JP2001076958A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2001076958A
JP2001076958A JP25109599A JP25109599A JP2001076958A JP 2001076958 A JP2001076958 A JP 2001076958A JP 25109599 A JP25109599 A JP 25109599A JP 25109599 A JP25109599 A JP 25109599A JP 2001076958 A JP2001076958 A JP 2001076958A
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ceramic green
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green sheets
shifting
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English (en)
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Takanobu Katsusan
高信 戛山
Hiroyuki Baba
広之 馬場
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックグリーンシート上の複数箇所に分
布するように形成された内部電極の厚みによる段差を実
質的になくすように、セラミックグリーンシート上にセ
ラミックスラリーを印刷することによって、段差吸収用
スラリー膜を形成することを、複数のセラミックグリー
ンシートについて繰り返すとき、段差吸収用スラリー膜
の位置ずれが特定の箇所に集中しやすく、その結果、特
定の箇所から取り出された積層セラミックコンデンサに
構造欠陥が発生しやすい。 【解決手段】 内部電極3が形成されたセラミックグリ
ーンシート2上に段差吸収用スラリー膜6を印刷により
形成するにあたって、繰り返される印刷を1回終える毎
に、各セラミックグリーンシート2上での印刷位置を、
矢印7〜10で示す各方向へ順次ずらすようにする。ず
らし量は、このようなずらす工程を実施しなかった場合
に生じ得る最大ずれ量以下に選ぶ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
コンデンサ、積層インダクタ、多層回路基板、積層圧電
部品等の積層セラミック電子部品の製造方法に関するも
ので、特に、所定の厚みを有する複数の内部回路要素膜
が複数箇所に分布するように形成され、かつ、内部回路
要素膜の厚みによる段差を実質的になくすように、セラ
ミックスラリーを印刷することによって段差吸収用スラ
リー膜が形成された、複数のセラミックグリーンシート
を積み重ねる工程を備える、積層セラミック電子部品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば積層セラミックコンデンサを製
造しようとするとき、複数のセラミックグリーンシート
が用意され、これらセラミックグリーンシートが積み重
ねられる。特定のセラミックグリーンシート上には、内
部回路要素膜としての内部電極が形成されている。
【0003】このような積層セラミックコンデンサにお
いて、その小型化および大容量化を実現するため、セラ
ミックグリーンシートの薄層化および多層化が進められ
ている。しかしながら、セラミックグリーンシートの薄
層化および多層化が進めば進むほど、内部電極の厚みが
より大きく影響するようになり、以下のような問題を引
き起こす。
【0004】図3には、積層セラミックコンデンサの製
造過程において作製される積層体1の一部が断面図で示
されている。なお、図3に示した積層体1の寸法比率に
おいては、その厚み方向寸法が誇張されている。
【0005】積層体1を得るため、セラミックグリーン
シート2上に導電性ペーストを印刷することによって内
部電極3を形成し、これらセラミックグリーンシート2
を積み重ねることが行なわれる。なお、積層体1は、複
数の積層セラミックコンデンサのためのものであり、そ
のため、内部電極3は、各セラミックグリーンシート2
上の複数箇所に分布するように形成されている。また、
複数箇所に分布した内部電極3の各々は、セラミックグ
リーンシート2の積み重ね方向に整列している。
【0006】また、各セラミックグリーンシート2の積
み重ね毎に、および/または、すべてのセラミックグリ
ーンシート2の積み重ねを終えた後に、セラミックグリ
ーンシート2相互間に密着性を高めるため、積み重ね方
向に圧力を加えるプレス工程が実施される。
【0007】図3に示した積層体1は、前述したよう
に、複数の積層セラミックコンデンサのためのものであ
り、複数の積層セラミックコンデンサを得るため、積層
体1は、次いで、カット線4に沿ってカットされる。こ
れによって、複数の積層セラミックコンデンサのための
コンデンサ本体となる複数の積層体チップ5が取り出さ
れる。
【0008】上述のような積層体1において、内部電極
3が位置している部分では、複数の内部電極3の各厚み
が累積することになり、このような内部電極3の厚みの
累積が、積層体1の品質に大きな影響を及ぼしている。
【0009】たとえば、プレス工程において、積層体1
またはセラミックグリーンシート2に及ぼされる圧力が
不均一になり、内部電極3が形成されている部分と内部
電極3が形成されていない部分との境界部分にストレス
を生じさせる。このストレスは、複数のセラミックグリ
ーンシート2間の密着性を低下させる。そして、この密
着性の低下は、後で実施される焼成工程において、セラ
ミックグリーンシート2によって与えられるセラミック
部分と内部電極3の部分との間で内部ストレスが引き起
こされたとき、デラミネーションや微小クラックを発生
させる原因となる。
【0010】このような問題を解決するため、たとえば
特開昭56−94719号公報には、図4に示すよう
に、セラミックグリーンシート2上の内部電極3が形成
されていない領域にセラミックスラリーを付与すること
によって、段差吸収用スラリー膜6を形成することが記
載されている。段差吸収用スラリー膜6は、図4の左部
分においてよく示されているように、内部電極3の厚み
によるセラミックグリーンシート2上での段差を実質的
になくすように作用している。したがって、内部電極3
の厚みの累積による上述した問題を有利に解消すること
ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した段差吸収用ス
ラリー膜6は、内部電極3のパターンのネガパターンを
もって、セラミックグリーンシート2上にセラミックス
ラリーを印刷することによって形成される。この印刷に
は、たとえば、スクリーン印刷が適用される。
【0012】しかしながら、上述したようなセラミック
スラリーの印刷工程において、たとえば、内部電極3を
形成するための導電性ペーストの印刷精度、セラミック
スラリー印刷時の内部電極3との位置決め精度、セラミ
ックスラリーの印刷精度あるいはスクリーンのような印
刷用パターンの歪みの影響等により、段差吸収用スラリ
ー膜6の位置精度は、現実には、数10μm程度であ
る。そのため、図4の右部分に示すように、段差吸収用
スラリー膜6の印刷位置と内部電極3の位置との関係に
おいて不適正な部分、すなわち段差吸収用スラリー膜6
に位置ずれが生じた部分がもたらされることがある。
【0013】ところで、図3に示すような積層体1を得
るため、複数のセラミックグリーンシート2が用意され
ながら、各セラミックグリーンシート2上に導電性ペー
ストを印刷することによって、内部電極3を形成するこ
とを、複数のセラミックグリーンシート2について繰り
返すとともに、各セラミックグリーンシート2上にセラ
ミックスラリーを印刷することによって、段差吸収用ス
ラリー膜6を形成することを、複数のセラミックグリー
ンシート2について繰り返し、これら内部電極3および
段差吸収用スラリー膜6が形成された複数のセラミック
グリーンシート2を積み重ねることが行なわれる。そし
て、上述した内部電極3の形成のための印刷および段差
吸収用スラリー膜6の形成のための印刷は、得ようとす
る積層セラミックコンデンサに備えるべき内部電極3の
積層数だけ繰り返され、この繰り返しは、たとえば、数
100回に及ぶことがある。
【0014】他方、段差吸収用スラリー膜6の形成のた
めの印刷に関して、位置ずれが生じる場所やずれ量やず
れ方向は、印刷設備や印刷方法に実質的に左右され、数
100回の印刷において大きくは変化しないことがわか
っている。
【0015】そのため、内部電極3および段差吸収用ス
ラリー膜6が形成された複数のセラミックグリーンシー
ト2を積み重ねることによって得られた積層体1におい
ては、段差吸収用スラリー膜6の位置ずれに関して、同
じような位置ずれが発生している部分が積み重ね方向に
整列し、そのため、積層体1の特定の場所から取り出さ
れた積層体チップ5に位置ずれが集中してしまう傾向が
ある。その結果、このように位置ずれが生じた積層体チ
ップ5においては、前述したような内部電極3の厚みに
よる段差があくまでも解消されていないため、高い確率
でデラミネーションや微小クラック等の構造欠陥を招い
てしまう。
【0016】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方
法を提供しようとすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数のセラ
ミックグリーンシートを用意する、第1の工程と、各セ
ラミックグリーンシート上の複数箇所に分布するよう
に、導電性ペーストを印刷することによって、複数の内
部回路要素膜を形成することを、複数のセラミックグリ
ーンシートについて繰り返す、第2の工程と、内部回路
要素膜の厚みによるセラミックグリーンシート上での段
差を実質的になくすように、内部回路要素膜のパターン
のネガパターンをもって、各セラミックグリーンシート
上にセラミックスラリーを印刷することによって、段差
吸収用スラリー膜を形成することを、複数のセラミック
グリーンシートについて繰り返す、第3の工程と、内部
回路要素膜および段差吸収用スラリー膜が形成された複
数のセラミックグリーンシートを積み重ねることによっ
て、積層体を得る、第4の工程とを備える、積層セラミ
ック電子部品の製造方法に向けられるものであって、上
述した技術的課題を解決するため、第2および第3の工
程の少なくとも一方が、繰り返される印刷の間におい
て、各セラミックグリーンシート上での印刷位置を所定
の方向へ所定のずらし量をもって所定の順序でずらす工
程を含むことを特徴としている。
【0018】このように、この発明においては、印刷時
の位置ずれをなくそうとするのではなく、このような位
置ずれを容認した上で、繰り返される印刷の間でむしろ
積極的に印刷位置をずらすことによって、位置ずれの生
じる場所が同じにならないようにし、すなわち、位置ず
れが特定の場所に集中しないようにして、位置ずれによ
る被害を抑制しようとすることが行なわれる。
【0019】この発明において、好ましくは、第3の工
程における段差吸収用スラリー膜の形成は、内部回路要
素膜が形成された各セラミックグリーンシートに対して
実施される。
【0020】また、この発明において、ずらす工程は、
段差吸収用スラリー膜を形成するための印刷を繰り返す
第3の工程において実施されることが好ましい。
【0021】また、この発明では、通常、ずらす工程が
複数回実施されるが、各ずらす工程におけるずらし量の
ベクトル総和は、0となるようにされることが好まし
い。
【0022】また、ずらす工程は、1回の印刷を終える
毎に実施されるのが好ましい。
【0023】また、この発明を実施するにあたって、こ
の発明の特徴となるずらす工程を実施しなかった場合に
生じ得る最大ずれ量を予め求めておくことが好ましい。
この場合、ずらす工程におけるずらし量は、この求めら
れた最大ずれ量以下に選ばれる。
【0024】この発明の第4の工程で得られた積層体
は、複数の積層セラミック電子部品のためのものであっ
てもよい。この場合、複数の積層セラミック電子部品を
得るため、第4の工程で得られた積層体はカットされ
る。
【0025】また、第4の工程が、各セラミックグリー
ンシート上の内部回路要素膜が積み重ね方向に整列する
ように実施されるとき、この発明がより有利に適用され
る。この実施態様によって得られる積層セラミック電子
部品は、代表的には、積層セラミックコンデンサであ
り、この場合、内部回路要素膜は内部電極である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態とし
て、積層セラミックコンデンサの製造方法について説明
する。
【0027】図1は、この発明の一実施形態を説明する
ためのもので、セラミックグリーンシート2を平面図で
示している。
【0028】図3に示す積層体1を得るため、まず、複
数のセラミックグリーンシート2が用意される。
【0029】次に、各セラミックグリーンシート2上の
複数箇所に分布するように、導電性ペーストを印刷する
ことによって、複数の内部電極3が形成される。そし
て、このような内部電極3の形成のための印刷が、同じ
印刷設備を用いて、複数のセラミックグリーンシート2
について繰り返される。
【0030】なお、上述した内部電極3の印刷と同時
に、図示しないが、センシングマークを各セラミックグ
リーンシート2上に印刷しておいてもよい。
【0031】次に、内部電極3の厚みによるセラミック
グリーンシート2上での段差を実質的になくすように、
内部電極3のパターンのネガパターンをもって、各セラ
ミックグリーンシート2上にセラミックスラリーを印刷
することによって、段差吸収用スラリー膜6が形成され
る。そして、このような段差吸収用スラリー膜6の形成
のための印刷は、同じ印刷設備を用いて、複数のセラミ
ックグリーンシート2について繰り返される。
【0032】なお、上述した段差吸収用スラリー膜6の
形成のための印刷にあたっては、前述した内部電極3と
同時に印刷されたセンシングマークを位置合わせのため
に用いられてもよい。
【0033】上述したように、段差吸収用スラリー膜6
を各セラミックグリーンシート2上に形成するために繰
り返される印刷の間において、各セラミックグリーンシ
ート2での段差吸収用スラリー膜6の印刷位置を所定の
方向へ所定のずらし量をもって所定の順序でずらすこと
が行なわれる。
【0034】図1において、ずらす方向の一例が矢印7
〜10によって示されている。たとえば、矢印7方向へ
ずらした状態で、第1回の印刷工程が実施され、次い
で、矢印8方向へずらした状態で、第2回の印刷工程が
実施され、次いで、矢印9方向へずらした状態で、第3
回の印刷工程が実施され、次いで、矢印10方向へずら
した状態で、第4回の印刷工程が実施され、以降、同様
にずらす工程と印刷工程とが交互に実施される。
【0035】上述のように複数回のずらす工程が実施さ
れるとき、各ずらす工程におけるずらし量のベクトル総
和は、0となるようにされることが好ましい。なお、図
1に示した矢印7〜10は、あくまでも、ずらす方向を
示すもので、ずらし量をも含むベクトルを示すものでは
ない。
【0036】また、上述の説明のように、ずらす工程
は、1回の印刷を終える毎に実施されるのが好ましい
が、所定の複数回の印刷を終える毎に実施されてもよ
い。
【0037】また、ずらす工程におけるずらし量は、こ
のようなずらす工程を実施しなかった場合に生じ得る最
大ずれ量以下に選ぶことが好ましい。そのため、通常、
段差吸収用スラリー膜6の形成のための印刷にあたって
は、用いる印刷設備について、生じ得る最大ずれ量を予
め求めておき、それに基づいて、ずらし量が決定され
る。
【0038】このように、ずらす工程を実施しながら段
差吸収用スラリー膜6の印刷工程を繰り返すようにすれ
ば、セラミックグリーンシート2上の特定の場所におい
て、図4の右部分において示すような段差吸収用スラリ
ー膜6の印刷の位置ずれが集中することを有利に防止す
ることができる。
【0039】次に、上述のように内部電極3および段差
吸収用スラリー膜6が形成された複数のセラミックグリ
ーンシート2は積み重ねられる。これによって、図3に
示すような積層体1が得られる。この積層体1におい
て、複数の内部電極3が積み重ね方向に整列している。
【0040】次に、この積層体1は、適当な圧力をもっ
てプレスされた後、カット線4に沿ってカットされる。
これによって、個々の積層セラミックコンデンサのため
のコンデンサ本体となる複数の積層体チップ5が取り出
される。これら積層体チップ5は、焼成され、焼結後の
積層体チップ5上に外部電極を形成することによって、
積層セラミックコンデンサが完成される。
【0041】次に、この発明の効果を確認するために実
施した実験例について説明する。
【0042】まず、複数のセラミックグリーンシート2
を用意するとともに、内部電極3の形成のための印刷に
おいて用いられるスクリーンおよび段差吸収用スラリー
膜6の形成のための印刷において用いられるスクリーン
をそれぞれ用意した。
【0043】次に、所定の印刷設備において、内部電極
3の印刷のためのスクリーンを用いて、各セラミックグ
リーンシート2上に導電性ペーストを印刷し乾燥するこ
とによって、複数の内部電極3が形成された複数のセラ
ミックグリーンシート2を得た。これらの内部電極3の
各長さ方向寸法L1は約800μmであり、幅方向寸法
W1は約400μmであり、長さ方向での内部電極3間
の間隔L2および幅方向での内部電極3間の間隔W2
は、ともに約400μmであった。
【0044】次に、所定の印刷設備において、段差吸収
用スラリー膜6の印刷のためのスクリーンを用いて、任
意のセラミックグリーンシート2上にセラミックスラリ
ーを印刷し乾燥することによって、内部電極3および段
差吸収用スラリー膜6が形成されたセラミックグリーン
シート2を得た。このセラミックグリーンシート2上の
150mm×150mmの領域について、光学顕微鏡を
用いて、内部電極3と段差吸収用スラリー膜6との位置
ずれを検査した。その結果、最大ずれ量は80μmであ
った。
【0045】次に、内部電極3が形成されているが、段
差吸収用スラリー膜6が未だ形成されていない残りのセ
ラミックグリーンシート2に対して、同じスクリーンを
用いながらのセラミックスラリーの印刷および乾燥とず
らすこととを交互に実施して、段差吸収用スラリー膜6
を各セラミックグリーンシート2上に形成した。
【0046】具体的には、矢印7方向にずらした状態
で、セラミックグリーンシート2上に段差吸収用スラリ
ー膜6を形成し、次いで、矢印8方向へずらした状態
で、次のセラミックグリーンシート2上に段差吸収用ス
ラリー膜6を形成し、次いで、矢印9方向へずらした状
態で、次のセラミックグリーンシート2上に段差吸収用
スラリー膜6を形成し、次いで、矢印10方向へずらし
た状態で、次のセラミックグリーンシート2上に段差吸
収用スラリー膜6を形成した。以降、これらの操作を繰
り返して400枚のセラミックグリーンシート2を得、
これらを積み重ねて積層体1を作製した。
【0047】なお、上述のずらす工程におけるずらし量
として、0μm、20μm、40μm、60μm、80
μm、および100μmの6種類のずらし量を採用し、
このようにずらし量が異ならされた6種類の積層体1を
作製した。ここで、ずらし量0μmとは、ずらす工程を
実施しなかったことを意味している。また、上述のよう
に、矢印7〜10の各方向へずらすことを行なった場
合、ずらし量のベクトル総和は、0となる。
【0048】次に、各試料に係る積層体1をプレスした
後、カット線4に沿うカットを実施し、複数個の積層体
チップ5を取り出した。そして、これら積層体チップ5
を焼成した後、その外観観察を行ない、デラミネーショ
ンまたは微小クラックのような構造欠陥の発生率を求め
た。
【0049】なお、図2には、積層体1が平面図で示さ
れているが、上述したように、積層体1から複数の積層
体チップ5を取り出すとき、領域A〜Iのいずれから取
り出したものであるかがわかるように区別し、焼成後の
積層体チップ5の外観観察にあたっては、領域A〜Iの
各々から積層体チップ5をサンプリングするようにし
た。
【0050】以下の表1には、積層体チップ5における
構造欠陥の発生率が、ずらし量およびサンプリング位置
との関連で示されている。
【0051】
【表1】
【0052】表1から、ずらし量が0μmでは、スクリ
ーンが与えるパターンの歪み等の影響により、スクリー
ンの端部で印刷された領域、たとえば領域A、C、Gお
よびIにおいて、比較的大きな位置ずれが発生し、構造
欠陥発生率も比較的高いことがわかる。
【0053】また、ずらす工程を実施しなかった場合に
生じ得る最大ずれ量である80μmを超える、ずらし量
が100μmの場合にも、構造欠陥発生率が比較的高く
なっている。
【0054】これに対して、ずらし量が0μmより大き
く、かつ80μm以下である場合には、領域A〜Iのす
べてのサンプリング位置において、構造欠陥発生率が低
く抑えられている。特に、ずらし量が40〜60μmに
選ばれることにより、領域A〜Iのすべてのサンプリン
グ位置において、構造欠陥発生率を0/100にするこ
とができる。
【0055】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の変形例が可能である。
【0056】たとえば、上述した実施形態では、段差吸
収用スラリー膜6を形成する工程を、内部電極3を形成
する工程より後に実施したが、段差吸収用スラリー膜6
を形成してから、内部電極3を形成するようにしてもよ
い。
【0057】また、上述の実施形態では、段差吸収用ス
ラリー膜6を形成する工程においてずらす工程を実施し
たが、このずらす工程は、内部電極3と段差吸収用スラ
リー膜6との相対的な位置関係をずらすために実施され
るものであるので、内部電極3を形成する工程において
ずらす工程を実施しても、あるいは、内部電極3を形成
する工程と段差吸収用スラリー膜6を形成する工程との
双方においてずらす工程を実施するようにしてもよい。
【0058】また、ずらす工程において、上述した実施
形態では、図1に矢印7〜10で示すように、内部電極
3の長手方向または幅方向に向く90度間隔の4つの方
向へずらすようにしたが、たとえば、内部電極3の長手
方向または幅方向のいずれにも向かない方向にずらすよ
うにしても、より小さい角度間隔でより多数の方向へず
らすようにしても、逆に、より大きい角度間隔でより少
数の方向へずらすようにしてもよい。
【0059】また、上述した実施形態では、内部電極3
を形成する工程を繰り返して、それぞれ内部電極3が形
成された複数のセラミックグリーンシート2を用意した
後、各セラミックグリーンシート2に対して、段差吸収
用スラリー膜を形成する工程を繰り返したが、各セラミ
ックグリーンシート2に対して、内部電極3を形成する
工程と段差吸収用スラリー膜を形成する工程とを交互に
実施するようにし、これら工程の交互の実施を、複数の
セラミックグリーンシート2について繰り返すようにし
てもよい。
【0060】また、上述した実施形態では、1つの積層
体1から、これをカットすることにより、積層セラミッ
クコンデンサのような積層セラミック電子部品のための
複数の積層体チップ5を取り出そうとするものであり、
そのため、各セラミックグリーンシート2上の内部電極
3が複数箇所に分布するように形成されたが、各セラミ
ックグリーンシート上の複数箇所に分布するように形成
された内部電極が1つの積層セラミック電子部品のため
のものであってもよい。
【0061】また、この発明は、積層セラミックコンデ
ンサに限らず、たとえば、抵抗、インダクタ、バリス
タ、フィルタ等として機能する積層セラミック電子部品
にも、これら機能素子が複合された積層セラミック電子
部品にも適用することができる。そのため、セラミック
グリーンシート上に形成される内部回路要素膜は、上述
した実施形態における内部電極3のような導電膜に限ら
ず、たとえば、比較的大きな電気抵抗性あるいは他の電
気的特性を有する回路要素膜であってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、内部
回路要素膜を形成する工程および段差吸収用スラリー膜
を形成する工程の少なくとも一方を実施するとき、そこ
で繰り返される印刷の間において、各セラミックグリー
ンシート上での印刷位置を所定の方向へ所定のずらし量
をもって所定の順序でずらすことを行なうので、内部回
路要素膜と段差吸収用スラリー膜との間での位置ずれが
特定の箇所に集中することが避けられ、位置ずれが生じ
る場所を分散させることができる。したがって、このよ
うな位置ずれが原因となって構造欠陥にまで至る事態の
発生を低減することができる。
【0063】また、段差吸収用スラリー膜の形成は、積
層セラミック電子部品における薄層化および多層化に寄
与し、また、このように薄層化および多層化が図られた
ときに、上述したような位置ずれの問題がより大きく影
響するので、この発明によって、位置ずれの問題が解消
されたときには、薄層化および多層化が図られた積層セ
ラミック電子部品を安定して製造することが容易にな
る。
【0064】この発明において、段差吸収用スラリー膜
の形成を、内部回路要素膜の形成より後に行なうように
すれば、段差吸収用スラリー膜が形成されていない状態
で、内部回路要素膜をセラミックグリーンシート上に形
成することになるので、内部回路要素膜を確実に平坦な
状態で形成することができ、したがって、積層セラミッ
ク電子部品において、設計どおりの特性を安定して得る
ことができるようになる。
【0065】また、積層セラミック電子部品において、
内部回路要素膜の位置は、これを備える積層セラミック
電子部品の電気的特性に重大な影響を及ぼすことがあ
る。この発明において、ずらす工程を、段差吸収用スラ
リー膜を形成する工程において実施するようにすれば、
内部回路要素膜を形成する工程において、ずらす工程を
実施する必要がなくなる。したがって、内部回路要素膜
をずらして形成したために生じ得る電気的特性の変動を
有利に避けることができる。
【0066】また、この発明において、複数回のずらす
工程が実施されるとき、各ずらす工程におけるずらし量
のベクトル総和が0となるようにすると、位置ずれをセ
ラミックグリーンシートの面方向に平均して分散させる
ことがより容易になる。
【0067】また、ずらす工程を、1回の印刷を終える
毎に実施するようにすれば、位置ずれを、セラミックグ
リーンシートの面方向だけでなく、積み重ね方向にも平
均して分散させることが容易になる。
【0068】また、この発明において、ずらす工程を実
施しなかった場合に生じ得る最大ずれ量を予め求め、ず
らす工程におけるずらし量を、この最大ずれ量以下に選
ぶようにすれば、ずらす工程の実施によって得られる効
果を確実なものとすることができる。また、ずらし量を
設定するにあたって、適切なずらし量を求めることが容
易になる。
【0069】また、この発明において製造される積層体
が、複数の積層セラミック電子部品のためのものであ
り、複数の積層セラミック電子部品を得るため、積層体
をカットすることが行なわれる場合には、カットして得
られた積層体チップの特定のものに位置ずれが集中し、
この特定の積層体チップにおいて高い確率で構造欠陥が
発生するので、この発明の実施がより意義深いものとな
る。
【0070】また、積層体において、各セラミックグリ
ーンシート上の内部回路要素膜が積み重ね方向に整列す
る場合には、内部回路要素膜の厚みによる段差の問題が
より顕著になるので、この場合にも、この発明の実施が
より意義深いものとなる。たとえば、積層セラミックコ
ンデンサの場合には、内部回路要素膜としての内部電極
が積み重ね方向に整列するので、この発明は、このよう
な積層セラミックコンデンサの製造に特に有利に適用さ
れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を説明するためのもの
で、内部電極3および段差吸収用スラリー膜6が形成さ
れたセラミックグリーンシート2の一部を示す平面図で
あり、段差吸収用スラリー膜6の一部を除去して示して
いる。
【図2】図1を参照して説明する実施形態に従って実施
された実験例において得られた積層体1を示す平面図で
あり、積層体1における領域A〜Iを図示するものであ
る。
【図3】この発明の実施形態および従来技術を説明する
ためのもので、積層体1の一部を図解的に示す断面図で
ある。
【図4】この発明の実施形態および従来技術を説明する
ためのもので、内部電極3および段差吸収用スラリー膜
6が形成されたセラミックグリーンシート2の一部を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 セラミックグリーンシート 3 内部電極 4 カット線 5 積層体チップ 6 段差吸収用スラリー膜 7〜10 ずらす方向を示す矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/30 311 H01G 4/30 311F Fターム(参考) 5E001 AB03 AC03 AD02 AD03 AF06 AH01 AH05 AH06 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BC33 EE04 EE35 EE41 FG06 FG26 FG46 FG51 FG54 GG10 JJ03 LL01 LL02 LL03 LL35 MM21 MM22 MM26 PP09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセラミックグリーンシートを用意
    する、第1の工程と、 各前記セラミックグリーンシート上の複数箇所に分布す
    るように、導電性ペーストを印刷することによって、複
    数の内部回路要素膜を形成することを、複数の前記セラ
    ミックグリーンシートについて繰り返す、第2の工程
    と、 前記内部回路要素膜の厚みによる前記セラミックグリー
    ンシート上での段差を実質的になくすように、前記内部
    回路要素膜のパターンのネガパターンをもって、各前記
    セラミックグリーンシート上にセラミックスラリーを印
    刷することによって、段差吸収用スラリー膜を形成する
    ことを、複数の前記セラミックグリーンシートについて
    繰り返す、第3の工程と、 前記内部回路要素膜および前記段差吸収用スラリー膜が
    形成された複数の前記セラミックグリーンシートを積み
    重ねることによって、積層体を得る、第4の工程とを備
    える、積層セラミック電子部品の製造方法であって、 前記第2および第3の工程の少なくとも一方は、繰り返
    される前記印刷の間において、各前記セラミックグリー
    ンシート上での印刷位置を所定の方向へ所定のずらし量
    をもって所定の順序でずらす工程を含むことを特徴とす
    る、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程における前記段差吸収用
    スラリー膜の形成は、前記内部回路要素膜が形成された
    各前記セラミックグリーンシートに対して実施される、
    請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ずらす工程は、前記第3の工程にお
    いて実施される、請求項1または2に記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数回の前記ずらす工程が実施され、各
    前記ずらす工程における前記ずらし量のベクトル総和
    は、0となるようにされる、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ずらす工程は、1回の前記印刷を終
    える毎に実施される、請求項1ないし4のいずれかに記
    載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ずらす工程における前記ずらし量
    は、当該ずらす工程を実施しなかった場合に生じ得る最
    大ずれ量以下に選ばれる、請求項1ないし5のいずれか
    に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第4の工程で得られた前記積層体
    は、複数の前記積層セラミック電子部品のためのもので
    あり、複数の前記積層セラミック電子部品を得るため、
    前記第4の工程で得られた前記積層体をカットする工程
    をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第4の工程は、各前記セラミックグ
    リーンシート上の前記内部回路要素膜が積み重ね方向に
    整列するように実施される、請求項7に記載の積層セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 当該積層セラミック電子部品は積層セラ
    ミックコンデンサであり、前記内部回路要素膜は内部電
    極である、請求項8に記載の積層セラミック電子部品の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7295420B2 (en) 2005-03-28 2007-11-13 Tdk Corporation Multilayer electronic component and manufacturing method thereof

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