JP4170637B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光源側からの光束を、回転多面鏡等の「光偏向走査手段」により偏向させ、偏向される光束をfθレンズ等の「走査結像光学系」により被走査面に向けて集光させることにより、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】
光走査装置を用いる画像形成装置では一般に「光走査により画像の書込みを行う画像書込工程を含む画像形成プロセス」が実行されるが、形成される画像の良否は光走査の良否にかかっている。光走査の良否は、光走査装置の「主走査方向や副走査方向の走査特性」に依存する。
【0004】
主走査方向の走査特性としては例えば、光走査の等速性がある。
例えば、光偏向走査手段として回転多面鏡を用いる場合、光束の偏向は等角速度的に行われるので、光走査の等速性を実現するために、走査結像光学系としてfθ特性を持つものを用いている。しかしながら、走査結像光学系に要請される他の性能との関係もあって、完全なfθ特性を実現することは容易でない。このため、現実の光走査においては、光走査が完全に等速的に行われることは無く、走査特性としての等速性は「理想の等速走査からのずれ」を伴っている。
【0005】
副走査方向の走査特性には「走査線曲がり」や「走査線の傾き」がある。走査線は「被走査面上における光スポットの移動軌跡」で、直線であることが理想であり、光走査装置の設計も走査線が直線となるように行われるが、実際には、加工誤差や組立誤差等が原因して走査線に曲がりが発生するのが普通である。
【0006】
また、走査結像光学系として「結像ミラー」を用い、偏向光束の、結像ミラーへの入射方向と反射方向との間に、副走査方向で角度を持たせる場合には、原理的に走査線の曲がりが発生するし、走査結像光学系をレンズ系として構成する場合でも、被走査面を「副走査方向に分離した複数の光スポットで光走査」するマルチビーム走査方式では走査線の曲がりが不可避的である。
【0007】
「走査線の傾き」は、走査線が副走査方向に対して正しく直交しない現象で、走査線曲がりの1種である。従って、以下の説明においては特に断らない限り、「走査線の傾き」は走査線曲がりに含めて説明する。
【0008】
光走査の等速性が完全でないと、形成された画像に主走査方向の歪みが生じ、走査線曲がりは、形成された画像に副走査方向の歪みを生じさせる。画像が所謂モノクロで、単一の光走査装置により書込み形成される場合は、走査線曲がりや等速性の不完全さ(理想の等速走査からのずれ)がある程度抑えられていれば、形成された画像に「目視で分かるほどの歪み」は生じないが、それでも、このような画像の歪みは少ないに越したことは無い。
【0009】
マゼンタ・シアン・イエローの3色、あるいはこれに黒を加えた4色の画像を色成分画像として形成し、これらの色成分画像を重ね合せることにより合成的にカラー画像を形成することは、従来から、カラー複写機等で行われている。
【0010】
このようなカラー画像形成を行うのに、各色の成分画像を異なる光走査装置で異なる感光体に形成する所謂「タンデム型」と呼ばれる画像形成方式があるが、このような画像形成方式の場合、光走査装置相互で「走査線の曲がり具合や傾きが異なる」と、各光走査装置ごとの走査線曲がりが一応補正されていたとしても、形成されたカラー画像に「色ずれ」と呼ばれる画像異常が現われて、カラー画像の画質を劣化させる。
【0011】
また、色ずれ現象の現われ方として、カラー画像における色合いが所望のものにならないという現象がある。
近来、走査特性の向上を目して、光走査装置の結像光学系に、非球面に代表される特殊な面を採用することが一般化しており、このような特殊な面を容易に形成でき、なおかつコストも安価な「樹脂材料の結像光学系」が多用されている。
【0012】
樹脂材料の結像光学系は、温度や湿度の変化の影響を受けて光学特性が変化しやすく、このような光学特性の変化は「走査線の曲がり具合や等速性」をも変化させる。そうすると、例えば、数十枚のカラー画像の形成を連続して行う場合に、画像形成装置の連続運転により機内温度が上昇し、結像光学系の光学特性が変化して、各光走査装置の書込む走査線の曲がり具合や等速性が次第に変化し、色ずれの現象により、初期に得られたカラー画像と、終期に得られたカラー画像とで色合いが全く異なるものになることがある。
【0013】
走査結像光学系として代表的なfθレンズ等の走査結像レンズは一般に、副走査方向におけるレンズ不用部分(偏向光束が入射しない部分)をカットし、主走査方向に長い短冊形レンズとして形成される。走査結像レンズが複数枚のレンズで構成される場合、配設位置が光偏向走査手段から離れるレンズほど、主走査方向のレンズ長さが大きくなり、10数センチ〜20センチ以上にもなる所謂「長尺レンズ」となる。
【0014】
このような長尺レンズは一般に樹脂材料を用いて樹脂成形で形成されるが、外界の温度変化によりレンズ内の温度分布が不均一になると、反りを生じてレンズが副走査方向に「弓なり」になる。このような長尺レンズの反りは前述した「走査線曲がり」の原因となるが、反りが著しい場合には、走査線曲がりも極端に発生する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑み、走査結像光学系に含まれる樹脂製結像素子の、温度変化に起因する変形を有効に抑制し、なおかつ、走査線曲がりおよび/または等速性の補正を可能ならしむることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は「1以上の光源からの光束を光偏向走査手段により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光学系により、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置」であって、形状保持手段と、液晶偏向素子手段と、制御手段とを有する(請求項1)。
【0017】
「形状保持手段」は、走査結像光学系が含む樹脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減する手段である。
「液晶偏向素子手段」は、光偏向走査手段から1以上の被走査面に至る光路中に設けられ、被走査面上における光スポットの位置を主走査方向および/または副走査方向に調整する。
「制御手段」は、液晶偏向素子手段を制御する手段であり、CPUやマイクロコンピュータ等として構成できる。
【0018】
若干説明を補足する。
「光偏向走査手段」は、光源側からの光束を光走査のために偏向させる手段であり、ポリゴンミラーを回転させる回転多面鏡を始めとし、ピラミダルミラーやホゾ型ミラー等の回転1面鏡や、回転2面鏡あるいはガルバノミラー等、従来から知られた各種のものを用いることができる。
【0019】
「走査結像光学系」は、光偏向走査手段により偏向された光束を被走査面に向けて集光させ、被走査面上に光スポットを形成するための光学系であり、fθレンズ等の「レンズ系」として構成することも、fθミラー等の「結像ミラー系」として構成することもできるし、「レンズ系とミラー系の複合系」として構成することもできる。
【0020】
上述の如く、走査結像光学系は「樹脂製結像素子」を含む。樹脂製結像素子は走査結像光学系の一部を構成しても良いし、走査結像光学系全体が樹脂製結像素子で構成されていてもよい。勿論、単一の樹脂製結像素子が「走査結像光学系自体」を構成することもできる。
【0021】
走査結像光学系は、光スポットによる光走査を等速化する「等速化機能」を有する。即ち、例えば、光偏向走査手段による光束の偏向が、等角速度的である場合には、走査結像光学系として「光スポットによる走査を等速化するためにfθ機能を有するもの」が用いられる。この場合は、「fθ特性」が「光走査の等速性」である。
【0022】
「液晶偏向素子」は、光束を透過させている状態において、電気的あるいは磁気的な信号で駆動することにより、透過光束の向きを変化させることができる光学素子である。液晶偏向素子の作用により透過光束の向きが変化する方向を「偏向方向」と呼ぶ。液晶偏向素子については後述する。
【0023】
請求項1記載の光走査装置において、液晶偏向素子手段は、独立して制御可能な液晶偏向素子を複数個、主走査方向へ配列してなる。
制御手段は、光走査に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方向の調整偏向量を、液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子に対応する担当補正領域ごとに独立に制御することにより、被走査面上における光スポット位置を補正的に調整するものである。
「担当補正領域」については後述する。
【0024】
「光スポット位置を補正的に調整する」とは、被走査面上における光スポットの位置を、各像高ごとに「理想の位置」に合致させあるいは近づけるように調整することを意味し、そのための偏向量が上記「調整偏向量」である。
【0025】
上記請求項1記載の光走査装置において用いられる液晶偏向素子手段は「副走査方向を偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる副走査液晶偏向素子列」として構成することができる(請求項2)。
液晶偏向素子手段として副走査液晶偏向素子列を用いることにより、走査線曲がり(前述の「走査線の傾き」を含む。)を補正することができる。
【0026】
上記請求項1記載の光走査装置において用いられる液晶偏向素子手段は「主走査方向を偏向方向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列した主走査液晶偏向素子列を単独で、もしくは請求項3記載の副走査液晶偏向素子列とともに有する」ことができる(請求項3)。
【0027】
なお、主走査液晶偏向素子および/または副走査液晶偏向素子を液晶偏向素子手段として、光源と光偏向走査手段との間に配置し、光スポットの像高ごとの位置を調整するようにすることも参考例として考えられる。
【0028】
液晶偏向素子手段が「主走査液晶偏向素子列を単独」で有する場合には、個々の液晶偏向素子が「主走査液晶偏向素子」で、主走査液晶偏向素子列を用いることにより、光走査の等速性を補正できる。また、液晶偏向素子手段が「主走査液晶偏向素子列と副走査液晶偏向素子列」を有する場合は、走査線曲がりと光走査の等速性を補正できる。主走査液晶偏向素子列と副走査液晶偏向素子列を用いる場合、これらを1体として設けても良いし、各々を別の位置に設けるようにしても良い。
【0029】
上記請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置において用いられる「形状保持手段」は、これを「樹脂製結像素子の副走査方向における形状を矯正保持する形状矯正手段」とすることができる(請求項4)。
【0030】
この請求項4記載の光走査装置における形状矯正手段を「複数の当接突起を主走査方向に配列して有する1対の挟持手段」とし、当接突起を樹脂製結像素子の副走査方向に両面に当接させて樹脂製結像素子を挟持するようにできる(請求項5)。この場合、形状矯正手段をなす1対の挟持手段における当接突起を「互いに対向的に対応」させることができる(請求項6)。
【0031】
挟持手段における当接突起の配列は、一方の挟持手段における当接突起の配列に対して、他方の挟持手段における当接突起の配列を「位相をずらした」配列としても良い。当接突起の配列は等間隔でも不等間隔でもよい。
【0032】
請求項5または6記載の光走査装置における「形状矯正手段をなす1対の挟持手段」は、挟持する樹脂製結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材料で構成されていることが好ましい(請求項7)。
【0033】
上記請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置において用いられる形状保持手段はまた、「樹脂製結像素子の副走査方向の両側面に接して設けられた断熱部材」であることができる(請求項8)。
【0034】
上記請求項4〜8の任意の1に記載の光走査装置において、形状保持手段は全ての樹脂製結像素子に用いることができることは言うまでも無いが、「主走査方向に最も長い樹脂製結像素子」に用いるのがよい(請求項9)。主走査方向に最も長い樹脂製結像素子は、例えば前述の「長尺レンズ」であり、このような結像素子の副走査方向における形状を矯正保持することにより、この樹脂製結像素子の反りに起因する走査線曲がりを有効に抑制でき、液晶偏向素子手段により、走査線曲がりの補正を容易且つ確実に行うことができる。
【0035】
このようにせず「長尺の樹脂製結像素子の反り」を許してしまうと、それに起因して発生する「大きな走査線曲がり」を補正するための、液晶偏向素子手段の調整偏向量が大きくなり、液晶偏向素子手段に要求される偏向能力が厳しくなって、設計自由度が制限されてしまう。
【0036】
上記請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置は、勿論シングルビーム方式の光走査を行うようにしてもよいが、光源として例えば半導体レーザアレイや公知のビーム合成式のものを用いて「光源が複数の発光源を有する」ようにし、被走査面の光走査をマルチビーム走査方式で行うようにできる(請求項10)。
【0037】
請求項1〜10の任意の1に記載の光走査装置は1以上の光源を有しているが、光源が複数である場合、各光源から各光源に対応する被走査面に至る光路を構成する走査光学系を「各光源からの光束が形成する光スポットによる走査線を、実質的に互いに平行とする」ように構成することができる(請求項11)。
【0038】
この発明の画像形成装置は「感光媒体に光走査を行って画像形成を行う画像形成装置」であって、感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜11の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする(請求項12)。
【0039】
感光媒体としては種々のものが可能である。例えば、感光媒体として「銀塩フィルム」を用いることができる。この場合、光走査による書込みで潜像が形成されるが、この潜像は通常の銀塩写真プロセスによる処理で可視化することができる。このような画像形成装置は「光製版装置」や、CTスキャン画像等を描画する「光描画装置」として実施できる。
【0040】
感光媒体としてはまた、光走査の際に光スポットの熱エネルギにより発色する発色媒体を用いることもでき、この場合には、光走査により直接に可視画像を形成できる。
【0041】
請求項12記載の画像形成装置はまた、「光導電性の感光体」を感光媒体として用いることができる。光導電性の感光体としては、酸化亜鉛紙のようにシート状のものを用いることもできるし、セレン感光体や有機光半導体等「ドラム状あるいはベルト状で繰り返し使用されるもの」を用いることができる。
【0042】
光導電性の感光体を感光媒体として用いる場合には、感光体の均一帯電と、光走査装置による光走査により静電潜像が形成される。静電潜像は現像によりトナー画像として可視化される。トナー画像は、感光媒体が酸化亜鉛紙のようにシート状のものである場合は感光媒体上に直接的に定着され、感光媒体が繰り返し使用可能なものである場合には、転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等のシート状記録媒体に転写・定着される。
【0043】
光導電性の感光体からシート状記録媒体へのトナー画像の転写は、感光体からシート状記録媒体へ直接的に転写(直接転写方式)しても良いし、感光体から一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、この中間転写媒体からシート状記録媒体へ転写(中間転写方式)するようにしてもよい。
このような画像形成装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等として実施できる。
【0044】
画像形成装置の光走査装置として請求項11記載のものを用いる場合、各光源からの光束により光走査すべき被走査面の実体を成す「3もしくは4個の光導電性の感光体」を互いに並列に配置した構成とし、周知の「タンデム式のカラー画像形成装置」として実施することができる。
【0045】
この発明の画像形成装置はまた、1以上の光スポットの走査位置を「走査位置検出手段」で検出し、検出結果に応じ、対応する液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子における偏向量を決定する構成とすることができる。この場合、「走査位置検出手段」は光走査装置内に配設することもできるし、画像形成装置内における光走査装置とは異なる位置に配設することもできる。
【0046】
ここで「液晶偏向素子」について簡単に説明する。前述の如く、液晶偏向素子は、電気的な信号で駆動されるものと、磁気的な信号で駆動されるものとが知られているが、以下では、電気的な信号で駆動されるものを例にとって説明する。
【0047】
電気的な信号による駆動で光束を偏向させる液晶偏向素子は、大別すると、電気信号により「屈折率を変化させる」ものと、電気信号により「回折作用を起こさせる」ものとの2種に分けられる。
【0048】
まず、屈折率の変化を利用する液晶偏向素子につき説明すると、この種のものは、例えば、特開昭63−240533号公報に記載されている。1例を示すと図1の如くである。
【0049】
図1(b)において、液晶1は「誘電異方性が正のネマチック液晶」で、スペーサ3により所定間隙に保たれた1対の透明配向膜2A、2B間に薄層状に密封されている。符号1Aで示す液晶分子は「分子軸方向に長い形状」である。配向膜2Aは、液晶分子1Aの分子軸が配向膜表面に対して直交方向となるように配向処理され、配向膜2Bは、液晶分子1Aの分子軸が配向膜表面に対して平行方向となるように配向処理されている。
【0050】
配向膜2Aの外側にはZnO等による透明な電気抵抗膜4が形成されている。透明な電気抵抗膜4、配向膜2A、2Bおよび液晶1は、図1(b)に示す如く1対の透明なガラス基板5A、5Bにより挟持されている。ガラス基板5Bの配向膜2B側の面にはITO等による透明な電極膜6が一面に形成されている。
【0051】
一方、ガラス基板5Aの配向膜2A側の面には、図1(a)に示すようなパターンの電極7A、7Bが形成され、これら電極7A、7Bは(b)に示す如く、電気抵抗膜4に接している。
【0052】
電極7A、7Bは、これらが「光束の透過領域にかかる場合」にはITO等により透明電極として形成されるが、電極7A、7Bが光束の透過領域にかからなければ(電極7A、7Bが光束を遮らなければ)金属薄膜等により不透明な電極として形成することもできる。図1の例では、電極7A、7Bは透明電極として形成されている。
【0053】
図1(b)の状態において、電極膜6と電極7Bを接地し、図1(a)に示す電極7A、7Bの端子A、B間に電圧:Vを印加すると、電気抵抗膜4の電位は、電極7Aの側から電極7Bの側へ直線的に低下する。このため、電気抵抗膜4と透明な電極膜6との間には「図1(b)の上方から下方へ向て直線的に減少する電界(向きは図の左右方向を向いている)」が作用する。
【0054】
この電界は液晶1に作用し、液晶分子1Aを「その分子軸が電界に平行になるよう」に回転させる。液晶分子1Aの回転角は「電界の強さに直線的に比例」するので、上記電界が作用すると、電極7Aの側では液晶分子1Aの分子軸は電界の方向(図の左右方向)により近くなるが、電極7Bの側では電界が実質的に0であるので、液晶分子1Aの分子軸は殆ど電極膜6に平行のままである。
【0055】
液晶分子1Aの誘電率は、分子軸に平行な方向において大きく、分子軸に直交する方向において小さい。このため、屈折率は分子軸に平行な方向においてより大きくなる。上記電界の作用により、上述の如き「液晶分子1Aの分子軸の向きの分布」が生じると、液晶1における「屈折率」は、分子軸が電界に略平行となる電極7Aの側で高く、電極7Bの側では低くなり、図1(c)に示すように電極7Aの側から電極7Bの側へ直線的に減少する。
【0056】
従って、このような屈折率分布が生じている液晶偏向素子に、図1(b)の右側から光束を入射させて液晶偏向素子を透過させると、透過光束は屈折率分布の作用により、屈折率の高い側(図1(b)で上方)へ偏向される。
接地する電極を電極7Bから7Aに変えて、端子A、B間に印加する電圧の向きを上記と逆にすれば、図1の場合と逆に、電極7Bの側から電極7Aの側へ向って減少する屈折率分布が得られ、透過光束を図1の下方へ偏向させることができる。
【0057】
以上が、屈折率変化を利用した液晶偏向素子による光束偏向の原理である。
偏向の程度である偏向量、即ち「偏向角」は、液晶偏向素子に固有の値で飽和し、飽和するとそれより大きな偏向角は生じない。液晶偏向素子を駆動する電気信号としては「直流電圧」を用いても良いが、液晶偏向素子の寿命の面から考えると、電気信号は「パルス状または正弦波状に変調された信号で、平均電圧が0V近傍であるもの」が好ましい。
【0058】
偏向角を変化させるには、端子A、B間の電位差:Vの増減によって行うこともできるが、上記パルス信号を駆動信号とする場合は「パルスのデュ−ティ比」を変えることによっても行うことができる。
【0059】
図2は「電気信号により屈折率を変化させる方式の液晶偏向素子」の別例である。繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図1におけると同一の符号を用いた。この素子は図1の素子の変形例であり、図1の素子との差異は、ガラス基板5Aの側において、透明な電気抵抗膜を3つの部分4A、4B、4Cに分割し、透明電極を図2(a)の如くにパターニングし、電気抵抗膜4Aに電極7A1と7B1が対応し、電気抵抗膜4Bに電極7A2と7B2が対応し、電気抵抗膜4Cに電極7A3と7B3が対応するようにした点にある。
【0060】
端子A、B間に駆動信号を印加すると、図2(c)の如き屈折率分布が得られる。この場合、端子A、Bに印加する電圧:Vに対する電界の変化率が大きくなるので、図1の素子に比してより「大きな屈折率勾配」が得られ、より大きな偏向角(偏向量)を得ることができる。
【0061】
図3は液晶偏向素子の別の例を示している。この液晶偏向素子は「電気信号により回折作用を起こさせるもの」である。この型の液晶偏向素子は、例えば特開平8−313941号公報に詳しく記載されている。図3においても繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
【0062】
図3(a)において、液晶1は例えば「液晶分子1Aの分子軸方向の誘電率が、分子軸に直交する方向の誘電率よりも小さい、誘電異方性が負のネマチック液晶」で、スペーサ3により所定間隙に保たれた1対の透明配向膜2A、2Bの間に薄層状に密封されている。
【0063】
配向膜2A、2Bは、透明電極6Aを有するガラス基板5Aと、透明電極6Bを有するガラス基板5Bとにより挟持されている。透明電極6A、6BはITO等で薄膜状に形成され、それぞれガラス基板5A、5Bの面に所定の形状(例えば矩形形状)で一様に形成されている。
【0064】
配向膜2A、2Bは、液晶分子1Aの分子軸方向が図面に直交する方向となるように、液晶1に対する配向を行う。
このような状況で、透明電極6A、6B間に「直流もしくは300Hz程度以下の低周波の電圧」を印加させると、液晶1内に、図の上下方向(前記「配向方向」と直交する方向)を格子配列方向とする回折格子パターンが形成される(特開平8−313941号公報「0054」)。図3(b)は、このように形成された回折格子パターンにおける屈折率分布である。
【0065】
この状態で光束を液晶偏向素子に入射させると、透過光は上記回折格子パターンにより(図3(a)の上下方向に)回折光を生じる。上記低周波の電圧の電圧値を変化させると、形成される回折格子パターンの格子ピッチが変化し、回折角が変化する(特開平8−313941号公報「0057」)。
【0066】
従って、例えば「回折の1次光」に着目すれば、1次光の偏向角を調整することにより、光束を所定方向(上に説明した場合では、図1(a)の上下方向)に所望の偏向角で偏向させることができる。
【0067】
また、図3の液晶偏向素子の透明電極6A、6B間に印加する電圧を高周波電圧にすると、液晶1に配向方向に直交する方向の回折格子パターンが現れ、図3(a)の「図面に直交する方向の回折光」を得ることができる。この場合は、液晶に印加する高周波電圧の「包絡電圧」を増減させることにより、回折角を変化させることができる(特開平8−313941号公報「0060」)。
【0068】
以上、従来から知られた「電気信号により光束を偏向させるタイプの液晶偏向素子」につき簡単に説明した。
【0069】
この発明では、これら公知の液晶偏向素子(電気信号により駆動するものに限らず、上には説明しなかったが、磁気信号により駆動するものでもよい)を用い、光束の偏向により光スポットの走査位置調整を行うのである。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を説明する。
図4は光走査装置の実施の1形態を示している。
図4(a)に示すように、光源装置(光源とカップリングレンズとを含む)10から射出した光束は、平行光束(弱い収束もしくは発散光束でも良い)で、被走査面上で所望形状の光スポット径を得るための開口絞り(図示されず)を通過し、線像結像光学系をなす(副走査方向にのみ正のパワーを持つ)シリンドリカルレンズ12に入射し、副走査方向にのみ集束され、光偏向走査手段のポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0071】
ポリゴンミラー14の等速回転に伴い、偏向反射面に反射された光束は等角速度的に偏向する偏向光束となり、走査結像光学系としてのfθレンズ16を構成する2枚のレンズ161、162を順次透過し、液晶偏向素子手段18を透過して被走査面20に到達し、fθレンズ16の作用により被走査面20上に光スポットとして集光し、被走査面20を光走査する。
【0072】
液晶偏向素子手段18は「主走査方向に長い長尺形状」で、被走査面20上において光スポットの位置調整を行わせるためのものである。光スポットの位置調整は、主走査方向および/または副走査方向に関して行われる。
【0073】
符号22で示す「コントローラ」はマイクロコンピュータ等で構成され、液晶偏向素子手段18の各液晶偏向素子における調整偏向量を設定し、このように設定された調整偏向量を実現するように液晶偏向素子手段18を制御駆動する。コントローラ22はまた、画像形成装置全体を制御する「システムコントローラ」における機能の一として設定することもできる。即ち、コントローラ22は「液晶偏向素子手段を制御する制御手段」である。
【0074】
図4(b)は、図4(a)における「ポリゴンミラー14の偏向反射面と被走査面20との間の光学配置」を副走査方向(図面に直交する方向)からみた状態を示している。液晶偏向素子手段18は、図4(a)に示すように「走査結像光学系としてのfθレンズ16のレンズ162と被走査面20との間」に配設されているが、液晶偏向素子手段の配設位置はこれに限らない。
【0075】
例えば、液晶偏向素子手段18に代えて、液晶偏向素子手段18Aを、図4の(b)に示す如く、ポリゴンミラー14の偏向反射面とfθレンズ16におけるレンズ161との間に配設することもできる。このように液晶偏向素子手段を光偏向走査手段の側に近接して配設するほど、液晶偏向素子手段の主走査方向の長さを短縮でき、コスト的には有利である。
【0076】
しかしながら反面、以下の如き問題がある。図4(b)に示す液晶偏向素子手段18Aに入射する偏向光束は等角速度的に偏向している。ポリゴンミラー14の偏向反射面による偏向の起点から、液晶偏向素子手段18Aに至る距離をDとし、偏向光束の偏向角をθとすると、偏向角:θのときに偏向光束(の主光線)が液晶偏向素子手段18Aに入射する位置は、D・tanθである。
【0077】
すると、偏向光束の微小偏向角:Δθに対応する液晶偏向素子手段18Aの主走査方向の幅:ΔSは「ΔS=D・Δθ/cosθ」となるから、偏向角:θが大きくなるほど、偏向光束が液晶偏向素子手段18A上を移動する距離は大きくなる。
【0078】
従って、仮に、液晶偏向素子手段18Aにおける各液晶偏向素子の主走査方向のサイズを同一とし、複数の液晶偏向素子を等ピッチで主走査方向に配列したとすると、個々の液晶偏向素子に対応する「被走査面上における主走査方向の領域(これが、各液晶偏向素子の「担当補正領域」である。)」は、偏向角の大きい位置にある液晶偏向素子ほど大きくなる。このため、光スポットの位置の調整は、偏向光束の偏向角が大きくなるほど粗雑化する。
【0079】
これを避けるためには、液晶偏向素子の主走査方向のサイズを、偏向角:0から最大偏向角の側に向って次第に小さく、液晶偏向素子の配列ピッチを、偏向角:0から最大偏向角に向って次第に細かくすれば良いが、偏向反射面の近傍では、偏向光束は主走査方向に絞られていず、かなりの光束径(数mm程度)を有するので、上記サイズを然程小さくできない。このような理由で、液晶偏向素子手段は、走査結像光学系よりも被走査面側にあることが好ましい。
【0080】
図4(a)、(b)に示す液晶偏向素子手段18のように、fθレンズ16と被走査面20との間に配設する場合は、偏向光束自体が細く絞り込まれており、なお且つ、偏向光束の偏向が、fθレンズ16の作用により等速化されているので、主走査方向に同じサイズの液晶偏向素子を等ピッチで連続的に配列しても、光スポット位置の良好な調整が可能で、液晶偏向素子の配列ピッチを然程細かくする必要もない。液晶偏向素子手段18を被走査面に近づけるほど、この効果は顕著になる。
【0081】
図5を参照して、液晶偏向素子手段による「光スポットの位置調整」を説明する。先に説明したように、液晶偏向素子は電気的もしくは磁気的な駆動信号に応じて透過光束を偏向させる機能を持ち、その偏向方向は任意に設定できる。
【0082】
図5(a)において左右方向は主走査方向である。符号Li(i=1〜10)は「電気信号で駆動される液晶偏向素子」を示している。即ち、この例では10個の液晶偏向素子L1〜L10が主走査方向に、互いに密接して連続的に配列されている。また、この例において液晶偏向素子Liは互いに同サイズで等ピッチ配列されている。説明の具体性のため、液晶偏向素子Liは、図1に即して説明した構成のものとする。
【0083】
符号Di(i=1〜10)は液晶偏向素子Liを駆動するドライバ回路を示している。これらドライバ回路Diはコントローラ22により制御駆動される。
【0084】
液晶偏向素子Liの偏向方向を主走査方向に設定すれば、液晶偏向素子列180は、主走査方向を偏向方向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列した「主走査液晶偏向素子列(請求項3)」となる。
【0085】
また、液晶偏向素子Liの偏向方向を副走査方向に設定すれば、液晶偏向素子列180は、副走査方向を偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる「副走査液晶偏向素子列(請求項2)」となる。
【0086】
若干補足すると、個々の液晶偏向素子Liは対応するドライバ回路Diにより個別独立に駆動されるが、この例において、液晶とこれを挟持する配向膜、さらに透明電極は互いに共通している。そして、図1に示す駆動電圧を印加される電極7A、7Bとこれらを連結する透明抵抗膜4の部分が液晶偏向素子Li(i=1〜10)ごとに独立している。
【0087】
図5(b)は「走査位置検出手段」の1形態を示している。走査位置検出手段による走査位置検出に関しては後に述べる。
図5(b)に示す走査位置検出手段23は、液晶偏向素子Liと同数のエリアセンサP1〜P10の受光面が主走査方向に配列している。
【0088】
走査位置検出手段23は、各エリアセンサPiの受光面が「被走査面と光学的に等価な位置」を占めるように配設され、偏向光束もしくは偏向光束の一部を分離した検出光束で走査されるようになっている。
【0089】
エリアセンサPiの受光面は、液晶偏向素子列180における液晶偏向素子Liと対応し、設計上の光スポットがエリアセンサPiの中心に結像するとき、この光スポットを形成する偏向光束が「対応する液晶偏向素子Liの中心」を通るように、液晶偏向素子列180との位置関係を定められている。
【0090】
エリアセンサPiは固定板23Sに固定的に設けられている。固定板23Sは熱膨張率:1.0×10−5/℃以下の材質、具体的には、ガラス(熱膨張率0.5×10−5/℃)や、アルミナ等のセラミック材質(熱膨張率:0.7×10−5/℃、炭化珪素(熱膨張率:0.4×10−5/℃)等からなり、温度変動による影響(エリアセンサPiの受光面位置の移動、相対位置関係の変動により正確な検出が妨げられる)を実質的になくしている。
【0091】
また、エリアセンサPi相互間に発生する電気ノイズの影響をなくすため、固定板23Sの材質は上記の如き「非導電性材料」が好適である。例えば、固定板23Sを熱膨張率:2.4×10−5/℃のアルミ合金で形成した場合は、温度変動により検出精度が劣化する。
【0092】
なお、図5(b)における領域RYは被走査面における「有効書込幅に対応する領域」である。
【0093】
ここで、液晶偏向素子列180が「副走査液晶偏向素子列」である場合を例に取り、図4の光走査装置における「走査線曲がり」を補正する場合を説明する。
【0094】
例えば、光走査による画像形成プロセスを行うに先立ち、ポリゴンミラー14を回転させ、光源装置1の光源を発光させる。
【0095】
光源の発光は時間的に間欠的に行い、発光ごとに上記偏向光束もしくは検出光束が、走査位置検出手段23の各エリアセンサP1〜P10に順次に入射するようにする。走査位置検出手段23はエリアセンサPi(i=1〜10)が検出する光スポットの「副走査方向の位置」をコントローラ22に向けて出力する。
【0096】
図5(c)において「10個の黒丸」が、このように検出された副走査方向の位置を示している。この図における破線は「理想上の走査線」で、主走査方向に直線的である。
【0097】
コントローラ22は、検出された10個の「副走査方向の光スポット位置(走査位置)」に基づき、最小2乗法等により、走査線の形態を「多項式」として近似する。この多項式が「検出された走査線曲がり」であり、これを図5(c)に実線で示す。
【0098】
コントローラ22は次いで、このような走査線曲がりを補正するため、副走査液晶偏向素子列の、液晶偏向素子Liにおける「副走査方向の光束偏向の向きと偏向量(偏向角)」とを算出する。図5(c)に示す領域Si(i=1〜10)は、副走査液晶偏向素子列における液晶偏向素子Liが「偏向光束を偏向させるべき領域(前記「担当補正領域」)」を示し、各領域Siにおける上向き若しくは下向きの矢印は「偏向の向き」を表している。
【0099】
コントローラ22は、液晶偏向素子Liに上記「偏向の向きと偏向量」を実現すべき信号を決定し、ドライバ回路Di(i=1〜10)に印加する。この例では、液晶偏向素子Li(図1の端子A、B間)に印加する電圧の正負と接地させる電極の選定により「偏向の向き」を制御し、この電圧をパルス電圧として印加し、そのデュ−ティ比を調整することにより「偏向量」を制御する。
【0100】
このようにして、画像形成プロセスの開始される以前に、副走査液晶偏向素子列の液晶偏向素子Li(i=1〜10)における偏向の向きと偏向量とを実現する。勿論、検出された走査線曲がりが「補正を必要としない程度に微小」である場合には、副走査液晶偏向素子列による走査線曲がりの補正を行う必要は無く、この場合は「副走査液晶偏向素子列が偏向光束を偏向させることなく透過させる(駆動信号を0とする)」ようにすれば良い。
【0101】
図5(d)は、副走査液晶偏向素子列により補正された走査線の状態を示している。Yi(i=1〜10)は、被走査面20の走査領域における「各液晶偏向素子Liが補正を担当する部分(補正担当領域)」を示している。
【0102】
実線で示す走査線は若干「ギクシャク」しているように見えるが、これは図5(c)において走査線曲がりを「極端に強調」して描いたことに起因する。現実の走査線曲がりは最大の場合でも0.1〜0.2mm程度であるので、例えば、1個の液晶偏向素子Liが「30mmの走査領域」の補正を担当するものとしても、実質的に直線状態の走査線を実現できる。
【0103】
副走査液晶偏向素子列における液晶偏向素子の数を更に増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域を小さくすることにより走査線曲がりを「より精緻」に補正できることは当然である。
【0104】
特に、副走査液晶偏向素子列における副走査液晶偏向素子Liの主走査方向の幅を十分に小さく(例えば2〜5mm程度)することにより、隣接する副走査液晶偏向素子間の偏向量変化を「実質的に連続的な変化」と見なし得るようにでき、走査線を「実質的に連続した直線」に補正することもできる。
【0105】
走査線曲がりの形態の1つである「走査線の傾き」も、上記と同様にして補正できることは容易に理解されるであろう。
【0106】
上の説明では、走査位置検出手段により光スポットの走査位置を検出して「補正すべき走査線曲がり」を特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの偏向量を設定している。このようにすると、走査線曲がりが経時的に変化したり、fθレンズ16を樹脂レンズとして構成した場合に環境変化で走査線曲がりが変化しても、走査位置検出を随時行うことにより、補正すべき走査線曲がりに応じて、常に適正な補正を行うことが可能である。
【0107】
上には液晶偏向素子列180を「副走査液晶偏向素子列」として、走査線曲がり・走査線の傾きの補正を行う場合を説明したが、液晶偏向素子列180を「主走査液晶偏向素子列」とし、個々の液晶偏向素子Liにおける偏向方向を主走査方向とすれば、fθ特性等の等速性を補正することが可能である。
【0108】
この場合は、走査位置検出手段22のエリアセンサPiが検出する光スポットの「主走査方向の位置」を求め、これを用いてコントローラ22により光走査の「等速性(理想の等速走査からのずれ)」を上記走査線曲がりの場合と同様にして求め、求められた等速性を補正するために液晶偏向素子Liにおける主走査方向の調整偏向量を設定し、偏向光束の主走査方向への偏向量を補正することにより、等速性の補正を実行できる。
【0109】
主走査液晶偏向素子列における液晶偏向素子の数を増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域を小さくする程、等速性の「より精緻な補正」が可能で、主走査液晶偏向素子列における主走査液晶偏向素子Liの主走査方向の幅を十分に小さく(例えば2〜5mm程度)することにより、隣接する主走査液晶偏向素子間の偏向量変化を「実質的に連続的な変化」と見なし得るようにでき、このようにすれば、光走査を実質的に等速で行うことができる。
【0110】
上の説明では、走査位置検出手段により光スポットの走査位置を検出して「補正すべき等速性」を特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの偏向量を設定している。このようにすると、等速性が経時的に変化したり、fθレンズ16を樹脂レンズとして構成した場合に、環境変化で等速性が変化しても、走査位置検出を随時行うことにより、補正すべき走査線曲がりに応じて、常に適正な補正を行うことが可能である。
【0111】
上に説明した等速性の補正は、液晶偏向素子手段として「主走査液晶偏向素子列を単独で用いた」場合である。走査線曲がりとともに等速性をも補正できるようにするには、主走査液晶偏向素子列を副走査液晶偏向素子列とともに有する液晶偏向素子手段を用いれば良い(請求項3)。
【0112】
例えば、図6(b)に示すように、主走査液晶偏向素子列181と副走査液晶偏向素子列182とを、結像光束の透過方向へ重ねて一体化したものを「液晶偏向素子手段」として用い、主走査液晶偏向素子列181により等速性の補正を行い、副走査液晶偏向素子列182により走査線曲がりを補正することができる。なお、図6(b)において、図面に直交する方向が主走査方向である。
【0113】
図6(b)のように、主走査液晶偏向素子列181と副走査液晶偏向素子列182とを重ねて一体化する代わりに、これらを互いに分離して配設しても良い。
【0114】
ここで、走査位置検出手段による走査位置の検出を説明する。上に説明した例では、走査位置検出手段23はエリアセンサPiの受光面が被走査面と光学的に等価な位置を占めるように配設され、偏向光束もしくは偏向光束の一部を分離した検出光束で走査されるが、この場合の具体例を図7(a)、(b)に示す。
【0115】
図7(a)で、図面に直交する方向が主走査方向、上下方向が副走査方向である。因みに、図4に示す光走査装置における走査位置検出は、図7(a)に示す如き方式で行われ、液晶偏向素子手段18は、主走査方向に偏向される結像光束の光路上において「副走査方向に対して傾け」て配設されている。
【0116】
このため、結像光束はその一部が液晶偏向素子手段18の入射側面で反射されて検出光束LSとなり、上記入射側の面を反射面として被走査面20と等価な面に配置された走査位置検出手段23の受光面位置に光スポットを形成し、走査位置を検出される。
【0117】
図7(b)でも、図面に直交する方向が主走査方向、上下方向が副走査方向である。主走査方向に偏向され、液晶偏向素子手段18を透過した結像光束は、結像光束光路上において「副走査方向に対して傾け」て配設された反射面部材19により反射され、反射面部材19の反射面に関して被走査面20と等価な面に配置された走査位置検出手段23の受光面位置に光スポットを形成し、走査位置を検出される。
【0118】
反射面部材19は、これを透明ガラスで構成して常時図示の位置に設置し、結像光束の一部を反射により走査位置検出手段23側へ分離するようにしても良いし、結像光束の光路に出入可能とし、走査位置検出を行うときにのみ図示の位置に設置するようにしてもよい。
【0119】
図7(a)、(b)に示したのは、偏向光束による光スポットを直接検出して、走査位置の検出を行う場合であるが、走査位置検出は、必ずしも光スポットの検出により行う必要はない。走査位置検出の別例を、図7(c)、(d)に示す。
【0120】
図7(c)において、符号25は「被走査面の実体」をなす光導電性の感光体を示している。走査位置は感光体25の感光面に対する光スポット位置であるから、画像形成プロセスにより走査線1ライン分を感光体25に書込み、得られる静電潜像を可視化して線状のトナー画像LTIを得ると、このトナー画像LTIは走査線を可視化したものとなっている。
【0121】
トナー画像LTIをランプ26で照射し、結像系27によりイメージセンサ28上に結像させて読取り、その結果に基づき走査線曲がりを検出できる。この場合、ランプ26、結像系27、イメージセンサ28が「走査位置検出手段」を構成する。
【0122】
図7(d)において、符号29は、中間転写媒体としての中間転写ベルトを示している。図7(c)の場合と同様にして感光体25上に形成した線状のトナー画像LTIを、転写手段30により中間転写ベルト29上に転写し、転写されたトナー画像LTIをランプ26で照射し、結像系27によりイメージセンサ28上に結像させて読取り、その結果に基づき走査線曲がりを検出する。この場合も、ランプ26、結像系27、イメージセンサ28が「走査位置検出手段」を構成する。
【0123】
図7(c)、(d)の場合とも、線状のトナー画像LTIは、検出後、図示されないクリーニング手段により感光体25、中間転写ベルト29から除去される。
【0124】
等速性の検出のために、主走査方向の走査位置検出を行うには、「副走査方向に適宜の長さとなる直線状の画像」を互いに平行となるようにして主走査方向に必要な本数だけ書込み、これを可視化する。各「副走査方向の直線」の間隔は、等間隔を理想とするように形成する。これら直線を可視化したものを、感光体上もしくは中間転写ベルト上で検出し、各直線間の間隔を調べることにより等速性を知ることができる。
【0125】
以上は、走査位置検出手段により走査位置を検出する場合であるが、走査位置検出手段を持たない場合には以下の如くにすれば良い。即ち、この場合には、上記の如くして形成したトナー画像を転写紙上に転写・定着し、転写紙上に得られた画像に基づき走査線曲がり(走査線の傾きを含む)、等速性を測定し、その結果に基づき、液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子における偏向量を決定する。
【0126】
図7(a)の例では、液晶偏向素子手段18を副走査方向に対して傾けることにより、結像光束の一部を走査位置検出手段23の方向へ向けて反射させているが、図6(a)に示すように、例えば、主走査液晶素子列において、液晶を封入するためのスペーサ3A、3Bの大きさを異ならせることにより、ガラス基板5a(透明電極や透明抵抗膜、配向膜が形成されている)とガラス基板5b(透明電極や配向膜が形成されている)とに角度を持たせ、ガラス基板5aの傾きにより「走査位置検出手段側へ反射される反射光束」を得るようにしてもよい。
【0127】
以上、図4に示す光走査装置を例にとって、液晶偏向素子手段による走査線曲がり・等速性の補正を説明した。
【0128】
図4に示す光走査装置において「走査結像光学系」をなすfθレンズ16は、2枚のレンズ161、162で構成されている。これらレンズ゛161、162は共に「樹脂製」であり、「樹脂製結像素子」である。レンズ161、162は共に主走査方向に長い短冊形の形状であるが、図4(b)に示すように、レンズ161は比較的長さが短く、レンズ肉厚も厚い。このレンズ161は、レンズ支持基板に副走査方向の片側面を強固に固定することにより、温度変化に伴う反りを実質的に抑えることができる。
【0129】
これに対し、レンズ162は主走査方向の長さが大きく、肉厚が比較的薄いため、温度変化による反りが顕著に発生し易い。
【0130】
図4に示されていないが、図4に示す光走査装置は「樹脂製結像素子における、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減する形状保持手段(請求項1)」として、レンズ162の副走査方向における形状を矯正保持する形状矯正手段(請求項4)を有している。
【0131】
以下、この形状矯正手段を説明する。
図8(a)は、レンズ162(図4には示されていないが、樹脂成形で形成され、成形の際の変形を防止するためにレンズ実質部分を囲繞するように樹脂による枠が形成されている)の形状矯正手段による保持状態を、レンズ162の光軸方向から見た図、同(b)は(a)の状態を上側(副走査方向)から見た図、(c)は(a)の状態を右側から見た図である。
【0132】
図8(a)において、符号1621で示す光学ハウジングには、位置決め用当接部1626、1627、係合部1628、1629が一体に設けられている。これら位置決め用当接部1626、1627、係合部1628、1629は光学ハウジング1621と一体となって、「形状矯正手段をなす1対の挟持手段の一方」をなしている。光学ハウジング1621には、主走査方向に3個の当接突起1623、1624、1625が、光学ハウジング1621の面から同一高さに形成されている。
【0133】
図8(a)において、符号1631は「形状矯正手段をなす1対の挟持手段の他方」を示している。挟持手段1631は、主走査方向に3個の当接突起1633、1634、1635が同一高さに形成され、その外側に係合部1638、1639が形成されている。
図8(a)に示す如く、レンズ162を光学ハウジング1621にセットする。このとき、レンズ162の長手方向両端部に形成された係合突起162A、162Bが位置決め用当接部1626、1627に当接係合し、これによりレンズ1612の光軸方向の位置決めがなされる。また、当接突起1623、1624、1625はレンズ162の副走査方向のレンズ端面に下方から当接する。
【0134】
この状態で、図8(a)に示す如く、レンズ162の上方に挟持手段1631を乗せ、係合部1638、1639を、挟持手段1621の係合部1628、1629と係合させて、ねじ1640、1641により締結する。このとき、挟持手段1631の係合突起1633、1634、1635は、レンズ162の副走査方向のレンズ端面に上方から当接する。
【0135】
また、図6(b)、(c)に示すように、挟持手段162の長手方向両端部には、板ばね1643、1644が螺子1645、1646により螺子留めされ、レンズ162の係合突起162A、162Bを位置決め用当接部1626、1627に押圧固定する。
【0136】
このようにして、樹脂製結像素子であるレンズ162が1対の挟持手段により固定的に挟持される。「形状矯正手段」をなす1対の挟持手段1621、1631は、複数の当接突起1623〜1625、1633〜1635を主走査方向に配列して有し、当接突起1623〜1625、1633〜1635を樹脂製結像素子162の副走査方向の両面に当接させて樹脂製結像素子162を挟持する(請求項5)。
【0137】
また、図示の如く、形状矯正手段をなす1対の挟持手段1621における当接突起1623〜1625は、挟持手段1631における当接突起1633〜1635と互いに対向的に対応する(請求項6)。
【0138】
樹脂製結像素子であるレンズ162は、上記の如くに形状矯正手段に固定的に保持されているので、温度変化が生じた場合に「副走査方向への反り」が有効に軽減される。
【0139】
図8に示す実施の形態においては、形状矯正手段をなす1対の挟持手段1621、1631は、挟持する樹脂製結像素子(レンズ162)の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材料(アルミダイカスト等)で構成されている(請求項8)ので、光走査装置に温度変化が生じても挟持手段の側には熱変形が実質的に生じない。従って、レンズ162の熱変形による副走査方向の反りは有効に防止される。
【0140】
図8に示す形状矯正手段は、レンズ162を機械的に上下(副走査方向)に挟み込む構成で、挟持手段1621、1631の当接突起を対称形状としているので、レンズ162の変形を矯正するとともに、レンズ162の副走査方向上側面と下側面の温度分布を揃えることが可能となり、温度変動による部分的な曲がりも有効に矯正できる。
【0141】
上には、1対の挟持手段の一方を光学ハウジングとしたが、形状矯正手段を線膨張係数の小さい材料で光学ハウジングと別体に構成し、樹脂製結像素子を挟持した状態で光学ハウジングに固定する構造としてもよい。
【0142】
図9には、形状保持手段の別例として、形状保持手段が、レンズ162(樹脂製結像素子)の副走査方向の両側面に接して設けられた断熱部材171、172である場合(請求項8)を示している。
【0143】
図9(a)は、レンズ162の保持状態を光軸方向から見た状態、同(b)は副走査方向の上側から見た状態である。符号1700で示す光学ハウジングに一体的に突設された支持部1701、1702の基部に、レンズ162の長手方向の両端部を支持させ、支持部1701、1702の当接部にレンズ両端の係合突起162A、162Bを当接させる。この状態で、板ばね1703、1704を図の如く係合させ、板ばね1703、1704を支持部1701、1702の頂部にねじ1705、1706で固定する。
【0144】
板ばね1703、1704は、レンズ両端の係合突起162A、162Bを支持部1701、1702の当接部に押圧すると共に、レンズ162の長手方向両端部を基部に押圧する。このようにして、レンズ162が固定的に保持される。
【0145】
断熱部材171、172は「市販されている断熱シール」であり、レンズ162の副走査方向の端面に略長手方向にわたって貼り付けられている。このようにすると、形状矯正手段を用いなくとも、光学ハウジング内の温度変動や不均一な温度分布によるレンズ162の反りを低減できる。
【0146】
レンズ162(全長:250mm)の近傍において、温度分布が不均一になったときのレンズ162の「反りの状態」を調べるために、以下の如き実験をおこなった。即ち、断熱部材171、172を張り付けることなく、図9のように保持されたレンズ162(ただし、板ばねによる固定は行っていない)を25℃に設定した恒温槽にセットし、レンズ162の副走査方向の上方から温風を吹き付けることにより、槽内の温度を45℃まで変化させた。
【0147】
この結果、レンズ162の副走査方向の上下に温度差が発生し、レンズ162に「副走査方向への弓なりの反り」を生じた。このとき、レンズの長手方向の中央部をH=0とし、H=0、H=±100mmの位置における「反りの量」の時間的変化を示したのが、図10(a)である。この図において、縦軸の変位xとあるのは「反りによる浮き上がり量」である。
【0148】
この図から、レンズ162の副走査方向の温度差により急激に変形が発生し、時間の経過と共に内部温度が均一化すると略もとの形状に戻ることが分かる。このような反りが発生すると、極めて大きな走査線曲がりが発生し、液晶偏向素子手段による補正をもってしても、十分な補正が難しくなる。
【0149】
同じ実験を、レンズ162の副走査方向のレンズ端面に断熱手段171、172を図9のように貼り付けて行ったところ、レンズ長手方向の中央部:H=0と、H=±100mmの位置における「反りの量」の時間的変化は図10(b)の如くになった。
【0150】
この図から、温度変化に拘わらず、レンズ162の反りが有効に抑制されていることが分かる。このような軽微な反りでは、走査線曲がりの変化も少なく、液晶偏向素子手段により十分に補正が可能である。
【0151】
図11(a)は、光走査装置の実施の別形態を説明図的に示している。この光走査装置は、光源から複数光束が放射され、被走査面が2以上の光スポットで光走査されるマルチビーム方式の光走査装置である。
【0152】
光源装置40は、半導体レーザによる光源401、402と、カップリングレンズ403、404とを有している。光源401、402から放射された各光束は、それぞれカップリングレンズ403、404によりカップリングされ、平行光束(あるいは弱い発散性もしくは弱い収束性の光束)となり、シリンドリカルレンズ42により副走査方向に集束され、ポリゴンミラー44の偏向反射面近傍に、互いに副走査方向に分離した「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0153】
ポリゴンミラー44が等速回転すると、各光束は等角速度的に偏向する偏向光束となって液晶偏向素子手段48を透過し、fθレンズ46を構成するレンズ461、462を順次透過し、光路折曲げミラー47により光路を折曲げられ、被走査面の実体を成す光導電性の感光体50(矢印方向に等速回転する)の感光面上に、副走査方向に互いに分離した光スポットを形成し、感光体50を2走査線同時に光走査する。
【0154】
偏向光束の一方は、光走査領域へ向う途上で光センサ49により検出され、光センサ49の出力に基づき各光スポットの光走査開始の同期が取られる。
【0155】
図11に示されていないが、fθレンズ46を構成する2枚のレンズのうち、主走査方向に長いレンズ462は、上に説明したのと同様の「形状保持手段」により「副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減」される。
【0156】
図11(c)に示すように、光源401、402からの各光束FL1、FL2は、副走査方向(図面に直交する方向)から見て、ポリゴンミラーの偏向反射面441の部分で「主走査方向に交叉する」ように設定されている。
【0157】
このようにすると、被走査面50上で(主走査方向に)同一位置に結像する光束はレンズ461、462の同一部分を通るため、各光束FL1、FL2に関する等速性が同一のものとなる。また、各光束FL1、FL2がレンズ461、462において「光軸に関して副走査方向において同じ側」を通るようにすることにより、被走査面50上における各走査線の走査線曲がりは「実質的に同じ」になる。
【0158】
従って、液晶偏向素子手段48により、主・副走査方向の偏向量を調整することにより、走査線曲がり・等速性を2光束同時に補正し、光束FL1、FL2によるマルチビーム走査を良好に行うことができる。
【0159】
光源401、402からの光束FL1、FL2が、図8(b)のように「偏向反射面441の部分で主走査方向に交叉しない」と、被走査面50上で同一位置に結像する光束がレンズ461、462の同一部分を通らないため、等速性や走査線曲がりが、光束FL1とFL2で同一にならず、従って、単一の液晶偏向素子手段48によっては、各光束について等速性や走査線曲がりを補正することはできない。
【0160】
なお、この実施の形態において、液晶偏向素子手段48はポリゴンミラー44とレンズ461との間に配備されるので、前述したところに従い、ある程度、偏向反射面から離れた位置に配置することにより、偏向角の大きい部分における液晶偏向素子の配列ピッチが余り小さくならないようにする。
【0161】
図12は画像形成装置の実施の1形態を示している。この画像形成装置はモノクロームのレーザプリンタであり、感光媒体が光導電性の感光体で、光走査により形成される静電線像を可視化して得られるトナー画像を、シート状の記録媒体に転写・定着する。
【0162】
レーザプリンタ100は、感光媒体111として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。感光体111の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては帯電ローラ112に代えて「コロナチャージャや帯電ブラシ」を用いることもでき、転写ローラ114に代えて「コロナ放電式の転写手段」を用いることもできる。
【0163】
レーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。さらに、符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイ、符号Pは「シート状記録媒体」としての転写紙を示している。
【0164】
画像形成プロセスが実行されるとき、光導電性の感光体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、感光体111上にトナー画像が形成される。
【0165】
転写紙Pを収納したカセット118は、画像形成装置100本体に脱着可能で図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対119に捉えられる。
【0166】
レジストローラ対119は、感光体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置116へ送られ、定着装置116においてトナー画像を定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写された後の感光体111の表面は、クリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
【0167】
光走査装置117は、図4あるいは図11に即して説明したものであり、液晶偏向素子手段を有し、被走査面(感光体111)上における光スポットの位置を主走査方向および/または副走査方向に補正的に調整しつつ、光走査による画像書込みを行う。このようにして走査線曲がりや走査線の傾き、さらには等速性が有効に補正され、極めて良好な画像書込みが実現し、歪みのない良好なモノクローム画像を形成することができる。
【0168】
図13は、画像形成装置の実施の別形態を示している。
この画像形成装置は、光導電性の感光体を感光媒体とし、カラー画像を形成するためのものである。形成されるべきカラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色の成分画像を形成し、これら成分画像を同一のシート状記録媒体上で重ね合せることにより得られる。
【0169】
この種のカラー画像形成装置の基本的な構成は従来から公知であるので、図11には、発明の説明に必要な部分のみを示した。
符号211Y、211Mは光源装置であって、半導体レーザを光源とし、各々平行光束化したレーザ光束を放射する。
【0170】
光源装置211Yはイエロー成分画像を書込むためのものである。
光源装置211Yの発光部をイエロー成分画像の画像情報で駆動すると、イエロー成分画像情報で強度変調された平行光束が放射される。この光束はシリンドリカルレンズ212Yで副走査方向にのみ集光され、ポリゴンミラー215Bの偏向反射面位置に「主走査方向に長い線像」として集光する。
【0171】
ポリゴンミラー215Bの偏向反射面により反射された光束は偏向光束となって走査結像光学系であるfθレンズを構成するレンズ216A2、216B2を透過し、光路折曲げミラー218Y、219Yに順次反射され、fθレンズの作用により、光導電性の感光体220Y上に光スポットを形成する。
【0172】
この光スポットは、ポリゴンミラー215Bの等速回転に伴い、被走査面の実体をなす感光体220Yを光走査する。このとき光スポットの移動速さはfθレンズの作用により等速化される。
【0173】
感光体220Yは円筒状に形成され、光走査に先だって周面を均一帯電されて矢印方向へ等速回転する。感光体220Yの等速回転に伴い副走査が行われ、感光体220Yにイエロー成分画像に対する「イエロー潜像」が静電潜像として形成される。
【0174】
光源装置211Mはマゼンタ成分画像を書きこむためのものである。
光源装置211Mの発光部をマゼンタ成分画像の画像情報で駆動すると、マゼンタ成分画像情報で強度変調された平行光束が放射される。この光束はミラー210により反射され、シリンドリカルレンズ212Mで副走査方向にのみ集光され、ポリゴンミラー215A(ポリゴンミラー215Bと同じもので、ポリゴンミラー215Bと共通の軸に設けられ、ポリゴンミラー215Bと一体となって回転される。ポリゴンミラー215A、215Bとこれらを回転駆動するモータは「光偏向走査手段215」を構成する)の偏向反射面位置に「主走査方向に長い線像」として集光する。
【0175】
ポリゴンミラー215Aの偏向反射面により反射された光束は偏向光束となって、走査結像光学系であるfθレンズを構成するレンズ216A1、216B1を透過し、光路折曲げミラー218M、219M、219M2に順次反射され、fθレンズの作用により、光導電性の感光体220M上に光スポットを形成する。この光スポットは、ポリゴンミラー215Aの等速回転に伴ない被走査面の実体をなす感光体220Mを光走査する。このとき光スポットの移動速さはfθレンズの作用により等速化される。感光体220Mは円筒状に形成され、光走査に先だって周面を均一帯電されて矢印方向へ等速回転する。感光体220Mのこの回転により副走査が行われ、感光体220Mにマゼンタ成分画像に対する「マゼンタ潜像」が静電潜像として形成される。
【0176】
ポリゴンミラー215A、215Bの回転軸を通り、主走査方向に平行な平面を対称面として、図13に示された光学配置を略鏡面対称とするように、シアン成分画像・黒成分画像形成用の光学系と感光体が配置されており、上記と同様にして、各感光体上にシアン潜像、黒潜像が静電潜像として形成される。
【0177】
このようにして各感光体に形成されたイエロー潜像・マゼンタ潜像・シアン潜像・黒潜像はそれぞれ、図示されない現像装置により現像され、イエロー・マゼンタ・シアン・黒のトナー画像となる。各色トナー画像は、図示されない同一のシート状記録媒体(例えば転写紙)上に互いに位置合わせして重ね合せられるように転写されて「カラー画像」となり、図示されない定着装置によりシート状記録媒体に定着される。カラー画像を定着されたシート状記録媒体は画像形成装置外へ排出される。
【0178】
上記各色トナー画像のシート状記録媒体への転写は「公知の種々の方法」で行うことができる。例えば、特開2001−228416号公報の図1に示された例のように、感光体220Y、220M、220C、220K(感光体220C、220Kは図13に図示されていない)に接するように「無端ベルト状の中間転写ベルト」を設け、中間転写ベルトの内周面側において、各感光体に対応する部分に転写手段(転写チャージャ等)を設け、中間転写ベルトを定速回転させつつ、各感光体に対応する部位において、対応する転写手段の作用によりトナー画像を順次、互いに重なり合うように転写して転写ベルト上にカラー画像を得、転写ベルト上からシート状記録媒体へ転写するようにできる。
【0179】
あるいは、上記転写ベルトに変えて「無端ベルト状の搬送ベルト」を、感光体220Y〜220K(感光体220C、220Kは図13に図示されていない)に接するように設け、搬送ベルトの内周面側において、各感光体に対応する部分に転写チャージャ等の転写手段を設け、搬送ベルトに支持させたシート状記録媒体をして順次の転写部を通過せしめ、各感光体に対応する転写部において、対応する転写手段の作用によりトナー画像を順次、互いに重なり合うように転写するようにもできる。
【0180】
図の繁雑を避けるため、図13には図示されていないが、ポリゴンミラー215A、215Bから各感光体220Y等に至る光路中には、上に説明した如き各種の「液晶偏向素子手段」が、例えば、最後の折返しミラーと感光体との間に配置されて走査線曲がりおよび/または等速性を補正するようになっている。
【0181】
また、fθレンズを構成するレンズのうち、樹脂製結像素子である長尺のレンズ(レンズ216Y等)は、上に説明した如き形状保持手段により副走査方向の形状を保持されるようになっている。
【0182】
図4、図11、図13に示した光走査装置は、1以上の光源からの光束を光偏向走査手段14、44、215により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光学系16、46等により、光源に応じた被走査面20、50、220Y等に向けて集光させ、被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置において、走査結像光学系が含む樹脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減する形状保持手段と、光偏向走査手段から被走査面に至る光路上に設けられ、被走査面上における光スポットの位置を主走査方向および/または副走査方向に調整するための液晶偏向素子手段18と、液晶偏向素子手段を制御する制御手段22とを有する(請求項1)。
【0183】
図5に即して説明したように、液晶偏向素子手段18等は、独立して制御可能な液晶偏向素子Liを複数個、主走査方向へ配列して有し、光偏向走査手段から1以上の被走査面に至る光路中に配置され、光走査に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方向の調整偏向量を液晶偏向素子ごとに制御することにより、被走査面上における光スポット位置を補正的に調整するもの(請求項1)であり、副走査方向を偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる副走査液晶偏向素子列として構成することもできるし(請求項2)、主走査方向を偏向方向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列した主走査液晶偏向素子列を単独で、もしくは副走査液晶偏向素子列とともに有することもできる(請求項3)。
【0184】
図8に即して説明した形状保持手段は、樹脂製結像素子162の副走査方向における形状を矯正保持する形状矯正手段であって(請求項4)、複数の当接突起1623〜1625、1633〜1635を主走査方向に配列して有する1対の挟持手段であり、当接突起を樹脂製結像素子162の副走査方向に両面に当接させて樹脂製結像素子を挟持するものであり(請求項5)、1対の挟持手段における当接突起1623〜1625、1633〜1635が、互いに対向的に対応するものであり(請求項6)、1対の挟持手段は「挟持する樹脂製結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材料」で構成されている(請求項7)。
【0185】
図9に即して説明した形状保持手段は、樹脂製結像素子162の副走査方向の両側面に接して設けられた断熱部材171、172である(請求項8)。
【0186】
また、図8、図9の実施の形態とも、形状保持手段は、主走査方向に最も長い樹脂製結像素子(レンズ162)に用いられている(請求項9)。
【0187】
また、図11に示した光走査装置は「光源40が複数の発光源401、402を有し、被走査面50の光走査がマルチビーム走査方式で行われる」ものである(請求項10)。
【0188】
また、図13に即して説明した光走査装置は、光源211Y、211M..等が複数で、各光源から各光源に対応する被走査面220Y、220M..に至る光路を構成する走査光学系216A1、216B1、216A2、216B2等が、各光源からの光束が形成する光スポットによる走査線を、実質的に互いに平行とするように構成されている。
【0189】
図12、図13に示された画像形成装置は、感光媒体111、220Y、220M等に光走査を行って、画像形成を行う画像形成装置において、感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜11の任意の1に記載のものを用い得るものである(請求項12)。
【0190】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な光走査装置および画像形成装置を実現できる。この発明の光走査装置は、走査結像光学系に含まれる樹脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状変化が形状保持手段により防止若しくは軽減されるので、上記形状変化に伴う走査線曲がりや等速特性の変化抑制され、走査線曲がりや等速性が変化しても、液晶偏向素子手段により容易且つ確実に補正を行うことができ、従って良好な光走査を実現できる。
【0191】
従って、かかる光走査装置を用いる画像形成装置では、画像の歪みや色ずれ等を有効に抑制して良好な画像形成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶偏向素子の1例を説明するための図である。
【図2】液晶偏向素子の別例を説明するための図である。
【図3】液晶偏向素子の他の例を説明するための図である。
【図4】光走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図5】液晶偏向素子手段による走査線曲がりの補正を説明するための図である。
【図6】液晶偏向素子手段の別例を説明するための図である。
【図7】走査位置検出手段による走査位置検出を説明するための図である。
【図8】形状保持手段の実施の1形態を説明するための図である。
【図9】形状保持手段の実施の別形態を説明するための図である。
【図10】図9の形状保持手段を用いる効果を説明するための図である。
【図11】光走査装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図12】画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図13】画像形成装置の実施の別形態を説明に必要な部分のみ示す図である。
【符号の説明】
1623〜1625 形状保持手段をなす1対の挟持手段の一方における当接突起
1633〜1635 形状保持手段をなす1対の挟持手段の他方における当接突起

Claims (12)

  1. 1以上の光源からの光束を光偏向走査手段により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光学系により、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、上記被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置において、
    走査結像光学系が含む樹脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減する形状保持手段と、
    光偏向走査手段から1以上の被走査面に至る光路上に設けられ、上記被走査面上における光スポットの位置を主走査方向および/または副走査方向に調整するための液晶偏向素子手段と、
    この液晶偏向素子手段を制御する制御手段とを有し、
    上記液晶偏向素子手段が、独立して制御可能な液晶偏向素子を複数個、主走査方向へ配列してなり、
    上記制御手段が、光走査に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方向の調整偏向量を、上記液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子に対応する担当補正領域ごとに独立に制御することにより、被走査面上における光スポット位置を補正的に調整するものであることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    液晶偏向素子手段が、副走査方向を偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる副走査液晶偏向素子列として構成されていることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1記載の光走査装置において、
    液晶偏向素子手段が、主走査方向を偏向方向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列した主走査液晶偏向素子列を単独で、もしくは請求項2記載の副走査液晶偏向素子列とともに有することを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置において、
    形状保持手段が、樹脂製結像素子の副走査方向における形状を矯正保持する形状矯正手段であることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4記載の光走査装置において、
    形状矯正手段が、複数の当接突起を主走査方向に配列して有する1対の挟持手段であり、上記当接突起を樹脂製結像素子の副走査方向の両面に当接させて上記樹脂製結像素子を挟持することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項5記載の光走査装置において、
    形状矯正手段をなす1対の挟持手段における当接突起が、互いに対向的に対応することを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項5または6記載の光走査装置において、
    形状矯正手段をなす1対の挟持手段が、挟持する樹脂製結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材料で構成されていることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置において、
    形状保持手段が、樹脂製結像素子の副走査方向の両側面に接して設けられた断熱部材であることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項4〜8の任意の1に記載の光走査装置において、
    形状保持手段が、主走査方向に最も長い樹脂製結像素子に用いられることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置において、
    光源が複数の発光源を有し、被走査面の光走査がマルチビーム走査方式で行われることを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項1〜10の任意の1に記載の光走査装置において、
    光源が複数で、各光源から各光源に対応する被走査面に至る光路を構成する走査光学系が、各光源からの光束が形成する光スポットによる走査線を、実質的に互いに平行とするように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  12. 感光媒体に光走査を行って、画像形成を行う画像形成装置において、感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜11の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする画像形成装置。
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