JP2740152B2 - アルミナ被覆焼結体の製造方法 - Google Patents

アルミナ被覆焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼結体の製造方法
に係り、特に、高温条件下に曝される製造用部材等の焼
結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素をはじめとする非酸化物系セ
ラミックスは、高温での強度、靭性に優れるため、高温
構造部材への適用が期待されている。しかしながら、こ
のような非酸化物系セラミックスは、より高温域、例え
ば1300℃を越える温度での酸化性雰囲気下では、焼
結のために添加された微量の焼結助剤に起因して、表面
からの酸化が進行することが知られている。一方、高融
点酸化物、例えばアルミナは、耐熱性および耐酸化性に
優れており環境に対しては非常に安定であるものの、強
度が低いという問題点を有している。このような酸化物
は、炭化ケイ素等の粒子やウィスカーで複合することに
よって、機械的特性を向上させることができるが、複合
によって耐酸化性の低下を招いてしまう。
【0003】そこで、上述のような2種類のセラミック
スの特性を有効に利用するには、強度、靭性に優れる非
酸化物系セラミックスあるいは複合酸化物を基材とし
て、その表面を耐酸化性、耐熱性に優れる酸化物で覆う
ことが有効であると考えられている。なお、このように
セラミックス積層材を作製する方法としては、従来から
粉末による積層成形やスリップキャスティング、テープ
成形・積層法などが知られている。
【0004】しかしながら、上述のような方法を適用す
るには、セラミックス材料の形状が限定されてしまう。
すなわち、板状のような比較的単純な形状の場合には何
等問題がないが、タービン翼のような一般的に複雑な形
状を有するものに対しては適用が困難である。しかもこ
れらの方法は、積層される層の厚さを容易に制御するこ
とができない。加えて、仮に形状の問題が解決したとし
ても、基材となる材料と、積層される材料とで物性や収
縮率や焼結温度等が異なるため、単純に同時焼結したの
では種々の問題が発生する。具体的には、熱膨脹係数、
収縮率の大きい表層酸化物側に引っ張り応力が生じて、
クラックが生じてしまうことが実験的に明らかにされて
いる。
【0005】そこで、焼結温度による差、および収縮率
の差等を小さくするために、基材として焼結体を用い、
CVD等により表面に酸化物被膜を形成する方法も考え
られているが、この方法では、酸化に対してバリアとし
て有効に作用する程度の厚さの被膜を短時間で合成する
ことは、現状では極めて困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】このように、強度お
よび靭性に優れたセラミックスの表層部を、耐酸化性の
良好なアルミナで覆う方法として、粉末による積層成形
法、スリップキャスティング、テープ成形・積層法など
が知られているが、これらの方法は、いずれも複雑な形
状への対応が難しく、層厚さの制御も容易でない。ま
た、前述の方法により作製した成形体を同時焼結するに
至っては、焼結時に生じる熱膨脹率や収縮率の差および
焼結温度の違い等に起因した不都合は避けられないとい
う問題点があった。さらに、焼結体を用いるCVD被覆
法では、任意形状の焼結体へ適用することがきるが、酸
化を防止するのに効果のある厚さの膜を形成するには不
十分であった。
【0007】そこで、本発明は、耐熱性、耐酸化性に優
れるとともに、高い強度および高靭性を備え、かつ、任
意の形状の基材に適用し得るアルミナ被覆焼結体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決するた
めに、本発明は、炭化ケイ素焼結体、導電性粒子を含む
窒化ケイ素複合焼結体、または導電性粒子を含む高融点
酸化物複合焼結体のいずれかを電極材料とし、アルミニ
ウム粒子およびアルミナ粒子を含む分散液中にて、電気
泳動法により焼結体表面にアルミニウム粒子およびアル
ミナ粒子を同時に付着せしめて混合析出層を形成する工
程、アルミニウム粒子とアルミナ粒子とを含む混合析出
層が表面に形成された焼結体を乾燥する工程、乾燥後の
焼結体を酸素雰囲気中、900〜1200℃の温度で加
熱する第1の熱処理工程、および、第1の熱処理後の焼
結体を酸素雰囲気中、1400〜1700℃の温度で加
熱する第2の熱処理工程を具備するアルミナ被覆焼結体
の製造方法を提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
アルミナ被覆焼結体の製造方法において、電気泳動法の
際の電極材料として用いられる複合焼結体は、導電性粒
子を配合することによって、強度と導電性とを付与した
ものである。
【0010】導電性微粒子としては、炭化ケイ素の粒
子、炭化ケイ素のウィスカーまたは炭化ケイ素のプレー
トレットが挙げられ、これらは単独でも組み合わせて使
用されてもよい。なお、いずれの導電性粒子も、複合焼
結体の強度低下を避けるためには、過剰に大きすぎない
ことが望まれる。具体的には、炭化ケイ素粒子は、平均
粒径0.1〜5μmであることが好ましく、炭化ケイ素
ウィスカーは、直径0.5〜2μm、アスペクト比10
0以下であることが好ましく、炭化ケイ素プレートレッ
トは、直径1〜50μm、厚さ0.5〜5μmであるこ
とが好ましい。
【0011】複合焼結体中におけるこれら導電性粒子の
割合は、5〜30重量%であることが好ましく、20重
量%がより好ましい。導電性粒子の割合が5重量%未満
では、電気泳動を起こさせるには十分な導電性が得られ
ず、一方、30重量%を越えると緻密化が困難となり、
強度を大きく低下させるおそれがある。
【0012】また、高融点酸化物焼結体は特に限定され
ず、例えばアルミナ、ムライトおよびマグネシア等の焼
結体を、前述の導電性粒子で複合して使用することがで
きる。
【0013】本発明で用いられる複合焼結体および炭化
ケイ素焼結体は、通常の方法を用いて製造することがで
き、その形状、寸法等は、特に限定されるものではな
い。すなわち、本発明の製造方法においては、任意形状
かつ任意の寸法の焼結体を電極材料として用いて、電気
泳動法によりその表面にアルミニウム粒子とアルミナ粒
子との複合析出層を形成することができる。
【0014】電気泳動法に用いられる分散液は、アルコ
ールおよび水等の溶媒中にアルミニウム粒子とアルミナ
粒子とを分散させたものである。この際、アルミニウム
粒子とアルミナ粒子との分散液中における合計量は、全
重量に対して30重量%以内であることが好ましい。3
0重量%を越えると、均一な分散液を得ることが困難と
なる。
【0015】本発明において用いられるアルミニウム粒
子およびアルミナ粒子の平均粒径は、それぞれ0.5〜
5μmおよび0.5〜10μmであることが好ましい。
いずれの場合も、平均粒径が大きすぎると、熱処理の影
響が粒子内部まで到達しないおそれがある。なお、アル
ミニウム粒子の平均粒径は、より好ましくは1〜3μm
であり、アルミナ粒子の平均粒径は、より好ましくは
0.5〜2μmである。
【0016】これらのアルミニウム粒子とアルミナ粒子
は、1:1の体積比で配合することが好ましく、焼結時
に収縮の方が大きいと割れが発生するという観点から、
アルミニウム粒子の割合が10%程度多いことがより好
ましい。
【0017】なお、アルミニウム粒子とアルミナ粒子と
は、溶媒に分散するに先だって、例えばボールミルで1
2時間以上混合することによって、溶媒への分散性をよ
りいっそう高めて均一な分散液を得ることができる。
【0018】これらの粒子を分散するための溶媒として
は、具体的には、エタノール、メタノール、および水等
が挙げられ、かかる分散媒中に所定の割合でアルミニウ
ム粒子とアルミナ粒子とを加えることによって、本発明
で用いられる分散液が得られる。ここで、粒子の分散性
をよくし、安定な電気泳動を行なうために、添加剤を分
散液に加えてもよい。
【0019】添加剤として、例えば、塩酸、硫酸、およ
び酢酸等の酸;水酸化ナトリウム、およびアンモニア等
のアルカリを加えることによって、分散液のpHを調整
することができる。このようにpHを調整することによ
って、それぞれの添加剤において、粒子の移動度をより
活性化することが可能である。
【0020】また、添加剤として、ポリアミド系、ポリ
カルボン酸系、およびリン酸エステル系等の界面活性剤
を加えた場合には、これらの界面活性剤がセラミックス
粒子の表面に吸着して、粒子に電荷を与え、溶媒中に粒
子を効果的に分散させることができる。このような界面
活性剤は、セラミックス100重量部に対して0.2〜
5重量部程度の割合で添加することが好ましい。
【0021】本発明のアルミナ被覆焼結体の製造方法に
おける電気泳動の様子を図1に模式的に示す。図1に示
すように、アルミニウム粒子13とアルミナ粒子14と
を含む分散液18が収容された容器17中に、目的の焼
結体11と、対向電極12とを配置する。対向電極12
は、カーボン等の導電性を示す任意の材料により構成す
ることができる。なお、図1においては、焼結体11と
して、タービン翼形状の焼結体を使用し、この焼結体1
1を取り囲むような円筒状の対向電極12を示したが、
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、円管
等の形状の焼結体を用いて、ステンレス、白金等の金属
製の対向電極を使用しても何等差支えなく、要は電気泳
動法を行ない得る任意の構成とすることができる。
【0022】焼結体11および対向電極12の極性は、
分散液のpH等の条件に応じて適宜選択することができ
る。例えば、pHが3.5の場合には、アルミニウムお
よびアルミナのいずれもがプラスのζ電位を有すること
から、焼結体11側を負極とし、対向電極12側を正極
とする。この際の印加電圧および印加時間は、所望の膜
厚等に応じて適宜選択することができ、例えば〜100
Vの電圧を、定電圧電源15から0.5〜10分間印加
することができる。
【0023】電気泳動の際には、アルミニウム粒子およ
びアルミナ粒子の分散を高めるために、分散液を攪拌す
ることが好ましい。攪拌は、図1に示すようにマグネチ
ックスターラー16を用いたり、あるいは、分散液中に
設置された攪拌器を用いて行なうことができる。
【0024】このようにして、焼結体11の表面にアル
ミニウム粒子とアルミナ粒子との混合析出層が形成され
る。なお、この混合析出層の厚さは、焼結体の種類、お
よび目的等に応じて適宜選択することができ、また、膜
厚は、分散液中の粒子濃度、粒子の状態、分散液のpH
や電源電圧(電流)、および処理時間等を制御すること
によって、数μm〜数mmに至るまで制御が可能であ
る。
【0025】焼結体11の表面に、アルミニウム粒子と
アルミナ粒子とを含む混合析出層が所望の膜厚で形成さ
れた後、分散液中から焼結体11を取り出して、これを
徐々に乾燥する。なお、乾燥に当たっては、析出層に急
激な変化が生じるのを避けるため、長時間でゆっくりと
行なうことが好ましい。
【0026】十分に乾燥した後、析出層が形成された焼
結体を炉内で徐々に昇温して、900〜1200℃で1
〜10時間程度、加熱する。なお、加熱温度は、100
0〜1200℃程度が好ましい。900℃未満の熱処理
では、試料内部のアルミニウムが酸化されず残留してし
まい、一方1200℃を越えると、結果的にクラックが
生じてしまう。
【0027】この第1の熱処理工程においては、焼結体
の表面に形成されたアルミニウム/アルミナ析出層にお
けるアルミニウムが十分に酸化して、アルミナ層が形成
される。
【0028】次いで、この焼結体をさらに昇温し、14
00〜1700℃で0.5〜10時間程度加熱する。な
お、加熱温度が1400℃未満ではアルミナの十分な焼
結が起こらず、一方1700℃を越えると、アルミナが
粒成長してしまう。加熱温度は、好ましくは1500〜
1600℃である。
【0029】第2の熱処理工程においては、前述の第1
の熱処理工程で焼結体の表面に得られたアルミナ層が十
分に緻密化される。上述のようにアルミニウムとアルミ
ナとの混合粉末を用いた反応焼結によるアルミナを形成
することによって、無収縮のアルミナが得られる。通
常、アルミニウムは焼結時に酸化によって体積膨張を起
こし、一方、アルミナの焼結時には、体積収縮が生じ
る。すなわち、アルミニウムとアルミナとが同時に存在
していれば、これを加熱することによって、上述のよう
な体積膨張と体積収縮とを同時に引き起こし、全体とし
ての体積収縮率を調整することができる。
【0030】本発明においては、電気泳動法を用いて焼
結体の表面にアルミニウムとアルミナとを含む混合析出
層を形成した後、混合析出層が形成された焼結体を加熱
することによって、基材となる焼結体の表面に反応焼結
アルミナを形成することができる。しかも、用いるアル
ミニウムとアルミナの混合比率や焼結プロファイル等を
制御することによって、収縮率の異なるアルミナ材料を
合成することが可能である。したがって、基材となる焼
結体の収縮率と、表面に付着したアルミナの収縮率との
差を制御でき、基材と表面層との焼結温度の違いを考慮
する必要がなくなる。
【0031】さらに、本発明者らは、窒化ケイ素やアル
ミナ等の絶縁材料についても、導電性粒子をその内部に
含有せしめることによって、そのような絶縁性の焼結体
を電極として用いて、電気泳動法により前述のようなア
ルミニウム粉末とアルミナ粉末とを含む混合析出層を形
成可能であることを実験的に確認した。
【0032】本発明の方法は、基材となる焼結体の形状
が制限されることなく、任意の形状に適用可能であり、
その焼結体の表面に均一で比較的緻密なアルミナ層を形
成することができる。しかも、装置は簡単、安価であ
り、電気泳動自体も数分程度と短時間で行なうことがで
きる。このように、基材となる焼結体の強度、靭性をそ
れほど低下させることなく、耐熱性、および耐酸化性の
向上を図ることが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る耐酸化性・高
強度セラミックスの製造方法について、実施例を挙げて
説明する。まず、基材となる焼結体を次のようにして作
製した。具体的には、平均粒径約0.5μmに窒化ケイ
素粉末に、焼結助剤としての5重量%のイットリアおよ
び2重量%のアルミナ、さらに導電性を付与するための
20重量%の炭化ケイ素ウィスカー(平均粒径1μm、
アスペクト比50)を加えて原料となる混合粉末を得、
この粉末を用いて窒素雰囲気中、1750℃で1時間ホ
ットプレス焼結して作製した。
【0034】さらに、得られた焼結体を4×3×35m
mのJIS−R1601試験片形状に加工し、また対向
電極としては、図2に示したようなカーボン製の円筒状
のものを用意した。
【0035】一方、平均粒径約3μmの金属アルミニウ
ム粒子と、平均粒径約0.4μmのアルミナ粒子とを、
重量比で全体の10%となるように分散媒としてのエタ
ノールに加え分散液を調製した。さらに、この分散液に
酸として酢酸を加えてpHを3.5とした。
【0036】電気泳動を行なうに当たっては、図2に示
したような所定の容器内に収容された分散液の中に、焼
結体試料と、この試料を取り囲むように1.5cmの間
隔をあけて対向電極とを配置した。さらに、分散液中の
粒子がサスペンション状態となるように維持しつつ、定
電圧電源により直流電圧を印加した。
【0037】なお、本条件におけるζ電位は、アルミニ
ウムおよびアルミナともにプラスであることから、試料
側を負極にし、対向電極側を正極にして、これらの間に
10Vの電圧を1分間印加した。その結果、炭化ケイ素
ウィスカーで複合された窒化ケイ素複合焼結体の表面に
は、アルミニウム粒子およびアルミナ粒子を含む混合析
出層が形成された。
【0038】図2には、10Vを印加し続けた時間と、
焼結体試料の表面に形成された混合析出層の厚さとの関
係を示す。図2のグラフから、直流電圧の印加時間を制
御することによって膜厚を調整できることがわかる。な
お、混合析出層の厚さの変化は、分散媒を水や他の有機
溶媒に変更した場合にも確認された。
【0039】上述のようにして表面にアルミニウム/ア
ルミナ混合析出層が形成された焼結体を、ゆっくりと時
間をかけて乾燥した後、炉内で酸素雰囲気にて反応焼結
を行なった。まず、徐々に昇温して1100℃で2時間
保持し、混合析出層の内部に存在するアルミニウムを十
分酸化させてアルミナ層に変化させ、次いで、1550
℃まで昇温してこのアルミナ層の緻密化を図った。
【0040】得られたアルミナ被覆焼結体は、表層アル
ミナ層に若干の微小な空隙が認められるものの、見かけ
上、特に問題となる欠陥はなく、また、数100μm程
度の形成では窒化ケイ素の有する高強度、高靭性特性を
大きく損なうものではなかった。
【0041】比較のために、アルミニウム粒子またはア
ルミナ粒子のみを電気泳動法にて被処理焼結体表面に析
出させる以外は、前述と同様の条件にて熱処理を行なっ
てアルミナ被覆焼結体を作製し、得られたアルミナ層を
観察した。
【0042】その結果、アルミニウム粒子のみを析出さ
せ、熱処理した場合には、析出層の体積が膨張して、表
面に形成されたアルミナ層がめくれあがって基材から剥
がれてしまった。
【0043】一方、アルミナ粒子のみを付着させた場合
には、析出層厚さが200μmを越えるあたりから、乾
燥時にひび割れが生じてしまった。さらに、比較的薄
く、緻密なアルミナ粒子層が形成できた場合にも、熱処
理過程において、アルミナ層に微細な亀裂が生じている
のが観察された。これは、アルミナが焼結するときに収
縮を起こすため、収縮の少ない基材に対して引っ張り応
力が働いたためであると考えられる。
【0044】このように、アルミニウム粒子とアルミナ
粒子とを含む混合析出層を焼結体の表面に形成し、次い
で2段階の熱処理を行なうことによって、焼結体の表面
に緻密なアルミナ層を形成できることがわかった。
【0045】なお、本発明の方法において焼結体の表面
に形成されるアルミナ層は、分散液中のアルミニウム粒
子、アルミナ粒子あるいは電気泳動の条件等によって変
わってくる。アルミニウムの体積膨張とアルミナの体積
収縮とが一致して、アルミニウム/アルミナがほぼゼロ
収縮で生成する条件は、アルミニウム/アルミナ体積比
がほぼ5:4のときであることが確認されたが、アルミ
ニウム粒子が過剰気味であっても、すなわち、反応焼結
時に若干体積膨張側になるようにしても、割れのないア
ルミナ被覆層を形成することができた。また、得られる
アルミナ層の相対密度は、諸条件によって変化するた
め、80〜95%とさまざまであるが、特に粒径のより
小さなアルミニウム微粒子を用いた場合に表層部の緻密
化がより促進された。
【0046】上述の実施例では、基材としてウィスカー
で複合された窒化ケイ素を用いて説明したが、焼結体と
して炭化ケイ素単体を用いた場合にも同様の結果が得ら
れた。さらに、炭化ケイ素粒子(ウィスカー、プレート
レットを含む)で複合したアルミナやムライト等の他酸
化物を基材として用いた場合にも、耐熱性、耐酸化性に
優れるとともに、高い強度および高靭性を備えたアルミ
ナ被覆焼結体を製造することができた。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法によ
り、高温酸化性雰囲気下で使用可能な耐酸化性と高強
度、高靭性とを兼ね備えたアルミナ被覆焼結体を製造す
ることができる。かかる焼結体は、高温ガスタービン用
部材や自動車用エンジン用部材、あるいは超高速航空機
用外壁材料、または、切削加工用工具材等に有効に適用
することができる。しかも、本発明の製造方法は、装置
を複雑化する必要がなく安価であるのみならず、種々の
複雑な形状の焼結体にアルミナ被覆を施すことが可能で
あり、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミナ被覆焼結体の製造方法に
おける電気泳動の工程を示す模式図。
【図2】電圧印加時間と(アルミニウム/アルミナ)混
合析出層の厚さとの関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
11…被処理焼結体 12…対向電極 13…アルミニウム粒子 14…アルミナ粒子 15…定電圧発生装置 16…マグネチックスターラー 17…容器 18…分散液

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素焼結体、導電性粒子を含む窒
    化ケイ素複合焼結体、または導電性粒子を含む高融点酸
    化物複合焼結体のいずれかを電極材料とし、アルミニウ
    ム粒子およびアルミナ粒子を含む分散液中にて、電気泳
    動法により焼結体表面にアルミニウム粒子およびアルミ
    ナ粒子を同時に付着せしめて混合析出層を形成する工
    程、 アルミニウム粒子とアルミナ粒子とを含む混合析出層が
    表面に形成された焼結体を乾燥する工程、 乾燥後の焼結体を酸素雰囲気中、900〜1200℃の
    温度で加熱する第1の熱処理工程、および第1の熱処理
    後の焼結体を酸素雰囲気中、1400〜1700℃の温
    度で加熱する第2の熱処理工程を具備するアルミナ被覆
    焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導電性粒子は、炭化ケイ素の粒子、
    炭化ケイ素のウィスカーおよび炭化ケイ素のプレートレ
    ットからなる群から選択された少なくとも1種であり、
    複合焼結体中に5〜30重量%の割合で配合されている
    請求項1に記載のアルミナ被覆焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散液中のアルミニウム粒子の平均
    粒径は0.5〜5μmであり、アルミナ粒子の平均粒径
    は0.5〜10μmである請求項1または2に記載のア
    ルミナ被覆焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散液中におけるアルミニウム粒子
    の割合と、アルミナ粒子の割合とが1:1である請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載のアルミナ被覆焼結体
    の製造方法。
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