JP2001079947A - 両面金属張積層板の製造方法 - Google Patents

両面金属張積層板の製造方法

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JP2001079947A JP25881099A JP25881099A JP2001079947A JP 2001079947 A JP2001079947 A JP 2001079947A JP 25881099 A JP25881099 A JP 25881099A JP 25881099 A JP25881099 A JP 25881099A JP 2001079947 A JP2001079947 A JP 2001079947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シート
を使用して、外観が良好で、十分な接着力を有し、かつ
寸法安定性が良好な両面金属張積層板を連続して低コス
トで製造し得る方法の提供。 【解決手段】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムを2枚の
金属シート間に挟んで加熱ロール間で圧着させて両面金
属張積層板を製造する方法において、(1)2枚の金属
シートが加熱ロールに接触する前にそれぞれ予熱される
第1工程、(2)第1工程を経た2枚の金属シートがそ
れぞれ1対をなす別個の加熱ロールに接触して、該加熱
ロール上を搬送されながら、熱膨張して無緊張状態にな
る第2工程、および(3)第2工程により無緊張状態と
なり、1対をなす別個の加熱ロール上をそれぞれ搬送さ
れる2枚の金属シートとその間に搬送される上記フィル
ムとが、加熱ロール間で圧着されて一体化し、得られた
積層板が加熱ロール間から搬出される第3工程を行うこ
とを特徴とする両面金属張積層板の製造方法により上記
の課題が解決される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性の溶
融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可
塑性液晶ポリマーと略称することがある)からなるフィ
ルム(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと略
称することがある)を使用した両面金属張積層板を連続
して製造する方法および該方法により得られる両面金属
張積層板に関する。本発明により得られる両面金属張積
層板は、その電気絶縁材として用いる熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムに由来した優れた寸法安定性、低吸湿性、
耐熱性、耐薬品性および電気的性質を有しており、フレ
キシブル配線板や半導体実装用回路基板材料として有用
である。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを
用いてプリント配線板等に使用される金属張積層板を製
造する場合、真空熱プレス装置を使用して、その2枚の
熱平盤の間に所定の大きさに裁断された熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムと金属箔を重ねて置き、真空状態で加熱
圧着している(バッチ式真空熱プレス積層法)。しかし
ながら、真空熱プレス積層法は枚葉式であるため、材料
を重ねて置く時間、1回のプレス時間、プレス後の材料
取り出し時間などが長くなり、金属張積層板1枚当たり
の生産速度が遅くなって、コストが高く付く。また、生
産速度を高めるために、同時に多数枚を製造できるよう
に設備を改善すると、設備が大型化して設備費が高くな
り好ましくない。したがって、この問題を解決し、低コ
ストで金属張積層板を提供できる連続的な製造方法の開
発が求められている。
【0003】そこで、金属張積層板を連続的に製造する
方法が提案されてきた。例えば、(1)熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムと金属箔とを重ね合せた状態で最初に、
加熱されたロールと接触させ、次いでゴム製ロールまた
はゴム被覆ロールにより加圧する方法(特開平5−42
603号公報参照)、(2)2枚の金属板を走行させな
がら、金属板加熱用ロールに接触させて加熱し、該加熱
された金属板にフィルム状樹脂を仮接着した後、2枚の
金属板を非接触加熱手段により加熱して合わせながら加
熱接着用ロール間に導入し、通過させて加熱接着する方
法(特許第2561958号公報参照)などが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
方法では、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属箔との
仮積層体が最初に加熱されたロールに接触した際に、急
激な金属箔の熱膨張により歪みが生じて皺が発生し、そ
の外観が悪化した状態でゴムロールで加圧されると、そ
の皺が積層体に残ってしまうという欠点がある。また、
上記(2)の方法では、加熱された金属板にフィルム状
樹脂を仮接着する段階で、幅方向にフィルム状樹脂が自
己収縮するために、仮接着後のフィルム状樹脂積層幅に
変動が発生する。加えて、2枚の金属板を非接触加熱手
段により加熱しているため、湾曲して端部に皺が発生す
るという欠点がある。
【0005】しかして、本発明の目的は、外観が良好
で、十分な接着力を有し、かつ寸法安定性が良好な両面
金属張積層板を連続して低コストで製造し得る方法を提
供することにある。また本発明の他の目的は、品質の良
好な両面金属張積層板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、加熱ロール間圧
着により両面金属張積層板を製造するに際し、2枚の金
属シートをそれぞれ予熱した後に、加熱ロールに接触さ
せ、該加熱ロール上を搬送させて無緊張状態にし、次い
でそれらの間に熱可塑性液晶ポリマーフィルムを挟んで
加熱ロール間に搬送して圧着することにより、外観が良
好で、十分な接着力を有し、かつ寸法安定性が良好な両
面金属張積層板が連続して得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムの両面に金属シートが接合されてなる両面金
属張積層板を加熱ロール間圧着により製造する方法にお
いて、(1)2枚の金属シートが加熱ロールに接触する
前にそれぞれ予熱される第1工程、(2)第1工程を経
た2枚の金属シートがそれぞれ1対をなす別個の加熱ロ
ールに接触して、該加熱ロール上を搬送されながら、熱
膨張して無緊張状態になる第2工程、および(3)第2
工程により無緊張状態となり、1対をなす別個の加熱ロ
ール上をそれぞれ搬送される2枚の金属シートとその間
に搬送される熱可塑性液晶ポリマーフィルムとが、加熱
ロール間で圧着されて一体化し、得られた積層板が加熱
ロール間から搬出される第3工程を行うことを特徴とす
る両面金属張積層板の製造方法である。また、本発明
は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムが金属シート間に挟
まれてなり、上記の製造方法により得られる両面金属張
積層板である。
【0008】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの原料は、特に限定されるものではないが、そ
の具体例として、以下に例示する(1)から(4)に分
類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサ
ーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピッ
ク液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但
し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得
るためには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な
範囲があることは言うまでもない。
【0009】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0010】
【表1】
【0011】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0012】
【表2】
【0013】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0014】
【表3】
【0015】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0016】
【表4】
【0017】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0018】
【表5】
【0019】また、熱可塑性液晶ポリマーとしては、フ
ィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的において
は、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250
〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましい
が、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有す
るものが好ましい。
【0020】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得ら
れる。任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ
法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工
業的に有利である。特にインフレーション法やラミネー
ト体延伸法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方
向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、T
D方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向と
TD方向における機械的性質および熱的性質のバランス
のとれたフィルムが得られるので、より好適に用いられ
る。
【0021】本発明に使用される金属シートの材質とし
ては、電気的接続に使用されるような金属などから選択
され、例えば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなど
が挙げられる。これらの中でも特に銅が好ましい。銅と
しては、圧延法や電気分解法によって製造されるいずれ
のものでも使用することができるが、電気分解法によっ
て製造される表面粗さの大きいものが好ましい。金属シ
ートには、銅箔に通常施される酸洗浄などの化学表面処
理などが本発明が奏する効果が損なわれない範囲内で施
されていてもよい。金属シートの厚さとしては、7〜1
00μmの範囲が好ましく、9〜75μmの範囲内がよ
り好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の両面金属張積層板
の製造方法を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
の両面金属張積層板の製造方法を模式的に示した図であ
り、2枚の金属シート2、2が加熱ロール3、3に接触
する前にそれぞれ赤外線ヒーターなどの非接触加熱手段
4、4により予熱され、次いで1対をなす別個の加熱ロ
ール3、3に接触して、該加熱ロール上を搬送されなが
ら、熱膨張して無緊張状態になり、かかる2枚の金属シ
ート2、2とその間に搬送される熱可塑性液晶ポリマー
フィルム1とが、加熱ロール3、3間で圧着されて一体
化し、得られた両面金属張積層板5が加熱ロール間から
搬出される過程を示す。
【0023】上記の加熱ロールは、熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムの融点より50℃低い温度から該融点より5
℃低い温度までの範囲内の表面温度を有しているのが好
ましい。ロールとしては、例えば金属ロール、ゴムロー
ル、ゴムやポリイミドなどの樹脂が表面にコーティング
された金属ロールなどが使用される。ロールの直径は3
5〜45cmの範囲が好ましく、1対のロールの直径は
ほぼ同じであるのがより好ましい。
【0024】上記の第1工程は、金属シートを予熱する
ことによって、金属シートが加熱ロールに接触する際に
急激に膨張することを緩和する工程である。かかる工程
により、金属シートは加熱ロールにより急激な熱膨張を
受けることがなく、歪みが発生せず、また巻出部の張力
を増加させても、金属シートの外観に変化が生じること
はない。予熱操作は、赤外線ヒーターなどの非接触加熱
手段により行うのが好ましい。予熱温度は、金属シート
の材質、熱膨張係数や厚さを考慮して設定する必要があ
り、例えば、電気分解法により製造される厚さ18μ
m、幅400mmの銅箔を使用する場合には、150〜
250℃程度の温度が好ましい。予熱工程の雰囲気は使
用する金属シートの材質により選択すればよく、空気中
の酸素により酸化され易い材質の場合には窒素などの不
活性雰囲気が好ましい。
【0025】第2工程は、金属シートが加熱ロールに接
触して、加熱ロール上で無緊張状態になる工程である。
金属シートは、加熱ロール上で自らの熱膨張により寸法
が増大し、十分に熱膨張が緩和されて、加熱ロールとの
摩擦により進行方向への張力が伝わらなくなり、無緊張
状態となる。金属シートが加熱ロールと接触する角度θ
は、1対の加熱ロールの接点を基準にして70〜200
°の範囲が好ましく、170〜200°の範囲がより好
ましい。第1工程および第2工程により、予熱された金
属シートの温度は、100〜250℃の範囲になるのが
適当であり、100〜200℃の範囲になるのがより好
ましい。本発明においては、予熱温度、加熱ロールの直
径とその回転速度、金属シートの加熱ロールとの接触角
度θなどを調整することにより、加熱ロール間での圧着
に至るまでに、金属シートを加熱ロール上で無緊張状態
とする。
【0026】金属シートを予熱する第1工程がない場合
には、金属シートが加熱ロールに接触した瞬間に急激に
熱膨張して歪みを生じる。急激な熱膨張による歪みを防
ぐために、巻出部の張力を増加させる場合にはスジ状の
歪みが生じ、張力を減少させる場合にはスジ状の歪みは
解消されるが、蛇行現象が発生し、長尺の両面金属張積
層板を製造することができなくなる。
【0027】第3工程は、加熱ロール上で無緊張状態と
なった2枚の金属シートとその間に挟まれる熱可塑性液
晶ポリマーフィルムとが、加熱ロール間で圧着される工
程である。圧着温度は上記の加熱ロールの表面温度に等
しい。圧着温度が熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点
よりも50℃を超えて低い温度である場合には、熱可塑
性液晶ポリマーフィルムと金属シートとが全く接着しな
いか、または接着したとしても両者の積層体は剥離し易
いものとなり実用に耐えない。また、圧着温度が熱可塑
性液晶ポリマーフィルムの融点よりも5℃低い温度を超
えて高い場合には、圧着時において該フィルムを構成す
る熱可塑性液晶ポリマーの流れや金属シートからのはみ
出しが生じる。上記の無緊張状態となった2枚の金属シ
ートは加熱ロール間での圧着時に寸法変化は生じず、熱
可塑性液晶ポリマーフィルムへの影響はなく、該フィル
ムの性能は維持される。
【0028】また、第3工程において加熱ロール間で熱
可塑性液晶ポリマーフィルムおよび金属シートに加えら
れる圧力は、加圧部位で実質的に変形が生じないロール
同士の組み合わせである場合には、線圧換算で5Kg/
cm以上であることが十分な接着力を発現させる上で好
ましい。加熱ロールが表面にゴムなどのコーティング層
を有する場合には、コーティング層の材質、加熱ロール
に加える力などにより、加圧時に該コーティング層が変
形するので、加熱ロールによって熱可塑性液晶ポリマー
フィルムおよび金属シートに加えられる圧力は、面圧換
算において20Kg/cm2以上であることが好まし
い。かかる場合には、十分な接着力を斑の発生を抑制し
て発現させることができる。圧力の上限は特に限定され
るものではないが、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの加
圧時の流れや金属シートからのはみ出しが無い状態で積
層体の接着力を十分に発現させるには、線圧換算で40
0Kg/cmを越えないか、または上記面圧換算で20
0Kg/cm2を越えないことが望ましい。加熱ロール
の表面温度が低い温度領域にある場合には、上記圧力を
越えても熱可塑性液晶ポリマーフィルムの流れや金属シ
ートのはみ出しがなくなるのはいうまでもない。
【0029】なお、加熱ロールの線圧とは、加熱ロール
に付与した力(圧着荷重)を加熱ロールの有効幅で除し
た値である。また、上記の面圧とは、圧着時に加熱ロー
ルの変形により形成される加圧面の面積で圧着荷重を除
した値である。
【0030】本発明により、外観が良好で、接着力およ
び寸法安定性に優れる両面金属張積層板を得るために
は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートとを、
該フィルムの融点より50℃低い温度から該融点より5
℃低い温度までの範囲内の温度でロール間を通過させて
圧着する際に、加熱ロールの回転速度を、その外周の線
速度に換算して30m/分以下とすることが好ましく、
第2工程での金属シートへの熱伝達を容易にするために
は20m/分以下とすることがより好ましい。加熱ロー
ルの回転速度の下限は特に限定されるものではないが、
回転速度が低すぎると生産効率の低下を招くので、工業
的には0.1m/分より低くしないことが望ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら制限されるものでは
ない。なお、以下の実施例および比較例において、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムの融点、両面金属張積層板の
接着強度、寸法安定性および外観の測定または評価は次
のようにして行った。
【0032】(1)融点 示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して
得た。すなわち、供試フィルムを20℃/分の速度で昇
温して完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度
で50℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した
時に現れる吸熱ピークの位置を、フィルムの融点として
記録した。
【0033】(2)接着強度 両面金属張積層板から1.0cm幅の剥離試験片を作成
し、そのフィルム層を両面接着テープで平板に固定し、
JIS C 5016に準じて、180°法により、金
属シートを50mm/分の速度で剥離したときの強度を
測定した。
【0034】(3)寸法安定性 寸法安定性は、IPC−TM−650 2.2.4に準
じて測定した。
【0035】(4)外観 両面金属張積層板を目視により観察し、長さ200m以
上において皺、スジ、変形が観察されないものを○、長
さ1m当たり1個未満の皺、スジ、変形が観察されたも
のを△、長さ1m当たり1個以上の皺、スジ、変形、未
着部分が観察されたものを×として評価した。
【0036】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸の共重合物で、融点が280℃である熱可塑性液晶
ポリマーを吐出量20Kg/時で溶融押出し、横延伸倍
率4.77倍、縦延伸倍率2.09倍の条件でインフレ
ーション製膜した。平均膜厚50μm、膜厚分布±7%
の膜厚分布の小さい熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得
た。
【0037】実施例1 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムと1
8μm厚みの電解銅箔(表面粗度7μm)とを図1に示
すように配置した。すなわち、銅箔2、2を直径40c
mの金属製の加熱ロール3、3に接触させるまでに遠赤
外線ヒーター4、4により予熱し、加熱ロール3、3へ
2分の1周接触(接触角度180°)となるように沿わ
せ、また加熱ロール3、3上で無緊張状態となった銅箔
2、2間に熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を搬送し、
加熱ロール3、3間で圧着して、両面金属張積層板5を
製造した。遠赤外線ヒーター4、4による予熱温度を1
70℃に、加熱ロールの表面温度を260℃に設定し
た。加熱ロール間で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1お
よび銅箔2、2に加えられる圧力は線圧換算で240K
g/cmであり、加熱ロールの外周の線速度は1m/分
であった。得られた両面金属張積層板の接着強度は0.
8Kg/cm以上あり、十分であった。他の評価結果を
表6に示す。
【0038】実施例2 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムと1
0μm厚みの圧延銅箔(表面粗度0.2μm)とを図1
に示すように配置した。すなわち、銅箔2、2を直径4
0cmの金属製の加熱ロール3、3に接触させるまでに
遠赤外線ヒーター4、4により予熱し、加熱ロール3、
3へ4分の1周接触(接触角度90°)となるように沿
わせ、また加熱ロール3、3上で無緊張状態となった銅
箔2、2間に熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を搬送
し、加熱ロール3、3間で圧着して、両面金属張積層板
5を製造した。遠赤外線ヒーター4、4による予熱温度
を170℃に、加熱ロールの表面温度を260℃に設定
した。加熱ロール間で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1
および銅箔2、2に加えられる圧力は線圧換算で240
Kg/cmであり、加熱ロールの外周の線速度は1m/
分であった。得られた両面金属張積層板の接着強度は
0.8Kg/cm以上あり、十分であった。他の評価結
果を表6に示す。
【0039】実施例3 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムと1
2μm厚みの電解銅箔(表面粗度5μm)とを図1に示
すように配置した。すなわち、銅箔2、2を直径40c
mの金属製の加熱ロール3、3に接触させるまでに遠赤
外線ヒーター4、4により予熱し、加熱ロール3、3へ
2分の1周接触(接触角度180°)となるように沿わ
せ、また加熱ロール3、3上で無緊張状態となった銅箔
2、2間に熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を搬送し、
加熱ロール3、3間で圧着して、両面金属張積層板5を
製造した。遠赤外線ヒーター4、4による予熱温度を2
00℃に、加熱ロールの表面温度を275℃に設定し
た。加熱ロール間で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1お
よび銅箔2、2に加えられる圧力は線圧換算で80Kg
/cmであり、加熱ロールの外周の線速度は5m/分で
あった。得られた両面金属張積層板の接着強度は0.8
Kg/cm以上あり、十分であった。他の評価結果を表
6に示す。
【0040】比較例1 図2は、両面金属張積層板に関する本発明とは相違する
他の製造方法(予熱工程なし)を模式的に示した図であ
り、熱可塑性液晶ポリマーフィルム1を金属シート2、
2間に挟んで仮接合させた後に、直径40cmの金属製
の加熱ロ−ル3、3間に導入して圧着し、両面金属張積
層板5とする過程を示す。
【0041】参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマー
フィルムと18μm厚みの電解銅箔(表面粗度7μm)
とを図2に示すように配置した。すなわち、熱可塑性液
晶ポリマーフィルム1を銅箔2、2間に挟んで仮接合さ
せた後に、直径40cmの金属製の加熱ロ−ル3、3間
に導入して圧着し、両面金属張積層板5を製造した。加
熱ロール3、3の表面温度は260℃になるように設定
した。加熱ロール間で熱可塑性液晶ポリマーフィルムお
よび銅箔に加えられる圧力は線圧換算で240Kg/c
m、加熱ロールの外周の線速度は1m/分であった。得
られた両面金属張積層板の接着強度は0.6Kg/cm
未満であり、不十分であった。また、片面金属張積層板
にはしわ、スジ、変形および未着部分が多数観察され
た。他の評価結果を表6に示す。
【0042】比較例2 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムと1
8μm厚みの電解銅箔(表面粗度7μm)とを図1に示
すように配置したが、遠赤外線ヒーター4、4による予
熱操作を省略した。すなわち、銅箔2、2を直径40c
mの金属製の加熱ロール3、3へ4分の1周接触(接触
角度90°)となるように沿わせ、銅箔2、2間に熱可
塑性液晶ポリマーフィルム1を搬送し、加熱ロール3、
3間で圧着して、両面金属張積層板5を製造した。加熱
ロールの表面温度を260℃に設定した。加熱ロール間
で熱可塑性液晶ポリマーフィルム1および銅箔2、2に
加えられる圧力は線圧換算で240Kg/cm、加熱ロ
ールの外周の線速度は1m/分であった。得られた両面
金属張積層板の接着強度は0.8Kg/cm以上あり、
十分であったが、片面金属張積層板にはしわ、スジ、変
形および未着部分が観察された。他の評価結果を表6に
示す。
【0043】
【表6】
【0044】
【発明の効果】本発明により、加熱圧着部で金属シート
の熱膨張による皺発生がなく、外観が良好で、十分な接
着力を有し、かつ寸法安定性が良好な両面金属張積層板
が連続的に製造される。また、本発明により上記の品質
の良好な両面金属張積層板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面金属張積層板の製造方法を模式的
に示す図である。
【図2】両面金属張積層板に関する本発明とは相違する
他の製造方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…熱可塑性液晶ポリマーフィルム、2…金属シート、
3…加熱ロール、4…非接触加熱手段、5…両面金属張
積層板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01C AB17 AB33 AK01A BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 EC032 EJ192 EJ422 GB43 GB90 JB01 JB16A JG00 JJ03 JK14 JL04 JN30A 4F211 AA24 AA29 AD03 AD05 AD08 AG01 AG03 AH33 AH36 TA01 TC04 TD11 TH02 TH06 TJ13 TJ15 TN09 TN26 TQ03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
    塑性ポリマーからなるフィルムの両面に金属シートが接
    合されてなる両面金属張積層板を加熱ロール間圧着によ
    り製造する方法において、(1)2枚の金属シートが加
    熱ロールに接触する前にそれぞれ予熱される第1工程、
    (2)第1工程を経た2枚の金属シートがそれぞれ1対
    をなす別個の加熱ロールに接触して、該加熱ロール上を
    搬送されながら、熱膨張して無緊張状態になる第2工
    程、および(3)第2工程により無緊張状態となり、1
    対をなす別個の加熱ロール上をそれぞれ搬送される2枚
    の金属シートとその間に搬送される上記フィルムとが、
    加熱ロール間で圧着されて一体化し、得られた積層板が
    加熱ロール間から搬出される第3工程を行うことを特徴
    とする両面金属張積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
    塑性ポリマーからなるフィルムが金属シート間に挟まれ
    てなり、請求項1に記載された方法により製造される両
    面金属張積層板。
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