JP2001083694A - 感光性転写材料及びそれを用いたカラーフィルター並びにその製造方法 - Google Patents

感光性転写材料及びそれを用いたカラーフィルター並びにその製造方法

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JP2001083694A
JP2001083694A JP25527899A JP25527899A JP2001083694A JP 2001083694 A JP2001083694 A JP 2001083694A JP 25527899 A JP25527899 A JP 25527899A JP 25527899 A JP25527899 A JP 25527899A JP 2001083694 A JP2001083694 A JP 2001083694A
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photosensitive
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Koji Inoue
浩治 井上
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく、高度の膜厚コントロールを実現し
たキラルネマチック液晶を利用したカラーフィルターを
得るための感光性転写材料と、それを用いたカラーフィ
ルターの製造方法並びにカラーフィルターを提供する。 【解決手段】 仮支持体11上に感光性樹脂層12を有
する画像形成用感光性転写材料10において、感光性樹
脂層12が、キラルネマチック液晶化合物を含有するこ
とを特徴とする。感光性樹脂層には、光重合性化合物を
含有することが好ましく、これは同一分子内に液晶性を
発現する部位と光重合性の官能基とを有するひとつの化
合物であってもよい。また、仮支持体11と感光性樹脂
層12との間に、クッション層としての熱可塑性樹脂層
18を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
の製造に適する感光性転写材料に関し、詳細には、キラ
ルネマチック液晶化合物を含有する感光性樹脂層を有す
る解像度と透明性に優れたカラーフィルターを得ること
ができる感光性転写転写材料に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレー等に用いられる
カラーフィルターは、一般にR、G、Bの各画素と、そ
の間隙に表示コントラスト向上の目的でブラックマトリ
クスが形成された基本構成を有する。このようなカラー
フィルターは従来、樹脂中に顔料を分散させたものや、
染料を染着させたものが主流であり、製造方法もこれら
の着色樹脂液を、スピンコート等によりガラス基板上に
塗布して着色レジスト層を形成し、フォトリソグラフィ
ーによるパターニングを行ってカラーフィルター画素を
形成したり、着色画素を基板に直接印刷したりすること
でカラーフィルターを作製していた。しかしながら、例
えば印刷法によるカラーフィルターの製造法では、画素
の解像度が低く高解像度のパターンには対応が難しいと
いう欠点があり、スピンコート法では液ロスが大きく更
に大面積基板への塗布において塗布ムラが大きいといっ
た欠点があった。また、電着方式による製造法では比較
的解像良くムラも少ないカラーフィルターが得られる
が、工程が煩雑であり、液管理も難しいといった難点を
有していた。即ちカラーフィルターの製造工程として
は、ロスが少なくて効率が良く、より簡便に製造できる
方法が望まれていた。
【0003】均一な厚みのフィルター層を形成する方法
としては、例えば、特許登録第2794242号や同2
873889号公報等に、フィルム転写法や、インクジ
ェット法が開示されており、これらの方法によれば、ロ
スを減少させることが可能となった。しかしこれらの方
法も多色のカラーフィルターを形成する場合、第2、第
3の色相のフィルターの形成にあたっては、その界面の
制御がそのまま解像度に影響を与えるため、さらなる改
良が望まれていた。
【0004】一方、カラーフィルター部分を構成する材
料に着目すれば、フィルターの透過率向上という観点か
らは、カラーフィルターの着色材料として、染料や顔料
を用いる従来の方法ではその色純度、透明性の改良には
限界があった。即ち、染料の種類や染着樹脂の最適化、
或いは、顔料の微細分散化などにより、その性能は向上
しつつあるが、LCDパネルからのカラーフィルターへ
の透過率色純度の要求は更に大きく、特に反射型LCD
用カラーフィルターにおいては、ペーパーホワイトの白
表示とコントラスト及び色再現の両立が難しく、従来の
光吸収型の着色剤を使用したカラーフィルターにおいて
は、更なる透過率アップの要求に対して、色純度として
はほぼ限界の領域に達していた。
【0005】このような光吸収型カラーフィルターに対
し、近年、コレステリック液晶化合物を主成分とするフ
ィルターが提案されている。これはコレステリック液晶
化合物を主成分として用い、重合性モノマー、重合開始
剤等と混合して、パターニングして微細パターンを形成
した偏光利用型カラーフィルターである。この方式のフ
ィルターの特徴は、光の利用効率が高く、透過率が高
く、また、液晶化合物自体の反射波長体が方形に近く、
すその切れが良好であるため色純度について特に優れて
いるという点において光吸収型カラーフィルターより卓
越した性能を有する点にある。
【0006】液晶化合物を用いたカラーフィルターは、
その製造方法として、配向処理した基板上に液晶成分を
含有するフィルター材料をスピンコート等で成膜する方
法が知られているが、この製造方法では、高価な液晶素
材に対してロスが多く、また、成膜の過程における膜厚
のコントロールが難しく、均一なフィルター層が得難い
という問題がある。ところで、液晶素材においては膜厚
がそのまま反射率に影響を与えるため、膜厚に対する要
求が厳しく、実用レベルに達するような、生産効率で、
優れた透明性や色純度を達成する液晶化合物を利用した
カラーフィルターを得ることは未だ実現していないのが
現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、
効率よく、高度の膜厚コントロールを実現したキラルネ
マチック液晶を利用したカラーフィルターを得るための
感光性転写材料と、それを用いたカラーフィルターの製
造方法並びにカラーフィルターを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、転写方式を利用することで、前記問題点を解決し
得ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の
感光性転写材料は、仮支持体上に感光性樹脂層を有する
画像形成用感光性転写材料において、該感光性樹脂層
が、キラルネマチック液晶化合物を含有することを特徴
とする。ここで、前記感光性樹脂層にさらに光重合性化
合物含有することが好ましく、前記キラルネマチック液
晶化合物及び光重合性化合物とは、同一分子内に液晶性
を発現する部位と光重合性の官能基とを有するひとつの
化合物であってもよい。また、多色フィルター層の解像
度を向上させる観点からは、前記仮支持体と感光性樹脂
層との間に、熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい態
様である。
【0009】請求項5に係る本発明のカラーフィルター
の製造方法は、仮支持体上にキラルネマチック液晶化合
物を含有する感光性樹脂層を設けてなる感光性転写材料
の感光性樹脂層を、フィルター基板上に転写する工程を
有することを特徴とする。
【0010】請求項6に係る本発明のカラーフィルター
は上記製造方法により得られるものであり、支持体上
に、キラルネマチック液晶化合物を含有する感光性樹脂
層を転写により設けてなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の感光性転写材料について説明する。本発
明の感光性転写材料は、カラーフィルター形成時には剥
離、除去される仮支持体上に、感光性樹脂層を設けてな
るものである。本発明に用い得る仮支持体は、厚さが均
一な樹脂フィルムであれば特に制限はなく、強度と耐久
性を満足すれば、公知の樹脂フィルムを適宜選択して用
いることができる。具体的には、例えば、ポリエステル
フィルム(なかでも、PET)、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0012】これらのフィルムは、仮支持体を通して露
光するような使用方法を取る場合には、透明性が良好、
即ち、露光光の波長に対して透過性が良好なものが好ま
しく、また、除去時の剥離帯電による塵埃の付着を防ぐ
ため帯電防止層が付与されたものが好ましい。即ち、本
発明の感光性転写材料においては、帯電を防止するた
め、仮支持体の少なくとも一方の面に導電性層を設けて
その表面電気抵抗を1013Ω以下とするか、あるいは仮
支持体自体に導電性を付与してその表面電気抵抗を10
13Ω以下としたものを用いることが好ましい。
【0013】仮支持体自体或いは帯電防止層に導電性を
付与するには、仮支持体や当該層中に導電性物質を含有
させれば良い。例えば、仮支持体や導電層形成用の樹脂
材料に金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を練り込んでお
く方法が好適である。金属酸化物としては、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化
モリブデンの中から選ばれた少なくとも1種の結晶性金
属酸化物、及び/又は、その複合酸化物の微粒子が挙げ
られる。また、帯電防止剤としては、例えば、アニオン
界面活性剤としてアルキル燐酸塩系(例えば、花王石鹸
(株)のエレクトロストリッパーA、第一工業製薬
(株)のエレノンNo19等)が、両性界面活性剤とし
てベタイン系(例えば、第一工業製薬(株)のアモーゲ
ンK等)が、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル系(例えば、日本油脂(株)のニツ
サンノニオンL等)や、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル系(例えば、花王石鹸(株)のエマルゲン10
6、120、147、420、220、905、91
0、日本油脂(株)のニツサンノニオンE等)が有用で
ある。その他、非イオン界面活性剤としてポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール
脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等
のものが用いられる。
【0014】仮支持体の厚さは、感光性樹脂層を基板へ
加熱転写するときの熱伝導や、下地への追従性の観点か
ら150μm以下が好ましく、また、同じく転写時や感
光性樹脂層の成膜時の取扱い性から20μm以上である
ことが好ましい。本発明の感光性転写材料が、仮支持体
上に直接感光性樹脂層が設けられる構成をとる場合、仮
支持体表面にラビング処理が施されていても良い。
【0015】本発明の感光性転写材料は、前記仮支持体
に感光性樹脂層を設けるものであるが、感光性樹脂層を
基板へ加熱転写するときの下地への追従性を向上させる
ため、仮支持体と感光性樹脂層の間に、熱可塑性樹脂層
を設けることが好ましい。特に、複数の色相のフィルタ
ーを順次形成する場合に、この熱可塑性樹脂層がクッシ
ョン層としての機能を果たし、下地となる先行画像の凹
凸を吸収し、気泡残りなどを生じることなく転写するこ
とが容易となるため好ましい。熱可塑性樹脂層は、ガラ
ス転移温度(Tg)が80℃以下の、熱可塑性高分子の
1種以上からなり、必要に応じて、熱可塑性高分子に可
塑剤を添加しても良い。
【0016】熱可塑性樹脂層に用い得る熱可塑性樹脂
は、感光性樹脂層の樹脂との関連で選択されるが、例え
ば、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
ウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチレン
酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル
共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム
類、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレンノシド、フェノール
樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール誘導
体、ラテックス類及びこれらの混合物が挙げられる。ま
た、熱可塑性樹脂層の厚みには特に制限は無いが、クッ
ション性を効果的に発現させる観点から、通常は6μm
以上が好ましく、また、ハンドリング性などの観点から
100μm以下、さらに50μmいかであることが好ま
しい。
【0017】熱可塑性樹脂層上に直接感光性樹脂層が設
けられる場合、熱可塑性樹脂層は、感光性樹脂層成膜時
に、感光性樹脂層の塗布溶媒等で溶解されない素材が好
ましい。具体的には、水溶性高分子材料、例えばポリビ
ニルアルコールにポリエチレングリコールを混合したも
の、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポ
リビニルブチラール等が好ましい。
【0018】また、この熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層
との間に、さらに中間層を設けることもできる。この中
間層は感光性樹脂層に対する、熱可塑性樹脂層の可塑剤
や溶剤の影響を防止するために設けられるものであり、
中間層としては、水或いはアルカリ水溶液に分散又は溶
解し、酸素透過性の低い材料から選択されることが好ま
しい。中間層を構成する水溶性高分子としては、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビ
ニルブチラール、水溶性ナイロン(水洗にて除去でき
る)等が挙げられる。また、厚みは、約0.1〜5μm
の範囲であることが好ましい。この中間層としては、特
開平5−173320号公報の段落番号〔0011〕に
記載のものを好適に使用することができる。
【0019】また、この中間層には、必要に応じて界面
活性剤を適宜添加することができる。界面活性剤は、溶
解性、塗布性を考慮しながら、カチオン性、アニオン
性、両性、ノニオン性等のいずれの界面活性剤を用いて
もよいが、液晶の動作や電圧保持率に影響を与えないノ
ニオン性のものが好適に用いられる。ノニオン性界面活
性剤としては、ポリオキシエチレン系、サーフィノール
(日信化学社製)等のアセチレングリコール系、メガフ
ァックF142D(大日本インキ社製)等のフッ素系オ
リゴマーなどが挙げられる。さらに、この中間層には、
必要に応じて、色素、顔料、UV吸収剤、消泡剤、マッ
ト剤、溶剤などを適宜添加することができる。
【0020】このような構成を用いた場合、本支持体
(基板)上に転写材料を転写した後、仮支持体を剥離す
ると、この熱可塑性樹脂層は、感光性樹脂層とともに仮
支持体上に残存する。
【0021】また、中間層として、酸素に対してわずか
な透過性を有するにすぎない特性を有する材料からなる
分離層を採用した場合、前記転写材料の転写後に仮支持
体を剥離すると、剥離は熱可塑性樹脂層と中間層との界
面で生じ、仮支持体と熱可塑性樹脂層とが剥離、除去さ
れることになる。分離層を形成する材料としては、低い
酸素透過性を示し、水またはアルカリ水溶液に分散また
は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選
択することができる。例えば、特開昭46−2121号
や特公昭56−40824号の各明細書に記載のポリビ
ニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアル
キルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル
類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリル
アミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の
水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種
の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレ
ン/マレイン酸の共重合体、およびマレイネート樹脂が
挙げられる。
【0022】これらのうち、特に好ましいのは、ポリビ
ニルアルコールとポリビニルピロリドンの組み合わせで
ある。ポリビニルアルコールは鹸化率が80%以上であ
るものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有量は分
離層固形分の1重量%〜75重量%が好ましい。1重量
%未満では、感光性樹脂層との十分な密着が得られず、
75重量%を越えると、その上に塗布する感光性樹脂層
塗布液の塗布時に分離層が溶解してしまい、分離層が形
成できない。また、この分離層には、必要に応じて、界
面活性剤、色素、顔料、UV吸収剤、消泡剤、マット
剤、溶剤などを適宜添加することができる。分離層の厚
みは非常に薄く、約0.1〜5μm、特に0.5〜2μ
mである。約0.5μm未満だと酸素の透過性が高す
ぎ、約5μmを越えると、現像時または分離層除去時に
時間がかかりすぎる。このような分離層の機能を有する
中間層の詳細は、本願出願人が先に提案した特開平5−
72724号公報に記載されている。中間層を設けた場
合には、その上に直接、感光性樹脂層を設けるが、中間
層の成膜後、表面をラビング等で配向処理することが、
カラーフィルター層に含まれるキラルネマチック液晶化
合物の配向の安定性の観点から好ましい。
【0023】次に、最終的にカラーフィルター層を形成
することになる感光性樹脂層について説明する。本発明
の感光性樹脂層には、キラルネマチック液晶化合物を含
有してなり、また、形成されるフィルター層の安定性の
観点から光重合性化合物を含有することが好ましい。こ
のキラルネマチック液晶化合物及び光重合性化合物は同
一分子中に双方の特性を兼ね備えた重合性液晶化合物の
ようなひとつの化合物であってもよい。この感光性樹脂
層には、物性制御のため、カイラル化合物、光重合開始
剤、バインダー等を本発明の効果を損なわない限りにお
いて含有することができる。
【0024】本発明において、キラルネマチック液晶化
合物とは、Δn=0.10〜0.40を示す液晶化合
物、高分子液晶化合物、重合性液晶素材等から選ぶこと
ができ、従来よりコレステリック液晶化合物と呼ばれて
いるステロイド骨格を有する液晶化合物はこれに包含さ
れる。以下に、本発明に用い得るキラルネマチック液晶
化合物の具体例を示すが、これらに制限されるものでは
ない。以下は、液晶化合物の例であり、光重合性化合物
と併用される。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】以下は、高分子液晶化合物の例である。こ
の化合物は、液晶化合物であって、かつ、分子内に光重
合性の官能基を有するため、単独でもフィルター層を構
成することができる。
【0029】
【化4】
【0030】前記式中、nは3以上の整数を表す。上記
の各例示化合物において、結合基が以下の構造に変わっ
たものも同様に好ましく適用できる。
【0031】
【化5】
【0032】本発明の感光性樹脂層には、液晶化合物の
色相、色純度改良の観点から、イソマニード、カテキ
ン、イソソルビド、フェンコン、カルボンや以下に例示
するようなカイラル化合物を含有することが好ましい。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】カイラル化合物は、好ましくは、感光性樹
脂組成物に対して、0.5〜50重量%添加され、さら
に好ましくは2〜15重量%の範囲で添加される。
【0036】本発明に係る感光性樹脂層には光重合性化
合物を含有する。光重合性化合物の代表的なものとして
は、多官能の光重合性モノマー、オリゴマーが挙げら
れ、好ましくは、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の
多官能モノマーが挙げられる。以下に、本発明に用い得
る重合性モノマーの例を挙げるが、本発明はこれらに制
限されない。
【0037】
【化8】
【0038】この感光性樹脂層には、必要に応じて、バ
インダー、界面活性剤、熱重合禁止剤、増粘剤、色素、
顔料、UV吸収剤、ゲル化剤、溶媒等を適宜添加するこ
とができる。
【0039】層の安定化のために添加されるバインダー
は、特に限定されないが、バインダーとして、アルカリ
可溶性の酸基を共重合成分として含むものを添加した場
合、該感光性樹脂層の現像工程において、アルカリ現像
が可能となる。この場合好ましくは、酸価50〜300
mgKOH/gのアルカリ可溶性バインダーを用いる。
含まれる酸基の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、保存性の向
上のため添加される重合禁止剤としては、一般に酸化防
止剤として知られている化合物が好適に用いられる。具
体的には、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジンなどの化合物、市販品としては、イ
ルガノックス(チバ・ガイギー社製)、スミライザー
(住友化学社製)等の素材が挙げられ、好ましくは、重
合性基を有する化合物に対して0.01〜1重量%添加
される。
【0040】感光性樹脂層の厚みは、目的とするフィル
ター層の厚みにより適宜決定されるが、一般的には、
0.5〜10μm程度が好ましい。薄すぎると十分な反
射率が得られず、ゴミなどの影響により欠陥が発生し易
くなる、現像のコントロールが困難になる等の問題が生
じ、厚すぎると配向に時間がかかる、現像が遅くなる、
コストが上昇するなどの問題が発生するため、いずれも
好ましくない。
【0041】このような構成を有する感光性転写材料
は、感光性樹脂層に液晶性の化合物を有するため、透明
性と色純度の高い着色層を形成することができ、後述す
るカラーフィルターの製造に好適に用いられる。次に、
本発明のカラーフィルターの製造方法について説明す
る。本発明の製造方法は、前記した如き、仮支持体上に
キラルネマチック液晶化合物を含有する感光性樹脂層を
設けてなる感光性転写材料の感光性樹脂層を、カラーフ
ィルターを形成しようとするフィルター基板上に密着さ
せ、転写させる工程を有する。この製造方法について、
工程毎に順次詳細に説明する。
【0042】図1は、先に説明した本発明の感光性転写
材料を製造する工程を示す概略図である。図1(I)に
示すように、仮支持体として、ラビング処理されたベー
スフィルム11を準備し、その上に、感光性樹脂層用塗
布液を塗布、乾燥して感光性樹脂層12を形成し、所望
によりカバーフィルム13を感光層樹脂層12上に室温
でラミネートし、図1(II)に示すような感光性転写材
料10を得る。このような感光性転写材料は、カラーフ
ィルターのフィルター層を形成する際に必要な色相分、
例えば、フルカラーのフィルターを形成する際には、赤
色(R)、緑色(G)、青色(B)の少なくとも3色分
製造する。
【0043】次に、この感光性転写材料を用いたカラー
フィルターの製造方法について説明する。まず、適当な
フィルター基板14(通常は、耐熱性、寸法安定性の観
点から、ガラスやエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用い
られる)を準備する。この表面には所望により配向膜1
5を設けてもよい。図2(I)に示すように配向膜15
表面をラビング処理した後、前記感光性転写材料10の
カバーフィルム13を除去し、その感光性樹脂層12面
を配向膜15に密着させ、過熱、圧着する(図2(I
I))。この配向膜15に用いられる素材としては、ポ
リビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリス
チレン、ポリエチレン、PET、PBTなどのポリエス
テル、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリビニル
シンナメート、ポリブレン、ポリアセタールなどが挙げ
られ、特に、感光性樹脂層中の液晶化合物と結合しうる
官能基を分子内に有するものが好ましい。
【0044】次に、図2(III)に示すように基板14
と転写材料10とを積層、密着した状態で全体を加熱
し、液晶化合物を配向させて感光性樹脂層12に所望の
色相を得る。このままの温度を保持しても、常温まで放
冷しても、いずれの場合も加熱配向した色相は保持され
る。さらに、図2(IV)に示すように、この積層体の仮
支持体11側から、マスクパターン16を介して所定の
露光を行う。この露光により感光性樹脂層12内部で、
露光部分のみ硬化する。露光後、仮支持体11を剥離し
て(図2(V))、引き続き現像処理を行う。現像は、
剥離現像でも、アルカリ性水溶液や溶剤による湿式現像
でもよい。現像により、感光性樹脂層12の不要部分が
除去され、図2(VI)に示すように、所定のマスクパタ
ーンに従った部分に着色フィルター層17が形成され
る。このようにして、基板14上に所望の色相を有する
単色のフィルター層17が形成される。
【0045】液晶化合物の種類や加熱配向時の温度条件
を制御することにより異なる色相の感光性樹脂層材料を
選択し、前記工程を繰り返すことで、多色のフィルター
を容易に形成することができる。特に、仮支持体と感光
性樹脂層との間にクッション性に優れた熱可塑性樹脂層
を設けた本発明の好ましい態様の感光性転写材料を用い
れば、複数色のフィルターを形成する場合にも、先に形
成されたフィルター層の厚みによる段差を効果的に吸収
しうるため、基板に先行パターンがあっても気泡残りの
ない良好な転写が可能となり、より簡便に質の優れたカ
ラーフィルター画素パターンを形成することができる。
【0046】また、本発明の製造方法により得られたカ
ラーフィルターは、フィルター基板(支持体)上にキラ
ルネマチック液晶化合物を含有する感光性樹脂層からな
るフィルター層を設けてなり、透明性と色純度に優れ、
厚みも均一なフィルター層を有するという優れた特性を
有する。
【0047】本発明の方法によれば、あらかじめ仮支持
体上に均一に形成された液晶層(感光性樹脂層)を転写
するため、任意のフィルター基板上に、優れた特性のフ
ィルター層を形成することができる。即ち、この方法に
よれば、局面などの平面ではない基板上にも容易に均一
なフィルター層を形成することができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0049】(実施例1) 〔感光性転写材料の製造〕図1(I)〜図1(II)は、
本発明の感光性転写材料を製造する工程を示す概略図で
ある。図1(I)に示すように、仮支持体としてラビン
グ処理された厚さ75μのポリエチレンテレフタレート
ベースフィルム11を準備し、その上に、感光性樹脂層
用塗布液として、下記の処方にて調製した各塗布液をス
ピンコーターにて塗布し、100℃のオーブンにて2分
間乾燥し、感光性樹脂層12を形成し、カバーフィルム
として12μ厚のポリプロピレンフィルム13を該感光
性樹脂層12上に室温でラミネートし、感光性転写材料
10を得る。感光性樹脂層12に用いる液晶化合物を代
えて、赤色画素用、緑色画素用、および青色画素用の感
光性転写シートをそれぞれ得た(図1(II)参照)。
【0050】 〔感光性樹脂層用塗布液処方〕 (1)赤色画素用感光性樹脂層塗布液 下記構造の化合物(a) 85重量部 下記構造の化合物(b) 7重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部 2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル) −6−トリアジン 3重量部 クロロホルム 400重量部
【0051】 (2)緑色画素用感光性樹脂層塗布液 下記構造の化合物(a) 83.5重量部 下記構造の化合物(b) 8.5重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部 2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル) −6−トリアジン 3重量部 クロロホルム 400重量部
【0052】 (3)青色画素用感光性樹脂層塗布液 下記構造の化合物(a) 82重量部 下記構造の化合物(b) 10重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部 2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル) −6−トリアジン 3重量部 クロロホルム 400重量部
【0053】
【化9】
【0054】〔カラーフィルターの製造〕カラーフィル
ターの製造方法について、図2(I)〜図2(VI)の概
略図を参照して説明する。 (1)フィルター基板の準備 図2(I)に示すようにガラス基板14上にポリイミド
配向膜塗布液をスピンコーターにて塗布し、100℃の
オーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンにて
1時間焼成して配向膜15を設け、更にその表面をラビ
ングして配向処理して、配向膜15付きガラス基板11
を得た。
【0055】(2)赤色フィルター層の形成 赤色画素用感光性転写シート10(R)からカバーフィ
ルム13を除去し、前記配向膜15を備えたガラス基板
11の配向膜15面と、感光性転写シート10(R)の
感光性樹脂層12(R)が接するように重ね合わせ、ラ
ミネータ(大成ラミネータ(株)製のファーストラミネ
ーター8B−550−80)を用いて、2kg/m2
加圧、130℃のローラー温度、0.2m/minの送
り条件で貼り合わせた(図2(II))。続いて、該感光
性転写シート10(R)を貼り合わせたまま、ガラス基
板14をホットプレート上にて110℃の温度で5分間
保持して、感光性樹脂層12を発色させ(図2(II
I))、次に、アライナーMAP−1200L(大日本
スクリーン(株)製)を用い、赤色画素用フォトマスク
16を介して、超高圧水銀灯(500W/cm)にて、
感光性樹脂層12に60cmの距離から25秒間露光を
行った(照射エネルギー;100mJ/cm2)。
【0056】露光後、基板14を室温まで冷却し、続い
てポリエチレンテレフタレートの仮支持体11を、感光
性樹脂層12との界面で剥離し、仮支持体11を除去し
た(図2(V))。その後、クロロホルムで感光性樹脂
層12を現像して未露光部分を除去し、配向膜15付き
ガラス基板11上に赤色画素パターン17(R)を得
た。更に画素パターンの硬化を進めるため、220℃の
オーブンで20分間焼成した。このようにして赤色フィ
ルター層17(R)を形成した。
【0057】(3)緑色フィルター層の形成 続いて、緑色画素用感光性転写シートからカバーフィル
ムを除去し、該赤色画素パターン付きガラス基板の画素
パターンが設けられた面と、該緑色画素用感光性転写シ
ートの感光性樹脂層が接するように重ね合わせ、赤色画
素用感光層転写シートを用いた場合と同様に、ラミネー
タを用いて、2kg/m2の加圧、130℃のローラー
温度、0.2m/minの送り条件で貼り合わせた。ガ
ラス基板をホットプレート上にて120℃の温度で5分
間保持して、感光性樹脂層を発色させ、次にアライナー
にて、緑色色画素用フォトマスクを介して位置合わせを
行い、超高圧水銀灯(500W/cm)にて、感光性樹
脂層に60cmの距離から25秒間露光を行った(照射
エネルギー;100mJ/cm2)。続いてポリエチレ
ンテレフタレートの仮支持体を、感光性樹脂層との界面
で剥離し、仮支持体を除去した。その後、クロロホルム
で感光性樹脂層を現像して未露光部分を除去し、赤色画
素パターン付きガラス基板上に緑色画素パターンを得
た。更に画素パターンの硬化を進めるため、220℃の
オーブンで20分間焼成した。
【0058】(4)青色フィルター層の形成 次いで青色画素用感光性転写シートを用い、同様に赤色
および緑色画素パターン付きガラス基板上に青色感光性
転写シートを貼り合わせ、発色処理、パターン露光、仮
支持体除去、現像を行い、220℃のオーブンにて2時
間焼成し、赤色画素、緑色画素および青色画素パターン
が設けられたカラーフィルター基板を得た。
【0059】(実施例2) 〔感光性転写材料の製造〕図3(I)〜図3(III)は
実施例2の感光性転写材料の製造工程を示す概略図であ
る。仮支持体である厚さ75μのポリエチレンテレフタ
レートベースフィルム11上に、熱可塑性樹脂層用塗布
液として表2の処方にて調製した塗布液をスピンコータ
ーにて塗布し、100℃のオーブンにて2分間乾燥し
て、ベースフィルム上に膜厚15μの熱可塑性樹脂層1
8を得た。
【0060】 〔熱可塑性樹脂層用塗布液処方〕 スチレン/アクリル酸共重合体 15重量部 (共重合組成比60/40 重量平均分子量8000) 2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ) フェニルプロパン] 7重量部 フッ素系界面活性剤 1.5重量部 (F−176PF、大日本インキ(株)製) プロピレングリコールモノメチルエーテル 28重量部 メチルエチルケトン 27重量部 次に該熱可塑性樹脂層18上に、中間層用塗布液として
下記処方にて調製した塗布液をスピンコーターにて塗布
し、100℃のオーブンにて2分間乾燥して、熱可塑性
樹脂層18上に膜厚1.6μの中間層19を形成した
(図3(I))。さらに、図3(II)に示すように、更
に該中間層19表面をナイロン布にてラビング処理を行
った。
【0061】 〔中間層用塗布液処方〕 ポリビニルアルコール 13重量部 (PVA205 クラレ(株)製) ポリビニルピロリドン 6重量部 (PVP−K30 五協産業) メタノール 173重量部 イオン交換水 211重量部
【0062】次いで感光性樹脂層用塗布液として、実施
例1と同様の処方にて調製した各色相の感光性樹脂層塗
布液をスピンコーターにて塗布し、100℃のオーブン
にて2分間乾燥して感光性樹脂層12を形成し、カバー
フィルムとして12μ厚のポリプロピレンフィルム13
を感光層樹脂膜12上に室温でラミネートし、ベースフ
ィルム11上に熱可塑性樹脂層18、中間層19、感光
性樹脂層12がこの順に積層された赤色画素用(20
(R))、緑色画素用(20(G))、および青色画素
用(20(B))の感光性転写材料(転写シート)をそ
れぞれ得た。
【0063】〔カラーフィルターの製造〕次に、この感
光性転写材料20を用いて、基板上にカラーフィルター
を形成する工程を図4(I)〜図5(IX)の概略図を参
照して説明する。 (1)フィルター基板の準備 ガラス基板14上に配向膜塗布液をスピンコーターにて
塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、25
0℃のオーブンにて1時間焼成して配向膜15を形成
し、更にラビングして配向処理して、配向膜15付きガ
ラス基板14を得た(図4(I))。
【0064】(2)赤色フィルター層の形成 赤色画素用感光性転写シート20(R)からカバーフィ
ルム13を除去し、該配向膜15付きガラス基板11の
配向膜15面と、該感光性転写シート20(R)の感光
性樹脂層12(R)が接するように重ね合わせ、ラミネ
ータ(大成ラミネータ(株)製のファーストラミネータ
ー8B−550−80)を用いて、2kg/m2の加
圧、130℃のローラー温度、0.2m/minの送り
条件で貼り合わせた(図4(II))。続いてポリエチレ
ンテレフタレートの仮支持体11を、熱可塑性樹脂層1
8との界面で剥離し、仮支持体11を除去した(図4
(III))。ガラス基板14をホットプレート上にて1
20℃の温度で5分間保持して、感光性樹脂層12
(R)を発色させ、次にアライナーMAP−1200L
(大日本スクリーン(株)製)を用い、赤色画素用フォ
トマスク16を介して、超高圧水銀灯(500W/c
m)にて、感光性樹脂層に60cmの距離から25秒間
露光を行った(照射エネルギー;100mJ/c
2)。この露光により感光性樹脂層12(R)の露光
部分が硬化する。
【0065】次いで所定の処理液(T−PD2:富士写
真フィルム(株)製)を用いて、熱可塑性樹脂層18お
よび中間層19を除去した(図5(VI))。その後、塩
化メチレンにて感光性樹脂層を現像して未露光部分を除
去し、配向膜付きガラス基板上に赤色画素パターン21
(R)を得た。更に画素パターンの硬化を進めるため、
220℃のオーブンで20分間焼成した。
【0066】(3)緑色フィルター層の形成 続いて、緑色画素用感光性転写シート20(G)からカ
バーフィルムを除去し、該赤色画素パターン21(R)
付きガラス基板の画素パターンが設けられた面と、該緑
色画素用感光性転写シートの感光性樹脂層12(G)が
接するように重ね合わせ、赤色画素用感光層転写シート
を用いた場合と同様に、ラミネータを用いて貼り合わせ
た(図5(VIII))。続いてポリエチレンテレフタレー
トの仮支持体を、感光性樹脂層との界面で剥離し、仮支
持体を除去した。
【0067】次に加熱発色処理した後、アライナーに
て、緑色色画素用フォトマスクを介して位置合わせを行
い、超高圧水銀灯(500W/cm)にて、感光性樹脂
層に60cmの距離から25秒間露光を行った(照射エ
ネルギー;100mJ/cm2)。次いで所定の処理液
(T−PD2:富士写真フィルム(株)製)を用いて、
熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。その後、塩化
メチレンで感光性樹脂層を現像して未露光部分を除去
し、赤色画素パターン付きガラス基板上に緑色画素パタ
ーン21(G)を得た。更に画素パターンの硬化を進め
るため、220℃のオーブンで20分間焼成した。
【0068】(4)青色フィルター層の形成 次いで青色画素用感光性転写シート20(B)を用い、
同様に赤色画素パターン21(R)および緑色画素パタ
ーン21(G)付きガラス基板14上に青色感光性転写
シート20(B)を貼り合わせ、仮支持体除去、加熱発
色処理、パターン露光、熱可塑性樹脂層および中間層除
去、現像を行い、220℃のオーブンにて2時間焼成し
て、最終的に図5(IX)に示すように、基板14に設け
られた配向膜15上に赤色画素パターン21(R)、緑
色画素パターン21(G)および青色画素パターン21
(B)が設けられたカラーフィルター基板22を得た。
【0069】(実施例3) 〔感光性転写材料の製造〕厚さ75μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム仮支持体の上に下記の処方H1
からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μm
の熱可塑性樹脂層を設けた。
【0070】 〔熱可塑性樹脂層用塗布液処方:H1〕 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 290.0g (重量比:塩ビ/酢ビ=75/25、重合度:約400、 日信化学(株)製MPR−TSL) 塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体 76.0g (重量比:塩ビ/酢ビ/マレイン酸=86/13/1、 重合度:約400、日信化学(株)製MPR−TM) フタル酸ジブチル 88.5g フッ素系界面活性剤 5.4g (F−177P、大日本インキ(株)製) メチルエチルケトン 975.0g
【0071】次に上記熱可塑性樹脂層上に下記中間層用
塗布液処方B1から成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥
膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。更に該中間層表
面をナイロン布にてラビング処理を行った。 〔中間層用塗布液処方:B1〕 ポリビニルアルコール 173.2g (クラレ(株)製PVA205、鹸化率=80%) フッ素系界面活性剤 8g (F−142D、大日本インキ(株)製) 蒸留水 2800g
【0072】上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する3
枚の仮支持体の上に、それぞれ実施例1で使用したのと
同様の処方を有する、赤色用、緑色用及び青色用の3色
の感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が
2μmの感光性樹脂層を形成した。さらに上記感光性樹
脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)の被覆シー
トを圧着し、赤色光性転写シート22(R)、青色光性
転写シート22(G)、および緑色感光性転写シート2
2(B)を作製した。〔カラーフィルターの製造〕次
に、この感光性転写材料22を用いて、基板上にカラー
フィルターを形成する工程を図6(I)〜図7(VIII)
の概略図を参照して説明する。 (1)フィルター基板の準備
【0073】ガラス基板14上に配向膜塗布液をスピン
コーターにて塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥
した後、250℃のオーブンにて1時間焼成し、配向膜
15を設けて、更にラビングして配向処理して、図6
(I)に示すような配向膜15付きガラス基板14を得
た。 (1)赤色フィルター層の形成 赤色画素用感光性転写シート22(R)からカバーフィ
ルムを除去し、該配向膜15付きガラス基板14の配向
膜15面と、該感光性転写シートの感光性樹脂層12
(R)が接するように重ね合わせ、ラミネータ(大成ラ
ミネータ(株)製のファーストラミネーター8B−55
0−80)を用いて、2kg/m2の加圧、130℃の
ローラー温度、0.2m/minの送り条件で貼り合わ
せた(図6(II))。続いて、図6(III)に示すよう
に、ポリエチレンテレフタレートの仮支持体11および
熱可塑性樹脂層18を中間層19との界面で剥離し、仮
支持体11および熱可塑性樹脂層18を除去した。
【0074】次に、ガラス基板14をホットプレート上
にて120℃の温度で5分間保持して、感光性樹脂層1
2(R)を発色させ(図6(IV))、続いてアライナー
MAP−1200L(大日本スクリーン(株)製)を用
い、赤色画素用フォトマスク16を介して、超高圧水銀
灯(500W/cm)にて、感光性樹脂層に60cmの
距離から25秒間露光を行った(照射エネルギー;10
0mJ/cm2)(図6(V))。この露光により感光
性樹脂層12(R)の露光部分が硬化する。その後、塩
化メチレンにて感光性樹脂層12(R)を現像して未露
光部分を除去し、図7(VI)に示すように、配向膜15
付きガラス基板14上に赤色画素パターン23(R)を
得た。更に画素パターンの硬化を進めるため、220℃
のオーブンで20分間焼成した。
【0075】(3)緑色フィルター層の形成 続いて、緑色画素用感光性転写シート22(G)からカ
バーフィルムを除去し、該赤色画素パターン23(R)
付きガラス基板14の画素パターンが設けられた面と、
該緑色画素用感光性転写シート22(G)の感光性樹脂
層が接するように重ね合わせ、赤色画素用感光層転写シ
ートを用いた場合と同様に、図7(VII)に示すように
ラミネータを用いて貼り合わせた。続いてポリエチレン
テレフタレートの仮支持体11および熱可塑性樹脂層1
8を、中間層19との界面で剥離し、仮支持体11およ
び熱可塑性樹脂層18を除去した。次に加熱発色処理し
た後、アライナーにて、緑色画素用フォトマスクを介し
て位置合わせを行い、超高圧水銀灯(500W/cm)
にて、感光性樹脂層に60cmの距離から25秒間露光
を行った(照射エネルギー;100mJ/cm2)。次
いで塩化メチレンで感光性樹脂層を現像して未露光部分
を除去し、赤色画素パターン付きガラス基板上に緑色画
素パターン23(G)を得た。更に画素パターンの硬化
を進めるため、220℃のオーブンで20分間焼成し
た。
【0076】(4)青色フィルター層の形成 次いで青色画素用感光性転写シート22(B)を用い、
同様に赤色画素パターン23(R)および緑色画素パタ
ーン23(G)付きガラス基板14上に青色感光性転写
シート22(B)を貼り合わせ、仮支持体及び熱可塑性
樹脂層の剥離除去、加熱発色処理、パターン露光、現像
を行い、220℃のオーブンにて2時間焼成して、図7
(VIII)に示すように、配向膜15付基板14条に赤色
画素パターン23(R)、緑色画素パターン(G)およ
び青色画素パターン23(B)が設けられたカラーフィ
ルター基板24を得た。
【0077】上記実施例1〜3で得られたカラーフィル
ターは、いずれも透明性、色純度に優れ、フィルター層
の厚みも均一であった。また、マスクパターンによる画
素パターンの形成性も良好であり、優れた特性のカラー
フィルターであった。特に、実施例2及び3において
は、2色目以降のシートの転写に際し、熱可塑性樹脂層
がクッション層としての機能を果たし、気泡残りなく転
写することができたため、微細な気泡によるわずかな欠
陥をも生じることなく、一層優れた画素パターンを得る
ことができた。
【0078】
【発明の効果】本発明の感光性転写材料を用いることに
より、液晶材料のロスが少なく、効率よく、簡便に、透
明性、色純度に優れ、高度の膜厚コントロールを実現し
たキラルネマチック液晶を用いたカラーフィルターを得
ることができる。さらにこの感光性転写材料を用いたカ
ラーフィルターの製造方法により透明性、色純度、膜厚
均一性に優れた本発明のカラーフィルターを容易に形成
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (I)、(II)は本発明の感光性転写材料の
製造工程を示す概略図である。
【図2】 (I)〜(VI)は本発明の実施例1の感光性
転写材料を用いたカラーフィルターの製造工程を示す概
略図である。
【図3】 (I)〜(III)は実施例2の感光性転写材
料の製造工程を示す概略図である。
【図4】 (I)〜(V)は本発明の実施例2の感光性
転写材料を用いたカラーフィルターの製造工程のうち基
板の準備から露光工程までを示す概略図である。
【図5】 (VI)〜(IX)は本発明の実施例2の感光性
転写材料を用いたカラーフィルターの製造工程のうち熱
可塑性樹脂層除去工程から最終的なカラーフィルターの
態様までを示す概略図である。
【図6】 (I)〜(V)は本発明の実施例3の感光性
転写材料を用いたカラーフィルターの製造工程のうち基
板の準備から露光工程までを示す概略図である。
【図7】 (VI)〜(VIII)は本発明の実施例3の感光
性転写材料を用いたカラーフィルターの製造工程のうち
現像工程から最終的なカラーフィルターの態様までを示
す概略図である。
【符号の説明】
10、20、22 感光性転写材料 11 仮支持体 12 感光性樹脂層 14 フィルター基板(基板) 17、21、23 着色フィルター層 18 熱可塑性樹脂層(クッション層)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB11 AB13 AC01 AD01 BC43 BC49 CB13 CC20 DA14 EA01 2H048 BA01 BA45 BA47 BA48 BB14 BB42 2H091 FA02Y FB02 FB04 FB12 FC01 JA01 LA07 LA12 2H096 AA28 BA05 CA20 DA10 EA02 GA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮支持体上に感光性樹脂層を有する画像
    形成用感光性転写材料において、該感光性樹脂層が、キ
    ラルネマチック液晶化合物を含有することを特徴とする
    感光性転写材料。
  2. 【請求項2】 前記感光性樹脂層に、光重合性化合物を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性転写
    材料。
  3. 【請求項3】 前記感光性樹脂層に含有するキラルネマ
    チック液晶化合物及び光重合性化合物が、同一分子内に
    液晶性を発現する部位と光重合性の官能基とを有するひ
    とつの化合物であることを特徴とする請求項2に記載の
    感光性転写材料。
  4. 【請求項4】 前記仮支持体と感光性樹脂層との間に、
    熱可塑性樹脂層を設けることを特徴とする請求項1に記
    載の感光性転写材料。
  5. 【請求項5】 仮支持体上にキラルネマチック液晶化合
    物を含有する感光性樹脂層を設けてなる感光性転写材料
    の感光性樹脂層を、フィルター基板上に転写する工程を
    有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 フィルター基板上に、キラルネマチック
    液晶化合物を含有する感光性樹脂層を転写により設けて
    なることを特徴とするカラーフィルター。
  7. 【請求項7】 前記感光性樹脂層に光重合性化合物を含
    有することを特徴とする請求項6に記載のカラーフィル
    ター。
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