され、筋交い6の上端部が高床パネル5の底面に固定される、支持金具19の向かい合う一対の側壁には各々取付孔19aが形成され、該側壁の間に筋交い6の下端部が挿入され、ボルト、ナットにより締結される。
支持金具19は、図5に示すa列とd列の支柱3のコーナ10aの柱11には内側面側に1つが設けられ、b列、c列の柱11のうち、立体構造物1のサイド10bに位置する柱11には左右両側面に各々1つが設けられ、b列、c列のうちセンター10cの柱11には、左右両側面に各々2つが設けられている。換言すれば、高床パネル5の1つの角を支持するコーナ10aの支柱3には1つの支持金具19が設けられ、高床パネル5の2つの角を支持するサイド10bの支柱3には2つの支持金具19が設けられ、高床パネル5の4つの角を支持するセンター10cの支柱3には4つの支持金具19を設けている。
なお、上述した基台10、取付部15の袋ナット15a、載置用金具16、及び取付平板17、支持金具19については、支柱3の位置との関係で、異なるようにしたが、共通化を図ることも可能である。すなわち、基台10については、例えばセンター10cの基台10に統一し(図7のC参照)、基台10の共通化を図ることができる。また、取付部15については、柱11に取付部15を2つ有するものに統一し(図9のC参照)、取付平板17については、センターに配設される支柱3の取付平板17のように取付孔18を4つ形成したものに統一し(図9のC参照)、支持金具19を柱11の左右両側面に各々2個取付けたものに統一し(図12参照)、各部材の共通化を図ることができる。ただし取付部として使用されない部材が生じる。
[縦梁4の構成]
図13のAは立体構造物1の左右両サイドに位置するa列、d列に用いられる縦梁4aの平面図であり、図13のBは中央側のb列、c列に用いられる縦梁4bの平面図であり(縦梁4aと縦梁4bを総称して縦梁4とする)、図13のCは縦梁4a,4bの側面図であり(側面視は同一である)、図14のAはa列、d列に用いられる縦梁4aの断面図、図14のBは平面図、図14のCは中央側のb列、c列に用いられる縦梁4bの断面図、図14のDは平面図である(a〜d列については図5参照)。
縦梁4は、H形鋼21(H形鋼21a及び21bを総称してH形鋼21とする)、延出部22、固定金具31から構成され、支柱3の柱頭部の間に挟持され、載置用金具16(図8)に載置される。
本実施形態では、縦梁4は、左右両サイド(a列、d列)に配設されるは縦梁4aと中央側(c列、d列)に配置される縦梁4bの異なる二種の縦梁4a,4bが用いられ、サイド側縦梁4aは幅の小さなH形鋼21aが用いられ、中央側縦梁4aは幅の大きなH形鋼21bを用いている。サイド側の縦梁4aは、1枚の高床パネル5の一端を懸架し、中央側縦梁4bは2枚の高床パネル5の一端を懸架するので、重量の負荷を考慮して中央側縦梁4bは幅の大きなH形鋼21bを用いている。幅の狭いH形鋼21aは250mm(高さ)×125mm(幅)であり、幅の広いH形鋼21bは250mm(高さ)×175mm(幅)である。サイド側縦梁4aと中央側縦梁4bの側面方向から見た形状、大きさは同じである(図13のC参照)。
図8を参照にして、縦梁4はH形鋼21の両端下部に延出部22を設けている。延出部22は、H形鋼21の端部底面から下方へ延び、形状が1つの垂直面、斜面と2つの水平な平行面を有する台形である。延出部22を構成する部材は、H形鋼21の端部と延出部22の垂直面まで延びる平板23と、延出部22の下面25を有し、該下面25から45度斜め上方に延びる筋交いの役割を有する曲げ板24と、H形鋼21の幅方向の左右中心部に位置する台形板27とから構成される。平板23には縦梁4が支柱3に組付けられたときに、支柱3の8つの袋ナット15aの雌ネジ15bに対応する位置に、第2ネジ取付部28の8つの貫通孔28aが形成されている。平板23の長さは535mmであり、縦梁4aに用いられる平板23の厚さは10mm、幅はH鋼21aと同じ125mmであり、縦梁4bに用いられる平板23の厚さは12mmで、幅はH鋼21bと同じ175mmである。
図9のAはコーナ10aに用いられる支柱3を示し、図9のBはサイド10bに用いられる支柱3を示し、これらの支柱3は縦梁4aを支持する。図9のCは中央側のセンター10cに用いられる支柱3であり縦梁4bを支持する。図に示すように、支柱3の柱11の幅は同じであるが、H形鋼21a,21bの太さの違いに伴って、取付部15の袋ナット15aの間隔を、センター10cに用いられる支柱3の方がコーナ10a、サイド10bに用いられる支柱3よりも袋ナット15aの間隔を広く採っている。
延出部22の下面25はH形鋼21の延在方向に対して平行な面で形成され、載置用金具16の載置面16aの突出長さと同じ長さを有する。下面25よりも上側の曲げ板24の傾斜面は、支柱3の柱11に対して45度の角度で形成されている。
図13及び図14を参照にして、縦梁4の長手方向中間位置には固定金具31が設けられている。本実施形態では、支柱3の間隔が縦横5mであり、高床パネル5の大きさが約2.5m(縦)×5m(横)である。したがって、5m四方で配設される4本の支柱3の内側に2枚の高床パネル5が配設される。そのため、高床パネル5の全ての4隅をH鋼以外の部位に固定できるように、縦梁4の長手方向中間位置に高床パネル5を取付ける固定金具31を設けている。
固定金具31は、縦梁4a,4bの両方に設けられ、両サイドのa列、d列に配設される縦梁4aには1つの固定金具31が接合され、それらの間のb列、c列の縦梁4bに2つの固定金具31が接合される。固定金具31は、縦梁4aと縦梁4bの両者ともに同じ形状のものが用いられる。
固定金具31の形状は、断面が逆U字形(図13のC参照)であって、固定金具31がH鋼に接合される部分には、H形鋼の肉厚と同じ深さの切欠き31aが形成され(図14のA,C参照)、サイド側の縦梁4aと中央側の縦梁4bとでは、切欠き31aの長さ(奥行)が異なる。切欠き31aは固定金具31の上面と縦梁4の上面とを面一にする。固定金具31と縦梁4はそれらの接触面が溶接によって接合される。固定金具31の先端は、サイド側縦梁4aでは、その一側面から立体構造物1の内方へ、縦梁4aの軸方向に対して直角方向へ突出し、中央側縦梁4bではその左右両側面からそれぞれ縦梁4bの軸方向に対して直角方向へ突出する。固定金具31の各突出部には高床パネル5の固定用の取付孔18が2箇所に形成されている。
[支持部材2の構成]
支持部材2は、支柱3と縦梁4とを組付けたものであり、本実施形態の立体構造物1ではa〜d列に各1つが配設されている。ここでは、図3、図15及び図16を参照にして、d列の支持部材2について説明する。
支柱3と縦梁4の組付けは、支柱3を所定の位置に立設させた後、フォークリフト又はクレーンなどで縦梁4を支柱3の載置用金具16の上に載置する。この際、載置用金具16は、縦梁4の高さ方向の位置決め部材となり、縦梁4が高さ方向に位置決めされる。次いで、縦梁4にズレがある場合は、袋ナット15aと第2ネジ取付部28の貫通孔28aの位置合わせがなされる。そして、ボルト33と袋ナット15aによって、第1及び第2ネジ取付部15,28が締結され、支柱3と縦梁4とが連結される。1つの支持部材2では4つの支柱3の間に、3つの縦梁4が直線上に連結される。こうして、立体構造物1には、4列(a列〜d列)の支持部材2が配設される。
[高床パネル5の構成]
図17は、高床パネル5の平面図、図18のAは高床パネル5の部分破断側面図、図18のBは高床パネル5を裏面(底面)からみた部分破断斜視図、図19は高床パネルの端部間の連結部を示す分解断面図、図20はフレームの接合部の平面図である。
高床パネル5は、外枠となる四角形のフレーム37、フレーム37間に配設される鉄筋38、コンクリート39、上述した支持金具19(図21参照)から構成されている。
鉄製のフレーム37は、縦断面がコ字形状の軽ミゾ形鋼によって形成され(図19)、縦鋼37a、横鋼37bからなり合わせて4本のコ字鋼材を直角に溶接によって接合される。縦鋼37a及び37bはその垂直面からなる側面と該側面の上部と下部から高床パネル5の内方へ水平方向に延びる上部フランジ部37d及び下部フランジ37eを全体に形成している。そして、縦鋼37a、横鋼37bの端部は、上部及び下部のフランジ37d,37eの端部を45度に切断したものを溶接によって連結し、内角部の内面はL字金具40を当て、溶接による接合によって、角部の補強がなされている(図20参照)。
高床パネル5のフレーム37の上方側には鉄筋38を埋設したコンクリート39が敷設されている。図18のA,Bに示すように、フレーム37の縦方向には、複数の縦筋38aが溶接によってその内面に接合され、横方向には複数の横筋38bが溶接によってフレームの内面に接合されている。
フレーム37にコンクリート39を打設するときには、平坦な床の上に、コンクリート用剥離シート41を敷き、高床パネル5の上面となる方を下にする。すなわち、鉄筋38が接合されている上側が下になり、フレーム37の内側にコンクリートを流し込んだ後、養生して高床パネル5を完成させる。
フレーム37のコンクリートよりも下部には、高床パネル5同士を連結し又は後述するフェンス7を取付けるための貫通孔42が上下に2個一組として形成され、一組の貫通孔42は短辺の縦鋼37aに2箇所が形成され、長辺の横鋼37bに3箇所形成され、全体として10カ所に形成されている。フレーム37の底面における横鋼37bの両端部には、フランジ部37eに高床パネル5を縦梁4に固定するための貫通孔43が形成されている。
図10に示すように、高床パネル5のフレーム37の底面には、支持金具19が溶接によって固定されている。支持金具19は、支柱3の柱11に固定されている支持金具19と同じ形状大きさであり、筋交い6の上端部を固定するものである。
なお、フレーム37の大きさは約2.5m(縦)×5m(横)×0.3m(高さ)である。また、フランジ部37d,37eの突き出し長さは50mmでフレーム37の肉厚は5mmである。フレーム37内のコンクリート39の厚さは約10cmであり、鉄筋38は表面側から6cmの深さに埋設される。鉄筋38の太さは12mmである。
[筋交い6の構成]
図4、図10〜図12を参照にして、筋交い6は支柱3と高床パネル5を連結補強するものであって、特に立体構造物1の左右方向にかかる負荷の補強材となる。筋交い6が配設される場所ついて、立体構造物1におけるコーナ10aの支柱3の側面では、1つの筋交い6が設けられている(図11のA参照)。一方、立体構造物1のサイド10bに配設される支柱3の側面では、支柱3の一側面に2つの筋交い6が設けられている(図12のA参照)。また、センター10cに位置する支柱3には左右両側面に各2個が設けられている(図示せず)。
筋交い6は中空の部材で形成され、立体構造物1の正面方向から見たとき、一方向に長い台形形状であって、その断面が長方形状の中空材である。筋交い6の両端部は、45度に傾斜し、その端面が水平方向に位置する高床パネル5の支持金具19と、支柱3の柱11の側面の支持金具19の底面に当接させることができる。また、筋交い6の両端部には貫通孔6aが形成されている。貫通孔6aは、支柱3の支持金具19に形成された取付孔19aに対応する位置に形成される。こうして、筋交い6は45度の傾斜角で高床パネル5と支柱3との間に、貫通孔6aと取付孔19aを介してボルトにより締結される。
なお、筋交い6の断面形状の大きさは、75mm(長辺外径)×38mm(短辺外径)×3.2mm(肉厚)、長さ900mm(台形の底辺長さ)であり、各筋交い6の大きさ、形状は全て同じである。
[フェンス7の構成]
フェンス7は、立体構造物1の高床パネル5の周囲(a、d、1、4列)に配設される。本実施形態では、幅が約2.5mの短フェンス7aと幅が約5mの長フェンス7bとが配設される。短フェンス7aは、高床パネル5の短辺側の縦鋼37aに対応して配設され(図3参照)、長フェンス7bは、高床パネル5の長辺側の横鋼37bに対応して配設される(図4参照)。短フェンス7aと長フェンス7bは、大きさと取付部の個数が異なるだけなので、ここでは長フェンス7bについて説明する。
図2、図21及び図22を参照にして、長フェンス7bは四角形状のフレーム45a、フレーム45aの上下方向中央を水平方向に配設されるクロスメンバー45bと、フレーム45aの上枠から下枠の下方まで延びる取付バー45cとから構成されている。フレーム45aの幅は、高床パネル5の横鋼37bと同じ長さである。取付バー45cが設けられる位置は、高床パネル5の横鋼37bの横方向に間隔を空けて形成されている各貫通孔42に対応する位置(3箇所)に配設される。そして、取付バー45cの下部には貫通孔42に対応する位置に取付孔45dが形成され、ボルトによって長フェンス7bは、高床パネル5の横鋼37bに固定される。
なお、短フェンス7aの取付バー45cは高床パネル5の縦鋼37aに間隔を空けて形成されている各貫通孔42に対応する位置(2箇所)に配設され、短フェンス7aが高床パネル5の縦鋼37aに固定される(図17参照)。
立体構造物1の1コーナ10aには、踊り場8が設けられ、踊り場8には階段9が設けられているが、踊り場8の高床パネルは上述した高床パネル5とサイズが異なるだけで、基本的には同じ構造であり、それを支持する支柱も上述した支柱3と差異は少ないので、それらの詳細については省略する。また、階段9についても周知の鉄階段を使用できるのでその詳細について省略する。
次に、立体構造物1の組付け手順の一例について説明する。
図2を参照にして、先ず、立体構造物1を配設する場所に支柱3を基礎に立設させる。支柱3はコーナ10a、サイド10b、センター10c位置のそれぞれが配設される場所によって、支柱3の構成部材である基台10、載置用金具16、取付平板17などの位置が各々異なる。よって、それらの構成部材が対応する位置の支柱3を適所に配置する。
支柱3を配設する場所は、固い地盤、コンクリート舗装またはアスファルト舗装等のm当たり10t以上の強度のある地盤等の基礎面を想定して、載置式を採用してもよいし、又は簡易なアンカーボルト20によるボルト締めの施工であってもよい。
図23のA及びBは、アンカーボルト20によるボルト締めの施工を示す。例えば、コンクリート地盤に基台10を配置し、基台10の高低差を水平に調整したあとアンカーボルト20をコンクリート地盤に埋め込み、空隙などがあればクラウド材などを流し込んで基礎を固める。この際、支柱3の柱11が垂直に向くようにする。そして、アンカーボルト20の心棒20aをハンマーで叩くことによって、アンカーボルト20の下部にある拡径部20bを押し拡げて、支柱3を地盤に固定する。支柱3は全体として縦横に各4本、計16本が立設される。
全ての支柱3を地盤に立設させた後、縦梁4を支柱3に固定する。図8を参照にして、縦梁4を支柱3に固定させるには、フォークリフトやクレーンなどによって、縦梁4を上方に持ち上げてから降ろすことによって、縦梁4を支柱3の載置用金具16に載置する。横梁がないので、作業を円滑に行うことができる。縦梁4を載置させた後は、縦梁4の両端部にあるネジ取付部28の貫通孔28aを支柱3の柱頭部のネジ取付部15の袋ナット15aの雌ネジ15bに位置合わせし、ボルトを締結する。同様に残りの縦梁4を全て支柱3に組付ける。これによって、a列〜d列からなる4つの支持部材2が完成する。
縦梁4の延出部22は平板23の長さが長いので、立体構造物1のかすがいの役割を果たす。同様に基台10のフィン12も横方向から受ける荷重に対して補強部材となっている(図6参照)。
次いで、フォークリフトやクレーンなどによって、高床パネル5を支持部材2まで搬送し、左右に隣り合う縦梁4や支柱3の間に懸架させる。高床パネル5を懸架させた後、高床パネル5の底面に形成されたフレーム37の下部フランジ37e(図19参照)に形成した貫通孔43を支柱3の上端部に接合された取付平板17の取付孔18に位置合わせする(図10参照)。この際、図24に示すように、これらの取付平板17の孔18と高床パネル5の貫通孔43をボルトで締結する際に、仮締めしておくことが好ましい。同様に残りの高床パネル5を全て縦梁4の間に懸架させた後、孔18,43をボルトで仮締めする。一方、固定金具31の孔18と高床パネル5の貫通孔43をボルトで仮締めする。
高床パネル5を支持部材2上で仮止めした後は、隣り合う高床パネル5同士を固定する。図19を参照にして、高床パネルのフレーム37の側面には、貫通孔42が形成されている。そして、隣り合う高床パネル5の貫通孔42同士をボルトで仮締めする。
図10を参照にして、立体構造物1の横方向の補強のため筋交い6が配設される。筋交い6は支柱3に設けられた支持金具19と高床パネル5のフレーム37の底面に設けられた支持金具19間を連接する。すなわち、支持金具19に形成されている取付孔19aに筋交い6の両端部に形成されている貫通孔6aに通しボルトを挿通しナットと共に締結する。
次いで、フェンス7を高床パネル5の側面に固定する。図21、図22及び図25を参照にして、高床パネル5の側面の貫通孔42は、隣り合う高床パネル5の固定にも用いられ、立体構造物1の周囲に配設された高床パネル5の側面では、貫通孔42がフェンス7取付用の貫通孔として使用される。フェンス7を高床パネル5に取付けるには、貫通孔42及びフェンス7に形成された取付孔45dに通しボルトを挿通しナットと共に締結する。
高床パネル5の設置などに問題がなければ、仮締めしていた全てのボルトを本締めする。この際、隣り合う高床パネル5の間に隙間ができるような場合は、図19に示すようにボルト貫通孔を有する板ワッシャ48を挿入して、隙間調整することが好ましい。
本実施形態における立体構造物1は、いわゆる横梁が設けられていない。そこで、横方向の強度を持たせるために、梁の役割を高床パネル5が果たしている。すなわち、横方向の強度保持を高床パネルが主体となっている。筋交い6は、その横梁としての高床パネル5と支柱3との連結を補強する役割を果たす。一方、縦梁4は延出部22を形成することで、支柱3と縦梁4との筋交いの役割を果たしている。この横梁がない構成により、フォークリフトが縦梁4間を素通りすることができ、組み立て作業も簡易に行える。横梁がない構成は、縦梁4若しくは支柱3に高床パネル5の取付部を形成し、構成部材の削減と取付部の複雑化を防止する。
横梁(H鋼)を省略して、フレーム37と安価な鉄筋コンクリートからなる高床パネル5を横梁の役割を果たしているので、製造コストの軽減を図ることができる。
また、高床パネルを前記フレームと鉄筋コンクリートによって形成することによって、高床パネルの金属性フレーム内のコンクリートの下部に空間部が設けられ、空間部を設けることによって、空間部に金属製フレームの支持部材へのネジ取付部を形成することができ、さらに、空間部に手を入れるスペースができ、高床パネルの支持部材へのボルトによる取付けや高床パネル同士のボルトによる取付けが容易になる。
本実施形態では、立体構造物1の各構成部材を全て5m以下の大きさのものを組付けている。かりに、高床パネル5の製造を構築現場で行えば、全ての構成部材が20フィートの小型コンテナなどで運搬することができる。構築現場が比較的近い場所であれば、運搬費用も安価で済むが、遠い構築現場(例えば500km内外)では運搬費用が高額になるので、本実施形態の立体構造物は、これら運搬費用を改善すべく、構築現場で床コンクリートパネルを製造することで、運搬費用を大幅に軽減できる工法である。また、高床パネル5を先に製作していれば、構築現場で、ノックダウン方式によるボルトのみの締結で組み立てができる。さらに、立体構成物1の解体も容易で、解体後はリサイクルすることもできる。横梁や大きなカスガイがないので小型のフォークリフトが立体構造物内を往来することによって組付けが容易になる。
屋外のイベント用の仮設ステージ、仮設舞台、仮設展示用ステージなどのリースレンタル物件として活用が可能になる。
次に、本発明の立体構造物の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本第2の実施形態が、上記第1の実施形態と異なるところは、上記第1の実施形態の立体構造物1は、主として建物内に配設されるので排水設備がないが、本第2実施形態では、屋外のイベント用の仮設ステージ、仮設舞台、展示用ステージ、立体駐車場などに用いられるので、排水設備があることが異なる。ここでは、立体構造物1を立体駐車場とし、特に、排水設備について説明する。
図26は、立体構造物1の車両が上るスロープやフェンスを取り除いた斜視図、図27は立体構造物を組み立てている状態の斜視図、図28は立体構造物の排水構造を示す斜視図である。
立体構造物1の排水構造は、高床パネル5の表面に形成された排水溝51、高床パネル5の間に立体構造物1の前後に亘って配設されるドレーン60、それらの排水溝51とドレーン60とを連通し高床パネル5内に設けられる連通路53(図40参照)から構成される。先ず、高床パネル5の排水構造について説明する。
なお、高床パネル5のフレーム37の大きさ、形状、縦筋、横筋、これらを埋設するコンクリートは上記第1の実施形態と基本的構造は同じであるが、ドレーン60を配設することで、高床パネル5の排水構造と、支持部材2への取付部の位置などが異なる。
[高床パネルの構成]
図28及び図29を参照にして、高床パネル5の周囲には周縁部とは僅かに間隔をあけて、周縁部の内側に沿って環状の排水溝51を形成している。詳しくは、排水溝51は、フレーム37の上面の内縁に沿って四角形で環状に形成され、溝の底部51aと底部51aの両側から斜め上方へ拡がる傾斜面51b、51cから形成される。外側の傾斜面51cは、フレーム37の縁部から下側に向かって高床パネル5の内方に傾斜し、内側の傾斜面51cは底部51aから上側に向かって高床パネル5の内方へ傾斜する。傾斜面51b、51cは内方側の傾斜面51bが長く、傾斜面51b(又は排水溝51)より内方側の高さはフレーム37の高さよりも少し高くした内表面が平面に形成されている。
図28、図30及び図31を参照にして、高床パネル5の縦辺側の中間部には排水溝51からドレーン60へ水を排水する連通路53が形成されている。連通路53は成形金具54がコンクリート39に埋設されて形成される。成形金具54は、低壁54aと低壁の両側から直角に立ち上がる一対の側壁54bを有し、その断面形状はコ字形状である。側壁54bの上縁部はフレーム37の内面に接触し、成形金具54の内部が流水路となる。成形金具54の一端の前端部54cは排水溝51に開口し、他端はフレーム37に形成された開口37cに後端部54dが挿通され、該後端部54dがドレーン60に連通される。成形金具54の材料はアルミ、鉄などによって形成され、鉄の場合は防錆処理にメッキなどがなされる。
図32及び図33は、高床パネル5の排水溝51の形成方法を示す。高床パネル5の表面に排水溝51(図30参照)を形成するには、排水溝51成形用の雛形55を用意する。雛形55は成形部55aと支持部55bとを有し、成形部55aは排水溝51と同じ大きさ、形状であり、支持部55bはコンクリート流入時に雛形55を固定するための支持部として用いられる。雛形55のフレーム37への固定は、止め具56が使用される。止め具56は断面がU字形状のU字金具56a、板ワッシャ56b、L字ボルト56c、ナット56dを備え、L字ボルトの下端部をフレーム37に形成した貫通孔42に差し込み、ナットによって高さ調整をして、U字金具56aとフレーム37の上面との間に支持部55bを挟持して雛形55をフレーム37に固定する。止め具56は複数個所で支持部55bを挟持するが、本実施形態では、高床パネル5の長辺側面に5カ所、短辺側面に2箇所貫通孔42が形成され、これらの貫通孔42を利用して雛形55をフレーム37に固定する。
図34は、連通路53(図30参照)を形成するための成形金具54を配置した状態を示す。成形金具54は後端部54dが開口37cに挿通され、側壁54bの縁部が雛形55及びフレーム37の内面と隙間なく接触している。したがって、コンクリートの流入時では成形金具54の内部にコンクリートが侵入できないようにしている。雛形55がフレーム37に固定されたならば、フレーム37内にコンクリートを流し込む。こうして、高床パネル5に排水溝51と連通路53とが形成される。連通路53は高床パネル5の左右両側に2つ形成するが、あるいは、高床パネル5に1つ又は3以上の連通路を形成してもよい。
なお、図27に示すように、立体構造物1の組立時にクレーンなどによって吊り下げ作業をするときは、図35に示すように、フレーム37の上部に4か所に孔を開け、インサートナット57をフレーム37に予め溶接し、高床パネル5の完成後に、ロープなどを巻ける吊下げボルト58をインサートナット57に螺着できるようにするとよい。
また、高床パネル5のその他の構造については、上記第1の実施形態と同様である。
[ドレーンの構成]
図36及び図37を参照にして、本実施形態では、ドレーン60は排水口付きドレーン60aと排水口無しドレーン60bの二種が準備されている。なお、これらの排水口付き60a及び排水口無しドレーン60bを総称してドレーン60とする。
ドレーン60は、上下方向に長い矩形の溝形状の排水通路61と、排水通路61の上端部から水平方向に突出した水平部62とが設けられ、その断面形状は、逆シルクハット形状である。排水口付きドレーン60aと排水口無しドレーン60bとの相違は一端部に設けられる排水口63の有無で異なる。すなわち、排水口付きドレーン60aの一端部は排水口63が設けられ、他端部は排水通路61の内面から内側に90度に向けられた重合部64が形成されている。重合部64にはボルト挿通孔が形成されている。排水口付きドレーン60aは、立体構造物1の支持部材2の前後方向の両端部に各1つが配設され、排水口63のある方が立体構造物1の前側と後側に配設される(図示せず)。排水口無しドレーン60bは両端部に重合部64が配設され、隣り合う他のドレーン60aの重合部64とボルトによって締結される。
排水口無しドレーン60bの長さは高床パネルとほぼ同じ約5mであり、排水口付きドレーン60aは排水口63の部分があるので、それよりも長くなっている。排水通路61の外幅は72mmであるが、高床パネル5の隙間は排水通路61が入るように75mmの間隔が空けられている。ドレーン60には、高床パネル5の矩形の開口37c(図30)の位置に対応させて、矩形の開口65が形成されている。
[ドレーンの組込]
支持部材2は、上記第1の実施形態と同様のものが使用される。ただし、ドレーン60の排水通路61を設置する分だけ隣り合う支柱3の間隔を拡げる必要がある。本実施形態では、図26に示す支柱3のa−b列間、c−d列間の支柱3の間隔を第1の実施形態よりも35mm長く、中央側のb−c列間の支柱3の間隔を70mm長く空けている。
図38〜図40を参照にして、ドレーン60は支持部材2の上面に沿って配設される。ドレーン60を高床パネル5の間に組み込むときは、高床パネル5のフレーム37と排水通路61の水平部62との間に防水用のシール部材66を設ける。そして、ドレーン60の水平部62を左右の高床パネル5の上面に懸架させ、全てのドレーン60を懸架させた後に、重合部64を重ね合わせてボルトによって締結する。重合部64の間もまた、防水用のシール部材を配設する(図示せず)。
[防水部材の構成]
図28を参照にして、前後に隣り合う高床パネル5のフレーム37上には、立体構造物1の左右に延びる隙間カバー68が、フレーム37を跨ぐようにして装着されている。隙間カバー68とフレーム37の間には、図示しない防水用のシール部材が配設されている。隙間カバー68は、隙間カバー68とフレーム37にドリルで穴を開け、ビスによってフレーム37に取付けられる。
図38〜図40を参照にして、フレーム37の上に配設されたドレーン60にもドレーンカバー69が被せられる。ドレーンカバー69は、隣り合うドレーン60の水平部62を跨ぐようにして、装着されている。ドレーンカバー69と水平部62との間には、クッション71を設けている。ドレーンカバー69は平板状で両端部が外側へ向けて下方斜めに曲げられた屈曲部69aが形成されている。屈曲部69aは先端部が排水溝51まで延びている。ドレーンカバー69の高さは、高床パネル5のコンクリート面とほぼ同じ高さになっている。ドレーンカバー69の取付けは、ドレーンカバー69、水平部及びフレーム37に、ドリルで孔を開け、ビスによってフレーム37に固定する。
本実施形態では、支柱3と縦梁4とからなる支持部材2の形状は上記第1の実施形態と同じである。しかしながら、図41に示すように、ドレーン60の排水通路61を収容するための幅の75mm(排水通路の巾は67mm)だけ、高床パネル5の位置ズレが生じる。この際、a列、d列の支持部材2と高床パネル5の取付孔等の位置は上記第1の実施形態と同じであるが、b列、c列の支持部材2はドレーン60の隙間を設けただけ、取付平板17の取付孔18の位置をずらす必要があり、高床パネル5に取付られている支持金具19の位置などをずらす必要がある。
なお、フェンス7については、b列、c列のフェンス7間に隙間が空くが、スペーサ70で隙間を埋めている。高床パネル5の孔位置などをずらしたが、支持部材2側の取付孔などの位置をずらしてもよい。
[スロープの構造]
図42に示す立体駐車場は、図26に示す立体駐車場よりも高床パネル5の枚数は多いいが、上記第2の実施形態と同様の立体駐車場であり、支柱3及び縦梁4からなる支持部材2、高床パネル5、筋交い6、フェンス7などは、スロープ79を除いて、図26の立体駐車場と基本構造は同じである。ここではそのスロープ79について説明する。また、上記第1及び第2の実施形態と、実質的に同じ部材は同じ符号を付して説明する。
図43は、上がスロープ79の平面図であり、下がスロープ79の側面図である。なお、スロープ79については、スロープ79の上を前側とし、スロープ79の入口側を後側とし、幅方向を左右とする。
スロープ79は、左右に一対の支柱81〜83とスロープパネル84〜88を備えている。支柱81〜83は、各々高さが異なり、立体駐車場1の入口側の支柱81が最も低く、支柱82,83の順に高さが大きくなる。支柱81〜83は高さが異なるだけで、同じ大きさ、同じ断面形状のH鋼が使用されている。
図44及び図45を参照にして、支柱82について説明すると、支柱82の下部には水平方向に沿っている平板状の基台88を設け、基台88は、図示しないコンクリート基礎によって固定されている。基台88の上面には柱89が垂直方向に立設し、これらは溶接によって連結されている。柱89の基部と基台88の接合部には、スロープ79の巾方向内方と、スロープ79の前後方向両側の3方向にフィン12が接合されている。柱89の側面には、支持金具19が接合されている(図45のA参照)。なお、この支持金具19は支柱81に1つが設けられ、支柱82,83には2つが設けられている(図43参照)。柱89の上部には、載置板90bが接合されている。載置板90bは、長方形の鉄板であり、載置板90bの幅は、柱89の幅と同じで、スロープ79の前後方向では、柱89の上端部から前後に突出している。この載置板90bは、スロープパネル86、87を固定するために設けられている。
図43及び図46のAを参照にして、スロープ79の後側に位置する支柱81の柱89aの柱頭部はスロープパネル85,86が載置される。これらのスロープパネル85、86の傾斜は共に20%である。よって、柱89aの上端部は20%の上り勾配で切断されている。そして、スロープパネル85,86を載置して固定する平板状の載置板90aが柱89aの上面に20%の勾配で接合される。
図43及び図46のBを参照にして、スロープ79の前後方向の中間に位置する支柱82の柱89bの柱頭部はスロープパネル86,87が載置される。これらのスロープパネル86,87の傾斜は、スロープパネル87を載置する前側では12%の勾配である。よって、柱89bの上端部は、柱89bの前後方向における中間位置で勾配が変更される。スロープパネル86を載置する後側は20%の上り勾配で切断され、スロープパネル87を載置する前側で12%の上り勾配で切断されている。そして、同じく柱89bの上面の傾斜の勾配に合わせて曲げられた載置板90bが、柱89bの上面に接合される。
図43及び図46のCを参照にして、スロープ79の前側にある支柱83の柱89cの柱頭部は載置するスロープパネル87と高床パネル5とが載置される。これらのパネルの勾配は、スロープパネル87が12%であり、高床パネル5が0%(水平)である。柱89の上端部はスロープパネル87の傾斜に合わせ、柱89の上端部を12%の上がり勾配で切断している。
一方、載置板90cはスロープパネル87が載置される側では12%の勾配となり、載置板90cの前側では、高床パネル5が水平に配置されるので、高床パネル5が載置される側は勾配が0%となるように、水平に形成される。スロープパネル87と高床パネル5の勾配に合わせて曲げられた載置板90cが柱89cの上面に接合される。
このような傾斜を設けたのは、勾配を小さくすればスロープが長くなり、勾配を大きくすればスロープを短くすることができる。しかしながら、勾配を大きくするとスロープを上りきったとき(例えば勾配が20%の状態)、スロープから勾配のない高床パネルに至ったときに、車両の底がスロープ79と高床パネル5との境界の曲部に接触するおそれがある。また、勾配大きいと車両の運転者の視線が上方に向き、前が見えなくなるおそれがある。そこで、スロープの入口側は傾斜の勾配を小さくし、中間で傾斜を大きくしてスロープ79が長くならないようにし、高床パネル5の手前で傾斜を小さくして、車両の底部と通路の接触防止、前方視界の確保を行っている。
図45及び46のBを参照にして、スロープ79の中間位置にある左右一対の支柱82の柱頭部間には、連結梁91が設けられている。連結梁91は、H形鋼によって形成され、左右の支柱82の柱89に挟まれるようにして接合されている。断面がH形状の連結梁91は傾けて配置され(図46のB参照)、載置板90bの高さ位置と傾斜に合わせて接合されるか又はほぼ合わせた位置に接合される。支柱82と連結梁91とで支持部材80bが形成される。
図46のA及びCのように、同様に一対の支柱81の柱89aの間には連結梁91aが接合され、一対の支柱83の柱89cの間には連結梁91cが接合され、それぞれ支持部材80aと80cが形成される。
図45のCに示すように、支柱82の垂直面と連結梁91bの底面との間には筋交い95が45度の傾斜角で接合される。この筋交い92は、支柱82及び連結梁91bに図44に示す支持金具19を取付け、筋交い92の両端部をネジによって取付けることもできる。なお、図示しないが、支柱81と連結梁91a及び支柱83と連結梁91cにも筋交い92が取付けられる。
スロープパネル85〜87は、上述した高床パネル5とパネル長さ及びパネル幅、及び各取付孔の孔位置などが異なるが、鉄筋コンクリートでフレームの上部側が形成され、下部側が空間になっている。高さ方向の構造は高床パネル5と同じで、フレームの高さが30cmで鉄筋コンクリートの厚さが10cmである。
図47のスロープパネル87について説明すると、スロープパネル87は、前後方向における前端が載置板90bに載置され、後端が載置板90cに載置され、それぞれが取付孔94(図45のB参照)を介してボルトで締結され、支柱82,83に固定される。
スロープパネル87の側面には、図48に示すフェンス93用の取付孔87bが形成されている。取付孔87bは2つの孔が上下にずれて位置するが、スロープパネル87を組込む際にはスロープパネル87が傾斜(12%)して配設されるので、2つの孔は垂直方向に位置付けられる。スロープパネル87のフレーム87aには支持金具19(4か所)が接合されている。
なお、スロープパネル間の繋ぎ目の各隙間は、エポキシ樹脂などで埋めるようにする。
スロープパネル87の支持金具19には、図44に示すように、支柱82,83との間に筋交い92がボルト・ナットによって連結される。立体構造物1の本体側は、高床パネル5が水平に設置されるので、筋交い6は45度の角度で取付けたが、スロープ79ではスロープパネル84〜87が水平でないので、筋交い92の取付け角度は、適宜変更されている。
スロープ84〜87は適宜、支柱81〜83に固定されているが、本実施形態では、スロープ85〜87のずれ防止機構が設けられている。
図43及び図49を参照にして、ズレ防止機構は、スロープパネル85及び86を支持する支柱81とスロープパネル85の後端を連結するブレース96を設けている。ブレース96は支柱81の下部に形成されたネジ孔と、スロープパネル85のフレームの側面に形成されたネジ孔を用いてブレース96が水平方向に延びてスロープパネル85の後ろ側へのズレを防止する。
図50を参照にして、スロープパネル85の後端はコンクリート基礎97に形成されている段部97aにスロープパネル85の後端下部が当接するようにした。よって、スロープパネル85〜87の後方へのズレは、ブレース96と段部97aによって防止される。
スロープパネル85の後端面には断面がL字形状のアングルを利用した載置台98を接合している。載置台98には、スロープパネル84の前端が載置される。スロープパネル84は、他のスロープパネル85〜87と構造が異なっており、厚さ10cmのフレームと鉄筋コンクリートで形成され、空間部がない。よって、スロープ85の後端上部から載置台98の長さは、スロープパネル84の厚さと一致させて、スロープパネル84,85との間に段差をなくすよう構成されている。スロープパネル84の勾配は前側に12%の上りであるが、スロープパネル84の後端部の底面は水平方向のコンクリート基礎97面に重なるよう水平に形成されている。
このように、本実施形態における立体駐車場はブレース96とコンクリート基礎97の段部97aによってスロープパネル85の位置ズレを防止している。
立体駐車場において、最も費用を要するのは、床の部分である。通常は鉄で形成されているが、本実施形態のように、セメントを多く用いた高床パネル構造にすることによって、床パネルを半分位のコストに削減できる。また、横梁も省略することで、さらなるコストの軽減を図ることができる。
次に、本発明の立体構造物の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図51は、立体構造物1の斜視図、図51は立体構造物1の側面図、図52はスロープがない側の背面図である。
本第3の実施形態が、上記第1及び第2の実施形態と異なるところは、フロアーが2層になっていることで、地表面1階として3階フロアーを有することが異なる。また、3階は屋根がないので排水設備を必要とするが、2階は3階が屋根となるので排水設備を設けていない。ただし、設けることを否定するものではない。立体駐車場1について、3階に排水構造を有し、2階に排水構造を有さないとすると、2階に3階と同じ形状の高床パネル5を用いると、2階フロアー99aに排水構造の分だけ高床パネルの間に隙間ができる。3階の高床パネル5間のドレーン60を配設するための隙間巾は1条のドレーン60(図28参照)に対して75mmである。加えて、各支柱101の柱102が2階フロアー99aを貫通しているので、2階に位置する高床パネルと柱102の干渉を考慮しなければならない。
本実施の形態では、3階フロアー99bの高床パネル5とドレーン60の個々の部材について、上記第2の実施形態と同様の大きさのものを使用している。よって、2階フロアー99aの高床パネルの構造で、上記第1及び第2の実施形態の高床パネルでは対応することができない。本実施形態では、2階フロアー99aの高床パネル5a,5bの形状を高床パネル5と変えることによって対応している。
以下、2階の高床パネル5a,5bと3階まで延びる支柱101の構成について説明する。また、本実施形態においては、上記第1及び第2の実施形態に合わせて、縦梁4の延在する方向を縦方向(x)とし、縦梁4の軸方向に対して直角方向を横方向(y)とする。
図51〜図53を参照にして、立体構造物1は2階の2種の高床パネル5a,5bを有するフロアー99aと3階の高床パネル5を有するフロアー99bを設けている。上述したように、3階の高床パネル5と排水設備(図51にドレンカバー69のみ示す)の配置や大きさは、上記第2の実施形態と同じ構造であり、高床パネル5の取付孔の位置が多少変わる程度であるので、その組付け方の詳細な説明は省略する。
本実施形態では、立体構造物1の支柱101が2階フロアー99aを貫通し3階フロアー99bの下部まで延びている。支柱101の基端部の基台10は、コーナ10a、サイド10b、センター10c(図5の符号10a〜10cの位置を参照)に配置されることで形状、大きさが変わる。これらの基台10のうち、図54にセンター10cのみ図面に示している。センター10cの基礎ブロック101cは210cm(縦・横)×40cm(厚さ)の大きさであり、縦筋、横筋で強化された鉄筋コンクリートであり、支柱101の柱102を固定するボルトが4箇所埋設されている。他の基礎ブロック101a、101bの大きさは、コーナ10aの基礎ブロック101aが、110cm(縦・横)×40cm(厚さ)、サイド10bの基礎ブロック101bは、110cm(縦)×210cm(横)×40cm(厚さ)である。それぞれの基礎ブロックが矩形の鉄筋コンクリートで形成されているので、十分に立体駐車場の基礎として耐えうる。
図55〜図57を参照にして、支柱101の柱102は基台10から上方へ立設し、柱102の上下方向の中間部と柱頭部には縦梁4を柱102に取付けるためのネジ取付部15と載置用金具16が設けられている。支柱101の柱102は、上記第1及び第2の実施形態よりも剛性の大きなものを使用し、200mm(縦・横)×6mm(厚さ)×5700mm(高さ)のものを使用している。縦梁4は上記第1及び第2の実施形態と形状が同じであり、ネジ取付部15の取付方も同じである(図8参照)。また、筋交い6についての形状、取付方も同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
支柱101(支柱101a、101bを総称する)は、2種類の支柱101a、101bを用い、一方の支柱101aには高床パネル5a又は5bを載置する載置ブラケット103が1つ接合され、他方の支柱101bには2つの載置ブラケット103が接合されている(図55のA,B参照)。載置ブラケット103が接合される柱102の面は、左右側面であり(ネジ取付部15が形成されていない面)、柱102の上下方向のほぼ中間位置にあるネジ取付部15の高さより少し高い位置に接合されている。載置ブラケット103の断面形状は、逆U字形であり、上面に2つの貫通孔103aが形成されている。支柱101aは載置ブラケット103が1つ設けられているので、コーナ10a又はサイド10bに配置される支柱であり、高床パネル5a,5bの1つ又は2つの角部を載置する。支柱101bは載置ブラケット103が2つ設けられているので、センター10cに配置される支柱であり、高床パネル5a,5bの4つの角部を載置する。
図58、図59を参照にして、高床パネル5a,5bは、縦辺(長辺)が37.5mmだけ長さが異なるので、1つの図面(図58)で高床パネル5a,5bの両者を説明する。高床パネル5a,5bは、共に長辺の一端側に2つの切欠き105を形成している。切欠き105は、支柱の101の柱102が高床パネル5a,5bの角部と干渉するので、切欠き105を形成して柱102が高床パネル5a,5bを貫通するように形成されている。なお、高床パネル5a,5bの縦(短)辺の他端側は柱102が貫通しないので、切欠きは形成されていない。切欠き105が形成されている部分では、フレーム104の上面及び下面の形状がクランク形状に形成されている。立体駐車場1の中央側に配置されている支柱101は、図60に示すように、4枚の高床パネル5a,5bの各々一端が載置され、その切欠き105内を柱102が貫通する。
立体駐車場1の2階は、上述したように、排水設備が設置されていない。したがって、大きさが5m×2.5mの3階の高床パネル5と同じ大きさの高床パネルを2階に配置した場合、排水設備の分だけ隙間が空く。よって、2階の高床パネル5a,5bの大きさは3階の高床パネル5よりも大きく形成される。排水設備の巾は1つで遊びの隙間を含めて75mm(実寸幅は67mm)であるので、立体駐車場1の横方向のサイドに配設される高床パネル5aの長辺は約5037.5mm(収容するための遊び巾があるので、実寸はこれより0.5mm小さい)であり、センター側に配設される高床パネル5bは約5075mm(実寸はこれより4mm小さい)の大きさに形成される。短辺は約2500mmである(実寸はこれよりも4mm小さい)。
2階フロアー99aへの高床パネル5a,5bの組込みは、支柱101に設けられた載置ブラケット103が上記第1及び第2の実施形態の取付平板17(図9のD)に変わっているだけであり、図59に示す固定金具31への高床パネル5a,5bの組込もまた、上記第1及び第2の実施形態と同じである(第1の実施形態の図19、図24参照)。
図60を参照にして、センターに位置する支柱101の柱102が2階フロアー99aの高床パネル5a,5bを貫通している状態を示す。柱102には載置ブラケット103が接合され、載置ブラケット103には高床パネル5a,5bが適宜載置され、そのフレーム104の底面に形成されている貫通孔43と載置ブラケット103に形成された貫通孔103aを介してボルトによって締結され、高床パネル5a,5bが支柱102に固定される。また、高床パネル5a,5bのフレーム104に形成されている貫通孔42における高床パネル5a同士、高床パネル5b同士の締結については、上記第1及び第2の実施形態と同じである。
立体駐車場の3階フロアー99bについては、支柱101は高床パネル5を貫通していないので、高床パネル5及び排水設備の組付けについては上記第2の実施形態と同じである。特に、本実施形態においては、高床パネル5a,5bに切欠き105が形成されている。この切欠き105の存在によって、高床パネル5a,5bが4つの支柱101間に設置され、高床パネル5a,5bなどの横ズレが防止される。例えば、上記第1及び第2の実施形態においても、支柱の柱を高床パネルまで延ばして、高床パネルに切欠きを設け、支柱の柱で高床パネルのズレを防止するようにしてもよい。
次に、本発明の立体構造物の第4の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図61は、高層パーキングとしての立体構造物1を示す。立体構造物1は、高床パネルが6層で7階の高層パーキングであり、7階は排水構造(図28のドレーン60参照)が設置されており、2階〜6階は排水構造が設置されていない。
基本的に、上記第1〜第3の実施形態よりも、立体構造物の各構成部材の強度は強くなっている。本実施形態が、特に上記実施形態と異なるのは、高層になっている分だけ、縦梁だけでなく、横梁を設けた構造体になっていることである。
図62を参照して、1階の基礎から7階のフロアまで延びる支柱110には、各フロア毎に縦梁4及び横梁112の取付部113が設けられている。取付部113における柱111の内部には縦梁4と横梁112を固定するための多数の袋ナット15a,15cが接合されている。袋ナット15aと15cは上下に間隔を空けて交差しており袋ナット15aは縦梁4の延在方向にその軸を向け、袋ナット15cは横梁112の延在方向にその軸を向けている。縦梁4には、袋ナット15aの位置に合わせて貫通孔28aが形成され、横梁112には、袋ナット15cの位置に合わせて貫通孔28bが形成されている。縦梁4は図示しないボルトにより貫通孔28aを介して柱111に締結され、横梁112は図示しないボルトにより貫通孔28cを介して柱111に締結される。
高床パネルの組付けは上記実施形態と基本的に同じであるが、横梁112に固定金具31(図14参照)を取付けることによって、より強固に高床パネルを固定することができる。
高層パーキングとしての立体駐車場は、上記第1〜第3の実施形態の立体構造物と比べて、かなり大きな構造体であるが、主として、ボルト・ナットにより組立てられているため、ボルト・ナットを緩めることで、大きな構造体であっても解体、リサイクルできる仕様になっている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である
上記実施形態では、支柱に縦梁を連結し横梁を省略したが、縦・横は単なる向きが変更されるだけなので、向きが変更される場合は縦梁が横梁になり、その場合は縦梁が省略され、横梁と縦梁が入れ替わる。
例えば、上記実施形態では、支柱3と縦梁4との組付け、これらから構成される支持部材2と高床パネル5との組付けをボルトによる締結部材で組付け可能にしたが、例えば立体構造物1の設置が半永久的な場合は、ボルトによる締結とともに、例えば支柱と縦梁、支持部材と高床パネルを溶接で接合することを拒むものではない。
1 立体構造物
2 支柱部材
3,101 支柱
4 縦梁
5 高床パネル
6,92 筋交い
7 フェンス
10 基台
11,102 柱
15 ネジ取付部(第1ネジ取付部)
16 載置用金具
17 取付平板
19 支持金具
20 アンカーボルト
22 延出部
23 平板
28 ネジ取付部(第2ネジ取付部)
31 固定金具
37 フレーム
38 鉄筋
38a 縦筋
38b 横筋
39 コンクリート
51 排水溝
53 連絡路
60 ドレーン
61 排水通路
62 水平部
79 スロープ
80a〜80c 支持部材
81〜83 支柱
84 スロープパネル
90 載置板
91 連結梁
96 ブレース
97a 段部
103 載置ブラケット

Claims (17)

  1. 基礎面から立設する支持部材の上に載置可能であって、周囲が四角形の金属製のフレームを有する高床パネルにおいて、
    前記金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋と、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋と、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設するコンクリートと、から構成され、
    前記コンクリートが前記金属製フレーム内の上部側に配設され、前記コンクリートの下部に空間部が設けられ、前記金属製フレームの前記空間部側に前記支持部材へのネジ取付部を有する高床パネル構造。
  2. 前記金属製フレームは、垂直面からなる前後・左右の側面とこれら側面の上部と下部から前記高床パネルの内方へ水平方向に延びる上部フランジ部及び下部フランジを形成し、前記側面には隣り合う高床パネル同士のフレームを締結するためのネジ取付孔を形成し、前記下部フランジには前記支持部材に該高床パネルを固定可能にするネジ取付孔が形成され、複数の隣り合う高床パネル同士が縦方向及び/又は横方向に連接し、複数の高床パネルが締結手段によって連結されている請求項1に記載の高床パネル構造。
  3. 前後方向に所定間隔空けて配置され上下方向に立設する複数の金属製の支柱と、前記複数の支柱上又は支柱上端部間に連結されている金属製の縦梁と、周囲に金属製フレームを有する複数の高床パネルとが設けられ、
    前記複数の支柱と前記縦梁とが一体に連結された支持部材を左右方向へ所定間隔空けて複数列配設し、
    左右に隣り合う前記支持部材上に前記高床パネルの左右両端部を載置して、前記高床パネルを前記支持部材に固定し、
    前記左右に隣り合う支持部材の列が前記高床パネルの金属製フレームを介在して連結されてなり、
    前記隣り合う支持部材の左右方向の連結が前記高床パネルによって連結されていることを特徴とする高床パネルを用いた立体構造物。
  4. 前記高床パネルは、
    前記金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋と、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋と、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設するコンクリートと、から構成されている鉄筋コンクリート高床パネルであり、
    該高床パネルの床表面側が前記コンクリートで形成され、前記高床パネルの前記金属製フレームの底側に形成した空間部側に前記支持部材への取付部を有する請求項3に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  5. 前記支柱の側面から斜め上方に延びて、該支柱の側面と前記高床パネルとを連結する補強部材を締結部材によって固定する請求項4に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  6. 前記支柱は前記支柱上部に前記第1ネジ取付部を設け、該第1ネジ取付部の下部には、前記支柱の側面から水平方向へ突出し、前記縦梁を支持するとともに前記縦梁の高さ方向を位置決めする載置用金具を設け、
    前記縦梁は前記複数の支柱上端部間に連結され、該縦梁の両端部には下方に延び前記載置用金具に載置される延出部が形成され、該縦梁の両端部には前記第1ネジ取付部に対応する位置に第2ネジ取付部を形成し、
    前記第1ネジ取付部と第2ネジ取付部とを締結することによって前記支柱と前記縦梁とを連結することによって前記支持部材を形成し、該支持部材と前記高床パネルとを締結部材によって締結した請求項3〜5のいずれかに記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  7. 前記高床パネルの金属製フレームの下部側面には、貫通孔が複数形成され、該下部側面が高床パネルと隣り合う場合は、隣接する高床パネル同士を固定するためのネジ貫通孔となり、前記下部側面が高床パネルと隣り合わない場合は、フェンスを固定するネジ貫通孔になる請求項4に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  8. 工場、倉庫、大型店舗内の中二階、集会などのステージとして使用される請求項3〜7のいずれかに記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  9. 立体駐車場として使用される請求項3〜7のいずれかに記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  10. 前記高床パネルには、該高床パネルの周縁部に沿ってかつ該周縁部の内方側へ間隔をとって排水溝を形成し、前記支持部材の上面に載置され隣り合う高床パネルの間に隙間を形成し、該隙間には排水通路を備えたドレーンを配設し、前記排水溝と前記排水通路を連通する連通路を前記高床パネルに形成してなる請求項9に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  11. 前記高床パネルは、該高床パネルに形成された排水溝よりも内側にある内表面を前記フレームの高さよりも高く形成し、前記ドレーンの排水通路の上部にはドレーンカバーを設け、ドレーンカバーの表面と前記内表面とをほぼ同じ高さに配置し、前記ドレーンカバーの端部を屈曲させて、前記排水溝まで延長してなる請求項10に記載の立体構造物。
  12. 前記立体駐車場には高床パネルに上るためのスロープが形成され、
    該スロープは、上り方向へ所定間隔空けて配置される金属製の左右一対の支柱と、該左右一対の支柱間に連結されている金属製の連結梁とを設け、
    前記スロープを形成するパネルが、矩形の金属製フレーム、該金属製フレーム間を前後に延びる複数の縦筋、前記金属製フレーム間を左右に延びる複数の横筋、前記金属製フレーム内にて、前記縦筋及び横筋を埋設する鉄筋コンクリートとから構成されている鉄筋コンクリートスロープパネルであり、
    該スロープパネルの床表面側が前記コンクリートで形成されている請求項10又は11の高床パネルを用いた立体構造物。
  13. 前記スロープの下側の傾斜の勾配を小さくし、スロープの中間位置で傾斜を大きくし、スロープの上側の高床パネルの手前で傾斜を小さくするように形成した請求項12に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  14. 前記スロープを形成するパネルの金属製フレームと前記支柱とを連結する前記スロープのズレを防止するためのブレースを設けた請求項12又は13に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  15. 前記立体駐車場を施設する基礎面となる部分に段部を形成し、前記スロープの入口側に形成される前記スロープパネルの後部を前記段部に支持させるようにした請求項12〜14に記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  16. 少なくとも、前記支柱と前記縦梁とからなる支持部材の組付け、該支持部材と前記高床パネルの組付け、前記筋交いの前記支柱及び前記高床パネルへの組付けを締結部材によって締結するようにした請求項4〜15のいずれかに記載の高床パネルを用いた立体構造物。
  17. 前記支持部材を構成する金属製の構成部材の長さを5m以内とし、前記高床パネルのフレームの長さを5m以内とした請求項4〜16のいずれかに記載の高床パネルを用いた立体構造物。
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