JP2001087866A - アルミニウムと銅との接合方法 - Google Patents

アルミニウムと銅との接合方法

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JP2001087866A
JP2001087866A JP27016399A JP27016399A JP2001087866A JP 2001087866 A JP2001087866 A JP 2001087866A JP 27016399 A JP27016399 A JP 27016399A JP 27016399 A JP27016399 A JP 27016399A JP 2001087866 A JP2001087866 A JP 2001087866A
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Yoshihiko Sumiya
賀彦 角谷
Yukihisa Takeuchi
幸久 竹内
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Denso Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の接合方法より接合強度の高いAlと銅と
の接合方法を提供すること。 【解決手段】本発明のAlと銅との接合方法は、銅部材
の少なくともアルミニウム部材との接合表面にスズを含
む金属溶融物を接触させることによって、該接合表面を
スズにより被覆し、該銅部材とスズとの界面に銅とスズ
との固溶を生成させたスズ被覆層を形成するスズ被覆層
形成工程と、該銅部材の該スズ被覆層と該アルミニウム
部材とを接触させ、該銅部材と該アルミニウム部材とを
それぞれ別の電極によって加圧しながら、該電極間に電
流を流して溶接する溶接接合工程とからなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムと銅
との接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー問題及び環境問題を背景に電
力をより有効に活用する技術が、求められている。その
ためには、多量の電気を蓄え、かつ効率的にその蓄えた
電気を取り出すことができる電気貯蔵手段が必要であ
る。こうした電気の貯蔵手段としては、大きな放電容量
と高い放電電圧をもち、かつ繰り返し充放電を行うこと
ができる二次電池が最適である。
【0003】このような二次電池としては、充電時にリ
チウムイオンが正極から放出されて負極に吸蔵される充
電反応が生じ、放電時にリチウムイオンが負極から放出
されて正極に吸蔵される放電反応が生じるリチウム二次
電池がある。リチウム二次電池は、エネルギー密度及び
出力密度のいずれもが高く、大きな放電容量と高い放電
電圧とが得られる。特に、負極に炭素材料からなる負極
活物質が用いられているリチウムイオン二次電池は、小
型にでき、高容量、高電圧を有するために、実用的に優
れているとして、携帯用電子機器や電気自動車などのバ
ッテリーへ使用する機器に応じて必要な電圧が得られる
ように直列接続しての利用が期待されている。
【0004】この二次電池を電気自動車用のバッテリー
として考える場合には、出力特性が重要であり、出力特
性の良好な電池を提供する必要がある。
【0005】この出力特性は、電池本体に起因する内部
抵抗に加えてリチウム二次電池の正負それぞれの集電体
であるアルミニウム(Al)と銅との接続界面における
界面抵抗も問題となる。
【0006】従来、主にAlと銅との接合は、ボルト締
め、カシメ、巻締め等の機械的な方法や、超音波接合等
により行われてきた。このうち、機械的方法は、接合部
分が嵩張り電池全体のエネルギー体積密度を低下させる
上に接合部の界面抵抗が高くなりやすい。そして、工数
を要することから量産には不向きである。
【0007】また、超音波接合は、加える振動により電
極の活物質に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0008】一般的に生産性が高い金属間の接合方法と
して抵抗溶接があるが、抵抗溶接ではAlと銅とを直接
接合することは困難であった。
【0009】そこで特開昭50−672472には、A
lと銅とを抵抗溶接するに際して、銅にスズメッキを施
すことで、抵抗溶接を可能としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の抵抗溶接によるAlと銅との接合では、充分な接合
強度等を得られなかった。
【0011】したがって、本発明は、リチウム二次電池
におけるAlと銅との接合に限らず、従来の接合方法よ
り接合強度の高いAlと銅との接合方法を提供すること
を解決すべき課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、Alに対するスズの拡散係数(3.10x10
-112/s)がAlの融点(660℃)以下の主要元素
(In、Li、Mg、Sn、Zn)の中では、Liに次
いで高いこと、また、溶融スズを銅表面に接触させるこ
とにより銅にスズが固溶する点に着目し、本発明に想到
するに至った。
【0013】すなわち、本発明のAlと銅との接合方法
は、銅部材の少なくともアルミニウム部材との接合表面
にスズを含む金属溶融物を接触させることによって、該
接合表面をスズにより被覆し、該銅部材とスズとの界面
に銅とスズとの固溶を生成させたスズ被覆層を形成する
スズ被覆層形成工程と、該銅部材の該スズ被覆層と該ア
ルミニウム部材とを接触させ、該銅部材と該アルミニウ
ム部材とをそれぞれ別の電極によって加圧しながら、該
電極間に電流を流して溶接する溶接接合工程とからなる
ことを特徴とする。
【0014】そうすることによって、接合強度の高いA
lと銅との接合が達成できる。
【0015】なお、本発明が適用できる範囲は、銅もし
くは銅合金と、AlもしくはAl合金との間の接合方法
である。したがって、本明細書において「銅」とは「銅
および銅合金」を意味し、「Al」とは「AlおよびA
l合金」を意味するものとする。
【0016】そして、前記の金属溶融物は、スズの他に
亜鉛を含有させて、銅部材の表面に亜鉛を含有するスズ
被覆層を形成することが好ましい。これは、亜鉛を加え
ることによってAlに対する拡散速度が上昇することに
よる。Alに対する亜鉛の拡散速度はスズに対して約2
桁大きいことによる。亜鉛の含有量としては、金属溶融
物全体に対して、約5〜80重量%程度が好ましく、約
10〜30重量%程度がより好ましい。これは、亜鉛含
有量がこれより多いとじん性が低下し、また、これより
少ないと拡散量が不足し強度が低下するからである。
【0017】また、銅部材の電極に接する部分には、ス
ズ被覆層を形成されていないことが好ましい。それは、
電極がスズ被覆層に接触することにより、銅合金電極に
スズが拡散し、抵抗増加になること、および銅部材とそ
の電極が接合するおそれがあるからである。
【0018】このように、スズ被覆層を確実に必要な部
分にのみ形成するように金属溶融物を前記銅部材に接触
させる方法は、銅部材の前記接合表面に、接合表面の形
状を切り欠いたマスク板の切り欠き部分を接触させるマ
スク工程と、金属溶融物を噴出させて該銅部材に該金属
溶融物を接触させるスズ噴出工程とからなることが好ま
しい。
【0019】前記の金属溶融物の温度は、スズを銅部材
に拡散させ、固溶を生成させる目的で、好ましくは22
0℃〜900℃、さらに好ましくは、300℃〜600
℃とする。金属溶融物の温度を必要に応じて調節するこ
とにより銅へのスズの拡散、そしてスズと銅との共晶の
生成量を制御できる。さらに金属溶融物が亜鉛を9重量
%含むスズである場合に金属溶融物の温度は、好ましく
は198℃〜660℃、さらに好ましくは、230℃〜
500℃とする。
【0020】電極に電流を流す溶接電源としては、ばら
つきの少ない品質の安定した接合を図る目的で波形制御
の容易なインバータ式を使用することが好ましい。イン
バータ式電源をもつ抵抗溶接機は、スイッチング周波数
を高く設定でき単相交流式電源と比較して、より高頻度
な電流のフィードバック制御が可能であり電極に流す電
流値の制御精度に優れている。たとえば、スイッチング
周波数を600〜4000Hz程度に設定すると単相交
流式電源と比較して12〜80倍もの頻度でフィードバ
ック制御が可能となる。
【0021】単相交流式電源では、図1に示すように、
電極に流れる電流値が半サイクル毎に0になり、しかも
位相制御による電流休止時間もあるので接合部分への熱
供給が断続的になる。すると、図2に示すように、接合
部分の温度が上下に大きく変動する。したがって、常に
接合部分の金属が溶融してナゲットを形成する最低温度
であるナゲット形成温度以上にAlと銅との接合部分を
保つこととすると、接合部分における温度の極大点がナ
ゲット内溶融金属が吹き出してくる最低温度である散り
発生温度以上になるおそれが生じる。
【0022】一方、コンデンサ式電源における電流値の
制御は困難なので、図1,図2に示すように、電流の立
ち上がり時間を任意に制御できず初期抵抗の高いものを
溶接する場合に初期抵抗部分において瞬時に散り発生温
度を超えてしまう。したがって、電極に流す電流量と通
電時間とを制御して、接合部分の温度を一定時間ナゲッ
ト形成温度に保持することは不可能である。
【0023】これらに対して、インバータ式電源では、
図1に示すように、電極に流れる電流の波形が平坦に制
御できるので連続的な熱供給が可能となり効率がよいの
で短時間で溶接が完了する。したがって、ナゲット周辺
への熱歪みも少なく良好な仕上がりとなる効果がある。
【0024】また、インバータ式電源では、図2に示す
ように、連続的に温度を上昇させることに加えて溶接物
に応じて適正な波形調節が可能となり散りが発生しない
溶接条件が幅広く設定でき、安定した溶接品質を保持で
きる効果がある。
【0025】このときにより確実に、安定した接合を行
えるようなインバータによる制御方法は、銅部材とAl
部材との界面温度がナゲット形成温度以上になるまで電
流を流し続ける温度上昇工程と、その界面温度がナゲッ
ト形成温度以上になったときに、界面温度をナゲット形
成温度以上、散り発生温度未満に保持するように流す電
流を制御する温度保持工程とからなることが好ましい。
【0026】ナゲットが生成しないと銅部材とAl部材
とを接合することができず、散りが発生するとバリや空
孔が生成して見栄えが悪くなるばかりでなく接合強度も
低下するからである。
【0027】そのときに前記温度保持工程は、前記界面
温度がナゲット形成温度以上になったときに、該界面温
度を230℃〜2520℃に保持するように流す電流を
制御する工程とすることがより確実にAlと銅とを接合
させるためには好ましい。
【0028】したがって、本発明のAlと銅との接合方
法によれば、接合強度の高いAlと銅との接合方法を提
供することができるという効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明のAlと銅との接合
方法の実施形態について、詳細に説明する。
【0030】本実施形態のAlと銅との接合方法は、ス
ズ被覆層形成工程と、溶接接合工程とからなる。
【0031】すなわち、本実施形態のAlと銅との接合
方法は、銅部材に形成したスズ被覆層を介して銅部材と
Al部材とをジュール熱により溶接接合するものであ
る。
【0032】なお、本発明のAlと銅との接合方法を適
用する前に銅部材およびAl部材のそれぞれについて公
知の方法により、接合表面の清浄化および接合部位間の
相性をよくするために接触性向上等の前処理を行うこと
が好ましい。
【0033】スズ被覆工程は、接合される銅部材にスズ
被覆層を形成するスズ被覆層の形成は、スズを主成分と
する金属溶融物に銅部材を接触させることによって行
う。
【0034】形成されるスズ被覆層の厚さは、好ましく
は1μm以上、より好ましくは4〜20μm程度であ
る。
【0035】金属溶融物は、スズのみを含有するもので
あってもよいし、スズ以外にも亜鉛を含有させてもよ
い。亜鉛の含有量は金属溶融物全体に対して9重量%程
度加えることが好ましい。そして、その他にも生成する
スズ被覆層の融点、強度等の諸性質を変更する目的で他
の物質を加えてもよい。
【0036】この金属溶融物の温度は、好ましくは22
0℃〜900℃、さらに好ましくは、300℃〜600
℃とする。さらに金属溶融物が亜鉛を9重量%含むスズ
である場合に金属溶融物の温度は、好ましくは198℃
〜660℃、さらに好ましくは、230℃〜500℃と
する。
【0037】この金属溶融物に銅部材を接触させる方法
としては、金属溶融物中に銅部材を浸漬してもよいし、
金属溶融物を噴出させて銅部材に接触させてもよい。金
属溶融物は、銅部材の少なくともAl部材と接合される
部分の一部ないし全部に接触させる必要がある。この場
合に銅部材のAl部材と接合される部分の全部に金属溶
融物を接触させることが好ましい。
【0038】そして、銅部材に金属溶融物を接触させる
部分は、できるだけ少ない方が好ましい。必要以上に多
いと無駄であり、また、金属溶融物に接触させることに
より形成されるスズ被覆層に溶接用の電極が接触するこ
とによって銅合金電極にスズが拡散し、抵抗増加になる
こと、および銅部材とその電極が接合するおそれがある
からである。したがって、銅部材に溶接用の電極が接触
する部分には、金属溶融物を接触させないことが好まし
い。
【0039】このように不必要に銅部材表面に金属溶融
物を接触させない方法としては、銅部材とAl部材との
接合表面に、その接合表面の形状を切り欠いたマスク板
の切り欠き部分を接触させるマスク工程と、金属溶融物
を噴出させて銅部材に金属溶融物を接触させるスズ噴出
工程とからなる方法を採用することが好ましい。これに
より、銅部材の不必要な部分には、金属溶融物が接触し
ない。
【0040】マスク板は、耐久性や形成されるスズ被覆
層への影響を考慮して鉄等の材料からなることが好まし
い。そして、スズ噴出工程は、渦巻式ポンプにより溶ス
ズを循環させ噴流を得る方法のような公知の方法で行う
ことができる。
【0041】溶接接合工程は、銅部材に形成されたスズ
被覆層とAl部材とを接触させ、銅部材とAl部材とを
それぞれ別の溶接用の電極によって加圧しながら、該電
極間に電流を流して溶接する。
【0042】こうすることによって、初期には銅部材と
Al部材との接触抵抗によって、ナゲット生成後につい
ては銅とAlとの体積抵抗によって、それぞれジュール
熱が発生してナゲットが成長する。したがって、流す電
流値を制御することにより最適な接合が実現可能であ
る。
【0043】銅部材とAl部材との接触は、接合後に求
められる位置にあらかじめ固定する。そして、溶接用の
電極によって銅部材とAl部材との接触部位を狭持、加
圧する。
【0044】この溶接用の電極は、高温における強度、
電気伝導性、熱伝導性等を考慮したクロム銅、クロムジ
ルコニウム銅、カドミニウム銅、ジルコニウム銅等の公
知の材料で形成されており、必要に応じて表面処理、た
とえば、先端へのタングステンのロウ付け等が行われ
る。このなかでもAl側にはクロム銅を使用することが
好ましく、そして銅側には電極との溶着をさける目的で
先端にタングステンをロウ付けすることが好ましい。
【0045】そして、電極形状は、平面形、ラジアス
形、ドーム形、ドームラジアス形、円すい形等の公知形
状およびその他の電極を用いることができる。また、電
極を冷却する目的で電極内部等の水冷等をすることもで
きる。最適な電極形状は、被接合部材である銅部材およ
びAl部材の厚さや接合面積によって異なってくる。し
かしながら、両金属間の塑性流動を生じさせ、界面に拡
散と固溶生成とを起こしやすくするために、一方の電極
についてドーム形のような突起部を有する形態とするこ
とが好ましい。
【0046】電極により銅部材およびAl部材を狭持す
る圧力は適宜、接合性が向上するように決定される。
【0047】電極間に電流を流す電源としては、電流を
インバータ制御するインバータ式電源、商用電源の波形
を用いる単相交流電源、コンデンサに蓄電された電力を
用いるコンデンサ式電源等の公知の電源を使用可能であ
るが、インバータ式電源を用いることが好ましい。
【0048】インバータ式電源としては、公知のものを
用いることができる。インバータ式電源のスイッチング
周波数としては、約600Hz以上にまで高めると電流
値の制御性に優れるので好ましい。さらに好ましくは、
約1kHz〜3kHz程度とする。
【0049】銅部材とAl部材との接合部分へ電流を流
す制御方法としては、銅部材とAl部材との界面温度が
ナゲット形成温度以上になるまで電流を流し続ける温度
上昇工程と、その界面温度がナゲット形成温度以上にな
ったときに、界面温度をナゲット形成温度以上、散り発
生温度未満に保持するように流す電流を制御する温度保
持工程とからなることが好ましい。
【0050】そのときに前記温度保持工程において、界
面温度がナゲット形成温度以上になったときに、流す電
流を制御して界面温度を230〜660℃程度に保持す
ることが、より確実にAlと銅とを接合させるためには
好ましい。
【0051】インバータ式電源により界面温度を制御す
る方法は、電極間の抵抗の変化により制御する方法、実
際に流した電流値の積分値から発生する熱量を計算して
求める方法、実験的に温度を求め検量線を作成してその
検量線に当てはめる方法、界面温度を実際に測定してフ
ィードバックする方法等により、現在の界面温度を測定
もしくは推定してその界面温度が、前記温度範囲に収ま
るように電流の絶対値等を制御する。
【0052】
【実施例】以下に本発明のAlと銅との接合方法につい
て実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発
明は、以下の実施例により限定されるものではない。
【0053】(銅部材へのスズ被覆層形成)本発明のA
lと銅との接合方法を実験する部材としてAl板(80
mmx12xt2、純Al(A1050))と、銅板
(80mmx12xt2、純銅(Cu1020))とを
用いた。
【0054】銅板の短辺から長辺方向に20mmの長さ
にわたり片面にスズ被覆層を形成した。スズ被覆層の厚
さは4〜20μmになるように調節した。
【0055】図3にスズ被覆層を形成する装置および方
法を示す。
【0056】あらかじめ銅板、Al板の表面の汚れは、
酸処理、ブラッシング等により除去した。金属溶融物2
が上方に噴流する部分に、銅板のAl板との接合面の形
状に切り欠いたマスク板1を設けた。そして、金属溶融
物2を噴出させてマスク板1の切り欠きに銅板の接合面
を合わせるように銅板をおき、銅板の表面にスズ被覆層
を形成した。
【0057】〈実施例1、2〉スズ被覆層を8μmの厚
さで形成した。
【0058】〈比較例1、2〉スズメッキ層を通常の方
法で8μmの厚さに形成した。
【0059】(電極)図4に溶接装置に装着する電極を
示す。
【0060】銅側の電極3は、図4に示すように、クロ
ム銅製の直径19mmの円筒形の平面形電極とした。そ
して先端部分の表面には、タングステンをロウ付け31
した。
【0061】Al側の電極4は、図4に示すように、ク
ロム銅製の直径19mmで先端部が半球状のドーム形電
極とした。
【0062】(溶接条件、接合強度試験)銅板とAl板
との溶接を表1に示す条件で行った。界面温度は散りが
発生しない条件を実験的に求めた。接合強度試験の結果
も表1に示す。
【0063】接合強度試験の評価法は、銅板とAl板と
をそれぞれペンチでつかみ、手で引き剥がした部分の表
面を観察した。銅板の表面に、Al板表面の一部がもぎ
取られ付着している場合は、銅とAlとの接合面の強度
は充分あるとして評価を○として、そうでない場合は接
合面の強度が不十分であるとして評価を×とした。
【0064】
【表1】
【0065】実施例ではどちらもAlと銅との充分な接
合ができた。比較例ではどちらもAlと銅との充分な接
合ができなかった。
【0066】(接合面の評価)実施例Xの銅板とAl板
との接合物を接合面に垂直方向に切断してその接合界面
を金属顕微鏡にて観察した。
【0067】観察結果を図5にしめす。図5−aは10
0倍、図5−bは400倍にそれぞれ拡大した図であ
る。図の上部の組織が銅であり、下部の組織がAlであ
る。そしてその間にスズの層が観察できる。図5−bに
よるとスズと銅との間に拡散層と固溶層が、そしてスズ
とAlとの間に固溶層が観察できる。
【0068】このように本発明のAlと銅との接合方法
によると、界面に固溶層を生成させるのでAlと銅との
接合が充分に達成できたものと考えられる。
【0069】
【発明の効果】本発明のAlと銅との接合方法によれ
ば、従来の接合方法より接合強度の高いAlと銅との接
合方法を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】インバータ式電源の電流波形と単相交流電源の
電流波形とを示す図である。
【図2】散り発生温度に至る各方式電源における通電時
間の関係を示すモデル図をである。
【図3】スズ被覆層を形成する装置および方法を示す図
である。
【図4】溶接装置に装着する電極を示す図である。
【図5】Alと銅との接合面の断面を示した図である。
【符号の説明】
1…マスク板 2…金属溶融物 3…銅側電極
31…タングステンロウ付け 4…Al側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 103:18 B23K 103:18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅部材の少なくともアルミニウム部材と
    の接合表面にスズを含む金属溶融物を接触させることに
    よって、該接合表面をスズにより被覆し、該銅部材とス
    ズとの界面に銅とスズとの固溶を生成させたスズ被覆層
    を形成するスズ被覆層形成工程と、 該銅部材の該スズ被覆層と該アルミニウム部材とを接触
    させ、該銅部材と該アルミニウム部材とをそれぞれ別の
    電極によって加圧しながら、該電極間に電流を流して溶
    接する溶接接合工程とからなることを特徴とするアルミ
    ニウムと銅との接合方法。
  2. 【請求項2】 前記金属溶融物は亜鉛を含み、前記スズ
    被覆層も亜鉛を含む請求項1記載のアルミニウムと銅と
    の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記銅部材は、前記電極が接触する部分
    に前記スズ被覆層が形成されていない請求項1記載のア
    ルミニウムと銅との接合方法。
  4. 【請求項4】 前記金属溶融物を前記銅部材に接触させ
    る方法は、該銅部材の前記接合表面に、該接合表面の形
    状を切り欠いたマスク板の切り欠き部分を接触させるマ
    スク工程と、 前記金属溶融物を噴出させて該銅部材に該金属溶融物を
    接触させるスズ噴出工程とからなる請求項1記載のアル
    ミニウムと銅との接合方法。
  5. 【請求項5】 前記金属溶融物の温度は、230℃〜6
    60℃である請求項1記載のアルミニウムと銅との接合
    方法。
  6. 【請求項6】 前記電極から流す電流は、インバータに
    より制御されている請求項1記載のアルミニウムと銅と
    の接合方法。
  7. 【請求項7】 前記インバータによる制御方法は、前記
    銅部材と前記アルミニウム部材との界面温度がナゲット
    形成温度以上になるまで電流を流し続ける温度上昇工程
    と、 該界面温度がナゲット形成温度以上になったときに、該
    界面温度をナゲット形成温度以上、散り発生温度未満に
    保持するように流す電流を制御する温度保持工程とから
    なる請求項6記載のアルミニウムと銅との接合方法。
  8. 【請求項8】 前記温度保持工程は、前記界面温度がナ
    ゲット形成温度以上になったときに、該界面温度を23
    0℃〜2520℃に保持するように流す電流を制御する
    工程である請求項7記載のアルミニウムと銅との接合方
    法。
JP27016399A 1999-09-24 1999-09-24 アルミニウムと銅との接合方法 Pending JP2001087866A (ja)

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