JP4265710B2 - 水中推進機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中に位置するエンジンによりスクリューを回転駆動して推進力を発生させるようにした水中推進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイバーの遊泳を補助する小型水中推進機,いわゆるアクアスクータが市販されている。この小型水中推進機は、水中に位置するエンジンの上部に浮力タンクを載置し、該エンジンによりスクリューを回転駆動して推進力を発生させるように構成されており、上記浮力タンクにダイバーが覆い被さるようにして乗り、この状態で水面付近を航走するものである。
【0003】
この種の水中推進機としては、従来、エンジンをクランク軸を進行方向に水平に向けるとともに、気筒軸を垂直上方に向けて搭載し、該クランク軸の後端にスクリューを直結した構造が一般的である。また上記クランク軸の前端部にはフライホイールマグネトウ,リコイルスタータ等が装着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のようにクランク軸を水平に向けた構造とした場合には、、フライホイールマグネトウ等の電気系が常に水中に位置することから、防水機能を高めなければならず、コストが上昇するという問題がある。また上記従来構造では、リコイルスタータを水中で引いてエンジン始動することとなり、エンジン始動がし難いという問題がある。
【0005】
また、上記従来のようにクランク軸にスクリューを直結する構造を採用した場合には、エンジントルクに比べてスクリューの回転数が過大となることから、充分な推力が得られない場合がある。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、電気系の防水要求度を緩和できるとともにエンジン始動を容易に行うことができ、さらにはエンジントルクに対するスクリューの回転数を最適化して推力を高めることができる水中推進機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、水中に位置するエンジンによりスクリューを回転駆動して推進力を得るようにした水中推進機において、上記エンジンを、気筒軸が進行方向前方に略水平を向くとともにクランク軸が略垂直を向くように配設し、該クランク軸の上端にフライホイールマグネトウを装着するとともに下端に傘歯車機構を介して上記気筒軸と平行に配設されたスクリュー軸の前部を連結し、該スクリュー軸の後端部に上記スクリューを装着したことを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、シリンダブロックの気筒外周壁にウォータジャケットが形成されており、該ウォータジャケットの冷却水流入口及び排出口が外部に開口するように形成され、かつ冷却水流入口が排出口より低所に位置していることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記エンジンのシリンダブロックの下方に排気ポートに連通する第1排気膨張室が設けられており、上記スクリューの外方を囲むように配設された整流ノズル内に上記第1排気膨張室に連通する第2排気膨張室が形成され、さらに該第2排気膨張室に連通する排気パイプの排気口が噴流の中心部に開口していることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし3の何れかにおいて、上記エンジンの上部に浮力タンクが配設されており、該浮力タンクに上記クランク軸のフライホイールマグネトウ周りを囲むようにパワーユニット部気密室が形成され、かつ該パワーユニット部気密室と区分けされた浮力体気密室が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1ないし4の何れかにおいて、上記スクリューからの噴流を斜め後下方に向けるダクトノズルが配設されていることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかにおいて、水中推進機本体に操舵ハンドルが配設されており、該操舵ハンドルの後方にダイバーの腕を後側から支持するエルボサポートが外方に突出するように配設されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の作用効果】
本発明に係る水中推進機によれば、エンジンの気筒軸を前方に水平に向けるとともにクランク軸を垂直に向けて配置し、該クランク軸の上端にフライホイールマグネトウを装着するとともに、下端に傘歯車機構を介してスクリュー軸を連結したので、上記フライホイールマグネトウ周りの電気系を水面より上方に位置させることが可能となり、従来の水中に位置させる場合に比べて防水要求度を緩和でき、それだけコスト上昇を抑制できる。
【0014】
また上記クランク軸のフライホイールマグネトウの上側にリコイルスタータを配置することが可能であるから、エンジン始動を水面より上で行うことができ、エンジン始動性を良好にできる。
【0015】
上記クランク軸に傘歯車機構を介してスクリュー軸を連結したので、傘歯車機構により減速することによって、エンジントルクに見合ったスクリュー回転数とすることができ、推力を高めることができる。
【0016】
請求項2の発明では、シリンダブロックの気筒外周壁にウォータジャケットを形成し、冷却水流入口,排出口を外部に開口させたので、外部の水が自然対流でウォータジャケット内を流れることとなり、ウォータジャケット内の水が保温剤として機能し、周囲の水の流れがシリンダブロックの気筒壁に直接接することはなく、周囲の水で気筒壁を直接冷却する場合の過冷却を防止でき、シリンダ温度の変動を防止でき、安定したエンジン性能が得られるとともに、構造の簡略化を図ることができる。
【0017】
請求項3の発明では、シリンダブロックの下方に排気ポートに連通する第1排気膨張室を設け、整流ノズル内に第1排気膨張室に連通する第2排気膨張室を形成したので、排気ガスの膨張容量を2段膨張によって増やすことができ、低速性能を向上できる。また上記第2排気膨張室には温度低下した排気ガスが流入することから、整流ノズルを例えば樹脂部材により構成することが可能となり、推進機全体の軽量化に貢献できる。
【0018】
請求項4の発明では、浮力タンクにフライホイールマグネトウ周りを囲むパワーユニット部気密室を形成するとともに、これとは区分けして浮力体気密室を形成したので、電気系の防水を図りながら浮力機能を高めることができ、また他用途への展開が可能となる。
【0019】
請求項5の発明では、ダクトノズルを配設して噴流を斜め後下方に向けたので、噴流がダイバーの体に当たったりすることなく後方にスムーズに流れることとなり、安定した航走姿勢を得ることができる。また上記ダクトノズルからの噴流が浮力方向に作用することから、顔を水面から上げ易くなり、この点からも安定した航走姿勢を得ることができる。
【0020】
請求項6の発明では、水中推進機本体に配設されたハンドルの後方にダイバーの腕を後側から支持するエルボサポートを配設したので、ダイバーの両腕に推力が後側から前方に押すように作用することとなり、手でハンドルを把持するだけの場合に比べて航走が楽であり、安定した航走姿勢を保持できるとともに、推進機と一体感のある動きができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図5は、本発明の一実施形態による水中推進機を説明するための図であり、図1,図2は水中推進機の側面図,平面図、図3,図4,図5はそれぞれパワーユニットの断面側面図,断面背面図,底面図である。
【0022】
図において、1は小型水中推進機であり、これは主として、水中に位置する2サイクル単気筒エンジン2が搭載されたパワーユニット3と、エンジン動力をスクリュー4に伝達する傘歯車機構5,及びスクリュー4による噴流の推力を高めるための整流ノズル6を備えた推進ユニット7と、上記エンジン2の上方,及び左右側方を覆うように載置された側面視大略楕円形状の浮力タンク8とから構成されている。
【0023】
上記浮力タンク8は板金製のもので中空状に形成されており、上記エンジン2に取り外し可能に固定されている。この浮力タンク8内の前部には浮力体気密室として機能する吸気チャンバ室8aが、中央部にはパワーユニット部気密室8bが、また後部には燃料貯溜室8cがそれぞれ独立して形成されている。
【0024】
上記浮力タンク8の前部には上記吸気チャンバ室8aに連通するシュノーケル9が接続されており、該シュノーケル9は上端開口が水面Aより高所に位置するように立設されている。また上記浮力タンク8の後部には燃料貯溜室8cに連通する燃料注入口8dが形成されており、該注入口8dには燃料キャップ10が開閉可能に締結されている。この浮力タンク8の浮力は、停止状態で水面Aが浮力タンク8の高さ方向中央部で、かつエンジン2の後述するシリンダブロック33の少し上方に位置するように設定されている。これにより水面A上には浮力タンク8のみ露出することとなる。
【0025】
上記浮力タンク8の下面前端部には操舵ハンドル11が固定されており、該操舵ハンドル11は枠状のフレームに樹脂を被覆した構造のものであり、ダイバーが両手で把持するようになっている。
【0026】
また上記浮力タンク8の下面後端部には左, 右のエルボサポート12,12が配設されている。このエルボサポート12は、鋼管12aの外周面にゴム等のクッション材12bを装着した構造のものであり、平面視で回動部材13を中心に浮力タンク8の内方に位置する収納位置と、進行方向直角方向外方に突出する使用位置との間で回動可能となっている。
【0027】
また上記エルボサポート12は不図示の調節機構により前後にスライド調節可能にかつ上下に角度調節可能となっている。この調節機構は、浮力タンク8の底壁に前後方向に延びるパイプを固定し、該パイプに円筒体を軸方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に挿入し、上記円筒体にロック螺子を螺着し、該円筒体に円筒状のボス部を固着し、該ボス部内に上記回動部材13を回動可能に挿着し、該回動部材13に上記エルボサポート12を固定した概略構造のものである。
【0028】
上記エンジン2の下面にはアルミ合金製のユニットケース15が接続固定されている。このユニットケース15は、上記エンジン2のクランク室2aに連通する歯車室16aが形成されたユニット本体16と砲弾形の中空ケース17とからなるものであり、該中空ケース17は上記ユニット本体16に一体形成された上半部16bに別体の下半部18をボルト締め固定して構成されており、この上半部16bと下半部18とで第1排気膨張室19が形成されている。この第1排気膨張室19には上記エンジン2の排気ポート2bが開口している。
【0029】
上記ユニット本体16内には水平に向けて配置されたスクリュー軸20の前半部が挿入されており、該スクリュー軸20は一対の軸受21,21を介して上記ユニット本体16に回転自在に支持されている。このスクリュー軸20の後半部はユニット本体16の後端開口から後方に突出しており、該スクリュー軸20の後端に上記スクリュー4が固着されている。また上記ユニット本体16の後端開口は蓋部材22により気密に閉塞されている。
【0030】
上記ユニットケース15の後方に上記整流ノズル6が配設されており、該整流ノズル6内に上記スクリュー4が挿入配置されている。この整流ノズル6は樹脂部材により形成されたものであり、ステー23を介して上記ユニットケース15,エンジン2に固定されている。上記整流ノズル6は、外周壁6aが二重壁構造からなる円筒状のものであり、該外周壁6aは軸方向断面でみて大略翼型の断面形状となっており、これにより外周壁6a内には第2排気膨張室25が形成されている。
【0031】
また上記中空ケース17の第1排気膨張室19と整流ノズル6の第2排気膨張室25とは排気連通管26により連接接続されている。また整流ノズル6には第2排気膨張室25に連通する排気パイプ27が接続されており、該排気パイプ27の排気口27aはスクリュー4の後方の噴流の中心部に開口している。
【0032】
排気ポート2bから排出された排気ガスは、第1排気膨張室19に流入し、該第1排気膨張室19から排気連通管26を通って第2排気膨張室25に流入し、該第2排気膨張室25から排気パイプ27を通って水中に放出される(図3の→印参照)。
【0033】
上記整流ノズル6の後端開口6bにはダクトノズル29が装着されており、該ダクトノズル29の噴流口29aは斜め後下方に向けられている。この噴流口29aの傾斜角度は噴流がダイバーに当たらないように設定されており、具体的には後端開口6bに対して後方に30度程度傾斜している。
【0034】
上記エンジン2は、上記クランク室2a内に収納されたクランク軸30を一対の軸受31,31を介して回転自在に支持するクランクケース32の前合面に略円筒状のシリンダブロック33を結合し,該シリンダブック33の前合面にシリンダヘッド34を結合した概略構造のものである。
【0035】
上記シリンダブロック33のシリンダボア33a内にはピストン(不図示)が摺動自在に挿入され、該ピストンはコンロッド(不図示)を介して上記クランク軸30のクランクピン30cに連結されている。またシリンダヘッド34の燃焼凹部34a内には点火プラグ35の電極部が挿入されている。
【0036】
上記クランクケース32の後壁にはクランク室2aに連通する吸気開口32aが形成されており、該吸気開口32aにはリードバルブ(不図示)を内蔵するバルブボディ36が接続されている。このバルブボディ36の上部には気化器37が接続されており、該気化器37には吸気管38の下流口が接続されている。この吸気管38は前方に略水平に延びており、該吸気管38の上流口は上記浮力タンク8の吸気チャンバ室8aに連通接続されている。上記シュノーケル9から吸気チャンバ室8a内に導入された空気は、ここで水分が分離されて吸気管38,気化器37,バルブボディ36を通ってクランク室2a内に燃料とともに供給され、該クランク室2aで一次圧縮されて掃気ポート(不図示)を介してシリンダボア33a内に供給される。
【0037】
上記シリンダブロック33,及びシリンダヘッド34の気筒壁にはウォータジャケット40が形成されており、このウォータジャケット40は燃焼凹部34a,シリンダボア33aの燃焼部,及び排気ポート2bを囲むように形成されている。
【0038】
また上記シリンダブロック33の低所に位置する下壁には外部に向かって開口しウォータジャケット40に連通する冷却水流入口40aが形成されており、この流入口40aは上記中空ケース17の上半部16bのシリンダ接続部に形成された冷却水取り入れ口17aに連通している。この取り入れ口17aは進行方向前方に向けて開口しており、これにより冷却水が流入し易くなっている。
【0039】
また上記シリンダブロック33の高所に位置する上壁にはウォータジャケット40に連通する冷却水排出口41が上向きに開口するよう接続形成されている。これにより冷却水は、自然対流によって取り入れ口17a,流入口40aからウォータジャケット40内を通って流出口41から排出される。
【0040】
そして上記エンジン2は、シリンダブロック33の気筒軸Cが進行方向前方に水平を向くとともに、クランク軸30が垂直を向くように搭載されており、このクランク軸30の上端部30a及び下端部30bはそれぞれクランクケース32から外方に突出している。
【0041】
上記クランク軸30の上端部30aにはフライホイールマグネトウ45が装着されており、該フライホイールマグネトウ45の上部にはワイヤ(不図示)を引っ張ることによりエンジン2を始動させるリコイルスタータ46が配置されている。このリコイルスタータ46,フライホイールマグネトウ45は上記浮力タンク8のパワーユニット部気密室8b内に収納されている。
【0042】
上記クランク軸30の下端部30aは歯車室16a内にて上記傘歯車機構5を介して上記スクリュー軸20に連結されている。この傘歯車機構5は、上記クランク軸30に装着された駆動傘歯車5aと、上記スクリュー軸20に装着された従動傘歯車5bとを噛合してなるものであり、両歯車5a,5bの減速比は1:1.5〜1:2程度に設定されている。
【0043】
このようにしてスクリュー軸20は気筒軸Cと平行に配置され、スクリュー4はクランク軸30を挟んだシリンダブロック33の反対側に配置されている。また中空ケース17はシリンダブロック33とクランク軸30との間でかつシリンダヘッド34より前方に突出するように配置されている。
【0044】
平面から見て、上記パワーユニット3,推進ユニット7,操舵ハンドル11,及び収納状態のエルボサポート12は、何れも浮力タンク8の投影面内に位置しており、これにより推進機全体のコンパクト化が図られている。
【0045】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の小型水中推進機1は、浮力タンク8の後部に覆い被さるようにして乗り、両手で操舵ハンドル11を把持するとともに、両腕のなるべく肩に近い部分をエルボサポート12で後側から支え、この状態で水面付近を航走するものである。
【0046】
本実施形態によれば、エンジン2をこれの気筒軸Cを進行方向前方に水平に向けるとともにクランク軸30を垂直に向けて搭載し、該クランク軸30の上端部30aにフライホイールマグネトウ45,リコイルスタータ46を装着するとともに、下端部30bに傘歯車機構5を介してスクリュー軸20を連結したので、上記フライホイールマグネトウ45周りの電気系を水面Aより上方に位置させることができ、従来の水中に位置させる場合に比べて防水要求度を緩和でき、それだけコスト上昇を抑制できる。
【0047】
また上記クランク軸30のフライホイールマグネトウ45の上部にリコイルスタータ46を配置したので、水面Aより上側にてリコイルスタータ46のワイヤを引っ張ることができ、エンジン始動を容易に行うことができる。
【0048】
上記クランク軸30とスクリュー軸20とを傘歯車機構5により連結したので、傘歯車機構5の駆動傘歯車5a,従動傘歯車5bの減速比を設定することによって、エンジントルクに見合ったスクリュー4の回転数とすることができ、ひいては推力を高めることができる。
【0049】
本実施形態では、シリンダブロック33,シリンダヘッド34の気筒壁にウォータジャケット40を形成したので、ウォータジャケット40内の水が保温剤として機能し、また周囲の水の流れがシリンダブロック33の気筒壁に直接接することはなく、周囲の水でシリンダを直接冷却する場合の過冷却を防止でき、シリンダ温度の変動を防止でき、安定したエンジン性能が得られるとともに、構造の簡略化を図ることができる。
【0050】
本実施形態では、シリンダブロック33の下方に排気ポート2bに連通する第1排気膨張室19が形成されたアルミ製中空ケース17を配設し、整流ノズル6の外周壁6a内に第1排気膨張室19に連通する第2排気膨張室25を形成したので、排気ガスの膨張容量を増大することができ、低速性能を向上できる。
【0051】
また上記第2排気膨張室25には第1排気膨張室19で温度低下した排気ガスが流入することから、整流ノズル6を樹脂部材により構成することができ、推進機全体を軽量化できる。さらに上記中空ケース17をシリンダブロック33とクランク軸30との間に形成された空きスペースに配置したので、第1排気膨張室19の容量を大きくとることができる。
【0052】
本実施形態では、浮力タンク8の中央部にフライホイールマグネトウ45,リコイルスタータ46を囲むパワーユニット部気密室8bを形成するとともに、前部に浮力体気密室として機能する吸気チャンバ室8aを形成したので、電気系の防水を図りながら浮力機能を高めることができる。また浮力タンク8を取り外すことにより、パワーユニット3,推進ユニット7を船体の船底に取付けることができ、他用途への展開が可能となる。
【0053】
また本実施形態では、上記整流ノズル6の後端開口6bに噴流を斜め後下方に向けるダクトノズル29を接続したので、噴流がダイバーの体に当たったりすることなく後方にスムーズに流れることとなり、安定した航走姿勢を得ることができる。また上記ダクトノズル29からの噴流が浮力方向に作用することから、顔を水面から上げ易くなり、この点からも安定した航走姿勢を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、浮力タンク8の下面前端部に操舵ハンドル11を配置し、下面後端部にダイバーの両腕を後側から支持するエルボサポート12を配設したので、ダイバーの両腕の肩に近いところに推力が後側から前方に押すように作用することにより、手でハンドルを把持するだけの場合に比べて航走が楽であり安定した航走姿勢を保持できるとともに、水中推進機1と一体感のある動きができる。
【0055】
また上記エルボサポート12を浮力タンク8の内方に位置する収納位置と進行方向直角外向きに位置する使用位置との間で回動可能としたので、携行時の取り扱いが容易であるとともに、別のフロートの取り付けが容易に行える。さらにエルボサポート12を前後にスライド調節可能にかつ上下に角度調節可能としたので、ダイバーの体格に合わせた調節ができる。
【0056】
なお、本実施形態では、ダイバーの遊泳を補助する小型水中推進機を例に説明したが、本発明は、船体の船底に配設して推進力を得るようにした水中推進機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による水中推進機を説明するための側面図である。
【図2】上記水中推進機の平面図である。
【図3】上記水中推進機のバワーユニット,推進ユニットの断面側面図である。
【図4】上記バワーユニット,推進ユニットの断面背面図である。
【図5】上記推進ユニットのユニットケースの底面図である。
【符号の説明】
1 小型水中推進機
2 エンジン
2b 排気ポート
3 パワーユニット
4 スクリュー
5 傘歯車機構
6 整流ノズル
7 推進ユニット
8 浮力タンク
8a 吸気チャンバ室(浮力体気密室)
8b パワーユニット部気密室
11 操舵ハンドル
12 エルボサボート
19 第1排気膨張室
20 スクリュー軸
25 第2排気膨張室
27 排気パイプ
29 ダクトノズル
30 クランク軸
30a 上端部
30b 下端部
33 シリンダブロック
40 ウォータジャケット
40a 冷却水流入口
41 冷却水流出口
45 フライホイールマグネトウ
46 リコイルスタータ
A 水面
C 気筒軸

Claims (6)

  1. 水中に位置するエンジンによりスクリューを回転駆動して推進力を得るようにした水中推進機において、上記エンジンを、気筒軸が進行方向前方に略水平を向くとともにクランク軸が略垂直を向くように配設し、該クランク軸の上端にフライホイールマグネトウを装着するとともに下端に傘歯車機構を介して上記気筒軸と平行に配設されたスクリュー軸の前部を連結し、該スクリュー軸の後端部に上記スクリューを装着したことを特徴とする水中推進機。
  2. 請求項1において、シリンダブロックの気筒外周壁にウォータジャケットが形成されており、該ウォータジャケットの冷却水流入口及び排出口が外部に開口するように形成され、かつ冷却水流入口が排出口より低所に位置していることを特徴とする水中推進機。
  3. 請求項1又は2において、上記エンジンのシリンダブロックの下方に排気ポートに連通する第1排気膨張室が設けられており、上記スクリューの外方を囲むように配設された整流ノズル内に上記第1排気膨張室に連通する第2排気膨張室が形成され、さらに該第2排気膨張室に連通する排気パイプの排気口が噴流の中心部に開口していることを特徴とする水中推進機。
  4. 請求項1ないし3の何れかにおいて、上記エンジンの上部に浮力タンクが配設されており、該浮力タンクに上記クランク軸のフライホイールマグネトウ周りを囲むようにパワーユニット部気密室が形成され、かつ該パワーユニット部気密室と区分けされた浮力体気密室が形成されていることを特徴とする水中推進機。
  5. 請求項1ないし4の何れかにおいて、上記スクリューからの噴流を斜め後下方に向けるダクトノズルが配設されていることを特徴とする水中推進機。
  6. 請求項1ないし5の何れかにおいて、水中推進機本体に操舵ハンドルが配設されており、該操舵ハンドルの後方にダイバーの腕を後側から支持するエルボサポートが外方に突出するように配設されていることを特徴とする水中推進機。
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