JP2001081117A - 官能化アルコキシアミン開始剤 - Google Patents

官能化アルコキシアミン開始剤

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JP2001081117A
JP2001081117A JP2000271541A JP2000271541A JP2001081117A JP 2001081117 A JP2001081117 A JP 2001081117A JP 2000271541 A JP2000271541 A JP 2000271541A JP 2000271541 A JP2000271541 A JP 2000271541A JP 2001081117 A JP2001081117 A JP 2001081117A
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マルティン・メルヒオルス
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ヘルムート・コイル
Dirk Achten
ディルク・アッハテン
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    • C07D211/56Nitrogen atoms
    • C07D211/58Nitrogen atoms attached in position 4

Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能化アルコキシアミン開始剤の新しい調製
方法、この方法で調製される(メタ)アクリレート系新
規アルコキシアミン開始剤、およびポリマー調製のため
のその使用の提供。 【解決手段】 式(I): 【化1】 で表される単官能および2官能のアルコキシアミン開始
剤の調製方法であって、 A)式:HR1C=CR23で表される、遊離基で重合
され得るモノマー(M)を、B)B1)還元作用を有す
る化合物、B2)化合物B1の作用によって1個以上の
遊離基に分解され得る化合物、およびB3)式:R45
NOで表される環式または非環式窒素酸化物(N)から
成る遊離基を生成する系と、溶媒中で反応させることを
特徴とする、単官能および2官能のアルコキシアミン開
始剤の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能化アルコキシ
アミン開始剤の新しい調製方法、この方法で調製される
(メタ)アクリレートに対する新規アルコキシアミン開
始剤、およびポリマー調製のためのその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】活発な遊離基重合は、制御された遊離基
重合の比較的新しい方法である。これは、従来の遊離基
重合の利点(容易な合成法、広範なモノマーベース)と
活性な重合の利点(特徴的な構造、分子量と分布、およ
び末端基官能性のポリマー)とを組み合わせたものであ
る。遊離基重合の精密な制御の目的は、各成長工程後、
可逆性の連鎖停止反応またはブロッキング(「エンド−
キャッピング」)によって達成される。この場合、重合
活性な(「活発な」)鎖末端の平衡濃度は、ブロックさ
れた(「不動状態にある」)鎖末端の平衡濃度に比べて
非常に低いので、停止および転移反応が成長反応に比べ
て厳しく抑制されている。エンド−キャッピングは可逆
的に進行するため、全ての鎖末端は、停止試薬が存在し
ないのであれば、「活発」なままである。このことは、
分子量、低い多分散性、および停止試薬による鎖末端の
制御された官能化の制御を可能とする。
【0003】テトラアルキルチウラムジスルフィドを用
いた制御された遊離基重合は、オーツらによって記載さ
れている(マクロモレキュラー・ケミストリー、ラピッ
ド・コミュニケーションズ、1982年、第3号、第127頁〜
132頁)。
【0004】米国特許第4,581,429号には、直鎖または
環式窒素酸化物(例えば、2,2,6,6-テトラ-メチルピペ
リジン-1-オキシル(TEMPO))と有機炭素系遊離
基との反応によって形成されるアルコキシアミン、およ
びこの化合物を開始剤として用いたビニルポリマーの調
製法が開示されている。100℃を超える温度では、C-O
N結合が可逆的に開裂して、Cラジカル(「活性種」)
と安定な窒素酸化物ラジカルを再形成し得る。平衡は、
アルコキシアミン(「不動状態の種」)の側に大きく偏
っている。この反応の結果は、低く不変の濃度の遊離基
であり、ビニルモノマーの遊離基重合では、単分子成長
反応に比べて2分子停止反応が運動学上不都合であるこ
とを意味する。すなわち、副反応は大抵抑制されて、遊
離基重合にとって「活発な」反応手順が可能となる。し
かし、官能基を更に有するアルコキシアミン開始剤の使
用は、記載されていない。
【0005】アルコキシアミンに基づく活発な遊離基重
合(「安定な遊離基重合(Stable Free Radical Polymer
ization)」、SFRP)によるビニルポリマーの調製
は、ホーカーら(ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサ
イエティ、1994年、第116巻、第11185頁;マクロモレキ
ュールズ1995年、第28巻、第1993頁)およびジョージら
(ゼロックス・カンパニー、米国特許第5,322,912号、
同第5,401,804号、同第5,412,047号、同第5,449,724
号、国際特許出願国際公開第94/11412号、同第95/26987
号および同第95/31484号)によって記載されている。炭
素ラジカルは、遊離基によって重合され得るモノマーへ
の遊離基開始剤(過酸化物またはアゾ開始剤)の添加に
よって調製され、その後、この遊離基は、TEMPOに
よって元の位置で捕捉されて、アルコキシアミンをもた
らす。このアルコキシアミンは、100℃を超える温度で
は可逆的に遊離基へ分解して、計量供給されるモノマー
の重合を開始し得ることから、事実上の開始剤である。
官能化アルコキシアミン開始剤の使用は、アルコキシア
ミン開始剤の官能基がポリマー中の末端位に残っていれ
ば、制御された末端基官能性のポリマーの合成を容易な
方法で可能にする。
【0006】種々の作用基はそれ自身、アルコキシアミ
ン開始剤、具体的には、ビニルモノマーのSFRP用の
官能性アルコキシアミン開始剤の合成に関与する。以下
の部分官能化アルコキシアミン開始剤I〜IVは、遊離
種と安定な窒素酸化物種との反応、求核置換反応または
酸化付加によるこの合成によって調製されている。
【化4】 R=Br、COOEt、OMe、CH2OH、Li、C
HO R1、R2、R3=種々のラジカル、エステル、アルキ
ル、アシル X=(環式または開環官能化された)アリールまたはア
ルキル Y=種々のラジカル、アルキル、置換アルキル、アリー
ル Z=HO-と反応してエステルまたはエーテルを与える
試薬
【0007】ホーカーら(マクロモレキュールズ1996
年、第29巻、第5245頁〜5254頁)は、反応容器に最初に
導入したジベンゾイルパーオキサイド遊離基開始剤を、
スチレンモノマーへの付加の後で安定な窒素酸化物ラジ
カルにより捕捉する、前記種Iのための合成経路を開発
した。その後、エステル官能基の加水分解によって、窒
素酸化物ラジカルの置換に依存して、単官能または2官
能のアルコキシアミン開始剤が得られる。この方法は、
低い選択性を示し、官能化生成物のほんの<<40%の収
率が得られる。
【0008】ホーカーら(マクロモレキュールズ1996
年、第29巻、第5245頁〜5254頁)、ミウラ ヨーゾーら
(マクロモレキュールズ1998年、第31巻、第4659頁〜46
61頁)およびブラスローら(マクロモレキュールズ1997
年、第30巻、第6445頁〜6450頁)の方法による前記II型
のアルコキシアミン開始剤の合成は、その解離後、遊離
基開始剤によって起こり、好適な基質から活性な水素原
子を引き抜くことができる。典型的な開始剤は、ジ-ter
t-ブチルパーオキサイド、ジ-tert-ブチル次亜硝酸塩お
よびジ-tert-ブチルジペル蓚酸塩である。これらの反応
の収率は、40〜90%の範囲である。置換芳香族化合物
(Br、COOEt、OMe)を用いることにより、ヒ
ドロキシ官能性アルコキシアミン開始剤の合成は、更な
る反応工程で可能となる(ミウラ ヨーゾーら著、マク
ロモレキュールズ1998年、第31巻、第4659頁〜4661
頁)。有機金属中間体段階を介した高価な多段階反応法
は、この方法を、かろうじて現実化できる産業上および
経済上のつまらないものにする。
【0009】III型の化合物は、アゾ遊離基介し剤の解
離時に形成される炭素ラジカルを細促することにより、
ホーカーら(マクロモレキュールズ1996年、第29巻、第
5245頁〜5254頁)によって得られた。すなわち、高価な
官能化アゾ遊離基開始剤を用いることにより、官能化ア
ルコキシアミン開始剤の合成が可能となる。この反応の
収率は、<30%である。
【0010】I型およびIV型のアルコキシアミン開始
剤は、マチヤスゼウスキーら(マクロモレキュールズ19
98年、第31巻、第5955頁〜5957頁)により、ベンジルま
たはそれ以外の活性な臭素化合物と、ATRP(原子転
移ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerisatio
n))と同様の、Cu0/Cu2+および置換ビピリジンか
ら成る系との反応によって安定な窒素酸化物ラジカルの
存在下で調製された。炭素ラジカルは、臭素原子の引き
抜きによるATRA(原子転移ラジカル付加(Atom Trans
fer Radical Addition))反応によって発生して、窒素
酸化物ラジカルによって即座に捕捉される。この反応の
収率は、76〜92%の間であるが、官能化アルコキシアミ
ン開始剤は調製されなかった。
【0011】ブラスローら(マクロモレキュールズ1997
年、第30巻、第6445頁〜6450頁)は、収率30〜78%の、
種々の不動状態の多段階求核性および酸化性または光酸
化性付加経路によるII型およびIV型のアルコキシアミ
ン開始剤の合成について報告している。官能化アルコキ
シアミン開始剤は、調製されなかった。
【0012】ベルグブレイターら(マクロモレキュール
ズ1998年、第31巻、第6380頁〜6382頁)による、アルコ
キシアミン開始剤のもう一つの経路は、アリルアミンか
ら出発して収率10〜74%でN-アリロキシアミンを導
く。官能性アルコキシアミン開始剤は、調製されなかっ
た。
【0013】前記のどの方法にも、工業的に容易な方法
でかつ高い収率で製造されるコーティング化学におけ
る、既知の官能基と更に反応または架橋し得る官能基1
個または2個を有する官能化アルコキシアミンは記載さ
れていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、先行技術の上記不利益を有しないIn-OHおよび
/またはY-In-OH型の官能性開始剤の調製方法を提
供することであった。ここで、「In」は、SFRPを
開始し得る置換された炭化水素基を表し、およびYは、
コーティング化学における既知の官能基と更に反応また
は架橋し得る官能基を表す。
【0015】
【発明の要旨】本発明は、式(I):
【化5】 (式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、
H、C1-C20-(シクロ)アルキル、C6-C24-アリー
ル、ハロゲン、CN、C1-C20-(シクロ)アルキルエ
ステルもしくはC1-C20-(シクロ)アルキルアミド、
またはC6-C24-アリールエステルもしくはC6-C24-ア
リールアミドを表し、およびR4およびR5は、同一また
は異なって、炭素数1〜24の脂肪族基、脂環式基または
脂肪族/芳香族混成基を表し、これらの基は4員環〜8
員環の部分でもあり得、アルコキシアミンの窒素原子と
直接隣接する前記基R4およびR5の炭素原子は、(水素
以外の)別の有機置換基3個で置換されるか、または二
重結合された炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素
原子1個と1個の(水素以外の)別の有機置換基で置換
されており、およびこの基R4およびR5のうち少なくと
も1つは、コーティング化学において既知の官能基と更
に反応または架橋し得る官能基Yを有し得る。)で表さ
れる単官能および2官能のアルコキシアミン開始剤の調
製方法であって、 A)式:HR1C=CR23(式中、R1、R2およびR3
は、同一または異なって、H、C1-C20-(シクロ)ア
ルキル、C6-C24-アリール、ハロゲン、CN、C1-C
20-(シクロ)アルキルエステルもしくはC1-C20-(シ
クロ)アルキルアミド、またはC6-C24-アリールエス
テルもしくはC6-C24-アリールアミドを表す。)で表
される、遊離基で重合され得るモノマー(M)を、 B)B1)還元作用を有する化合物、 B2)化合物B1の作用によって1個以上の遊離基に分
解され得る化合物、および B3)式:R45NO(式中、R4およびR5は、同一ま
たは異なって、脂肪族基、脂環式基または脂肪族/芳香
族混成基、場合により炭素数1〜24の置換基を表し、こ
れらの基は4員環〜8員環の部分でもあり得、アルコキ
シアミンの窒素原子と直接隣接する前記基R4およびR5
の炭素原子は、(水素以外の)別の有機置換基3個で置
換されるか、または二重結合された炭素原子、酸素原
子、硫黄原子または窒素原子1個と1個の(水素以外
の)別の有機置換基で置換されており、およびこの基R
4およびR5のうち少なくとも1つは、コーティング化学
において既知の官能基と更に反応または架橋し得る官能
基Yを有し得る。)で表される環式または非環式窒素酸
化物(N)から成る、遊離基を製造する系と溶媒中で反
応させることを特徴とする、単官能および2官能のアル
コキシアミン開始剤の調製方法に関する。
【0016】本発明の方法は、安価で容易に利用できる
塩基性化学物質から出発して、高収率で官能化アルコキ
シアミン開始剤の容易な1段階調製が可能である。
【0017】本発明は、本発明の方法で調製される、式
(II)で表される新規なアルコキシアミン開始剤にも関
する。
【化6】 (式中、R4およびR5は、式(I)において示した意味を
有し、R6は、HまたはC 1-C20-(シクロ)アルキル基
であり得、およびR7は、直鎖または分岐C1-C24-(シ
クロ)アルキルオキシカルボニル基(すなわち、(シク
ロ)脂肪族エステル基)またはCNで有り得る。)
【0018】本発明は、ポリマーの調製のための、本発
明の方法で調製される式(I)および(II)で表される
アルコキシアミン開始剤の使用、特に、式(II)で表さ
れる新規アルコキシアミン開始剤の使用にも関する。
【0019】
【発明の実施の形態】成分(A)のモノマー(M)は、
遊離基で重合できかつ先行技術から知られたオレフィン
を包含する。オレフィンは、置換されていてもよい。オ
レフィンに使用できる置換基としては、以下のものが挙
げられる。 − H(水素原子)、 − 炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基であっ
て、場合により、更なる置換基を有し得るもの、 − α,β−不飽和直鎖または分岐アルケニルまたはア
ルキニルラジカルであって、場合により、更なる置換基
を有し得るもの、 − シクロアルキルラジカルであって、O、NまたはS
のようなヘテロ原子も環中に有し、また場合により更な
る置換基も有し得るもの、 − 任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールラ
ジカル、および − ハロゲン、CN、CF3、COORおよびCOR。
【0020】モノマー(M)の二重結合は、環式オレフ
ィンまたはオレフィン性不飽和環式無水物もしくはイミ
ドの場合には、環の部分でも有り得る。
【0021】好ましく使用されるモノマーは、C1-C20
-アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アクリロ
ニトリル、C1-C20-アルコールのシアノアクリル酸エ
ステル、C1-C6-アルコールのマレイン酸ジエステル、
無水マレイン酸、ビニルピリジン、ビニル(アルキルピ
ロール)、ビニルオキサゾール、ビニルオキサゾリン、
ビニルチアゾール、ビニルイミダゾール、ビニルピリミ
ジン、ビニルケトン、スチレン、またはC1-C6-アルキ
ルラジカルもしくはハロゲンをα位に有し、かつ更なる
置換基を3個まで芳香環上に有するスチレン誘導体であ
る。
【0022】メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2-エ
チル-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、イソボルニルメタクリレート、無水マレイン酸
またはスチレンが特に好ましく使用される。
【0023】B1 還元作用を有する化合物は、還元剤(例えば、遷移金属
化合物、低い酸化レベルの硫黄化合物、または容易にエ
ノール化され得る化合物)である。硫化水素ナトリウ
ム、容易にエノール化され得るカルボニル化合物(例え
ば、アスコルビン酸およびヒドロキシアセトン)、およ
び金属イオン(例えば、Fe2+、Ti3+およびCu1+
が好ましく使用される。無機塩または有機塩の形態のF
2+、Ti 3+およびCu1+は、特に好ましい。
【0024】B2 化合物B2は、化合物B1の作用により、1個以上の遊
離基に分解され得る化合物である。本発明の状況では、
化合物B2として、過酸化水素が好ましく使用される。
遊離基供給剤としての過酸化水素の使用は、アルコキシ
アミン開始剤の合成に関する上記のどの先行技術にも記
載されていない。過酸化水素は、純粋な物質として、お
よび水溶液(例えば、30%電界過酸化水素水溶液)中
で、熱力学的に準安定な化合物である。過酸化水素の分
解速度は、室温でも、触媒(例えば、微分配された金
属、二酸化マグネシウム、埃粒子、I -、IO3 -および
OH-のような非金属イオン、またはFe2+、Fe3+
よびCu 2+のような金属イオン)によって非常に高くな
る。ヒドロキシラジカルは、過酸化水素の熱分解または
好適な電子ドナーによる過酸化水素の一電子レドックス
反応によって、過酸化水素からの制御された方法で生じ
得る。典型的な化合物は、例えば、硫化水素ナトリウ
ム、容易にエノール化され得るカルボニル化合物(例え
ば、アスコルビン酸およびヒドロキシアセトン)、およ
びFe2+、Ti3+およびCu1+のような金属イオンであ
る。有機化合物の酸化に使用できるHO・ラジカルを与
える、過酸化水素とFe2+との反応は、フェントン試薬
という名前で知られるようになってきている。
【化7】 Fe2+ +HO-OH → Fe3+ +HO・+HO- レドックス反応において形成されるHO-は、過酸化物
解離を開始することもある。
【0025】飽和有機化合物HRの存在下、ヒドロキシ
ラジカルは、水素原子(H)の引き抜きにより反応し得
る。さらに、HO・ラジカルは、不飽和有機化合物の多
重結合に付加することもある。
【0026】式(I)のアルコキシアミン開始剤の調製
のための本発明によれば、OHラジカルは、遊離基によ
って重合し得るモノマー(M)のC=C二重結合に付加
して、水酸基をアルコキシアミン開始剤中に誘導する。
【0027】原則として、遊離基を形成するR’-O-O
-R”型の他の化合物は、ラジカルR’およびR”が、
コーティング化学における既知の官能基と更に反応また
は架橋し得る官能基Y(例えば、OH、NH2、NHR
またはエポキシド)を含有する場合、化合物B2として
も使用できる。しかし、そのような型の化合物の化合物
B2としての使用は好ましくない。
【0028】B3 化合物B3は、遊離基を除去する試薬として作用し、お
よび重合を意味する更なる反応の前に、化合物Aと(B
1+B2)から形成されるモノマーラジカルを捕捉する
化合物を含む。本発明では、式(N)で表される環式ま
たは非環式窒素酸化物が、化合物B3として使用され
る。式(N)中、R4およびR5は、同一または異なっ
て、炭素数1〜24の脂肪族、脂環式または脂肪族/方向
族混成基を表す。ラジカルR4およびR5の炭素原子は、
(水素ではない)更なる有機置換基3個または二重結合
炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子および
(水素原子ではない)更なる有機置換基で置換される場
合には、アルコキシアミンの窒素原子と直接隣接し、こ
こで、ラジカルR4およびR5の少なくとも1個は、コー
ティング化学における既知の官能基と更に反応または架
橋し得る官能基Yを含有し得る。R4およびR5は、4員
環〜8員環の部分でも有り得る。
【0029】以下の式(III)〜(VI)のうちの一つ
の窒素酸化物が、本発明では化合物B3として使用され
る。
【化8】 (式中、R8、R9、R10およびR11は、同一または異な
って、C1-C20-(シクロ)アルキルラジカルまたはC6
-C24-アリールラジカルまたはC7-C24-脂肪族/芳香
族炭化水素ラジカルを表し、それらは、シアノ基、エー
テル基、アミド基またはOH基を含有することもあり、
また環構造の部分でも有り得、ここで、Xは、CH2
たはC=Oでもあり得、Zは、ONまたは-R12を表
し、およびR12、R15およびR16は、同一または異なっ
て、水素原子(H)またはC1-C20-(シクロ)アルキ
ルラジカルまたはC6-C24-アリールラジカルまたはC7
-C24-脂肪族/芳香族炭化水素ラジカルを表し、それら
は環構造の部分でも有り得、およびR13およびR14は、
同一または異なって、C1-C20-(シクロ)アルキルラ
ジカルまたはC6-C24-アリールラジカルまたはC7-C
24-脂肪族/芳香族炭化水素ラジカルを表し、また環構
造の部分でも有り得、R13および/またはR14は、置換
または非置換フェニル、シアノ、エーテル、ヒドロキ
シ、ニトロ、ジアルキルオキシホスホニルまたはカルボ
ニルを有する基から選択される官能基を含有していてよ
く、および基CR8913および/またはCR1011
14は、芳香環系の部分であるが、またはフェニル基を形
成することもある。
【0030】化合物B3として好ましく用いられる化合
物は、式(VII)で表されるものである。
【化9】 (式中、R17は、水素、またはコーティング化学におけ
る既知の官能基と更に反応または架橋し得る官能基Yの
いずれかであり、このYは、例えば、水酸基、アミノ基
またはエポキシド基であり得る。) R8=R9=R10=R11=CH3およびR17=H、OHま
たはNH2である式VIIの窒素酸化物が、化合物B3と
して特に好ましく使用される。
【0031】本発明の方法を行なう一つの取り得る方法
において、溶媒または溶媒混合液中の成分A、B1およ
びB3の溶液を最初に反応容器に入れて、遊離基を形成
する成分B2を攪拌しながらゆっくりと計量供給する。
B2は、好ましくは、B3に対して0.1倍モル〜20倍モ
ル過剰の水溶液としてここで計量供給される。B1は、
等量で用いられるが、好ましくはB3に対して20モル%
まで過剰である。モノマーAは、B3に対して0.2倍モ
ル〜20倍モル過剰で用いられる。使用される成分の過剰
分は、反応が終了したときに、蒸留または抽出によって
再度取り除かれる。反応は、0℃〜150℃、好ましくは4
0℃〜100℃の温度で行なう。それは、空気中または不活
性ガス雰囲気中で行なうこともできる。不活性ガス雰囲
気(例えば、窒素またはアルゴン)が好ましくは使用さ
れる。反応溶液のpHは、場合により、NaHCO3
ような物質で5〜7の範囲に調整され得る。特定の官能
基(例えば、Y=NH2)を用いる場合には、上記反応
中に、官能基に保護基を提供するのが有利であることが
あるが(例えば、アセトアミドとしてのアミノ基の保
護;塩基での加水分解によるアミノ官能性のより遅い遊
離)、Y=OHの場合には、保護基を使用する必要はな
い。
【0032】溶媒としては、水、アルコール、好ましく
はメタノール、エタノールまたはイソプロパノール;エ
ーテル、好ましくはジエチルエーテル、オリゴエチレン
グリコールまたはTHF;カルボニル化合物、好ましく
はアセトアルデヒド、アセトンまたはメチルエチルケト
ン;または前記溶媒の所望の混合物が挙げられる。
【0033】本発明によれば、調製される官能化アルコ
キシアミン開始剤は、式(I):
【化10】 で表される。特に、式(II):
【化11】 の新規アルコキシアミン開始剤は、ラッカー技術におい
てポリアクリレート(コ)ポリマーに通常用いられるよ
うなアクリレートとメタクリレートモノマーを基礎とし
て、本発明の方法により容易な方法でかつ高収率で調製
できる。式(II)のこの新規アルコキシアミン開始剤
は、水酸基を少なくとも1個含有し、好ましくは、基R
4およびR5の少なくとも1つ中には、コーティング化学
における既知の官能基と更に反応または架橋し得る別の
官能基Yも含まれる。
【0034】特に好ましい新規アルコキシアミン開始剤
は、式(IIb)で表されるものである。
【化12】 (式中、R8、R9、R10およびR11は、式(VII)の場
合に示す意味を有し、R 17は、水素またはコーティング
化学における既知の官能基と更に反応または架橋し得る
別の官能基Yを表し、R18は、炭素数1〜20の(シク
ロ)脂肪族アルキル基であり、およびR19は、Hまたは
CH3である。) 特に、式(IIb)中、R8=R9=R10=R11=CH3
よびYは、窒素酸化物成分B3を介してアルコキシアミ
ン開始剤中に導入される官能基OH、NH2またはNH
Rのうち一つである。
【0035】本発明により調製される式(I)のアルコ
キシアミン開始剤は、例えば、ビニル(コ)ポリマーま
たはオリゴマー、特に末端基として官能基を含むものの
調製のための遊離基重合開始剤として使用できる。
【0036】
【実施例】官能化アルコキシアミン開始剤の本発明によ
る調製:%で表されるデータはいずれも、重量%を表
す。実施例1
【化13】 (HOST):1-フェニル-1-(2',2',6',6'-テトラメチ
ル-1'-ピペリジニロキシ)-2-ヒドロキシエタン Fe(II)SO4・7H2O 0.12モル(33.36g)および
NaHCO3 18.5g(0.24モル)を、1リットルの2
つ口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール300
mL中のスチレン1モル(104.14g)とTEMPO(2,
2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、15.6g)
0.1モルの均一な溶液に添加し、その混合物を激しく攪
拌しながら40℃に加熱した。メタノール50mL中の30%
22溶液50mLを、その赤い反応液へ5時間かけてゆ
っくりと滴下した。赤い着色が消えた後(すなわち、T
EMPOの完全な転化の示唆)、形成されたFe(III)
水酸化物および未反応のFe(II)SO4・7H2OとNa
HCO3を、濾過によって反応混合物から除去した。濾
液は、ロータリーエヴァポレーターにおいて室温でメタ
ノールを除去した。生成物(HOST)とスチレンをエ
ーテルで抽出することにより、水相から分離した。エー
テル含有溶液をNa2SO4で乾燥した。乾燥剤を濾別し
て、エーテルとスチレンをロータリーエヴァポレーター
において40℃で取り除いた。単官能化アルコキシアミン
開始剤が収率71%で得られた。
【0037】実施例2
【化14】 (HOSTOH):1-フェニル-1-(4'-ヒドロキシ-2',
2',6',6'-テトラメチル-1'-ピペリジニロキシ)-2-ヒド
ロキシエタン Fe(II)SO4・7H2O 0.12モル(33.36g)および
NaHCO3 18.5g(0.24モル)を、1リットルの2
つ口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール300
mL中のスチレン1モル(104.14g)と4-HO-TEM
PO(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-
1-オキシル、17.33g)0.1モルの均一な溶液に添加し、
その混合物を激しく攪拌しながら40℃に加熱した。メタ
ノール50mL中の30%H22溶液50mLを、その赤い反
応液へ5時間かけてゆっくりと滴下した。赤い着色が消
えた後(すなわち、4-HO-TEMPOの完全な転化の
示唆)、形成されたFe(III)水酸化物および未反応の
Fe(II)SO4・7H2OとNaHCO3を、濾過によっ
て反応混合物から除去した。濾液は、ロータリーエヴァ
ポレーターにおいて室温でメタノールを除去した。生成
物(HOSTOH)とスチレンをエーテルで抽出するこ
とにより、水相から分離した。エーテル含有溶液をNa
2SO4で乾燥した。乾燥剤を濾別して、エーテルとスチ
レンをロータリーエヴァポレーターにおいて40℃で取り
除いた。二官能化アルコキシアミン開始剤が収率95%で
得られた。
【0038】実施例3
【化15】 (HOSTNHCOCH3 ):1-フェニル-1-(4'-アセチ
ルアミド-2',2',6',6'-テトラメチル-1'-ピペリジニロ
キシ)-2-ヒドロキシエタン Fe(II)SO4・7H2O 0.04モル(11.1g)およびN
aHCO3 6.7g(0.08モル)を、0.5リットルの2つ
口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール150m
L中のスチレン0.5モル(52.07g)と4-アセチルアミド
-TEMPO(4-アセチルアミド-2,2,6,6-テトラメチル
ピペリジン-1-オキシル、6.03g)0.03モルの均一な溶
液に添加し、その混合物を激しく攪拌しながら40℃に加
熱した。メタノール20mL中の30%H22溶液20mL
を、その赤い反応液へ5時間かけてゆっくりと滴下し
た。赤い着色が消えた後(すなわち、4-アセチルアミド
-TEMPOの完全な転化の示唆)、形成されたFe(II
I)水酸化物および未反応のFe(II)SO4・7H2OとN
aHCO3を、濾過によって反応混合物から除去した。
濾液は、ロータリーエヴァポレーターにおいて室温でメ
タノールを除去した。生成物(HOSTNHCOC
3)とスチレンをエーテルで抽出することにより、水
相から分離した。エーテル含有溶液をNa2SO4で乾燥
した。乾燥剤を濾別して、エーテルとスチレンをロータ
リーエヴァポレーターにおいて40℃で取り除いた。単官
能化アルコキシアミン開始剤が収率85%で得られた。
【0039】実施例4
【化16】 (HOSTNH2 ):1-フェニル-1-(4'-アミノ-2',2',
6',6'-テトラメチル-1'-ピペリジニロキシ)-2-ヒドロキ
シエタン HOSTNHCOCH3 0.0018モル(0.6g)を、200
mLシュレンクフラスコにおいて、窒素雰囲気下、20m
L水とエチレングリコール20mL中のKOH10gの溶液
へ添加した。溶液を12時間100℃に加熱した後、エーテ
ル各20mLで5回抽出した。エーテル含有相をpH3の
HCl水溶液30mLで2回洗浄した。このとき、生成物
は、酸性水相中にあった。KOH 10gをこれに添加し
て、エーテルで再度抽出した。エーテル含有相をNa2
SO4で乾燥し、濾過して、エーテルをロータリーエヴ
ァポレーターで取り除いて、生成物を高真空下で乾燥し
た。二官能化アルコキシアミン開始剤HOSTNH
2が、白色固体として、収率59%で得られた。
【0040】実施例5
【化17】 (HOMAT):メチル3-ヒドロキシ-2-(2',2',6',6'-
テトラメチル-1'-ピペリジニロキシ)-プロピオネート Fe(II)SO4・7H2O 0.12モル(33.36g)および
NaHCO3 18.5g(0.24モル)を、1リットルの2
つ口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール300
mL中のメチルアクリレート1モル(86.09g)とTE
MPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシ
ル、15.6g)0.1モルの均一な溶液に添加し、その混合
物を激しく攪拌しながら40℃に加熱した。メタノール50
mL中の30%H22溶液50mLを、その赤い反応液へ5
時間かけてゆっくりと滴下した。赤い着色が消えた後
(すなわち、TEMPOの完全な転化の示唆)、形成さ
れたFe(III)水酸化物および未反応のFe(II)SO4
7H2OとNaHCO3を、濾過によって反応混合物から
除去した。濾液は、ロータリーエヴァポレーターにおい
て室温でメタノールを除去した。生成物(HOMAT)
とメチルアクリレートをエーテルで抽出することによ
り、水相から分離した。エーテル含有溶液をNa2SO4
で乾燥した。乾燥剤を濾別して、エーテルとメチルアク
リレートをロータリーエヴァポレーターにおいて40℃で
取り除いた。二官能化アルコキシアミン開始剤が収率76
%で得られた。
【0041】実施例6
【化18】 (HOMATOH):メチル3-ヒドロキシ-2-(4'-ヒド
ロキシ-2',2',6',6'-テトラメチル-1'-ピペリジニロキ
シ)-プロピオネート Fe(II)SO4・7H2O 0.12モル(33.36g)および
NaHCO3 18.5g(0.24モル)を、1リットルの2
つ口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール300
mL中のメチルアクリレート1モル(86.09g)と4-H
O-TEMPO(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピ
ペリジン-1-オキシル、17.33g)0.1モルの均一な溶液
に添加し、その混合物を激しく攪拌しながら40℃に加熱
した。メタノール50mL中の30%H22溶液50mLを、
その赤い反応液へ5時間かけてゆっくりと滴下した。赤
い着色が消えた後(すなわち、4-HO-TEMPOの完
全な転化の示唆)、形成されたFe(III)水酸化物およ
び未反応のFe(II)SO4・7H2OとNaHCO3を、
濾過によって反応混合物から除去した。濾液は、ロータ
リーエヴァポレーターにおいて室温でメタノールを除去
した。生成物(HOMATOH)とメチルアクリレート
をエーテルで抽出することにより、水相から分離した。
エーテル含有溶液をNa2SO4で乾燥した。乾燥剤を濾
別して、エーテルとメチルアクリレートをロータリーエ
ヴァポレーターにおいて40℃で取り除いた。二官能化ア
ルコキシアミン開始剤が収率60%で得られた。
【0042】実施例7
【化19】 (HOMMAT):メチル3-ヒドロキシ-2-メチル-2-
(2',2',6',6'-テトラメチル-1'-ピペリジニロキシ)-プ
ロピオネート Fe(II)SO4・7H2O 0.06モル(16.68g)および
NaHCO3 9.25g(0.12モル)を、マグネットコア
を含む0.5リットルの2つ口フラスコにおいて、窒素雰
囲気下、メタノール150mL中のメチルメタクリレート
0.5モル(50g)とTEMPO(2,2,6,6-テトラメチル
ピペリジン-1-オキシル、7.8g)0.05モルの均一な溶液
に添加し、その混合物を激しく攪拌しながら40℃に加熱
した。メタノール25mL中の30%H22溶液25mLを、
その赤い反応液へ5時間かけてゆっくりと滴下した。赤
い着色が消えた後(すなわち、TEMPOの完全な転化
の示唆)、形成されたFe(III)水酸化物および未反応
のFe(II)SO4・7H2OとNaHCO3を、濾過によ
って反応混合物から除去した。濾液は、ロータリーエヴ
ァポレーターにおいて室温でメタノールを除去した。生
成物(HOMMAT)とメチルメタクリレートをエーテ
ルで抽出することにより、水相から分離した。エーテル
含有溶液をNa2SO4で乾燥した。乾燥剤を濾別して、
エーテルとメチルメタクリレートをロータリーエヴァポ
レーターにおいて40℃で取り除いた。単官能化アルコキ
シアミン開始剤が収率66%で得られた。
【0043】実施例8
【化20】 (HOMMATOH):メチル3-ヒドロキシ-2-メチル-
2-(4'-ヒドロキシ-2',2',6',6'-テトラメチル-1'-ピペ
リジニロキシ)-プロピオネート Fe(II)SO4・7H2O 0.06モル(16.68g)および
NaHCO3 9.25g(0.12モル)を、0.5リットルの2
つ口フラスコにおいて、窒素雰囲気下、メタノール150
mL中のメチルアメタクリレート0.5モル(50g)と4-
HO-TEMPO(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル
ピペリジン-1-オキシル、8.66g)0.05モルの均一な溶
液に添加し、その混合物を激しく攪拌しながら40℃に加
熱した。メタノール25mL中の30%H22溶液25mL
を、その赤い反応液へ5時間かけてゆっくりと滴下し
た。赤い着色が消えた後(すなわち、4-HO-TEMP
Oの完全な転化の示唆)、形成されたFe(III)水酸化
物および未反応のFe(II)SO4・7H2OとNaHCO
3を、濾過によって反応混合物から除去した。濾液をロ
ータリーエヴァポレーターにおいて室温でメタノールか
ら遊離した。生成物(HOMMATOH)とメチルメタ
クリレートをエーテルで抽出することにより、水相から
分離した。エーテル含有溶液をNa2SO4で乾燥した。
乾燥剤を濾別して、エーテルとメチルメタクリレートを
ロータリーエヴァポレーターにおいて40℃で取り除い
た。塩化メチレンからの結晶化後、二官能化アルコキシ
アミン開始剤が、無色結晶として得られた(収率:37
%)。
【0044】実施例1〜8の生成物は、場合により、再
沈殿または再結晶により、更に精製することができる。
【0045】本発明は、例示目的のために上記のように
詳細に記載したが、その詳細は単にその目的のためだけ
であって、クレームによって限定され得ること以外は、
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当該分
野における熟練者によって変更が成され得るものと解さ
れるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハルトヴィッヒ・ヘッカー ドイツ連邦共和国52076アーヘン、アム・ ドルバッハ23番 (72)発明者 ヘルムート・コイル ドイツ連邦共和国52074アーヘン、クレメ ンシュトラーセ9番 (72)発明者 ディルク・アッハテン ドイツ連邦共和国50823ケルン、ヴァイン スベルク・シュトラーセ86番

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、 R1、R2およびR3は、同一または異なって、H、C1-
    20-(シクロ)アルキル、C6-C24-アリール、ハロゲ
    ン、CN、C1-C20-(シクロ)アルキルエステルもし
    くはC1-C20-(シクロ)アルキルアミド、またはC6-
    24-アリールエステルもしくはC6-C24-アリールアミ
    ドを表し、およびR4およびR5は、同一または異なっ
    て、炭素数1〜24の脂肪族基、脂環式基または脂肪族/
    芳香族混成基を表し、これらの基は4員環〜8員環の部
    分でもあり得、 アルコキシアミンの窒素原子と直接隣接する前記基R4
    およびR5の炭素原子は、(水素以外の)別の有機置換
    基3個で置換されるか、または二重結合された炭素原
    子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子1個と1個の
    (水素以外の)別の有機置換基で置換されており、およ
    びこれらの基R4およびR5のうち少なくとも1つは、コ
    ーティング化学において既知の官能基と更に反応または
    架橋し得る官能基Yを有し得る。)で表される単官能お
    よび2官能のアルコキシアミン開始剤の調製方法であっ
    て、 A)式:HR1C=CR23で表される、遊離基で重合
    され得るモノマー(M)を、 B)B1)還元作用を有する化合物、 B2)化合物B1の作用によって1個以上の遊離基に分
    解され得る化合物、および B3)式:R45NOで表される環式または非環式窒素
    酸化物(N)から成る、遊離基を生成する系 と溶媒中で反応させることを特徴とする、単官能および
    2官能のアルコキシアミン開始剤の調製方法。
  2. 【請求項2】 式(I)中、R1がHであり、R2がHま
    たはC1-C20-(シクロ)アルキル基であり、およびR3
    が直鎖または分岐C1-C24-(シクロ)アルキルオキソ
    カルボニル基またはCNである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(II)で表されるアルコキシアミン開
    始剤。 【化2】 (式中、R6は、HまたはC1-C20-(シクロ)アルキル
    基を表し、およびR7は、直鎖または分岐C1-C24-(シ
    クロ)アルキルオキシカルボニル基(すなわち、(シク
    ロ)脂肪族エステル基)またはCNを表す。)
  4. 【請求項4】 式(IIb)で表されるアルコキシアミン
    開始剤。 【化3】 (式中、R18は、炭素数1〜20の(シクロ)脂肪族アル
    キル基であり、およびR 19は、HまたはCH3であ
    る。)
  5. 【請求項5】 R8=R9=R10=R11=CH3、R17
    H、OH、NH2またはNHR、およびR18=CH3また
    はC49、およびR19が、HまたはCH3である請求項
    3記載のアルコキシアミン開始剤。
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