JP2001089113A - 安定化赤リン、その製造方法及び難燃性高分子材料 - Google Patents

安定化赤リン、その製造方法及び難燃性高分子材料

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JP2001089113A JP26000299A JP26000299A JP2001089113A JP 2001089113 A JP2001089113 A JP 2001089113A JP 26000299 A JP26000299 A JP 26000299A JP 26000299 A JP26000299 A JP 26000299A JP 2001089113 A JP2001089113 A JP 2001089113A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機被覆層が強固で安定であり、製造の際に
沈降速度及びろ過速度が速く製造コストが低く、しか
も、洗浄により塩類を容易に除去可能な安定化赤リンを
提供することを提供すること。 【解決手段】 本発明に係る安定化赤リンは、赤リン粒
子の表面に3次元構造の無機被覆層が形成された安定化
赤リンであって、平均粒子径(MA )が0.1〜50μ
m 、BET比表面積(A)が5m2/g以上、且つ、該BE
T比表面積(A)と下記式(1); B(m2/g)=6/(ρ・MA ) (1) (式中、ρは赤リンの比重(g/cm3) を示す)で算出され
る理論比表面積(B)との比表面積比A/Bが50以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定化赤リン、そ
の製造方法及び難燃性高分子材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、赤リンは、合成樹脂等に配合
される難燃剤として知られている。しかし、赤リンは水
分と直に接触すると加水分解反応を起こし、ホスフィン
ガスを発生するため、使用に際し問題がある。このた
め、赤リンの表面を有機又は無機材料で被覆することに
より水分に対して安定とした、いわゆる安定化赤リンが
種々提案されている。このうち有機材料で被覆した安定
化赤リンは製造時に未反応の有機物が廃水中に含まれる
等の問題があるため、無機材料で被覆した安定化赤リン
が好ましい。
【0003】無機材料で表面を被覆した安定化赤リンと
しては、例えば、特開平1−24008号公報に、安定
化赤リンの製造方法が開示されており、該発明によれば
耐熱分解性及び耐加水分解性に優れる安定化赤リンが得
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記発
明記載の安定化赤リンは、製造する際に懸濁液中にチタ
ン−アルミニウム縮合物系複合水和物の微粒子が存在す
るため安定化赤リンの沈降速度及びろ過速度が遅くな
る。このため、製造に時間がかかり、コストが高くなる
という問題があった。さらに、得られる安定化赤リンの
無機粉体の被覆の厚さが十分でなく、無機被覆層が破壊
し易いという問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、無機被覆層が強
固で安定であり、しかも、製造の際に沈降速度及びろ過
速度が速く製造コストが低い安定化赤リンを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、製造の際に、赤リン
粒子の水性懸濁液に金属塩を添加した後アルカリを添加
し、次いで凝集剤を添加すれば、液中に存在する金属水
和物の微粒子が赤リン粒子表面の無機被覆層内に取り込
まれることにより、安定化赤リンの沈降速度及びろ過速
度が速く製造コストが低くなると共に、取り込まれた微
粒子により無機被覆層が3次元構造になり強固になるこ
と、また、ろ滓の洗浄の際に塩類を容易に除去可能なこ
と、さらに、該安定化赤リンは、レーザー法で測定した
平均粒子径(MA )、BET比表面積(A)、及びBE
T比表面積(A)と理論比表面積(B)との比表面積比
A/Bが特定範囲のものであることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、赤リン粒子の表面に
3次元構造の無機被覆層が形成された安定化赤リンであ
って、平均粒子径(MA )が0.1〜50μm 、BET
比表面積(A)が5m2/g以上、且つ、該BET比表面積
(A)と下記式(1); B(m2/g)=6/(ρ・MA ) (1) (式中、ρは赤リンの比重(g/cm3) を示す)で算出され
る理論比表面積(B)との比表面積比A/Bが50以上
であることを特徴とする安定化赤リンを提供するもので
ある。
【0008】また、本発明は、赤リン粒子の水性懸濁液
に金属塩を添加した後アルカリを添加し、次いで凝集剤
を添加することを特徴とする安定化赤リンの製造方法を
提供するものである。
【0009】また、本発明は、前記安定化赤リンが、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラストマーに配合され
形成されたことを特徴とする難燃性高分子材料を提供す
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る安定化赤リン
について説明する。本発明に係る安定化赤リンは、赤リ
ン粒子の表面に3次元構造の無機被覆層が形成されたも
のである。赤リン粒子は、粒子径が90μm 以下、好ま
しくは1〜30μm であり、平均粒子径が5〜30μm
、好ましくは8〜25μm 、さらに好ましくは10〜
20μmである。粒子径及び平均粒子径が上記範囲内に
あると樹脂に添加し易いため好ましい。
【0011】無機被覆層は、赤リン粒子が水分と接触し
ないように形成された該粒子表面の被覆層であり、無機
材料からなる3次元構造のものである。このような無機
被覆層としては、例えば、赤リン粒子の表面に無機粉体
が凝集しつつ積み重なり形成された3次元構造のものが
挙げられる。ここで、3次元構造とは、無機被覆層を構
成する無機材料がバルクな層でなく、連通する空隙を有
するように形成された表面積が大きい状態の構造をい
う。図1に本発明に係る安定化赤リンの一例の表面付近
の拡大断面の模式図を示す。図1中、1は赤リン粒子、
2は無機被覆層、3は無機粉体、4は空隙である。図1
の例では、赤リン粒子1表面の無機被覆層2は、赤リン
粒子1の表面から無機粉体3が凝集しつつ積み重なって
形成された3次元構造のものとなっており、無機粉体3
間には連通する空隙4が形成されている。
【0012】無機被覆層を構成する無機材料としては、
例えば、Si、Al、Mg、Ti、Zn、Fe、Sb、
Co、Zr、V、Ca等の元素それぞれの酸化物、水酸
化物及びリン酸塩から選択される1種又は2種以上から
なるものが挙げられる。具体的には、例えば、水酸化チ
タン、酸化チタン、ポリ塩化アルミニウムを加水分解し
て得られる縮合アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化珪素、亜
鉛華、りん酸カルシウム、アパタイト等が挙げられ、こ
のうち水酸化チタン、酸化チタン、水酸化アルミニウム
等は、赤リン粒子表面の被覆性が高いため好ましい。無
機材料は、無機粉体であると耐熱性があるため好まし
い。該粉体は、金属塩とアルカリとの反応で生成する極
めて微細な粒子であり、その平均粒子径は特に制限され
るものではないが、例えば、0.001〜1μm 、好ま
しくは0.01〜0.1μm である。無機被覆層は、均
一に被覆された構造のものであることが好ましい。
【0013】本発明に係る安定化赤リンは、無機被覆層
まで含めた粒子径が100μm 以下、好ましくは1〜2
5μm であり、平均粒子径(MA )が0.1〜50μm
、好ましくは1〜50μm 、さらに好ましくは5〜2
0μm である。粒子径及び平均粒子径(MA )が上記範
囲内にあると、樹脂等に添加し易いため好ましい。ここ
で、安定化赤リンの粒子径及び平均粒子径(MA )はレ
ーザー法により測定される値である。レーザー法を用い
る理由は汎用性があり、且つ、粒子径を具体的に測定で
きることによるものである。
【0014】また、本発明に係る安定化赤リンは、BE
T比表面積(A)が5m2/g以上、好ましくは10m2/g以
上、さらに好ましくは15〜50m2/gである。BET比
表面積(A)が上記範囲内にあると、赤リン粒子表面が
十分に被覆安定化されているため好ましい。ここで、B
ET比表面積(A)は窒素吸着法により測定される値で
ある。
【0015】また、安定化赤リンのBET比表面積
(A)と上記式(1)で算出される理論比表面積(B)
との比表面積比A/Bが50以上、好ましくは100以
上、さらに好ましくは150〜400である。比表面積
比A/Bは、安定化赤リンの形状を表面が平滑な球と仮
定して算出した理論比表面積(B)に対する、現実のB
ET比表面積(A)の比率を示し、A/Bが大きくなる
ほど粒子表面が表面積の多い複雑な形状であることを示
す。本発明に係る安定化赤リンは、比表面積比A/Bが
上記範囲内にあるため、無機被覆層が十分に表面積の多
い3次元構造に形成されている。このため、無機被覆層
が赤リン粒子の表面に強固に形成されて剥離し難くなっ
ており、従って、赤リン自体が水分と接触してホスフィ
ン等を発生し難く安定化の度合が高い。
【0016】次に本発明に係る安定化赤リンの製造方法
について説明する。本発明に係る安定化赤リンの製造方
法は、赤リン粒子の水性懸濁液に金属塩を添加した後ア
ルカリを添加し、次いで凝集剤を添加するものである。
まず、水に赤リン粒子を添加し攪拌する等して赤リン粒
子の水性懸濁液を調製する。用いられる赤リン粒子とし
ては、上述の特定径のものが挙げられる。赤リンは、水
100重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは2
0〜50重量部となる量で用いる。
【0017】次に、水性懸濁液に金属塩を添加し、その
後アルカリを添加する。なお、金属塩及びアルカリの添
加は水性懸濁液の攪拌下で行うことが好ましい。金属塩
としては、例えば、Si、A1、Mg、Ti、Zn、F
e、Sb、Co、Zr、V、Ca等の水溶性金属塩が挙
げられ、具体的には、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アル
ミニウム等が挙げられる。金属塩は、赤リンに対して、
0.5〜30重量%、好ましくは5〜15重量%の量で
用いる。
【0018】アルカリとしては、例えば、アンモニアガ
ス、アンモニア水、苛性ソーダ、苛性カリ、NaHCO
3 、Na2 CO3 、K2 CO3 、KHCO3 、Ca(O
H) 2 等の無機アルカリ剤、またはエタノールアミン等
の有機アルカリ剤から選ばれた少なくとも1種以上のも
のが用いられるが、これらのうち、アンモニアガス又は
アンモニア水は副生物の洗浄除去が容易なため好まし
い。中和の終点はpH6〜8、好ましくはpH6.5〜
7.5である。中和の終点が該範囲内にあると、中和が
略終了しているため好ましい。本工程では、金属塩を添
加して、さらにアルカリを添加することにより、水性懸
濁液中の金属塩が還元されて赤リン粒子の表面に沈積
し、金属化合物よりなる3次元構造の無機被覆層が形成
される。また、本工程において、水性懸濁液の温度は室
温〜100℃にする。
【0019】次に、中和した水性懸濁液に凝集剤を添加
する。なお、凝集剤の添加は該水性懸濁液の攪拌下で行
うことが好ましい。凝集剤としては、市販されているも
のであれば特に制限されないが、ポリ塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム等が凝集効果に優れるため好まし
く用いられる。なお、上記金属塩及びアルカリを添加す
る工程において、金属塩としてポリ塩化アルミニウム又
は硫酸アルミニウム等を用い、これにアルカリを添加し
て水酸化アルミニウムからなる無機被覆層を形成した場
合は、金属塩として添加したポリ塩化アルミニウム又は
硫酸アルミニウム等が凝集剤としても作用するため、改
めて凝集剤を添加する必要はない。凝集剤は、赤リンに
対して、0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜
0.5重量%の量で用いる。
【0020】本工程では、凝集剤を添加することによ
り、液中に浮遊する金属水和物の微粒子が安定化リンの
無機被覆層中の3次元構造の空隙内に取り込まれるた
め、無機被覆層の3次元構造が成長して該層がさらに強
固なものとなる。本工程において、水性懸濁液の温度は
60℃以上、好ましくは80〜90℃にする。次に、上
記安定化赤リンが生成した水溶液をろ過し、ろ滓を洗浄
すると本発明に係る安定化赤リンが得られる。本発明に
係る安定化赤リンは、上記凝集剤の添加により液中に金
属水和物の微粒子が実質的に存在しなくなるため、安定
化赤リンの製造の際に、生成した安定化赤リン等の沈降
速度及びろ過速度が速くなる。また、ろ滓の洗浄で容易
に塩類を除去でき、低コストで導電性の低い安定化赤リ
ンを製造できる。本発明に係る安定化赤リンは、各種高
分子材料の難燃剤に使用でき、特に導電性が低いことが
要求される電気材料用高分子材料に配合される難燃剤と
して好ましく使用できる。
【0021】次に、本発明に係る難燃性高分子材料につ
いて説明する。本発明に係る難燃性高分子材料は、上記
本発明に係る安定化赤リンが熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂又はエラストマーに配合されたものである。
【0022】熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性
ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン
系樹脂;ポリエステルエーテル系樹脂;ポリアミドエー
テル系樹脂;ポリフェニレンオキサイド系樹脂;ポリカ
ーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;スチレン−ア
クリロニトリル系共重合体(AS樹脂);アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂);ポ
リα−オレフィン、α−オレフィンと他のモノマーとの
共重合体等のポリオレフィン系樹脂;メタアクリル系樹
脂;ポリ塩化ビニル;フッ素樹脂;ポリイミド;ポリア
セタール;酢酸セルロース(セルロース樹脂);ポリス
ルホン熱可塑性ポリイミド;ポリブチレンアイオノマー
系樹脂;難燃性熱可塑性樹脂等が挙げられる。以下、熱
可塑性樹脂の各樹脂について説明する。
【0023】(1)熱可塑性ポリエステル系樹脂 熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカル
ボン酸成分として2価以上のカルボン酸又はそのエステ
ル形成性誘導体を用い、ジオール成分として2価以上の
アルコール及び(又は)フェノールあるいはそれらのエ
ステル形成性誘導体を用い、これらを公知の方法で重縮
合することにより得られる熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0024】ジカルボン酸成分として用いられる2価以
上のカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体として
は、例えば、炭素数8〜22の2価以上の芳香族カルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらの具体例としては、テレフタル酸やイソフタル酸
等のフタル酸類、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−
カルボキシフェニル)メタンアントラセンジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸等の2
価芳香族カルボン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸等の3価以上の芳香族カルボン酸等やこ
れらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのう
ちでは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸が、取り扱い易く、反応が容易で、得られる樹
脂の耐熱性と流動性とのバランスが良好である等の点か
ら好ましい。これらは単独で用いてもよく2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0025】ジオール成分として用いられる2価以上の
アルコール及び(又は)フェノールあるいはこれらのエ
ステル形成性誘導体としては、例えば、炭素数2〜15
の脂肪族化合物、炭素数6〜20の脂環式化合物、炭素
数6〜40の芳香族化合物であって分子内に2個以上の
水酸基を有する化合物、又はこれらのエステル形成性誘
導体等が挙げられる。これらの具体例としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチル
グルコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パン、ハイドロキノン等の芳香族ジオール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール又
はフェノール等や、それらのエステル形成性誘導体が挙
げられる。これらのうちでは、エチレングリコール、ブ
タンジオール、シクロヘキサンジメタノールが、取り扱
い易く、反応が容易で、得られる組成物の耐熱性、流動
性、耐薬品性等の物性バランスに優れるため好ましい。
【0026】上記ジカルボン酸成分及びジオール成分か
ら得られる熱可塑性ポリエステル系樹脂の具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブ
チレンナフタレート等が挙げられる。
【0027】また、熱可塑性ポリエステル系樹脂は、所
望の特性を損わない範囲で、公知の共重合可能な成分と
共重合されてもよい。共重合可能な成分としては、炭素
数4〜12の2価以上の脂肪族カルボン酸、炭素数8〜
15の2価以上の脂環式カルボン酸等のカルボン酸類及
びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これら
の具体例としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等のジカルボン酸又はそのエステル形成性誘
導体;p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸の
ようなオキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体;ε
−カプロラクトンのような環状エステル等;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチ
レンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び
(又は)ランダム共重合体、ビスフェノールA共重合ポ
リエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノールA共重
合プロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノールA共
重合テトラヒドロフラン付加重合体、ポリテトラメチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール単位等が挙
げられる。これらのうち、ポリアルキレングリコール単
位を共重合させると、熱可塑性ポリエステル系樹脂にエ
ラストマーとしての特性を付与することができる。共重
合可能な成分の配合割合は、熱可塑性ポリエステル系樹
脂中に30重量%以下、好ましくは20重量%以下であ
る。
【0028】ポリエチレンテレフタレート又はポリブチ
レンテレフタレートについて、さらに詳細に説明する。
ポリエチレンテレフタレートには、熱安定性、成形流動
性、耐溶剤性を損なわない範囲内で、共重合可能な公知
の成分を用いることができる。以下、ポリエチレンテレ
フタレート又はポリブチレンテレフタレートとは、ポリ
エチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレー
トの構造を主として含むものであって、且つ、単独重合
体及び共重合体の両者を含む意味で用いる。共重合可能
な公知の成分としては、炭素数8〜22の2価以上の芳
香族カルボン酸、炭素数4〜12の2価以上の脂肪族カ
ルボン酸、炭素数8〜15の2価以上の脂環式カルボン
酸等のカルボン酸類、及びこれらのエステル形成性誘導
体;炭素数3〜15の脂肪族化合物、炭素数6〜20の
脂環式化合物又は炭素数6〜40の芳香族化合物であっ
て分子内に2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物
類、及びこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ
る。
【0029】共重合可能なカルボン酸類及びこれらのエ
ステル形成性誘導体としては、例えば、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニ
ル)メタンアントラセンジカルボン酸、4−4’−ジフ
ェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン−4,4’−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、ト
リメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロへキサ
ンジカルボン酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸等
のカルボン酸、又はそのエステル形成能を有する誘導体
が挙げられる。
【0030】共重合可能な水酸基含有化合物類及びこれ
らのエステル形成性誘導体としては、例えば、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デ
カンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロへキサ
ンジメタノール、シクロへキサンジオール、2,2’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイ
ドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の化
合物、又はそのエステル形成能を有する誘導体;p−オ
キシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸のようなオキシ
酸、及びこれらのエステル形成性誘導体;ε−カプロラ
クトンのような環状エステル等;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサ
イド−プロピレンオキサイド)ブロック及び/又は同ラ
ンダム共重合体、ビスフェノールA共重合ポリエチレン
オキシド付加重合体、同プロピレンオキシド付加重合
体、同テトラヒドロフラン付加重合体、ポリテトラメチ
レングリコール等のポリアルキレングリコール単位が挙
げられる。共重合可能な公知の成分の共重合量は、概ね
20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好
ましくは10重量%以下である。
【0031】モノマーを重合してポリエチレンテレフタ
レートを製造するには、特に制限はなく、公知の種々の
重合反応触媒を用いて、溶融重縮合、固相重合等の公知
の方法で製造することができる。重合反応触媒として
は、例えば、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、
スズ化合物、チタン化合物等が挙げられるが、熱安定性
の面からゲルマニウム化合物を用いるのが好ましい。
【0032】ポリブチレンテレフタレートとしては、テ
レフタル酸をジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオー
ルをジオール成分として用いた、主鎖にエステル結合を
有する高分子量の熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
ポリブチレンテレフタレートには、その他の共重合可能
な成分を共重合することができる。共重合可能なジカル
ボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、オルトフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ
る。共重合可能なジオール成分としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ビスフェノールA等、及びリンを含有する化合物が挙げ
られる。
【0033】上記熱可塑性ポリエステル系樹脂は、アル
キレンテレフタレート繰り返し単位、特にエチレンテレ
フタレート繰り返し単位を80モル%以上含有すると、
ポリエチレンテレフタレート樹脂が有する熱安定性、耐
溶剤性等の好ましい特性を保持できるため好ましい。ま
た、熱可塑性ポリエステル系樹脂は、フェノール/テト
ラクロロエタン=1/1(重量比)混合溶媒中、25℃
での対数粘度(IV)が0.3〜2.0dl/g、好ましく
は0.4〜1.5dl/gである。対数粘度(IV)が0.
3dl/g以上であると、耐熱性が良好で、充分な熱安定性
が得られ、2.0dl/g以下であると、成形流動性に優れ
る。
【0034】(2)ポリアミド系樹脂 ポリアミド系樹脂としては、例えば、いわゆる6−ナイ
ロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−
ナイロン等の脂肪族ポリアミド;ポリヘキサメチレンイ
ソフタラミド、ポリメタキシリレンイソフタラミド等の
芳香族ポリアミド等;各種重縮合ポリアミドが挙げられ
る。各種重縮合ポリアミドとしては、上記脂肪族ポリア
ミド及び芳香族ポリアミドの原料単量体;ピロリドン、
ε−カプロラクタム等のラクタム類;エチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、ビス−γ−アミノプロピ
ルエーテル等のジアミン類;又は前記ポリエステルのジ
カルボン酸類の中から組み合わせて得られるものが挙げ
られる。
【0035】(3)ポリウレタン系樹脂 ポリウレタン系樹脂としては、各種高分子量ポリオール
を、脂肪族ジイソシアナート等のジイソシアナート類と
反応させて得られるプレポリマーを重合させたものが挙
げられる。高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリ
エチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ−
ε−カプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等が挙げられる。ジイソシアナ
ート類としては、4、4’−ジフェニルメチレンジイソ
シアナナート、トルイレンジイソシアナート、ヘキサメ
チレンジイソシアナート等が挙げられる。また、上記ポ
リオールと上記ジイソシアナート類との反応の際に用い
られる触媒としては、エチレングリコール、1、4−ブ
タンジオール、ビス−β−ヒドロキシエトキシベンゼ
ン、N−メチルジメタノールアミン、N,N’−ジメチ
ルヘキサメチルジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エ
チレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミ
ン、又はp−キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0036】(4)ポリエステルエーテル又はポリアミ
ドエーテル系樹脂 ポリエステルエーテル又はポリアミドエーテル系樹脂と
しては、例えば、上記ポリエステル又はポリアミドの原
料である各種単量体又はオリゴマーと、各種重合度のポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リブチレングリコール又はこれらの末端ヒドロキシル基
をアミノ基に変えたポリエーテルジアミンとを共重合し
て得られるランダム又はブロック共重合体が挙げられ
る。
【0037】(5)ポリフェニレンオキサイド系樹脂 ポリフェニレンオキサイド系樹脂としては、例えば、ポ
リフェニレンエーテルの単独重合体又は共重合体が挙げ
られる。ポリフェニレンエーテル単独重合体としては、
例えば、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1、4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジエチル−
1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6
−nプロピル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2、6−ジ−nプロピル−1、4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−6−nブチル−1、4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピ
ル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル
−6−ヒドロキシルエチル−1、4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1、4−
フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
また、ポリフェニレン共重合体としては、例えば、2、
3、6−トリメチルフェノール等のアルキル置換フェノ
ールと、o−クレゾール等とを共重合して得られるポリ
フェニレンエーテル構造を主体としてなるものが挙げら
れる。また、これらは、ポリスチレン等によって変性さ
れたものであってもよい。変性方法としては、ブレンド
法、グラフト重合法等のいずれも採用できる。
【0038】(6)ポリカーボネート系樹脂 ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、水酸基が2
価以上のフェノール系化合物と、ホスゲンまたはジフェ
ニルカーボネートのような炭酸ジエステルとを反応させ
て得られるものが挙げられる。2価以上のフェノール系
化合物としては、特に限定されないが、2価フェノール
化合物である2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(通称ビスフェノールA)が経済的、機械的強
度の点から好ましい。
【0039】ビスフェノールA以外の2価フェノール化
合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−イソプロピ
ルフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1−ナフチル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル
−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−
メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1−エチル−1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4−メチル−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,
10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン等のジヒドロキシジアリールアルカン類;1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロデカン等のジヒドロキシジアリールシ
クロアルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン
類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル等のジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−
ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テ
トラメチル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等
のジヒドロキシジアリールケトン類;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のジヒドロ
キシジアリールスルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド等のジヒドロキシジアリールスル
ホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニル等のジ
ヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン等のジヒドロキシアリールフル
オレン類等が挙げられる。また、前記2価フェノール化
合物以外に、ヒドロキノン、レゾルシノール、メチルヒ
ドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類;1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン
等のジヒドロキシナフタレン類等の2価フェノール化合
物が挙げられる。
【0040】3価以上のフェノール系化合物としては、
得られるポリカーボネート系樹脂が熱可塑性を維持する
ものが挙げられ、例えば、2,4,4’−トリヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシフ
ェニルエーテル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキ
シフェニルエーテル、2,4,4’−トリヒドロキシジ
フェニル−2−プロパン、2,2’−ビス(2,4−ジ
ヒドロキシ)プロパン、2,2’,4,4’−テトラヒ
ドロキシジフェニルメタン、2,4,4’−トリヒドロ
キシジフェニルメタン、1−[α−メチル−α−(4’
−ジヒドロキシフェニル)エチル]−3−[α’,α’
−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼ
ン、1−[α−メチル−α−(4’−ジヒドロキシフェ
ニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒド
ロキシフェニル)エチル]ベンゼン、α,α’,α”−
トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ
−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−2
−ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、2,2−ビス[4,4−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパ
ン、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−5’−イソプロ
ピルベンジル)−4−イソプロピルフェノール、ビス
[2−ヒドロキシ−3−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス
[2−ヒドロキシ−3−(2’−ヒドロキシ−5’−イ
ソプロピルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、
テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2’,
4’,7−トリヒドロキシフラバン、2,4,4−トリ
メチル−2’,4’,7−トリヒドロキシフラバン、
1,3−ビス(2’,4’−ジヒドロキシフェニルイソ
プロピル)ベンゼン、トリス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−アミル−s−トリアジン等が挙げられる。これら
2価以上のフェノール系化合物は、それぞれ単独で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】炭酸ジエステルとしては、例えば、ジアル
キルカーボネート、ジシクロアルキルカーボネート、ジ
アリールカーボネート等が挙げられる。これら炭酸ジエ
ステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。得られるポリカーボネート系
樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート
樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとジフェ
ニルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネ
ート樹脂等が挙げられる。
【0042】(7)ポリスチレン系樹脂 ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン等のα−置換スチレン重合体;ビニルト
ルエン等のビニル芳香族化合物の重合体;前記ビニル芳
香族化合物と共重合可能な他の単量体、例えば、アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリル酸、これらのメチルある
いはエチルエステル等との共重合体;前記重合体にこの
重合体と共重合可能な他の単量体をグラフトさせたグラ
フト共重合体等が挙げられる。
【0043】具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ
α−メチルスチレン、ゴム質重合体変性ポリスチレン、
(α−メチル)スチレン・アクリロニトリル共重合体
(スチレン・アクリロニトリル共重合体及び(又は)α
−メチルスチレン・アクリロニトリル共重合体を意味す
る、以下同様)、ゴム質重合体変性(α−メチル)スチ
レン・アクリロニトリル共重合体、(α−メチル)スチ
レン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
ゴム質重合体変性(α−メチル)スチレン・(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、(α−メチル)ス
チレン・N−フェニルマレイミド共重合体、(α−メチ
ル)スチレン・N−フェニルマレイミド・アクリロニト
リル共重合体、ゴム質重合体変性(α−メチル)スチレ
ン・N−フェニルマレイミド・アクリロニトリル共重合
体、(α−メチル)スチレン・N−フェニルマレイミド
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ゴム
質重合体変性(α−メチル)スチレン・N−フェニルマ
レイミド・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合
体、(α−メチル)スチレン・無水マレイン酸共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂
(ABS樹脂)等が挙げられる。
【0044】ABS樹脂としては、例えば、アクリロニ
トリル、ブタジエン及びスチレンを主成分とする共重合
体及びこれらの単独ポリマーのブレンド物;スチレン−
アクリロニトリル共重合体とアクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴムとのブレンド物;ブタジエンゴムラテッ
クス又はスチレン−ブタジエンゴムラテックス共存下で
スチレンとアクリロニトリルをグラフト共重合して得ら
れるグラフトポリマー等が挙げられる。
【0045】(8)ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−ブテン)系
樹脂、ポリペンテン系樹脂等が挙げられる。
【0046】ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ン単独重合体(ポリプロピレン)又はプロピレンを主成
分とする共重合体、これらの混合物のいずれでもよく、
プロピレンを主成分とする共重合体としては、例えば、
プロピレンを主成分とするプロピレン−α−オレフィン
共重合体を挙げることができる。プロピレン−α−オレ
フィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、
例えば、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン等が
挙げられる。
【0047】ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単
独重合体(ポリエチレン)、エチレンを主成分とする共
重合体、これらの混合物のいずれでもよく、エチレンを
主成分とする共重合体としては、例えば、エチレンを主
成分とするエチレン−α−オレフィン共重合体を挙げる
ことができる。エチレン−α−オレフィン共重合体に用
いられるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。
【0048】上記以外のポリオレフィン系樹脂として
は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メ
チル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。変
性ポリエチレン樹脂は特に限定されるものではなく、例
えばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
【0049】(9)難燃性熱可塑性樹脂 難燃性熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレン
スルフィド、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル−
フェニレン)、ポリ(チオ−フェニレン−スルホニル−
フェニレン)、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル
−フェニレン−オキシ−フェニレン−イソプロピリデン
−フェニレン)、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニ
ル−ビフェニレン−スルホニル−フェニレン)、ポリ
(オキシ−フェニレン−カルボニル−フェニレン)、ポ
リ(オキシ−フェニレン−カルボニル−フェニレン−オ
キシ−フェニレン)及びポリ〔オキシ−(フェニレン−
ビスフタルイミジール)−オキシ−フェニレン−イソプ
ロピリデン−フェニレン〕等が挙げられる。
【0050】次に、本発明に係る難燃性高分子材料に用
いられる熱硬化性樹脂について説明する。該熱硬化性樹
脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、キ
シレン樹脂、尿素樹脂、ケイ素樹脂、フタル酸ジアクリ
ル樹脂又はポリウレタン樹脂等が挙げられる。以下、熱
硬化性樹脂の各樹脂について説明する。
【0051】(1)エポキシ系樹脂 エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAに
代表される多価フェノールのグリシジルエーテル或いは
線状脂肪族、環式脂肪族のエポキシ樹脂、又これらにハ
ロゲン原子、水酸基及びエーテル基の如き置換基を有し
ていてもよく種々のタイプのエポキシを使用することが
できる。具体的な市販品としてはシェル化学製エピコー
ト、チバガイギー製アラルダイト、ダウケミカルインタ
ーナショナル製ダウエポキシ樹脂等を挙げることができ
る。エポキシ硬化剤としてはアミン類、例えばジエチル
トリアミン、トリエチルテトラミン、エチレンジアミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、n−ヒドロキシエ
チルジエチレントリアミン等の脂肪族アミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、トリス(ジエチルアミノメチル)フ
ェノール、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレ
ンジアミン等の芳香族アミン、ビス(3−メチル−4−
アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン等の環式脂肪族アミン、その他複素環式ア
ミン類を用い、その添加量は一般的にポリエポキシのエ
ポキシ等量当たり少なくとも1個のアミノ水素原子を与
えるような量を使用する。この際、サリチル酸、乳酸の
如き促進剤を添加すると硬化は促進される。又、カルボ
ン酸無水物系の硬化触媒、例えば無水テレフタル酸、無
水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、無水コハク酸等を用いるこ
ともでき、その添加量はエポキシ等量当たり一般には
0.8〜2.3酸等量を使用する。この際、第3級アミ
ン、硫化物、有機ホスフィン酸の促進剤等を加えること
もできる。
【0052】(2)不飽和ポリエステル系樹脂 不飽和ポリエステル系樹脂としては、無水マレイン酸或
いはフタル酸のような不飽和カルボン酸及び無水フタル
酸で代表されるような飽和多塩基酸とプロピレングリコ
ール、エチレングリコールのような多価アルコールとの
エステル生成物をスチレンモノマー等の重合性単量体に
て希釈した液状樹脂一般を使用することができる。具体
的な市販品としては大日本インキ(株)のポリライト、
武田薬品工業(株)のポリコール、日立化成(株)のポ
リセット等を挙げることができる。不飽和ポリエステル
樹脂用硬化剤としては、ベンゾイルパーオキシド、メチ
ルエチルケトンパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーベンゾエート等のケトンパーオキシ
ド、アシルパーオキシド或いはハイドロパーオキシド等
の有機過酸化物が用いられ、その添加量は不飽和ポリエ
ステルに対し0.02〜5重量%程度である。不飽和ポ
リエステルの硬化には硬化促進剤が必要である。硬化促
進剤としてはナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガ
ン、オクトエン酸バナジル、ジメチルアニリン等のコバ
ルト系、マンガン系、バナジウム系、アミン系、第4級
アンモニウム塩、メルカプタン類を用いる。
【0053】次に、本発明に係る難燃性高分子材料に用
いられるエラストマーについて説明する。該エラストマ
ーは、その使用の際に難燃化を要求されている非難燃性
エラストマーである。該エラストマーとしては、例え
ば、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(I
R)、エチレンープロピレン共重合体ゴム(EPM)、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(E
PDM)等のオレフィン系重合体エラストマー;エポキ
シ基、カルボキシル基および酸無水物基から成る群から
選ばれる官能基の1種以上を含有するオレフィン系重合
体エラストマー;スチレンーブタジエン共重合体ゴム
(SBR)、アクリロニトリルーブタジエン共重合体ゴ
ム(NBR);水添および非水添のアルケニル芳香族炭
化水素重合体のブロックおよび脂肪族炭化水素重合体の
ブロックから成るブロックコポリマー等のスチレン系エ
ラストマー;ポリエステルエラストマー;アクリルエラ
ストマー;CR;IIR;ウレタンゴム;シリコーンゴ
ム;フッ素化ゴム;熱可塑性エラストマー等およびこれ
らの変性物等の合成ゴムが挙げられる。
【0054】これらの中で好ましい非難燃性エラストマ
ーは、エポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基か
ら成る群から選ばれる官能基の1種以上を含有するオレ
フィン系重合体エラストマー並びにアルケニル芳香族炭
化水素重合体のブロックおよび脂肪族炭化水素重合体の
ブロックから成るブロックコポリマーから成る群から選
ばれるエラストマーである。また、特に好ましい非難燃
性エラストマーは熱可塑性の水添または非水添のスチレ
ンー共役ジエン系ブロック共重合体である。本発明で用
いられる非難燃性エラストマーの分子量は特に制限され
ないが、一般に、5000〜200000である。
【0055】なお、エラストマーにはランダム共重合体
とブロック共重合体があるが、ブロック共重合体は一般
的に低温域での硬さがランダム共重合体と比較して硬
く、低温時の衝撃性の改善効果が不十分であるため、本
発明においては、ガラス転移温度が−30℃以下のブロ
ック共重合体、又はランダム共重合体が好適に用いられ
る。このようなブロック共重合体ゴムとしては、例え
ば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体又はその
水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体
又はその水素添加物等が挙げられる。また、ランダム共
重合体ゴムとしては、例えば、エチレン−α・オレフィ
ン共重合体、エチレン−α・オレフィン−ジエン共重合
体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びその水
素添加物等が挙げられる。
【0056】上記本発明に係る難燃性高分子材料には、
必要に応じて、種々の添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、フッ素系樹脂又はシリコー
ン、弾性体、赤リン以外の難燃剤、充填材、白色化材、
リン系又はイオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を含む着色剤
等が挙げられる。
【0057】フッ素系樹脂又はシリコーンは、本発明に
係る難燃性高分子材料に配合されると、該難燃性高分子
材料が燃焼する場合に樹脂が溶けて液滴が落下すること
(ドリップ)を抑制することができる。このようなフッ
素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレ
ン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレ
ン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリ
デンフルオライド/エチレン)共重合体等が挙げられ、
これらのうちポリテトラフルオロエチレン、(テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン
/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライドが
好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、(テトラ
フルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。フ
ッ素系樹脂の添加量は機械物性、成形性の面から熱可塑
性樹脂100重量部に対して通常0.01〜10重量部
であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましく
は0.2〜3重量部である。
【0058】また、シリコーンとしてはオルガノポリシ
ロキサン類が用いられ、オルガノポリシロキサン類とし
ては、例えば、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシ
ロキサン等のシロキサン化合物を重合して得られる、ポ
リジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサ
ン、これらの共重合体等が挙げられる。また分子末端が
エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、
アミノ基、エーテル等により置換された変性シリコーン
も用いることができる。シリコーンは、数平均分子量が
200以上、更に好ましくは数平均分子量が1000〜
5000000の範囲の重合体であれば難燃性をより高
めることができる。シリコーンの性状には特に制限はな
く、オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット状
等の任意のものが利用可能である。
【0059】弾性体は、本発明に係る難燃性高分子材料
が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の樹脂材料からなる
ものである場合に、その特性を損なわない範囲で添加す
ると、難燃性高分子材料の衝撃強度、靭性、耐薬品性等
を高めることができる。弾性体としては、ゴム弾性体で
あるグラフト重合体、または軟質樹脂であるオレフィン
系樹脂から選ばれた1種以上を添加することが好まし
い。弾性体のガラス転移温度は、好ましくは0℃以下で
あるが、さらに好ましくは−20℃以下のものであれ
ば、得られた樹脂の衝撃強度がより向上する。
【0060】赤リン以外の難燃剤としては、無機金属化
合物系の難燃剤、窒素含有化合物系の難燃剤、有機リン
系の難燃剤が挙げられる。無機金属化合物系の難燃剤と
しては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモ
ン、(コロイダル)五酸化アンチモン、アンチモン酸ナ
トリウム、およびリン酸アンチモン等のアンチモン化合
物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合
物、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム等のモ
リブデン酸化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム等の金属水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、メ
ラミン変性ポリリン酸アンモニウム、塩基炭酸マグネシ
ウム、ドーソナイト等が挙げられる。
【0061】窒素含有化合物系の難燃剤としては、メラ
ミンシアヌレート、メラミンホスフェート、メラム、メ
レム、メロン、サクシノグアンミン、硫酸メラミン、硫
酸アセトグアナミン、硫酸グアニルメラミン、硫酸メラ
ム、硫酸メレム、メラミン樹脂、BTレジン等とこれら
の混合物を挙げることができる。これらの窒素含有化合
物系の難燃剤のなかでもメラミンシアヌレートが難燃
性、及び経済性の点で特に好ましい。
【0062】有機リン系の難燃剤としては、下記一般式
(1)又は(2)で表されるリン化合物からなる群より
選ばれる1種以上が挙げられる。
【化1】 一般式(1)中、R1 は水素原子、炭素原子1〜16個
を有する直鎖状または分岐状アルキル基、もしくはアリ
ール基を示し、R2 は水酸基、水素原子または炭素原子
1〜16個を有する直鎖状または分岐状アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基もしくはアリーロキシ基を示
し、R3 は水素原子、炭素原子1〜16個を有する直鎖
状または分岐状アルキル基もしくはアリール基を示す。
【0063】上記一般式(1)で表されるリン化合物と
しては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸
ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン
酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチ
ル−プロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,
3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン
酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホフホネ
ート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン
酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン
酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、
ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン
酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙
げられ、これらは単独で用いられても、2種以上が併用
されてもよい。また、一般式(1)で表されるリン化合
物は、n量体の混合物であってもかまわない。
【0064】
【化2】 (式中、m1 、m2 、m3 、m4 は、0〜2の整数、n
は1〜15の整数を示す)で表わされる化合物等が挙げ
られる。係る化合物は、特定の単官能フェノール、すな
わちフェノール、モノメチルフェノールおよびジメチル
フェノールの少なくとも1種と、特定の2官能フェノー
ル、すなわち2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンとをオキシ塩化リンと反応させることにより得
られるが、この製法になんら制約されるものではない。
【0065】一般式(2)におけるm1 〜m4 は熱安定
性の面から1または2が好ましい。また、nは1〜1
5、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜7の整
数であってその数によって耐熱性、加工性が異なってく
る。上記一般式(2)で表されるリン化合物としては、
例えば、m1 〜m4 がすべて1でnが1であるビスフェ
ノールAポリ(ジクレジル)ホスフェート、m1 〜m4
がすべて0でnが1であるビスフェノールAポリ(ジフ
ェニル)ホスフェート、m1 〜m4 がすべて2でnが1
であるビスフェノールAポリ(ジキシレニル)ホスフェ
ートや、前記化合物におけるnが1〜15のもの等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み
合わせて用いてもよい。2種以上組み合わせて使用する
場合の組み合わせ方に限定はなく、例えば、構造の異な
るもの、分子量の異なるもの等を任意に組み合わせるこ
とができる。
【0066】充填材は、本発明に係る難燃性高分子材料
に配合されると、該難燃性高分子材料の強度、剛性、耐
熱性等を大幅に向上させることができる。充填材として
は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミ
ド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラ
ステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、
マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
チタンおよび酸化アルミニウム等が挙げられ、なかでも
チョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく用
いられる。充填材の添加量としては、難燃性高分子材料
100重量部に対して1〜140重量部が好ましく、特
に好ましくは5〜100重量部である。
【0067】白色化材は、本発明に係る難燃性高分子材
料に配合されると、該難燃性高分子材料中の赤リン自体
による着色を抑えたり、赤リンを白色化したりすること
ができる。白色化材としては、例えば、酸化チタン、酸
化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。白色化材の添加量
としては、安定化赤リン100重量部に対して約200
重量部になるように添加すればよい。
【0068】リン系、イオウ系等の酸化防止剤や熱安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を
含む着色剤等の通常の添加剤は、本発明に係る難燃性高
分子材料に、必要により、その目的を損なわない範囲内
で配合される。これらは、1種以上添加することができ
る。
【0069】本発明の難燃性高分子材料は通常公知の方
法で製造される。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
又はエラストマー等の高分子材料と、安定化赤リンおよ
び必要により配合される添加剤とを、予備混合してか
ら、または予備混合せずにそのまま押出機等に供給し、
次いで、十分溶融混練することにより調製される。ま
た、ハンドリング性や生産性の面から好ましい製造方法
としては、まず、高分子材料の一部と安定化赤リンとを
溶融混練して、最終的に難燃性高分子材料中に配合され
るべき安定化赤リン量よりも安定化赤リン濃度が過剰な
高分子材料(以下、「赤リン過剰高分子材料」ともい
う。)を製造しておき、次いで、該赤リン過剰高分子材
料と残りの高分子材料および必要により配合される添加
剤とを溶融混練する方法が挙げられる。
【0070】また、その他の好ましい製造方法として
は、まず、高分子材料の一部と赤リンおよび添加剤とを
溶融混練して赤リン過剰高分子材料を製造しておき、次
いで、該赤リン過剰高分子材料と残りの高分子材料およ
び既に配合した添加剤以外の添加剤とを溶融混練する方
法が挙げられる。なお、該方法においては、赤リン過剰
高分子材料を製造する段階で添加剤が配合されるが、該
添加剤は予め赤リンと混合しておくことが好ましい。
【0071】かかる赤リン過剰高分子材料は、いわゆる
マスターペレットの形態で好ましく用いられるが、それ
に限定されず、いわゆるチップ状、粉末状、あるいはそ
れらの混合物の形態であってもよい。また、赤リン過剰
高分子材料と、それと配合する高分子材料の形態、大き
さ、形状はほぼ同等、あるいは互いに似通っていること
が均一に混合し得る点で好ましい。高分子材料を製造す
るに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを
備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイ
プの混練機等を用いることができる。かくして得られる
高分子材料は通常公知の方法で成形することができ、射
出成形、押出成形、圧縮成形等の成形品、シート、フィ
ルム等の成形物品とすることができる。なかでも射出成
形品用途に特に好適であり、その特徴を活かして機械機
構部品、電気部品、自動車部品として有用に用いること
ができる。
【0072】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0073】実施例1 (1) 安定化赤リン含有スラリーの生成 反応容器に水200g を入れ、これに粒子径3〜44μ
m で平均粒子径18μm の赤リン粉末を20g 添加し、
撹拌を行った。得られた赤リンの水性懸濁液に四塩化チ
タン溶液(Tiとして8.5重量%含有、富士チタン工
業製)を3.06g 添加した。次に、該溶液中に5重量
%のアンモニア水溶液を添加してpHを7〜8に調整
し、これにポリ塩化アルミニウム(商品名、タイペッ
ク、大明化学製、Al2 3 として33%含有)0.2
g を添加して攪拌を行った。さらに、該溶液を撹拌しな
がら加熱して温度を85℃とし、2時間加熱撹拌を続
け、反応終了後、安定化赤リン含有スラリーを得た。こ
の時の最終pHは6.8であった。 (2) 反応終了後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝導
度、沈降速度及びろ過速度の測定 上記安定化赤リン含有スラリーにイオン交換水を加えて
全量300g のスラリーにし、室温で30分間攪拌を行
い、安定化赤リンが十分に分散した分散溶液を得た。該
溶液について電気伝導度(EC)を測定した。また、該
溶液100mlを100mlメスシリンダーに採取し、以下
に示す方法により沈降速度を測定した。次に、該100
mlメスシリンダー中のスラリーを元の分散溶液に戻して
再び全量を300g とし、攪拌して十分に分散させた
後、分散溶液の全量をろ紙(ADVANTEC社製、番
手5C、捕捉可能粒子径1μm )を載置したブフナー径
φ110mmのブフナーロートでろ過してろ過速度を測定
した。反応終了後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝
導度、沈降速度及びろ過速度の結果を表1に示す。 (3) 1回洗浄後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝導
度及び沈降速度の測定 次に、上記ろ過後のろ過ケーキを容器に入れ、これにイ
オン交換水を加えて全量を300g にした後、室温で3
0分間攪拌を行い、安定化赤リンが十分に分散した分散
溶液を得た。該溶液について電気伝導度を測定した。ま
た、該溶液100mlを100mlメスシリンダーに採取
し、上記と同様の方法で沈降速度を測定した。1回洗浄
後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝導度及び沈降速
度の結果を表1に示す。 (4) 安定化赤リンの生成 1回洗浄後の安定化赤リン含有スラリーについて、上記
と同様のろ過及び洗浄を繰り返した後、乾燥して本発明
に係る安定化赤リンを得た(試料A)。 ・沈降速度の測定 安定化赤リンが十分に分散した分散溶液の100mlを1
00mlメスシリンダーに採取し、安定化赤リンが単位時
間当たりに沈降する容積を沈降速度とした。
【0074】
【表1】 *1:比較例1において1回洗浄後のスラリーの上澄みは白濁していた。
【0075】(5) 安定化赤リンの物性評価 得られた安定化赤リン(試料A)について、被覆層の材
質、平均粒子径、BET比表面積(A)、理論比表面積
(B)及び比表面積比(A/B)を測定した。なお、物
性の測定は以下のようにして行った。結果を表2に示
す。 ・平均粒子径(D50) の測定 MICROTRAC 粒度分析計(形式:9320-X100、日機装社製)
を用い、レーザー法で測定した。 ・BET 比表面積の測定 フローソブ(島津製作所(株)製)を用い、窒素吸着法
により測定した。 ・理論比表面積の測定 上記式(1)において、ρに2.2(g/cm3) 、MA に(D
50) の値を代入して求めた。
【0076】
【表2】
【0077】(6) 安定化赤リンからのホスフィン発生量
の評価 ・ホスフィンの発生量の測定 50mlの密栓容器中をN2 ガス雰囲気で満たし、該容器
中に得られた安定化赤リン(試料A)をP(リン)分と
して2.0g 封じ込み、250℃で1時間保持した後、
容器内のガスをテドラーバックでサンプリングし、ホス
フィンガス検知管(ガステック検知管:検知濃度0.1
50ppm 、北澤産業(株)製)を用いてテドラーバック
中のホスフィン(PH3 )濃度を測定した。結果を表3
に示す。
【0078】
【表3】
【0079】比較例1 (1) 安定化赤リン含有スラリーの生成 反応容器に水200g を入れ、これに粒子径3〜44μ
m で平均粒子径18μm の赤リン粉末を20g 添加し、
撹拌を行った。得られた赤リンの水性懸濁液に四塩化チ
タン溶液(Tiとして8.5重量%含有、富士チタン工
業製)3.06g 及びポリ塩化アルミニウム(商品名、
タイペック、大明化学製、Al2 3 として33%含
有)0.2g を添加して攪拌を行った。次に、該溶液中
に5重量%のアンモニア水溶液を添加してpHを7〜8
に調整し、該溶液を撹拌しながら加熱して温度を85℃
とし、2時間加熱撹拌を続け、反応終了後、安定化赤リ
ン含有スラリーを得た。この時の最終pHは6.8であ
った。 (2) 反応終了後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝導
度、沈降速度及びろ過速度、並びに、1回洗浄後の安定
化赤リン含有スラリーの電気伝導度及び沈降速度の測定 実施例1と同様にして、反応終了後の安定化赤リン含有
スラリーの電気伝導度、沈降速度及びろ過速度、並び
に、1回洗浄後の安定化赤リン含有スラリーの電気伝導
度及び沈降速度を測定した。結果を表1に示す。 (3)安定化赤リンの生成 実施例1と同様にして、ろ過及び洗浄を繰り返した後、
乾燥して安定化赤リンを得た(試料B)。
【0080】表1の結果より、実施例1で得られた安定
化赤リン(試料A)は、比較例1で得られた安定化赤リ
ン(試料B)と比べると沈降速度、ろ過速度共に速い。
従って、実施例1の方法は、工業的に非常に有利である
ことが分かった。さらに、1回洗浄後の安定化赤リン含
有スラリーにおいて、試料Aのスラリーは試料Bのスラ
リーよりも電気伝導度がかなり低くなっており、塩類が
よく除去されている。従って、導電性が低いことが要求
される電気材料に配合される安定化赤リンとして好適で
あることが分かった。
【0081】比較例2 市販の安定化赤リン(ノーバレット120UF:試料
C)を用い、実施例1と同様にして、被覆層の材質、平
均粒子径、BET比表面積(A)、理論比表面積(B)
及び比表面積比(A/B)を測定した。結果を表2に示
す。
【0082】比較例3 被覆層が形成されていない赤リン(試料D)を用い、実
施例1と同様にして、被覆層の材質、平均粒子径、BE
T比表面積(A)、理論比表面積(B)、比表面積比
(A/B)及びホスフィンの発生量を測定した。結果を
表2及び表3に示す。
【0083】実施例2 ポリエチレンテレフタレート62部、試料A3部、鉱物
繊維30部及びガラス繊維5部をブレンドした後、シリ
ンダー温度280℃に設定したベント付き2軸押出機の
ホッパーに供給して溶融押出することにより、難燃性樹
脂組成物を作製した。上記方法で得られたペレットを乾
燥後、射出成形機(金型温度80〜140℃)によりA
ETMD−638に規定されている難燃用評価用試験片
(厚み1.6mm、幅2.7mm、長さ127mm)を得て、
UL−94Vの難燃性試験を行ったところ、難燃レベル
としてV−0であった。
【0084】実施例3 ポリブチレンテレフタレート(PBT)100部、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂(PET)5部及び試料A
10部をブレンドした後、シリンダー温度280℃に設
定したベント付き2軸押出機のホッパーに供給して溶融
押出することにより、難燃性樹脂組成物を作製した。上
記方法で得られたペレットを乾燥後、射出成形機(金型
温度80〜140℃)によりAETMD−638に規定
されている難燃用評価用試験片(厚み1.6mm、幅2.
7mm、長さ127mm)を得て、UL−94Vの難燃性試
験を行ったところ、難燃レベルとしてV−0であった。
【0085】実施例4 10重量%のポリブタジエン成分を含むポリブタジエン
変性耐衝撃性ポリスチレン樹脂100重量部、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂(2、6−ジメチル−1、4−フェ
ニレンエーテル重合体)15部及び試料A7重量部をブ
レンドした後、シリンダー温度280℃に設定したベン
ト付き2軸押出機のホッパーに供給して溶融押出するこ
とにより、難燃性樹脂組成物を作製した。上記方法で得
られたペレットを乾燥後、射出成形機(金型温度80〜
140℃)によりAETMD−638に規定されている
難燃用評価用試験片(厚み1.6mm、幅2.7mm、長さ
127mm)を得て、UL−94Vの難燃性試験を行った
ところ、難燃レベルとしてV−0であった。
【0086】実施例5 粘度平均分子量が約22000のビスフェノール型ポリ
カーボネート樹脂(PC)80部、対数粘度約0.75
dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂20部、試料A
4部、ビスフェノールAポリ(ジクレジル)ホスフェー
ト(一般式(2)において、m1〜m4=1、n=1、2、
3の混合物)1部及びリン系安定剤(アデカスタブHP
−10)0.3部をブレンドした後、シリンダー温度2
80℃に設定したベント付き2軸押出機のホッパーに供
給して溶融押出することにより、難燃性樹脂組成物を作
製した。上記方法で得られたペレットを乾燥後、射出成
形機(金型温度80〜140℃)によりAETMD−6
38に規定されている難燃用評価用試験片(厚み1.6
mm、幅2.7mm、長さ127mm)を得て、UL−94V
の難燃性試験を行ったところ、難燃レベルとしてV−0
であった。
【0087】実施例6 (赤リンマスターバッチの作製)粘度平均分子量が約2
2000のビスフェノール型ポリカーボネート樹脂(P
C)80重量部、試料A20部をブレンドした後、シリ
ンダー温度280℃に設定したベント付き2軸押出機の
ホッパーに供給して溶融押出することにより、安定化赤
リン含有マスターバッチを作製した。上記PC80部、
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PE)30部及び上
記安定化赤リン含有マスターバッチ10部をブレンドし
た後、シリンダー温度280℃に設定したベント付き2
軸押出機のホッパーに供給して溶融押出することによ
り、難燃性樹脂組成物を作製した。上記方法で得られた
ペレットを乾燥後、射出成形機(金型温度80〜140
℃)によりAETMD−638に規定されている難燃用
評価用試験片(厚み1.6mm、幅2.7mm、長さ127
mm)を得て、UL−94Vの難燃性試験を行ったとこ
ろ、難燃レベルとしてV−0であった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、無機被覆層が強固で安
定であり、製造の際に沈降速度及びろ過速度が速く製造
コストが低く、しかも、洗浄により塩類を容易に除去可
能な安定化赤リンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る安定化赤リンの表面付近の拡大断
面の模式図である。
【符号の説明】
1 赤リン粒子 2 無機被覆層 3 無機粉体 4 空隙
フロントページの続き (72)発明者 飯島 敏夫 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 永山 高広 東京都千代田区岩本町2丁目1番15号吉安 神田ビル 日本化学工業株式会社営業本部 内 Fターム(参考) 4J002 AB021 BB011 BB231 BC021 BC061 BD031 BD121 BG001 BN151 CB001 CF001 CF101 CG001 CH071 CK001 CL001 CL071 CM041 CN031 DA056 FB076 FD136

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤リン粒子の表面に3次元構造の無機被
    覆層が形成された安定化赤リンであって、平均粒子径
    (MA )が0.1〜50μm 、BET比表面積(A)が
    5m2/g以上、且つ、該BET比表面積(A)と下記式
    (1); B(m2/g)=6/(ρ・MA ) (1) (式中、ρは赤リンの比重(g/cm3) を示す)で算出され
    る理論比表面積(B)との比表面積比A/Bが50以上
    であることを特徴とする安定化赤リン。
  2. 【請求項2】 前記無機被覆層は、Si、Al、Mg、
    Ti、Zn又はCoそれぞれの酸化物、水酸化物及びリ
    ン酸塩から選択される1種又は2種以上からなるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の安定化赤リン。
  3. 【請求項3】 前記無機被覆層は、無機質粉体が凝集し
    て形成されたものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の安定化赤リン。
  4. 【請求項4】 赤リン粒子の水性懸濁液に金属塩を添加
    した後アルカリを添加し、次いで凝集剤を添加すること
    を特徴とする安定化赤リンの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凝集剤が、ポリ塩化アルミニウム又
    は硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項4記
    載の安定化赤リンの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか記載の安定化赤
    リンが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラストマー
    に配合され形成されたことを特徴とする難燃性高分子材
    料。
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