JP2001088788A - 水中推進機 - Google Patents

水中推進機

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JP2001088788A
JP2001088788A JP27108299A JP27108299A JP2001088788A JP 2001088788 A JP2001088788 A JP 2001088788A JP 27108299 A JP27108299 A JP 27108299A JP 27108299 A JP27108299 A JP 27108299A JP 2001088788 A JP2001088788 A JP 2001088788A
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Kazunori Yamada
和則 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フライホイールマグネトウ周りの電気系の防
水要求度を緩和できるとともにエンジン始動を容易に行
うことができ、さらにはエンジントルクに見合ったスク
リュー回転数とすることにより推力を高めることができ
る水中推進機を提供する。 【解決手段】 水中に位置するエンジン2によりスクリ
ュー4を回転駆動して推進力を得るようにした水中推進
機1において、上記エンジン2を、気筒軸Cが進行方向
前方に水平を向くとともにクランク軸30が垂直を向く
ように配設し、該クランク軸30の上端30aにフライ
ホイールマグネトウ45を装着するとともに下端30b
に傘歯車機構5を介して上記気筒軸Cと平行に配設され
たスクリュー軸20の前部を連結し、該スクリュー軸2
0の後端部に上記スクリュー4を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に位置するエ
ンジンによりスクリューを回転駆動して推進力を発生さ
せるようにした水中推進機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ダイバーの遊泳を補助する小型
水中推進機,いわゆるアクアスクータが市販されてい
る。この小型水中推進機は、水中に位置するエンジンの
上部に浮力タンクを載置し、該エンジンによりスクリュ
ーを回転駆動して推進力を発生させるように構成されて
おり、上記浮力タンクにダイバーが覆い被さるようにし
て乗り、この状態で水面付近を航走するものである。
【0003】この種の水中推進機としては、従来、エン
ジンをクランク軸を進行方向に水平に向けるとともに、
気筒軸を垂直上方に向けて搭載し、該クランク軸の後端
にスクリューを直結した構造が一般的である。また上記
クランク軸の前端部にはフライホイールマグネトウ,リ
コイルスタータ等が装着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ようにクランク軸を水平に向けた構造とした場合に
は、、フライホイールマグネトウ等の電気系が常に水中
に位置することから、防水機能を高めなければならず、
コストが上昇するという問題がある。また上記従来構造
では、リコイルスタータを水中で引いてエンジン始動す
ることとなり、エンジン始動がし難いという問題があ
る。
【0005】また、上記従来のようにクランク軸にスク
リューを直結する構造を採用した場合には、エンジント
ルクに比べてスクリューの回転数が過大となることか
ら、充分な推力が得られない場合がある。
【0006】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、電気系の防水要求度を緩和できるとともにエ
ンジン始動を容易に行うことができ、さらにはエンジン
トルクに対するスクリューの回転数を最適化して推力を
高めることができる水中推進機を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、水中
に位置するエンジンによりスクリューを回転駆動して推
進力を得るようにした水中推進機において、上記エンジ
ンを、気筒軸が進行方向前方に略水平を向くとともにク
ランク軸が略垂直を向くように配設し、該クランク軸の
上端にフライホイールマグネトウを装着するとともに下
端に傘歯車機構を介して上記気筒軸と平行に配設された
スクリュー軸の前部を連結し、該スクリュー軸の後端部
に上記スクリューを装着したことを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、シ
リンダブロックの気筒外周壁にウォータジャケットが形
成されており、該ウォータジャケットの冷却水流入口及
び排出口が外部に開口するように形成され、かつ冷却水
流入口が排出口より低所に位置していることを特徴とし
ている。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、上記エンジンのシリンダブロックの下方に排気ポー
トに連通する第1排気膨張室が設けられており、上記ス
クリューの外方を囲むように配設された整流ノズル内に
上記第1排気膨張室に連通する第2排気膨張室が形成さ
れ、さらに該第2排気膨張室に連通する排気パイプの排
気口が噴流の中心部に開口していることを特徴としてい
る。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記エンジンの上部に浮力タンクが配設
されており、該浮力タンクに上記クランク軸のフライホ
イールマグネトウ周りを囲むようにパワーユニット部気
密室が形成され、かつ該パワーユニット部気密室と区分
けされた浮力体気密室が形成されていることを特徴とし
ている。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記スクリューからの噴流を斜め後下方
に向けるダクトノズルが配設されていることを特徴とし
ている。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れかにおいて、水中推進機本体に操舵ハンドルが配設さ
れており、該操舵ハンドルの後方にダイバーの腕を後側
から支持するエルボサポートが外方に突出するように配
設されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の作用効果】本発明に係る水中推進機によれば、
エンジンの気筒軸を前方に水平に向けるとともにクラン
ク軸を垂直に向けて配置し、該クランク軸の上端にフラ
イホイールマグネトウを装着するとともに、下端に傘歯
車機構を介してスクリュー軸を連結したので、上記フラ
イホイールマグネトウ周りの電気系を水面より上方に位
置させることが可能となり、従来の水中に位置させる場
合に比べて防水要求度を緩和でき、それだけコスト上昇
を抑制できる。
【0014】また上記クランク軸のフライホイールマグ
ネトウの上側にリコイルスタータを配置することが可能
であるから、エンジン始動を水面より上で行うことがで
き、エンジン始動性を良好にできる。
【0015】上記クランク軸に傘歯車機構を介してスク
リュー軸を連結したので、傘歯車機構により減速するこ
とによって、エンジントルクに見合ったスクリュー回転
数とすることができ、推力を高めることができる。
【0016】請求項2の発明では、シリンダブロックの
気筒外周壁にウォータジャケットを形成し、冷却水流入
口,排出口を外部に開口させたので、外部の水が自然対
流でウォータジャケット内を流れることとなり、ウォー
タジャケット内の水が保温剤として機能し、周囲の水の
流れがシリンダブロックの気筒壁に直接接することはな
く、周囲の水で気筒壁を直接冷却する場合の過冷却を防
止でき、シリンダ温度の変動を防止でき、安定したエン
ジン性能が得られるとともに、構造の簡略化を図ること
ができる。
【0017】請求項3の発明では、シリンダブロックの
下方に排気ポートに連通する第1排気膨張室を設け、整
流ノズル内に第1排気膨張室に連通する第2排気膨張室
を形成したので、排気ガスの膨張容量を2段膨張によっ
て増やすことができ、低速性能を向上できる。また上記
第2排気膨張室には温度低下した排気ガスが流入するこ
とから、整流ノズルを例えば樹脂部材により構成するこ
とが可能となり、推進機全体の軽量化に貢献できる。
【0018】請求項4の発明では、浮力タンクにフライ
ホイールマグネトウ周りを囲むパワーユニット部気密室
を形成するとともに、これとは区分けして浮力体気密室
を形成したので、電気系の防水を図りながら浮力機能を
高めることができ、また他用途への展開が可能となる。
【0019】請求項5の発明では、ダクトノズルを配設
して噴流を斜め後下方に向けたので、噴流がダイバーの
体に当たったりすることなく後方にスムーズに流れるこ
ととなり、安定した航走姿勢を得ることができる。また
上記ダクトノズルからの噴流が浮力方向に作用すること
から、顔を水面から上げ易くなり、この点からも安定し
た航走姿勢を得ることができる。
【0020】請求項6の発明では、水中推進機本体に配
設されたハンドルの後方にダイバーの腕を後側から支持
するエルボサポートを配設したので、ダイバーの両腕に
推力が後側から前方に押すように作用することとなり、
手でハンドルを把持するだけの場合に比べて航走が楽で
あり、安定した航走姿勢を保持できるとともに、推進機
と一体感のある動きができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1ないし図5は、本発明の
一実施形態による水中推進機を説明するための図であ
り、図1,図2は水中推進機の側面図,平面図、図3,
図4,図5はそれぞれパワーユニットの断面側面図,断
面背面図,底面図である。
【0022】図において、1は小型水中推進機であり、
これは主として、水中に位置する2サイクル単気筒エン
ジン2が搭載されたパワーユニット3と、エンジン動力
をスクリュー4に伝達する傘歯車機構5,及びスクリュ
ー4による噴流の推力を高めるための整流ノズル6を備
えた推進ユニット7と、上記エンジン2の上方,及び左
右側方を覆うように載置された側面視大略楕円形状の浮
力タンク8とから構成されている。
【0023】上記浮力タンク8は板金製のもので中空状
に形成されており、上記エンジン2に取り外し可能に固
定されている。この浮力タンク8内の前部には浮力体気
密室として機能する吸気チャンバ室8aが、中央部には
パワーユニット部気密室8bが、また後部には燃料貯溜
室8cがそれぞれ独立して形成されている。
【0024】上記浮力タンク8の前部には上記吸気チャ
ンバ室8aに連通するシュノーケル9が接続されてお
り、該シュノーケル9は上端開口が水面Aより高所に位
置するように立設されている。また上記浮力タンク8の
後部には燃料貯溜室8cに連通する燃料注入口8dが形
成されており、該注入口8dには燃料キャップ10が開
閉可能に締結されている。この浮力タンク8の浮力は、
停止状態で水面Aが浮力タンク8の高さ方向中央部で、
かつエンジン2の後述するシリンダブロック33の少し
上方に位置するように設定されている。これにより水面
A上には浮力タンク8のみ露出することとなる。
【0025】上記浮力タンク8の下面前端部には操舵ハ
ンドル11が固定されており、該操舵ハンドル11は枠
状のフレームに樹脂を被覆した構造のものであり、ダイ
バーが両手で把持するようになっている。
【0026】また上記浮力タンク8の下面後端部には
左, 右のエルボサポート12,12が配設されている。
このエルボサポート12は、鋼管12aの外周面にゴム
等のクッション材12bを装着した構造のものであり、
平面視で回動部材13を中心に浮力タンク8の内方に位
置する収納位置と、進行方向直角方向外方に突出する使
用位置との間で回動可能となっている。
【0027】また上記エルボサポート12は不図示の調
節機構により前後にスライド調節可能にかつ上下に角度
調節可能となっている。この調節機構は、浮力タンク8
の底壁に前後方向に延びるパイプを固定し、該パイプに
円筒体を軸方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に挿
入し、上記円筒体にロック螺子を螺着し、該円筒体に円
筒状のボス部を固着し、該ボス部内に上記回動部材13
を回動可能に挿着し、該回動部材13に上記エルボサポ
ート12を固定した概略構造のものである。
【0028】上記エンジン2の下面にはアルミ合金製の
ユニットケース15が接続固定されている。このユニッ
トケース15は、上記エンジン2のクランク室2aに連
通する歯車室16aが形成されたユニット本体16と砲
弾形の中空ケース17とからなるものであり、該中空ケ
ース17は上記ユニット本体16に一体形成された上半
部16bに別体の下半部18をボルト締め固定して構成
されており、この上半部16bと下半部18とで第1排
気膨張室19が形成されている。この第1排気膨張室1
9には上記エンジン2の排気ポート2bが開口してい
る。
【0029】上記ユニット本体16内には水平に向けて
配置されたスクリュー軸20の前半部が挿入されてお
り、該スクリュー軸20は一対の軸受21,21を介し
て上記ユニット本体16に回転自在に支持されている。
このスクリュー軸20の後半部はユニット本体16の後
端開口から後方に突出しており、該スクリュー軸20の
後端に上記スクリュー4が固着されている。また上記ユ
ニット本体16の後端開口は蓋部材22により気密に閉
塞されている。
【0030】上記ユニットケース15の後方に上記整流
ノズル6が配設されており、該整流ノズル6内に上記ス
クリュー4が挿入配置されている。この整流ノズル6は
樹脂部材により形成されたものであり、ステー23を介
して上記ユニットケース15,エンジン2に固定されて
いる。上記整流ノズル6は、外周壁6aが二重壁構造か
らなる円筒状のものであり、該外周壁6aは軸方向断面
でみて大略翼型の断面形状となっており、これにより外
周壁6a内には第2排気膨張室25が形成されている。
【0031】また上記中空ケース17の第1排気膨張室
19と整流ノズル6の第2排気膨張室25とは排気連通
管26により連接接続されている。また整流ノズル6に
は第2排気膨張室25に連通する排気パイプ27が接続
されており、該排気パイプ27の排気口27aはスクリ
ュー4の後方の噴流の中心部に開口している。
【0032】排気ポート2bから排出された排気ガス
は、第1排気膨張室19に流入し、該第1排気膨張室1
9から排気連通管26を通って第2排気膨張室25に流
入し、該第2排気膨張室25から排気パイプ27を通っ
て水中に放出される(図3の→印参照)。
【0033】上記整流ノズル6の後端開口6bにはダク
トノズル29が装着されており、該ダクトノズル29の
噴流口29aは斜め後下方に向けられている。この噴流
口29aの傾斜角度は噴流がダイバーに当たらないよう
に設定されており、具体的には後端開口6bに対して後
方に30度程度傾斜している。
【0034】上記エンジン2は、上記クランク室2a内
に収納されたクランク軸30を一対の軸受31,31を
介して回転自在に支持するクランクケース32の前合面
に略円筒状のシリンダブロック33を結合し,該シリン
ダブック33の前合面にシリンダヘッド34を結合した
概略構造のものである。
【0035】上記シリンダブロック33のシリンダボア
33a内にはピストン(不図示)が摺動自在に挿入さ
れ、該ピストンはコンロッド(不図示)を介して上記ク
ランク軸30のクランクピン30cに連結されている。
またシリンダヘッド34の燃焼凹部34a内には点火プ
ラグ35の電極部が挿入されている。
【0036】上記クランクケース32の後壁にはクラン
ク室2aに連通する吸気開口32aが形成されており、
該吸気開口32aにはリードバルブ(不図示)を内蔵す
るバルブボディ36が接続されている。このバルブボデ
ィ36の上部には気化器37が接続されており、該気化
器37には吸気管38の下流口が接続されている。この
吸気管38は前方に略水平に延びており、該吸気管38
の上流口は上記浮力タンク8の吸気チャンバ室8aに連
通接続されている。上記シュノーケル9から吸気チャン
バ室8a内に導入された空気は、ここで水分が分離され
て吸気管38,気化器37,バルブボディ36を通って
クランク室2a内に燃料とともに供給され、該クランク
室2aで一次圧縮されて掃気ポート(不図示)を介して
シリンダボア33a内に供給される。
【0037】上記シリンダブロック33,及びシリンダ
ヘッド34の気筒壁にはウォータジャケット40が形成
されており、このウォータジャケット40は燃焼凹部3
4a,シリンダボア33aの燃焼部,及び排気ポート2
bを囲むように形成されている。
【0038】また上記シリンダブロック33の低所に位
置する下壁には外部に向かって開口しウォータジャケッ
ト40に連通する冷却水流入口40aが形成されてお
り、この流入口40aは上記中空ケース17の上半部1
6bのシリンダ接続部に形成された冷却水取り入れ口1
7aに連通している。この取り入れ口17aは進行方向
前方に向けて開口しており、これにより冷却水が流入し
易くなっている。
【0039】また上記シリンダブロック33の高所に位
置する上壁にはウォータジャケット40に連通する冷却
水排出口41が上向きに開口するよう接続形成されてい
る。これにより冷却水は、自然対流によって取り入れ口
17a,流入口40aからウォータジャケット40内を
通って流出口41から排出される。
【0040】そして上記エンジン2は、シリンダブロッ
ク33の気筒軸Cが進行方向前方に水平を向くととも
に、クランク軸30が垂直を向くように搭載されてお
り、このクランク軸30の上端部30a及び下端部30
bはそれぞれクランクケース32から外方に突出してい
る。
【0041】上記クランク軸30の上端部30aにはフ
ライホイールマグネトウ45が装着されており、該フラ
イホイールマグネトウ45の上部にはワイヤ(不図示)
を引っ張ることによりエンジン2を始動させるリコイル
スタータ46が配置されている。このリコイルスタータ
46,フライホイールマグネトウ45は上記浮力タンク
8のパワーユニット部気密室8b内に収納されている。
【0042】上記クランク軸30の下端部30aは歯車
室16a内にて上記傘歯車機構5を介して上記スクリュ
ー軸20に連結されている。この傘歯車機構5は、上記
クランク軸30に装着された駆動傘歯車5aと、上記ス
クリュー軸20に装着された従動傘歯車5bとを噛合し
てなるものであり、両歯車5a,5bの減速比は1:
1.5〜1:2程度に設定されている。
【0043】このようにしてスクリュー軸20は気筒軸
Cと平行に配置され、スクリュー4はクランク軸30を
挟んだシリンダブロック33の反対側に配置されてい
る。また中空ケース17はシリンダブロック33とクラ
ンク軸30との間でかつシリンダヘッド34より前方に
突出するように配置されている。
【0044】平面から見て、上記パワーユニット3,推
進ユニット7,操舵ハンドル11,及び収納状態のエル
ボサポート12は、何れも浮力タンク8の投影面内に位
置しており、これにより推進機全体のコンパクト化が図
られている。
【0045】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。本実施形態の小型水中推進機1は、浮力タンク8の
後部に覆い被さるようにして乗り、両手で操舵ハンドル
11を把持するとともに、両腕のなるべく肩に近い部分
をエルボサポート12で後側から支え、この状態で水面
付近を航走するものである。
【0046】本実施形態によれば、エンジン2をこれの
気筒軸Cを進行方向前方に水平に向けるとともにクラン
ク軸30を垂直に向けて搭載し、該クランク軸30の上
端部30aにフライホイールマグネトウ45,リコイル
スタータ46を装着するとともに、下端部30bに傘歯
車機構5を介してスクリュー軸20を連結したので、上
記フライホイールマグネトウ45周りの電気系を水面A
より上方に位置させることができ、従来の水中に位置さ
せる場合に比べて防水要求度を緩和でき、それだけコス
ト上昇を抑制できる。
【0047】また上記クランク軸30のフライホイール
マグネトウ45の上部にリコイルスタータ46を配置し
たので、水面Aより上側にてリコイルスタータ46のワ
イヤを引っ張ることができ、エンジン始動を容易に行う
ことができる。
【0048】上記クランク軸30とスクリュー軸20と
を傘歯車機構5により連結したので、傘歯車機構5の駆
動傘歯車5a,従動傘歯車5bの減速比を設定すること
によって、エンジントルクに見合ったスクリュー4の回
転数とすることができ、ひいては推力を高めることがで
きる。
【0049】本実施形態では、シリンダブロック33,
シリンダヘッド34の気筒壁にウォータジャケット40
を形成したので、ウォータジャケット40内の水が保温
剤として機能し、また周囲の水の流れがシリンダブロッ
ク33の気筒壁に直接接することはなく、周囲の水でシ
リンダを直接冷却する場合の過冷却を防止でき、シリン
ダ温度の変動を防止でき、安定したエンジン性能が得ら
れるとともに、構造の簡略化を図ることができる。
【0050】本実施形態では、シリンダブロック33の
下方に排気ポート2bに連通する第1排気膨張室19が
形成されたアルミ製中空ケース17を配設し、整流ノズ
ル6の外周壁6a内に第1排気膨張室19に連通する第
2排気膨張室25を形成したので、排気ガスの膨張容量
を増大することができ、低速性能を向上できる。
【0051】また上記第2排気膨張室25には第1排気
膨張室19で温度低下した排気ガスが流入することか
ら、整流ノズル6を樹脂部材により構成することがで
き、推進機全体を軽量化できる。さらに上記中空ケース
17をシリンダブロック33とクランク軸30との間に
形成された空きスペースに配置したので、第1排気膨張
室19の容量を大きくとることができる。
【0052】本実施形態では、浮力タンク8の中央部に
フライホイールマグネトウ45,リコイルスタータ46
を囲むパワーユニット部気密室8bを形成するととも
に、前部に浮力体気密室として機能する吸気チャンバ室
8aを形成したので、電気系の防水を図りながら浮力機
能を高めることができる。また浮力タンク8を取り外す
ことにより、パワーユニット3,推進ユニット7を船体
の船底に取付けることができ、他用途への展開が可能と
なる。
【0053】また本実施形態では、上記整流ノズル6の
後端開口6bに噴流を斜め後下方に向けるダクトノズル
29を接続したので、噴流がダイバーの体に当たったり
することなく後方にスムーズに流れることとなり、安定
した航走姿勢を得ることができる。また上記ダクトノズ
ル29からの噴流が浮力方向に作用することから、顔を
水面から上げ易くなり、この点からも安定した航走姿勢
を得ることができる。
【0054】本実施形態では、浮力タンク8の下面前端
部に操舵ハンドル11を配置し、下面後端部にダイバー
の両腕を後側から支持するエルボサポート12を配設し
たので、ダイバーの両腕の肩に近いところに推力が後側
から前方に押すように作用することにより、手でハンド
ルを把持するだけの場合に比べて航走が楽であり安定し
た航走姿勢を保持できるとともに、水中推進機1と一体
感のある動きができる。
【0055】また上記エルボサポート12を浮力タンク
8の内方に位置する収納位置と進行方向直角外向きに位
置する使用位置との間で回動可能としたので、携行時の
取り扱いが容易であるとともに、別のフロートの取り付
けが容易に行える。さらにエルボサポート12を前後に
スライド調節可能にかつ上下に角度調節可能としたの
で、ダイバーの体格に合わせた調節ができる。
【0056】なお、本実施形態では、ダイバーの遊泳を
補助する小型水中推進機を例に説明したが、本発明は、
船体の船底に配設して推進力を得るようにした水中推進
機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による水中推進機を説明す
るための側面図である。
【図2】上記水中推進機の平面図である。
【図3】上記水中推進機のバワーユニット,推進ユニッ
トの断面側面図である。
【図4】上記バワーユニット,推進ユニットの断面背面
図である。
【図5】上記推進ユニットのユニットケースの底面図で
ある。
【符号の説明】
1 小型水中推進機 2 エンジン 2b 排気ポート 3 パワーユニット 4 スクリュー 5 傘歯車機構 6 整流ノズル 7 推進ユニット 8 浮力タンク 8a 吸気チャンバ室(浮力体気密室) 8b パワーユニット部気密室 11 操舵ハンドル 12 エルボサボート 19 第1排気膨張室 20 スクリュー軸 25 第2排気膨張室 27 排気パイプ 29 ダクトノズル 30 クランク軸 30a 上端部 30b 下端部 33 シリンダブロック 40 ウォータジャケット 40a 冷却水流入口 41 冷却水流出口 45 フライホイールマグネトウ 46 リコイルスタータ A 水面 C 気筒軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 61/04 F02B 67/00 P 67/00 B63H 21/24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に位置するエンジンによりスクリュ
    ーを回転駆動して推進力を得るようにした水中推進機に
    おいて、上記エンジンを、気筒軸が進行方向前方に略水
    平を向くとともにクランク軸が略垂直を向くように配設
    し、該クランク軸の上端にフライホイールマグネトウを
    装着するとともに下端に傘歯車機構を介して上記気筒軸
    と平行に配設されたスクリュー軸の前部を連結し、該ス
    クリュー軸の後端部に上記スクリューを装着したことを
    特徴とする水中推進機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、シリンダブロックの
    気筒外周壁にウォータジャケットが形成されており、該
    ウォータジャケットの冷却水流入口及び排出口が外部に
    開口するように形成され、かつ冷却水流入口が排出口よ
    り低所に位置していることを特徴とする水中推進機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記エンジン
    のシリンダブロックの下方に排気ポートに連通する第1
    排気膨張室が設けられており、上記スクリューの外方を
    囲むように配設された整流ノズル内に上記第1排気膨張
    室に連通する第2排気膨張室が形成され、さらに該第2
    排気膨張室に連通する排気パイプの排気口が噴流の中心
    部に開口していることを特徴とする水中推進機。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記エンジンの上部に浮力タンクが配設されており、該浮
    力タンクに上記クランク軸のフライホイールマグネトウ
    周りを囲むようにパワーユニット部気密室が形成され、
    かつ該パワーユニット部気密室と区分けされた浮力体気
    密室が形成されていることを特徴とする水中推進機。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
    記スクリューからの噴流を斜め後下方に向けるダクトノ
    ズルが配設されていることを特徴とする水中推進機。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかにおいて、水
    中推進機本体に操舵ハンドルが配設されており、該操舵
    ハンドルの後方にダイバーの腕を後側から支持するエル
    ボサポートが外方に突出するように配設されていること
    を特徴とする水中推進機。
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