JP4549619B2 - 画像形成装置および色合わせ調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成において、光源の光ビームによって感光体を露光し、感光体の表面に静電潜像を形成する露光装置およびそれを用いた画像形成装置並びに色合わせ調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像形成装置は、入力されたデータを各色成分に分解して画像処理を施した後、各色成分毎の画像を重ね合わせて多色画像を形成する。
【0003】
このような多色画像の形成に際して、各色成分の画像が正確に重ね合わされない場合、形成される多色画像の位置にずれ(位置ずれ)が発生し、画質の低下を招くことがある。特に、多色画像の形成速度を向上するために、各色成分毎に画像形成部を設けた画像形成装置では、各画像形成部にて各色成分の画像が形成され、該各色成分の画像が順次重ね合わせられることによって多色画像が形成される。
【0004】
このような画像形成装置では、各色成分の画像の転写位置にずれが生じやすく、多色画像の位置ずれ(色ずれ)が大きな問題となっている。
【0005】
また、このような位置ずれの原因としては、例えば、感光体の取り付け位置や周速のずれ、感光体に対する露光位置のずれ、転写ベルトの線速のずれ、温度変化による装置各部の膨張・収縮によるものがある。
【0006】
そこで、画像形成装置は、各色成分の画像を精度よく重ね合わせるために、多色画像(色像間)の位置ずれを補正する色合わせ調整を行う。
【0007】
色合わせ調整においては、まず、通常、基準となる色成分の画像形成位置に対する他の色成分の画像形成位置のずれを、光学式の検出器を用いて検出する。そして、この検出結果に基づいて補正量を決定し、この補正量に応じて、各色成分の画像の転写位置が一致するように調整する。補正量を決定するために、一般的には、各色成分の画像を同じタイミングで転写し、各色成分の転写位置間の距離を検出する、あるいは、各色成分が重ね合わされた多色画像の濃度を測定している。
【0008】
この補正量に応じて、各色成分の画像の転写位置が一致するように、各色成分の画像を形成するタイミング(書き込みタイミング)を調整するカラー画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
このカラー画像形成装置は、書き込みユニットの温度を検出し、画像形成タイミングを補正することにより、その温度による各色の色像の位置ずれを防止する。また、感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置としては、ポリゴンスキャナが用いられており、画像形成タイミングは、このポリゴンスキャナの回転を利用して補正される。
【0010】
また、副走査方向の走査線間隔ムラを補正する光走査装置もある(例えば、特許文献2参照)。この光走査装置は、感光体ドラムの回転速度を検出して、レーザビーム光路中(コリメータレンズとポリゴンミラーとの間)に設けた電気光学効果による偏光素子で速度変動による感光体ドラム上での紙送り方向の位置ずれを補正する。
【0011】
さらに、感光体ドラムにおける副走査方向の回転ムラを補正する露光装置もある(例えば特許文献3参照)。この露光装置は、感光体ドラムの回転速度を検出し、レーザビームの光路中(コリメータレンズとポリゴンミラーとの間)に液晶セルを配置する。これにより、レーザビームを偏向することができ、感光体ドラムの速度変動による、感光体ドラム上での紙送り方向の位置ずれを補正する。
【0012】
【特許文献1】
特開平3−293679号公報(1991年12月25日公開)
【0013】
【特許文献2】
特開平5−40398号公報(1993年2月19日公開)
【0014】
【特許文献3】
特開2001−328294号公報(2001年11月27日公開)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、位置ずれの補正に書き込みタイミングを用いているため、ポリゴンミラーを備えたポリゴンスキャナの分解能がラインピッチとなり、離散的な補正しかできない。
【0016】
即ち、ポリゴンミラーの回転による書き込みタイミングによって位置ずれの補正を行うことにより、所定の範囲の位置ずれについては、同じ補正量となる。このため、高精度な補正はできない。
【0017】
特許文献2および特許文献3に記載の構成は、感光体ドラムの速度変動をリアルタイムに検出し、フィードバックすることにより制御系が成立している。ここで、感光体ドラムの回転むらの要因は速度変動のうち(数/10)Hz以上のダイナミックな成分である。
【0018】
ところで、感光体ドラムが複数備えられ、各感光体ドラムに形成された色像を1つの画像として記録媒体に転写するタンデム型の画像形成装置の場合、感光体ドラムや露光装置における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等、これらの複合された形が結果として色ずれ(位置ずれ)として画質にあらわれることがあり、その主要因は画像上における各色間での定常的な位置偏差である。
【0019】
このような場合、必要となるのは、定常偏差を検出しフィードバックする制御系であって、バンデングの抑制に用いられる速度変動のフィードバックのみのリアルタイムな制御系では対応困難なものである。なお、通常の画像形成装置においては、このような定常偏差は感光体ドラムの回転むらの寄与する割合は非常に小さい。
【0020】
即ち、特許文献2および特許文献3に記載の構成は、偏向手段(偏向素子、液晶セル)を備えているため、位置ずれを連続的に補正することができるが、この補正(アナログ補正)は1つの感光体ドラムにおいての位置ずれの補正であり、複数の色像を重ねて転写する場合に、その色像の位置ずれの補正については開示されていない。
【0021】
また、この構成では、コリメータレンズとポリゴンミラーとの間に偏向手段を備えているため、1ライン中で補正量を変化させることができない。このため、1ライン中にスキューがある場合に、その補正をすることはできない。
【0022】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、色像を重ねて転写する場合に、その色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量で行うことができ、また、1ライン中で補正量を変化させることができる露光装置およびそれを用いた画像形成装置並びに色合わせ調整方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の露光装置は、上記の課題を解決するために、光源と、該光源から照射された光ビームを被露光部材に向けて偏向反射するとともに被露光部材を走査する光学走査系とを備え、露光によって表面に静電潜像が形成される複数の被露光部材を露光する露光装置において、上記光学走査系により形成される光路上に配され、上記光学走査系から被露光部材に照射される光ビームを偏向させる偏向部材と、上記偏向部材に接続され、該偏向部材による上記光ビームの偏向を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、異なる被露光部材に静電潜像を形成した場合の該静電潜像間の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量に基づいて上記偏向部材による光ビームの偏向を制御することを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、偏向部材によって、被露光部材の露光位置を移動させることができる。例えば、露光装置をカラー画像形成装置に用いた場合、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0025】
また、制御手段により、位置ずれ量を検出して保持(メモリ)し、保持(メモリ)された位置ずれ量情報に基づいて、光ビームの照射位置を補正することができる。例えば、テストパッチを用いて位置ずれ量を検出,サンプルホールドもしくはメモリし、サンプルホールド値或いはメモリ値に基づく制御が可能となる。
【0026】
従って、被露光部材や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができる。
【0027】
上記の露光装置は、偏向部材が、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、液晶を用いることにより、LPZT等の電気光学素子を用いる場合と比較すると、偏向部材の駆動に要する電圧が低くてすむ。従って、消費電力の低減を図ることができる。また、電気光学素子よりも、光ビームを大きく偏向させることができる。
【0029】
上記の露光装置は、偏向部材の一対の電極のうちの一方には、該一方の電極の両端付近から、異なる電圧が印加されることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、偏向部材において1ライン分に対応する部分に電位の傾きが生じる。従って、例えば、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等により、色像にスキューが生じた場合でも、その補正をすることができる。
【0031】
上記の露光装置は、偏向部材が、光学走査系と被露光部材との間に配されていることが好ましい。
【0032】
通常、偏向部材が光源と光学走査系との間に配されている、即ち偏向部材における光ビーム入力位置が固定されている場合、スキューを補正する際、1ラインのスキャン内で偏向電圧を変化させるごとに予備ビームを偏向させる必要があり、偏向部材はこれに追従できる高速応答性が要求される。
【0033】
しかしながら、上記の構成によれば、被露光部材と光学走査系との間に偏向部材が配されていることにより、光学走査系(例えば、ポリゴンミラーの回転)に応じて、偏向部材における光ビーム入力位置が移動(スキャン)する。
【0034】
従って、例えば、一対の電極のうちの一方に、該一方の電極の両端付近から異なる電圧が印加される偏向部材、つまり、ビーム入力位置により所定の偏向量に変化する偏向部材を用いることにより、偏向電圧をスキャン位置に応じて変化させること無くスキューを補正することが可能となり、偏向部材は高速応答性が要求されることは無い。
【0035】
これにより、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等によりスキューが生じた場合でも、その補正をすることができる。
【0036】
本発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、表面に感光体を有する像担持体と、該像担持体を画像データに基づいて露光し上記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置であって、上記露光装置は、光源と、該光源から照射された光ビームを像担持体に向けて偏向反射するとともに上記像担持体を走査する光学走査系と、上記光学走査系により形成される光路上に配され、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを偏向させる偏向部材と、上記偏向部材に接続され、該偏向部材による上記光ビームの偏向を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、異なる像担持体に静電潜像を形成した場合の該静電潜像間の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量に基づいて上記偏向部材による光ビームの偏向を制御することを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、像担持体への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0038】
また、像担持体や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができる。
【0039】
上記の画像形成装置は、偏向部材が、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有することが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、液晶を用いることにより、LPZT等の電気光学素子を用いる場合と比較すると、偏向部材の駆動に要する電圧が低くてすむ。例えば、LPZTの駆動電圧は、数百〜数キロ(V)の駆動電圧が必要であるが、液晶を用いた偏向部材は数(V)の駆動電圧でよい。従って、消費電力の低減を図ることができる。また、液晶を用いた偏向部材は、電気光学素子よりも安価であり、また、光ビームを大きく偏向させることができる。
【0041】
上記の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極が、液晶層を挟んで対向するように配されていることが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、偏向部材を、入射される光ビームの光軸に対して、所定の角度をもって配することにより、偏向部材は、プリズムとしての作用を有することができる。
【0043】
従って、偏向部材は、入射された光ビームを、副走査方向に平行移動させることができる。この結果、像担持体の露光位置を移動させることができ、色像間の位置ずれを補正することができる。
【0044】
上記の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極が、液晶層を挟む一対の基板のうちの一方の基板上に、離間して形成されていることが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、偏向部材は、電気力線の形成により、レンズ作用を有することができる。従って、偏向部材は、入射された光ビームを、副走査方向に平行移動させることができる。この結果、像担持体の露光位置を移動させることができ、色像間の位置ずれを補正することができる。
【0046】
上記の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極のうちの一方には、該一方の電極の両端付近から、異なる電圧が印加されることが好ましい。
【0047】
従来、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等により、色像にスキューが生じた場合、折り返しミラー等を用いて、機械的な調整を行っていた。
【0048】
しかしながら、上記の構成によれば、偏向部材において1ライン分に対応する部分に電位の傾きが生じる。従って、色像にスキューが生じた場合でも、その補正をすることができる。即ち、スキューが生じた場合でも、電気的な自動補正が可能となる。
【0049】
上記の画像形成装置は、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段を備え、偏向部材は、画像形成装置の初期設定時に、位置ずれ検出手段によって検出された位置ずれを補正することが好ましい。
【0050】
上記の構成によれば、画像形成装置の初期設定時に、パターン画像(パッチ画像)を用いて色像の位置ずれを検出することができる。従って、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等に起因する色像の位置ずれやスキューを、初期設定時から(画像形成開始時までに)補正することができる。
【0051】
上記の画像形成装置は、画像形成装置内部の温度を検出する温度検出手段を備え、偏向部材は、検出された温度に基づいて、光ビームを偏向させることが好ましい。
【0052】
上記の構成によれば、温度変化による装置各部の膨張・収縮による位置ずれを補正することができる。
【0053】
上記の画像形成装置は、光学走査系による上記像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、偏向部材を介して光学走査系から像担持体に光ビームを照射することにより、位置ずれを補正するアナログ補正とを切り換える切り換え手段を備えることが好ましい。
【0054】
上記の構成によれば、従って、アナログ補正とタイミング補正とを併用することにより、位置ずれのずれ量が大きい場合はタイミング補正を、ずれ量が小さい場合、または、タイミング補正を用いてある程度補正を行いずれ量を小さくした(ずれ量が目標値の近傍になった)場合はアナログ補正を行うことができる。
【0055】
これにより、ずれ量が目標値付近においては、アナログ補正により高精度の補正が可能であるとともに、タイミング補正を併用することにより、偏向部材に負担をかけることなく、広範囲な位置ずれの補正が可能となる。
【0056】
上記の画像形成装置は、偏向部材が、光学走査系と像担持体との間に配されていることが好ましい。
【0057】
上記の構成によれば、偏向部材が光学走査系と像担持体との間に備えられていることにより、像担持体に照射する光ビームの移動量(補正量)を、1ライン中で変化させることができる。
【0058】
これにより、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等によりスキューが生じた場合でも、その補正をすることができる。
【0059】
本発明の色合わせ調整方法は、上記の課題を解決するために、表面に感光体を有する像担持体と、光ビームを上記像担持体に向けて偏向反射するとともに該像担持体を走査する光学走査系が配され、上記像担持体を画像データに基づいて露光走査する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置において上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正する色合わせ調整方法であって、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを、上記光学走査系により形成される光路上に配された偏向部材によって上記光学走査系の副走査方向に偏向することにより、上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正することを特徴としている。
【0060】
上記の方法によれば、像担持体への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0061】
また、像担持体や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができる。
【0062】
上記の色合わせ調整方法は、光学走査系による像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、偏向部材を介して光学走査系から像担持体に光ビームを照射することにより、位置ずれを補正するアナログ補正とを切り換えることが好ましい。
【0063】
上記の方法によれば、位置ずれのずれ量が大きい場合はタイミング補正を、ずれ量が小さい場合、または、タイミング補正を用いてある程度補正を行いずれ量を小さくした(ずれ量が目標値の近傍になった)場合はアナログ補正を行うことができる。
【0064】
これにより、ずれ量が目標値付近においては、アナログ補正により高精度の補正が可能であるとともに、タイミング補正を併用することにより、偏向部材に負担をかけることなく、広範囲な位置ずれの補正が可能となる。
【0065】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図4、図6、図7、図9、および、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0066】
図1は、本実施の形態に係る露光装置の要部の構成を示す。同図に示すように、本露光装置は、LSU(レーザビームスキャナユニット)であり、光学ユニット40、fθレンズ41、および、後述するミラー42・43(図10参照)を備えている。なお、ここでは説明の簡単のため、ミラー42・43は省略している。
【0067】
また、光学ユニット40は、液晶セル(液晶偏向素子、偏向部材)1、制御回路2、ポリゴンミラー(光学走査系)3、コリメータレンズ4、および、LD(レーザダイオード、光源)5を備えている。
【0068】
光学ユニット40は、fθレンズ41を介してレーザビーム(光ビーム)を感光体ドラム(像担持体、光露光部材)22に照射する。この光学ユニット40からのレーザビームは、感光体ドラム22上を、矢印Bで示す主走査方向(感光体ドラム22の中心軸方向、感光体ドラム22上において後述する用紙の搬送方向とは垂直な方向)に走査される。
【0069】
fθレンズ41は、レーザビームに対してf−θ補正を行う。
【0070】
LD5は、半導体レーザからなる変調可能な光源である。LD5から出射されたレーザビームは、コリメータレンズ4によって、平行ビームに変換される。
【0071】
ポリゴンミラー3は、図示しないモータに接続されており、このモータによって、矢印C方向に回転される。ポリゴンミラー3は、略正多角柱形状をしている。
【0072】
コリメータレンズ4からポリゴンミラー3に入射されたレーザビームは、ポリゴンミラー3の側面において偏向反射され、液晶セル1およびfθレンズ41を介して感光体ドラム22に照射される。
【0073】
液晶セル1は、図2に示すように、基板61・62、電極63・64、および、液晶層65からなる。
【0074】
基板61・62は、透明な平板であり、例えばガラスからなる。電極63・64は、透明であり、制御回路2(図1・3参照)に接続されて電圧が印加される。
【0075】
液晶層65は、液晶からなり、その厚さは約数μm(例えば5μm)である。
液晶としては、屈折率の変化Δnの大きいものが好ましく、例えば、正の誘電異方性を有するネマティック液晶であるアゾキシ系液晶(Δn=0.28程度)、シアノビフェニル系液晶(Δn=0.2程度)、ビフェニル系液晶(Δn=0.22)等が使用される。
【0076】
この液晶セル1は、まず、基板61・62の各裏面に、電極63・64の材料を蒸着またはスパッタリング法により薄膜状に付着させることにより、電極63・64をそれぞれ基板61・62上に形成する。続いて、これら基板61と基板62とを、電極が形成された面(裏面どうし)が対向するように、所定のギャップを有して対向配置させる。そして、電極63・64間に、液晶を封入することにより、液晶セル1を製造することができる。
【0077】
次に、液晶セル1におけるプリズム作用について、図1・3を用いて説明する。
【0078】
図1に示すように、液晶セル1は、ポリゴンミラー3とfθレンズ41との間に配されている。このとき、液晶セル1は、ポリゴンミラー3から出射されるレーザビームの光軸に対して、所定の角度を有するように配されている。
【0079】
液晶セル1に接続されている制御回路2は図示しない変圧器、および、ON/OFFスイッチを備えている。
【0080】
制御回路2がONされ、電極63・64に電圧が印加されると、液晶層65の厚み方向に電界が形成される。このとき、液晶分子は電界の方向に対して所定の角度で垂直方向に配列し、これにより、液晶内の屈折率の分布が均一になってプリズムの作用が生じる。
【0081】
従って、図3に示すように、液晶セル1に角度θ1で基板61側から入射したレーザビームは、角度θ2で屈折し、基板62から出射される。ここで、図3は模式的に表した図であり、基板61・62、液晶層65、および、電極63・64の屈折率は同じものとして記載している。
【0082】
角度(屈折角度)θ2、即ち屈折率は、液晶層65における液晶分子の配列方向によって決まる。即ち、角度θ2は、制御回路2から印加される電圧の大きさによって変化するものである。なお、この制御回路2による印加電圧の大きさは、制御回路2の変圧器によって調節できる。
【0083】
従って、制御回路2による液晶セル1への印加電圧を変化させることで、基板61から入射したレーザビームを、任意の距離(Δy)だけD方向に(図1参照)平行移動させて、基板62からfθレンズ41にむけて出射させることができる。
【0084】
この平行移動量(Δy)を、後述する位置ずれに対応させることにより、位置ずれを補正することができる。
【0085】
以下、位置ずれおよび位置ずれの補正について、図1、6、7、9を用いて説明する。
【0086】
まず、位置ずれについて説明する。
【0087】
カラー画像形成装置においては、複数の異なる色に対応する感光体(感光体ドラム)が並設されており、各感光体に、露光装置によって、静電潜像を形成する。そして、各静電潜像を対応する色の現像剤(トナー)にて現像してトナー像(色像)を形成し、順次トナー像を転写することにより、多色画像を用紙上に形成する。このようなカラー画像形成装置の構成については、後に詳述する。
【0088】
例えば、搬送される用紙上に、各色のトナー像が順次(ここでは、Y・M・C・Kの順に)転写されるとすると、図6に示すように、トナー像は、前に転写されたトナー像上に、重なるように転写されることとなる。
【0089】
しかしながら、例えば、感光体の取り付け位置や周速のずれ、温度変化による装置各部の膨張・収縮、あるいは、感光体に対する露光位置のずれや転写ベルトの線速のずれなどにより、図7に示すように、トナー像の転写位置が合わないことがある。例えば、Kのトナー像の形成位置とYのトナー像の形成位置とがずれ、これらの間に距離を有する(位置ずれにおけるずれ量ΔY)ことがある。
【0090】
このような場合、位置ずれを有する色と色との間で、色ずれが生じることとなり、画質の劣化を招くこととなる。
【0091】
ところで、このような位置ずれは、用紙の搬送方向、即ち、副走査方向において発生する。従って、このような位置ずれを補正するには、感光体ドラム22に照射するレーザビームの光軸を、両矢印D方向(図1参照)に移動させなければならない。
【0092】
次に、液晶セル1がOFFの(液晶セル1を用いない)場合の位置ずれの補正(タイミング補正)について説明する。
【0093】
このような場合、上記位置ずれは、ポリゴンミラー3の回転タイミングによって補正することができる。
【0094】
ここで、LD5から出射されるレーザビームは、図示しないLDドライバから入力される各色の画像データ(YDATA・MDATA・CDATA・KDATA)に応じて、ポリゴンミラー3上に結像される。
【0095】
また、上述したように、ポリゴンミラー3は、図示しないモータにより回転しており、レーザビームを偏光走査する。レーザビームは、fθレンズ41(図1参照)やミラー42・43(図10参照)を経て感光体ドラム22上に到達する。ここで、ポリゴンミラー3の回転数は、図示しない制御手段によって一定に制御されている。
【0096】
従って、トナー像間に位置ずれが生じ、これを補正するために、ある色のトナー像の形成位置(露光位置)を変える場合、レーザビームのポリゴンミラー3への照射タイミングをずらすように制御すればよい。即ち、感光体ドラム22への書き込みタイミングを制御することにより、位置ずれを補正(以下、タイミング補正と称する)する。
【0097】
このタイミング補正の場合、ポリゴンミラー3の回転による書き込みタイミングによる補正を行うことにより、所定の範囲の位置ずれについては、同じ補正量となる(図9のタイミング補正領域参照)。
【0098】
次に、液晶セル1をONにした(液晶セル1を用いる)場合の位置ずれの補正(アナログ補正)について説明する。
【0099】
この場合、上述したように、制御回路2による液晶セル1への印加電圧を変化させることで、副走査方向(図1中、両矢印D方向)に所望の距離、感光体ドラム22へのレーザビームを移動させることができる。即ち、位置ずれのずれ量と、補正量とを1対1に対応させることができる(図9のアナログ補正領域参照)。
【0100】
これにより、所望の分だけ露光位置を移動させることができ、形成されるトナー像の形成位置を変えることができる。従って、トナー像間の位置ずれを補正(以下、アナログ補正と称する)することができる。また、タイミング補正と比較すると、高精度な補正が可能となる。
【0101】
なお、位置ずれのずれ量により、上記タイミング補正とアナログ補正とを切り換える切り換え手段(例えば、画像形成装置におけるCPU(制御手段)など)を備えていてもかまわない。
【0102】
即ち、上述したようにアナログ補正は細かい補正が可能となるが、その一方、液晶の屈折率の変化を用いているため、補正量は、ポリゴンミラー3の回転タイミングを用いた上記タイミング補正と比較すると、あまり大きくとることはできない。
【0103】
従って、アナログ補正とタイミング補正とを併用する場合は、図7に示すように、位置ずれのずれ量が大きい場合はタイミング補正を、ずれ量が小さい場合、または、タイミング補正を用いてある程度補正を行いずれ量を小さくした(ずれ量が0(目標位置)の近傍になった)場合はアナログ補正を行うことが好ましい。
【0104】
なお、液晶セル1の構成は、レーザビームの光路を移動させ、位置ずれを補正できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば図4に示すように、凸レンズのレンズ作用をもたせる構成としてもかまわない。
【0105】
即ち、図2に示す電極63・64のかわりに、図4に示すように、電極73・74を設けてもかまわない。電極73・74は、ともに、液晶セル1において液晶層65よりもレーザビームの入射側に配される。
【0106】
この液晶セルは、例えば、まず、レーザビームの入射側の基板である基板61の裏面(一方の面)の上下(副走査方向における上流側と下流側の端部付近)に、電極73・74の材料を蒸着またはスパッタリング法により薄膜状に付着させることにより、電極73・74を基板61上に形成する。続いて、基板61と基板62とを、電極が形成された面が対向するように、所定のギャップを有して対向配置させる。そして、基板61・62間に、液晶を封入することにより、液晶セルを製造することができる。なお、図4においては、基板61・62は省略している。
【0107】
ここで、電極73と電極74とは離間している。これにより、制御回路2によって液晶セルに電圧を印加した場合、電極73・74間に電気力線が形成され、凸レンズとして作用する。以下、このように凸レンズとして作用する液晶セルを液晶レンズとして記載する。
【0108】
従って、制御回路2から液晶レンズに印加される電圧を変化させることにより、電気力線のふくらみが変わり、液晶レンズの焦点距離が変化する。この結果、図4に示すように、レーザビームの光路を副走査方向にΔyd移動させることができる。即ち、焦点距離を長くする(L2からL1にする)と、感光体ドラム22への露光位置は上にΔyd移動させることができ、色像の転写位置もΔyd移動させることができる。このように、トナー像の位置ずれを補正することができる。
【0109】
なお、この場合、レーザビームの光路を平行移動させるには、レーザビームを液晶レンズの光軸からずらして入射させる必要がある。
【0110】
以下、図2に示す液晶セルを備えた光学ユニット40を用いた場合のデジタルカラー複写機(以下、複写機と称する)の構成について、図10を用いて説明する。
【0111】
図10に示すように、複写機(画像形成装置)本体の上面には、原稿台111及び図示しない操作パネルが設けられ、複写機本体の内部に画像読み取り部52および画像形成部53が設けられた構成である。
【0112】
原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって、両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)51が装着されている。
【0113】
さらに、両面自動原稿送り装置51は、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部52に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部52に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。
【0114】
そして、両面自動原稿送り装置51は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機全体の動作に関連して制御されるものである。
【0115】
画像読み取り部52は、両面自動原稿送り装置51により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。画像読み取り部52は該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113・114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ116とを有している。
【0116】
この原稿走査体113・114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット113は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。
【0117】
第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0118】
光学レンズ115は、第2の走査ユニット114の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0119】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)・G(緑)・B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0120】
次に、画像形成部53の構成、および画像形成部53に関わる各部の構成について説明する。
【0121】
画像形成部53の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙(記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部53に向かって供給する給紙機構54が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部53の手前に配置された一対のレジストローラ12によりタイミングが制御されて画像形成部53に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部53の画像形成にタイミングを合わせて、画像形成部53に再供給搬送される。
【0122】
画像形成部53には、転写搬送ベルト機構13が配置されている。転写搬送ベルト機構13は、転写用放電器25a〜25d、転写搬送ベルト16、転写ベルトクリーニングユニット11、駆動ローラ14、従動ローラ15、テンションローラ31を備えている。なお、以下では、各色に対応した4つの転写用放電器25a〜25dをまとめて転写用放電器25と記載する。
【0123】
転写用放電器25は、転写搬送ベルト機構13の内側のフレームに回転可能に支持され、駆動ローラ14、テンションローラ31、従動ローラ15とともに、転写搬送ベルト16を張架している。ここで、転写搬送ベルト16は、駆動ローラ14と従動ローラ15との間に略平行に伸びるように張架されている。
【0124】
転写用放電器25は、直径8〜10mmの金属軸をベースとし、その表面は、EPDMや発泡ウレタン等の導電性の弾性材によって覆われている。転写用放電器25は、この導電性の弾性材により、用紙に対して、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を均一に印加することができ、感光体ドラム22a〜22dに形成されたトナー像を転写搬送ベルト16あるいは転写搬送ベルト16上に吸着されて搬送される用紙に転写する。
【0125】
転写搬送ベルト16の下側に近接して、パターン画像検出センサ(位置ずれ検出手段)32が設けられている。パターン画像検出センサ32は、転写搬送ベルト16上に作成したパッチ画像により位置ずれのずれ量(レジストレーション)、もしくはスキュー量の検出のためのものである。
【0126】
レジストレーションの検出の場合は、異なる色のパッチ画像を1つずつ形成し、スキューを検出する場合はある色のパッチ画像を、画像領域の両端(画像領域において用紙搬送方向とは垂直な方向における両端)近傍に1個ずつ(計2つ)形成する。従って、パターン画像検出センサ32は、レジストレーションの場合は1個、スキューを検出する場合は画像領域の両端(画像領域において用紙搬送方向とは垂直な方向における両端)近傍に1個ずつ配置されている。
【0127】
また、図示しない温湿度センサが、複写機内の温度や湿度を検出し、急激な温度変化や湿度変化のないプロセス部近傍に設置されている。
【0128】
従って、液晶セル1は、検出された温度に基づいて、レーザビームを偏向させることができる。これにより、温度変化による装置各部の膨張・収縮による位置ずれを補正することができる。
【0129】
なお、この場合複写機には、検出された温度と、それに基づく補正量とが関連付けられてテーブルとして記憶されている。そして、温度が検出されると、このテーブルを用いて、補正量が決定され、液晶セル1に制御回路2から補正量に応じた電圧が印加される。
【0130】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構13の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置17が配置されている。この定着装置17の一対の定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート18を経て、排出ローラ19により複写機本体の外壁に取り付けられている排紙トレイ20上に排出される。
【0131】
切り換えゲート18は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部53に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート18により再び画像形成部53に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路21を介して表裏反転された後、画像形成部53へと再度供給される。
【0132】
また、画像形成部53において、転写搬送ベルト16の上方には、転写搬送ベルト16に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0133】
転写搬送ベルト16は駆動ローラ14によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構54を通じて給送される用紙Pを担持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
【0134】
画像形成ステーションPa〜Pdは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いて多色画像を形成するために、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、露光ユニット27a・27b・27c・27d、現像装置24a・24b・24c・24d、感光体ドラム22a・22b・22c・22d、クリーナユニット26a・26b・26c・26d、帯電器23a・23b・23c・23dを備え、これらは、各々4つずつ設けている。
なお、各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有しており、ここでは、上記a、b、c、dは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応するように記載している。
【0135】
なお、以下では、各色に応じて設けられている4つの部材のうち、特定の色に対応する部材を指定する場合を除いて、各色に対して設けられている部材をまとめて、露光ユニット27、現像装置24、感光体ドラム22、クリーナユニット26、帯電器23、転写用放電器25と記載する。
【0136】
感光体ドラム22は、複写機本体の中心部に配置され、表面にて、入力される画像データに応じた静電潜像やトナー像を形成する。感光体ドラム22の周辺には、帯電器23と、露光ユニット27と、現像装置24と、現像された感光体ドラム22d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器25と、感光体ドラム22上に残留するトナーを除去するクリーナユニット26とが感光体ドラム22の回転方向(矢印F方向)に沿って順次配置されている。
【0137】
帯電器23は、感光体ドラム22の表面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電器23としては、感光体ドラム22に接触するローラ型やブラシ型の他に、感光体ドラム22に接触しないチャージャー型等が用いられる。
【0138】
露光ユニット27は、感光体ドラム22の上方に配されており、レーザビームを主走査方向に偏光させる上述した光学ユニット40と、光学ユニット40によって偏光されたレーザビームを感光体ドラム22表面に結像させるためのfθレンズ41と、ミラー42・43とからなる。露光ユニット27は、入力される画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム22上に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0139】
現像装置24は、感光体ドラム22上に形成された静電潜像を各色のトナー(現像剤)によって顕像化(現像)する。
【0140】
クリーナユニット26は、感光体ドラム22上の表面に形成された静電潜像を現像し、転写した後に、感光体ドラム22上に残留したトナーを除去・回収する。
【0141】
露光ユニット27aには、カラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、露光ユニット27bには、カラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、露光ユニット27cには、カラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、露光ユニット27dには、カラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0142】
これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム22a〜22d上に形成される。そして、現像装置24aには黒色のトナーが、現像装置24bにはシアン色のトナーが、現像装置24cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置24dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム22a〜22d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。このようにして、画像形成部53にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0143】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構54との間には用紙吸着用帯電器28が設けられている。この吸着用帯電器28は転写搬送ベルト16の表面を帯電させ、給紙機構53から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト16上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0144】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置17との間で駆動ローラ14のほぼ真上部には除電器29が設けられている。この除電器29には転写搬送ベルト16に静電吸着されている用紙Pを、転写搬送ベルト16から分離するための交流電流が印加されている。
【0145】
上記構成の複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構54の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分が図示しないセンサにて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ12により一旦停止される。
【0146】
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト16上に送られる。このとき転写搬送ベルト16には前述したように、吸着用帯電器28により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0147】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像がそれぞれ形成され、転写搬送ベルト16により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電用放電器により転写搬送ベルト16上から剥離され、定着装置17へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、図示しない用紙排出口から排紙トレイ20上へと排出される。
【0148】
なお、上述の説明ではLSUからなる露光ユニットによって、レーザビームを走査して露光することにより感光体への光書き込みを行っているが、これに限定されるものではない。例えば、LSUのかわりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。
【0149】
このLEDヘッドは、LSUに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0150】
以上のように、複写機(画像形成装置)は、表面に感光体を有する感光体ドラム22と、該感光体ドラム22を画像データに基づいて露光する露光装置27と、該露光装置27により露光された部分を現像する現像装置24とを備えて色像(トナー像)を形成する画像形成手段(画像形成ステーションPa〜Pdおよび転写用放電器25)が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段(転写搬送ベルト16または用紙)上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する。
【0151】
露光装置27は、LD5と、該LD5から照射されたレーザビームを感光体ドラム22に向けて偏向反射するとともに感光体ドラム22を走査するポリゴンミラー3と、ポリゴンミラー3により形成される光路上(例えば、ポリゴンミラー3と感光体ドラム22との間)に配され、ポリゴンミラー3から感光体ドラム22に照射されるレーザビームを偏向させる液晶セル1と、液晶セル1に接続され、液晶セル1によるレーザビームの偏向を制御する制御回路2とを備える。
【0152】
制御回路2は、露光装置27が、異なる感光体ドラム22に静電潜像を形成した場合の該静電潜像間の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量に基づいて液晶セル1によるレーザビームの偏向を制御する。
【0153】
これにより、感光体ドラム22への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0154】
また、感光体ドラム22やポリゴンミラー3における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができる。
【0155】
露光装置27は、LD5と、該LD5から照射されたレーザビームを感光体ドラム22に向けて偏向反射するとともに感光体ドラム22を走査するポリゴンミラー3と、ポリゴンミラー3と感光体ドラム22との間に配され、ポリゴンミラー3から感光体ドラム22に照射されるレーザビームを偏向させる液晶セル1とを備えている。
【0156】
これにより、感光体ドラム22への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0157】
また、液晶セル1が、液晶からなる液晶層65と、該液晶層65に電圧を印加し、該液晶層65の屈折率を変化させる一対の電極63・64(73・74)とを有することが好ましい。
【0158】
これにより、液晶を用いることにより、LPZT等の電気光学素子を用いる場合と比較すると、液晶セル1の駆動に要する電圧が低くてすむ。例えば、LPZTの駆動電圧は、数百〜数キロ(V)の駆動電圧が必要であるが、液晶を用いた液晶セル1は数(V)の駆動電圧でよい。従って、消費電力の低減を図ることができる。また、液晶を用いた液晶セル1(81)は、電気光学素子よりも安価であり、また、光ビームを大きく偏向させることができる。
【0159】
また、複写機は、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段を備え、液晶セル1は、複写機の初期設定時に、位置ずれ検出手段によって検出された位置ずれを補正することが好ましい。
【0160】
これにより、画像形成装置の初期設定時に、パターン画像(パッチ画像)を用いて色像の位置ずれを検出することができる。従って、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等に起因する色像の位置ずれやスキューを、初期設定時から(画像形成開始時までに)補正することができる。
【0161】
なお、本実施の形態においては、液晶セル1を、ポリゴンミラー3とF−θレンズ41との間に配置されるものとして記載したが、レーザビームの光路上に配置するものであればこれに限定されるものではなく、例えば、コリメータレンズ4とポリゴンミラー3との間、もしくはF−θレンズ41より下流側の光路上に配置してもかまわない。
【0162】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の一形態について図1、図4、図5および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0163】
図5(a)に示すように、本実施の形態における露光装置の液晶セル81は、実施の形態1における液晶セル1の電極63・64あるいは電極73・74、および、制御回路2のかわりに、電極83・84、および、制御回路85を備えている。
【0164】
図5(b)に示すように、電極83は、その両端から電圧(Ey1、Ey2)が印加される。また、電極84は接地されている。電極83・84は、金属よりも抵抗の高い抵抗体電極からなる。
【0165】
ところで、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等により、図8に示すようなスキューが生じることがある。スキューとは、ある色像において、1ライン中に傾き(搬送方向における距離ΔSのずれ)が生じていることをいう。
【0166】
ここで、Ey1とEy2とが異なる場合、感光体ドラム22に照射するレーザビームの移動量(補正量)を、1ライン中で変化させることができる。
【0167】
従って、ポリゴンミラー3と感光体ドラム22との間に液晶セル81を備えることにより、1ライン中にスキューがある場合にも、上述した位置ずれの補正(実施の形態1参照)と合わせてスキューの補正をすることができる。
【0168】
即ち、Ey2=Ey1+ΔEの場合、ΔE=0であれば図5に記載の液晶セル81は、実施の形態1の図4に記載の液晶セルと同様の構成となり、異なる色間のトナー像の位置ずれを補正することができる。
【0169】
また、Ey2>Ey1,Ey2<Ey1の場合、△Eによって1ライン中におけるスキューの補正をすることができる。
【0170】
また、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0171】
【発明の効果】
本発明の露光装置は、以上のように、光学走査系により形成される光路上に配され、光学走査系から被露光部材に照射される光ビームを偏向させる偏向部材と、偏向部材に接続され、該偏向部材による光ビームの偏向を制御する制御手段とを備え、制御手段は、異なる被露光部材に静電潜像を形成した場合の該静電潜像間の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量に基づいて偏向部材による光ビームの偏向を制御する構成である。
【0172】
これにより、被露光部材の露光位置を移動させることができる。例えば、露光装置をカラー画像形成装置に用いた場合、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0173】
従って、被露光部材や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0174】
本発明の露光装置は、偏向部材が、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有する構成である。
【0175】
これにより、LPZT等の電気光学素子を用いる場合と比較すると、偏向部材の駆動に要する電圧が低くてすむ。従って、消費電力の低減を図ることができる。また、電気光学素子よりも、光ビームを大きく偏向させることができるといった効果を奏する。
【0176】
本発明の露光装置は、偏向部材における一対の電極のうちの一方には、該一方の電極の両端付近から、異なる電圧が印加される構成である。
【0177】
これにより、偏向部材において1ライン分に対応する部分に電位の傾きが生じる。従って、例えば、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等により、色像にスキューが生じた場合でも、その補正をすることができるといった効果を奏する。
【0178】
本発明の露光装置は、偏向部材が、光学走査系と被露光部材との間に配されている構成である。
【0179】
これにより、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等によりスキューが生じた場合でも、その補正をすることができるといった効果を奏する。
【0180】
本発明の画像形成装置は、以上のように、表面に感光体を有する像担持体と、該像担持体を画像データに基づいて露光し上記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置であって、上記露光装置は、光源と、該光源から照射された光ビームを像担持体に向けて偏向反射するとともに上記像担持体を走査する光学走査系と、上記光学走査系により形成される光路上に配され、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを偏向させる偏向部材と、上記偏向部材に接続され、該偏向部材による上記光ビームの偏向を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、異なる像担持体に静電潜像を形成した場合の該静電潜像間の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量に基づいて上記偏向部材による光ビームの偏向を制御する構成である。
【0181】
上記の構成によれば、像担持体への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0182】
また、像担持体や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0183】
本発明の画像形成装置は、偏向部材が、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有する構成である。
【0184】
これにより、LPZT等の電気光学素子を用いる場合と比較すると、偏向部材の駆動に要する電圧が低くてすむ。従って、消費電力の低減を図ることができる。また、液晶を用いた偏向部材は、電気光学素子よりも安価であり、また、光ビームを大きく偏向させることができるといった効果を奏する。
【0185】
本発明の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極が、液晶層を挟んで対向するように配されている構成である。
【0186】
これにより、偏向部材は、プリズムとしての作用を有することができる。従って、偏向部材は、入射された光ビームを、副走査方向に平行移動させることができる。この結果、像担持体の露光位置を移動させることができ、色像間の位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0187】
本発明の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極が、液晶層を挟む一対の基板のうちの一方の基板上に、離間して形成されている構成である。
【0188】
これにより、偏向部材は、電気力線の形成により、レンズ作用を有することができる。従って、偏向部材は、入射された光ビームを、副走査方向に平行移動させることができる。この結果、像担持体の露光位置を移動させることができ、色像間の位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0189】
本発明の画像形成装置は、偏向部材の一対の電極のうちの一方には、該一方の電極の両端付近から、異なる電圧が印加される構成である。
【0190】
これにより、偏向部材において1ライン分に対応する部分に電位の傾きが生じる。従って、色像にスキューが生じた場合でも、その補正をすることができる。
即ち、スキューが生じた場合でも、電気的な自動補正が可能となるといった効果を奏する。
【0191】
本発明の画像形成装置は、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段を備え、偏向部材は、画像形成装置の初期設定時に、位置ずれ検出手段によって検出された位置ずれを補正する構成である。
【0192】
これにより、画像形成装置の初期設定時に、パターン画像(パッチ画像)を用いて色像の位置ずれを検出することができる。従って、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等に起因する色像の位置ずれやスキューを、初期設定時から(画像形成開始時までに)補正することができるといった効果を奏する。
【0193】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置内部の温度を検出する温度検出手段を備え、偏向部材は、検出された温度に基づいて、光ビームを偏向させる構成である。
【0194】
これにより、温度変化による装置各部の膨張・収縮による位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0195】
本発明の画像形成装置は、光学走査系による上記像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、偏向部材を介して光学走査系から像担持体に光ビームを照射することにより、位置ずれを補正するアナログ補正とを切り換える切り換え手段を備える構成である。
【0196】
これにより、位置ずれのずれ量が大きい場合はタイミング補正を、ずれ量が小さい場合、または、タイミング補正を用いてある程度補正を行いずれ量を小さくした(ずれ量が目標値の近傍になった)場合はアナログ補正を行うことができる。
【0197】
従って、ずれ量が目標値付近においては、アナログ補正により高精度の補正が可能であるとともに、タイミング補正を併用することにより、偏向部材に負担をかけることなく、広範囲な位置ずれの補正が可能となるといった効果を奏する。
【0198】
本発明の画像形成装置は、偏向部材が、光学走査系と像担持体との間に配されている構成である。
【0199】
これにより、偏向部材が光学走査系と像担持体との間に備えられていることにより、像担持体に照射する光ビームの移動量(補正量)を、1ライン中で変化させることができる。
【0200】
従って、画像形成装置の組立時の組立誤差や、画像形成装置の部品の加工誤差等によりスキューが生じた場合でも、その補正をすることができるといった効果を奏する。
【0201】
本発明の色合わせ調整方法は、以上のように、表面に感光体を有する像担持体と、光ビームを上記像担持体に向けて偏向反射するとともに該像担持体を走査する光学走査系が配され、上記像担持体を画像データに基づいて露光走査する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置において上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正する色合わせ調整方法であって、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを、上記光学走査系により形成される光路上に配された偏向部材によって上記光学走査系の副走査方向に偏向することにより、上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正する構成である。
【0202】
上記の方法によれば、像担持体への露光位置を移動させることができる。即ち、重ねて転写されるはずの色像間の位置ずれの補正を連続的な補正量(アナログ補正)で行うことができる。
【0203】
また、像担持体や光学走査系における機械的または光学的な位置ずれ、および、駆動系または搬送系の速度偏差等による静電潜像の位置ずれを補正することができるといった効果を奏する。
【0204】
本発明の色合わせ調整方法は、光学走査系による像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、偏向部材を介して光学走査系から像担持体に光ビームを照射することにより、位置ずれを補正するアナログ補正とを切り換える構成である。
【0205】
これにより、位置ずれのずれ量が大きい場合はタイミング補正を、ずれ量が小さい場合、または、タイミング補正を用いてある程度補正を行いずれ量を小さくした(ずれ量が目標値の近傍になった)場合はアナログ補正を行うことができる。
【0206】
従って、ずれ量が目標値付近においては、アナログ補正により高精度の補正が可能であるとともに、タイミング補正を併用することにより、偏向部材に負担をかけることなく、広範囲な位置ずれの補正が可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る露光装置の要部の構成を示す図である。
【図2】液晶セルの構成を示す断面図である。
【図3】液晶セルのプリズム作用について説明する図である。
【図4】レンズ作用を有する液晶セルの構成について示す図である。
【図5】本発明の他の実施の一形態に係る露光装置における液晶セルの要部の構成を示す図であり、(a)はその側面図、(b)は(a)における矢視断面図である。
【図6】カラー画像形成装置において、各色のトナー像が順次用紙に転写される場合のトナー像の構成を示す図である。
【図7】位置ずれを示す図である。
【図8】スキューを示す図である。
【図9】位置ずれのずれ量と補正量との関係を示すグラフである。
【図10】図1に示す光学ユニットを用いたデジタルカラー複写機の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶セル(偏向部材)
2 制御回路(制御手段)
3 ポリゴンミラー(光学走査系)
5 LD(レーザダイオード、光源)
22 感光体ドラム(被露光部材、像担持体)
27 露光ユニット(露光装置)
40 光学ユニット
61,62 基板
63,64 電極
65 液晶層
73,74 電極
81 液晶セル
83,84 電極
Claims (6)
- 表面に感光体を有する像担持体と、該像担持体を画像データに基づいて露光し上記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置であって、
上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれ量を検出する位置ずれ検出手段と、
画像形成装置内部の温度を検出する温度検出手段と、
切り換え手段とを備え、
上記露光装置は、光源と、該光源から照射された光ビームを上記像担持体に向けて偏向反射するとともに上記像担持体を走査する光学走査系と、上記光学走査系により形成される光路上に配され、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを偏向させる偏向部材と、上記偏向部材に接続され、該偏向部材による上記光ビームの偏向を制御する制御手段とを備え、
上記偏向部材は、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有し、
上記切り換え手段は、上記光学走査系による上記像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、上記制御手段に上記偏向部材による偏向を制御させ、当該偏向部材を介して上記光学走査系から上記像担持体に光ビームを照射することにより、上記位置ずれを補正するアナログ補正とを位置ずれ量に応じて切り換え、
上記制御手段は、(1)画像形成装置の初期設定時に、上記位置ずれ検出手段によって検出された上記位置ずれ量を補正するように上記偏向部材による光ビームの偏向を制御する第1制御動作と、(2)温度と当該温度に応じた各色の色像間の位置ずれを補正するための補正量との対応関係を示す情報から上記温度検出手段によって検出された温度に対応する補正量を決定し、当該補正量に基づいて上記偏向部材による光ビームの偏向を制御する第2制御動作とを行うことを特徴とする画像形成装置。 - 上記一対の電極は、上記液晶層を挟んで対向するように配されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記一対の電極は、上記液晶層を挟む一対の基板のうちの一方の基板上に、離間して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記一対の電極のうちの一方には、該一方の電極の両端付近から、異なる電圧が印加されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 上記偏向部材は、上記光学走査系と上記像担持体との間に配されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 表面に感光体を有する像担持体と、光ビームを上記像担持体に向けて偏向反射するとともに該像担持体を走査する光学走査系が配され、上記像担持体を画像データに基づいて露光走査する露光装置と、該露光装置により露光された部分を現像する現像装置とを備えて色像を形成する画像形成手段が複数並設され、画像形成手段の並設方向に搬送される搬送手段上に上記色像を転写することにより多色からなる1つの画像を形成する画像形成装置において上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正する色合わせ調整方法であって、
上記画像形成装置は、上記光学走査系により形成される光路上に配された偏向部材を備え、当該偏向部材は、液晶からなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加し、該液晶層の屈折率を変化させる一対の電極とを有し、
画像形成装置の初期設定時に上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれ量を検出し、
画像形成装置内部の温度を検出し、
上記光学走査系による上記像担持体への書き込みタイミングをずらすことによって、上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれを補正するタイミング補正と、上記偏向部材による偏向を制御し、当該偏向部材を介して上記光学走査系から上記像担持体に光ビームを照射することにより、上記位置ずれを補正するアナログ補正とを位置ずれ量に応じて切り換え、
上記偏向部材による偏向の制御として、(1)画像形成装置の初期設定時に検出された、上記搬送手段上に転写された各色の色像間の位置ずれ量を補正するように、上記光学走査系から上記像担持体に照射される光ビームを、上記偏向部材によって上記光学走査系の副走査方向に偏向する第1制御動作と、(2)温度と当該温度に応じた各色の色像間の位置ずれを補正するための補正量との対応関係を示す情報から上記検出された温度に対応する補正量を決定し、当該補正量に基づいて上記偏向部材による光ビームの偏向を制御する第2制御動作とを行うことを特徴とする色合わせ調整方法。
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