JP2001086689A - モータ - Google Patents

モータ

Info

Publication number
JP2001086689A
JP2001086689A JP26059599A JP26059599A JP2001086689A JP 2001086689 A JP2001086689 A JP 2001086689A JP 26059599 A JP26059599 A JP 26059599A JP 26059599 A JP26059599 A JP 26059599A JP 2001086689 A JP2001086689 A JP 2001086689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
outer peripheral
stator
circuit board
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26059599A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Akaha
誠 赤羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP26059599A priority Critical patent/JP2001086689A/ja
Publication of JP2001086689A publication Critical patent/JP2001086689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電機子や回路基板を樹脂で円筒状に覆ったス
テータを有するモータにおいて、ステータの外周側面か
ら外側への樹脂のはみ出し、さらには樹脂の裂けや屑の
発生を防止することのできる構成を提供すること。 【解決手段】 モータ10のステータ19を樹脂70で
円筒状に被覆する際に、注入型80の内周面にテーパ8
5を形成しておき、樹脂70の上端面71の外周縁74
にテーパー面72を形成する。このように構成すると、
樹脂70の外周縁74に、ひけに起因する突起79が形
成されても、突起79は樹脂70の外周側面73から外
側にはみ出ない。また、注入型80からステータ19を
抜き出すときに、注入型80と樹脂70との間に大きな
摩擦力が働かないので、樹脂70の裂けや屑が発生しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレーム上に形成
した電機子を樹脂で覆ったステータを有するモータに関
するものである。さらに詳しくは、このステータに対す
る樹脂の被覆技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種のモータにおいて、ステータを構成
する電機子や回路などを水や油から保護し、さらにはそ
の絶縁性を高めることを目的に、フレーム上に形成した
電機子や回路基板を樹脂で覆うことがある。このような
モータを製造するには、たとえば、図10に示すよう
に、フレーム20の円筒部21の周りに電機子30を形
成するとともに、この円筒部21の下端側から張り出し
たフランジ部25に回路基板40を重ねた後、フレーム
20を上端側から、内カバー81および外カバー82か
らなる注入型80内に配置し、しかる後に、注入型80
に形成されている大きな上部開口83から樹脂70を注
入する。その結果、回路基板40の上面から電機子30
の上面にかけてが樹脂70で円筒状に覆われたステータ
19が形成される。
【0003】ここで、注入型80の内周面は、全体がモ
ータ軸線Lに平行な面になっているため、ステータ19
において、樹脂70の外周側面は、全体がモータ軸線L
に平行な面になっている。
【0004】また、回路基板40には、半田などによっ
て複数本のリード線42が配線接続されており、これら
のリード線42は外部との配線接続に用いるため、樹脂
70で覆わない。従って、リード線42は、複数本が樹
脂チューブ44に通され、回路基板40およびフランジ
部25を貫通するリード引き出し孔50を通してフラン
ジ部25の下面側に引き出されている。なお、リード引
き出し孔50内にゴム製のブッシュ55を装着してお
き、このブッシュ55を通してリード線42を引き出す
ことが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな注型技術によって電機子30や回路基板40を樹脂
70で円筒状に覆う際には、図11(A)に実線R1で
示す位置まで注入した樹脂70が硬化する間に実線R2
で示す位置まで収縮し、このような樹脂70のひけに起
因して、図11(B)に示すように、硬化した後の樹脂
70の上端面の外周縁には突起79が形成される。ここ
で、樹脂70はポリウレタン系樹脂などの弾性を有する
樹脂であるため、モータが回転したとき突起79が外側
に倒れると、突起79がロータケース(図示せず)に当
たるという問題点がある。
【0006】また、樹脂70が弾性を有する場合には特
に、図11(C)に矢印Dで示すように、注入型80か
らステータ19を抜くときに樹脂70と注入型80との
間に大きな摩擦力(矢印Eで示す)が発生し、この摩擦
力によって、突起79に相当する部分が裂けてコイル3
2が露出し、絶縁性が低下することがある。また、摩擦
力によって樹脂70が砕けて樹脂70の屑が発生し、こ
の屑がステータ19とロータケースとの間に挟まってモ
ータ負荷が増大するという問題点もある。
【0007】さらに、従来の注型技術でステータ19を
樹脂70で覆うと、樹脂チューブ44とブッシュ55と
の隙間、樹脂チューブ44とリード線42との隙間、樹
脂チューブ44内でのリード線42同士の隙間、ブッシ
ュ55とフレーム20との隙間などから樹脂70が漏
れ、漏れた樹脂70が樹脂チューブ44やリード線42
を伝って不必要な部分に付着してしまうという問題点が
ある。このような樹脂70の漏れが発生した場合には、
手間をかけて樹脂70を剥がす必要があるため、生産性
が低下する。また、漏れた樹脂70がリード線42の周
りに付着すると、リード線42の柔軟性が損なわれ、リ
ード線42を自由に引き回すことができなくなる。さら
に、漏れた樹脂70が、リード線42の端部に取り付け
られているコネクタ46に付着すると、接触不良などの
原因となる。
【0008】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
フレーム上に形成した電機子や回路基板を樹脂で円筒状
に覆ったステータを有するモータにおいて、ステータ外
周側への樹脂のみ出しを防止することのできる構成を提
供することにある。
【0009】また、本発明の課題は、注入型からステー
タを抜くときに樹脂の裂けや屑の発生を防止することの
できる構成を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、軸受を保持する円筒部、および該円筒部
の下端側から張り出したフランジ部を備えるフレーム
と、前記円筒部の周囲に形成された電機子と、前記フラ
ンジ部上に重ねられた回路基板とを有するステータの前
記回路基板の上面から前記電機子の上面にかけて樹脂に
より円筒状に覆われたモータにおいて、前記ステータを
上方からみたときに、前記樹脂の上端面の外周縁が当該
樹脂の外周側面部よりも内側に位置していることを特徴
とする。
【0011】本発明では、回路基板の上面から電機子の
上面にかけて樹脂で円筒状に覆う際に樹脂のひけに起因
して樹脂の上端面の外周縁に突起が形成されても、もと
もと、樹脂の上端面の外周縁が樹脂の外周側面よりも内
側に位置しているため、この突起は、ステータの外周側
面より外側にはみ出すことがない。従って、樹脂のひけ
に起因して発生した突起がロータケースと接触すること
を確実に回避できる。
【0012】本発明において、樹脂の上端面の外周縁が
当該樹脂の外周側面部よりも内側に位置させるには、樹
脂の上端側の側面に段差を形成してもよいが、前記樹脂
の上端部の外周縁がテーパ面になっていることにより、
前記ステータを上方からみたときに、前記樹脂の上端面
の外周縁が当該樹脂の外周側面部よりも内側に位置して
いることが好ましい。このように構成すると、注入型内
での樹脂の被覆を終えた後、注入型からステータを抜き
出すときに、樹脂を注入型の内周面から引き剥がす力が
効果的に作用し、樹脂と注入型の内周面との間に大きな
摩擦が発生しない。それ故、ステータを注入型から抜き
出すときに樹脂の裂けや屑が発生するのを防止すること
ができる。
【0013】本発明において、前記テーパ面は、たとえ
ば、前記樹脂の外周側面に対して20°±10°の角度
をなしている。
【0014】本発明において、回路基板の上面から電機
子の上面にかけて樹脂で円筒状に覆うには注型技術を利
用すればよい。この注型技術では、前記樹脂は、前記フ
レームを配置した注入型内に注入されることにより前記
回路基板の上面から前記電機子の上面にかけてを円筒状
に覆う。この場合には、前記樹脂のテーパ面は、前記注
入型の内周面に形成されたテーパ面によって形成するこ
とができる。
【0015】本発明において、前記樹脂は、たとえばポ
リウレタン系樹脂である。
【0016】本発明において、前記回路基板には複数本
のリード線が配線接続されているとともに、前記複数本
のリード線は、収縮性を有する樹脂チューブに通された
状態で前記回路基板および前記フランジ部を貫通するリ
ード引き出し孔を介して前記回路基板から前記フランジ
部の下面側に引き出され、前記樹脂チューブと前記リー
ド線との隙間、および当該チューブ内の前記リード線同
士の隙間は、当該チューブ内に注入された接着剤により
封止され、前記リード引き出し孔と前記リード線との隙
間、および前記リード引き出し孔と前記樹脂チューブと
の隙間のうちの少なくとも一方も接着剤により封止され
ていることが好ましい。このように、フレーム、回路基
板、リード線、樹脂チューブの間に形成されるフランジ
下面側への隙間を接着剤で封止しておくと、電機子や回
路基板を樹脂で覆うときに、チューブとリード線との間
やチューブ内のリード線同士の隙間、あるいはチューブ
やリード線とリード引き出し孔との隙間から樹脂が漏れ
ることがない。従って、漏れた樹脂がチューブやリード
線を伝って不必要な部分に付着してしまうことがないの
で、漏れた樹脂を手間をかけて剥がすという工程が必要
ない。また、樹脂の漏れがないので、漏れた樹脂がリー
ド線の周りに付着してリード線の柔軟性を損なうことも
ない。さらに、漏れた樹脂がコネクタに付着して接触不
良などを起すこともない。さらにまた、樹脂が行き渡る
範囲を制限してあるが、チューブ内などについては接着
剤で封止されているので、この接着剤によって水分の侵
入を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を適用し
たモータについて説明する。
【0018】図1および図2はそれぞれ、本形態に係る
モータの平面図、およびモータの半分を切欠いて示す側
面図である。図3、図4および図5はそれぞれ、本形態
のモータに用いたステータの平面図、底面図、およびス
テータの半分を切欠いて示す側面図である。
【0019】図1および図2において、本形態のモータ
10は、概ね、回転軸11と、この回転軸11と一体に
回転するカップ状のロータケース12と、回転軸11を
保持する一対のラジアル軸受13、14と、ラジアル軸
受13、14の下方位置で回転軸11の下端を支持する
スラスト軸受16と、上下一対のラジアル軸受13、1
4を円筒部21で保持するフレーム20とから構成され
ている。
【0020】本形態では、フレーム20を利用してステ
ータ19が構成されている。すなわち、ステータ19で
は、フレーム20の円筒部21の周りに、この円筒部2
1によって支持されたステータコア31、およびこのス
テータコア31の各突極に巻回されたコイル32とから
なる電機子30が構成されている。これに対して、ロー
タケース12の円筒状側面の内周面には駆動マグネット
15が配置され、この駆動マグネット15は、ステータ
コア31の各突極に対向している。
【0021】図3、図4および図5において、ステータ
19では、フレーム20の円筒部21の下端側からはフ
ランジ部25が張り出しており、このフランジ部25の
上に回路基板40が重ねられている。本形態では、フラ
ンジ部25と回路基板40とはねじ48によって固定さ
れている。
【0022】回路基板40には、複数の電子部品41が
実装されているとともに、複数本のリード線42が半田
により電気的に接続されている。これらのリード線42
は、複数本がまとめて樹脂チューブ44に通され、回路
基板40およびフランジ部25を貫通するリード引き出
し孔50を通してフランジ部25の下面側に引き出され
ている。ここで、リード引き出し孔50は、回路基板4
0に形成された貫通孔49と、この貫通孔49と連通す
るようにフレーム20に形成された段付きの貫通孔29
とから構成されている。このようなチューブ44および
リード引き出し孔50は、信号系および駆動系の2系列
分、構成されているが、いずれも同一の構造を有してい
るので、以下の説明では、一方のみについて説明する。
【0023】本形態では、フレーム20の段付きの貫通
孔29を利用して、リード引き出し孔50の底部にゴム
製のブッシュ55が装着され、このブッシュ55を通し
てリード線42が通された樹脂チューブ44が引き出さ
れている。また、リード線42の端部にはコネクタ46
が取り付けられている。
【0024】ここで、樹脂チューブ44の上端部は、リ
ード引き出し孔50の内部に位置している。
【0025】このように構成したモータ10のステータ
19において、回路基板40の上面から電機子30の上
面にかけては、ポリウレタン系樹脂などの弾性を有する
樹脂70で円筒状に覆われ、コイル32や回路基板40
とリード線42との接続部分は樹脂70で覆われてい
る。このため、本形態のモータ10では、水や油がコイ
ル32や回路基板40に付着することがなく、かつ、高
い絶縁性を有している。但し、ステータコア31の外周
面は樹脂70で覆われず、露出している。
【0026】このような樹脂70による被覆構造および
被覆方法を、図6(A)、(B)、図7および図8を参
照して詳述する。
【0027】図6(A)、(B)はそれぞれ、図1に示
すモータ10を製造する際にステータ19を樹脂で覆う
工程を示す工程断面図、およびこの工程を行なう際の樹
脂70の上端面の外周部分を拡大して示す説明図であ
る。図7は、図1に示すモータ10を製造する際にステ
ータ19を樹脂70で覆う前工程として行なう封止工程
の工程図である。図8は、図1に示すモータ10を製造
する際にステータ17を樹脂で覆う工程を示す工程図で
ある。
【0028】図3および図5を参照して説明したように
樹脂70で電機子30や回路基板40を覆うにあたっ
て、本形態では、図6(A)に示すように、フレーム2
0の円筒部21の周りに電機子30を形成するととも
に、この円筒部21の下端側から張り出したフランジ部
25に回路基板40を重ねた後、フランジ部25と回路
基板40とをねじ48で固定し、しかる後に、ステータ
19(フレーム20)を上端側から、内カバー81およ
び外カバー83からなる注入型80内に配置する。ここ
で、注入型80とフランジ部25との間にはパッキン8
8を配置する。次に、注入型80に形成されている大き
な上部開口83から樹脂70を注入する。その結果、回
路基板40の上面から電機子30の上面にかけて樹脂7
0で覆われる。
【0029】ここで、本発明では、図6(B)に拡大し
て示すように、注入型80の内カバー81の内周面のう
ち、樹脂70の上端面の外周縁に相当する部分にはテー
パ面85が形成されている。このため、この注入型80
の内部で、ステータ19の回路基板40の上面および電
機子30の60上面を樹脂70によって円筒状に覆う
と、樹脂70の上端面71の外周縁74にはテーパ面7
2が形成され、このテーパ面72は、たとえば、樹脂7
0の外周側面73に対して20°±10°の角度をなし
ている。従って、ステータ19(樹脂70)を上方から
みると、樹脂70の上端面71の外周縁74は樹脂70
の外周側面73よりも内側に位置している。ここで、樹
脂70を注入した後、硬化させると、図11(A)を参
照して説明したように、樹脂70には、ひけ量Bで表わ
される収縮が発生する。本形態において、樹脂70の上
端面71の外周縁74が樹脂70の外周側面73よりも
内側に位置している寸法Aは、樹脂70を硬化させると
きに発生するひけ量Bよりも大きくなるように設定され
ている。
【0030】また、本形態では、このような工程を行な
う際に、樹脂70がフランジ部25の下面側に漏れるこ
と防止することを目的に、まず、樹脂チューブ44内に
は接着剤75が充填され、この接着剤75によって、樹
脂チューブ44とリード線42との隙間、および樹脂チ
ューブ44内におけるリード線42の隙間が封止されて
いる。ここで、接着剤75は、シリコン系接着剤などの
弾性を有する接着剤であるため、樹脂チューブ44の内
部に接着剤75が充填されていても、リード線42およ
び樹脂チューブ44は、可撓性、柔軟性を有している。
従って、フランジ部25の下面側においてリード線42
を自由に引き回すことが可能である。
【0031】また、本形態では、樹脂チューブ44とし
て熱収縮性のものを用い、樹脂チューブ44内に接着剤
75を充填した後、樹脂チューブ44を収縮させること
により、樹脂チューブ44内の隅々にまで接着剤75を
行き渡らせてある。このため、樹脂チューブ44は断面
円形の状態から潰れた状態にある。
【0032】さらに、リード引き出し孔50にも、樹脂
チューブ44内に充填したのと同じ、シリコン系接着剤
などの弾性を有する接着剤75が充填され、この接着剤
75によって、リード線42とリード引き出し孔50と
の隙間、樹脂チューブ44とリード引き出し孔50との
隙間、およびブッシュ55とリード引き出し孔50との
隙間が封止されている。さらに、ブッシュ55と樹脂チ
ューブ44との隙間も接着剤75で封止されているの
で、樹脂チューブ44が潰れた状態にあっても、この部
分は確実に封止されている。
【0033】さらにまた、樹脂チューブ44の上端部は
リード引き出し孔50内に位置しているので、この上端
部も、リード引き出し孔50に充填された接着剤75で
完全に封止されている。
【0034】このように構成したモータ10の製造方法
のうち、各部品を組み付けてステータ19を製造した
後、所定の部分を接着剤50で封止し、しかる後に、回
路基板40の上面から電機子30の上面にかけて樹脂7
0で覆うまでの工程を説明する。
【0035】まず、図7に示すように、リード線42と
コネクタ46とを接続したリード・コネクタ組みを準備
しておくとともに、樹脂チューブ44を所定の寸法に切
断しておく(カット工程ST21)。次に、樹脂チュー
ブ44の内側にリード線42を通す(挿入工程ST2
2)。次に、樹脂チューブ44内に、溶剤で希釈した接
着剤75(図6参照)を注入した後(接着剤塗布工程S
T23)、必要に応じて樹脂チューブ44を軽く押しつ
ぶして接着剤75を樹脂チューブ44に行き渡らせる。
次に、樹脂チューブ44に熱を加え、樹脂チューブ44
を収縮させるとともに(熱収縮工程ST24)、樹脂チ
ューブ44内の接着剤から溶剤成分の一部が抜け出て
る。ここで、樹脂チューブ44が収縮した際には、樹脂
チューブ44が押し潰された状態になるので、樹脂チュ
ーブ44内が接着剤75で完全に埋められる。このよう
にしてリード線42と樹脂チューブ44との隙間、およ
び樹脂チューブ44内のリード線42同士の隙間を接着
剤75で封止する。
【0036】一方、フレーム20に対しては、予め用意
しておいたゴム製の2つのブッシュ55を装着する(ブ
ッシュの組付工程ST31)。次に、フレーム20のフ
ランジ部25に回路基板40を重ね、この回路基板40
とフランジ部25とをねじ48により固定する(ビス締
め工程ST32)。次に、リード線42をブッシュ55
内に通し(ブッシュへの圧入工程ST33)、回路基板
40の上面側まで引き出されたリード線42を回路基板
40に半田付けする(半田付け工程ST34)。ここ
で、樹脂チューブ44内に充填した接着剤75は、弾性
を有するシリコン系接着剤であるため、リード線42は
自由に折れ曲がるので、リード線42を回路基板40上
の所定の位置に半田付けできる。
【0037】次に、リード引き出し孔50に対して、樹
脂チューブ44内に充填したのを同一の接着剤75を充
填する(接着剤塗布工程ST35)。しかる後に、接着
剤75を加熱、乾燥させ、この接着剤75および樹脂チ
ューブ44に充填した接着剤75に含まれていた溶剤成
分を蒸発させる(乾燥工程ST36)。
【0038】しかる後に、図8に示す樹脂被覆工程を行
なう。この工程では、まず、フレーム20上にステータ
19を形成しておく一方、内カバー81を外カバー82
内に入れて注入型80(治具)を組み立てた後(治具組
付工程ST41)、注入型80の開口端85(下端側)
をフレーム20のフランジ部25で塞ぐようにフレーム
20を上端側から注入型80内に配置し、この状態で、
注入型80の上部開口83から樹脂70を注入する(注
型工程ST42)。次に、樹脂70を硬化させる(硬化
工程ST43)。しかる後に、注入型80内からフレー
ム20を取り出すと(脱型工程ST44)、回路基板4
0の上面から電機子30の上面にかけて樹脂70で覆わ
れたステータが完成する。なお、今回使った注入型80
は、再利用される。
【0039】以上説明したように、本形態のモータ10
では、図6(A)、(B)に示すように、回路基板40
の上面から電機子30の上面にかけて樹脂70で円筒状
に覆う際に樹脂70のひけに起因して樹脂70の上端面
71の外周縁74に突起79が形成されても、もとも
と、樹脂70の上端面71の外周縁74が樹脂70の外
周側面部73よりも内側に位置しているため、この突起
79は、樹脂70の外周側面73より外側にはみ出すこ
とがない。すなわち、突起79の高さは樹脂70のひけ
量Bに相当するが、樹脂70の上端面71の外周縁74
は、樹脂70の外周側面部73よりも寸法Aに相当する
分だけ内側に位置し、かつ、この寸法Aは、ひけ量Bよ
りも大きいので、突起79が外側に倒れたとしても、突
起79は樹脂70の外周側面部73よりも外側にはみ出
ることがない。従って、樹脂70のひけに起因して発生
した突起79がロータケース11と接触することを確実
に回避できる。
【0040】また、本形態では、注入型80の内周面、
および樹脂70の上端部71の外周縁74にテーパ面8
5、72が形成されているので、注入型80内での樹脂
80の被覆を終えた後、注入型80からステータ19を
抜き出すときに、樹脂70を注入型80の内周面から引
き剥がす力が効果的に作用し、樹脂70と注入型80の
内周面との間には、図11(C)を参照して説明したよ
うな大きな摩擦力が発生しない。それ故、ステータ19
を注入型80から抜き出すときに樹脂70の裂けや屑が
発生するのを防止することができる。
【0041】また、本形態では、樹脂70で被覆する際
に、フレーム20、回路基板40、リード線42および
樹脂チューブ44などが構成する隙間を全て接着剤75
で封止してあるので、注入型80内に樹脂70を注入し
たとき、樹脂チューブ44とブッシュ55との隙間、樹
脂チューブ44とリード線42との隙間、樹脂チューブ
44内のリード線42同士の隙間、ブッシュ55とフレ
ーム20との隙間から、樹脂70が漏れることはない。
従って、漏れた樹脂70を手間をかけて剥がすという工
程が必要ない。また、樹脂70の漏れがないので、漏れ
た樹脂70がリード線42の周りに付着してリード線4
2の柔軟性を損なうこともない。さらに、漏れた樹脂7
0がコネクタ46に付着して接触不良などを起すことも
ない。さらにまた、樹脂70が行き渡る範囲を制限して
あるが、樹脂チューブ44内などのは接着剤75で封止
されているので、この接着剤75によって水分の侵入を
防止することができる。
【0042】[その他の実施の形態]ステータ19(樹
脂70)を上方からみたときに、樹脂70の上端面71
の外周縁74が樹脂70の外周側面73よりも内側に位
置するように構成するにあたっては、図9(A)に示す
ように、注入型80の内カバー81の内周面のうち、樹
脂70の上端面の外周縁74に相当する部分に段差86
を形成しておいてもよい。その他の構成は、図1ないし
図8を参照して説明したとおりであるため、説明を省略
する。
【0043】このように構成すると、注入型80の内部
で、ステータ19の回路基板40の上面および電機子3
0の60上面を円筒状に覆うように樹脂70による被覆
を行なうと、樹脂70の上端面71の外周縁74にも段
差77が形成される。従って、ステータ19(樹脂7
0)を上方からみると、樹脂70の上端面71の外周縁
74は樹脂70の外周側面73よりも内側に位置するこ
とになる。ここでも、樹脂70の上端面71の外周縁7
4が樹脂70の外周側面73よりも内側に位置している
寸法Aは、樹脂70を硬化させるときに発生するひけ量
Bよりも大きくなるように設定する。
【0044】このように構成した場合も、樹脂70のひ
けに起因して樹脂70の上端面71の外周縁74に突起
79が形成されても、もともと、樹脂70の上端面71
の外周縁74が樹脂70の外周側面部73よりも内側に
位置しているため、この突起79は、樹脂70の外周側
面73より外側にはみ出すことがない。従って、樹脂7
0のひけに起因して発生した突起79がロータケース1
1と接触することを確実に回避できる。
【0045】また、ステータ19(樹脂70)を上方か
らみたときに、樹脂70の上端面71の外周縁74が樹
脂70の外周側面73よりも内側に位置するように構成
するにあたっては、図9(B)に示すように、注入型8
0の内カバー81の内周面のうち、樹脂70の上端面7
1の外周縁74に相当する部分よりやや下方に段差86
を形成し、さらに樹脂70の上端面71の外周縁74に
相当する部分にテーパ面85を形成してもよい。その他
の構成は、図1ないし図8を参照して説明したとおりで
あるため、説明を省略する。
【0046】このように構成すると、注入型80の内部
で、ステータ19の回路基板40の上面および電機子3
0の60上面を円筒状に覆うように樹脂70による被覆
を行なうと、樹脂70には段差77が形成されるととも
に、樹脂70の上端面71の外周縁74にはテーパ面7
2が形成される。従って、ステータ19(樹脂70)を
上方からみると、樹脂70の上端面71の外周縁74は
樹脂70の外周側面73よりも内側に位置している。こ
こでも、樹脂70の上端面71の外周縁74が樹脂70
の外周側面73よりも内側に位置している寸法Aは、樹
脂70を硬化させるときに発生するひけ量Bよりも大き
くなるように設定する。
【0047】このように構成した場合も、樹脂70のひ
けに起因して樹脂70の上端面71の外周縁74に突起
79が形成されても、もともと、樹脂70の上端面71
の外周縁74が樹脂70の外周側面部73よりも内側に
位置しているため、この突起79は、樹脂70の外周側
面73より外側にはみ出すことがない。従って、樹脂7
0のひけに起因して発生した突起79がロータケース1
1と接触することを確実に回避できる。
【0048】また、本形態では、注入型80の内カバー
81の内周面、および樹脂70の上端部71の外周縁7
4にテーパ面85、72が形成されているので、注入型
80内での樹脂70の被覆を終えた後、注入型80から
ステータ19を抜き出すときに、樹脂70を注入型80
の内周面から引き剥がす力が効果的に作用し、樹脂70
と注入型80の内周面との間には、図11(C)を参照
して説明したような大きな摩擦力が発生しない。それ
故、ステータ19を注入型80から抜き出すときに樹脂
70の裂けや屑が発生するのを防止することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るモー
タでは、回路基板の上面から電機子の上面にかけて樹脂
で円筒状に覆う際に樹脂のひけに起因して樹脂の上端面
の外周縁に突起が形成されても、もともと、樹脂の上端
面の外周縁が樹脂の外周側面部よりも内側に位置してい
るため、この突起は、樹脂の外周側面より外側にはみ出
すことがない。従って、樹脂のひけに起因して発生した
突起がロータケースと接触することを確実に回避でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したモータの平面図である。
【図2】図1に示すモータの半分を切欠いて示す側面図
である。
【図3】図1に示すモータに用いたステータの平面図で
ある。
【図4】図1に示すモータに用いたステータの底面図で
ある。
【図5】図1に示すモータに用いたステータの半分を切
欠いて示す側面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、図1に示すモータ
を製造する際にステータを樹脂で覆う工程を示す工程断
面図、およびこの工程を行なう際の樹脂の上端面の外周
部分を拡大して示す説明図である。
【図7】図1に示すモータを製造する際にステータを樹
脂で覆う前工程として行なう封止工程の工程図である。
【図8】図1に示すモータを製造する際にステータを樹
脂で覆う工程を示す工程図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した
別のモータを製造する際にステータを樹脂で覆う際の樹
脂の上端面の外周部分を拡大して示す説明図、および本
発明を適用したさらに別のモータを製造する際にステー
タを樹脂で覆う際の樹脂の上端面の外周部分を拡大して
示す説明図である。
【図10】従来のモータを製造する際にステータを樹脂
で覆う工程を示す工程図である。
【図11】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、従来の
モータを製造する際にステータを樹脂で覆う際の樹脂の
上端面の外周部分を拡大して示す説明図、このステータ
を樹脂で覆った後の様子を拡大して示す説明図、および
樹脂で覆ったステータを注入型から抜き出す様子を拡大
して示す説明である。
【符号の説明】
10 モータ 11 回転軸 12 ロータケース 13、14 ラジアル軸受 15 駆動マグネット 16 スラスト軸受 19 ステータ 20 フレーム 21 フレームの円筒部 25 フレームのフランジ部 29、49 リード引き出し孔を構成する貫通孔 30 電機子 31 ステータコア 32 コイル 40 回路基板 41 電子部品 42 リード線 44 樹脂チューブ 46 コネクタ 48 ねじ 50 リード引き出し孔 55 ブッシュ 70 樹脂 71 樹脂の上端面 72 樹脂の上端面の外周縁に形成されたテーパ面 73 樹脂の外周側面 74 樹脂の上端面の外周縁 75 接着剤 77 樹脂に形成された段差 79 樹脂の突起 80 注入型 81 内カバー 82 外カバー 83 上部開口 85 注入型の内周面に形成したテーパ面 86 注入型の内周面に形成した段差
フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 BA01 BA14 BA17 BA20 BA26 BA34 5H605 AA02 AA13 BB05 BB14 BB19 CC01 CC04 CC05 CC06 CC08 DD05 DD32 EA09 EB10 EC01 EC03 EC05 EC20 FF06 FF08 GG06 GG18 GG20 GG21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受を保持する円筒部、および該円筒部
    の下端側から張り出したフランジ部を備えるフレーム
    と、前記円筒部の周囲に形成された電機子と、前記フラ
    ンジ部上に重ねられた回路基板とを有するステータの前
    記回路基板の上面から前記電機子の上面にかけてが樹脂
    により円筒状に覆われたモータにおいて、 前記ステータを上方からみたときに、前記樹脂の上端面
    の外周縁が当該樹脂の外周側面部よりも内側に位置して
    いることを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記樹脂の上端部
    は、外周縁がテーパ面になっていることにより、前記ス
    テータを上方からみたときに、前記樹脂の上端面の外周
    縁が当該樹脂の外周側面部よりも内側に位置しているこ
    とを特徴とするモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記テーパ面は、前
    記樹脂の外周側面に対して20°±10°の角度をなし
    ていることを特徴とするモータ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記樹脂
    は、前記フレームを配置した注入型内に注入されること
    により前記回路基板の上面から前記電機子の上面にかけ
    てを円筒状に覆っており、 前記テーパ面は、前記注入型の内周面に形成されたテー
    パ面によって形成されていることを特徴とするモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記樹脂は、前記フレームを配置した注入型内に注入さ
    れることにより前記回路基板の上面から前記電機子の上
    面にかけてを円筒状に覆っていることを特徴とするモー
    タ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記樹脂はポリウレタン系樹脂であることを特徴とする
    モータ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記回路基板には複数本のリード線が配線接続されてい
    るとともに、 前記複数本のリード線は、収縮性を有する樹脂チューブ
    に通された状態で前記回路基板および前記フランジ部を
    貫通するリード引き出し孔を介して前記回路基板から前
    記フランジ部の下面側に引き出され、 前記樹脂チューブと前記リード線との隙間、および当該
    チューブ内の前記リード線同士の隙間は、当該チューブ
    内に注入された接着剤により封止され、 前記リード引き出し孔と前記リード線との隙間、および
    前記リード引き出し孔と前記樹脂チューブとの隙間のう
    ちの少なくとも一方も接着剤により封止されていること
    を特徴とするモータ。
JP26059599A 1999-09-14 1999-09-14 モータ Pending JP2001086689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26059599A JP2001086689A (ja) 1999-09-14 1999-09-14 モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26059599A JP2001086689A (ja) 1999-09-14 1999-09-14 モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001086689A true JP2001086689A (ja) 2001-03-30

Family

ID=17350143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26059599A Pending JP2001086689A (ja) 1999-09-14 1999-09-14 モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001086689A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018196303A (ja) * 2017-05-22 2018-12-06 日本電産株式会社 モータ、及びファンモータ
JP2020115717A (ja) * 2019-01-17 2020-07-30 日本電産株式会社 モータおよび送風装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018196303A (ja) * 2017-05-22 2018-12-06 日本電産株式会社 モータ、及びファンモータ
US11025123B2 (en) 2017-05-22 2021-06-01 Nidec Corporation Motor and fan motor
JP2020115717A (ja) * 2019-01-17 2020-07-30 日本電産株式会社 モータおよび送風装置
JP7281636B2 (ja) 2019-01-17 2023-05-26 ニデック株式会社 モータおよび送風装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6828706B2 (en) Watertight brushless fan motor
US6136250A (en) Apparatus and method of encapsulating motors
US20050123423A1 (en) Fan having an integrated ip protection
JP3432380B2 (ja) ブラシレスファンモータの製造方法
US20010033111A1 (en) Resin molded brushless direct current motor and method of manufacturing the same
EP3576259B1 (en) Axial gap-type rotary electric machine and method for producing same
JP4797429B2 (ja) 回転電機のステータ樹脂成型方法
JP2001086689A (ja) モータ
JP6202173B2 (ja) モータ
JPH11155249A (ja) モールドモータ
JP2001086688A (ja) モータ
CN111903041B (zh) 电动机
JP3896325B2 (ja) 防水型ブラシレスファンモータ及びその製造方法
TWI692180B (zh) 定子、馬達及定子的製造方法
JP5032054B2 (ja) 電気モータのためのカプセル封入された固定子のための接続部品、カプセル封入された固定子、及び電気モータ
JP2003111373A (ja) ブラシレスファンモータ
JPH09149582A (ja) 回転電機の防水型外郭構造
JP7474932B2 (ja) モールドモータ
JPH087818Y2 (ja) 電動機
JP7070283B2 (ja) モータ及びモータの製造方法
JP3505541B2 (ja)
JPH10309054A (ja) モータ
WO2017130539A1 (ja) モータ
JPH09135551A (ja) ワニス処理によるモータリード線の硬化防止方法
JP2021052486A (ja) スピンドルモータ及びスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置