JP2001082352A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ

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JP2001082352A
JP2001082352A JP25747899A JP25747899A JP2001082352A JP 2001082352 A JP2001082352 A JP 2001082352A JP 25747899 A JP25747899 A JP 25747899A JP 25747899 A JP25747899 A JP 25747899A JP 2001082352 A JP2001082352 A JP 2001082352A
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JP
Japan
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pump
rotor
discharge
vane
suction
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JP25747899A
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English (en)
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Hideo Konishi
英男 小西
Toyoji Takefuchi
豊治 竹渕
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変容量形ベーンポンプにおいてロータの回
転に伴うベーンの飛び出しを確実にし、ポンプの高速回
転時におけるベーン基端部への流体の供給量不足や流体
温度の過度の上昇を防ぐとともに、ポンプの始動性を確
保する。 【解決手段】 複数のベーン15aを放射方向に進退自
在に保持するロータ15と、このロータの一側寄りにポ
ンプ室18を形成する揺動可能なカムリング17とを備
える。ポンプボディのフロント側、リア側の側壁部2
0,12には、前記ポンプ室の吸込側領域に開口する吸
込側開口25と吐出側領域に開口する吐出側開口24を
設ける。前記ポンプボディの側壁部におけるロータの回
転軸16周りであってベーンを保持するロータの保持溝
61の基端部62の回動軌跡に対向する部位に、ポンプ
室の吸込側領域に対応する吸込側円弧溝63と、吐出側
領域に対応する吐出側円弧溝64を設ける。これらの円
弧溝のそれぞれに、前記ポンプボディ内に形成した前記
ポンプ室から吐出されるポンプ吐出側流体圧の吐出側圧
力室からの連通孔65,66を開口させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車の
ハンドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流
体利用機器に用いる可変容量形ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力舵取装置用ポンプと
して一般には、自動車用エンジンで直接回転駆動される
容量形のベーンポンプが用いられている。このような容
量形ポンプは、エンジン回転数に対応して吐出流量が増
減するため、回転数が低い低速走行時にも必要な操舵補
助力が得られる程度の吐出流量を確保できる大容量のも
のを用いる必要がある。しかも、回転数が高い高速走行
時には、吐出流量を一定量以下に制御する流量制御弁が
必須となる。したがって、構成部品点数が多く、構造や
通路構成が複雑となり、ポンプ全体の大型化やコスト高
になることが避けられない。
【0003】このような不具合を解決するために、一回
転当たりの吐出流量(cc/rev)を回転数の増加に比例して
減少させることが可能な可変容量形ベーンポンプが、特
開平5−278622号公報、特開平6−200883
号公報、特開平7−243385号公報、特開平8−2
00239号公報等によって提案されている。これらの
可変容量形ポンプによれば、容量形ポンプでは必要であ
った流量制御弁が不要となり、また駆動馬力の低減が図
れるためエネルギ効率の面でも優れている。
【0004】この種の可変容量形ポンプは、ポンプボデ
ィ内部の楕円状空間内に揺動自在に支持したカムリング
内にロータを偏心させた状態で設けることにより、これ
らのロータとカムリングとの間にほぼ三日月状を呈する
ポンプ室を形成している。このポンプ室はロータ、カム
リングの軸線方向の両側に臨んで配置されるプレッシャ
プレートとポンプボディを構成するリアボディの内側壁
とによって形成される。また、カムリングの揺動方向の
両側に第1、第2の流体圧室を形成するとともに、第2
の流体圧室には前記ポンプ室のポンプ容量が最大となる
方向に付勢する圧縮コイルばねを設けている。また、前
記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路の途中
に設けたメータリング絞りの上、下流側の流体圧力差に
よって作動する制御バルブを設け、この制御バルブによ
り第1、第2の流体圧室に導入する流体圧を制御して前
記カムリングが揺動させることによって、前記ポンプ室
のポンプ容量が変化しポンプからの吐出流量が増減す
る。
【0005】このような可変容量形ポンプにおいて、ポ
ンプ室内に吸込側開口から吸込まれる作動流体は、ロー
タの外周部に周方向に所定間隔をおいた位置に放射方向
に進退自在に保持させたベーンがカムリングの内周面に
摺接して回転することにより、ポンプ室内で圧縮されな
がら移動して吐出側開口から吐出される。上述したよう
にベーンは、ロータの回転に伴って放射方向に飛び出
し、カムリングの内周面に摺接することによりポンプ動
作を行うために必要な部品である。このようなベーンを
ポンプ始動時に飛び出させてカムリングの内周面に押し
付け続けるために、ベーンを保持するロータのベーン溝
の基端部に作動流体圧を供給する円弧溝を、前記プレッ
シャプレートとリアボディの内側壁の対向する位置に形
成することが従来から一般に行われている。
【0006】従来のポンプでは、ロータの回転軸周りで
あって、ポンプ室の吸込側開口が開口しているポンプ吸
込側領域に対応する吸込側の円弧溝と、ポンプ室の吐出
側開口が開口しているポンプ吐出側領域に対応する吐出
側の円弧溝とが、それぞれほぼ半周にわたって別々に形
成されている。これらの円弧溝は、前記ベーン溝の基端
部の回転軌跡上に位置し、それぞれの円弧溝は円周方向
において幅狭な絞り溝により連通されている。また、こ
れらの円弧溝のうち、前記プレッシャプレートに形成し
た吸込側の円弧溝をプレッシャプレートを貫通する連通
孔により前記ポンプ室から吐出されたポンプ吐出側の圧
力室に連通している。この圧力室はポンプ室から吐出さ
れた作動流体圧が流入し、パワーステアリングに給送す
るためにポンプボディ内に設けた室である。
【0007】ポンプ始動時においてカムリングの内周面
に先端が充分に当接していないベーンは、上述したポン
プ室の吐出側領域においてロータの回転とともにベーン
先端がカムリングの内周面に当たりロータのベーン溝内
に順次押し込まれる。このように押し込まれたベーンの
基端部によって、吐出側の円弧溝内の作動流体は、この
円弧溝から絞り溝を経由して吸込側の円弧溝に押し出さ
れる。このとき、上述した絞り溝による狭い通路断面積
を通過するときの流路抵抗のため、上流側すなわち吐出
側の円弧溝内の流体圧が上昇し、未だカムリングの内周
面に当接していないベーンの基端部に流入してベーンを
ロータ外側に向かって押し出し、ポンプ作動の開始を促
進してポンプの始動性を確保することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の可変容
量形ポンプでは、次のような不具合があった。すなわ
ち、ポンプ吐出側の流体圧がパワーステアリングの作動
によって高圧になった場合、吐出側の圧力室に連通孔、
吸込側円弧溝、絞り溝を介して連通している吐出側円弧
溝内の流体圧も上昇する。このようになると、この吐出
側円弧溝内で高圧となっている流体圧がロータとプレッ
シャプレートおよびリアボディの内側壁との間の隙間に
より低圧状態にある回転軸周りの空間に漏洩する。この
とき、吸込側の円弧溝からも軸周りに洩れるが、連通孔
によって吐出側圧力室から直ちに補充されるから、この
吸込側の円弧溝からの洩れはそれ程問題とはならない。
【0009】しかし、ベーンが押し下げられることによ
って吐出側の円弧溝内に押し出された流体圧が、飛び出
しが不十分なベーンの基端部に作用することにより押し
出すにあたって、上述した軸周りへの漏洩量が多くなる
と、流体圧が不足してベーンを確実に押し出すことがで
きない場合があった。すなわち、軸周りへの漏洩量が増
えると、前述したとは逆に吐出側の圧力室から吸込側円
弧溝、絞り溝を経由して流体圧が給送されることにな
る。このため、ベーンの基端部に作用する吐出側の円弧
溝における流体圧は、吐出側の圧力室と同圧のベーン先
端部の圧力、すなわちポンプ室の吐出側領域での流体圧
よりも低くなる。このように流体圧が低くなるのは、吐
出側圧力室から吸込側円弧溝、絞り溝を介して流れるこ
とによる圧力降下のためである。
【0010】したがって、このような状態になると、ポ
ンプ室において最も飛び出しが必要な位置にある吐出側
に移行する部分のベーンが、カムリングの内周面から離
れてロータのベーン溝内に押し込まれる結果となり、正
常なポンプ作用ができなくなる。
【0011】さらに、ポンプが高速で回転した場合、回
転軸により回転させられるロータ、ベーンは隣接する部
品との間、たとえばベーンとカムリングの内周面、ベー
ンとロータのベーン溝、ロータとプレッシャプレート、
ロータとリアボディの内側壁との間での摺動によって摩
擦熱が発生する。これらの熱はポンプ内を循環する作動
流体により冷却されている。
【0012】しかし、上述した吐出側の円弧溝内の作動
流体はベーンの押し込みにより絞り溝を経由して吸込側
の円弧溝に流入するから、狭い絞り溝を通過する際の流
路抵抗によって作動流体は熱を発生して流体温度が上昇
する。そして、温度が上昇した作動流体は吸込側の円弧
溝に流入すると直ぐに飛び出すベーンの基端部に流入し
てこれを押し出す。しかも、これらのベーンはロータが
半周すると、また吐出側領域に移動し、吐出側の円弧溝
内に上述した高温の作動流体を押し出すから、流体温度
がさらに上昇することになる。
【0013】また、プレッシャプレートには吸込側の円
弧溝とポンプ吐出側の圧力室とを連通する連通孔が開い
ているが、ベーンによって吐出側の円弧溝から押し出さ
れる作動流体の量は吸込側の円弧溝でベーンを押し上げ
る量と同じである。このため、連通孔からポンプ室外部
の吐出側圧力室に出入りする作動流体の量は少なく、こ
の部分を循環する作動流体の温度が非常に高温になるこ
とがあった。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプの高速回転時においてベーンの基端
部への圧力流体の供給量不足を防ぎ、流体温度の過度の
上昇を防ぐことができるとともに、これに合わせてポン
プ始動時においてロータの回転に伴うベーンの飛び出し
を確実にし、ポンプの始動性を確保することができる可
変容量形ポンプを得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明に係る可変容量形ポンプは、複数のベーン
を放射方向に進退自在に保持するロータと、ポンプボデ
ィの内部空間内に揺動可能に支持され前記ロータに対し
て偏心した状態で嵌装されて前記ロータの一側寄りにポ
ンプ室を形成するカムリングと、これらロータとカムリ
ングの軸線方向の両側に配置され前記ポンプ室の吸込側
領域に開口する吸込側開口と吐出側領域に開口する吐出
側開口を設けた前記ポンプボディのフロント側、リア側
の側壁部とを備え、前記ロータを回転軸により回転駆動
し、ベーンの先端を前記カムリングの内周部に摺接させ
て前記ポンプ室内に吸込側開口から吸込んだ作動流体を
吐出側開口から吐出する構造において、前記ポンプボデ
ィの側壁部における前記ロータの回転軸周りであって前
記ベーンを保持するロータの保持溝の基端部の回動軌跡
に対向する部位に、前記ポンプ室の吸込側領域に対応す
る吸込側円弧溝と、吐出側領域に対応する吐出側円弧溝
を設け、これらの円弧溝のそれぞれに、前記ポンプボデ
ィ内に形成した前記ポンプ室から吐出されるポンプ吐出
側流体圧の吐出側圧力室からの連通孔を開口させたこと
を特徴とする。
【0016】本発明(請求項1に記載の発明)によれ
ば、ロータのベーンを保持する保持溝の基端部が通る軌
跡上に位置する吸込側円弧溝と吐出側円弧溝に開口して
いるポンプ吐出側の圧力室からの連通孔によって、ポン
プ吐出側の流体圧がそれぞれに供給されるから、ポンプ
室の吸込側領域、吐出側領域を通過するベーンの基端部
にベーンを放射方向に押出す押出し力を与えることがで
きる。
【0017】また、本発明(請求項1に記載の発明)に
よれば、吸込側円弧溝、吐出側円弧溝がそれぞれ連通孔
によりポンプ吐出側圧力室から吐出側の流体圧が供給さ
れるから、ベーン基端部への流体の供給量不足や過度の
温度上昇を抑えることができる。
【0018】本発明の請求項2に係る可変容量形ポンプ
は、請求項1において、前記吸込側の円弧溝と吐出側の
円弧溝とを、円周方向の両端部どうしを絞り溝によって
接続したことを特徴とする。
【0019】本発明(請求項2に記載の発明)によれ
ば、吸込側円弧溝と吐出側円弧溝との間での流体圧の流
通を絞り溝によって確保することにより、これらの円弧
溝間を通過するベーンの基端部にポンプ吐出側の流体圧
を作用させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明に係る可
変容量形ポンプの第1の実施の形態を示す。ここで、こ
の第1の実施の形態では、本発明に係る可変容量形ポン
プが動力舵取装置の油圧発生源となるベーンタイプのオ
イルポンプであって、その吐出流量をポンプの回転数が
増大するにしたがって、最大吐出流量よりも少ない所定
流量になり、その流量を維持する、いわゆるドルーピン
グ特性をもつポンプによって説明する。
【0021】図2および図3において全体を符号10で
示すベーンタイプの可変容量形ポンプは、ポンプボディ
を構成するフロントボディ11およびリアボディ12を
備えている。このフロントボディ11は、全体が略カッ
プ状を呈し、その内部にポンプカートリッジとしてのポ
ンプ構成要素13を収納配置する収納空間14が形成さ
れるとともに、この収納空間14の開口端を閉塞するよ
うにリアボディ12が組合わせられ一体に組立てられ
る。このフロントボディ11には、ポンプ構成要素13
を構成するロータ15を外部から回転駆動するための回
転軸16が貫通した状態で軸受16a,16b(16a
はフロントボディ11側、16bはリアボディ12側に
配設される)により回転自在に支持されている。16c
はオイルシールである。
【0022】17はカムリングで、このカムリング17
はベーン15aを有するロータ15の外周部に嵌装して
配置される内側カム面17aを有し、かつこの内側カム
面17aとロータ15との間にポンプ室18を形成して
いる。また、このカムリング17は、後述するようにポ
ンプ室18の容積(ポンプ容量)を可変できるように収
納空間14内で空間内壁部分に嵌合状態で設けたアダプ
タリング19内で移動変位可能に配置されている。
【0023】図2において符号20はプレッシャプレー
トで、このプレッシャプレート20は、上述したロータ
15、カムリング17およびアダプタリング19によっ
て構成されているポンプカートリッジ(ポンプ構成要素
13)のフロントボディ11側に圧接して積層配置され
ている。また、ポンプカートリッジの反対側面には前記
リアボディ12の内側壁がサイドプレートとして圧接さ
れ、フロントボディ11とリアボディ12との一体的な
組立てによって所要の組立状態とされる。そして、これ
らの部材によって、前記ポンプ構成要素13が構成され
ている。
【0024】前記プレッシャプレート20と、これにカ
ムリング17を介して積層されるサイドプレートとなる
リアボディ12とは、後述する揺動支点ピン21や適宜
の回り止め手段(図示せず)によって回転方向で位置決
めされた状態で一体的に組付け固定されている。前記揺
動支点ピン21は、カムリング17を揺動可能とするた
めの軸支部および位置決めピンとして機能し、またカム
リング17を揺動させる流体圧室を画成するシール機能
も有する。
【0025】23は前記フロントボディ11の収納空間
14内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、この圧力室23によってポンプ吐出側の流体圧がプ
レッシャプレート20に作用する。24はこのポンプ吐
出側圧力室23にポンプ室18からの圧油を導くように
プレッシャプレート20のポンプ室18側の面に凹設し
た円弧状を呈する吐出側開口、24aはこの吐出側開口
24を前記吐出側圧力室23に接続する接続通路孔であ
る。前記リアボディ12の内側壁には、図2に示すよう
に、ポンプ吸込側開口25が設けられ、この吸込側開口
25を介してタンクT(ポンプ吸込側)から流入する吸
込側流体は、リアボディ22の一部に設けた吸込側ポー
ト26aからボディ22内に形成したポンプ吸込側通路
26,26bを通り、リアボディ12の内側壁に開口す
るポンプ吸込側開口25からポンプ室18内に供給され
る。
【0026】30はフロントボディ21の上方に前記回
転軸16と直交する方向に形成したバルブ孔内のスプー
ル32からなる制御バルブで、後述するポンプ吐出側通
路の途中に設けたメータリング絞り部50の上、下流側
の圧力差によって作動される。そして、この制御バルブ
30により、前記アダプタリング19内でカムリング1
7の両側に前記揺動支点ピン21とその軸対象位置に設
けたシール材21aにより分割形成した第1、第2の流
体圧室33,34に導入する流体圧をポンプ回転数に応
じて制御するように構成されている。
【0027】前記制御バルブ30の一端側室には、前記
ポンプ吐出側圧力室23からのパイロット圧通路41
(図3中破線で示す)が接続され、前記メータリング絞
り部50の上流側の流体圧が導入されている。また、前
記他端側室には、前記メータリング絞り部50の下流側
の流体圧が導かれるとともに、前記スプール32を図3
中右側に付勢する圧縮コイルばね36が設けられてい
る。この実施の形態では、フロントボディ11に設けた
吐出側ポート45から形成したパイロット圧通路42が
接続されている。46は前記制御バルブ30のスプール
32の動きによって第1の流体圧室33にメータリング
絞り部50の上流側の流体圧を選択的に導入するダンパ
絞り付きの通路孔、47は前記第2の流体圧室34にメ
ータリング絞り部50の下流側の流体圧を導入するダン
パ絞り付きの通路孔である。
【0028】この実施の形態では、制御バルブ30によ
り、ポンプ始動時には第1の流体圧室33にはポンプ吸
込側の流体圧が導入され、一方第2の流体圧室34には
メータリング絞り部50の下流側でのポンプ吐出側の流
体圧が導入されており、カムリング17はポンプ室18
の容積が最大となる状態を維持する。ポンプ回転数が
中、高速回転域になると、第1の流体圧室33にはスプ
ール32の移動量に伴ってメータリング絞り部50の上
流側の流体圧とポンプ吸込側の流体圧とを合流させた流
体圧が導入され、その結果カムリング17は図2中左側
に揺動変位し、ポンプ室18の容積を減少させる。前記
第2の流体圧室34には、メータリング絞り部50の下
流側の流体圧が通路孔47により供給されている。
【0029】図3中51は前記カムリング17をポンプ
室18のポンプ容量が最大となる方向に付勢する圧縮コ
イルばね、52はこの圧縮コイルばね51の付勢力をカ
ムリング17に作用させるためのプランジャダンパであ
る。この実施の形態では、前記ポンプ室18から吐出側
開口24により吐出した吐出側流体圧を、前記圧力室2
3から吐出側ポート45に導くポンプ吐出側通路54
を、前記プランジャダンパ52とこれを保持するプラグ
孔との間を迂回させて形成している。そして、このプラ
ンジャダンパ52のカムリング17の揺動に伴う変位に
よって前記メータリング絞り部50の開口面積を可変す
るように構成している。メータリング絞り部50は、プ
ランジャダンパ52により開閉される孔部による可変メ
ータリング絞りとプランジャダンパ52の動きにかかわ
らず常時開放状態にある孔部による固定メータリング絞
りとからなる。
【0030】以上のようなベーンタイプの可変容量形ポ
ンプ10において、上述した以外の構成は従来から広く
知られている通りであり、ここでの具体的な説明は省略
する。すなわち、タンクTに接続した吸込側ポート26
aから吸い込まれた作動流体は、回転軸16の回転に伴
ってポンプ室18内に吸込側開口25から吸い込まれ、
ベーン15aによって給送されて吐出側開口24から吐
出され、吐出側圧力室23、吐出側通路54を介して給
送されて吐出側ポート45から図示しない圧力流体利用
機器としてのパワーステアリング装置のパワーシリンダ
PSに吐出される。
【0031】本発明によれば、上述した構成による可変
容量形ポンプ10において、前記プレッシャプレート2
0における回転軸16周りであって前記ベーン15aを
保持するロータ15のベーン保持溝61の基端部62の
回動軌跡に対向する部位に、前記ポンプ室18の吸込側
領域に対応する吸込側円弧溝63と、吐出側領域に対応
する吐出側円弧溝64を設け、これらの円弧溝63,6
4のそれぞれに、前記フロントボディ11内に形成した
ポンプ吐出側圧力室23からの連通孔65,66を開口
させている。この実施の形態では、吸込側円弧溝63と
吐出側円弧溝64とを、円周方向の両端部どうしを絞り
溝68,69によって接続している。
【0032】ここで、図1においては、ポンプ室18の
吸込側領域となる部分に形成される吸込側開口25とポ
ンプ吸込側通路26に接続されている通路孔26bとを
実線で図示したが、これらはリアボディ12の内側壁に
形成されている。この部分に対応するプレッシャプレー
ト20には、カムリング17、ロータ15の軸線方向で
の圧力バランスを保つための凹部とフロントボディ11
の内部に形成した吸込側の圧力室70とを接続する通路
(図2において符号70aを付す)が形成されている。
この吸込側圧力室70は、フロントボディ11内であっ
て前記吐出側圧力室23とは区画した位置に形成されて
いる。図2では、この吸込側圧力室70に連通孔65が
接続されているように見えるが、この連通孔65を形成
した部分には吐出側圧力室23が位置している。
【0033】このような構造によれば、ロータ15のベ
ーン15aを保持するベーン保持溝61の基端部62が
通る軌跡上に位置する吸込側円弧溝63と吐出側円弧溝
64に開口しているポンプ吐出側圧力室23からの連通
孔65,66によって、ポンプ吐出側の流体圧がそれぞ
れに供給されるから、ポンプ室18の吸込側領域、吐出
側領域を通過するベーン15aの基端部にベーン15a
を放射方向に押出す押出し力を与えることができる。
【0034】すなわち、ポンプ室18の吐出側領域に対
応する部分を通過するベーン15aの基端部に対して押
し出し力を与える吐出側円弧溝64に、ポンプ吐出側圧
力室23からの流体圧が作用する。このため、ベーン1
5aの先端側と基端部とに作用する圧力が等しくなる
し、ロータ15の回転に伴う遠心力もほぼ半周にわたり
作用することから、従来問題となっていた吐出側領域で
ベーン15aがロータ15の内側に押し込まれる際に押
し出し力が不足して、ベーン15aの先端とカムリング
17のカム面17aとの間に隙間が生じるといった不具
合はなくなり、ポンプ始動時においても円滑で適切なポ
ンプ作用を行わせることができる。換言すれば、ポンプ
始動時において、ベーン15aの押し出し力が不足する
こといより、このベーン15aの先端とカムリング17
との間に隙間が生じ、高圧側から低圧側への流体圧漏れ
が生じて、ポンプ作用が低下したりすることがなくな
る。勿論、このベーン15aにはロータ15の回転に伴
う遠心力も作用しており、ポンプが作動を開始した後に
は動作上では何の支障も生じない。
【0035】また、上述した構造によれば、吸込側円弧
溝63、吐出側円弧溝64がそれぞれ連通孔65,66
によりポンプ吐出側圧力室23から吐出側の流体圧が供
給されるから、ベーン15aの基端部での圧力流体量が
不足したり、従来問題であった過度の温度上昇を抑える
ことができる。換言すれば、従来一般的なポンプでは、
ポンプの吸込側円弧溝のみに吐出側流体圧を導入し、吐
出側円弧溝には絞り溝を介して吸込側円弧溝から流体圧
を導いていたため、この部分のみでベーン15aの進退
動作により循環していた圧力流体の温度上昇を、比較的
温度の低い吐出側圧力室23内の流体の供給によってな
くすことができる。
【0036】また、上述した構造によれば、吸込側円弧
溝63と吐出側円弧溝64との間での流体圧の流通を絞
り溝68,69によって確保するとともに、連通孔66
に適当な絞り効果をもたせることにより、これらの円弧
溝63,64間を通過するベーン15aの基端部にも、
ポンプ吐出側の流体圧を作用させることができ、この部
分でのベーン15aの飛び出しをより確実に行わせるこ
とができる。
【0037】本発明は上述した実施の形態で説明した構
造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変
更し得ることはいうまでもない。たとえば上述した実施
の形態では、吸込側円弧溝63と吐出側円弧溝64とを
絞り溝68,69で連通させた場合を説明したが、本発
明はこれに限らず、図4に示すように絞り溝を省略した
構造であってもよい。このように絞り溝をなくし、各円
弧溝63,64を独立させた構造とした方が、ポンプ吐
出側圧力室23との間で圧力流体が循環するため、冷却
効果を高めるうえでは効果的である。
【0038】また、本発明は上述した実施の形態で説明
したポンプ構造には限定されず、カムリングを付勢する
ための圧縮コイルばねの配設部分の構造、制御バルブの
構造、メータリング絞り部の形成位置や構造などについ
て、適宜変形してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、ポンプの高速回転時においてベー
ンの基端部への圧力流体の供給量不足を防ぎ、可動部品
どうしの摺接部分の潤滑を確実に行い、各部の動作を円
滑に行わせ、ポンプの耐久性を向上させるとともに、従
来問題となっていた流体温度の過度の上昇を防ぐことが
できる。また、本発明によれば、ポンプ始動時において
ロータの回転に伴うベーンの飛び出しを確実にすること
により、ポンプの始動性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプにおいて、特
徴とするプレッシャプレートの内側面を示す図である。
【図2】 本発明を適用する可変容量形ポンプを示すポ
ンプの縦断面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 本発明の別の実施の形態を説明する図1に対
応する図である。
【符号の説明】
10…ベーンタイプの可変容量形ポンプ(可変容量形ベ
ーンポンプ)、11…フロントボディ(ポンプボデ
ィ)、12…リアボディ(ポンプボディ)、13…ポン
プ構成要素、14…収納空間、15…ロータ、15a…
ベーン、16…回転軸、17…カムリング、18…ポン
プ室、19…アダプタリング、20…プレッシャプレー
ト、21…揺動支点ピン、23…ポンプ吐出側圧力室、
24…ポンプ吐出側開口、25…ポンプ吸込側開口、2
6…ポンプ吸込側通路、26a…ポンプ吸込側ポート、
30…スプール式制御バルブ、33,34…第1、第2
の流体圧室、45…ポンプ吐出側ポート、54…ポンプ
吐出側通路、61…ベーン保持溝、62…溝基端部、6
3…吸込側円弧溝、64…吐出側円弧溝、65,66…
連通溝、68,69…絞り溝、70…吸込側圧力室、P
S…圧力流体利用機器(パワーステアリング装置のパワ
ーシリンダ)、T…タンク。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月30日(2000.6.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】このような不具合を解決するために、一回
転当たりの吐出流量(cc/rev)を回転数の増加に比例して
減少させることが可能な可変容量形ベーンポンプが、特
開平6−200883号公報、特開平7−243385
号公報、特開平8−200239号公報等によって提案
されている。これらの可変容量形ポンプによれば、容量
形ポンプでは必要であった流量制御弁が不要となり、ま
た駆動馬力の低減が図れるためエネルギ効率の面でも優
れている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】すなわち、ポンプ室18の吐出側領域に対
応する部分を通過するベーン15aの基端部に対して押
し出し力を与える吐出側円弧溝64に、ポンプ吐出側圧
力室23からの流体圧が作用する。このため、ベーン1
5aの先端側と基端部とに作用する圧力が等しくなる
ともに、ベーン15aにはロータ15の回転に伴う遠心
も作用することから、ベーン15aの先端がカム面に
押付けられる。したがって、従来問題となっていた吐出
側領域でベーン15aがロータ15の内側に押し込まれ
る際に押し出し力が不足してベーン15aの先端とカム
リング17のカム面17aとの間に隙間が生じるといっ
た不具合はなくなり、ポンプ始動時においても円滑で適
切なポンプ作用を行わせることができる。換言すれば、
ポンプ始動時において、ベーン15aの押し出し力が不
足することより、このベーン15aの先端とカムリン
グ17との間に隙間が生じ、高圧側から低圧側への流体
圧漏れが生じて、ポンプ作用が低下したりすることが
くなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】また、上述した構造によれば、吸込側円弧
溝63と吐出側円弧溝64との間での流体圧の流通を絞
り溝68,69によって確保するとともに、連通孔66
に適当な絞り効果をもたせることにより、これらの円弧
溝63,64間を通過するベーン15aの基端部にも、
ポンプ吐出側の流体圧をより効果的に作用させることが
でき、この部分でのベーン15aの飛び出しを確実に
わせることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプにおいて、特
徴とするプレッシャプレートの内側面を示す図である。
【図2】 本発明を適用する可変容量形ポンプを示すポ
ンプの縦断面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 本発明の別の実施の形態を説明する図1に対
応する図である。
【符号の説明】 10…ベーンタイプの可変容量形ポンプ(可変容量形ベ
ーンポンプ)、11…フロントボディ(ポンプボデ
ィ)、12…リアボディ(ポンプボディ)、13…ポン
プ構成要素、14…収納空間、15…ロータ、15a…
ベーン、16…回転軸、17…カムリング、18…ポン
プ室、19…アダプタリング、20…プレッシャプレー
ト、21…揺動支点ピン、23…ポンプ吐出側圧力室、
24…ポンプ吐出側開口、25…ポンプ吸込側開口、2
6…ポンプ吸込側通路、26a…ポンプ吸込側ポート、
30…スプール式制御バルブ、33,34…第1、第2
の流体圧室、45…ポンプ吐出側ポート、54…ポンプ
吐出側通路、61…ベーン保持溝、62…溝基端部、6
3…吸込側円弧溝、64…吐出側円弧溝、65,66…
連通孔、68,69…絞り溝、70…吸込側圧力室、P
S…圧力流体利用機器(パワーステアリング装置のパワ
ーシリンダ)、T…タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H040 AA03 BB01 BB11 CC11 CC22 DD03 DD06 DD22 DD23 DD26 DD33 3H044 AA02 BB05 CC08 CC22 DD04 DD10 DD12 DD13 DD14 DD34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のベーンを放射方向に進退自在に保
    持するロータと、 ポンプボディの内部空間内に揺動可能に支持され前記ロ
    ータに対して偏心した状態で嵌装されて前記ロータの一
    側寄りにポンプ室を形成するカムリングと、 これらロータとカムリングの軸線方向の両側に配置され
    前記ポンプ室の吸込側領域に開口する吸込側開口と吐出
    側領域に開口する吐出側開口を設けた前記ポンプボディ
    のフロント側、リア側の側壁部とを備え、 前記ロータを回転軸により回転駆動し、ベーンの先端を
    前記カムリングの内周部に摺接させて前記ポンプ室内に
    吸込側開口から吸込んだ作動流体を吐出側開口から吐出
    する可変容量形ポンプにおいて、 前記ポンプボディの側壁部における前記ロータの回転軸
    周りであって前記ベーンを保持するロータの保持溝の基
    端部の回動軌跡に対向する部位に、前記ポンプ室の吸込
    側領域に対応する吸込側円弧溝と、吐出側領域に対応す
    る吐出側円弧溝を設け、 これらの円弧溝のそれぞれに、前記ポンプボディ内に形
    成した前記ポンプ室から吐出されるポンプ吐出側流体圧
    の吐出側圧力室からの連通孔を開口させたことを特徴と
    する可変容量形ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可変容量形ポンプにお
    いて、 前記吸込側の円弧溝と吐出側の円弧溝とを、円周方向の
    両端部どうしを絞り溝によって接続したことを特徴とす
    る可変容量形ポンプ。
JP25747899A 1999-09-10 1999-09-10 可変容量形ポンプ Pending JP2001082352A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007140514A1 (en) * 2006-06-02 2007-12-13 Norman Ian Mathers Vane pump for pumping hydraulic fluid

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WO2007140514A1 (en) * 2006-06-02 2007-12-13 Norman Ian Mathers Vane pump for pumping hydraulic fluid

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