JP2001078707A - わさび風味食品 - Google Patents

わさび風味食品

Info

Publication number
JP2001078707A
JP2001078707A JP25381199A JP25381199A JP2001078707A JP 2001078707 A JP2001078707 A JP 2001078707A JP 25381199 A JP25381199 A JP 25381199A JP 25381199 A JP25381199 A JP 25381199A JP 2001078707 A JP2001078707 A JP 2001078707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wasabi
chitosan
food
grated
japanese horseradish
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25381199A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Matahira
芳春 又平
Naoki Tanaka
直樹 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP25381199A priority Critical patent/JP2001078707A/ja
Publication of JP2001078707A publication Critical patent/JP2001078707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存性が高く、わさび特有の香味成分が長期
間保持され、適度な粘着性、延伸性及び保湿性を有する
わさび風味食品を提供する。 【解決手段】 粉わさび、練りわさび、おろしわさび等
のわさび風味食品に、キトサンを添加する。本発明にお
いて、キトサンの添加量は0.01〜10重量%である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存性が高く、わ
さび特有の香味成分が長期間保持され、適度な粘着性、
延伸性及び保湿性を有するわさび風味食品に関する。
【0002】
【従来の技術】わさびは、ピリッとした辛味と特有のい
い香りを持った日本特産の香辛料であり、刺身や寿司等
の薬味として欠かせないものである。わさびは、生臭み
を消して風味をよくするだけでなく、殺菌作用も有して
いる。
【0003】わさびの香味成分の中でも特に重要なもの
が、アリルイソチオシアネートに代表される辛味成分で
ある。このアリルイソチオシアネートは、わさびの中で
はグルコースと結合した配糖体シニグリンとして存在
し、すりおろしたりして根茎の組織を破壊すると、ミロ
シナーゼという酵素の作用で分解され、辛味を発揮す
る。
【0004】わさびは、生わさび、粉わさび、練りわさ
び、おろしわさびといった形態で流通されており、チュ
ーブ入りの練りわさび、おろしわさびは主に家庭用とし
て、粉わさびや練りわさびは鮮魚店や寿司店で利用され
ている。
【0005】生わさびは、青々として太いものがよいと
され、生鮮品として低温下に流通、保存され、香りや辛
味が飛びやすいため、使う直前におろすのが一般的であ
る。また、粉わさびは、西洋わさび、すなわちホースラ
ディッシュの乾燥粉末に、洋からし粉末及び安定化剤を
ブレンドしたもので、常温下に流通、保存することがで
き、使用直前に水で溶いて用いられる。さらに、練りわ
さびは、粉わさびに水を加え練ったもので、酸化防止剤
等の添加物を加え、チューブやラミネートフィルムによ
り特殊な包装を施して、常温下に流通、保存可能にして
あるが、包装を一度開封した後は、低温下に保存しなけ
ればならない。そして、おろしわさびは、沢わさびや西
洋わさびの根茎部を磨砕処理したペースト状のものに増
粘安定剤や酸化防止剤を添加したもので、やはりチュー
ブやラミネートフィルムなどの特殊包装で保存性を高め
ているが、練りわさびに比べて水分含量が高いため、通
常は冷蔵あるいは冷凍で流通、保存されている。
【0006】しかし、辛味成分であるアリルイソチオシ
アネートは、揮発性が高く不安定であり、すりおろした
わさびの辛味は時間とともに失われてしまうため、上述
したわさびの中で、粉わさび、練りわさび、おろしわさ
び(以下、わさび風味食品という)における共通した問
題は、わさび特有の香味成分がすぐに減少、消失してし
まうことであった。そのため、辛味成分の保存や安定化
のために、pH調整剤と水分活性調整剤を併用したり、
ミロシナーゼの活性阻害剤として有効なソルビトールを
添加したり、辛味成分を包接安定化する機能を持つサイ
クロデキストリンを添加したり、ビタミンCなどの酸化
防止剤を添加するなどの工夫がなされている。
【0007】また、寿司用に用いられる粉わさびや練り
わさびは、シャリに展着させるための適度な粘着性と延
伸性が必要なため、キサンタンガム、グアガム、ローカ
ストビーンガム、カルボキシメチルセルロースなどの増
粘安定剤も添加されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような辛味成分の安定剤を添加しても、充分な効果は
得られていないのが現状である。
【0009】また、アリルイソチオシアネートには殺菌
効果があるが、乳酸菌に対する抗菌性は比較的弱く、特
に、夏場などは乳酸菌の発生によりわさび風味食品の品
質が低下してしまうことがあった。
【0010】さらに、練りわさびやおろしわさびは、チ
ューブ等の包装容器から出し、空気中にさらすと乾燥し
やすく、また、時間の経過とともに酸化されて表面が褐
変してしまい、風味が損なわれるだけでなく、外観的に
も商品価値が低下するという問題があった。
【0011】また、回転寿司店などで機械により自動的
にシャリの上にわさびを展着させる場合などは、より展
着性と延伸性の良い練りわさび、おろしわさびが要望さ
れていた。
【0012】したがって、本発明の目的は、保存性が高
く、わさび特有の香味成分が長期間保持され、適度な粘
着性、延伸性及び保湿性を有するわさび風味食品を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究した結果、わさび風味食品にキトサンを添加
することにより、わさび特有の香味成分が保持され、乳
酸菌の増殖が阻害され、また、使い勝手の良い適度な粘
着性、保湿性及び延伸性が得られることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。
【0014】すなわち、本発明のわさび風味食品は、わ
さびと、キトサンとを含有することを特徴とする。本発
明においては、わさび風味食品にキトサンを0.01〜
10重量%添加することが好ましい。
【0015】本発明によれば、わさび風味食品にキトサ
ンを添加することにより、わさび特有の香味成分、特に
アリルイソチオシアネートに代表される辛味成分の保持
性が高められ、また、キトサンの有する抗菌効果と抗菌
性物質でもあるアリルイソチオシアネートとの相乗効果
により、特にわさび風味食品で問題となりやすい乳酸菌
等の静菌効果も高くなり、微生物学的保存性にも優れ
る。さらに、キトサンの保湿効果により、容器から出し
ても乾きにくく、褐変など品質の劣化も起こりにくくな
る。そして、キトサンの増粘効果により、良好な粘着性
及び延伸性が付与される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、わさび風味食品
とは、粉状わさび、練り状わさび、おろし状わさびのこ
とをいう。本発明のわさび風味食品は、少なくとも、わ
さびと、キトサンとを含有するものである。ここで、わ
さびとしては、沢わさびや西洋わさびの根茎部から調製
されたペースト状、粉末状等の各種のものが使用でき
る。
【0017】また、キトサンは、エビ、カニなどの甲殻
の主成分であるキチンを脱アセチル化することにより得
られる。本発明に使用されるキトサンには、特に限定は
なく、市販のものを用いることができ、その形態も鱗片
状、粒状、粉状、液状など様々なものが利用可能であ
る。通常、キトサンの脱アセチル化率は70%以上であ
るが、脱アセチル化率が80%以上のものは、より抗菌
性に優れており、特に好ましく用いられる。また、分子
量についても特に限定はないが、抗菌性や増粘性の高い
分子量10万以上のものが好ましく用いられる。
【0018】そして、粉状、練り状、おろし状いずれの
場合においても、キトサンの添加量は、0.01〜10
重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05
〜2重量%である。添加量が0.01重量%未満である
と、前述の効果(保存性、香味成分の保持、適度な粘着
性、延伸性、保湿性)を充分に発揮できないため好まし
くなく、10重量%を超えると、キトサン特有の渋味が
でてしまうため好ましくない。
【0019】本発明のキトサン含有わさび風味食品は、
通常のわさび風味食品の製造工程で作ることができる。
【0020】例えば、粉わさびの場合、西洋わさびの乾
燥粉末を主剤として、糖質、油脂、繊維質、色素、香料
などの副資材を添加し、さらに粉状のキトサンを添加し
て均一に混合する。
【0021】練りわさびの場合は、西洋わさびの乾燥粉
末を主剤として、糖質、油脂、繊維質、色素、香料など
の副資材をブレンドしたものに、水を30〜70重量%
加えて、さらに粉末状のキトサン、あるいはキトサンの
酸性水溶液を添加して充分に混練する。
【0022】おろしわさびの場合は、沢わさび又は西洋
わさびの根茎をチョッパー、マスコロイダー、コミトロ
ールなどを用いてすりおろしたものに、糖質、油脂、繊
維質、色素、香料などの副資材を添加し、鱗片状、粒
状、粉状のキトサンあるいはキトサンの酸性水溶液を添
加して混練する。
【0023】本発明のわさび風味食品には、上記原料の
ほか、呈味性や安定性の改善を目的として、甘味料、ア
ミノ酸、核酸、ビタミン類、酸味料、食塩等を添加して
もよい。
【0024】上述したようにして調製された粉状、練り
状、あるいはおろし状わさび風味食品は、使用目的に応
じて適宜、袋、ビン、チューブ、小袋フィルム等の容器
に充填して製品とする。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。 実施例1 表1に示す配合割合の各原料を、粉体混合機で充分に混
合した。得られた混合物を半分に分け、一方にキトサン
粉末(商品名:「キトサンLL」、焼津水産化学工業株
式会社製)を0.5重量%添加して、粉状キトサン含有
わさび風味食品を調製した。
【0026】
【表1】
【0027】試験例1 実施例1で調製した粉状キトサン含有わさび風味食品及
びキトサンを含有していない粉状わさび風味食品に対
し、それぞれ水を60重量%添加し、混練機を用いて充
分に混練して練りわさびを調製した。各練りわさびを空
気中に常温保存した場合の経時変化を観察した。その結
果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から、キトサンを添加した練りわさび
は、添加していないものに比べて乾燥しにくく、また、
褐変などの品質の劣化も抑えられていることが分かっ
た。
【0030】実施例2 表3に示す配合割合の各原料を、混練機で充分に混練し
た。得られた練り状わさび風味食品を半分に分け、一方
に対してキトサン5%酢酸溶液(商品名:「キトクリア
ー」、焼津水産化学工業株式会社製)を2重量%添加し
て、練り状キトサン含有わさび風味食品を調製した。
【0031】
【表3】
【0032】試験例2 実施例2で調製した練り状キトサン含有わさび風味食品
及びキトサンを含有していない練り状わさび風味食品
を、それぞれポリエチレン袋に充填して15℃に保存
し、アリルイソチオシアネート含量の経時変化を測定し
た。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4から、キトサンを添加した練り状わさ
び風味食品は、添加していないものに比べてアリルイソ
チオシアネートの減少が抑えられていることが分かっ
た。
【0035】実施例3 生沢わさび茎及び生西洋わさび根を、コミトロールです
りおろし、表5に示す配合割合で各副資材を添加し、混
練機で充分に混練した。これを半分に分け、キトサン5
%酢酸溶液(商品名:「キトクリアー」、焼津水産化学
工業株式会社製)を2%添加して、おろし状キトサン含
有わさび風味食品を調製した。
【0036】
【表5】
【0037】試験例3 実施例3で調製したおろし状キトサン含有わさび風味食
品及びキトサンを添加していないおろし状わさび風味食
品を、それぞれポリエチレン袋に充填して10℃に保存
し、アリルイソチオシアネート含量と一般生菌数の経時
変化を測定した。その結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】表6から、キトサンを添加したおろし状わ
さび風味食品は、キトサンを添加していないものに比べ
てアリルイソチオシアネートの減少が抑えられ、また、
一般生菌数の増加も抑えられていることが分かった。
【0040】試験例4 実施例3で調製したおろし状キトサン含有わさび風味食
品及びキトサンを含有していないわさび風味食品を用い
て、マグロ握り寿司を試作したところ、キトサンを添加
したわさび風味食品は、キトサンを添加していないもの
に比べて良好な粘着性と延伸性を有し、シャリへの展着
性が良好であった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
保存性が高く、わさび特有の香味成分が長期間保持さ
れ、適度な粘着性、延伸性及び保湿性を有するわさび風
味食品を得ることができる。
【0042】本発明のキトサン含有わさび風味食品は、
わさび特有の香味成分、特にアリルイソチオシアネート
に代表される辛味成分の保持性が高められ、また、キト
サンの有する抗菌効果と抗菌性物質でもあるアリルイソ
チオシアネートとの相乗効果により、特にわさび風味食
品で問題となりやすい乳酸菌等の静菌効果も高くなり、
微生物学的保存性にも優れる。さらに、キトサンの保湿
効果により、空気中にさらされても乾きにくく、褐変な
ど品質の劣化も起こりにくい。また、キトサンの増粘効
果により良好な粘着性及び延伸性が付与され、例えば、
寿司店において職人が指先ですくい取りやすく、シャリ
の上にも展着しやすく、また、回転寿司店などに導入さ
れている、自動的にシャリを握ってシャリの上に練りわ
さびやおろしわさびを展着するロボットにも適してい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 わさびと、キトサンとを含有することを
    特徴とするわさび風味食品。
  2. 【請求項2】 キトサンを0.01〜10重量%含有す
    る請求項1記載のわさび風味食品。
JP25381199A 1999-09-08 1999-09-08 わさび風味食品 Pending JP2001078707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25381199A JP2001078707A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 わさび風味食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25381199A JP2001078707A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 わさび風味食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001078707A true JP2001078707A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17256481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25381199A Pending JP2001078707A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 わさび風味食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001078707A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100725538B1 (ko) * 2005-06-27 2007-06-08 삼성전자주식회사 모아레 패턴이 발생하지 않는 스크린간의 주파수 비율 및각도 차이 설정방법
JP2011092105A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Nishimoto Food Co Ltd はわさび粒状ペ−スト

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100725538B1 (ko) * 2005-06-27 2007-06-08 삼성전자주식회사 모아레 패턴이 발생하지 않는 스크린간의 주파수 비율 및각도 차이 설정방법
JP2011092105A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Nishimoto Food Co Ltd はわさび粒状ペ−スト

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4981807B2 (ja) マリネされた肉製品の風味および安全性を改善するための組成物
CH713367B1 (de) Verfahren zur Verlängerung der Kühllagerdauer geschälter konditionierter Garnelen durch Frischhaltung mit antibakteriell aktivem Material in Kombination mit Frischhaltung unter modifizierter Atmosphäre.
JP2012213355A (ja) 容器入り液状又はペースト状食品組成物、及びその製造方法
RU2437574C2 (ru) Салатный дрессинг с крупными частицами
JP2001078707A (ja) わさび風味食品
US4574086A (en) Method for retarding degradation of food colors and flavors
JP3314277B2 (ja) 加工食品保存剤及び保存方法
JP2000060476A (ja) きのこ含有ソース
JP2002000222A (ja) 油性ハーブペースト及びその製造方法
JP5505813B2 (ja) ビタミン製剤
WO2014046258A1 (ja) 容器入り液状又はペースト状又は冷凍食品組成物並びにその製造方法
JP5061294B2 (ja) ビタミン製剤
JPH0716087A (ja) 食品の保存方法
CN105495519B (zh) 一种健康的方便食品调料包及其制备方法
JP2637592B2 (ja) ホースラディッシュ加工品
JP3506134B2 (ja) 卵スプレッド
JP2014054268A (ja) ペースト状の加工食品
JP2002000246A (ja) 静菌剤
JPH0348786B2 (ja)
JP2004187601A (ja) 柚子入りわさび調味組成物
JPH0611228B2 (ja) 食品の保存剤組成物
JP2000189100A (ja) 葉類風味食品
JPH06225741A (ja) 食品保存料及び食品の保存方法
JPH11139949A (ja) 抗菌抗かび剤
JP6392646B2 (ja) キノコ含有ソース