JP2001089418A - 高純度(e)−4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールの取得方法 - Google Patents

高純度(e)−4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールの取得方法

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JP2001089418A
JP2001089418A JP26416699A JP26416699A JP2001089418A JP 2001089418 A JP2001089418 A JP 2001089418A JP 26416699 A JP26416699 A JP 26416699A JP 26416699 A JP26416699 A JP 26416699A JP 2001089418 A JP2001089418 A JP 2001089418A
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JP
Japan
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methyl
butenal
acyloxy
mixture
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JP26416699A
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Katsuhiko Kitayama
勝彦 北山
Toshiki Mori
俊樹 森
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナ
ールのE/Z混合物から高純度な(E)−4−アシルオ
キシ−2−メチル−2−ブテナールを工業的規模で有利
に取得する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rはアルキル基またはアリール基を表す。)で
示される4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナー
ルのE/Z混合物を下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1〜R4は水素原子もしくはアルキル基を表
すか、またはR1とR2は一緒になって芳香環の一部を
形成していてもよく、ただしR1〜R4のうち少なくと
も2つは水素原子である。)で示されるキノン類の存在
下に熱処理することにより上記課題を解決することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度な(E)−
4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールを取得
する方法に関する。4−アシルオキシ−2−メチル−2
−ブテナールは、ビタミンAエステル類の合成中間体と
して有用な化合物である(例えば、Pure & App
l.Chem.,63,45(1991)など参照)。
【0002】
【従来の技術】一般に、4−アシルオキシ−2−メチル
−2−ブテナールはブタジエン、カルボン酸および酸素
との反応によるか、あるいはブテン−3,4−ジオール
とカルボン酸との反応により得られる3,4−ジアシル
オキシ−1−ブテンをヒドロホルミル化し、次いで、脱
カルボン酸することにより工業的に製造されている。こ
のようにして製造される4−アシルオキシ−2−メチル
−2−ブテナールは、熱力学的平衡の組成としてE/Z
=97/3の混合物として得られる。このような4−ア
シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールのE/Z混合
物からビタミンAエステル類を合成しようとすると、
(E)−4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナー
ルはAll−E ビタミンAエステル類に誘導され、
(Z)−4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナー
ルは13Z−ビタミンAエステル類へと誘導されること
になる。しかしながら、13Z−ビタミンAエステル類
はAll−E ビタミンAエステル類に比べて、約75
%の生理活性しかないことが一般に知られており、4−
アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールをビタミン
Aエステル類の合成中間体として用いる場合、E体の純
度が高い方がより有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】4−アシルオキシ−2
−メチル−2−ブテナールのE/Z混合物から(E)−
4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールのみを
選択的に取り出すことは蒸留によって理論的に可能では
あるが、E体とZ体の比揮発度があまりにも近いために
ロスが多くなり、この方法は工業的な実施には不向きで
ある。このように、高純度な(E)−4−アシルオキシ
−2−メチル−2−ブテナールを工業的に有利に製造で
きる方法はいまだ確立されていないのが現状である。し
かして、本発明の目的は、高純度な(E)−4−アシル
オキシ−2−メチル−2−ブテナールを工業的規模で有
利に取得する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、4−アシルオキシ−2
−メチル−2−ブテナールのE/Z混合物をキノン類の
存在下に熱処理することにより高純度の(E)−4−ア
シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールを取得できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、下記一般式(1)
【化3】 (式中、Rはアルキル基またはアリール基を表す。)で
示される4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナー
ルのE/Z混合物を下記一般式(2)
【化4】 (式中、R1〜R4は水素原子もしくはアルキル基を表
すか、またはR1とR2は一緒になって芳香環の一部を
形成していてもよく、ただしR1〜R4のうち少なくと
も2つは水素原子である。)で示されるキノン類の存在
下に熱処理することを特徴とする高純度(E)−4−ア
シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールの取得方法を
提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において使用される4−ア
シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールを示す上記一
般式(1)において、Rが表すアルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ
る。また、Rが表すアリール基としては、例えば、フェ
ニル基、トリル基などが挙げられる。ここで、一般式
(1)で示される化合物の具体例を示せば、4−アセト
キシ−2−メチル−2−ブテナール、4−プロピオキシ
−2−メチル−2−ブテナールなどが挙げられる。一般
式(1)で示される4−アシルオキシ−2−メチル−2
−ブテナールは、例えば、工業的に入手できる3,4−
ジアシルオキシ−1−ブテンをロジウム化合物の存在下
に水素および一酸化炭素の混合ガスと反応させ(ヒドロ
ホルミル化する)、次いで、脱カルボン酸することによ
り、工業的規模で安価に入手することが可能である(特
公昭48−23414号公報、西ドイツ特許出願公開2
039078号明細書など参照)。
【0007】本発明において使用されるキノン類を示す
上記一般式(2)においてR1〜R4が表すアルキル基
としては、メチル基、エチル基などが挙げられ、またR
1とR2が一緒になって芳香環の一部を形成していても
よい。R1〜R4はそのうちの少なくとも2つが水素原
子であることが必要である。本発明において、一般式
(2)で示されるキノン類の具体例として、1,4−ベ
ンゾキノン、p−トルキノン、2,5−ジメチル−1,
4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾ
キノン、1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。本発
明においてキノン類の使用量は、(Z)−4−アシルオ
キシ−2−メチル−2−ブテナールに対して等モル以上
であることが好ましく、とくに反応性および経済的な観
点からキノン類の使用量は(Z)−4−アシルオキシ−
2−メチル−2−ブテナールに対して1〜2モル当量の
範囲内であることがより好ましい。
【0008】本発明において溶媒の使用は必須ではない
が、反応を阻害しない限り溶媒の使用は差し支えない。
その際に使用し得る溶媒としては、例えば、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶
媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
挙げられる。溶媒の使用量は特に限定されないが、生産
効率面などから4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブ
テナールに対して0.1〜10倍容量であることが好ま
しい。
【0009】本発明にしたがう4−アシルオキシ−2−
メチル−2−ブテナールのE/Z混合物の熱処理による
反応は、一般に4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブ
テナールを予め投入した撹拌機付の反応容器中にキノン
類を存在させ、系内を所定の反応温度に維持することに
より行われる。反応温度は好ましくは50〜200℃で
あり、より好ましくは80〜160℃である。反応の進
行は高速液体クロマトグラフィー等により確認すること
ができる。
【0010】4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテ
ナールのE/Z混合物をキノン類の存在下に熱処理する
と、キノン類は(Z)−4−アシルオキシ−2−メチル
−2−ブテナールとのみ付加体を形成し、(E)−4−
アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールはキノン類
と付加体を形成しないので、反応終了後、反応混合物を
蒸留することにより(E)−4−アシルオキシ−2−メ
チル−2−ブテナールを単離することができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 200ミリリットルの3口フラスコに、 E/Z比率が
97.2/2.8の4−アセトキシ−2−メチル−2−
ブテナール142g(1.00mol)、1,4−ベン
ゾキノン3.2g(0.03mol)を仕込み、撹拌し
ながら、内温を140℃に昇温した。同温度で1時間激
しく撹拌した。得られた反応混合液を減圧下に蒸留する
ことによって、 E/Z比率が99.5/0.5の4−
アセトキシ−2−メチル−2−ブテナール138g
(b.p.96℃/10mmHg)を得た。この時、仕
込んだ4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテナールに
対して蒸留により取得できた4−アセトキシ−2−メチ
ル−2−ブテナールの比(残存率)は96.9%であっ
た。
【0012】実施例2〜5 表1に示す種類のキノンを用いた以外は実施例1と同様
の処理および操作を行い、表1に示す結果を得た。
【0013】比較例1 キノンを用いない以外は実施例1と同様の処理および操
作を行い、表1に示す結果を得た。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、4−アシルオキシ−2
−メチル−2−ブテナールのE/Z混合物をキノン類の
存在下に熱処理することにより高純度な(E)−4−ア
シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールを工業的に有
利に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rはアルキル基またはアリール基を表す。)で
    示される4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナー
    ルのE/Z混合物を下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1〜R4は水素原子もしくはアルキル基を表
    すか、またはR1とR2は一緒になって芳香環の一部を
    形成していてもよく、ただしR1〜R4のうち少なくと
    も2つは水素原子である。)で示されるキノン類の存在
    下に熱処理することを特徴とする高純度(E)−4−ア
    シルオキシ−2−メチル−2−ブテナールの取得方法。
JP26416699A 1999-09-17 1999-09-17 高純度(e)−4−アシルオキシ−2−メチル−2−ブテナールの取得方法 Pending JP2001089418A (ja)

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