JP2003241129A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および画像形成装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査結像光学系に含まれる樹脂製結像素子の、
温度変化に起因する変形を有効に抑制し、走査線曲がり
および/または等速性の補正を可能にする。 【解決手段】1以上の光源からの光束を光偏向走査手段
により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光
学系により、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、
上記被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光
走査装置において、走査結像光学系が含む樹脂製結像素
子の1以上における、副走査方向の形状変化を防止若し
くは軽減する形状保持手段1621、1631と、光源
から被走査面に至る光路上に設けられ、被走査面上にお
ける光スポットの位置を主走査方向および/または副走
査方向に調整するための液晶偏向素子手段と、この液晶
偏向素子手段を制御する制御手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査装置および
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光源側からの光束を、回転多面鏡等の
「光偏向走査手段」により偏向させ、偏向される光束を
fθレンズ等の「走査結像光学系」により被走査面に向
けて集光させることにより、被走査面上に光スポットを
形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光
走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機
等の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】光走査装置を用いる画像形成装置では一般
に「光走査により画像の書込みを行う画像書込工程を含
む画像形成プロセス」が実行されるが、形成される画像
の良否は光走査の良否にかかっている。光走査の良否
は、光走査装置の「主走査方向や副走査方向の走査特
性」に依存する。
【0004】主走査方向の走査特性としては例えば、光
走査の等速性がある。例えば、光偏向走査手段として回
転多面鏡を用いる場合、光束の偏向は等角速度的に行わ
れるので、光走査の等速性を実現するために、走査結像
光学系としてfθ特性を持つものを用いている。しかし
ながら、走査結像光学系に要請される他の性能との関係
もあって、完全なfθ特性を実現することは容易でな
い。このため、現実の光走査においては、光走査が完全
に等速的に行われることは無く、走査特性としての等速
性は「理想の等速走査からのずれ」を伴っている。
【0005】副走査方向の走査特性には「走査線曲が
り」や「走査線の傾き」がある。走査線は「被走査面上
における光スポットの移動軌跡」で、直線であることが
理想であり、光走査装置の設計も走査線が直線となるよ
うに行われるが、実際には、加工誤差や組立誤差等が原
因して走査線に曲がりが発生するのが普通である。
【0006】また、走査結像光学系として「結像ミラ
ー」を用い、偏向光束の、結像ミラーへの入射方向と反
射方向との間に、副走査方向で角度を持たせる場合に
は、原理的に走査線の曲がりが発生するし、走査結像光
学系をレンズ系として構成する場合でも、被走査面を
「副走査方向に分離した複数の光スポットで光走査」す
るマルチビーム走査方式では走査線の曲がりが不可避的
である。
【0007】「走査線の傾き」は、走査線が副走査方向
に対して正しく直交しない現象で、走査線曲がりの1種
である。従って、以下の説明においては特に断らない限
り、「走査線の傾き」は走査線曲がりに含めて説明す
る。
【0008】光走査の等速性が完全でないと、形成され
た画像に主走査方向の歪みが生じ、走査線曲がりは、形
成された画像に副走査方向の歪みを生じさせる。画像が
所謂モノクロで、単一の光走査装置により書込み形成さ
れる場合は、走査線曲がりや等速性の不完全さ(理想の
等速走査からのずれ)がある程度抑えられていれば、形
成された画像に「目視で分かるほどの歪み」は生じない
が、それでも、このような画像の歪みは少ないに越した
ことは無い。
【0009】マゼンタ・シアン・イエローの3色、ある
いはこれに黒を加えた4色の画像を色成分画像として形
成し、これらの色成分画像を重ね合せることにより合成
的にカラー画像を形成することは、従来から、カラー複
写機等で行われている。
【0010】このようなカラー画像形成を行うのに、各
色の成分画像を異なる光走査装置で異なる感光体に形成
する所謂「タンデム型」と呼ばれる画像形成方式がある
が、このような画像形成方式の場合、光走査装置相互で
「走査線の曲がり具合や傾きが異なる」と、各光走査装
置ごとの走査線曲がりが一応補正されていたとしても、
形成されたカラー画像に「色ずれ」と呼ばれる画像異常
が現われて、カラー画像の画質を劣化させる。
【0011】また、色ずれ現象の現われ方として、カラ
ー画像における色合いが所望のものにならないという現
象がある。近来、走査特性の向上を目して、光走査装置
の結像光学系に、非球面に代表される特殊な面を採用す
ることが一般化しており、このような特殊な面を容易に
形成でき、なおかつコストも安価な「樹脂材料の結像光
学系」が多用されている。
【0012】樹脂材料の結像光学系は、温度や湿度の変
化の影響を受けて光学特性が変化しやすく、このような
光学特性の変化は「走査線の曲がり具合や等速性」をも
変化させる。そうすると、例えば、数十枚のカラー画像
の形成を連続して行う場合に、画像形成装置の連続運転
により機内温度が上昇し、結像光学系の光学特性が変化
して、各光走査装置の書込む走査線の曲がり具合や等速
性が次第に変化し、色ずれの現象により、初期に得られ
たカラー画像と、終期に得られたカラー画像とで色合い
が全く異なるものになることがある。
【0013】走査結像光学系として代表的なfθレンズ
等の走査結像レンズは一般に、副走査方向におけるレン
ズ不用部分(偏向光束が入射しない部分)をカットし、
主走査方向に長い短冊形レンズとして形成される。走査
結像レンズが複数枚のレンズで構成される場合、配設位
置が光偏向走査手段から離れるレンズほど、主走査方向
のレンズ長さが大きくなり、10数センチ〜20センチ
以上にもなる所謂「長尺レンズ」となる。
【0014】このような長尺レンズは一般に樹脂材料を
用いて樹脂成形で形成されるが、外界の温度変化により
レンズ内の温度分布が不均一になると、反りを生じてレ
ンズが副走査方向に「弓なり」になる。このような長尺
レンズの反りは前述した「走査線曲がり」の原因となる
が、反りが著しい場合には、走査線曲がりも極端に発生
する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑み、走査結像光学系に含まれる樹脂製結像素子
の、温度変化に起因する変形を有効に抑制し、なおか
つ、走査線曲がりおよび/または等速性の補正を可能な
らしむることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査装置は
「1以上の光源からの光束を光偏向走査手段により偏向
させ、偏向された光束を1以上の走査結像光学系によ
り、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、被走査面
上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置」で
あって、形状保持手段と、液晶偏向素子手段と、制御手
段とを有する(請求項1)。
【0017】「形状保持手段」は、走査結像光学系が含
む樹脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状
変化を防止若しくは軽減する手段である。「液晶偏向素
子手段」は、光源から被走査面に至る光路上に設けら
れ、被走査面上における光スポットの位置を主走査方向
および/または副走査方向に調整する。「制御手段」
は、液晶偏向素子手段を制御する手段であり、CPUや
マイクロコンピュータ等として構成できる。
【0018】若干説明を補足する。「光偏向走査手段」
は、光源側からの光束を光走査のために偏向させる手段
であり、ポリゴンミラーを回転させる回転多面鏡を始め
とし、ピラミダルミラーやホゾ型ミラー等の回転1面鏡
や、回転2面鏡あるいはガルバノミラー等、従来から知
られた各種のものを用いることができる。
【0019】「走査結像光学系」は、光偏向走査手段に
より偏向された光束を被走査面に向けて集光させ、被走
査面上に光スポットを形成するための光学系であり、f
θレンズ等の「レンズ系」として構成することも、fθ
ミラー等の「結像ミラー系」として構成することもでき
るし、「レンズ系とミラー系の複合系」として構成する
こともできる。
【0020】上述の如く、走査結像光学系は「樹脂製結
像素子」を含む。樹脂製結像素子は走査結像光学系の一
部を構成しても良いし、走査結像光学系全体が樹脂製結
像素子で構成されていてもよい。勿論、単一の樹脂製結
像素子が「走査結像光学系自体」を構成することもでき
る。
【0021】走査結像光学系は、光スポットによる光走
査を等速化する「等速化機能」を有する。即ち、例え
ば、光偏向走査手段による光束の偏向が、等角速度的で
ある場合には、走査結像光学系として「光スポットによ
る走査を等速化するためにfθ機能を有するもの」が用
いられる。この場合は、「fθ特性」が「光走査の等速
性」である。
【0022】「液晶偏向素子」は、光束を透過させてい
る状態において、電気的あるいは磁気的な信号で駆動す
ることにより、透過光束の向きを変化させることができ
る光学素子である。液晶偏向素子の作用により透過光束
の向きが変化する方向を「偏向方向」と呼ぶ。液晶偏向
素子については後述する。
【0023】請求項1記載の光走査装置において、液晶
偏向素子手段を「独立して制御可能な液晶偏向素子を複
数個、主走査方向へ配列したもの」とし、これを光偏向
走査手段から1以上の被走査面に至る光路中に配置し、
光走査に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方
向の調整偏向量を液晶偏向素子ごとに制御することによ
り、被走査面上における光スポット位置を補正的に調整
することができる(請求項2)。
【0024】「光スポット位置を補正的に調整する」と
は、被走査面上における光スポットの位置を、各像高ご
とに「理想の位置」に合致させあるいは近づけるように
調整することを意味し、そのための偏向量が上記「調整
偏向量」である。
【0025】上記請求項2記載の光走査装置において用
いられる液晶偏向素子手段は「副走査方向を偏向方向と
する副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列し
てなる副走査液晶偏向素子列」として構成することがで
きる(請求項3)。液晶偏向素子手段として副走査液晶
偏向素子列を用いることにより、走査線曲がり(前述の
「走査線の傾き」を含む。)を補正することができる。
【0026】上記請求項2記載の光走査装置において用
いられる液晶偏向素子手段は「主走査方向を偏向方向と
する主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列し
た主走査液晶偏向素子列を単独で、もしくは請求項3記
載の副走査液晶偏向素子列とともに有する」ことができ
る(請求項4)。
【0027】なお、請求項2記載の光走査装置において
は、主走査液晶偏向素子および/または副走査液晶偏向
素子を液晶偏向素子手段として、光源と光偏向走査手段
との間に配置し、光スポットの像高ごとの位置を調整す
るようにしてもよい。
【0028】液晶偏向素子手段が「主走査液晶偏向素子
列を単独」で有する場合には、個々の液晶偏向素子が
「主走査液晶偏向素子」で、主走査液晶偏向素子列を用
いることにより、光走査の等速性を補正できる。また、
液晶偏向素子手段が「主走査液晶偏向素子列と副走査液
晶偏向素子列」を有する場合は、走査線曲がりと光走査
の等速性を補正できる。主走査液晶偏向素子列と副走査
液晶偏向素子列を用いる場合、これらを1体として設け
ても良いし、各々を別の位置に設けるようにしても良
い。
【0029】上記請求項1〜4の任意の1に記載の光走
査装置において用いられる「形状保持手段」は、これを
「樹脂製結像素子の副走査方向における形状を矯正保持
する形状矯正手段」とすることができる(請求項5)。
【0030】この請求項5記載の光走査装置における形
状矯正手段を「複数の当接突起を主走査方向に配列して
有する1対の挟持手段」とし、当接突起を樹脂製結像素
子の副走査方向に両面に当接させて樹脂製結像素子を挟
持するようにできる(請求項6)。この場合、形状矯正
手段をなす1対の挟持手段における当接突起を「互いに
対向的に対応」させることができる(請求項7)。
【0031】挟持手段における当接突起の配列は、一方
の挟持手段における当接突起の配列に対して、他方の挟
持手段における当接突起の配列を「位相をずらした」配
列としても良い。当接突起の配列は等間隔でも不等間隔
でもよい。
【0032】請求項6または7記載の光走査装置におけ
る「形状矯正手段をなす1対の挟持手段」は、挟持する
樹脂製結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を
もつ材料で構成されていることが好ましい(請求項
8)。
【0033】上記請求項1〜4の任意の1に記載の光走
査装置において用いられる形状保持手段はまた、「樹脂
製結像素子の副走査方向の両側面に接して設けられた断
熱部材」であることができる(請求項9)。
【0034】上記請求項5〜9の任意の1に記載の光走
査装置において、形状保持手段は全ての樹脂製結像素子
に用いることができることは言うまでも無いが、「主走
査方向に最も長い樹脂製結像素子」に用いるのがよい
(請求項10)。主走査方向に最も長い樹脂製結像素子
は、例えば前述の「長尺レンズ」であり、このような結
像素子の副走査方向における形状を矯正保持することに
より、この樹脂製結像素子の反りに起因する走査線曲が
りを有効に抑制でき、液晶偏向素子手段により、走査線
曲がりの補正を容易且つ確実に行うことができる。
【0035】このようにせず「長尺の樹脂製結像素子の
反り」を許してしまうと、それに起因して発生する「大
きな走査線曲がり」を補正するための、液晶偏向素子手
段の調整偏向量が大きくなり、液晶偏向素子手段に要求
される偏向能力が厳しくなって、設計自由度が制限され
てしまう。
【0036】上記請求項1〜10の任意の1に記載の光
走査装置は、勿論シングルビーム方式の光走査を行うよ
うにしてもよいが、光源として例えば半導体レーザアレ
イや公知のビーム合成式のものを用いて「光源が複数の
発光源を有する」ようにし、被走査面の光走査をマルチ
ビーム走査方式で行うようにできる(請求項11)。
【0037】請求項1〜11の任意の1に記載の光走査
装置は1以上の光源を有しているが、光源が複数である
場合、各光源から各光源に対応する被走査面に至る光路
を構成する走査光学系を「各光源からの光束が形成する
光スポットによる走査線を、実質的に互いに平行とす
る」ように構成することができる(請求項12)。
【0038】この発明の画像形成装置は「感光媒体に光
走査を行って画像形成を行う画像形成装置」であって、
感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜
12の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする
(請求項13)。
【0039】感光媒体としては種々のものが可能であ
る。例えば、感光媒体として「銀塩フィルム」を用いる
ことができる。この場合、光走査による書込みで潜像が
形成されるが、この潜像は通常の銀塩写真プロセスによ
る処理で可視化することができる。このような画像形成
装置は「光製版装置」や、CTスキャン画像等を描画す
る「光描画装置」として実施できる。
【0040】感光媒体としてはまた、光走査の際に光ス
ポットの熱エネルギにより発色する発色媒体を用いるこ
ともでき、この場合には、光走査により直接に可視画像
を形成できる。
【0041】請求項13記載の画像形成装置はまた、
「光導電性の感光体」を感光媒体として用いることがで
きる。光導電性の感光体としては、酸化亜鉛紙のように
シート状のものを用いることもできるし、セレン感光体
や有機光半導体等「ドラム状あるいはベルト状で繰り返
し使用されるもの」を用いることができる。
【0042】光導電性の感光体を感光媒体として用いる
場合には、感光体の均一帯電と、光走査装置による光走
査により静電潜像が形成される。静電潜像は現像により
トナー画像として可視化される。トナー画像は、感光媒
体が酸化亜鉛紙のようにシート状のものである場合は感
光媒体上に直接的に定着され、感光媒体が繰り返し使用
可能なものである場合には、転写紙やOHPシート(オ
ーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等の
シート状記録媒体に転写・定着される。
【0043】光導電性の感光体からシート状記録媒体へ
のトナー画像の転写は、感光体からシート状記録媒体へ
直接的に転写(直接転写方式)しても良いし、感光体か
ら一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、
この中間転写媒体からシート状記録媒体へ転写(中間転
写方式)するようにしてもよい。このような画像形成装
置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等とし
て実施できる。
【0044】画像形成装置の光走査装置として請求項1
2記載のものを用いる場合、各光源からの光束により光
走査すべき被走査面の実体を成す「3もしくは4個の光
導電性の感光体」を互いに並列に配置した構成とし、周
知の「タンデム式のカラー画像形成装置」として実施す
ることができる。
【0045】この発明の画像形成装置はまた、1以上の
光スポットの走査位置を「走査位置検出手段」で検出
し、検出結果に応じ、対応する液晶偏向素子手段の各液
晶偏向素子における偏向量を決定する構成とすることが
できる。この場合、「走査位置検出手段」は光走査装置
内に配設することもできるし、画像形成装置内における
光走査装置とは異なる位置に配設することもできる。
【0046】ここで「液晶偏向素子」について簡単に説
明する。前述の如く、液晶偏向素子は、電気的な信号で
駆動されるものと、磁気的な信号で駆動されるものとが
知られているが、以下では、電気的な信号で駆動される
ものを例にとって説明する。
【0047】電気的な信号による駆動で光束を偏向させ
る液晶偏向素子は、大別すると、電気信号により「屈折
率を変化させる」ものと、電気信号により「回折作用を
起こさせる」ものとの2種に分けられる。
【0048】まず、屈折率の変化を利用する液晶偏向素
子につき説明すると、この種のものは、例えば、特開昭
63−240533号公報に記載されている。1例を示
すと図1の如くである。
【0049】図1(b)において、液晶1は「誘電異方
性が正のネマチック液晶」で、スペーサ3により所定間
隙に保たれた1対の透明配向膜2A、2B間に薄層状に
密封されている。符号1Aで示す液晶分子は「分子軸方
向に長い形状」である。配向膜2Aは、液晶分子1Aの
分子軸が配向膜表面に対して直交方向となるように配向
処理され、配向膜2Bは、液晶分子1Aの分子軸が配向
膜表面に対して平行方向となるように配向処理されてい
る。
【0050】配向膜2Aの外側にはZnO等による透明
な電気抵抗膜4が形成されている。透明な電気抵抗膜
4、配向膜2A、2Bおよび液晶1は、図1(b)に示
す如く1対の透明なガラス基板5A、5Bにより挟持さ
れている。ガラス基板5Bの配向膜2B側の面にはIT
O等による透明な電極膜6が一面に形成されている。
【0051】一方、ガラス基板5Aの配向膜2A側の面
には、図1(a)に示すようなパターンの電極7A、7
Bが形成され、これら電極7A、7Bは(b)に示す如
く、電気抵抗膜4に接している。
【0052】電極7A、7Bは、これらが「光束の透過
領域にかかる場合」にはITO等により透明電極として
形成されるが、電極7A、7Bが光束の透過領域にかか
らなければ(電極7A、7Bが光束を遮らなければ)金
属薄膜等により不透明な電極として形成することもでき
る。図1の例では、電極7A、7Bは透明電極として形
成されている。
【0053】図1(b)の状態において、電極膜6と電
極7Bを接地し、図1(a)に示す電極7A、7Bの端
子A、B間に電圧:Vを印加すると、電気抵抗膜4の電
位は、電極7Aの側から電極7Bの側へ直線的に低下す
る。このため、電気抵抗膜4と透明な電極膜6との間に
は「図1(b)の上方から下方へ向て直線的に減少する
電界(向きは図の左右方向を向いている)」が作用す
る。
【0054】この電界は液晶1に作用し、液晶分子1A
を「その分子軸が電界に平行になるよう」に回転させ
る。液晶分子1Aの回転角は「電界の強さに直線的に比
例」するので、上記電界が作用すると、電極7Aの側で
は液晶分子1Aの分子軸は電界の方向(図の左右方向)に
より近くなるが、電極7Bの側では電界が実質的に0で
あるので、液晶分子1Aの分子軸は殆ど電極膜6に平行
のままである。
【0055】液晶分子1Aの誘電率は、分子軸に平行な
方向において大きく、分子軸に直交する方向において小
さい。このため、屈折率は分子軸に平行な方向において
より大きくなる。上記電界の作用により、上述の如き
「液晶分子1Aの分子軸の向きの分布」が生じると、液
晶1における「屈折率」は、分子軸が電界に略平行とな
る電極7Aの側で高く、電極7Bの側では低くなり、図
1(c)に示すように電極7Aの側から電極7Bの側へ
直線的に減少する。
【0056】従って、このような屈折率分布が生じてい
る液晶偏向素子に、図1(b)の右側から光束を入射さ
せて液晶偏向素子を透過させると、透過光束は屈折率分
布の作用により、屈折率の高い側(図1(b)で上方)へ
偏向される。接地する電極を電極7Bから7Aに変え
て、端子A、B間に印加する電圧の向きを上記と逆にす
れば、図1の場合と逆に、電極7Bの側から電極7Aの
側へ向って減少する屈折率分布が得られ、透過光束を図
1の下方へ偏向させることができる。
【0057】以上が、屈折率変化を利用した液晶偏向素
子による光束偏向の原理である。偏向の程度である偏向
量、即ち「偏向角」は、液晶偏向素子に固有の値で飽和
し、飽和するとそれより大きな偏向角は生じない。液晶
偏向素子を駆動する電気信号としては「直流電圧」を用
いても良いが、液晶偏向素子の寿命の面から考えると、
電気信号は「パルス状または正弦波状に変調された信号
で、平均電圧が0V近傍であるもの」が好ましい。
【0058】偏向角を変化させるには、端子A、B間の
電位差:Vの増減によって行うこともできるが、上記パ
ルス信号を駆動信号とする場合は「パルスのデュ−ティ
比」を変えることによっても行うことができる。
【0059】図2は「電気信号により屈折率を変化させ
る方式の液晶偏向素子」の別例である。繁雑を避けるた
め、混同の虞がないと思われるものについては図1にお
けると同一の符号を用いた。この素子は図1の素子の変
形例であり、図1の素子との差異は、ガラス基板5Aの
側において、透明な電気抵抗膜を3つの部分4A、4
B、4Cに分割し、透明電極を図2(a)の如くにパタ
ーニングし、電気抵抗膜4Aに電極7A1と7B1が対
応し、電気抵抗膜4Bに電極7A2と7B2が対応し、
電気抵抗膜4Cに電極7A3と7B3が対応するように
した点にある。
【0060】端子A、B間に駆動信号を印加すると、図
2(c)の如き屈折率分布が得られる。この場合、端子
A、Bに印加する電圧:Vに対する電界の変化率が大き
くなるので、図1の素子に比してより「大きな屈折率勾
配」が得られ、より大きな偏向角(偏向量)を得ること
ができる。
【0061】図3は液晶偏向素子の別の例を示してい
る。この液晶偏向素子は「電気信号により回折作用を起
こさせるもの」である。この型の液晶偏向素子は、例え
ば特開平8−313941号公報に詳しく記載されてい
る。図3においても繁雑を避けるため、混同の虞がない
と思われるものについては、図1におけると同一の符号
を用いた。
【0062】図3(a)において、液晶1は例えば「液
晶分子1Aの分子軸方向の誘電率が、分子軸に直交する
方向の誘電率よりも小さい、誘電異方性が負のネマチッ
ク液晶」で、スペーサ3により所定間隙に保たれた1対
の透明配向膜2A、2Bの間に薄層状に密封されてい
る。
【0063】配向膜2A、2Bは、透明電極6Aを有す
るガラス基板5Aと、透明電極6Bを有するガラス基板
5Bとにより挟持されている。透明電極6A、6BはI
TO等で薄膜状に形成され、それぞれガラス基板5A、
5Bの面に所定の形状(例えば矩形形状)で一様に形成
されている。
【0064】配向膜2A、2Bは、液晶分子1Aの分子
軸方向が図面に直交する方向となるように、液晶1に対
する配向を行う。このような状況で、透明電極6A、6
B間に「直流もしくは300Hz程度以下の低周波の電
圧」を印加させると、液晶1内に、図の上下方向(前記
「配向方向」と直交する方向)を格子配列方向とする回
折格子パターンが形成される(特開平8−313941
号公報「0054」)。図3(b)は、このように形成
された回折格子パターンにおける屈折率分布である。
【0065】この状態で光束を液晶偏向素子に入射させ
ると、透過光は上記回折格子パターンにより(図3
(a)の上下方向に)回折光を生じる。上記低周波の電
圧の電圧値を変化させると、形成される回折格子パター
ンの格子ピッチが変化し、回折角が変化する(特開平8
−313941号公報「0057」)。
【0066】従って、例えば「回折の1次光」に着目す
れば、1次光の偏向角を調整することにより、光束を所
定方向(上に説明した場合では、図1(a)の上下方
向)に所望の偏向角で偏向させることができる。
【0067】また、図3の液晶偏向素子の透明電極6
A、6B間に印加する電圧を高周波電圧にすると、液晶
1に配向方向に直交する方向の回折格子パターンが現
れ、図3(a)の「図面に直交する方向の回折光」を得
ることができる。この場合は、液晶に印加する高周波電
圧の「包絡電圧」を増減させることにより、回折角を変
化させることができる(特開平8−313941号公報
「0060」)。
【0068】以上、従来から知られた「電気信号により
光束を偏向させるタイプの液晶偏向素子」につき簡単に
説明した。
【0069】この発明では、これら公知の液晶偏向素子
(電気信号により駆動するものに限らず、上には説明し
なかったが、磁気信号により駆動するものでもよい)を
用い、光束の偏向により光スポットの走査位置調整を行
うのである。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
る。図4は光走査装置の実施の1形態を示している。図
4(a)に示すように、光源装置(光源とカップリング
レンズとを含む)10から射出した光束は、平行光束
(弱い収束もしくは発散光束でも良い)で、被走査面上
で所望形状の光スポット径を得るための開口絞り(図示
されず)を通過し、線像結像光学系をなす(副走査方向
にのみ正のパワーを持つ)シリンドリカルレンズ12に
入射し、副走査方向にのみ集束され、光偏向走査手段の
ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に「主走査方向に
長い線像」として結像する。
【0071】ポリゴンミラー14の等速回転に伴い、偏
向反射面に反射された光束は等角速度的に偏向する偏向
光束となり、走査結像光学系としてのfθレンズ16を
構成する2枚のレンズ161、162を順次透過し、液
晶偏向素子手段18を透過して被走査面20に到達し、
fθレンズ16の作用により被走査面20上に光スポッ
トとして集光し、被走査面20を光走査する。
【0072】液晶偏向素子手段18は「主走査方向に長
い長尺形状」で、被走査面20上において光スポットの
位置調整を行わせるためのものである。光スポットの位
置調整は、主走査方向および/または副走査方向に関し
て行われる。
【0073】符号22で示す「コントローラ」はマイク
ロコンピュータ等で構成され、液晶偏向素子手段18の
各液晶偏向素子における調整偏向量を設定し、このよう
に設定された調整偏向量を実現するように液晶偏向素子
手段18を制御駆動する。コントローラ22はまた、画
像形成装置全体を制御する「システムコントローラ」に
おける機能の一として設定することもできる。即ち、コ
ントローラ22は「液晶偏向素子手段を制御する制御手
段」である。
【0074】図4(b)は、図4(a)における「ポリ
ゴンミラー14の偏向反射面と被走査面20との間の光
学配置」を副走査方向(図面に直交する方向)からみた
状態を示している。液晶偏向素子手段18は、図4
(a)に示すように「走査結像光学系としてのfθレン
ズ16のレンズ162と被走査面20との間」に配設さ
れているが、液晶偏向素子手段の配設位置はこれに限ら
ない。
【0075】例えば、液晶偏向素子手段18に代えて、
液晶偏向素子手段18Aを、図4の(b)に示す如く、
ポリゴンミラー14の偏向反射面とfθレンズ16にお
けるレンズ161との間に配設することもできる。この
ように液晶偏向素子手段を光偏向走査手段の側に近接し
て配設するほど、液晶偏向素子手段の主走査方向の長さ
を短縮でき、コスト的には有利である。
【0076】しかしながら反面、以下の如き問題があ
る。図4(b)に示す液晶偏向素子手段18Aに入射す
る偏向光束は等角速度的に偏向している。ポリゴンミラ
ー14の偏向反射面による偏向の起点から、液晶偏向素
子手段18Aに至る距離をDとし、偏向光束の偏向角を
θとすると、偏向角:θのときに偏向光束(の主光線)
が液晶偏向素子手段18Aに入射する位置は、D・ta
nθである。
【0077】すると、偏向光束の微小偏向角:Δθに対
応する液晶偏向素子手段18Aの主走査方向の幅:ΔS
は「ΔS=D・Δθ/cosθ」となるから、偏向
角:θが大きくなるほど、偏向光束が液晶偏向素子手段
18A上を移動する距離は大きくなる。
【0078】従って、仮に、液晶偏向素子手段18Aに
おける各液晶偏向素子の主走査方向のサイズを同一と
し、複数の液晶偏向素子を等ピッチで主走査方向に配列
したとすると、個々の液晶偏向素子に対応する「被走査
面上における主走査方向の領域(以下、各液晶偏向素子
の「担当補正領域」と呼ぶ)」は、偏向角の大きい位置
にある液晶偏向素子ほど大きくなる。このため、光スポ
ットの位置の調整は、偏向光束の偏向角が大きくなるほ
ど粗雑化する。
【0079】これを避けるためには、液晶偏向素子の主
走査方向のサイズを、偏向角:0から最大偏向角の側に
向って次第に小さく、液晶偏向素子の配列ピッチを、偏
向角:0から最大偏向角に向って次第に細かくすれば良
いが、偏向反射面の近傍では、偏向光束は主走査方向に
絞られていず、かなりの光束径(数mm程度)を有する
ので、上記サイズを然程小さくできない。このような理
由で、液晶偏向素子手段は、走査結像光学系よりも被走
査面側にあることが好ましい。
【0080】図4(a)、(b)に示す液晶偏向素子手
段18のように、fθレンズ16と被走査面20との間
に配設する場合は、偏向光束自体が細く絞り込まれてお
り、なお且つ、偏向光束の偏向が、fθレンズ16の作
用により等速化されているので、主走査方向に同じサイ
ズの液晶偏向素子を等ピッチで連続的に配列しても、光
スポット位置の良好な調整が可能で、液晶偏向素子の配
列ピッチを然程細かくする必要もない。液晶偏向素子手
段18を被走査面に近づけるほど、この効果は顕著にな
る。
【0081】図5を参照して、液晶偏向素子手段による
「光スポットの位置調整」を説明する。先に説明したよ
うに、液晶偏向素子は電気的もしくは磁気的な駆動信号
に応じて透過光束を偏向させる機能を持ち、その偏向方
向は任意に設定できる。
【0082】図5(a)において左右方向は主走査方向
である。符号Li(i=1〜10)は「電気信号で駆動
される液晶偏向素子」を示している。即ち、この例では
10個の液晶偏向素子L1〜L10が主走査方向に、互
いに密接して連続的に配列されている。また、この例に
おいて液晶偏向素子Liは互いに同サイズで等ピッチ配
列されている。説明の具体性のため、液晶偏向素子Li
は、図1に即して説明した構成のものとする。
【0083】符号Di(i=1〜10)は液晶偏向素子
Liを駆動するドライバ回路を示している。これらドラ
イバ回路Diはコントローラ22により制御駆動され
る。
【0084】液晶偏向素子Liの偏向方向を主走査方向
に設定すれば、液晶偏向素子列180は、主走査方向を
偏向方向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方
向に配列した「主走査液晶偏向素子列(請求項4)」と
なる。
【0085】また、液晶偏向素子Liの偏向方向を副走
査方向に設定すれば、液晶偏向素子列180は、副走査
方向を偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主
走査方向に配列してなる「副走査液晶偏向素子列(請求
項3)」となる。
【0086】若干補足すると、個々の液晶偏向素子Li
は対応するドライバ回路Diにより個別独立に駆動され
るが、この例において、液晶とこれを挟持する配向膜、
さらに透明電極は互いに共通している。そして、図1に
示す駆動電圧を印加される電極7A、7Bとこれらを連
結する透明抵抗膜4の部分が液晶偏向素子Li(i=1
〜10)ごとに独立している。
【0087】図5(b)は「走査位置検出手段」の1形
態を示している。走査位置検出手段による走査位置検出
に関しては後に述べる。図5(b)に示す走査位置検出
手段23は、液晶偏向素子Liと同数のエリアセンサP
1〜P10の受光面が主走査方向に配列している。
【0088】走査位置検出手段23は、各エリアセンサ
Piの受光面が「被走査面と光学的に等価な位置」を占
めるように配設され、偏向光束もしくは偏向光束の一部
を分離した検出光束で走査されるようになっている。
【0089】エリアセンサPiの受光面は、液晶偏向素
子列180における液晶偏向素子Liと対応し、設計上
の光スポットがエリアセンサPiの中心に結像すると
き、この光スポットを形成する偏向光束が「対応する液
晶偏向素子Liの中心」を通るように、液晶偏向素子列
180との位置関係を定められている。
【0090】エリアセンサPiは固定板23Sに固定的
に設けられている。固定板23Sは熱膨張率:1.0×
10−5/℃以下の材質、具体的には、ガラス(熱膨張
率0.5×10−5/℃)や、アルミナ等のセラミック
材質(熱膨張率:0.7×10−5/℃、炭化珪素(熱
膨張率:0.4×10−5/℃)等からなり、温度変動
による影響(エリアセンサPiの受光面位置の移動、相
対位置関係の変動により正確な検出が妨げられる)を実
質的になくしている。
【0091】また、エリアセンサPi相互間に発生する
電気ノイズの影響をなくすため、固定板23Sの材質は
上記の如き「非導電性材料」が好適である。例えば、固
定板23Sを熱膨張率:2.4×10−5/℃のアルミ
合金で形成した場合は、温度変動により検出精度が劣化
する。
【0092】なお、図5(b)における領域RYは被走
査面における「有効書込幅に対応する領域」である。
【0093】ここで、液晶偏向素子列180が「副走査
液晶偏向素子列」である場合を例に取り、図4の光走査
装置における「走査線曲がり」を補正する場合を説明す
る。
【0094】例えば、光走査による画像形成プロセスを
行うに先立ち、ポリゴンミラー14を回転させ、光源装
置1の光源を発光させる。
【0095】光源の発光は時間的に間欠的に行い、発光
ごとに上記偏向光束もしくは検出光束が、走査位置検出
手段23の各エリアセンサP1〜P10に順次に入射す
るようにする。走査位置検出手段23はエリアセンサP
i(i=1〜10)が検出する光スポットの「副走査方
向の位置」をコントローラ22に向けて出力する。
【0096】図5(c)において「10個の黒丸」が、
このように検出された副走査方向の位置を示している。
この図における破線は「理想上の走査線」で、主走査方
向に直線的である。
【0097】コントローラ22は、検出された10個の
「副走査方向の光スポット位置(走査位置)」に基づ
き、最小2乗法等により、走査線の形態を「多項式」と
して近似する。この多項式が「検出された走査線曲が
り」であり、これを図5(c)に実線で示す。
【0098】コントローラ22は次いで、このような走
査線曲がりを補正するため、副走査液晶偏向素子列の、
液晶偏向素子Liにおける「副走査方向の光束偏向の向
きと偏向量(偏向角)」とを算出する。図5(c)に示
す領域Si(i=1〜10)は、副走査液晶偏向素子列
における液晶偏向素子Liが「偏向光束を偏向させるべ
き領域(前記「担当補正領域」)」を示し、各領域Si
における上向き若しくは下向きの矢印は「偏向の向き」
を表している。
【0099】コントローラ22は、液晶偏向素子Liに
上記「偏向の向きと偏向量」を実現すべき信号を決定
し、ドライバ回路Di(i=1〜10)に印加する。こ
の例では、液晶偏向素子Li(図1の端子A、B間)に
印加する電圧の正負と接地させる電極の選定により「偏
向の向き」を制御し、この電圧をパルス電圧として印加
し、そのデュ−ティ比を調整することにより「偏向量」
を制御する。
【0100】このようにして、画像形成プロセスの開始
される以前に、副走査液晶偏向素子列の液晶偏向素子L
i(i=1〜10)における偏向の向きと偏向量とを実
現する。勿論、検出された走査線曲がりが「補正を必要
としない程度に微小」である場合には、副走査液晶偏向
素子列による走査線曲がりの補正を行う必要は無く、こ
の場合は「副走査液晶偏向素子列が偏向光束を偏向させ
ることなく透過させる(駆動信号を0とする)」ように
すれば良い。
【0101】図5(d)は、副走査液晶偏向素子列によ
り補正された走査線の状態を示している。Yi(i=1
〜10)は、被走査面20の走査領域における「各液晶
偏向素子Liが補正を担当する部分(補正担当領域)」
を示している。
【0102】実線で示す走査線は若干「ギクシャク」し
ているように見えるが、これは図5(c)において走査
線曲がりを「極端に強調」して描いたことに起因する。
現実の走査線曲がりは最大の場合でも0.1〜0.2m
m程度であるので、例えば、1個の液晶偏向素子Liが
「30mmの走査領域」の補正を担当するものとして
も、実質的に直線状態の走査線を実現できる。
【0103】副走査液晶偏向素子列における液晶偏向素
子の数を更に増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域
を小さくすることにより走査線曲がりを「より精緻」に
補正できることは当然である。
【0104】特に、副走査液晶偏向素子列における副走
査液晶偏向素子Liの主走査方向の幅を十分に小さく
(例えば2〜5mm程度)することにより、隣接する副
走査液晶偏向素子間の偏向量変化を「実質的に連続的な
変化」と見なし得るようにでき、走査線を「実質的に連
続した直線」に補正することもできる。
【0105】走査線曲がりの形態の1つである「走査線
の傾き」も、上記と同様にして補正できることは容易に
理解されるであろう。
【0106】上の説明では、走査位置検出手段により光
スポットの走査位置を検出して「補正すべき走査線曲が
り」を特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの偏向
量を設定している。このようにすると、走査線曲がりが
経時的に変化したり、fθレンズ16を樹脂レンズとし
て構成した場合に環境変化で走査線曲がりが変化して
も、走査位置検出を随時行うことにより、補正すべき走
査線曲がりに応じて、常に適正な補正を行うことが可能
である。
【0107】上には液晶偏向素子列180を「副走査液
晶偏向素子列」として、走査線曲がり・走査線の傾きの
補正を行う場合を説明したが、液晶偏向素子列180を
「主走査液晶偏向素子列」とし、個々の液晶偏向素子L
iにおける偏向方向を主走査方向とすれば、fθ特性等
の等速性を補正することが可能である。
【0108】この場合は、走査位置検出手段22のエリ
アセンサPiが検出する光スポットの「主走査方向の位
置」を求め、これを用いてコントローラ22により光走
査の「等速性(理想の等速走査からのずれ)」を上記走
査線曲がりの場合と同様にして求め、求められた等速性
を補正するために液晶偏向素子Liにおける主走査方向
の調整偏向量を設定し、偏向光束の主走査方向への偏向
量を補正することにより、等速性の補正を実行できる。
【0109】主走査液晶偏向素子列における液晶偏向素
子の数を増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域を小
さくする程、等速性の「より精緻な補正」が可能で、主
走査液晶偏向素子列における主走査液晶偏向素子Liの
主走査方向の幅を十分に小さく(例えば2〜5mm程
度)することにより、隣接する主走査液晶偏向素子間の
偏向量変化を「実質的に連続的な変化」と見なし得るよ
うにでき、このようにすれば、光走査を実質的に等速で
行うことができる。
【0110】上の説明では、走査位置検出手段により光
スポットの走査位置を検出して「補正すべき等速性」を
特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの偏向量を設
定している。このようにすると、等速性が経時的に変化
したり、fθレンズ16を樹脂レンズとして構成した場
合に、環境変化で等速性が変化しても、走査位置検出を
随時行うことにより、補正すべき走査線曲がりに応じ
て、常に適正な補正を行うことが可能である。
【0111】上に説明した等速性の補正は、液晶偏向素
子手段として「主走査液晶偏向素子列を単独で用いた」
場合である。走査線曲がりとともに等速性をも補正でき
るようにするには、主走査液晶偏向素子列を副走査液晶
偏向素子列とともに有する液晶偏向素子手段を用いれば
良い(請求項4)。
【0112】例えば、図6(b)に示すように、主走査
液晶偏向素子列181と副走査液晶偏向素子列182と
を、結像光束の透過方向へ重ねて一体化したものを「液
晶偏向素子手段」として用い、主走査液晶偏向素子列1
81により等速性の補正を行い、副走査液晶偏向素子列
182により走査線曲がりを補正することができる。な
お、図6(b)において、図面に直交する方向が主走査
方向である。
【0113】図6(b)のように、主走査液晶偏向素子
列181と副走査液晶偏向素子列182とを重ねて一体
化する代わりに、これらを互いに分離して配設しても良
い。
【0114】ここで、走査位置検出手段による走査位置
の検出を説明する。上に説明した例では、走査位置検出
手段23はエリアセンサPiの受光面が被走査面と光学
的に等価な位置を占めるように配設され、偏向光束もし
くは偏向光束の一部を分離した検出光束で走査される
が、この場合の具体例を図7(a)、(b)に示す。
【0115】図7(a)で、図面に直交する方向が主走
査方向、上下方向が副走査方向である。因みに、図4に
示す光走査装置における走査位置検出は、図7(a)に
示す如き方式で行われ、液晶偏向素子手段18は、主走
査方向に偏向される結像光束の光路上において「副走査
方向に対して傾け」て配設されている。
【0116】このため、結像光束はその一部が液晶偏向
素子手段18の入射側面で反射されて検出光束LSとな
り、上記入射側の面を反射面として被走査面20と等価
な面に配置された走査位置検出手段23の受光面位置に
光スポットを形成し、走査位置を検出される。
【0117】図7(b)でも、図面に直交する方向が主
走査方向、上下方向が副走査方向である。主走査方向に
偏向され、液晶偏向素子手段18を透過した結像光束
は、結像光束光路上において「副走査方向に対して傾
け」て配設された反射面部材19により反射され、反射
面部材19の反射面に関して被走査面20と等価な面に
配置された走査位置検出手段23の受光面位置に光スポ
ットを形成し、走査位置を検出される。
【0118】反射面部材19は、これを透明ガラスで構
成して常時図示の位置に設置し、結像光束の一部を反射
により走査位置検出手段23側へ分離するようにしても
良いし、結像光束の光路に出入可能とし、走査位置検出
を行うときにのみ図示の位置に設置するようにしてもよ
い。
【0119】図7(a)、(b)に示したのは、偏向光
束による光スポットを直接検出して、走査位置の検出を
行う場合であるが、走査位置検出は、必ずしも光スポッ
トの検出により行う必要はない。走査位置検出の別例
を、図7(c)、(d)に示す。
【0120】図7(c)において、符号25は「被走査
面の実体」をなす光導電性の感光体を示している。走査
位置は感光体25の感光面に対する光スポット位置であ
るから、画像形成プロセスにより走査線1ライン分を感
光体25に書込み、得られる静電潜像を可視化して線状
のトナー画像LTIを得ると、このトナー画像LTIは
走査線を可視化したものとなっている。
【0121】トナー画像LTIをランプ26で照射し、
結像系27によりイメージセンサ28上に結像させて読
取り、その結果に基づき走査線曲がりを検出できる。こ
の場合、ランプ26、結像系27、イメージセンサ28
が「走査位置検出手段」を構成する。
【0122】図7(d)において、符号29は、中間転
写媒体としての中間転写ベルトを示している。図7
(c)の場合と同様にして感光体25上に形成した線状
のトナー画像LTIを、転写手段30により中間転写ベ
ルト29上に転写し、転写されたトナー画像LTIをラ
ンプ26で照射し、結像系27によりイメージセンサ2
8上に結像させて読取り、その結果に基づき走査線曲が
りを検出する。この場合も、ランプ26、結像系27、
イメージセンサ28が「走査位置検出手段」を構成す
る。
【0123】図7(c)、(d)の場合とも、線状のト
ナー画像LTIは、検出後、図示されないクリーニング
手段により感光体25、中間転写ベルト29から除去さ
れる。
【0124】等速性の検出のために、主走査方向の走査
位置検出を行うには、「副走査方向に適宜の長さとなる
直線状の画像」を互いに平行となるようにして主走査方
向に必要な本数だけ書込み、これを可視化する。各「副
走査方向の直線」の間隔は、等間隔を理想とするように
形成する。これら直線を可視化したものを、感光体上も
しくは中間転写ベルト上で検出し、各直線間の間隔を調
べることにより等速性を知ることができる。
【0125】以上は、走査位置検出手段により走査位置
を検出する場合であるが、走査位置検出手段を持たない
場合には以下の如くにすれば良い。即ち、この場合に
は、上記の如くして形成したトナー画像を転写紙上に転
写・定着し、転写紙上に得られた画像に基づき走査線曲
がり(走査線の傾きを含む)、等速性を測定し、その結
果に基づき、液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子におけ
る偏向量を決定する。
【0126】図7(a)の例では、液晶偏向素子手段1
8を副走査方向に対して傾けることにより、結像光束の
一部を走査位置検出手段23の方向へ向けて反射させて
いるが、図6(a)に示すように、例えば、主走査液晶
素子列において、液晶を封入するためのスペーサ3A、
3Bの大きさを異ならせることにより、ガラス基板5a
(透明電極や透明抵抗膜、配向膜が形成されている)と
ガラス基板5b(透明電極や配向膜が形成されている)
とに角度を持たせ、ガラス基板5aの傾きにより「走査
位置検出手段側へ反射される反射光束」を得るようにし
てもよい。
【0127】以上、図4に示す光走査装置を例にとっ
て、液晶偏向素子手段による走査線曲がり・等速性の補
正を説明した。
【0128】図4に示す光走査装置において「走査結像
光学系」をなすfθレンズ16は、2枚のレンズ16
1、162で構成されている。これらレンズ゛161、
162は共に「樹脂製」であり、「樹脂製結像素子」で
ある。レンズ161、162は共に主走査方向に長い短
冊形の形状であるが、図4(b)に示すように、レンズ
161は比較的長さが短く、レンズ肉厚も厚い。このレ
ンズ161は、レンズ支持基板に副走査方向の片側面を
強固に固定することにより、温度変化に伴う反りを実質
的に抑えることができる。
【0129】これに対し、レンズ162は主走査方向の
長さが大きく、肉厚が比較的薄いため、温度変化による
反りが顕著に発生し易い。
【0130】図4に示されていないが、図4に示す光走
査装置は「樹脂製結像素子における、副走査方向の形状
変化を防止若しくは軽減する形状保持手段(請求項
1)」として、レンズ162の副走査方向における形状
を矯正保持する形状矯正手段(請求項5)を有してい
る。
【0131】以下、この形状矯正手段を説明する。図8
(a)は、レンズ162(図4には示されていないが、
樹脂成形で形成され、成形の際の変形を防止するために
レンズ実質部分を囲繞するように樹脂による枠が形成さ
れている)の形状矯正手段による保持状態を、レンズ1
62の光軸方向から見た図、同(b)は(a)の状態を
上側(副走査方向)から見た図、(c)は(a)の状態
を右側から見た図である。
【0132】図8(a)において、符号1621で示す
光学ハウジングには、位置決め用当接部1626、16
27、係合部1628、1629が一体に設けられてい
る。これら位置決め用当接部1626、1627、係合
部1628、1629は光学ハウジング1621と一体
となって、「形状矯正手段をなす1対の挟持手段の一
方」をなしている。光学ハウジング1621には、主走
査方向に3個の当接突起1623、1624、1625
が、光学ハウジング1621の面から同一高さに形成さ
れている。
【0133】図8(a)において、符号1631は「形
状矯正手段をなす1対の挟持手段の他方」を示してい
る。挟持手段1631は、主走査方向に3個の当接突起
1633、1634、1635が同一高さに形成され、
その外側に係合部1638、1639が形成されてい
る。図8(a)に示す如く、レンズ162を光学ハウジ
ング1621にセットする。このとき、レンズ162の
長手方向両端部に形成された係合突起162A、162
Bが位置決め用当接部1626、1627に当接係合
し、これによりレンズ1612の光軸方向の位置決めが
なされる。また、当接突起1623、1624、162
5はレンズ162の副走査方向のレンズ端面に下方から
当接する。
【0134】この状態で、図8(a)に示す如く、レン
ズ162の上方に挟持手段1631を乗せ、係合部16
38、1639を、挟持手段1621の係合部162
8、1629と係合させて、ねじ1640、1641に
より締結する。このとき、挟持手段1631の係合突起
1633、1634、1635は、レンズ162の副走
査方向のレンズ端面に上方から当接する。
【0135】また、図6(b)、(c)に示すように、
挟持手段162の長手方向両端部には、板ばね164
3、1644が螺子1645、1646により螺子留め
され、レンズ162の係合突起162A、162Bを位
置決め用当接部1626、1627に押圧固定する。
【0136】このようにして、樹脂製結像素子であるレ
ンズ162が1対の挟持手段により固定的に挟持され
る。「形状矯正手段」をなす1対の挟持手段1621、
1631は、複数の当接突起1623〜1625、16
33〜1635を主走査方向に配列して有し、当接突起
1623〜1625、1633〜1635を樹脂製結像
素子162の副走査方向の両面に当接させて樹脂製結像
素子162を挟持する(請求項6)。
【0137】また、図示の如く、形状矯正手段をなす1
対の挟持手段1621における当接突起1623〜16
25は、挟持手段1631における当接突起1633〜
1635と互いに対向的に対応する(請求項7)。
【0138】樹脂製結像素子であるレンズ162は、上
記の如くに形状矯正手段に固定的に保持されているの
で、温度変化が生じた場合に「副走査方向への反り」が
有効に軽減される。
【0139】図8に示す実施の形態においては、形状矯
正手段をなす1対の挟持手段1621、1631は、挟
持する樹脂製結像素子(レンズ162)の線膨張係数よ
りも小さい線膨張係数をもつ材料(アルミダイカスト
等)で構成されている(請求項8)ので、光走査装置に
温度変化が生じても挟持手段の側には熱変形が実質的に
生じない。従って、レンズ162の熱変形による副走査
方向の反りは有効に防止される。
【0140】図8に示す形状矯正手段は、レンズ162
を機械的に上下(副走査方向)に挟み込む構成で、挟持
手段1621、1631の当接突起を対称形状としてい
るので、レンズ162の変形を矯正するとともに、レン
ズ162の副走査方向上側面と下側面の温度分布を揃え
ることが可能となり、温度変動による部分的な曲がりも
有効に矯正できる。
【0141】上には、1対の挟持手段の一方を光学ハウ
ジングとしたが、形状矯正手段を線膨張係数の小さい材
料で光学ハウジングと別体に構成し、樹脂製結像素子を
挟持した状態で光学ハウジングに固定する構造としても
よい。
【0142】図9には、形状保持手段の別例として、形
状保持手段が、レンズ162(樹脂製結像素子)の副走
査方向の両側面に接して設けられた断熱部材171、1
72である場合(請求項9)を示している。
【0143】図9(a)は、レンズ162の保持状態を
光軸方向から見た状態、同(b)は副走査方向の上側か
ら見た状態である。符号1700で示す光学ハウジング
に一体的に突設された支持部1701、1702の基部
に、レンズ162の長手方向の両端部を支持させ、支持
部1701、1702の当接部にレンズ両端の係合突起
162A、162Bを当接させる。この状態で、板ばね
1703、1704を図の如く係合させ、板ばね170
3、1704を支持部1701、1702の頂部にねじ
1705、1706で固定する。
【0144】板ばね1703、1704は、レンズ両端
の係合突起162A、162Bを支持部1701、17
02の当接部に押圧すると共に、レンズ162の長手方
向両端部を基部に押圧する。このようにして、レンズ1
62が固定的に保持される。
【0145】断熱部材171、172は「市販されてい
る断熱シール」であり、レンズ162の副走査方向の端
面に略長手方向にわたって貼り付けられている。このよ
うにすると、形状矯正手段を用いなくとも、光学ハウジ
ング内の温度変動や不均一な温度分布によるレンズ16
2の反りを低減できる。
【0146】レンズ162(全長:250mm)の近傍
において、温度分布が不均一になったときのレンズ16
2の「反りの状態」を調べるために、以下の如き実験を
おこなった。即ち、断熱部材171、172を張り付け
ることなく、図9のように保持されたレンズ162(た
だし、板ばねによる固定は行っていない)を25℃に設
定した恒温槽にセットし、レンズ162の副走査方向の
上方から温風を吹き付けることにより、槽内の温度を4
5℃まで変化させた。
【0147】この結果、レンズ162の副走査方向の上
下に温度差が発生し、レンズ162に「副走査方向への
弓なりの反り」を生じた。このとき、レンズの長手方向
の中央部をH=0とし、H=0、H=±100mmの位
置における「反りの量」の時間的変化を示したのが、図
10(a)である。この図において、縦軸の変位xとあ
るのは「反りによる浮き上がり量」である。
【0148】この図から、レンズ162の副走査方向の
温度差により急激に変形が発生し、時間の経過と共に内
部温度が均一化すると略もとの形状に戻ることが分か
る。このような反りが発生すると、極めて大きな走査線
曲がりが発生し、液晶偏向素子手段による補正をもって
しても、十分な補正が難しくなる。
【0149】同じ実験を、レンズ162の副走査方向の
レンズ端面に断熱手段171、172を図9のように貼
り付けて行ったところ、レンズ長手方向の中央部:H=
0と、H=±100mmの位置における「反りの量」の
時間的変化は図10(b)の如くになった。
【0150】この図から、温度変化に拘わらず、レンズ
162の反りが有効に抑制されていることが分かる。こ
のような軽微な反りでは、走査線曲がりの変化も少な
く、液晶偏向素子手段により十分に補正が可能である。
【0151】図11(a)は、光走査装置の実施の別形
態を説明図的に示している。この光走査装置は、光源か
ら複数光束が放射され、被走査面が2以上の光スポット
で光走査されるマルチビーム方式の光走査装置である。
【0152】光源装置40は、半導体レーザによる光源
401、402と、カップリングレンズ403、404
とを有している。光源401、402から放射された各
光束は、それぞれカップリングレンズ403、404に
よりカップリングされ、平行光束(あるいは弱い発散性
もしくは弱い収束性の光束)となり、シリンドリカルレ
ンズ42により副走査方向に集束され、ポリゴンミラー
44の偏向反射面近傍に、互いに副走査方向に分離した
「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0153】ポリゴンミラー44が等速回転すると、各
光束は等角速度的に偏向する偏向光束となって液晶偏向
素子手段48を透過し、fθレンズ46を構成するレン
ズ461、462を順次透過し、光路折曲げミラー47
により光路を折曲げられ、被走査面の実体を成す光導電
性の感光体50(矢印方向に等速回転する)の感光面上
に、副走査方向に互いに分離した光スポットを形成し、
感光体50を2走査線同時に光走査する。
【0154】偏向光束の一方は、光走査領域へ向う途上
で光センサ49により検出され、光センサ49の出力に
基づき各光スポットの光走査開始の同期が取られる。
【0155】図11に示されていないが、fθレンズ4
6を構成する2枚のレンズのうち、主走査方向に長いレ
ンズ462は、上に説明したのと同様の「形状保持手
段」により「副走査方向の形状変化を防止若しくは軽
減」される。
【0156】図11(c)に示すように、光源401、
402からの各光束FL1、FL2は、副走査方向(図
面に直交する方向)から見て、ポリゴンミラーの偏向反
射面441の部分で「主走査方向に交叉する」ように設
定されている。
【0157】このようにすると、被走査面50上で(主
走査方向に)同一位置に結像する光束はレンズ461、
462の同一部分を通るため、各光束FL1、FL2に
関する等速性が同一のものとなる。また、各光束FL
1、FL2がレンズ461、462において「光軸に関
して副走査方向において同じ側」を通るようにすること
により、被走査面50上における各走査線の走査線曲が
りは「実質的に同じ」になる。
【0158】従って、液晶偏向素子手段48により、主
・副走査方向の偏向量を調整することにより、走査線曲
がり・等速性を2光束同時に補正し、光束FL1、FL
2によるマルチビーム走査を良好に行うことができる。
【0159】光源401、402からの光束FL1、F
L2が、図8(b)のように「偏向反射面441の部分
で主走査方向に交叉しない」と、被走査面50上で同一
位置に結像する光束がレンズ461、462の同一部分
を通らないため、等速性や走査線曲がりが、光束FL1
とFL2で同一にならず、従って、単一の液晶偏向素子
手段48によっては、各光束について等速性や走査線曲
がりを補正することはできない。
【0160】なお、この実施の形態において、液晶偏向
素子手段48はポリゴンミラー44とレンズ461との
間に配備されるので、前述したところに従い、ある程
度、偏向反射面から離れた位置に配置することにより、
偏向角の大きい部分における液晶偏向素子の配列ピッチ
が余り小さくならないようにする。
【0161】図12は画像形成装置の実施の1形態を示
している。この画像形成装置はモノクロームのレーザプ
リンタであり、感光媒体が光導電性の感光体で、光走査
により形成される静電線像を可視化して得られるトナー
画像を、シート状の記録媒体に転写・定着する。
【0162】レーザプリンタ100は、感光媒体111
として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有し
ている。感光体111の周囲には、帯電手段としての帯
電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、
クリーニング装置115が配備されている。帯電手段と
しては帯電ローラ112に代えて「コロナチャージャや
帯電ブラシ」を用いることもでき、転写ローラ114に
代えて「コロナ放電式の転写手段」を用いることもでき
る。
【0163】レーザビームLBにより光走査を行う光走
査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置
113との間で「光書込による露光」を行うようになっ
ている。さらに、符号116は定着装置、符号118は
カセット、符号119はレジストローラ対、符号120
は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ロ
ーラ対、符号123はトレイ、符号Pは「シート状記録
媒体」としての転写紙を示している。
【0164】画像形成プロセスが実行されるとき、光導
電性の感光体111が時計回りに等速回転され、その表
面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置
117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて
静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネ
ガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜
像は現像装置113により反転現像され、感光体111
上にトナー画像が形成される。
【0165】転写紙Pを収納したカセット118は、画
像形成装置100本体に脱着可能で図のごとく装着され
た状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が
給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙P
は、その先端部をレジストローラ対119に捉えられ
る。
【0166】レジストローラ対119は、感光体111
上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを
合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた
転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせら
れ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写
される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置1
16へ送られ、定着装置116においてトナー画像を定
着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122によ
りトレイ123上に排出される。トナー画像が転写され
た後の感光体111の表面は、クリーニング装置115
によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去さ
れる。
【0167】光走査装置117は、図4あるいは図11
に即して説明したものであり、液晶偏向素子手段を有
し、被走査面(感光体111)上における光スポットの
位置を主走査方向および/または副走査方向に補正的に
調整しつつ、光走査による画像書込みを行う。このよう
にして走査線曲がりや走査線の傾き、さらには等速性が
有効に補正され、極めて良好な画像書込みが実現し、歪
みのない良好なモノクローム画像を形成することができ
る。
【0168】図13は、画像形成装置の実施の別形態を
示している。この画像形成装置は、光導電性の感光体を
感光媒体とし、カラー画像を形成するためのものであ
る。形成されるべきカラー画像は、イエロー、マゼン
タ、シアン、黒の4色の成分画像を形成し、これら成分
画像を同一のシート状記録媒体上で重ね合せることによ
り得られる。
【0169】この種のカラー画像形成装置の基本的な構
成は従来から公知であるので、図11には、発明の説明
に必要な部分のみを示した。符号211Y、211Mは
光源装置であって、半導体レーザを光源とし、各々平行
光束化したレーザ光束を放射する。
【0170】光源装置211Yはイエロー成分画像を書
込むためのものである。光源装置211Yの発光部をイ
エロー成分画像の画像情報で駆動すると、イエロー成分
画像情報で強度変調された平行光束が放射される。この
光束はシリンドリカルレンズ212Yで副走査方向にの
み集光され、ポリゴンミラー215Bの偏向反射面位置
に「主走査方向に長い線像」として集光する。
【0171】ポリゴンミラー215Bの偏向反射面によ
り反射された光束は偏向光束となって走査結像光学系で
あるfθレンズを構成するレンズ216A2、216B
2を透過し、光路折曲げミラー218Y、219Yに順
次反射され、fθレンズの作用により、光導電性の感光
体220Y上に光スポットを形成する。
【0172】この光スポットは、ポリゴンミラー215
Bの等速回転に伴い、被走査面の実体をなす感光体22
0Yを光走査する。このとき光スポットの移動速さはf
θレンズの作用により等速化される。
【0173】感光体220Yは円筒状に形成され、光走
査に先だって周面を均一帯電されて矢印方向へ等速回転
する。感光体220Yの等速回転に伴い副走査が行わ
れ、感光体220Yにイエロー成分画像に対する「イエ
ロー潜像」が静電潜像として形成される。
【0174】光源装置211Mはマゼンタ成分画像を書
きこむためのものである。光源装置211Mの発光部を
マゼンタ成分画像の画像情報で駆動すると、マゼンタ成
分画像情報で強度変調された平行光束が放射される。こ
の光束はミラー210により反射され、シリンドリカル
レンズ212Mで副走査方向にのみ集光され、ポリゴン
ミラー215A(ポリゴンミラー215Bと同じもの
で、ポリゴンミラー215Bと共通の軸に設けられ、ポ
リゴンミラー215Bと一体となって回転される。ポリ
ゴンミラー215A、215Bとこれらを回転駆動する
モータは「光偏向走査手段215」を構成する)の偏向
反射面位置に「主走査方向に長い線像」として集光す
る。
【0175】ポリゴンミラー215Aの偏向反射面によ
り反射された光束は偏向光束となって、走査結像光学系
であるfθレンズを構成するレンズ216A1、216
B1を透過し、光路折曲げミラー218M、219M、
219M2に順次反射され、fθレンズの作用により、
光導電性の感光体220M上に光スポットを形成する。
この光スポットは、ポリゴンミラー215Aの等速回転
に伴ない被走査面の実体をなす感光体220Mを光走査
する。このとき光スポットの移動速さはfθレンズの作
用により等速化される。感光体220Mは円筒状に形成
され、光走査に先だって周面を均一帯電されて矢印方向
へ等速回転する。感光体220Mのこの回転により副走
査が行われ、感光体220Mにマゼンタ成分画像に対す
る「マゼンタ潜像」が静電潜像として形成される。
【0176】ポリゴンミラー215A、215Bの回転
軸を通り、主走査方向に平行な平面を対称面として、図
13に示された光学配置を略鏡面対称とするように、シ
アン成分画像・黒成分画像形成用の光学系と感光体が配
置されており、上記と同様にして、各感光体上にシアン
潜像、黒潜像が静電潜像として形成される。
【0177】このようにして各感光体に形成されたイエ
ロー潜像・マゼンタ潜像・シアン潜像・黒潜像はそれぞ
れ、図示されない現像装置により現像され、イエロー・
マゼンタ・シアン・黒のトナー画像となる。各色トナー
画像は、図示されない同一のシート状記録媒体(例えば
転写紙)上に互いに位置合わせして重ね合せられるよう
に転写されて「カラー画像」となり、図示されない定着
装置によりシート状記録媒体に定着される。カラー画像
を定着されたシート状記録媒体は画像形成装置外へ排出
される。
【0178】上記各色トナー画像のシート状記録媒体へ
の転写は「公知の種々の方法」で行うことができる。例
えば、特開2001−228416号公報の図1に示さ
れた例のように、感光体220Y、220M、220
C、220K(感光体220C、220Kは図13に図
示されていない)に接するように「無端ベルト状の中間
転写ベルト」を設け、中間転写ベルトの内周面側におい
て、各感光体に対応する部分に転写手段(転写チャージ
ャ等)を設け、中間転写ベルトを定速回転させつつ、各
感光体に対応する部位において、対応する転写手段の作
用によりトナー画像を順次、互いに重なり合うように転
写して転写ベルト上にカラー画像を得、転写ベルト上か
らシート状記録媒体へ転写するようにできる。
【0179】あるいは、上記転写ベルトに変えて「無端
ベルト状の搬送ベルト」を、感光体220Y〜220K
(感光体220C、220Kは図13に図示されていな
い)に接するように設け、搬送ベルトの内周面側におい
て、各感光体に対応する部分に転写チャージャ等の転写
手段を設け、搬送ベルトに支持させたシート状記録媒体
をして順次の転写部を通過せしめ、各感光体に対応する
転写部において、対応する転写手段の作用によりトナー
画像を順次、互いに重なり合うように転写するようにも
できる。
【0180】図の繁雑を避けるため、図13には図示さ
れていないが、ポリゴンミラー215A、215Bから
各感光体220Y等に至る光路中には、上に説明した如
き各種の「液晶偏向素子手段」が、例えば、最後の折返
しミラーと感光体との間に配置されて走査線曲がりおよ
び/または等速性を補正するようになっている。
【0181】また、fθレンズを構成するレンズのう
ち、樹脂製結像素子である長尺のレンズ(レンズ216
Y等)は、上に説明した如き形状保持手段により副走査
方向の形状を保持されるようになっている。
【0182】図4、図11、図13に示した光走査装置
は、1以上の光源からの光束を光偏向走査手段14、4
4、215により偏向させ、偏向された光束を1以上の
走査結像光学系16、46等により、光源に応じた被走
査面20、50、220Y等に向けて集光させ、被走査
面上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置に
おいて、走査結像光学系が含む樹脂製結像素子の1以上
における、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減す
る形状保持手段と、光源から被走査面に至る光路上に設
けられ、被走査面上における光スポットの位置を主走査
方向および/または副走査方向に調整するための液晶偏
向素子手段18と、液晶偏向素子手段を制御する制御手
段22とを有する(請求項1)。
【0183】図5に即して説明したように、液晶偏向素
子手段18等は、独立して制御可能な液晶偏向素子Li
を複数個、主走査方向へ配列して有し、光偏向走査手段
から1以上の被走査面に至る光路中に配置され、光走査
に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方向の調
整偏向量を液晶偏向素子ごとに制御することにより、被
走査面上における光スポット位置を補正的に調整するも
の(請求項2)であり、副走査方向を偏向方向とする副
走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる
副走査液晶偏向素子列として構成することもできるし
(請求項3)、主走査方向を偏向方向とする主走査液晶
偏向素子を複数個、主走査方向に配列した主走査液晶偏
向素子列を単独で、もしくは副走査液晶偏向素子列とと
もに有することもできる(請求項4)。
【0184】図8に即して説明した形状保持手段は、樹
脂製結像素子162の副走査方向における形状を矯正保
持する形状矯正手段であって(請求項5)、複数の当接
突起1623〜1625、1633〜1635を主走査
方向に配列して有する1対の挟持手段であり、当接突起
を樹脂製結像素子162の副走査方向に両面に当接させ
て樹脂製結像素子を挟持するものであり(請求項6)、
1対の挟持手段における当接突起1623〜1625、
1633〜1635が、互いに対向的に対応するもので
あり(請求項7)、1対の挟持手段は「挟持する樹脂製
結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材
料」で構成されている(請求項8)。
【0185】図9に即して説明した形状保持手段は、樹
脂製結像素子162の副走査方向の両側面に接して設け
られた断熱部材171、172である(請求項9)。
【0186】また、図8、図9の実施の形態とも、形状
保持手段は、主走査方向に最も長い樹脂製結像素子(レ
ンズ162)に用いられている(請求項10)。
【0187】また、図11に示した光走査装置は「光源
40が複数の発光源401、402を有し、被走査面5
0の光走査がマルチビーム走査方式で行われる」もので
ある(請求項11)。
【0188】また、図13に即して説明した光走査装置
は、光源211Y、211M..等が複数で、各光源か
ら各光源に対応する被走査面220Y、220M..に
至る光路を構成する走査光学系216A1、216B
1、216A2、216B2等が、各光源からの光束が
形成する光スポットによる走査線を、実質的に互いに平
行とするように構成されている。
【0189】図12、図13に示された画像形成装置
は、感光媒体111、220Y、220M等に光走査を
行って、画像形成を行う画像形成装置において、感光媒
体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜12の
任意の1に記載のものを用い得るものである(請求項1
3)。
【0190】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な光走査装置および画像形成装置を実現できる。
この発明の光走査装置は、走査結像光学系に含まれる樹
脂製結像素子の1以上における、副走査方向の形状変化
が形状保持手段により防止若しくは軽減されるので、上
記形状変化に伴う走査線曲がりや等速特性の変化抑制さ
れ、走査線曲がりや等速性が変化しても、液晶偏向素子
手段により容易且つ確実に補正を行うことができ、従っ
て良好な光走査を実現できる。
【0191】従って、かかる光走査装置を用いる画像形
成装置では、画像の歪みや色ずれ等を有効に抑制して良
好な画像形成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶偏向素子の1例を説明するための図であ
る。
【図2】液晶偏向素子の別例を説明するための図であ
る。
【図3】液晶偏向素子の他の例を説明するための図であ
る。
【図4】光走査装置の実施の1形態を説明するための図
である。
【図5】液晶偏向素子手段による走査線曲がりの補正を
説明するための図である。
【図6】液晶偏向素子手段の別例を説明するための図で
ある。
【図7】走査位置検出手段による走査位置検出を説明す
るための図である。
【図8】形状保持手段の実施の1形態を説明するための
図である。
【図9】形状保持手段の実施の別形態を説明するための
図である。
【図10】図9の形状保持手段を用いる効果を説明する
ための図である。
【図11】光走査装置の実施の別形態を説明するための
図である。
【図12】画像形成装置の実施の1形態を説明するため
の図である。
【図13】画像形成装置の実施の別形態を説明に必要な
部分のみ示す図である。
【符号の説明】
1623〜1625 形状保持手段をなす1対の挟持
手段の一方における当接突起 1633〜1635 形状保持手段をなす1対の挟持
手段の他方における当接突起
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/036 G03G 15/04 120 1/113 (72)発明者 天田 琢 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 清三 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C362 AA07 BA85 BB15 BB28 BB46 2H045 AA01 BA02 CA32 CA42 CA95 DA02 2H076 AB06 AB09 AB12 AB16 AB18 AB22 AB33 AB61 AB81 DA16 EA01 EA05 EA06 5C051 AA02 CA07 DB02 DB22 DB24 DB30 DC04 DC07 DE03 DE26 EA01 FA01 5C072 AA03 BA12 HA02 HA06 HA09 HA13 HA20 HB08 QA14 XA01 XA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1以上の光源からの光束を光偏向走査手段
    により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光
    学系により、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、
    上記被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光
    走査装置において、 走査結像光学系が含む樹脂製結像素子の1以上におけ
    る、副走査方向の形状変化を防止若しくは軽減する形状
    保持手段と、 光源から被走査面に至る光路上に設けられ、上記被走査
    面上における光スポットの位置を主走査方向および/ま
    たは副走査方向に調整するための液晶偏向素子手段と、 この液晶偏向素子手段を制御する制御手段とを有するこ
    とを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査装置において、 液晶偏向素子手段が、独立して制御可能な液晶偏向素子
    を複数個、主走査方向へ配列してなり、光偏向走査手段
    から1以上の被走査面に至る光路中に配置され、光走査
    に応じて光束の主走査方向及び/または副走査方向の調
    整偏向量を液晶偏向素子ごとに制御することにより、被
    走査面上における光スポット位置を補正的に調整するこ
    とを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光走査装置において、 液晶偏向素子手段が、副走査方向を偏向方向とする副走
    査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列してなる副
    走査液晶偏向素子列として構成されていることを特徴と
    する光走査装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の光走査装置において、 液晶偏向素子手段が、主走査方向を偏向方向とする主走
    査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配列した主走査
    液晶偏向素子列を単独で、もしくは請求項3記載の副走
    査液晶偏向素子列とともに有することを特徴とする光走
    査装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装
    置において、 形状保持手段が、樹脂製結像素子の副走査方向における
    形状を矯正保持する形状矯正手段であることを特徴とす
    る光走査装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の光走査装置において、 形状矯正手段が、複数の当接突起を主走査方向に配列し
    て有する1対の挟持手段であり、上記当接突起を樹脂製
    結像素子の副走査方向の両面に当接させて上記樹脂製結
    像素子を挟持することを特徴とする光走査装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光走査装置において、 形状矯正手段をなす1対の挟持手段における当接突起
    が、互いに対向的に対応することを特徴とする光走査装
    置。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の光走査装置におい
    て、 形状矯正手段をなす1対の挟持手段が、挟持する樹脂製
    結像素子の線膨張係数よりも小さい線膨張係数をもつ材
    料で構成されていることを特徴とする光走査装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装
    置において、 形状保持手段が、樹脂製結像素子の副走査方向の両側面
    に接して設けられた断熱部材であることを特徴とする光
    走査装置。
  10. 【請求項10】請求項5〜9の任意の1に記載の光走査
    装置において、 形状保持手段が、主走査方向に最も長い樹脂製結像素子
    に用いられることを特徴とする光走査装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10の任意の1に記載の光走
    査装置において、 光源が複数の発光源を有し、被走査面の光走査がマルチ
    ビーム走査方式で行われることを特徴とする光走査装
    置。
  12. 【請求項12】請求項1〜11の任意の1に記載の光走
    査装置において、 光源が複数で、各光源から各光源に対応する被走査面に
    至る光路を構成する走査光学系が、各光源からの光束が
    形成する光スポットによる走査線を、実質的に互いに平
    行とするように構成されていることを特徴とする光走査
    装置。
  13. 【請求項13】感光媒体に光走査を行って、画像形成を
    行う画像形成装置において、 感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜
    12の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする
    画像形成装置。
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