JP2001084548A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001084548A
JP2001084548A JP25634199A JP25634199A JP2001084548A JP 2001084548 A JP2001084548 A JP 2001084548A JP 25634199 A JP25634199 A JP 25634199A JP 25634199 A JP25634199 A JP 25634199A JP 2001084548 A JP2001084548 A JP 2001084548A
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Hiroki Tetsukawa
弘樹 鉄川
Masashi Meguro
政志 目黒
Makoto Inoue
誠 井上
Taro Omura
太郎 大村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MRヘッドに合わせて磁性層の膜厚及び残留
磁化量を最適化するとともに、磁性層の物性をMRヘッ
ドの特性に適合させることによって、これまでにない高
密度記録システムを構築する。 【解決手段】 少なくとも磁性粉末及び非磁性粉末が結
合剤中に分散されてなる磁性塗料が塗布されてなり、残
留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値が0.8〜6.
5memu/cm2 である磁性層を有し、上記非磁性粉
末は、モース硬度が1〜8であり、含有量が上記磁性粉
末及び上記非磁性粉末の合計量に対して20〜80体積
%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる磁性塗料
を塗布してなる磁性層を有する磁気記録媒体に関するも
のであり、特に磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘリ
カルスキャン磁気記録システムに用いて好適な磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置やビデオ装置、コンピュ
ータ装置等に用いられる記録媒体としては、磁性粉末、
結合剤及び各種添加剤を有機溶媒に混練・分散すること
により調製される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布
し、その後当該磁性塗料を乾燥させることで磁性層を形
成する、いわゆる、塗布型の磁気記録媒体が知られてい
る。この塗布型の磁気記録媒体は、生産性及び汎用性に
優れることから、上述したような記録媒体として主流を
占めている。
【0003】磁気記録媒体は、インダクティブヘッド等
の磁気ヘッドを備える記録再生装置により記録再生が行
われる。この記録再生装置においては、近年、小型軽量
化、高画質化、長時間化が進められている。これに伴
い、上述した塗布型の磁気記録媒体においても、高密度
記録化が強く要求されている。
【0004】この塗布型の磁気記録媒体では、インダク
ティブヘッドを用いた記録再生システムにおいて高密度
記録を達成するため、飽和磁束密度が大きく、且つ、微
粒子である磁性粉末が使用される。このような磁性粉末
としては、従来より使用されている酸化鉄系磁性粉末に
代わって鉄を主体とする金属磁性粉末を使用するように
なってきている。
【0005】金属磁性粉末は、酸化鉄系磁性粉末と比較
して飽和磁束密度が大きく、高密度記録に適していると
いえる。また、具体的に、組成として、鉄を主体として
これにコバルトを添加してなるような磁性粉末が使用さ
れる。磁性粉末は、コバルトを添加することによって、
更に高い飽和磁束密度を示すこととなる。したがって、
このようなコバルトを添加した金属磁性粉末を使用する
ことによって、磁気記録媒体としても、高飽和磁束密度
を有することとなり、インダクティブヘッドを用いた記
録再生システムにおいて高密度記録に適応したものとな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗布型
の磁気記録媒体では、インダクティブヘッドを用いた記
録再生システムに対応して高飽和磁束密度を達成した場
合でも、感度の高い磁気抵抗効果型の磁気ヘッド(MR
ヘッド)による再生を考えた場合、発生する磁束量が大
きすぎるため、MRヘッドが直線性を保つ領域を外れて
しまい、歪みのない特性を得ることができないのが実情
である。
【0007】そこで本発明は、このような実情に鑑みて
提案されたものであり、MRヘッドに合わせて磁性層の
膜厚及び残留磁化量を最適化するとともに、磁性層の物
性をMRヘッドの特性に適合させることによって、これ
までにない高密度記録システムを構築することが可能な
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明の磁気記録媒体は、少なくとも磁性粉末及び非磁
性粉末が結合剤中に分散されてなる磁性塗料が塗布され
てなり、残留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値が
0.8〜6.5memu/cm2 である磁性層を有し、
上記非磁性粉末は、モース硬度が1〜8であり、含有量
が上記磁性粉末及び上記非磁性粉末の合計量に対して2
0〜80体積%であることを特徴とするものである。
【0009】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体は、磁性層の残留磁化量Mrと膜厚δの積Mr
・δの値を上記範囲とすることにより、MR再生ヘッド
が直線性を保つ領域で信号が再生され、歪みのない特性
が得られる。また、磁気記録媒体は、磁性層に含有され
る非磁性粉末のモース硬度が1〜8であり、且つ当該非
磁性粉末の含有量が当該非磁性粉末と磁性粉末との合計
量に対して所定の値に規定されている。このため、磁気
記録媒体において、磁性粉末間の磁気的相互作用を低減
することができ、また、MR再生ヘッドの摩耗を防止す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の具体的な実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。
【0011】この磁気記録媒体は、図1に示すように、
非磁性支持体1上に磁性塗料を塗布することにより形成
される磁性層2を有する。この磁性塗料は、例えば、磁
性粉末及び非磁性粉末を結合剤等とともに有機溶剤に混
練及び分散することで調製される。そして、この磁気記
録媒体において、磁性層2は、使用される磁性粉末の種
類、磁性粉末と結合剤との混合比、その他に使用される
添加剤の種類及び配合比等を制御することによって、磁
気抵抗効果型再生ヘッド(以下、MR再生ヘッドと称す
る。)を飽和させず、歪みの無い状態で、最大の出力が
得られるように規制される。具体的には、磁性層2の残
留磁化量Mrと膜厚δとの積Mr・δの値が0.8〜
6.5memu/cm2 となるようにする。
【0012】上記積Mr・δの値が0.8memu/c
2 未満であると、十分な再生出力が得られない。逆に
6.5memu/cm2 を越えると、MR再生ヘッドが
飽和してしまい、歪みが生ずる。
【0013】上記範囲であれば膜厚δや残留磁化量Mr
は任意に設定することが可能であるが、膜厚δや残留磁
化量Mrがあまり小さすぎると、上記積Mr・δの値を
0.8memu/cm2 以上確保することが難しい。逆
に、膜厚δや残留磁化量Mrがあまり大きすぎると、歪
みが問題となる。
【0014】また、磁性層2の面内方向での保磁力は、
低ノイズ、高分解能を実現するためには、2000Oe
以上に保つことが好ましい。ただし、保磁力が余りにも
大きすぎると、十分な記録ができなくなり、再生出力が
低下する。
【0015】ここで、磁性層2に使用する磁性粉末とし
ては、γ−Fe23、Co含有γ−Fe23、Co被着
γ−Fe23、CrO2、またマグネタイトに代表され
るフェライト類、すなわちFe34、Co含有Fe
34、Co被着Fe34等が挙げられるが、金属磁性粉
未を用いるようにしても良い。金属磁性粉末としては、
Fe、Co等の金属粉末の他、Fe−Al系、Fe−A
l−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co
系、Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−
Al系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al
−Mn系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−A
l−Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn
系、Fe−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−
Co−Ni−P系、Ni−Co系等、Fe、Ni、Co
等を主成分とする合金粉末が挙げられる。
【0016】このうちFe系の強磁性粉末は電磁変換特
性に優れている。また、耐蝕性および分散性の点では、
Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni
系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−
Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−
Mn系等のFe−Al系の強磁性粉末が好ましい。
【0017】特に、磁性層2に使用する非磁性粉末とし
ては、モース硬度が1〜8のものが使用される。また、
これらカーボンブラック等の非磁性粉末の含有量は、磁
性層2中の粉末成分(磁性粉末と非磁性粉末)の合計量
に対して20〜80体積%の範囲である。
【0018】例えば、非磁性粉末としては、金属単体、
金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金
属炭化物及び金属硫化物等を例示することができる。具
体的に、非磁性粉末としては、タルク(モース硬度
1)、インジウム(モース硬度1.2)、ケイソウ土、
Ca、Ga、鉛(モース硬度1.5)、Sn、Sr(モ
ース硬度1.8)、S、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム
(モース硬度1.5〜2)、セッコウ、Mg、Cd、Z
n(モース硬度2)、Te(モース硬度2.3)、カオ
リナイト(モース硬度1〜2.5)、NaCl、コハ
ク、HgS、石炭、ホウ砂(モース硬度2〜2.5)、
Zr、Au、氷硝石(モース硬度2.5)、PbS(モ
ース硬度2.6)、Ag(モース硬度2.7)、Al
(モース硬度2.9)、Cu、Sb(モース硬度3)、
BaSO4、SrSO4、(モース硬度3〜3.5)、B
i、As(モース硬度3.5)、ドロマイト、クジャク
石(モース硬度3.5〜4)、CaCO3、ジャモン
石、黄銅(モース硬度3〜4)、リン青銅、酸化マグネ
シウム(モース硬度4)、Pt(モース硬度4.3)、
Pd(モース硬度4.8)、Mn(モース硬度5)、軽
石(モース硬度6)、タンパク石(モース硬度4〜
6)、ガラス(モース硬度4〜7)、α−Fe23(モ
ース硬度6)、TiO2(ルチル、アナターゼ(モース
硬度5.5〜7))、Ir(モース硬度6.5)、W
(モース硬度6.5〜7.5)、CrO2(モース硬度
6.5〜7)、Os、Si、SiO2、酸化ジルコニウ
ム(モース硬度7)、黄玉、ZrB2(モース硬度8)
等を例示することができる。また、モース硬度が1〜8
の非磁性粉末としては、α−FeOOH、β−FeOO
H、γ−FeOOH等のオキシ水酸化鉄等を挙げること
ができる。これらは組み合わせて使用してもよいし、単
独で使用することもできる。また、非磁性粉末として
は、目的に応じて適量の不純物をドープすることも可能
であるし、分散性の改良及び導電性の付与、色調の改善
等の目的でZn、Al、Si、Ti、Sn及びZr等の
化合物で表面処理を施してあってもよい。
【0019】非磁性粉末としてオキシ水酸化鉄を使用す
る場合には、Co、Ni、Cr、Mn、Ca、Mg、B
a、Sr、Zn、Ti及びMo等の金属化合物が共存し
ていてもよく、表面にアルミニウム化合物や希土類元素
化合物が存在していてもよい。また、ここで、オキシ水
酸化鉄とは、中間生成物である酸化鉄をも含める。
【0020】特に、非磁性粉末としては、モース硬度が
1〜8のカーボンブラックを使用することが好ましい。
カーボンブラックとしては、比表面積が50〜1000
2/gであるものを使用することが好ましく、150
〜600m2/gであるものを使用することがより好ま
しい。また、カーボンブラックとしては、DBP吸油量
が10〜500ml/100gであるものを使用するこ
とが好ましく、30〜400ml/100gであるもの
を使用することがより好ましい。さらに、カーボンブラ
ックとしては、平均粒径が3〜100nmであるものを
使用することが好ましく、10〜50nmであるものを
使用することが好ましい。なお、カーボンブラックとし
ては、表面を分散剤等により処理したものや、樹脂でグ
ラフト化したもの、グラファイト化したものを使用して
もよい。また、カーボンブラックは、単独又は複数種類
を組み合わせて使用してもよい。
【0021】また、磁性層2に使用される結合剤として
は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル
系共重合体等の塩化ビニル系樹脂等を挙げることができ
る。これらの結合剤は、一種類単独であってもよく、二
種類以上を組み合わせて用いても良い。さらに、以下の
樹脂を併用するようにしても良い。すなわち、併用する
樹脂としては、重量平均分子量が5,000〜200,
000である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロ
ニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロ
ース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジ
エン共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、
アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂、各種の合成ゴ
ム系樹脂等が挙げられる。
【0022】さらに、磁性塗料に使用される溶剤として
は、磁気記録媒体を製造する際に通常用いられているも
の、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のア
ルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル、エチレングリコールセノアセテート等のエス
テル類;グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル類;ベンセン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素を挙げることができる。この溶剤は、単独で用
いても2種類以上を混合して用いても構わない。
【0023】さらにまた、磁性層2には、上述した磁性
粉末、非磁性粉末及び結合剤のほかに研磨材、硬化剤、
帯電防止剤等が含有されていても良い。特に、研磨材と
しては、モース硬度が8以上のものを使用してもよい。
モース硬度が8以上の研磨材としては、例えば、酸化ア
ルミニウム(α、β、γ)、酸化クロム、炭化珪素、ダ
イヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタ
ンカーバイト、炭化チタン等を例示することができる。
これらモース硬度が8以上の研磨材の添加量は、磁性塗
料中の磁性粉末及び非磁性粉末の合計100重量部に対
して15重量部以下であることが好ましい。
【0024】一方、上述しような原料から磁性塗料を調
製する際には、混練機や希釈分散機を用いることができ
る。この混練機は、比較的固形分の高い磁性粉末を、結
合剤を含む混合物中で高せん断で分散する混練工程で用
いられる。また、希釈分散機は、比較的固形分の低い磁
性粉末を、結合剤を含む混合物中でビーズ等の衝撃力で
分散する希釈分散工程で用いられる。なお、磁性塗料の
非磁性粉末としてカーボンブラックを使用する場合に
は、磁性塗料を作製する前に、カーボンブラックを結合
剤で予め分散してもよい。
【0025】これら混練機及び希釈分散機としては、従
来より公知のものを使用することができる。具体的に、
混練機としては、連続二軸混練機(エクストルーダ
ー)、コニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。ま
た、希釈分散機としては、縦型サンドミル、横型サンド
ミル、スパイクミル、パールミル、ダブルシリンダーパ
ールミル等が挙げられる。
【0026】また、調製された磁性塗料は、非磁性支持
体1上に塗布され、その後、乾燥されることにより磁性
層2となる。
【0027】非磁性支持体1としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、アラ
ミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げ
られる。非磁性支持体は、単層構造であっても多層構造
であってもよい。また、例えば、非磁性支持体の表面に
は、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい
し、易接着層等の有機物層が形成されていてもよい。
【0028】さらに、調製された磁性塗料は、例えば、
リバースロール、グラビアロール、エアドクターコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズ
コーター、含浸コーター、トランスファロールコータ
ー、キスコーター、キャストコーター、スプレイコータ
ー等を用いて非磁性支持体1上に塗布される。
【0029】なお、上述では、非磁性支持体1上に磁性
塗料を塗布してなる磁性層2を有するような磁気記録媒
体を例示したが、本発明は、これに限定されるものでは
ない。すなわち、本発明に係る磁気記録媒体としては、
非磁性支持体上に非磁性塗料と磁性塗料とを同時重層塗
布し、その後、これら非磁性塗料と磁性塗料を乾燥さ
せ、非磁性支持体上に非磁性層と磁性層とがこの順で積
層されてなる構成であってもよい。
【0030】ところで、上記磁気記録媒体は、MR再生
ヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気記録システムの磁
気テープとして好適である。
【0031】この場合、MR再生ヘッドとしては、MR
素子をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを
用い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置を構成
する。
【0032】MR再生ヘッドを用いたヘリカルスキャン
磁気記録システムと本発明の磁気記録媒体を組み合わせ
ることにより、これまでにない高密度記録システムを構
築することができる。
【0033】上記ヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、MRヘ
ッドを使用する。
【0034】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一構成例を図2及び図3に示す。なお、図2
は回転ドラム装置3の概略を示す斜視図であり、図3は
回転ドラム装置3を含む磁気テープ送り機構10の概略
を示す平面図である。
【0035】図2に示すように、回転ドラム装置3は、
円筒状の固定ドラム4と、円筒状の回転ドラム5と、回
転ドラム5を回転駆動するモータ6と、回転ドラム5に
搭載された一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7
bと、回転ドラム5に搭載された一対のMRヘッド8
a,8bとを備える。
【0036】上記固定ドラム4は、回転することなく保
持されるドラムである。この固定ドラム4の側面には、
磁気テープMの走行方向に沿ってリードガイド部9が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プMは、このリードガイド部9に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム4と中心軸が一致するように、回転
ドラム5が配されている。
【0037】回転ドラム5は、磁気テープMに対する記
録再生時に、モータ6によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム5は、固定ドラ
ム4と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム4
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム5の固定ドラム4に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド7a,7b及び一対のMR
ヘッド8a,8bが搭載されている。
【0038】インダクティブ型磁気ヘッド7a,7b
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープMに対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド7a,7bは、回転ドラム5の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム5の外周から突き出すように、回転ド
ラム5に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド7a,7bは、磁気テープMに対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
【0039】一方、MRヘッド8a,8bは、磁気テー
プMからの信号を検出する感磁素子としてMR素子を備
えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープMから信号を
再生する際に使用される。そして、これらのMRヘッド
8a,8bは、回転ドラム5の中心に対して互いに成す
角度が180°となり、磁気ギャップ部分が回転ドラム
の外周から突き出すように、回転ドラム5に搭載されて
いる。なお、これらのMRヘッド8a,8bは、磁気テ
ープMに対してアジマス記録された信号を再生できるよ
うに、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る。
【0040】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置3に磁気テープMを摺動させて、磁気テ
ープMに対する信号の記録や、磁気テープMからの信号
の再生を行う。
【0041】すなわち、記録再生時に磁気テープMは、
図3に示すように、供給リール11からガイドローラ1
2,13を経て、回転ドラム装置3に巻き付くように送
られ、この回転ドラム装置3で記録再生がなされる。そ
して、回転ドラム装置3で記録再生がなされた磁気テー
プMは、ガイドローラ14,15、キャプスタン16、
ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へと送ら
れる。すなわち、磁気テープMは、キャプスタンモータ
19により回転駆動されるキャプスタン16によって所
定の張力及び速度にて送られ、ガイドローラ17を経て
巻き取りロール18に巻き取られる。
【0042】このとき、回転ドラム5は、図2中の矢印
Aに示すように、モータ6によって回転駆動される。一
方、磁気テープMは、固定ドラム4のリードガイド部9
に沿って、固定ドラム4及び回転ドラム5に対して斜め
に摺動するように送られる。すなわち、磁気テープM
は、テープ走行方向に沿って、図2中矢印Bに示すよう
にテープ入口側から固定ドラム4及び回転ドラム5に摺
接するようにリードガイド部9に沿って送られ、その
後、図2中矢印Cに示すようにテープ出口側へと送られ
る。
【0043】次に、上記回転ドラム装置3の内部構造に
ついて、図4を参照して説明する。
【0044】図4に示すように、固定ドラム4及び回転
ドラム5の中心には、回転軸21が挿通されている。な
お、固定ドラム4、回転ドラム5及び回転軸21は導電
材料からなり、これらは電気的に導通しており、固定ド
ラム4が接地されている。
【0045】そして、固定ドラム4のスリーブの内側に
は、2つの軸受け22,23が設けられており、これに
より、固定ドラム4に対して回転軸21が回転可能に支
持されている。すなわち、回転軸21は、軸受け22,
23により、固定ドラム4に対して回転可能に支持され
ている。一方、回転ドラム5には、その内周部にフラン
ジ24が形成されており、このフランジ24が回転軸2
1の上端部に固定されている。これにより、回転ドラム
5は、回転軸21の回転に伴って回転するようになされ
ている。
【0046】また、回転ドラム装置3の内部には、固定
ドラム4と回転ドラム5との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム4に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム5に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
【0047】ステータコア26及びロータコア27は、
フェライト等のような磁性材料が、回転軸21を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア26
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに
対応した一対の信号伝送用リング26a,26bと、一
対のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング
26cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な
電力を供給するための電力伝送用リング26dとが、同
心円状に配置されている。同様に、ロータコア27に
も、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに対
応した一対の信号伝送用リング27a,27bと、一対
のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング2
7cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な電
力を供給するための電力伝送用リング27dとが、同心
円状に配置されている。
【0048】これらのリング26a,26b,26c,
26d,27a,27b,27c,27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a,26b,26c,2
6dと、ロータコア27の各リング27a,27b,2
7c,27dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス25は、ステータコ
ア26の各リング26a,26b,26c,26dと、
ロータコア27の各リング27a,27b,27c,2
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
【0049】また、回転ドラム装置3には、回転ドラム
5を回転駆動させるモータ6が取り付けられている。こ
のモータ6は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。一方、ステータ29は、固定ド
ラム4の下端部に取り付けられており、駆動用コイル3
1を備えている。そして、駆動用コイル31に電流を供
給することにより、ロータ28が回転駆動される。これ
により、ロータ28に取り付けられている回転軸21が
回転し、それに伴って、回転軸21に固定されている回
転ドラム5が回転駆動されることとなる。
【0050】つぎに、以上のような回転ドラム装置3に
よる記録再生について、この回転ドラム装置3並びにそ
の周辺回路についての回路構成の概略を示す図5を参照
して説明する。
【0051】上記回転ドラム装置3を用いて磁気テープ
Mに信号を記録する際は、先ず、モータ6の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム5が
回転駆動される。そして、回転ドラム5が回転している
状態にて、図5に示すように、外部回路40からの記録
信号が記録用アンプ41に供給される。
【0052】記録用アンプ41は、外部回路40からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
5aによって信号を記録するタイミングの時、当該イン
ダクティブ型磁気ヘッド5aに対応したステータコア2
6の信号伝送用リング26aに記録信号を供給し、ま
た、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bによって信
号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ型磁
気ヘッド5bに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26bに記録信号を供給する。
【0053】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド7a,7bは、上述したように、回転ドラム5の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッド7
a,7bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド5aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
【0054】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5aに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26aに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27aに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27aに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5aに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5aにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
【0055】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27bに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5bに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5bにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
【0056】また、上記回転ドラム装置3を用いて磁気
テープMからの信号を再生する際は、先ず、モータ6の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム5が回転駆動される。そして、回転ドラム5が回
転している状態にて、図5に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
【0057】オシレータ42からの高周波の電流は、パ
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。そして、ステータコア26の電力伝送用リン
グ26dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア27の電力伝送用リング27dに伝送される。そし
て、ロータコア27の電力伝送用リング27dに伝送さ
れた交流電流は、整流器44により整流されて直流電流
とされレギュレータ45に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ45により所定の電圧に設定される。
【0058】そして、レギュレータ45によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド8a,8b
にセンス電流として供給される。なお、一対のMRヘッ
ド8a,8bには、当該MRヘッド8a,8bからの信
号を検出する再生用アンプ46が接続されており、レギ
ュレータ45からの電流は、この再生用アンプ46にも
供給される。
【0059】ここで、MRヘッド8a,8bは、外部磁
界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備えて
いる。そして、MRヘッド8a,8bは、磁気テープM
からの信号磁界により、MR素子の抵抗値が変化し、こ
れにより、センス電流に電圧変化が現れるようになされ
ている。
【0060】そして、再生用アンプ46は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ46は、一方のMRヘ
ッド6aによって信号を再生するタイミングの時、当該
MRヘッド6aによって検出した再生信号を出力し、ま
た、他方のMRヘッド6bによって信号を再生するタイ
ミングの時、当該MRヘッド6bによって検出した再生
信号を出力する。
【0061】ここで、一対のMRヘッド8a,8bは、
上述したように、回転ドラム5の中心に対して互いに成
す角度が180°となるように配されているので、これ
らのMRヘッド8a,8bは、180°の位相差を持っ
て交互に再生することとなる。すなわち、再生用アンプ
46は、一方のMRヘッド6aからの再生信号を出力す
るタイミングと、他方のMRヘッド6bからの再生信号
を出力するタイミングとを、180°の位相差を持って
交互に切り換える。
【0062】そして、再生用アンプ46からの再生信号
は、ロータコア27の信号伝送用リング27cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア26の信
号伝送用リング26cに伝送される。ステータコア26
の信号伝送用リング26cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ47によって増幅された上で、補正回路48
に供給される。そして、再生信号は、補正回路48によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路40へと出力
される。
【0063】なお、図5に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7b、
一対のMRヘッド8a,8b、整流器44、レギュレー
タ45及び再生用アンプ46は、回転ドラム5に搭載さ
れ、回転ドラム5と共に回転する。一方、記録用アンプ
41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用ア
ンプ47及び補正回路48については、回転ドラム装置
3の固定部分に配するか、或いは、回転ドラム装置3と
は別に構成された外部回路とする。
【0064】つぎに、上記回転ドラム5に搭載されるM
Rヘッド8a,8bについて、図6を参照して詳細に説
明する。なお、MRヘッド6a及びMRヘッド6bは、
アジマス角が互いに逆となるように設定されている他
は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明で
は、これらのMRヘッド8a,8bをまとめてMRヘッ
ド6と称する。
【0065】MRヘッド6は、回転ドラム5に搭載さ
れ、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープMからの
信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁
気ヘッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利
用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドより
も感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適し
ている。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッ
ド6を用いることで、より高密度記録化を図ることがで
きる。
【0066】そして、このMRヘッド6は、図6に示す
ように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性
材料からなる一対の磁気シールド51,52と、絶縁体
53を介して一対の磁気シールド51,52によって挟
持された略矩形状のMR素子部54とを備える。なお、
MR素子部54の両端からは、一対の端子が導出されて
おり、これらの端子を介して、MR素子部54にセンス
電流を供給できるようになされている。
【0067】MR素子部54は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電気的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0068】このMR素子部54は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド51,52によって絶縁体5
3を介して挟持されている。詳細には、このMR素子部
54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド51,52によって
絶縁体53を介して挟持されている。
【0069】このMRヘッド6の磁気テープ摺動面55
は、当該磁気テープ摺動面55にMR素子部54の一側
面が露呈するように、磁気テープMの摺動方向に沿って
円筒研磨されているとともに、磁気テープMの摺動方向
に対して直交する方向に沿って円筒研磨されている。こ
れにより、このMRヘッド6は、MR素子部54或いは
その近傍部分が最も突出するようになされている。この
ように、MR素子部54或いはその近傍部分が最も突出
するようにすることにより、MR素子部54の磁気テー
プMに対する当たり特性を良好なものとすることができ
る。
【0070】そして、以上のようなMRヘッド6を用い
て磁気テープMからの信号を再生する際は、図7に示す
ように、磁気テープMをMR素子部54に摺動させる。
なお、図7中の矢印は、磁気テープMが磁化されている
様子を模式的に示している。
【0071】そして、このように磁気テープMをMR素
子部54に摺動させた状態で、MR素子部54の両端に
接続された端子54a,54bを介して、MR素子部5
4にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を
検出する。具体的には、MR素子部54の一端に接続さ
れた端子54aから、所定の電圧Vcを印加するととも
に、MR素子部54の他端に接続された端子54bを、
回転ドラム5に接続しておく。ここで、回転ドラム5は
回転軸21を介して固定ドラム4に電気的に導通してお
り、また、固定ドラム4は接地されている。したがっ
て、MR素子部54に接続された一方の端子54bは、
回転ドラム5、回転軸21及び固定ドラム4を介して接
地されている。
【0072】そして、磁気テープMを摺動させた状態で
MR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テープ
Mからの磁界に応じて、MR素子部54に形成されたM
R素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に電圧
変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検
出することにより、磁気テープMからの信号磁界が検出
され、磁気テープMに記録されている信号が再生され
る。
【0073】なお、用いるMRヘッド6において、MR
素子部54に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示
す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層するこ
とにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにし
た、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使
用可能である。また、MR素子にバイアス磁界を印加す
る手法は、SALバイアス方式でなくてもよく、例え
ば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方
式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポ
ール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々
の手法が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並び
に各種バイアス方式については、例えば、丸善株式会社
発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用 林和彦訳」に詳
細に記載されている。
【0074】上述したように構成された磁気記録媒体
は、磁性層の残留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値
を0.8〜6.5memu/cm2 としているため、上
述したようなMRヘッド6を用いたヘリカルスキャン磁
気記録システムの磁気記録再生装置を用いて確実に再生
されることとなる。すなわち、磁性層の残留磁化量Mr
と膜厚δの積Mr・δの値を0.8〜6.5memu/
cm2 とすることによって、磁気抵抗効果に起因したM
R素子部54の抵抗変化を略々線形とすることができ
る。したがって、この磁気記録媒体を用いれば、上述し
たMRヘッド6を用いたヘリカルスキャン磁気記録シス
テムの磁気記録再生装置により、従来にない高密度記録
システムを構築することができる。
【0075】ここで、上述した磁気記録媒体では、磁性
層に含有される非磁性粉末のモース硬度を1〜8に限定
するとともに、含有量を20〜80体積%に限定してい
る。磁気記録媒体では、モース硬度が1〜8である非磁
性粉末を使用することによって、磁性層とMRヘッド6
とが高速で摺動した場合であってもMRヘッド6の摩耗
量を大幅に減少させることができる。
【0076】また、磁気記録媒体では、非磁性粉末の含
有量を20〜80体積%とするため、磁性層中に非磁性
成分が適度に存在することとなり、磁性層の残留磁化M
rを制御しやすくなる。したがって、磁気記録媒体で
は、非磁性粉末の含有量を20〜80体積%に規定する
ことによって、磁性層の残留磁化Mrと膜厚δとの積M
r・δを上述した範囲内に容易に規定することができ
る。
【0077】さらに、非磁性粉末の含有量を20〜80
体積%とすると、非磁性粉末が磁性層中の磁性粉末間に
適度に存在することになり、隣り合う磁性粉末間の磁気
的相互作用を低減させることができる。このため、磁気
記録媒体は、ノイズが低下することになり、その結果、
SN比が向上したものとなる。
【0078】特に、非磁性粉末としてカーボンブラック
を使用した場合には、磁性層の電気抵抗を大幅に低減す
ることができる。MRヘッドは、上述したように、セン
ス電流の電圧変化を検出して磁気記録媒体を再生するた
め、当該磁気記録媒体が帯電していた場合、ノイズを生
じてしまう。このため、磁性層中に含有される非磁性粉
末としてカーボンブラックを使用した場合には、磁性層
に帯電した電気に起因するノイズを除去することがで
き、更にSN比が向上したものとなる。
【0079】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づき詳細に説明する。
【0080】<実験1>実施例1 実施例1では、先ず、下記のような磁気特性を示す金属
針状磁性粉末を準備した。但し、磁気特性は、試料振動
型磁力計(東英工業社製)を用いて測定した値である。
【0081】<磁気特性> 保磁力(Hc)=2400[Oe] 飽和磁化量(σs)=125[emu/g] 次に、下記の組成に準じて各組成物を秤取り、混練及び
分散させることで上層用磁性塗料及び下層用磁性塗料を
調製した。
【0082】 <上層用磁性塗料組成> 金属針状磁性粉末 100重量部 非磁性粉末(α−Fe23) 23重量部(20体積%) 結合剤 20重量部 研磨剤:Al23 3重量部 帯電防止剤:カーボン粉末 2重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部 <下層用磁性塗料組成> 酸化鉄粉末 100重量部 結合剤 20重量部 潤滑剤 2重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部 つぎに、これら上層用磁性塗料及び下層用磁性塗料を、
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に重層塗布し、
配向処理を経た後、乾燥することにより磁性層を形成
し、8mm幅に裁断してサンプルテープを作製した。こ
のとき、上層磁性層の膜厚は、0.2μmとした。これ
により、磁性層の残留磁化量Mr及び膜厚δの積Mr・
δの値は、4.3memu/cm2となった。
【0083】このようにして作製されたサンプルテープ
に対して、電磁変換特性の測定を行った。具体的には、
8mmVTRを改造したものを用い、サンプルテープに
記録波長0.5μmにて情報信号を記録した後、シール
ド型MRヘッドにより、ヘッド摩耗、再生出力、ノイズ
レベル、エラーレートの測定を行った。
【0084】再生に用いたMRヘッドの素子は、FeN
i−AMR(異方性磁気抵抗効果素子)であり、飽和磁
化は800emu/cc、膜厚は40nm、シールド材
はNiZn、シールド間距離は0.17μmである。ま
た、トラック幅は18μm、アジマス角は25°であ
る。
【0085】実施例2〜実施例5 実施例2〜実施例5では、非磁性粉末(α−Fe23
の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0086】実施例6〜実施例8 実施例6〜実施例8では、使用する非磁性粉末を変更し
てモース硬度の異なる非磁性粉末を添加した以外は、実
施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。なお、実
施例6では、非磁性粉末としてモース硬度1のカーボン
を使用し、実施例7では、非磁性粉末としてモース硬度
6のTiO2を使用し、実施例8では、モース硬度8の
黄玉石(化学式:[Al(F,OH)]2SiO4)を使
用した。
【0087】実施例9〜実施例11 実施例9〜実施例11では、磁性層のMr・δの値を表
1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして磁
気記録媒体を作製した。なお、実施例10では、保磁力
(Hc)が2400[Oe]であり、飽和磁化量(σs)
が125[emu/g]である磁性粉末を使用した。ま
た、実施例11では、磁性層の塗布厚を変更した。
【0088】実施例12〜実施例14 実施例12〜実施例14では、使用する磁性粉末を変更
して磁性層の保磁力を表1に示すように変更した以外は
実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0089】比較例1 比較例1では、上層磁性層に非磁性粉末を含有させなか
った以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0090】比較例2〜比較例4 比較例2〜比較例4では、非磁性粉末(α−Fe23
の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0091】比較例5 比較例5では、非磁性粉末としてモース硬度9のAl2
3を使用した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0092】比較例6〜比較例7 比較例6〜比較例7では、磁性層のMr・δの値を表1
に示すように変更した以外は実施例1と同様にして磁気
記録媒体を作製した。
【0093】<特性評価>これら実施例1〜実施例1
4、比較例1〜比較例7に関して、ヘッド摩耗、再生出
力(記録波長0.5μm)、ノイズレベル(キャリア信
号から1MHz下がった周波数での値)及びエラーレー
ト(シンボルエラーレート)を測定した。なお、ヘッド
摩耗は、上記MRヘッドを用いて相対速度10m/se
cで200時間シャトルした後のヘッド摩耗量をAFM
により測定した。結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】なお、この表1において、含有率の単位は
体積%であり、Mr・δの単位はmemu/cm2であ
り、保磁力(Hc)の単位はOeであり、ヘッド摩耗の
単位はnmであり、出力及びノイズの単位はそれぞれd
Bである。
【0096】この表1から明らかなように、実施例1〜
実施例14の磁気記録媒体は、磁性層中に含有される非
磁性粉末のモース硬度を1〜8とし、非磁性粉末の含有
量を磁性粉末及び非磁性粉末の合計に対して20〜80
体積%とし、磁性層におけるMr・δを0.8〜6.5
memu/cm2としている。このため、実施例1〜実
施例14は、比較例1〜比較例7と比較して、MRヘッ
ドのヘッド摩耗量を大幅に低減することができるととも
に、優れた再生出力、低いノイズレベル及び低いエラー
レートを実現している。すなわち、実施例1〜実施例1
4のように、本発明によれば、MRヘッドの摩耗量を低
減して、MRヘッドを用いた記録再生システムの耐久性
を大幅に向上させるとともに、MRヘッドに適して優れ
た再生特性を有するものとなる。
【0097】これに対して比較例1及び比較例2では、
非磁性粉末の含有量が20体積%未満であるため、磁性
粉末間の磁気的相互作用を低減させることができず、ノ
イズレベル及びエラーレートが悪い値を示している。ま
た、引例3及び引例4では、非磁性粉末の含有量が80
体積%を超えているため、磁性粉末の相対的な含有量が
減少してしまい、十分な再生出力を達成することができ
ない。さらに、比較例5では、非磁性粉末のモース硬度
が8より大であるため、MRヘッドを過剰に研磨してし
まうため、MRヘッドを用いた記録再生システムには適
したものとならない。さらにまた、比較例6では、Mr
・δの値を0.8memu/cm2未満としているた
め、MRヘッドによる十分な再生出力を得ることができ
ない。さらにまた、比較例7では、Mr・δの値を6.
5memu/cm2を超えているため、MRヘッドを飽
和して再生出力に歪みを生じてしまい、MRヘッドによ
り確実な再生を行うことができない。
【0098】一方、磁性粉末の保磁力を変化させた実施
例12〜実施例14から明らかなように、磁性粉末の保
磁力を2000Oe以上とすることで、より再生出力に
優れ、且つ、エラーレートも更に優れたものとなる。
【0099】<実験2>実験2では、非磁性粉末として
カーボンブラックを使用した場合について、上述した実
験1と同様に特性評価を行った。
【0100】実施例15〜実施例19 実施例15〜実施例19では、非磁性粉末として使用す
るカーボンブラックの添加量を表2に示すように規定し
た以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0101】比較例8 比較例8では、上層磁性層に非磁性粉末を含有させなか
った以外は実施例14と同様にして磁気記録媒体を作製
した。
【0102】比較例9〜比較例11 比較例9〜比較例11では、カーボンブラックの添加量
を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にし
て磁気記録媒体を作製した。
【0103】<特性評価>これら実施例15〜実施例1
9、比較例8〜比較例11に関して、表面電気抵抗と、
実験1と同様に、ヘッド摩耗、再生出力(記録波長0.
5μm)、ノイズレベル(キャリア信号から1MHz下
がった周波数での値)及びエラーレート(シンボルエラ
ーレート)とを測定した。なお、表面電気抵抗は、直流
電圧10V、電極間隔1インチ、加重50gとした測定
条件で測定した。結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】なお、この表2において、含有率の単位は
体積%であり、電気抵抗の単位はΩ/inch2であ
り、Mr・δの単位はmemu/cm2であり、保磁力
(Hc)の単位はOeであり、ヘッド摩耗の単位はnm
であり、出力及びノイズの単位はそれぞれdBである。
【0106】この表2から明らかなように、実施例14
〜実施例19は、比較例1及び比較例2と比較して、低
い表面電気抵抗値を示している。また、実施例14〜実
施例19は、比較例3及び比較例4と比較して、優れた
再生出力を示している。これに対して、比較例3及び比
較例4では、カーボンブラックの含有量が80体積%を
超えているため、表面電気抵抗を大幅に低減させること
が可能であるが、磁性粉末の相対的な含有量が減少して
しまい、十分な再生出力を達成することができない。
【0107】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気記録媒体は、磁性層のMr・δの値を0.
8〜6.5memu/cm2 とすることにより磁気抵抗
効果素子を磁気的に飽和させずに確実に再生され、ま
た、モース硬度1〜8の非磁性粉末を20〜80体積%
で含有するためMRヘッドの摩耗を防止することができ
る。したがって、本発明に係る磁気記録媒体は、磁気抵
抗効果素子を用いた記録再生システムに好適なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例として示す磁気記録媒体の要部断
面図である
【図2】ヘリカルスキャン磁気記録方式の磁気記録再生
装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例について、
その概略を示す斜視図である。
【図3】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
【図4】上記回転ドラム装置の内部構造を示す断面図で
ある。
【図5】上記回転ドラム装置並びにその周辺回路につい
て、回路構成の概略を示す図である。
【図6】上記回転ドラムに搭載されるMRヘッドの一例
について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】MRヘッドを用いて磁気テープからの信号を再
生する様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 回転ドラム装置、
4 固定ドラム、5 回転ドラム、 6 モータ、
7a,7b インダクティブ型磁気ヘッド、8a,8b
MRヘッド、 M 磁気テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 誠 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大村 太郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BA10 BA19 DA00 FA00 FA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性粉末及び非磁性粉末が結
    合剤中に分散されてなる磁性塗料が塗布されてなり、残
    留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値が0.8〜6.
    5memu/cm2 である磁性層を有し、 上記非磁性粉末のモース硬度が1〜8であり、上記非磁
    性粉末の含有量が上記磁性粉末及び上記非磁性粉末の合
    計量に対して20〜80体積%であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性粉末は、カーボンブラックで
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 面内方向での保磁力が2000Oe以上
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いた磁気
    記録システムに用いられることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘリ
    カルスキャン磁気記録システムに用いられることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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