JP2862445B2 - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその製造方法

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の滑性(以下、表
面潤滑性という。)に優れた新規な樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、本発明は極めて優れた表面潤滑性を
有するとともに、耐摩耗性、機械的強度にも優れた樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面潤滑性に優れた樹脂組成物は、ギ
ア、カム、レバー等のメカニカル部品、気体圧送式光フ
ァイバー引入れ用パイプ等の物品の搬送用パイプ、ガイ
ドローラーなどの摺動部材用材料としての用途を有す
る。
【0003】従来、樹脂成形体の表面潤滑性を改良する
手段として、樹脂成形体の表面に潤滑剤として、シリコ
ーンオイルを塗布する方法が最も簡易な方法として知ら
れている。しかしながら、かかる方法によれば、成形体
表面に存在するシリコーンオイルが物との接触によって
徐々に減少し、該シリコーンオイルによる滑り性付与効
果が長期間持続しないばかりでなく、接触物がシリコー
ンオイルによって汚染されるという問題をも有する。
【0004】一方、上記問題を解決するため、シリコー
ンオイル等の潤滑成分を樹脂中に混合した樹脂組成物を
使用して成形体を得る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した樹脂中に潤滑
成分を配合した樹脂組成物から得られる成形体は、ある
程度の滑り性を有するものの、高度の滑り性を発揮させ
るためには、多量のシリコーンオイルの添加を必要と
し、得られる成形体の機械的強度の低下、成形性の低下
等を招くという問題がある。また、機械的強度を犠牲に
して滑り性を最大限に引き出せたとしても、前記の用途
においては、その滑り性は未だ十分に満足されるもので
はない。
【0006】従って、前記した各種の用途との関連にお
いて高度な滑り性を有し、且つ優れた機械的強度を有す
る樹脂組成物の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、潤滑成分と樹脂との組合わせによる滑り
性の発現について、鋭意研究を重ねた。その結果、直鎖
状低密度ポリエチレンを特定量含有するエチレン系樹脂
と、特定の分子量を有するポリオルガノシロキサンとを
組合わせることにより、得られる成形体の表面潤滑性が
飛躍的に向上すると共に、耐摩耗性、機械的強度にも優
れた樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】本発明を概説すれば、本発明は、直鎖状低
密度ポリエチレン2〜50重量%とその他のポリエチレ
ン98〜50重量%よりなるチレン系樹脂100重量部
と、平均分子量10万以上のオルガノポリシロキサン
0.1〜30重量部、とから成る表面潤滑性に優れる樹
脂組成物に関するものである。
【0009】以下、本発明の技術的構成を詳しく説明す
る。本発明において、樹脂として、少なくとも2重量
%、特に5重量%以上で且つ50重量%以下の直鎖状低
密度ポリエチレンと、98重量%以下、特に95重量%
以下で且つ50重量%以上のその他のポリエチレン、と
より成るエチレン系樹脂を使用することが重要である。
これは、本発明が、後述する極めて高分子量のオルガノ
ポリシロキサンを前記したエチレン系樹脂に添加した場
合、極めて高い滑り性を発揮するという知見をベースに
しているためである。
【0010】即ち、本発明者らにおいて、オルガノポリ
シロキサンの持つ滑り性を最大限に発揮し得る樹脂の組
み合わせについて研究を行った結果、該樹脂としてエチ
レン系樹脂が効果的であること、かつ該エチレン系樹脂
中に特定量以上の直鎖状低密度ポリエチレンを存在させ
た場合、オルガノポリシロキサンを高分散させることが
でき、オルガノポリシロキサンの少量の添加で、得られ
る樹脂成形体の強度を低下させることなく、滑り性を飛
躍的に向上することができるという知見を見い出した。
【0011】前記したように、本発明において、直鎖状
低密度ポリエチレンの割合が2重量%未満のエチレン系
樹脂を使用した場合、該樹脂中に高分子量のオルガノポ
リシロキサンを高度に分散化させることが困難となり、
本発明の目的を達成することができない。一方、エチレ
ン系樹脂中に占める直鎖状低密度ポリエチレンの割合の
上限は50重量%である。本発明において、エチレン系
樹脂の全てが直鎖状低密度ポリエチレンで構成される場
合など、直鎖状低密度ポリエチレンの配合割合が50重
量%を超えて多くなるほど得られる樹脂組成物の硬度、
機械的強度など、特に降伏点強度の物性が低下する。
【0012】本発明において、前記直鎖状低密度ポリエ
チレンとてしは、エチレンとブテン−1などのα−オレ
フィンを共重合して得られる公知のものが特に制限なく
使用される。これらの直鎖状低密度ポリエチレンは、一
般に密度が0.910〜0.940のものである。本発
明においては、そのうち、特に平均分子量が1万〜20
万のものが好適に使用される。
【0013】また、本発明において、その他のポリエチ
レンとしては、前記した直鎖状低密度ポリエチレン以外
のエチレンを主体とする重合体であって、直鎖状低密度
ポリエチレンと相溶性の良好なエチレンを主体とするも
のであれば、公知のものが特に制限なく使用される。例
えば、密度が0.940〜0.965の高密度ポリエチ
レン、密度が0.910〜0.925の低密度ポリエチ
レン等の単独重合体、エチレンを主体とする共重合体な
どが挙げられる。そのうち、特に結晶化度の高い高密度
ポリエチレンは、得られる樹脂組成物の滑り性の向上効
果をより促進することができるため好適なものである。
【0014】本発明において、前記エチレン系樹脂の好
ましい態様としては、エチレン系樹脂中に5〜30重量
%の直鎖状低密度ポリエチレンと、残部が直鎖状低密度
ポリエチレン以外のエチレン系樹脂、特に高密度ポリエ
チレンとから成る態様のものがある。
【0015】本発明において、前記エチレン系樹脂中へ
のオルガノポリシロキサンの分散性を更に向上させ、か
つ得られる樹脂組成物の滑り性及び強度を向上させるた
めに、該エチレン系樹脂100重量部に対して、0.1
〜100重量部、好ましくは、0.3〜20重量部のプ
ロピレン系樹脂を配合することが好ましい。該プロピレ
ン系樹脂の配合量は、0.1重量部以上で効果を発揮す
るが、100重量部を超えると、エチレン系樹脂とオル
ガノポリシロキサンとの作用による滑り性付与効果を阻
害し、逆に滑り性を低下させる傾向がある。
【0016】前記プロピレン系樹脂は、プロピレンを主
体とする公知のものが特に制限なく使用される。例え
ば、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、
ブテン−1等のプロピレン以外のα−オレフィンとのブ
ロック共重合体、ランダム共重厚体、グラフト共重合体
等の共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。上記
共重合体において、エチレン単位が30モル%以下、よ
り好ましくは0.15〜15モル%の範囲にある共重合
体が特に好適である。
【0017】本発明において、前記オルガノポリシロキ
サンとしては、平均分子量が10万以上、好ましくは3
0万〜500万の高分子量のものが使用される。即ち、
オルガノポリシロキサンの平均分子量が10万より小さ
いと、滑り性の向上効果が十分でなく、本発明の目的を
達成できない。
【0018】オルガノポリシロキサンは、前記分子量を
有するものであれば、公知の構造のものが特に制限なく
使用される。例えば、ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシ
ロキサン等及びこれらのアルキル変性、アミノ変性、エ
ポキシ変性、メルカプト変性、クロルアルキル変性、ア
ルコール変性、ポリエーテル変性、フッ素変性等の変性
を施したオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、
本発明で使用する上記オルガノポリシロキサンは、直鎖
型、分岐型のいずれを使用してもかまわない。
【0019】本発明において、オルガノポリシロキサン
の添加量は、エチレン系樹脂又はエチレン系樹脂とプロ
ピレン系樹脂の合計量100重量部に対して0.1〜3
0重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。かか
る添加量が0.3重量部未満の場合、滑り性の改良が十
分ではなく、逆に30重量部を超えた場合は、滑り性の
効果が頭打ちとなり、経済的に不利となるばかりでな
く、機械的強度等、物性の低下を招く傾向がある。ま
た、本発明において、オルガノポリシロキサンは、エチ
レン系樹脂又はエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂に単
に混合された状態で分散していてもよいし、一部が該樹
脂とグラフト結合していてもよい。
【0020】本発明の樹脂組成物は、滑り性等の本発明
の効果を著しく低下させない範囲で、酸化防止剤、光安
定剤、帯電防止剤、顔料、充填剤等の公知の添加剤を配
合することができることはいうまでもないことである。
【0021】本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制
限されないが、平均分子量10万以上の高分子量のオル
ガノポリシロキサンが、少なくとも2重量%の直鎖状低
密度ポリエチレンを含有するエチレン系樹脂中に高分散
し得る方法が好適に採用される。一般に、オルガノポリ
シロキサンとポリエチレンとは相溶性が良くないが、中
でも相溶性が比較的良好な直鎖状低密度ポリエチレン
に、前記オルガノポリシロキサンを予め溶融混練して得
た混合物を、その他のポリエチレンと溶融混練すること
により、ポリオルガノシロキサンのポリエチレン系樹脂
中への分散を向上させることができる。
【0022】前記溶融混練の方法は、公知の方法が特に
制限なく採用できるが、一般には、スクリュー押出式、
バンバリーミキサー、ミキシングロール等の混合機を使
用し、160〜300℃、好ましくは、180〜270
℃の温度下において実施される。また、前記方法におい
て、直鎖状低密度ポリエチレン中へのオルガノポリシロ
キサンの分散性を改良するため、溶融混練時に、有機過
酸化物を存在させることが好ましい。
【0023】前記方法に使用する有機過酸化物として
は、前記溶融混練の温度下で分解してラジカル発生する
ものであれば特に制限なく使用することができる。この
ような有機過酸化物としては、例えばメチルエチルケト
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパー
オキサイド; イソブチリルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイド;ジイソプロピルベンゼンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3等のジア
ルキルパーオキサイド;1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシ)−ブタン等のパーオキシケタール;t−ブチルパ
オキシ−ピバレイト、t−ブチルパーオキイベンゾエー
ト等のアルキルパーエステル;t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート等のパーカーボネート等が挙げ
られる。有機過酸化物の使用量は、混練時に供給される
樹脂100重量部に対して、0.001〜0.1重量部
である。
【0024】前記した本発明の樹脂組成物の製造方法に
おいて、高分子量のオルガノポリシロキサンと相溶性が
一層優れたプロピレン系樹脂を使用し、該樹脂とオルガ
ノポリシロキサンとを予め混合した後、得られる混合物
とエチレン系樹脂を混合することにより、得られる樹脂
組成物中におけるオルガノポリシロキサンの分散性を更
に改善した樹脂組成物を得ることが可能である。即ち、
前記した方法は、プロピレン系樹脂に、平均分子量10
万以上のオルガノポリシロキサンを溶融混練した後、得
られた混合物と少なくとも2重量%の直鎖状低密度ポリ
エチレンを含有するエチレン系樹脂とを、該エチレン系
樹脂100重量部、プロピレン系樹脂0.1〜100重
量部、及び該エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の合計
量100重量部に対して平均分子量10万以上のオルガ
ノポリシロキサン0.1〜30重量部とからなる割合に
なるように溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の
製造方法である。
【0025】前記方法において、溶融混練に使用する混
合機は、前記したものと同様のものが使用され、溶融混
練温度は、160〜300℃、好ましくは、180〜2
70℃が適用である。また、前記方法において、プロピ
レン系樹脂中へのオルガノポリシロキサンの分散性を改
良するため、溶融混練時に、過酸化物を存在させること
が好ましい。この場合、使用する有機過酸化物として
は、溶融混練の温度下で分解してラジカルを発生するも
のである限り特に制限なく使用することができる。この
ような有機過酸化物としては、前記例示した有機過酸化
物の中から適宜選択して使用すればよい。
【0026】プロピレン系樹脂とオルガノポリシロキサ
ンとを溶融混練後、エチレン系樹脂との溶融混練は、直
鎖状低密度ポリエチレンを含有するエチレン系樹脂と直
接行っても良いが、特に、直鎖状低密度ポリエチレンと
溶融混練した後、必要により、残部のエチレン系樹脂と
溶融混練することが好ましい。
【0027】前記した樹脂組成物の製造方法において、
オルガノポリシロキサンとしては、前記例示したものが
制限なく使用されるが、特に、0.001〜0.3重量
%のビニル基を有するものが好適に使用される。前記し
たビニル基含有のオルガノポリシロキサンとしては、分
子中にビニル基の含有量が0.001〜0.3重量%と
なるように、製造条件を設定して製造したもの、或いは
ケイ素原子に結合している各有機基をビニル基に置換し
て製造したものが一般に使用される。ここで、最も好適
に使用されるオルガノポリシロキサンとしては、平均分
子量が10万以上のジメチルポリシロキサンに対して、
前記範囲にビニル基を含有するようにメチル基をビニル
基に置換したものである。
【0028】本発明の樹脂組成物を使用した成形方法
は、押出成形、射出成形等、公知の成形方法が特に制限
なく採用されるが、そのうち、押出成形による成形方法
において、本発明の効果が顕著である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために実施
例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。尚、実施例及び比較例において、各種試験
は下記の方法によって行なった。
【0030】(1)耐摩耗性及び滑り性 調製した樹脂組成物を用いて、押出成形装置により、外
径25.6mm、内径20.0mmの中空円筒状で押出
成形し、15.0mmの長さに切り出して試験片を作成
した。磨耗試験は、鈴木式摩耗試験機を使用し、相手材
料として、試験片と同一の材料を使用し、試験速度50
0mm/sec、試験荷重500gf、試験距離3km
の試験条件で行い、試験前と試験後の試験片の重量変化
を測定し、それを摩耗量として耐摩耗性を評価した。ま
た、同時に摩擦係数を測定し、滑り性を評価した。
【0031】(2)降伏点強度 調製した樹脂組成物を、JIS 7113に準じて降伏
点強度を測定した。
【0032】実施例1〜7、比較例1〜6 平均分子量100000の直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)ネオゼックス(商品名:三井石油化学工
業(株)社製)に、表1に示す平均分子量、ビニル基含
有量(重量%)を有するジメチルポリシロキサンをヘン
シェルミキサーで混合し、220℃て溶融混練した。次
いで、得られた混合物を平均分子量150000の高密
度ポリエチレン(HDPE)ハイゼックス(商品名:三
井石油化学工業(株)社製)と、表1に示す割合(重量
%)で直鎖状低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン
とを含有するエチレン系樹脂を構成し、且つ、該エチレ
ン系樹脂100重量部及び前記オルガノポリシロキサン
が表1に示す割合(重量部)となるように220℃で溶
融混練して樹脂組成物を調製した。調製した樹脂組成物
について、滑り性、耐摩耗性、降伏点強度を測定した結
果を表1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、直鎖状低密度ポリエチレンを使
用しない比較例6の樹脂組成物に対して、該直鎖状低密
度ポリエチレンを使用した本発明の樹脂組成物(例え
ば、実施例1)は、極めて高い滑り性及び耐摩耗性を示
すことが理解できる。かかる効果の差は、本発明の樹脂
組成物においては、配合された高分子量のオルガノポリ
シロキサンが直鎖状低密度ポリエチレンの作用によっ
て、高密度ポリエチレン中にミクロ分散しているのに対
して、比較例6の樹脂組成物においては、該オルガノポ
リシロキサンが高密度ポリエチレン中に十分に分散せ
ず、かなりの大きさの粗大粒子となって分散しているこ
とが大きな原因であると推測される。また、直鎖状低密
度ポリエチレンのみをポリエチレン系樹脂として使用し
た場合(比較例5)にあっては、降伏点強度が低くな
る。
【0035】実施例8〜11及び比較例7 前記実施例1、5、6、7及び比較例5において、直鎖
状低密度ポリエチレンとオルガノポリシロキサンとの溶
融混練時に、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に
対して有機過酸化物(1、3−ビス−(t−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン)を0.004重量部存
在させた以外は、同様にして樹脂組成物を得た。得られ
た樹脂組成物について、滑り性、耐摩耗性、降伏点強度
を測定した結果を表2に併せて示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例12〜18及び比較例8 ポリプロピレンとして、徳山ポリプロ MJ160(商
品名:徳山曹達(株)社製)、表3に示す平均分子量、
ビニル基含有量(重量%)を有するオルガノポリシロキ
サンをヘンシェルミキサーで混合し、220℃で溶融混
練した。次いで、得られた混合物と、実施例1で使用し
た直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンと
を、表3に示す割合(重量%)で直鎖状低密度ポリエチ
レンと高密度ポリエチレンとを含有するエチレン系樹脂
を構成し、かつ、該エチレン系樹脂100重量部に対し
てポリプロピレン系樹脂が表3に示す割合(重量部)と
なるように、及び前記オルガノポリシロキサンがエチレ
ン系樹脂とプロピレン系樹脂との合計量100重量部に
対して表3に示す割合(重量部)となるように220℃
で溶融混練して樹脂組成物を調製した。調製した樹脂組
成物について、滑り性、耐摩耗性、降伏点強度を測定し
た結果を表3に併せて示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例19〜25 前記実施例12、13、14、16、18において、直
鎖状低密度ポリエチレンとオルガノポリシロキサンとの
溶融混練時に、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
して有機過酸化物(1,3−ビス−(t−プチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン)を0.004重量部存在
させた以外は、同様にして樹脂組成物を調製した(実施
例19、22〜25)。また、実施例20、21は、実
施例19のオルガノポリシロキサンの量を変化させたも
のである。調製した樹脂組成物について、滑り性、耐摩
耗性、降伏点強度を測定した結果を表4に併せて示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の樹脂組成物は、オルガノポリシロキサンの少量の添
加で優れた表面潤滑性を有すると共に、耐摩耗性、機械
的強度に優れた成形体を得ることが可能である。従っ
て、本発明の樹脂組成物は、かかる特性を利用した用
途、例えば、ギア、カム、レバー等のメカニズム部品、
気体圧送式光ファイバー引入れ用パイプ等の物品の搬送
用パイプ、光ファイバーユニットの被覆材、ガイドロー
ラーなどの摺動部材用材料としての用途に広く使用する
ことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−159455(JP,A) 特開 平1−152144(JP,A) 特開 平1−152145(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直鎖状低密度ポリエチレン2〜50重量
    %とその他のポリエチレン98〜50重量%よりなるエ
    チレン系樹脂100重量部と、平均分子量10万以上の
    オルガノポリシロキサン0.1〜30重量部、とから成
    る表面潤滑性に優れる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 直鎖状低密度ポリエチレン2〜50重量
    %とその他のポリエチレン98〜50重量%よりなるエ
    チレン系樹脂100重量部、プロピレン系樹脂0.1〜
    100重量部、及び前記エチレン系樹脂とプロピレン系
    樹脂の合計量100重量部に対して平均分子量10万以
    上のオルガノポリシロキサン0.1〜30重量部、とか
    ら成る表面潤滑性に優れる樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 直鎖状低密度ポリエチレンと平均分子量
    10万以上のオルガノポリシロキサンとを溶融混練した
    混合物と、直鎖状低密度ポリエチレン以外のエチレン系
    樹脂とを、溶融混練することを特徴とする請求項1に記
    載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 直鎖状低密度ポリエチレンと平均分子量
    10万以上のオルガノポリシロキサンとの溶融混練を、
    過酸化物の存在下に行う請求項3に記載の樹脂組成物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 プロピレン系樹脂と平均分子量10万以
    上のオルガノポリシロキサンを溶融混練した混合物と、
    直鎖状低密度ポリエチレン2〜50重量%を含有するエ
    チレン系樹脂とを、溶融混練することを特徴とする請求
    項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 プロピレン系樹脂と平均分子量10万以
    上のオルガノポリシロキサンとの溶融混練を、過酸化物
    の存在下に行う請求項5に記載の樹脂組成物の製造方
    法。
JP4264162A 1992-09-08 1992-09-08 樹脂組成物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2862445B2 (ja)

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