JP2001090168A - プレキャストコンクリート構造体の圧着工法 - Google Patents

プレキャストコンクリート構造体の圧着工法

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JP2001090168A
JP2001090168A JP26510299A JP26510299A JP2001090168A JP 2001090168 A JP2001090168 A JP 2001090168A JP 26510299 A JP26510299 A JP 26510299A JP 26510299 A JP26510299 A JP 26510299A JP 2001090168 A JP2001090168 A JP 2001090168A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部の接合強度を確保するために、無収縮
モルタルの注入、接着材の塗布を必要としない、即ち、
PC鋼材によるプレストレスの付与のみにより、PCコ
ンクリート構造体を圧着する工法を提供する。 【解決手段】柱台4の接合端面と、柱5の接合端面とを
接合し、上記両端面をPC鋼棒8a,8bの緊張のみに
より定着する。柱5と梁6の定着も同様である。梁6同
士の定着はPC鋼線8dにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、プレキャスト式雨
水貯溜槽等のプレキャストコンクリート構造体の圧着工
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレキャスト式雨水貯溜槽を組み
立てるに当って、接合部の接合強度を確保するために、
その構造部材である梁と梁、或いは、梁と柱を接合・圧
着するときに、接合部間に無収縮モルタルを注入する
か、エポキシ樹脂などの接着材を塗布した後、PC鋼材
によりプレストレスを与えて圧着していた。これは、接
合部の接合強度が、プレストレスと無収縮モルタルの付
着力や接着材の接着力との合力からなっているからであ
る。しかし、接着材を塗布して施工するときには、据え
付けのやり直しがきかず、据え付け作業が甚だ難しくな
り、時間がかかる外、大変な技術が必要であった。ま
た、梁同士を接合する場合には、予め両部材の間隔を1
0mm程度空けておいて、その空隙部に極めて高価な無
収縮モルタルを注入していたが、注入後硬化するまでに
丸1日要していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記従来技術の問題点を除去することを課題とする
ものであり、接合部の接合強度を確保するために、無収
縮モルタルの注入や接着材の塗布を必要とせず、PC鋼
材によるプレストレスの付与のみにより、プレキャスト
コンクリート構造体を組み立てる工法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のプレキャストコ
ンクリート構造体の圧着を行う工法は、接着材や無収縮
モルタルを使用せず、プレストレスのみで接合部を圧着
・固定するもので、請求項1のプレキャストコンクリー
ト構造体の圧着工法は、第1のPCコンクリート部材4
の接合端面と、第1のPCコンクリート部材以外のPC
コンクリート部材5の接合端面とを接合し、上記両部材
をPC鋼材8の緊張のみにより接合端面同士を接合する
ことを特徴とする。
【0005】請求項2のプレキャストコンクリート構造
体1の圧着工法は、上記手段において、第1のPCコン
クリート部材を柱台4とし、第2のPCコンクリート部
材を上下に長い柱5とし、第3のPCコンクリート部材
を水平方向に長い梁6とし、これらのPCコンクリート
部材4〜6を、接合面においてPC鋼材8により圧着し
て雨水貯溜槽を構成してなる。
【0006】請求項3のプレキャストコンクリート構造
体1の圧着工法は、請求項2記載の手段において、上記
柱5上における梁6,6同士の圧着手段として、隣接す
る梁6の接合端面同士をPC鋼材8により圧着すること
を特徴とする。なお、従来、プレキャストのボックスカ
ルバートの連結工法として、PC鋼棒による手段が常用
されており、この技術はPC鋼棒により連結する点にお
いて本発明の構成と一見近似している。しかし、この技
術はボックスカルバート間に弾性体等を介装させ、即
ち、ボックスカルバートの相対する端面を一定間隔離し
た状態で、両部材を相対的に移動可能に繋ぐものであ
り、この連結手段は止水性能の向上を図るものである。
【0007】具体的にいえば、隣接するボックスカルバ
ートの接合端面間に、例えば20mmの止水ゴム材を介
在させて5mmまで縮んだ状態で連結することによって
止水効果の向上を図るもので、コンクリート面を直接接
合させずに配置し、1つ1つの接合部を比較的自由に移
動可能に連結するものである。
【0008】これに対して、本発明は、圧着手段として
のPCコンクリート部材の両端面を実質的に直接当接さ
せて固定する工法であって、その課題・構成において従
来のボックスカルバートの連結工法と相違するものであ
る。また、本発明が属する土木分野では、他分野に比べ
て荷重が極めて大きいという事情もあり、本発明のよう
な圧着手段が従来採用されておらず、本発明は画期的な
手段を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図面は、本発明の実施例を示して
おり、プレキャストコンクリート(以下、「PCコンク
リート」と略称する)構造体として雨水貯溜槽1に適用
したものである。この雨水貯溜槽1の全体図は、図3に
示される。雨水貯溜槽1は、コーナー壁2a、中間壁2
b、柱壁2c等からなる側版2、現場打底盤3、柱台
(第1のコンクリート部材)4、柱(第2のコンクリー
ト部材)5、梁(第3のコンクリート部材)6及び頂版
スラブ7から構成される。
【0010】施工に当たっては、先ず、土中の掘り下げ
部において、連続して配置される側版2・・及び柱台4
・・・が規則的に配置され、現場打底盤3が敷設され
る。また、該柱台4・・・上にそれぞれ柱5が載置・連
結される。更に、各柱5,5の上端部間には梁6・・が
設けられ、該梁5に平板状の頂版スラブ7・・が隙間な
く載置される。
【0011】次に、本実施例の構成要素の詳細を説明す
る。上記の側版2、現場打底盤3、柱台4、柱5、梁6
及び頂版スラブ7からなる雨水貯溜槽1の外見は、従来
技術のものと基本的に相違するものではない。相違する
点、即ち、本実施例の特徴とするところは各部材の圧着
手段にある。以下、柱台4、柱5及び梁6の構成及びこ
れらの圧着手段を説明する。
【0012】柱台4は、その製造時、上下位置(上下位
置とはその設置状態における上下位置をいう。以下同
じ)にテーパ状の凹部4a,4aが形成されると共に、
下方の凹部4aの上底部にアンカープレート4bが埋め
込まれるように配置される。また、上方の凹部4aの下
底部にワッシャ9が配置され、更に、上記アンカープレ
ート4bとワッシャ9とを貫通するように、アンボンド
加工されたPC鋼材としてのPC鋼棒8aが配置され
る。また、このPC鋼棒8aの下端部近傍には、PC鋼
棒8aの定着用としてナット10が螺合されている。換
言すれば、柱台4にはPC鋼棒8a等が上記状態となる
ように、前もって配置された状態で形成される。施工に
当たっては、柱台4・・は、しかるべき位置に設置され
る。
【0013】柱台4・・の位置が確定した後に、コンク
リートを打設することにより現場打底盤3が形成され
る。しかし、この現場打底盤3の形成は、その後の作業
の後に、或いはその後の作業と並行して行ってもよい。
【0014】柱5は、製造されるときに、その上端部に
凹部5a,5aが穿設され(図4参照)、また、この各
凹部5aの底部位置にアンカープレート5bが配置され
る。また、これら凹部5a及びアンカープレート5bを
貫通するように、その長さ方向に沿ってPC鋼棒8挿通
用のシース穴が穿設される。この柱5を柱台4の上部に
圧着するに当たっては、先ず、PC鋼棒8aにカプラー
11aを螺合して装着し、このカプラー11a上部にP
C鋼棒8bを螺合・連結する。次に、柱5をそのシース
穴にPC鋼棒8bを挿通しながら図2等に示されるよう
に柱台4上に立設する。この場合、柱台4の接合面と柱
5の接合面との間には何も介装させる必要はない。この
配置後、ナット10,10を締めて柱台4に対する柱5
の定着は完了する。
【0015】なお、上記施工例の外、柱5の配置の後に
おいて、PC鋼棒8bを、柱5のシース穴に挿入して上
面を皿形にえぐりガイドになるようにしたカプラー11
aに連結し、この連結後ワッシャ9を配置して、ナット
10,10を締着することにより圧着してもよい。
【0016】次に、梁6について説明する。水平に長尺
の梁6の両端部近傍上部に凹部6aが形成され、この凹
部6aを貫通するように上下方向にシース穴が形成され
る。また、図2に示されるように、梁6の長さ方向に沿
って、圧着用のPC鋼線8d・・のためのシース穴が穿
設される。また、梁6の両肩部には頂版スラブ7載置用
の切欠き部が形成される。各梁6を柱5に取り付ける手
段について説明する。図1に示すように、柱5上で、梁
6,6の端部同士をぴったりと当接させ、それぞれPC
鋼棒8c,8cにより独立的に柱5に装着する。そのた
めに、通常は、柱5の上面の定位置に梁6を載置後、P
C鋼棒8cをシース穴に挿通し、図4に示すように、凹
部6aにワッシャ9を装着した上、ナット10により梁
6を仮締めし、梁6,6同士は、図1に示すように、同
様の手段でPC鋼線8d・・により圧着される。当然の
ことながら、梁6,6同士の当接面には何も介装される
ことはない。
【0017】柱台4、柱5、梁6及び頂版スラブ7は上
記のように構成され、且つ連結・固定されるが、各部材
に対するPC鋼材8・・の配置、即ち、柱台4に対する
PC鋼棒8a、柱5に対するPC鋼棒8b、梁6に対す
るPC鋼棒8c、梁6,6同士に対するPC鋼線8dの
配置手順は、適宜選択できるものとする。圧着手段とし
て、柱台4に対する柱5の圧着は、確実に定着してお
き、柱5に対する梁6のナット10による定着作業は、
梁同士6,6の定着作業と並行させ行うことが望まし
い。
【0018】以上のように、本実施例では、プレストレ
スのみで各部材の接合部を圧着することができる。実施
手段としては、接合部相当部の型枠面の直角度を確保し
ながら部材を製造し、コンクリート面を合わせてPC鋼
材によりプレストレスを与え圧着することで実現する。
本実施例では接着材とグラウトが不要である。しかし、
外観は従来のものと略同じである。従来のように、接着
材を入れる方が構造的に強いが、その分、PC鋼棒8の
強度を大きくする。また、この手段によれば、工事期間
を短縮するメリットが大きい。また、上記実施例では、
プレキャスト貯溜槽で用いる場合を示したが、その他の
分野でも可能である。
【0019】なお、上記実施例に代えて、接合面に相対
的な凹凸部を形成し、定着後の横ズレを防止するように
してもよい。また、本実施例に用いるコンクリート部材
は、精度の高い型枠を用いて製造することが望ましい。
その場合、第1のコンクリート部材を作り、次に、その
第1のコンクリート部材を型枠代わりにして第2のコン
クリート部材を成形するマッチキャスト工法を用いてコ
ンクリート部材を形成することが望ましい。
【0020】また、PC鋼材は、実施例ではPC鋼棒と
したが、他の鋼材であってもよい。本発明は、プレスト
レスだけの圧着接合であるから、今後種々の分野で応用
可能である。更に、上記実施例では、総ての接合面をP
C鋼棒の緊張により圧着するようにしたが、一部の接合
面のみ本発明による手段を採用し、他の部分は従来通り
の接着材等を用いる、いわゆる組合せ方式を採用しても
よい。また、各コンクリート部材の定着面には防水用の
ゴムを配置するためにゴム溝を穿設してもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明は、上記構成により、下記の効果
を奏する。1.請求項1記載の発明によれば、第1のP
Cコンクリート部材の接合端面と、第1のPCコンクリ
ート部材以外のPCコンクリート部材の接合端面とを接
合し、上記両部材を、PC鋼材の緊張のみにより接合端
面同士を接合することで、精度良く部材の設置が可能
で、工期短縮及びそれに伴う工事費の削減が図れ、人件
費が多い状況では特に有効である。また接合部は、大地
震の際には開き、地震後再び閉じる柔構造とすることが
できる。
【0022】2.請求項2記載の発明装置によれば、上
記効果に加えて、第1のPCコンクリート部材4を柱台
とし、第2のPCコンクリート部材を上下に長い柱と
し、第3のPCコンクリート部材を水平方向に長い梁と
し、これらのPCコンクリート部材を、PC鋼材により
連結するプレキャスト式雨水貯溜槽を構成しているの
で、地面下での施工が短期間で行われ、特に有効であ
る。3.請求項3記載の発明装置によれば、上記請求項
2の発明の効果に加えて、上記柱上における梁同士の圧
着手段として、隣接する梁の接合端面同士をPC鋼材8
により圧着することで、梁同士の連結・定着を確実・容
易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の縦断面図(図3のA−A
線断面図)。
【図2】同実施例の他の部分の縦断面図(図3のB−B
線断面図)。
【図3】同実施例を全体斜視図。
【図4】図1の要部断面図。
【図5】図2の要部断面図。
【図6】図3のA−A線と平行な断面の部分断面図。
【符号の説明】
1・・・雨水貯溜槽(プレキャストコンクリート構造
体) 2・・・側版 2a・・・コーナー壁(側版) 2b・・・中間壁(側版) 2c・・・柱壁(側版) 3・・・現場打底盤 3a・・・載置部 4・・・柱台(第1のPCコンクリート部材) 4a・・・凹部 4b・・・アンカープレート 5・・・柱(第2のPCコンクリート部材) 5a・・・凹部 5b・・・アンカープレート 6・・・梁(第3のPCコンクリート部材) 6a・・・凹部 7・・・頂版スラブ 7a・・・凹部 7b・・・固定材 8・・・PC鋼材 8a〜8c・・・PC鋼棒(PC鋼材) 8d・・・PC鋼線(PC鋼材) 9・・・ワッシャ 10・・ナット 11,11a,11b・・カプラー 12・・止め具 13・・鋼線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のPCコンクリート部材4の接合端
    面と、第1のPCコンクリート部材以外のPCコンクリ
    ート部材5の接合端面とを接合し、上記両部材をPC鋼
    材8の緊張のみにより接合端面同士を圧着することを特
    徴とするプレキャストコンクリート構造体の圧着工法。
  2. 【請求項2】 第1のPCコンクリート部材を柱台4と
    し、第2のPCコンクリート部材を上下に長い柱5と
    し、第3のPCコンクリート部材を水平方向に長い梁6
    とし、これらのPCコンクリート部材4〜6を、接合面
    においてPC鋼材8により圧着して雨水貯溜槽を構成し
    てなる請求項1記載のプレキャストコンクリート構造体
    の圧着工法。
  3. 【請求項3】 上記柱5上における梁6,6同士の圧着
    手段として、隣接する梁6の接合端面同士をPC鋼材8
    により圧着することを特徴とする請求項2記載のプレキ
    ャストコンクリート構造体の圧着工法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100467046B1 (ko) * 2002-05-27 2005-01-24 동양종합건업 주식회사 연결판에 의하여 연속화된 프리스트레스트 콘크리트 빔교량 및 그 단부의 연속화 공법
KR101013235B1 (ko) * 2009-08-26 2011-02-08 아사히 콘크리트 고교 가부시키가이샤 우수저류조의 제조방법
WO2011024267A1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-03 旭コンクリート工業株式会社 雨水貯溜槽の製造方法

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