JP2886560B2 - 軸受用樹脂組成物 - Google Patents

軸受用樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は優れた摺動特性を必要とする軸受用樹脂組
成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、機械の軽量化に伴い、合成樹脂製品が機械部品
として数多く用いられるようになり、軸受部に使われる
ものには摺動特性の優れた合成樹脂が要求されている。
従来、摺動性の良い合成樹脂として、ポリアミド、ポリ
アセタール、ポリエチレン、フッ素樹脂等が用いられて
いる。これらは低荷重、低速領域においては無潤滑下で
もその用をなすが、高荷重、高速になるに従って、摩擦
熱のために焼き付いたり、フローしたりして、使用でき
なくなる。フッ素樹脂、特に四フッ化エチレン樹脂は、
充填材を加えて摩耗特性を改良することにより優れた摺
動特性を示すが、このものは圧縮成形でしか成形でき
ず、また非常に高価であるという欠点を有する。そこ
で、これに代わる他の合成樹脂に固体潤滑剤を加え摺動
特性を向上させようとする手段が採られているが、この
方法による摺動特性の向上は未だ充分でない。こうした
情況の中で、合成樹脂に対する潤滑特性の改良剤とし
て、熱可塑製樹脂に反応性オルガノポリシロキサンをグ
ラフト重合させたポリマーが市販されている。しかし、
このグラフトポリマーを合成樹脂に対して、推奨される
量である1ないし数重量%を添加しても潤滑性の向上は
充分になされず、また、多量に配合した場合でも、すべ
ての樹脂に対して充分な潤滑性の向上が期待できるとい
う保証はない。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂は耐熱性、耐
薬品性、機械的性質などに優れていることから、近年、
繊維、フィルム、その他射出成形品等に成形されて各種
用途に広く使用されている。しかし、射出成形品におい
てはいずれも摺動特性が不良であることから、各種潤滑
油、固体潤滑剤等を配合して摺動特性を改善しようとす
る方法が提案されているが、未だ充分なものは得られて
いない。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、従来の技術においては、摩擦係数
が低い値で安定し、摩耗係数の小さい材料は得られず、
数多くの優れた特性を有する合成樹脂も、低摩擦性およ
び耐摩耗性が要求される摺動材料には適しないという問
題があり、これを解決することが課題となっていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は熱可塑性ポ
リエステル樹脂70〜93重量%と、熱可塑性樹脂にオルガ
ノポリシロキサンをグラフト重合させたポリマー30〜7
重量%とを配合して、潤滑性のきわめて優れた軸受用樹
脂組成物とする手段を採用したもである。以下その詳細
を述べる。
まず、この発明において使用する熱可塑性ポリエステ
ルは、テレフタル酸またはそのジアルキルエステルと脂
肪族グリコール類との重縮合反応によって得られるポリ
アルキレンテレフタレートまたはこれを主体とする共重
合体であり、代表的なものとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどがあげら
れる。
また、近年、ガラス繊維等の充填剤なしでも射出成形
し得るよう調整された結晶化の速いポリエチレンテレフ
タレート樹脂が市販されているが、これらも好適に用い
ることができる。
この発明における熱可塑性樹脂にオルガノポリシロキ
サンをグラフト重合させたポリマーは、いかなる方法で
グラフト重合させたものであってもよく、たとえばダウ
・コーニング社製:マスターペレット型シリコーン樹脂
添加剤SP−100(ポリエチレンメチルメタアクリレート
にオルガノポリシロキサンをグラフト重合させたもので
シリコーン含有量60%)、同SP−200(GPポリエチレン
にグラフト重合させたものでシリコーン含有量40%)、
同SP−300(低密度ポリエチレンにグラフト重合させた
ものでシリコーン含有量40%)、DK Q8−8010(EVAにグ
ラフト重合したものでシリコーン含有量60%)などが例
示できるがこれらに限定されるものではない。
ここで、この発明において熱可塑性ポリエステル樹脂
70〜93重量%に、熱可塑性樹脂にオルガノポリシロキサ
ンをグラフト重合させたポリマーを30〜7重量%配合す
る理由は、7重量%未満の少量では摺動特性の改良効果
は充分に発現されず、また逆に30重量%を越える多量で
はポリエチレンテレフタレート樹脂の機械的特性が著し
く低下して好ましくないからである。
以上述べたこの発明の組成物を混合するには、従来か
らよく知られた方法を利用することができる。たとえば
合成樹脂と前記の配合成分を個別に、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によっ
て混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶
融押出機に供給するか、または予め熱ローラ、ニーダ、
バンバリーミキサー、溶融押出機などを使用して溶融混
合してもよい。
また、この発明の組成物を成形するにあたっては、そ
の方法を特に限定するものではないが、圧縮成形、押出
成形、射出成形などが実用的である。
なお、この発明の組成物には、一般に合成樹脂に広く
配合し得る添加剤を、潤滑性樹脂組成物の特性を低下さ
せない範囲の量で適宜配合することもできる。このよう
な添加剤としては、離型剤、難燃剤、耐候性改良剤など
が例示され、これら添加剤は、この発明の潤滑性配合剤
と同時に添加配合させるが、予め添加剤と潤滑性配合剤
とを配合しておくという方法を採ることもできる。さら
に、上記の添加剤に従来から公知公用の潤滑剤を併用す
ることも勿論可能であり、四フッ化エチレン樹脂粉末、
グラファイト、フッ化黒鉛、タルク、窒化ホウ素、その
他工業用潤滑剤等も、使用目的に応じて適宜選択使用す
ることができる。また、強化剤として公知のガラス繊
維、カーボン繊維、アルミナ繊維、アスベスト、ロック
ウール、ウォラストナイト、チタン酸カリウムホイスカ
ー等の繊維状物質、またはガラス粉末、タルク、クレ
イ、炭酸カルシウム、マイカ等に代表される無機質充填
剤なども使用できる。また、無機質、有機質を問わず、
各種難燃剤を使用して難燃化することもできる。いずれ
も、この発明の組成物の潤滑性を損なわない限り、中間
製品もしくは最終製品の形態において、化学的もしくは
物理的な処理によって性質改善のための変性が可能であ
ることは勿論である。
〔作用〕
この軸受用樹脂組成物においては、熱可塑性ポリエス
テル樹脂中にオルガノポリシロキサンの枝をもったグラ
フトポリマーが細かく分散して存在することによって耐
摩耗性が優れると共に、摩擦係数は小さく、しかも潤滑
物質が基材から抜け落ちることなく組織内にとどまるた
め、その摩擦係数が長期にわたり安定して維持される。
また、潤滑油等を配合した際に見られる機械的強度の低
下も少ない。
〔実施例〕
まず、以下に示す実施例および比較例に使用した原材
料を一括して示すとつぎのとおりである。なお〔 〕中
に略号を示した。
ポリエチレンテレフタレート樹脂〔PET−1〕(鐘淵
化学工業社製:カネカハイパーライト1000 UX−10)、 ポリエチレンテレフタレート樹脂〔PET−2〕(三菱
レイヨン社製:ダイヤナイトAA−160)、 難燃化ポリエチレンテレフタレート樹脂〔PET−3〕 (鐘淵化学工業社製:カネカハイパーライト1000 S
E)、 ポリブチレンテレフタレート樹脂〔PBT〕(三菱レイ
ヨン社製:タフペットPBT N1000)、 ポリエチレン〔PE〕(三井石油化学工業社製:リュブ
マー L5000)、 ポリアセタール〔POM〕(ポリプラスチックス社製:
ジュラコンM90−02)、 グラフトポリマー〔GP−1〕(ダウ・コーニング社
製:マスターペレット型シリコーン樹脂添加剤SP−10
0)、 グラフトポリマー〔GP−2〕(ダウ・コーニング社
製:マスターペレット型シリコーン樹脂添加剤SP−30
0)、 グラフトポリマー〔GP−3〕(ダウ・コーニング社
製:マスターペレット型シリコーン樹脂添加剤SP−20
0)、 シリコーン油〔SIL〕(信越化学工業社製:シリコー
ンオイルKF96 3000)、 四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕(三井・デュポンフロ
ロケミカル社製:テフロン7J)。
実施例1〜7: 合成樹脂に第1表に示すような割合で添加剤を配合
し、ヘンシェルミキサーで充分混合した後、二軸溶融押
出機に供給し、同表に示す溶融混合条件で押出して造粒
し、そのペレットを射出成形機に供給し、同表に示す射
出条件で、内径14mm、外径23mm、長さ13mmのリング状試
験片を成形した。なお、成形にあたっては原材料の乾燥
を充分に行なった。得られたリング状試験片について摩
擦摩耗試験を行なったが、摩擦試験はスラスト型摩擦摩
耗試験機を用いて、滑り速度毎分10m、荷重10kg/cm2
条件下で運転開始60分後の摩擦摩耗係数を測定し、摩耗
試験はスラスト型摩耗試験機を用いて、滑り速度毎分32
m、荷重3.1kg/cm2の条件下で行なった。いずれの試験も
相手材には軸受鋼SUJ2(焼き入れ、研削仕上げ)を使用
した。試験結果はまとめて第1表に示した。
比較例1〜8: 配合を第2表に示すような割合とし、それに伴って第
2表に示す加工条件としたこと以外はすべ て実施例1〜7と同様の操作を行なって試験片を作製
し、これら試験片について摩擦摩耗試験を行なった。得
られた結果を第2表にまとめた。
以上の実施例1〜7および比較例1〜8を比較する
と、第1表および第2表から明らかなように、比較例に
おいては、摩耗係数は比較的小さくても、摩擦係数が大
きい(比較例6)か、摩擦係数は小さくても摩耗係数が
大きい(比較例5)か、または摩擦係数も摩耗係数も共
に実施例に比べて大きい(比較例1〜4、7および8)
かであった、いずれも期待する性質は得られていない。
また、比較例1は成形の際、射出成形機のスクリューへ
のくい込みが悪かった。これに対して実施例1〜7のす
べては摩擦係数も摩耗係数も共に小さく、また成形性も
よく、きわめて好ましいものであった。また従来広く用
いられている硬質の充填剤を添加することなしに低摩
擦、低摩耗の目的を達成しているので摺動時に相手材に
損傷を与えることもなかった。
〔効果〕
以上述べたように、この発明の軸受用樹脂組成物から
なる成形体は、合成樹脂本来の機械的性質を保有しつつ
優れた摺動特性を有し、成形性も良好であって、従来見
ることのできなかった摺動性、成形性および経済性の三
者を同時に満足させる材料であるから、軸受材などには
最適のものであると言える。したがって、この発明の意
義はきわめて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51:08) C10N 40:02 50:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリエステル樹脂70〜93重量%
    と、熱可塑性樹脂にオルガノポリシロキサンをグラフト
    重合させたポリマー30〜7重量%とを配合したことを特
    徴とする軸受用樹脂組成物。
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