JP2001089630A - 自己潤滑性ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

自己潤滑性ポリアセタール樹脂組成物

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JP2001089630A JP26550899A JP26550899A JP2001089630A JP 2001089630 A JP2001089630 A JP 2001089630A JP 26550899 A JP26550899 A JP 26550899A JP 26550899 A JP26550899 A JP 26550899A JP 2001089630 A JP2001089630 A JP 2001089630A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静摩擦係数及び動摩擦係数が共に小さく、自
己潤滑性に優れ、高い機械強度を有し、射出成形機への
食い込み性が良好なポリアセタール樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (1)ポリアセタール樹脂60〜96.
2重量%、(2)常温粘稠固体状で分子量が100万以
上のジメチルポリシロキサン0.8〜8重量%、及び
(3)珪酸カルシウムを主成分とする繊維状強化材3〜
32重量%を含有することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己潤滑性ポリア
セタール樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、摩擦係数が低く、特に低荷重下での潤滑性能(自己
潤滑性)に優れ、かつ機械物性、成形加工性等にも優れ
たポリアセタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、良好な機械物性と潤滑性とを併せ持つ
熱可塑性樹脂であることから、自動車、電気、事務機器
等において、軸受け、歯車、ローラー、カム等として広
く使用されている。
【0003】ところで、従来から、ポリアセタール樹脂
の潤滑性をさらに高めるために、潤滑剤を配合すること
が行われている。該潤滑剤としては、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)粉末、ポリエチレン
(PE)粉末、低密度ポリエチレン(LDPE)とアク
リロニトリル、スチレンとのグラフト共重合体(以下
「LDPE−g−AS樹脂」という)とベヘン酸モノグ
リセライドとの組成物、シリコーンオイル(特開昭63
−297453号公報、特開平1−204950号公
報、特開平4−77546号公報等)、シリコーンガム
(特開平4−234450号公報)等が知られている。
【0004】PTFE粉末及びPE粉末は、低荷重から
比較的高荷重下での潤滑性付与に有効であるが、ポリア
セタール樹脂との相溶性が良くないため、射出成形時に
金型へ付着し易く、成形品の寸法精度や寸法安定性を著
しく低下させるという欠点を有している。
【0005】LDPE−g−AS共重合体とベヘン酸モ
ノグリセライドとの組成物は、ポリアセタール樹脂との
相溶性は比較的良好であるが、潤滑性の改良効果はPT
FE粉末やPE粉末よりも劣っている。
【0006】シリコーンオイルは、中粘度(10万〜5
0万cSt)の常温液状ジメチルポリシロキサン(分子
量10万以下)であるが、該ジメチルポリシロキサンは
ポリアセタール樹脂との相溶性が良くない上に液状であ
るため、混練時または射出成形時に分離し易く、成形品
の寸法精度が低下したり、または成形品の品質にばらつ
きが生じるという問題がある。また、ポリアセタール樹
脂とシリコーンオイルとの組成物を射出成形機や押出成
形機で成形する場合、スクリュー後退時にポリアセター
ル樹脂のペレットが滑って成形機への食い込みが悪くな
り、成形加工性や生産性が低下するという点も問題にな
っている。
【0007】シリコーンガムは、粘度100万cSt以
上の常温粘稠固体状の熱可塑性シリコーンであるが、シ
リコーンオイルと同様にポリアセタール樹脂との相溶性
が良くないため、潤滑性の向上は不十分になる。また、
射出成形機への食い込みも悪く、成形加工性や生産性が
低下するという問題も解決されていない。
【0008】一方、ポリアセタール樹脂に珪酸カルシウ
ムを配合することも公知である(特開昭64−4355
5号公報、特開昭64−54053号公報等)。さら
に、特開昭61−120848号公報には、ポリアセタ
ール樹脂に珪酸カルシウム、シリコーンオイル、ヒドロ
キシメチル基の一部分がアルカノールでエーテル化され
たN−ヒドロキシメチルメラミン及び分子量10万〜1
00万のポリエチレンまたはエチレンとα−オレフィン
との共重合体を配合した耐摩耗性に優れたポリアセター
ル樹脂組成物が記載されている。しかしながら、該樹脂
組成物は珪酸カルシウムを含んでいるにもかかわらず、
シリコーンオイルの欠点であるポリアセタール樹脂への
分散性の悪さが改良されておらず、潤滑性の向上が不十
分であり、射出成形機への食い込み性も良好ではない。
【0009】本発明の目的は、静摩擦係数及び動摩擦係
数が共に小さく、自己潤滑性に優れ、高い機械強度を有
し、射出成形機への食い込み性が良好なポリアセタール
樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、自己潤滑性に優れ
た、新規な組成のポリアセタール樹脂組成物を得ること
に成功し、本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、(1)ポリアセタール
樹脂60〜96.2重量%、(2)常温粘稠固体状で分
子量が100万以上のジメチルポリシロキサン0.8〜
8重量%、及び(3)珪酸カルシウムを主成分とする繊
維状強化材3〜32重量%を含有することを特徴とする
自己潤滑性ポリアセタール樹脂組成物に係る。
【0012】本発明者の研究によれば、常温粘稠固体状
で分子量が100万以上のジメチルポリシロキサンと珪
酸カルシウムを主成分とする繊維状強化材とを併用する
場合には、両者の親和性が非常に高いため、ポリアセタ
ール樹脂との相溶性が悪い該ジメチルポリシロキサンを
ポリアセタール樹脂中に均一に分散でき、その潤滑性向
上効果が顕著に発現し得ることを見い出した。
【0013】従って、本発明によれば、静摩擦係数及び
動摩擦係数が共に小さく、自己潤滑性に優れ、高い機械
強度を有し、射出成形機への食い込み性が良好なポリア
セタール樹脂組成物が提供される。
【0014】さらに本発明のポリアセタール樹脂組成物
は、上記以外にも、耐摩耗性、寸法精度、寸法安定性等
に優れ、射出成形時に金型に付着することがなく、品質
が均一であり、見た目に清潔感があるという好ましい特
徴を有している。
【0015】上記の様な本発明の顕著な効果は、常温粘
稠固体状で分子量100万以上のジメチルポリシロキサ
ンと珪酸カルシウムとを併用した場合に初めて達成され
るものであり、例えば、シリコーンオイルと珪酸カルシ
ウムとを併用しても得られるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の自己潤滑性ポリアセター
ル樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂、常温粘稠固体状
で分子量100万以上のジメチルポリシロキサン及び珪
酸カルシウムを主成分とする繊維状強化材を必須成分と
する。
【0017】本発明において、ポリアセタール樹脂とし
ては公知のものを使用でき、例えば、ポリアセタールホ
モポリマー、エチレンオキサイド等の共重合可能なモノ
マーを共重合したポリアセタールコポリマー、ポリアセ
タールブロックコポリマー等を挙げることができる。ポ
リアセタール樹脂は1種を単独で使用でき、または必要
に応じて2種以上を併用できる。ポリアセタール樹脂の
配合量は、本発明組成物全量の60〜96.2重量%、
好ましくは65〜85重量%とする。ポリアセタール樹
脂の配合量が60重量%を著しく下回る場合には、脆く
なる傾向があり望ましくない。
【0018】一方96.2重量%を越えると、自己潤滑
性の改良効果に乏しく、また、機械的性質の向上も困難
である。主に潤滑性(摺動性)付与剤として本発明にお
いて使用されるジメチルポリシロキサンは、ジメチルシ
ロキサンを重合して得られる架橋構造を有しない熱可塑
性シリコーンであり、常温において粘稠固体状で、分子
量が100万以上、好ましくは250万以上であるとい
う特徴を有している。またその粘度は、通常100万c
St以上である。
【0019】ジメチルポリシロキサンはそのままポリア
セタール樹脂に配合することが出来るが、配合時の取り
扱い性や作業性等を考慮すると、予めポリアセタール樹
脂でマスターバッチ化しておくのが好ましい。
【0020】また、ジメチルポリシロキサンには、若干
の低分子量物が残存している場合がある。低分子量物が
残存していると、ポリアセタール樹脂と混練して射出成
形する時に、該低分子量物が揮発して成形金型のベント
口またはベント溝を詰まらせる可能性があるため、溶媒
抽出や真空中での加熱による揮発除去等の公知の方法で
除去しておくのが望ましい。
【0021】常温粘稠固体状で、分子量100万以上で
あるジメチルポリシロキサンとしては、市販品を使用す
ることもでき、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社
から市販されているものを挙げることができる。また、
マスターバッチとしても市販品を使用でき、例えば、商
品名:BY27−006B(東レ・ダウコーニング株式
会社製)で市販されているものを挙げることができる。
このマスターバッチは、本発明で使用するジメチルポリ
シロキサンを40重量%含有している。
【0022】常温粘稠固体状で、分子量100万以上の
ジメチルポリシロキサンの配合量は、本発明組成物全量
の0.8〜8重量%、好ましくは1〜5重量%とする。
0.8重量%未満では、十分な潤滑性を付与出来ない場
合がある。一方8重量%を越えて配合しても、それ以上
の潤滑性の向上が認められない上に、機械特性を低下さ
せる可能性がある。
【0023】本発明において、珪酸カルシウムを主成分
とする繊維状強化材は、上述の様に、成形品の機械特性
等を向上させる機能と共に、ジメチルポリシロキサンの
ポリアセタール樹脂への分散剤としての機能を併せ持っ
ていると考えられる。
【0024】珪酸カルシウムを主成分とする繊維状強化
材としては、珪酸カルシウムそのものまたは珪酸カルシ
ウムと他の無機質繊維との混合物を使用できる。珪酸カ
ルシウムとしては、公知の針状メタ珪酸カルシウムを使
用できる。また、珪酸カルシウムの繊維長や繊維径等も
特に制限されないが、補強性能や潤滑性付与剤の性能を
効率良く発揮させるということを考慮すると、平均繊維
径0.7〜6μm、平均繊維長10〜70μm、アスペ
クト比5〜20程度のものが好ましい。この様な繊維形
状を有する珪酸カルシウムは市販されている。該市販品
としては、例えば、商品名:NYGLOS(NYCO社
製)、商品名:バイスタル(大塚化学株式会社製)等を
挙げることができる。
【0025】珪酸カルシウムと併用する他の無機質繊維
としては公知のものを使用でき、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、チタン酸カリウム
繊維等を挙げることができる。これらの中でも、得られ
る補強性能、成形品の摩擦係数や色目への影響、他成分
との反応性に乏しい点等を考慮すると、チタン酸カリウ
ム繊維が好ましい。これらの他の無機質繊維は1種を単
独で使用できまたは2種以上を併用できる。他の無機質
繊維の配合量は、繊維状強化材全量の10重量%以下、
好ましくは5重量%以下とする。10重量%を越える
と、本発明組成物の所望の効果が損なわれる可能性があ
り、好ましくない。
【0026】珪酸カルシウムを主成分とする繊維状強化
材の配合量は、本発明組成物全量の3〜32重量%、好
ましくは7〜20重量%とする。3重量%を下回ると、
得られる組成物の射出成形機への食い込み性が不十分に
なる。また、機械物性の改良効果も顕著に認められな
い。一方32重量%を著しく上回ると、得られる組成物
の潤滑性能が低下したり、脆くなるおそれがあり、好ま
しくない。
【0027】本発明の自己潤滑性ポリアセタール樹脂組
成物には、必要に応じ、各種樹脂添加剤の1種または2
種以上を配合することができる。該添加剤としては、例
えば、グラファイト、二硫化モリブデン等の無機系固体
潤滑剤、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ガラスビ
ーズ、ガラス中空球等の粉末状無機充填剤、着色剤、帯
電防止剤、安定剤(ホルマリン捕集剤、抗酸化剤)等を
挙げることができる。
【0028】本発明の自己潤滑性ポリアセタール樹脂組
成物は、所定量の各成分及び必要に応じて他の樹脂添加
剤を公知の方法に従って混合することにより製造でき
る。例えば、ポリアセタール樹脂とジメチルポリシロキ
サンとをタンブラー等で予め乾式混合し、この混合物を
押出機(混練機)のメインホッパーに投入して加熱混練
し、得られる溶融物にサイドフィーダーから珪酸カルシ
ウムを主成分とする繊維状強化材を投入し、さらに混練
押出することにより、本発明組成物のペレットを得るこ
とができる。
【0029】この様にして得られる本発明の自己潤滑性
ポリアセタール樹脂組成物は、射出成形機、押出機等の
通常の成形機を用いて、任意の形状に成形することがで
きる。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。なお、以下において、「部」及び
「%」とあるのは、それぞれ「重量部」及び「重量%」
を意味する。
【0031】(実施例1)ポリアセタール樹脂とジメチ
ルポリシロキサン含有マスターバッチとを混合して二軸
混練押出機のメインホッパーに投入し、190℃で溶融
混練した後、サイドフィーダーから珪酸カルシウムを供
給し、再度溶融混練して押出し、本発明ポリアセタール
樹脂組成物のペレットを製造した。
【0032】各成分の配合量(部)は表1に示す通りで
ある。また、各成分及び二軸混練押出機としては、具体
的には下記のものを用いた。 ・ポリアセタール樹脂(商品名:ジュラコンM90−4
4、ポリプラスチック株式会社製、MFR=9.0g/
10分) ・ジメチルポリシロキサン含有マスターバッチ(商品
名:BY27−0006B、東レ・ダウコーニング株式
会社製、分子量100万以上のジメチルポリシロキサン
を40重量%含有するポリアセタール樹脂) ・珪酸カルシウム(商品名:バイスタルW、大塚化学株
式会社製、平均繊維径3.5μm、平均繊維長28μ
m、平均アスペクト比8) ・二軸混練押出機(商品名:PCM45、株式会社池貝
製) 上記で得られた本発明組成物のペレットを90℃で一晩
乾燥させた後、JIS試験片の金型(金型温度85℃)
を装着した射出成形機(商品名:JS75、株式会社日
本製鋼所製、シリンダー温度195℃)に投入して各種
のJIS試験片を成形し、以下の性能試験に供した。
【0033】(1)表面性試験:試験片(4mm×50
mm×90mm)の上に、ABS樹脂(商品名:サンタ
ックUT91、三井化学株式会社製)からなる外径25
mm、内径20mmの円筒状スリープ(鈴木式スラスト
摩耗片)を載せ、表面性測定機(商品名:HEIDON
−14S)にて、荷重100g、走査スピード50mm
/分で静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
【0034】(2)引張強さ:JIS K7113に準
じて測定した。1号試験片(4mm厚)。チャック間距
離;100mm、試験速度10mm/分。 (3)曲げ強さ:JIS K7203に準じて測定し
た。試験片は、120mm×10mm×4mmの大きさ
のものを用いた。支点間距離;60mm、試験速度5m
m/分。
【0035】(4)ノッチ付きアイゾット(IZOD)
衝撃値:JIS K7110に準じ1号試験片で評価し
た。 (5)射出成形機への食い込み性:試験片の射出成形時
に、計量時間(スクリュウ後退時間)が5秒以内で繰り
返し可能な状態を「○」、5〜10秒必要な状態を
「△」、10秒を越えて必要な場合を「×」として評価
した。結果を表1に示す。
【0036】(比較例1)珪酸カルシウムを使用しない
以外は実施例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成
物のペレットを製造した。
【0037】(比較例2〜3)潤滑性付与剤であるジメ
チルポリシロキサン含有マスターバッチに代えて、下記
の潤滑性付与剤(配合量・部は表1に記載)を使用する
以外は実施例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成
物のペレットを製造した。 比較例2:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉
末(商品名:アフロンPTFE L−169J、旭硝子
株式会社製) 比較例3:LDPE−g−AS樹脂(商品名:モディパ
ーA1401、日本油脂株式会社製)/ベヘン酸モノグ
リセライド(商品名:リケマールB−100、理研ビタ
ミン株式会社製) 比較例1〜3で得られたポリアセタール樹脂組成物のペ
レットを用い、実施例1と同様にして、射出成形により
各種JIS試験片を製造し、各種試験に供した。結果を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、上述の通り、マスターバッチには4
0%の割合でジメチルポリシロキサンが含まれているの
で、実施例1及び比較例1のジメチルポリシロキサンの
配合量は2部となる。表1から、実施例1の本発明組成
物が、より優れた潤滑性及び高い機械強度を示し、射出
成形機への食い込み性も良好であることが明かである。
【0040】(実施例2〜4及び比較例4〜5)表2に
記載の配合量(部)でポリアセタール樹脂、ジメチルポ
リシロキサン含有マスターバッチ(BY27−000
6)及び珪酸カルシウム(バイスタルW)を使用する以
外は、実施例1と同様にしてポリアセタール樹脂組成物
のペレットを製造した。このペレットを用い、実施例1
と同様にして、射出成形により各種JIS試験片を製造
し、各種試験に供した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から、ポリジルメチルシロキサンが本
発明に規定の範囲(0.8〜8重量%)内で配合されて
いる場合には、潤滑性、機械強度及び射出成形機への食
い込み性のいずれにも優れたポリアセタール樹脂組成物
が得られることが明かである。
【0043】(実施例5〜7)表3に記載の配合量
(部)で、ポリアセタール樹脂、ジメチルポリシロキサ
ン含有マスターバッチ、珪酸カルシウム及びチタン酸カ
リウム繊維(商品名:ティスモD102、大塚化学株式
会社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして、本
発明ポリアセタール樹脂のペレットを製造した。このペ
レットを用い、実施例1と同様にして、射出成形により
各種JIS試験片を製造し、各種試験に供した。また、
日本電色株式会社製の色差計にてハンター白度を測定
し、色目を評価した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3から、チタン酸カリウム繊維を少量配
合することにより、潤滑性及び機械強度を低下させるこ
となく、色目がより白いポリアセタール樹脂組成物を製
造することができる。この組成物から得られる成形物
は、白く清潔感があり、見た目にも良好であった。
【0046】(実施例8)実施例1のポリアセタール樹
脂組成物をローラー軸、ABS樹脂を受け台にそれぞれ
成形し、飲料水用ペットボトル陳列用のローラースライ
ダーを製造した。このスライダーに、飲料水入りの50
0mlペットボトルを並べ、手前から1本ずつ引き抜い
て観察したところ、良好な潤滑性を示した。
【0047】比較例1〜3のポリアセタール樹脂組成物
についても同様に実施したところ、ペットボトルの滑り
具合は、実施例1のものよりも劣っていた。
【0048】
【発明の効果】本発明の自己潤滑性ポリアセタール樹脂
組成物は、静摩擦係数及び動摩擦係数が共に低く、特に
低荷重下での潤滑性、耐摩耗性に優れることから、例え
ば、飲料水等の缶、瓶、ペットボトル等の陳列棚に使用
されるローラースライダー等のコンベア部品、事務機器
の紙送りシャフト、電気製品、自動車、事務機器、精密
機器等において低負荷条件で使用される各種軸受け、カ
ム、レバー、ギア、スラストワッシャ等の摺動部品等と
して好適に使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ポリアセタール樹脂60〜96.
    2重量%、(2)常温粘稠固体状で分子量が100万以
    上のジメチルポリシロキサン0.8〜8重量%、及び
    (3)珪酸カルシウムを主成分とする繊維状強化材3〜
    32重量%を含有することを特徴とする自己潤滑性ポリ
    アセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 珪酸カルシウムが、平均繊維径0.7〜
    6μm、平均繊維長10〜70μm、及び平均アスペク
    ト比5〜20の繊維状物である請求項1に記載の自己潤
    滑性ポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 繊維状強化材として珪酸カルシウムと共
    にチタン酸カリウム繊維を使用する請求項1または2に
    記載の自己潤滑性ポリアセタール樹脂組成物。
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