JP2001080116A - 光学ユニット及びその製造方法、並びに、電子写真式記録装置 - Google Patents

光学ユニット及びその製造方法、並びに、電子写真式記録装置

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JP2001080116A
JP2001080116A JP26046299A JP26046299A JP2001080116A JP 2001080116 A JP2001080116 A JP 2001080116A JP 26046299 A JP26046299 A JP 26046299A JP 26046299 A JP26046299 A JP 26046299A JP 2001080116 A JP2001080116 A JP 2001080116A
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collimator
lens
unit
scanning direction
optical unit
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Yukihiro Matsushita
行洋 松下
Takao Sugano
隆夫 菅野
Fumio Kaneko
文夫 金子
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    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
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    • GPHYSICS
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
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    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、感光ドラムへの確実な潜像形成を
簡易かつ安価に達成し、従来よりも高品位画像を形成す
ることが可能な光学系ユニット及びその製造方法、並び
に電子写真式記録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 鏡筒とコリメーターレンズとの接着位置
を1ヶ所にし、接着位置を主走査方向にほぼ整列させる
ことにより、接着剤の熱膨張によって生じるコリメータ
ーレンズの変位を、他の構成部材によって調整可能な主
走査方向に限定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、光学系に
係り、特に、光源から出射されるビームをコリメート
し、一定方向に走査する光学ユニットに関する。本発明
は、例えば、電子写真式記録装置のレーザー光学系に好
適であり、単体のプリンタの他、印刷機能を有する複写
機やファクシミリなどに広く適用することができる。
【0002】ここで、「電子写真式記録装置」とは、米
国特許第2,297,691に記載されたカールソンプ
ロセスを利用した記録装置であり、典型的にはレーザー
プリンタで、記録媒体である現像剤を被記録体(印刷用
紙やOHPフィルムなど)に付着することによって記録
するノンインパクトの画像形成装置をいう。また、露光
用光学系としてのレーザー光学系は、典型的には、各種
の光源(半導体レーザー、He−Neガスレーザー、A
rガスレーザー、He−Cdガスレーザーなど)、コリ
メータレンズ、回転ミラー、F−θレンズなどを有して
感光体上に所望の潜像を書き込むためのユニットをい
う。
【0003】
【従来の技術】電子写真方式の記録装置の一つであるレ
ーザープリンタは、操作性と経済性に優れ、高品位画像
を形成でき、印刷時の振動や騒音も少ない等の特長を有
することから、近年のオフィスオートメーション化に伴
い、今後ますます需要が増加するものと期待されてい
る。レーザープリンタは、一般に、感光体ドラムとかか
る感光体ドラム上に露光によって潜像を形成する光学ユ
ニットとを含んでいる。感光体ドラムは前帯電部によっ
て一様に負極に帯電され、光学ユニットから照射された
レーザービームによって露光されることにより現像剤
(トナー)が付着される部分が除電されて潜像が形成さ
れる。潜像は、その後、現像装置を介してトナー像とし
て可視化され、転写ユニットによりトナー像は印刷用紙
に転写される。印刷用紙に転写されたトナー像は定着装
置によって定着され、その後、印刷用紙は排出される。
【0004】光学ユニットは、典型的に、レーザービー
ムを照射するレーザー光源と、レーザービームをコリメ
ート(平行化)するコリメータ部と、レーザービームの
進行方向を変化させてこれを走査するポリゴンミラー
(回転ミラー)と、レーザービームのわん曲を補正する
F−θレンズと、印刷タイミングをとる印刷スタート検
出部と、その他の必要なミラー群とを有している。レー
ザー光源としては、低コストで、保守性に優れた半導体
レーザーの使用が主流となっている。
【0005】半導体レーザーを用いた光学ユニットにお
いては、レーザービームは点光源から広がり角を持って
放射され、光源を円錐の頂点とするように放射距離が延
びるほど広がる。コリメータ部は光源近くに配置されて
レーザービームをコリメートして、感光体ドラムへの露
光に適する平行なビームとする。また、一度に感光でき
る面積を大きくし、感光ドラムへの書き込みを高速化す
るため半導体レーザーは通常2個以上の複数個設置さ
れ、それに対応してコリメータ部も半導体レーザーと同
数だけ設置される。
【0006】コリメータ部は、円柱状鏡筒とコリメータ
レンズとを有している。鏡筒はコリメータレンズを嵌め
込んでこれを支持し、外光を遮断する。コリメータレン
ズは出射ビームをコリメートするレンズで、その周囲の
全面又は数カ所を、製造コストを考慮して典型的に樹脂
系接着剤によって鏡筒に接着されている。なお、接着剤
の注入は注射器を使用して手作業で行われる。このコリ
メートされたビームは、高速回転しているポリゴンミラ
ーによって反射され、F−θレンズを通過してから、感
光体ドラムの所望の露光位置を走査する。F−θレンズ
を通過したレーザー光は、印刷スタート検出部によって
印刷タイミングを取られながら、感光体ドラム表面を露
光し、潜像を形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年の高品位画像形成
の要請から、レーザービームの進行方向を決定するコリ
メータレンズを高精度に鏡筒に設置して感光体ドラムに
正確な潜像を形成することが必要となった。しかし、従
来の光学ユニットは、コリメータレンズの接着剤が熱変
形して鏡筒内でコリメータレンズを変位させ、画質を劣
化させるという問題があった。
【0008】即ち、光学ユニットは、レーザープリンタ
の使用に伴う定着装置、プリンタ内のモータやプリント
板等の発熱、及び、ユニット内のポリゴンミラー用モー
タや制御用プリント板等の発熱により、その温度が約6
0℃に上昇する。これにより、コリメータレンズの周囲
の全面又は数カ所に塗布された接着剤は熱膨張する。し
かし、レンズ周囲の接着剤の量、形状、位置が異なるた
めかかる接着剤層の熱的な変形が様々であるため、コリ
メータレンズは予測不可能な方向に、例えば、約10μ
m乃至30μmだけ変位し、レーザービームの照射位置
が変動していた。
【0009】コリメータレンズの変位方向は主走査方向
と副走査方向によって表現することができるが、主走査
方向の許容変位量に比較して副走査方向の許容変位量は
大変小さい。主走査方向はポリゴンミラーの周方向に、
副走査方向はその高さ方向に夫々相当する。レーザービ
ームは主走査方向に変位しても、回転するポリゴンミラ
ーによって一般にその後のミラー群やレンズ群が検出可
能である。このため、かかる検出結果に基づいて特開平
9−76559に開示されているようにレーザービーム
の発光タイミングを変更したり、特開平10−2603
68に開示されているようにガラスの屈折率を利用して
ビームをシフトさせることによって補正可能である。し
かし、副走査方向にずれたビームはポリゴンミラーによ
りその後のミラー群やレンズ群に入射できない高さに変
位するためにその後のミラー群やレンズ群がビームを検
出できず、その結果、潜像の形成が不能又は不完全とな
ったり、印刷タイミングが取れずに印刷不能となったり
するという問題があった。
【0010】また、2個の半導体レーザーが設けられて
いる光学ユニットにおいては、コリメータレンズの設定
位置の変化により、ビーム幅が変動して潜像の輪郭幅が
太くなるなど高品位画像が得られないという問題があっ
た。
【0011】高温によるコリメータレンズの副走査方向
の変位を防止するために、レンズ周辺を冷却する冷却装
置やコリメータレンズの副走査方向の変位を検出して補
正する補正手段を設けることも考えられるが、装置の複
雑化と製造コストの増加をもたらすため好ましくない。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、この
ような従来の課題を解決する新規かつ有用な光学ユニッ
ト及びその製造方法、並びに、電子写真式記録装置を提
供することを本発明の概括的目的とする。
【0013】より特定的には、本発明は、感光ドラムへ
の潜像形成を簡易かつ安価に、従来よりも高精度に達成
し、従来よりも高品位画像を形成することが可能な光学
ユニット及びその製造方法、並びに、電子写真式記録装
置を提供することを例示的目的とする。
【0014】上記目的を達成するために、本発明の例示
的一態様としての光学ユニットは、光源と、前記光源か
ら照射されるビームをコリメートするコリメータ部と、
前記コリメータ部から出射されたビームを走査する走査
部とを有し、前記コリメータ部は、前記保持部材と、当
該保持部材に一箇所で接着剤により部分的に接着された
コリメータレンズとを有して、前記コリメータレンズと
前記保持部材との接着位置が前記走査部の主走査方向に
関して補正可能な角度範囲内である。かかる光学ユニッ
トによれば、接着位置が主走査方向に対して補正可能な
角度範囲内に設定されている。
【0015】また、本発明の例示的一態様としての光学
ユニットの製造方法は、光源と、前記光源から照射され
るビームをコリメートすると共にブロックと、鏡筒と、
コリメータレンズとを有するコリメータ部と、前記コリ
メータ部から出射されたビームを走査する走査部とを有
する光学ユニットの製造方法であって、前記コリメータ
レンズを一箇所で接着剤によって前記鏡筒に部分的に接
着する工程と、前記鏡筒を、前記コリメータレンズと前
記鏡筒との接着位置が前記走査部の主走査方向に対して
±30°以内になるように、前記ブロックに固定する工
程とを有する。かかる製造方法はコリメータレンズの接
着時には接着位置と主走査方向との位置合わせを考慮せ
ず、鏡筒をブロックに設置する際に接着位置と主走査方
向との整列が考慮されている。また、製造結果としての
光学ユニットは接着位置が種走査方向に対して±30°
以内であるため、接着剤の熱膨張によるコリメータレン
ズの副走査方向の変位量は従来よりも限定される。な
お、かかる製造方法においては、鏡筒を回転自在にブロ
ックに固定し、その後に接着位置と主走査方向との整列
調整を行う場合もカバーするものである。
【0016】更に、本発明の例示的一態様としての電子
写真式記録装置は、感光体ドラムと、前記感光体ドラム
を帯電させる前帯電器と、前記感光体ドラムを露光して
潜像を形成する上述の光学ユニットと、前記潜像を現像
剤によりトナー像として可視化する現像装置と、前記ト
ナー像を被記録体に転写する転写装置と、前記被記録体
上のトナー像を定着させる定着装置とを有する。かかる
記録装置も上述の光学ユニットと同様の作用を奏するこ
とができる。
【0017】本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、
添付図面を参照して説明される実施例において明らかに
なるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、図1乃至図6を参照して、
本発明の例示的一態様としての光学ユニット100を説
明する。なお、同一参照符号は同一部材を示し、重複説
明は省略する。ここで、図1は光学ユニット100の概
観斜視図である。図2は、図1に示す光学ユニット10
0のブロック25の拡大平面図である。図3は、図2に
示すブロック25のA−A線に沿った断面図である。図
4は、図3に示すコリメータ部20のコリメータレンズ
22と鏡筒24との接着を説明するための概略断面図で
ある。図5は、図4に示すコリメータ部20をB−B線
に沿った断面図である。図6は、図5に示すコリメータ
レンズ22の許容変位範囲を算出するための拡大断面で
ある。
【0019】図1を参照するに、光学ユニット100
は、レーザー光源10と、ヒートシンク14と、コリメ
ータ部20と、ポリゴンミラー30と、f−θレンズ4
0と、シリンドリカルレンズ42と、反射ミラー44
と、折り返しミラー50と、印刷スタート検出部(以
下、BDセンサとする)60とを有する。本実施例で
は、露光用レーザー光源10とコリメータ部20はそれ
ぞれ2個ずつ設けられている。一般に設置される光源が
多ければ多いほど画像密度と画像形成速度が増加させて
高解像度画像形成と高速画像形成を達成することができ
る。
【0020】レーザー光源10として本実施例では半導
体レーザー12を用いているが、その他、ガスレーザー
やArレーザーなど様々な光源を使用することができ
る。光源の種類が異なると発光波長と高強度も異なり、
400nm乃至900nmの範囲の波長を有している。
半導体レーザー12は、コスト面及びメンテナンス面に
おいて優れていることから、現在ではレーザープリンタ
では主流の光源となっており、光スイッチングが可能で
あるという特徴を有している。半導体レーザー12は後
述するブロック25内に固定されている。ヒートシンク
14は自己発熱する半導体レーザー12に接するように
設置され、レーザー12が発する熱を除去する。半導体
レーザー12とヒートシンク14は当業界で周知のいか
なる構造のものをも使用することができるため、ここで
は詳しい説明は省略する。半導体レーザー12とヒート
シンク14はセットで市販されている場合もある。レー
ザー光源10は一般に制御基板によって具体化される図
示しないコントローラによって制御される。かかるコン
トローラは半導体レーザ12を駆動するためのパルス信
号としての印字信号を生成するが、光学ユニット100
においては発熱源の一つである。
【0021】コリメータ部20は、分散又は集中してい
るレーザービームをコリメートする部材であり、図2乃
至図5に示すように、コリメータレンズ22と、円筒状
鏡筒24と、ブロック25と、シリンドリカルレンズ2
6と、板バネ28とを有している。
【0022】コリメータレンズ22は、例えば、外径
6.37mmを有し、レーザービームをコリメートす
る。コリメータレンズ22は、図4及び図5に示すよう
に、接着剤21により一箇所で部分的に鏡筒24の内面
に接着・固定されている。「部分的に」とは、たとえ一
箇所でもコリメータレンズ22の周囲全面に接着剤21
が塗布されて鏡筒24に接着される場合を除く趣旨であ
る。コリメーションを効率よく行うためには半導体レー
ザー12とコリメータレンズ22との相対位置が調節さ
れていなければならない。よって、かかる半導体レーザ
ー12の発光点とコリメータレンズ22との相対位置を
3軸方向(x,y,z)に調節する必要がある。ここ
で、3軸は、図4及び図5に示すように、それぞれx軸
がポリゴンミラー30の主走査方向、y軸がポリゴンミ
ラー30の副走査方向、z軸がレーザー光源10からの
レーザービームの光軸方向であるものとする。
【0023】鏡筒24は、コリメータレンズ22を、接
着剤21を介して保持し、レンズ22に外部光が入射す
ることを防止している。図4及び図5を参照するに、コ
リメータレンズ22は、鏡筒24の内面に接着剤21を
介して一箇所接着されており、鏡筒24とコリメータレ
ンズ22との隙間(クリアランス)は10μm乃至30
μmであり、本実施例では22.5μmに設定されてい
る。かかるコリメータレンズ22と鏡筒24の接着に
は、一般に、シリコン系やエポキシ系等の樹脂系接着剤
21が用いることができるが、本実施例では紫外線効果
型接着剤であるハードロック社のOP−4515を使用
した。同接着剤は熱膨張係数1.68×10−5を有す
る。プリンタの稼動前後で光学ユニット100の温度は
20℃から60℃に変化するとすると、接着剤21の熱
膨張量Qは、以下の式によって算出することができる。
【数1】
【0024】ここで、Kは熱膨張係数、Cはクリアラン
ス、ΔTは温度上昇量である。同式を本実施例に適用す
れば、1.68×10−5×22.5×(60−20)
により0.15μmだけ接着剤21は熱膨張する。コリ
メータレンズ22と後述する感光体ドラム202との距
離は、レーザー光源10とコリメータレンズ22との距
離の約100倍であるために、接着剤21の0.15μ
mの熱膨張は感光体ドラム202面では15μmの変動
を伴う。
【0025】接着位置は、主走査方向x軸に一致してい
るか主走査方向に対して±30°、ビーム間ピッチ変動
許容範囲を3μm以下に設定した場合には好ましくは±
11.5°以内に配置される。よってユニット内の昇温
によって、接着剤21が熱膨張しても主として主走査方
向xにのみレンズ22は移動して、副走査方向には限定
された量しか変位しないことになる。11.5°は図6
に示す幾何学的手法によって算出することができる。即
ち、レーザービームの変動量は3μm以内とするため、
図中のlを3μmとする。レーザービームは最大で15
μm変動する。即ちコリメータレンズ22の中心aと円
周上の点bとの距離abは15μmである。よって次式
の三角関数より、コリメータレンズ22の変位許容角度
を以下の式により求めた。
【数2】
【0026】ここで、αはレーザー変動許容最大値(3
μm)、Bはレーザー変動最大値(15μm)、θは許
容角度である。その結果、θ=11.5°となる。しか
し、αのレーザー変動許容最大値は3μmで一定のた
め、レーザー変動最大値βによって(接着剤位置の)許
容角度は変化する。そのため、実際には図5のようにコ
リメータレンズ22の中央を通るx軸に対して±30°
以内であれば許容範囲になる場合が多いであろう。な
お、図4においては接着剤21は主走査方向x軸に対し
てレンズの中央より上部にあるが、これは中央より下部
であってもよい。
【0027】ブロック25は、光学ユニット100が配
置されるフレーム70に固定されている。ブロック25
は、例えば、アルミニウムから構成されている。
【0028】シリンドリカルレンズ26は、スライド可
能な部材によって保持されており、図3におけるz方向
にスライドが可能である。また、シリンドリカルレンズ
26の保持部材はレンズを通過した光の幅を変化させる
ことができる。即ち、主走査方向であるx軸をも調節が
可能である。ここで、上記コリメータレンズ22を通過
して平行光に変換されたレーザービームは、光軸方向z
と主走査方向xに関して所望のレーザービームとなるよ
うに調節される。上述のように、光学ユニット100の
内部温度が上昇したとき、鏡筒24とコリメータレンズ
22を接続する接着剤21が主として主走査方向xにの
み熱膨張し、シリンドリカルレンズ26が調節できない
副走査方向y軸に対しては限定された熱膨張量しかもた
らさない。
【0029】以下、図7を参照して、本発明の例示的一
態様としての光学ユニット100の(コリメータ部2
0)の製造方法について説明する。まず、コリメータレ
ンズ22を一箇所で接着剤21によって鏡筒24に部分
的に接着する(ステップ1002)。ステップ1002
においては、鏡筒24はブロック25に取り付けられる
前であり、接着剤21の位置である接着位置とコリメー
タレンズ22を結ぶ直線はポリゴンミラー30の主走査
方向に整列させる必要はない。次いで、鏡筒24を、コ
リメータレンズ22と鏡筒24との接着位置がポリゴン
ミラー30の主走査方向に対して±30°以内になるよ
うに、ブロック25に板バネ28により固定する。
【0030】本実施例では接着剤の注入は注射器を使用
して、鏡筒24のブロック25への固定は板バネ28を
使用して手作業にて行われたが、自動的に行われてもよ
い。上述した許容範囲を設定する意義はこのような手作
業に伴う人為的誤差を考慮したものである。そして、か
かる許容範囲の副次的効果としてコリメータ部20の自
動化に伴う製造コストの増加などを抑えることもでき
る。
【0031】このように、本製造方法はコリメータレン
ズ22の接着時には接着位置と主走査方向との位置合わ
せを考慮せず、鏡筒24をブロック25に固定する際に
接着位置と主走査方向との整列が考慮されている。但
し、本製造方法においては、鏡筒を回転自在にブロック
に固定し、その後に、接着位置と主走査方向との整列調
整を行う場合も実質的に本製造方法と同一であるのでカ
バーするものである。また、本製造方法は、最初に鏡筒
24をブロック25に固定してからコリメータレンズ2
2を主走査方向に整列させながら固定する方法を排除す
るものではない。
【0032】ポリゴンミラー30は、回転多面鏡からな
る偏向器であり、図1に示されている通り、正六角形の
平板の周面に6面のミラーを備え、図示されていないス
ピンドルモータによって毎分数千回回転する。ポリゴン
ミラー30はレーザー光源10から発せられたビームを
上下方向に振らせるミラーである。スピンドルモータは
光学ユニット100の発熱源の一つである。
【0033】f−θレンズ40は、走査面の両端に発生
する歪曲収差を補正するために設けられる。シリンドリ
カルレンズ42は、レーザー光源10から発せられたビ
ームの面倒れを補正する。反射ミラー44は、ビームを
図1の光学ユニット100の下方にある図示しない感光
体ドラムに反射する。
【0034】折り返しミラー50はポリゴンミラー30
が反射した光の届く領域の最端部に設置され、BDセン
サ(印刷スタート検出部)60へとレーザー光を反射す
る。BDセンサ60は、折り返しミラー50が反射した
レーザー光線を検知し、印刷開始のタイミングを取るた
めに書出し基準位置を検出するセンサであり、例えば、
フォトダイオードから構成されている。かかるBDセン
サ60は、図1には示されていない制御部によって制御
される。光学ユニット100の動作は、後述する電子写
真式記録装置の動作として説明する。
【0035】なお、当業界で周知の主走査方向のずれを
補正する技術が適用されることを本発明は妨げるもので
はない。例えば、本出願により出願された特開平9−7
6559は、BDセンサ60、遅延回路及びレーザー発
光タイミング作成回路などからレーザー光源10の発光
時期を制御することを技術しており、かかる技術を本発
明に適用することができる。代替的に、本出願人により
出願された特開平10−260368は、レーザー光源
10とポリゴンミラー30との間にビームシフト装置を
配置して、ビームL1及びL2をシフトし、これにより
ビームピッチを補正することを開示している。更に、本
発明には、本出願人により出願された特開平5−139
950により開示されたレーザプリンタ用ビデオクロッ
ク信号生成装置を適用することができる。同装置は、B
Dセンサ60と、所定周波数の鋸波を出力する鋸波生成
手段と、BDセンサ60が出力する時点で鋸波をサンプ
リングするサンプリング手段と、サンプリング手段によ
って得られたサンプリング値と鋸波を比較して鋸波の方
が大きい期間に出力する比較手段と、比較手段の出力に
同期したパルス信号をビデオクロック信号とし、レーザ
ー走査とビデオクロック信号との同期精度を向上させて
いる。
【0036】以下、図8乃至図10を参照して、光学ユ
ニット100及び記録部200を有する電子写真式記録
装置300について説明する。ここで、図8は、電子写
真式記録装置300の記録部200の要部概略断面ブロ
ック図である。図9は、用紙搬送系などを含む図8より
も詳細な電子写真式記録装置300の要部概略断面ブロ
ック図である。図10は、図1に示す光学ユニット10
0の動作を説明するための平面図である。
【0037】本発明の記録装置300の記録部200
は、感光体ドラム202と、帯電器204と、光学ユニ
ット100と、現像装置206と、転写装置208と、
クリーニング部210と、定着装置212と、除電ラン
プ214と、プリントカートリッジ216とを有してい
る。また、印刷用紙Pは図8の右から左に搬送される
が、図9においては下からほぼS字状に上方に搬送され
る。
【0038】感光体ドラム202は回転が可能なドラム
状導体支持体上に感光性誘電体層を有し、像保持部材と
して使用される。例えば、感光体ドラム202はドラム
状のアルミニウムの表面に機能分離型有機感光体を厚さ
約20μmに塗布したものであり、30mmで矢印方向
に周速度70mm/sで回転する。帯電器204はスコ
ロトロン帯電器であり、かかるスコロトロン帯電器は感
光体ドラム202の表面に一定の電荷量を与える特性を
有している。それにより、感光体ドラム202の表面を
約−700Vで均一に帯電することが可能である。
【0039】光学ユニット100は上述のように、光源
10として、半導体レーザー12を使用し、原稿に即し
た光が、感光体ドラム202を露光する。露光によっ
て、感光体ドラム202表面の帯電電位は中和され、記
録すべき画像の画像データに応じた潜像を形成する。
【0040】図9に示すように、光学ユニット100
は、電子写真式記録装置300の上部に配置されてい
る。下部には各ユニットが組み込まれている。これらの
ユニットは、記録部200、高圧電源部220、主電源
スイッチ222、低圧電源部224、ハードディスク2
26、コントロールユニット228、メインコントロー
ルユニット230、上段ホッパ232、中段ホッパ23
4、下段ホッパ236、給紙ユニット240及び用紙搬
送部250を含んでいる。また、記録装置300は、更
に、排紙トレイ252、ページトレイ254、操作パネ
ル60、フロッピーディスク262を含んでいる。これ
らのユニットは当業界で周知のいかなるものをも適用す
ることができるので、ここでは詳しい説明は省略する。
各ユニットが稼動することにより発熱する。また、印刷
された用紙Pも熱を発生して光学ユニット100に熱影
響を与える。もちろん上述したように、光学ユニット1
00内の図示しないスピンドルモータや制御基板も発熱
する。
【0041】現像装置206は、現像剤を利用し、図示
しないトナーカートリッジから供給される微細な帯電粒
子である現像剤を感光体ドラムに供給して、感光体ドラ
ム202とかかる帯電している現像剤との間の静電気力
によって、感光体ドラム202上にトナー像を形成し、
可視化させる。なお、トナーは一成分であると二成分
(即ち、キャリアを含む)であるとを問わない。転写装
置208は図示しない転写ローラを有し、静電的にトナ
ーを吸着するような電界を発生させ、転写電流を利用し
て感光体ドラム202上に吸着しているトナー像を印刷
用紙Pに転写する。
【0042】クリーニング部210は転写後に感光体ド
ラム202上に残っているトナーを回収し廃棄するか、
必要があれば、回収したトナーを図示しないトナーカー
トリッジに返却する。また、トナー以外にも紙などのご
みが現像装置において帯電し、トナーの帯電に悪い影響
を与え、印刷能力が低下することを防止するために設け
られている。クリーニング部210は感光体ドラム20
2のトナーと帯電を除去するために磁気やゴム摩擦を含
む各種のエネルギーを使用することができる。
【0043】定着装置212は印刷用紙Pにトナーを永
久的に固着させる装置である。転写後のトナーは用紙P
に対して弱い力で付着していることから、簡単に剥がれ
落ちてしまう。このため、圧力や熱などのエネルギーを
使用しトナーを定着させるが、十分な定着性能を得るに
は、固体状態のトナーを液体状態にすることが必要であ
る。エネルギーを付与することで、固体トナーは半融、
広がり、浸透と進み定着が完了する。除電ランプ214
は印刷用紙の帯電を除去する。
【0044】図8に示す記録装置300の動作において
は、感光体ドラム202は帯電器204により一様に負
極(約−700V)に帯電されている。感光体ドラム2
02に光学ユニット100からレーザービームが照射さ
れると、感光体ドラム202上の均一な帯電はレーザー
ビームによる露光で画像に対応する部分が消失し、これ
により潜像が形成される。
【0045】より詳細には、図1及び図10に示すよう
に、半導体レーザー12からなるレーザー光源10によ
って照射されたレーザービームL1及びL2は、コリメ
ータ部20を通過することによって、分散光から平行光
に変換される。かかる平行光は、走査部であるポリゴン
ミラー30によって反射される。その後、レーザービー
ムは、レンズ40の効果によって、わん曲によるゆがみ
が削除され、最初に折り返しミラーへ50と移行する。
その後、レーザー光はBDセンサ60に検知されて印字
スタート位置検出でビーム照射位置が調整される(同図
の円で囲った部分62を参照のこと。)。また、部分6
2はビーム照射位置変動を制御可能な方向(主走査方
向)に限定させる機能を有する。一方、シリンドリカル
レンズ42を通過して面倒れが補正されたビームは反射
ミラー44により、図8及び図9に示す感光体ドラム2
02に照射される。図10において、PSは印字スター
トを表し、PEは印字エンドを表している。その後、露
光は完了し、感光体ドラム202表面上には潜像が形成
される。
【0046】記録部200の動作中に光学ユニット10
0の温度が上述した各種の要因により上昇してコリメー
タレンズが変位するとしても、その変位の方向は主とし
て主走査方向であるためにポリゴンミラー30とBDセ
ンサ60は光学ユニット100からのレーザービームを
捉えることができる。この結果、ポリゴンミラー30が
レーザービームを反射するために感光体ドラム202に
は確実に潜像が形成されることになり、BDセンサ60
がレーザービームを検出するために記録装置200の図
示しない制御部は印刷タイミングを確実に得ることがで
きる。
【0047】その後、潜像は現像装置206によって現
像される。即ち、約−50Vに帯電した荷電粒子(又は
紛体)であるトナーが帯電の消失した部分の感光体ドラ
ム202の表面に静電力を利用して吸引される。この結
果、感光体ドラム202の潜像はトナー像として可視化
される。トナー像は、転写装置208にタイミング良く
搬送された印刷用紙Pに転写される。この結果、感光体
ドラム202の表面のトナー像が印刷用紙Pに吸引され
て付着し、トナー像は印刷用紙Pに転写される。残余し
ている感光体ドラム202上のトナーはクリーニング部
60によって回収される。その後、印刷用紙P上のトナ
ーは定着装置212を通過することで永久的に定着さ
れ、その後、記録装置100の外部に排出される。
【0048】高解像度及び高速印刷を達成するために、
本実施例では2個のレーザー光源10を使用している
が、従来はレーザービームの変位量が増大すると潜像の
輪郭幅が太くなり、高品位画像を得られないという問題
があったが、本発明ではかかる問題を解決して高品位画
像を成功裡に提供している。
【0049】以上、本発明の好ましい実施例について説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないこと
はいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び
変更が可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明の例示的一態様としての光学ユニ
ット及びかかる光学ユニットを有する記録装置によれ
ば、光学ユニットの内部温度が上昇しても、コリメータ
レンズの変位は走査部の主走査方向に主として発生し、
走査部の副走査方向には限定された許容量しか変位しな
い。この結果、費用がかかる冷却装置や副走査方向の補
正手段を設けずに、確実な潜像形成による記録動作と印
刷性能を維持することができる。また、本発明の例示的
一態様としての光学ユニット製造方法によれば、接着剤
の注入と鏡筒の取り付けを手動で行っても上述の光学ユ
ニットを得ることができる。更に、コリメータレンズの
接着時には接着位置と主走査方向との整列は考慮しなく
てもよいので製造は容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的位置態様としての光学ユニッ
トの概観斜視図である。
【図2】 図1に示す光学ユニットのブロックの拡大平
面図である。
【図3】 図2に示すブロックのA−A線に沿って切断
した断面図である。
【図4】 コリメータ部の接着位置関する説明をするた
めの概略断面図である。
【図5】 図4のコリメータ部をB−B線に沿って切断
したときの断面図である。
【図6】 コリメータレンズ22の位置変動の許容範囲
を算出するためのコリメータ部の拡大図である。
【図7】 図1に示す光学ユニットの製造方法を示すフ
ローチャートである。
【図8】 本発明の例示的一態様としての電子写真式記
録装置の記録部の要部概略断面ブロック図である。
【図9】 用紙搬送系などを含む図8よりも詳細な電子
写真式記録装置の要部概略断面ブロック図である。
【図10】 図1に示す光学ユニットの動作を説明する
ための平面図である。
【符号の説明】
10 レーザー光源 12 半導体レーザー 14 ヒートシンク 20 コリメータ部 21 接着剤 22 コリメータレンズ 24 鏡筒 25 ブロック 26 シリンドリカルレンズ 28 板バネ 30 ポリゴンミラー 40 f−θレンズ 42 シリンドリカルレンズ 44 反射ミラー 50 折り返しミラー 60 BDセンサ(印刷スタート検出部) 100 光学ユニット 200 記録部 202 感光体ドラム 204 前帯電器 206 現像装置 208 転写装置 210 クリーニング部 212 定着装置 250 用紙搬送部 300 電子写真式記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 文夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2C362 AA45 AA47 BA86 BA90 DA03 2H045 AA01 BA22 CA01 CA63 CA88 CA98 DA02 DA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 前記光源から照射されるビームをコリメートするコリメ
    ータ部と、 前記コリメータ部から出射されたビームを走査する走査
    部とを有し、 前記コリメータ部は、 前記保持部材と、 当該保持部材に一箇所で接着剤により部分的に接着され
    たコリメータレンズとを有して、前記コリメータレンズ
    と前記保持部材との接着位置が前記走査部の主走査方向
    に関して補正可能な角度範囲内である光学ユニット。
  2. 【請求項2】 前記補正可能な角度範囲は前記走査部の
    主走査方向に対して±30°以内である請求項1記載の
    光学ユニット。
  3. 【請求項3】 前記接着位置は前記走査部の主走査方向
    と±11.5°以内である請求項1記載の光学ユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記接着剤は紫外線硬化型接着剤である
    請求項1記載の光学ユニット。
  5. 【請求項5】 前記光学ユニットは、複数の光源とそれ
    に対応した数のコリメータ部とを有する請求項1記載の
    光学ユニット。
  6. 【請求項6】 光源と、前記光源から照射されるビーム
    をコリメートすると共にブロックと、鏡筒と、コリメー
    タレンズとを有するコリメータ部と、前記コリメータ部
    から出射されたビームを走査する走査部とを有する光学
    ユニットの製造方法であって、 前記コリメータレンズを一箇所で接着剤によって前記鏡
    筒に部分的に接着する工程と、 前記鏡筒を、前記コリメータレンズと前記鏡筒との接着
    位置が前記走査部の主走査方向に対して±30°以内に
    なるように、前記ブロックに固定する工程とを有する製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記接着位置は前記走査部の主走査方向
    と±11.5°以内である請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記接着剤は紫外線硬化型接着剤である
    請求項6記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 感光体ドラムと、 前記感光体ドラムを帯電させる前帯電器と、 前記感光体ドラムを露光して潜像を形成する光学ユニッ
    トと、 前記潜像を現像剤によりトナー像として可視化する現像
    装置と、 前記トナー像を被記録体に転写する転写装置と、 前記被記録体上のトナー像を定着させる定着装置とを有
    する電子写真式記録装置であって、 前記光学ユニットは、 光源と、 前記光源から照射されるビームをコリメートするコリメ
    ータ部と、 前記コリメータ部から出射されたビームを走査する走査
    部とを有し、 前記コリメータ部は、 ブロックと、 前記ブロックに固定された鏡筒と、 当該鏡筒内において前記鏡筒に一箇所で接着剤により部
    分的に接着されたコリメータレンズとを有して、前記コ
    リメータレンズと前記鏡筒との接着位置が前記走査部の
    主走査方向に対して±30°以内である電子写真式記録
    装置。
  10. 【請求項10】 前記接着位置は前記走査部の主走査方
    向と±11.5°以内である請求項9記載の電子写真式
    記録装置。
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