JP2001089229A - 導電性セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents
導電性セラミックスおよびその製造方法Info
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Abstract
ができ、かつ電気伝導率のばらつきが小さい導電性セラ
ミックスおよびその製造方法、および、プラズマ環境
下、加熱酸化雰囲気下等の過酷な雰囲気下においても電
気伝導率の変化が小さく、安定して使用可能な導電性セ
ラミックスおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 周期律表3A族に属する元素のうち少な
くとも1種を含む化合物とTiO2−x(0<x<2)
とをTiO2−x(0<x<2)の量が全体の1〜90
wt%となるような範囲で含み、これら化合物およびT
iO2−xの少なくとも一部が複合酸化物を形成してい
る。
Description
はじめ、半導体関連部品、例えばイオナイザー、ウエハ
搬送ハンド、チャンバードーム、クランプリング、その
他の半導体製造装置用部品等に好適な導電性セラミック
スおよびその製造方法に関し、特に、過酷な環境下、例
えばプラズマ環境下、加熱酸化雰囲気下で使用される、
例えばプラズマエッチング装置用部品等に好適な導電性
セラミックスおよびその製造方法に関する。
体で導電性を示すセラミックス、例えばSiC、Ti
N、TiC、WC、WO2、TiO2−x(0<x<
2)等がある。また、導電率を変化させるために、絶縁
体セラミックスと導電性セラミックスとを混合し、その
混合割合を変化可能な複合セラミックス、例えばAl2
O3−SiC、Al2O3−TiO2−x(0<x<
2)、AlN−TiN(TiC)、Si3N4−TiC
(TiN)等がある。
ミックス材料を上述のような用途に適用しようとする場
合には、その目的に応じて抵抗率を変化させ得ることが
好ましいが、上記材料のうち単体で導電性を示すものは
抵抗率を変化させることが困難である。
ックスとを混合した複合セラミックスの場合には、導電
性セラミックスの割合を変化させることにより抵抗率を
変化させることができるものの、抵抗率が急激に変化す
るため、抵抗率がばらつきやすく、抵抗率を所望の値に
制御することは困難である。特に、上述したような過酷
な環境下で長時間使用した場合には、このような問題に
加えて電気伝導率が徐々に変化するという問題が生じ
る。
であって、抵抗率を広範囲に亘って変化させることがで
き、かつ抵抗率のばらつきが小さい導電性セラミックス
およびその製造方法を提供することを目的とする。
等の過酷な雰囲気下においても電気伝導率の変化が小さ
く、安定して使用可能な導電性セラミックスおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、周期律表3A族に
属する元素のうち少なくとも1種を含む化合物とTiO
2−x(0<x<2)とを含有し、少なくとも一部をこ
れらの複合酸化物とすることにより、抵抗率を広範囲に
亘って変化させることができ、かつ抵抗率のばらつきが
小さい導電性セラミックス材料が得られることを見出し
た。また、TiO2−x(0<x<2)の量を適切に制
御することにより、過酷な雰囲気下においても電気伝導
率の変化量が小さく、安定して使用可能な導電性セラミ
ックスが得られることを見出した。
たものであり、周期律表3A族に属する元素のうち少な
くとも1種を含む化合物とTiO2−x(0<x<2)
とをTiO2−x(0<x<2)の量が全体の1〜90
wt%となるような範囲で含み、これら化合物およびT
iO2−xの少なくとも一部が複合酸化物を形成してい
ることを特徴とする導電性セラミックスを提供するもの
である。
元素のうち少なくとも1種を含む化合物粉末に、TiO
2粉末または周期律表3A族に属する元素のうち少なく
とも1種を含む化合物とTiO2とからなる複合酸化物
粉末を、TiO2量が粉末全体の1〜90wt%となる
ような量で混合し、成形し、焼成し、得られた焼結体の
表面にカーボンを主成分とする物質を接触させ、焼結体
を不活性ガスまたは還元雰囲気中で1300〜1900
℃の温度で焼成するか、または同様の雰囲気および温度
にて1000kgf/cm2以上の圧力で熱間静水圧プ
レス処理を施すことを特徴とする導電性セラミックスの
製造方法を提供するものである。
導率が104〜10−14S/cmであることが好まし
い。また、TiO2−x(0<x<2)の量が全体の1
〜15wt%であり、電気伝導率が10−5〜10
−14S/cmであることがより好ましい。さらに、T
iO2−x(0<x<2)の量が全体の1〜6wt%で
あり、電気伝導率が10−8〜10−14S/cmであ
ることが一層好ましい。
a、Ybのうち少なくとも1種が好ましく、その中でも
特にYが好ましい。このような元素としてYを用いた場
合には、周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも
1種を含む化合物がY2O3であり、複合酸化物がY2
TiO5−x(0<x<5)、Y2Ti2O7−x(0
<x<7)、またはこれらの混合物であることが好まし
い。また、本発明の導電性セラミックス材料の相対密度
は98%以上であることが好ましい。
を含むプラズマガス中で用いられた際に優れた効果を発
揮するものであり、プラズマ中の酸素濃度が10vol
%以上、さらには40vol%以上の場合に特に優れた
効果を発揮するものである。
た、加熱された大気雰囲気中または酸素富化雰囲気中で
用いられる際にも優れた効果を発揮するものであり、特
に、加熱された大気雰囲気中または酸素富化雰囲気中の
温度が400℃以上、さらには600℃以上の場合に特
に優れた効果を発揮するものである。
明する。本発明の導電性セラミックス材料は、周期律表
3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含む化合物
とTiO2−x(0<x<2)とをTiO2−x(0<
x<2)の量が全体の1〜90wt%となるような範囲
で含み含み、これら化合物およびTiO2−xの少なく
とも一部が複合酸化物を形成している。
ち少なくとも1種を含む化合物としては、Y2O3、L
a2O3、Yb2O3、Sc2O3、Nd2O3、Er
2O 3、Sm2O3・Eu2O3等を挙げることができ
る。
La、Ybは、その化合物例えばY 2O3、La
2O3、Yb2O3がTiとの間で、例えばY2TiO
5−x(0<x<5)、Y2Ti2O7−x(0<x<
7)、La2TiO5−x、(0<x<5)、La2T
i2O7−x(0<x<7)、La4Ti9O24−x
(0<x<24)、Yb2TiO5−x(0<x<
5)、Yb2Ti2O7−x(0<x<7)等の複合酸
化物を形成し、それによって安定した導電率を示すため
好ましい。中でもYの化合物は合成が容易であるためよ
り好ましい。具体的には、Yの化合物であるY2O3と
TiO2−x(0<x<2)とによりY2TiO5 −x
(0<x<5)またはY2Ti2O7−x(0<x<
7)を容易に合成することができる。
る元素のうち少なくとも1種を含む化合物とTiO
2−x(0<x<2)とが複合酸化物を形成しているこ
とが必要であるが、全てが複合酸化物になっている必要
はなく、少なくとも一部が複合酸化物を形成していれば
よい。ただし、TiO2−x(0<x<2)が単独で存
在している割合が少ないほうが好ましい。
セラミックス全体の1〜90wt%とする。その量が1
wt%未満の場合には導電性が発現されず、また複合酸
化物を形成しにくい。一方、90wt%を超えると電気
伝導率が変化せず複合化の意味がなく、また、Y2O3
等と反応せずに単独に存在するTiO2−xの量が多く
なり、過酷な環境下での電気伝導率が不安定になりやす
い。TiO2−x(0<x<2)の含有量の好ましい範
囲は1〜15wt%であり、さらに好ましくは1〜6%
である。このようにTiO2−x(0<x<2)の量を
好ましい範囲とすることにより、後述するような酸素を
含むプラズマガス雰囲気中や、加熱された大気雰囲気中
または酸素富化雰囲気中での電気伝導率の変化を小さく
することができる。
律表3A族に属する元素の化合物の種類および割合を適
宜設定することにより、その電気伝導率を104〜10
−1 4S/cmの間で変化させることが可能である。ま
た、TiO2−x(0<x<2)の含有量を好ましい範
囲である1〜15wt%とした場合には、電気伝導率を
10−5〜10−14S/cmの間で変化させることが
可能であり、さらに好ましい範囲である1〜6wt%と
した場合には、10−8〜10−14S/cmの間で変
化させることが可能である。
相対密度が高いほど好ましく、98%以上が好ましい。
相対密度が98%未満であるとポア(気孔)が多くなり
電気伝導率がばらつくため好ましくない。
むプラズマガス中、あるいは加熱された大気雰囲気中ま
たは酸素富化雰囲気中で用いることにより、優れた効果
を得ることができる。その理由は、酸素欠損により導電
性を持たせた一般の導電性セラミックするでは、酸素を
含むプラズマガス中、あるいは加熱された大気雰囲気中
や酸素富化雰囲気中で長時間晒されると、雰囲気中に含
有される酸素によって酸化され、電気伝導率が低下して
しまうこととなるが、本発明の導電性セラミックスでは
電気伝導率の低下を小さくすることができるため、酸素
を含むプラズマガス中、あるいは加熱された大気雰囲気
中や酸素富化雰囲気中で用いるのに極めて好ましいもの
となるからである。本発明において、TiO2−x(0
<x<2)の含有量が少ないほど、TiO2−x単独で
の存在が少なく酸化が抑制されるため、電気伝導率低下
の抑制効果が高い。このような観点から、上述のよう
に、TiO2−x(0<x<2)の含有量の好ましい範
囲を1〜15wt%とし、さらに好ましい範囲を1〜6
%とした。
l%以上の場合が好ましく、40vol%以上の場合が
さらに好ましい。酸素欠損により導電性を持たせた通常
の導電性セラミックスはプラズマ中の酸素量が10vo
l%以上になると電気伝導率の低下が生じ、40vol
%以上になると電気伝導率がさらに大きく低下するが、
本発明の導電性セラミックスはこれらの場合にも電気伝
導率の低下を低く抑えることができる。
囲気の温度は、400℃以上が好ましく、600℃以上
がさらに好ましい。酸素欠損により導電性を持たせた通
常の導電性セラミックスはこれらの雰囲気で400℃以
上となると電気伝導率の低下が生じ、600℃以上にな
ると電気伝導率がさらに大きく低下するが、本発明の導
電性セラミックスはこれらの場合にも電気伝導率の低下
を低く抑えることができる。
料の製造方法について説明する。本発明の導電性セラミ
ックスは、周期律表3A族に属する元素のうち少なくと
も1種を含む化合物粉末に、TiO2粉末または周期律
表3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含む化合
物とTiO2とからなる複合酸化物粉末を、TiO2量
が粉末全体の1〜90wt%となるような量で混合し、
成形し、焼成し、得られた焼結体の表面にカーボンを主
成分とする物質を接触させ、焼結体を不活性ガスまたは
還元雰囲気中で1300〜1900℃の温度で焼成する
か、または同様の雰囲気および温度にて1000kgf
/cm2以上の圧力で熱間静水圧プレス処理を施すこと
により好適に製造することができる。
性セラミックスの原料粉末は98%以上の純度のものが
好ましく、99%以上が一層好ましい。純度が98%未
満であると抵抗率がばらつくため好ましくない。また、
原料粉末の粒径は5μm以下が好ましく、3μm以下が
一層好ましい。粒径が5μmより大きいと焼結の駆動力
が低下し、緻密な焼結体を得ることが難しい。
ができる。例えば、所定の配合の原料粉末にアルコール
等の有機溶媒または水を加え、ボールミル等で混合後、
乾燥する方法、所定の配合の塩類、アルコキシド等の溶
液から共沈物を分離する方法等がある。
易にするため、SiO2、MgOなどの焼結助剤を添加
してもよい。焼結助剤の添加形態に関しては、酸化物粉
末、塩類、アルコキシド等、どのような形態であっても
よく、特に限定されない。
レスまたは冷間静水圧プレス(CIP)によって所定形
状に成形する。次いで大気圧雰囲気下で1000〜19
00℃で焼成する。その後、得られたセラミックス焼結
体表面にカーボンを主成分とする物質を接触させ、不活
性ガスまたは還元雰囲気下にて1300〜1900℃で
還元処理を行う。または不活性ガスまたは還元雰囲気下
にて1300〜1900℃、圧力1000kgf/cm
2以上で熱間静水圧プレス(HIP)処理を行う。
接触させることにより、試料内および試料間での電気伝
導率のバラツキを抑制するという効果を得ることができ
る。このカーボンを主成分とする物質としては、カーボ
ンブラック、黒鉛を挙げることができ、その形態として
は、粉末、ペースト状あるいはシート状等を例示するこ
とができる。
しないが、2〜4時間程度でよい。焼成温度が1000
℃未満であると、緻密化が不十分となり、電気伝導率が
ばらつくため好ましくなく、一方、1900℃を超える
と分解するおそれがありやはり好ましくない。還元温度
が1300℃未満では、還元力が低下し、十分還元が進
まず好ましくなく、一方、1900℃を超えると分解す
るおそれがありやはり好ましくない。HIP処理温度が
1300℃未満、圧力が1000kgf/cm 2未満で
はHIP処理の効果が小さく好ましくなく、HIP処理
温度が1900℃を超えると分解するおそれがありやは
り好ましくない。
記方法によらなくても製造することが可能であるが、上
記方法を採用することにより、所望の電気伝導率を有す
る導電性セラミックスを安定して製造することができ
る。
98%以上、平均粒径3μmの周期律表3A族に属する
元素の化合物と、純度98%以上、平均粒径2μmのT
iO2粉末またはY2TiO5、Y2Ti2O7粉末を
合計で200g秤量し、ポリエチレンポット中にそれぞ
れの粉末と、イオン交換水200gと、φ10mmの鉄
芯入りナイロンボール250gを入れ、必要に応じて焼
結助剤としてSiO2またはMgOを1wt%添加し、
16時間混合した。得られたスラリーをロータリーエバ
ポレーターで減圧乾燥した後、得られた粉末を#100
のナイロンメッシュでメッシュパスした。この粉末をφ
50mmの金型を用いて圧力10kgf/cm2で厚さ
6mmに一次成形した後、圧力1200kgf/cm2
で冷間静水圧プレス成形して成形体を得た。得られた成
形体を表1に示す温度で3時間焼成した。得られた焼結
体の表面にカーボンペーストを塗布した後、常圧の還元
雰囲気下で所定温度2時間の処理、またはAr雰囲気下
で所定温度、所定圧力2時間のHIP処理を行った。こ
れらの処理を施した焼結体について、相対密度を測定し
た。
電気伝導率の測定を行い、さらに(1)平行平板型プラ
ズマエッチング装置を用い、高周波電力1000Wを供
給して、酸素(O2)を含むプラズマ(酸素濃度50v
ol%)を形成し、その中で100時間保持後、電気伝
導率を測定し、(2)高温大気炉を用い、大気雰囲気下
で600℃、100時間保持後、電気伝導率を測定し
た。その結果を表1に示す。
施例では、上記処理前後の電気伝導率のバラツキが小さ
く、上記のような過酷な環境下でも電気伝導率の変化が
極めて小さいことが確認された。
ついて、上記実施例と同様の手順により試料を作製し、
相対密度測定、プラズマ処理前後および大気雰囲気加熱
処理前後の電気伝導率測定を行った。その結果を表2に
示す。
場合には、プラズマ処理の後および大気圧雰囲気加熱の
後に電気伝導率が大きく変化することが確認された。ま
た、従来の材料系である比較例4〜6においては、処理
前の試料間での電気伝導率のバラツキも大きかった。
電気伝導率を広範囲に亘って変化させることができ、か
つ電気伝導率のばらつきが小さい導電性セラミックスを
得ることができる。また、プラズマ環境下、加熱酸化雰
囲気下等の過酷な雰囲気下においても電気伝導率の変化
が小さく、長期間に亘って安定して使用可能な導電性セ
ラミックスを得ることができる。したがって、本発明の
導電性セラミックス材料は、電極、ヒーターをはじめ、
半導体関連部品、例えばイオナイザー、ウエハ搬送ハン
ド、チャンバードーム、クランプリング、その他の半導
体製造装置用部品等に好適に用いることができ、プラズ
マエッチング装置のような過酷な環境下で処理を行う装
置の部品に特に適している。
7)
全体の1〜6wt%であり、電気伝導率が10−8〜1
0−14S/cmであることを特徴とする請求項1に記
載の導電性セラミックス。
La、Ybのうち少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載の導電性セラミックス
材料。
あることを特徴とする請求項3に記載の導電性セラミッ
クス。
少なくとも1種を含む化合物がY2O3であり、前記複
合酸化物がY2TiO5−x(0<x<5)、Y2Ti
2O7−x(0<x<7)、またはこれらの混合物であ
ることを特徴とする請求項4に記載の導電性セラミック
ス。
とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の
導電性セラミックス。
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1
項に記載の導電性セラミックス。
ol%以上であることを特徴とする請求項7に記載の導
電性セラミックス。
ol%以上であることを特徴とする請求項8に記載の導
電性セラミックス。
化雰囲気中で用いられることを特徴とする請求項1ない
し請求項9のいずれか1項に記載の導電性セラミック
ス。
素富化雰囲気中の温度が400℃以上であることを特徴
とする請求項10に記載の導電性セラミックス。
素富化雰囲気中の温度が600℃以上であることを特徴
とする請求項11に記載の導電性セラミックス。
なくとも1種を含む化合物粉末に、TiO2粉末または
周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含
む化合物とTiO2とからなる複合酸化物粉末を、Ti
O2量が粉末全体の1〜15wt%となるような量で混
合し、成形し、焼成し、得られた焼結体の表面にカーボ
ンを主成分とする物質を接触させ、焼結体を不活性ガス
または還元雰囲気中で1300〜1900℃の温度で焼
成するか、または同様の雰囲気および温度にて1000
kgf/cm2以上の圧力で熱間静水圧プレス処理を施
すことを特徴とする導電性セラミックスの製造方法。
Y、La、Ybのうち少なくとも1種であることを特徴
とする請求項13に記載の導電性セラミックスの製造方
法。
であることを特徴とする請求項14に記載の導電性セラ
ミックスの製造方法。
ち少なくとも1種を含む化合物粉末がY2O3であり、
前記複合酸化物粉末がY2TiO5−x(0<x<
5)、Y2Ti2O7−x(0<x<7)、またはこれ
らの混合物であることを特徴とする請求項15に記載の
導電性セラミックスの製造方法。
たものであり、周期律表3A族に属する元素のうち少な
くとも1種を含む化合物とTiO2−x(0<x<2)
とをTiO2−x(0<x<2)の量が全体の1〜15
wt%となるような範囲で含み、これら化合物およびT
iO2−xの少なくとも一部が複合酸化物を形成し、か
つ電気伝導率が10−5〜10−14S/cmであるこ
とを特徴とする導電性セラミックスを提供するものであ
る。
元素のうち少なくとも1種を含む化合物粉末に、TiO
2粉末または周期律表3A族に属する元素のうち少なく
とも1種を含む化合物とTiO2とからなる複合酸化物
粉末を、TiO2量が粉末全体の1〜15wt%となる
ような量で混合し、成形し、焼成し、得られた焼結体の
表面にカーボンを主成分とする物質を接触させ、焼結体
を不活性ガスまたは還元雰囲気中で1300〜1900
℃の温度で焼成するか、または同様の雰囲気および温度
にて1000kgf/cm2以上の圧力で熱間静水圧プ
レス処理を施すことを特徴とする導電性セラミックスの
製造方法を提供するものである。
2−x(0<x<2)の量が全体の1〜6wt%であ
り、電気伝導率が10−8〜10−14S/cmである
ことが好ましい。
明する。本発明の導電性セラミックス材料は、周期律表
3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含む化合物
とTiO2−x(0<x<2)とをTiO2−x(0<
x<2)の量が全体の1〜15wt%となるような範囲
で含み、これら化合物およびTiO2−xの少なくとも
一部が複合酸化物を形成し、かつ電気伝導率が10−5
〜10−14S/cmである。
セラミックス全体の1〜15wt%とする。TiO
2−x(0<x<2)の含有量の好ましい範囲は1〜6
%である。TiO2−x(0<x<2)の量をこのよう
な範囲とすることにより、後述するような酸素を含むプ
ラズマガス雰囲気中や、加熱された大気雰囲気中または
酸素富化雰囲気中での電気伝導率の変化を小さくするこ
とができる。
律表3A族に属する元素の化合物の種類および割合を適
宜設定することにより、TiO2−x(0<x<2)の
含有量が1〜15wt%でその電気伝導率を10−5 〜
10−14S/cmの間で変化させることが可能であ
る。また、TiO2−x(0<x<2)の含有量を好ま
しい範囲である1〜6wt%とした場合には、10−8
〜10−14S/cmの間で変化させることが可能であ
る。
料の製造方法について説明する。本発明の導電性セラミ
ックスは、周期律表3A族に属する元素のうち少なくと
も1種を含む化合物粉末に、TiO2粉末または周期律
表3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含む化合
物とTiO2とからなる複合酸化物粉末を、TiO2量
が粉末全体の1〜15wt%となるような量で混合し、
成形し、焼成し、得られた焼結体の表面にカーボンを主
成分とする物質を接触させ、焼結体を不活性ガスまたは
還元雰囲気中で1300〜1900℃の温度で焼成する
か、または同様の雰囲気および温度にて1000kgf
/cm2以上の圧力で熱間静水圧プレス処理を施すこと
により好適に製造することができる。
8%以上、平均粒径3μmの周期律表3A族に属する元
素の化合物と、純度98%以上、平均粒径2μmのTi
O2粉末またはY2TiO5、Y2Ti2O7粉末を合
計で200g秤量し、ポリエチレンポット中にそれぞれ
の粉末と、イオン交換水200gと、φ10mmの鉄芯
入りナイロンボール250gを入れ、必要に応じて焼結
助剤としてSiO2またはMgOを1wt%添加し、1
6時間混合した。得られたスラリーをロータリーエバポ
レーターで減圧乾燥した後、得られた粉末を#100の
ナイロンメッシュでメッシュパスした。この粉末をφ5
0mmの金型を用いて圧力10kgf/cm2で厚さ6
mmに一次成形した後、圧力1200kgf/cm2で
冷間静水圧プレス成形して成形体を得た。得られた成形
体を表1に示す温度で3時間焼成した。得られた焼結体
の表面にカーボンペーストを塗布した後、常圧の還元雰
囲気下で所定温度2時間の処理、またはAr雰囲気下で
所定温度、所定圧力2時間のHIP処理を行った。これ
らの処理を施した焼結体について、相対密度を測定し
た。
Claims (18)
- 【請求項1】 周期律表3A族に属する元素のうち少な
くとも1種を含む化合物とTiO2−x(0<x<2)
とをTiO2−x(0<x<2)の量が全体の1〜90
wt%となるような範囲で含み、これら化合物およびT
iO2−xの少なくとも一部が複合酸化物を形成してい
ることを特徴とする導電性セラミックス。 - 【請求項2】 電気伝導率が104〜10−14S/c
mであることを特徴とする請求項1に記載の導電性セラ
ミックス。 - 【請求項3】 前記TiO2−x(0<x<2)の量が
全体の1〜15wt%であり、電気伝導率が10−5〜
10−14S/cmであることを特徴とする請求項1に
記載の導電性セラミックス。 - 【請求項4】 前記TiO2−x(0<x<2)の量が
全体の1〜6wt%であり、電気伝導率が10−8〜1
0−14S/cmであることを特徴とする請求項1に記
載の導電性セラミックス。 - 【請求項5】 前記周期律表3A族に属する元素がY、
La、Ybのうち少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の導電
性セラミックス材料。 - 【請求項6】 前記周期律表3A族に属する元素がYで
あることを特徴とする請求項5に記載の導電性セラミッ
クス。 - 【請求項7】 前記周期律表3A族に属する元素のうち
少なくとも1種を含む化合物がY2O3であり、前記複
合酸化物がY2TiO5−x(0<x<5)、Y2Ti
2O7−x(0<x<7)、またはこれらの混合物であ
ることを特徴とする請求項6に記載の導電性セラミック
ス。 - 【請求項8】 相対密度が98%以上であることを特徴
とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の
導電性セラミックス。 - 【請求項9】 酸素を含むプラズマガス中で用いられる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1
項に記載の導電性セラミックス。 - 【請求項10】 前記プラズマガス中の酸素濃度が10
vol%以上であることを特徴とする請求項9に記載の
導電性セラミックス。 - 【請求項11】 前記プラズマガス中の酸素濃度が40
vol%以上であることを特徴とする請求項10に記載
の導電性セラミックス。 - 【請求項12】 加熱された大気雰囲気中または酸素富
化雰囲気中で用いられることを特徴とする請求項1ない
し請求項11のいずれか1項に記載の導電性セラミック
ス。 - 【請求項13】 前記加熱された大気雰囲気中または酸
素富化雰囲気中の温度が400℃以上であることを特徴
とする請求項12に記載の導電性セラミックス。 - 【請求項14】 前記加熱された大気雰囲気中または酸
素富化雰囲気中の温度が600℃以上であることを特徴
とする請求項13に記載の導電性セラミックス。 - 【請求項15】 周期律表3A族に属する元素のうち少
なくとも1種を含む化合物粉末に、TiO2粉末または
周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種を含
む化合物とTiO2とからなる複合酸化物粉末を、Ti
O2量が粉末全体の1〜90wt%となるような量で混
合し、成形し、焼成し、得られた焼結体の表面にカーボ
ンを主成分とする物質を接触させ、焼結体を不活性ガス
または還元雰囲気中で1300〜1900℃の温度で焼
成するか、または同様の雰囲気および温度にて1000
kgf/cm2以上の圧力で熱間静水圧プレス処理を施
すことを特徴とする導電性セラミックスの製造方法。 - 【請求項16】 前記周期律表3A族に属する元素が
Y、La、Ybのうち少なくとも1種であることを特徴
とする請求項15に記載の導電性セラミックスの製造方
法。 - 【請求項17】 前記周期律表3A族に属する元素がY
であることを特徴とする請求項16に記載の導電性セラ
ミックスの製造方法。 - 【請求項18】 前記周期律表3A族に属する元素のう
ち少なくとも1種を含む化合物粉末がY2O3であり、
前記複合酸化物粉末がY2TiO5−x(0<x<
5)、Y2Ti2O7−x(0<x<7)、またはこれ
らの混合物であることを特徴とする請求項17に記載の
導電性セラミックスの製造方法。
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