JP2001076845A - 加熱ローラ及びトナー定着装置 - Google Patents

加熱ローラ及びトナー定着装置

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JP2001076845A
JP2001076845A JP25053699A JP25053699A JP2001076845A JP 2001076845 A JP2001076845 A JP 2001076845A JP 25053699 A JP25053699 A JP 25053699A JP 25053699 A JP25053699 A JP 25053699A JP 2001076845 A JP2001076845 A JP 2001076845A
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heating roller
layer
heat
sheet
heating
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Takao Kawamura
孝夫 河村
Yoshiaki Obayashi
義昭 大林
Naoya Takehara
直也 竹原
Toru Imai
徹 今井
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Hosiden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コスト化、昇温時間の短縮化及び長寿命化
を図るようにする。 【構成】 トナー定着装置に使用される加熱ローラ1
は、アルミ管又は鉄管等の金属素管10の外周面に抵抗
体ヒートシート20が貼り付けられており、熱遮断層2
1、絶縁層22、抵抗発熱体層23、絶縁層24及び離
型層である金属シート25が下から順に積層された構成
となっている。最下層である熱遮断層21の下面は金属
素管10に接している一方、最上層である金属シート2
5の上面は露出している。熱遮断層21としては、不織
布、フェルト等の空気が流通し得る耐熱性材料のものが
使用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の電子写真システム等に利用されるもので、低コスト
化、昇温時間の短縮化及び長寿命化を図ることができる
加熱ローラ及びトナー定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ等の電子写真システム
におけるトナー定着装置は、加熱ローラと加圧ローラと
の間にトナー画像が転写された記録紙を通過させ、加熱
と同時に加圧してトナー画像を記録紙に熱定着させる基
本構成となっている。このようなトナー定着装置に使用
される加熱ローラとしては、発光加熱管方式のもの、即
ち、金属素管であるローラ本体の内部にハロゲンランプ
等の発光加熱管が設けられた構造のものが一般的であっ
た。
【0003】ところが、ローラ全体が発光加熱管の輻射
熱により加熱されることから、発熱効率が非常に悪く、
通電後、定着温度に達するのに数十秒から数分程度の時
間を要する。そのため、使用開始時の待機時間を短縮す
るには、発光加熱管を常に通電状態にして予備加熱する
必要があり、待機時の消費電力が大きいという点で、近
年の電子写真システムの高速化及び低消費電力化を図る
上で大きな障害となっていた。
【0004】そこで、ローラ本体である金属素管の外周
面に抵抗体ヒートシートが形成された構造のものが開発
されるに至った。この抵抗体ヒートシートは、絶縁層、
抵抗発熱体層、絶縁層、離型層が下から順に積層されて
おり、金属素管の外周面に貼り付けられている。絶縁層
についてはポリイミド等の高分子プラスチックが、離型
層についてはフッ素樹脂等が一般的に使用されている
(特開昭55-72392号、特開昭63-158582 号公報参照) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例による場合、抵抗体ヒートシートを金属素管の外表
面に貼り付ける際、両者の間に空気が入り込んで空気溜
まりが発生し易い。空気溜まりがあると、加熱使用時に
その内部の空気が膨張して同シートが破裂したり、その
部分における発熱と放熱とのバランスが崩れ、シート焼
損を引き起こす結果となる。このように同シートに空気
溜まりが発生し易いことから、加熱ローラの生産歩留り
が低く、低コスト化を図ることが困難であった。
【0006】もっとも、抵抗体ヒートシートを金属素管
に貼り付ける工程において、空気溜まりが発生しないよ
うに大掛かりな治具や装置を用いることも対策として考
えられるが、設備コストが大幅アップすることから、必
ずしも抜本的な対策とは言えない。
【0007】また、抵抗発熱体層の下に位置する絶縁層
については、その厚さを増しても大きな熱遮断効果を期
待できない。そのため、発熱効率を十分に高くすること
ができず、昇温時間の短縮化が困難となっており、電子
写真システムの高速化及び低消費電力化を図る上で大き
な障害となっている。
【0008】一方、加熱ローラの表面には、加圧ロー
ラ、記録紙を通じて所定の外力がその全面にわたって作
用しているだけでなく、記録紙を剥がすための剥離爪や
温度計測用のサーミスタが部分的に接触しており、抵抗
体ヒートシートの離型層の硬度が低いことから、その表
面は極めて傷付き易い。また、離型層の下に位置する絶
縁層にも上記外力が離型層を介して作用し、絶縁層の硬
度も高くないことから、離型層と同様、絶縁層も傷付き
易い状態にある。このように加熱ローラの表面が磨耗に
弱く、寿命が短い。もし、抵抗発熱体層が露出すること
になれば、ショートによる漏電事故等の不測の事故が発
生する場合もあり、電子写真システムの信頼性を図る上
で大きな問題となっている。
【0009】本発明は上記した背景の下で創作されたも
のであり、その目的とするところは、低コスト化、昇温
時間の短縮化及び長寿命化を図ることができる加熱ロー
ラ及びトナー定着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解消するための手段】本発明に係る加熱ローラ
は、ローラ本体の外周面に抵抗体ヒートシートが形成さ
れているものであって、前記抵抗体ヒートシートは、少
なくとも熱遮断層、抵抗発熱体層、絶縁層及び離型層が
下から順に積層され、前記ローラ本体の外周面に貼り付
けられており、前記熱遮断層として、不織布、フェルト
等の空気が流通し得る耐熱性材料のものが使用されてい
ることを特徴としている。熱遮断層の厚みは、最適な昇
温特性を得るのに必要な値に設定するようにすると良
い。
【0011】より好ましくは、前記離型層は金属シート
であることが望ましく、その両面又片面を粗面加工する
ようにすると一層良い。また、抵抗発熱体層は金属箔抵
抗体を用いることが望ましい。
【0012】本発明に係るトナー定着装置は、加熱ロー
ラと加圧ローラとの間にトナー画像が転写された記録紙
を通過させ、加熱と同時に加圧してトナー画像を記録紙
に熱定着させる基本構成となっており、前記した加熱ロ
ーラが用いられていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1はトナー定着装置の部分断面
図、図2は同装置の加熱ローラの分解斜視図、図3は同
加熱ローラの部分断面図である。
【0014】ここに掲げるトナー定着装置は、複写機、
プリンタ等の電子写真システムに備えられるもので、図
1に示すように加熱ローラ1と加圧ローラ2との間にト
ナー画像が転写された記録紙Pを通過させ、加熱と同時
に加圧してトナー画像を記録紙に熱定着させる基本構成
となっている。同装置において最も特徴的であるのは加
熱ローラ1を中心として詳しく説明する。
【0015】加熱ローラ1は、図2に示すようにアルミ
管又は鉄管等の金属素管10(ローラ本体に相当する)
の外周面に抵抗体ヒートシート20が貼り付けられてお
り、金属素管10の両側に軸部30、30が取り付けら
れた基本構成となっている。
【0016】抵抗体ヒートシート20は、図3に示すよ
うに熱遮断層21、絶縁層22、抵抗発熱体層23、絶
縁層24及び離型層である金属シート25が下から順に
積層されている。最下層である熱遮断層21の下面は金
属素管10に接している一方、最上層である金属シート
25の上面は露出している。
【0017】金属シート25は、アルミニウム、ニッケ
ル、ステンレス、銅又は鉄(亜鉛メッキした鉄を含む)
等の金属箔であり、外圧等に対して十分な耐久性のある
硬度を確保するために厚さが約10〜30μmに設定さ
れている。場合によっては、金属シート25の上面にフ
ッ素コーティングを施しても良いが、ここでは絶縁層2
2との密着性を高め、熱伝導効率を上げるために金属シ
ート25の片面をエッチング等を用いて粗面加工するよ
うにしている。なお、粗面加工する面はフッ素コーティ
ングを施す場合には両面でも良い。
【0018】絶縁層22、24は、ポリイミド等の樹脂
フィルムを貼り付けて形成されたものである。
【0019】抵抗発熱体層23はここではリソグラフィ
法等を用いて形成された、厚さが約20〜30μmのス
テンレス、ニッケル、ニクロム等の金属箔抵抗体を用い
ている。
【0020】なお、上記各層をスクリーン印刷により作
成するようにしてもかまわない。この場合、抵抗発熱体
層23については、金属粉体(Ag、Ni等)やカーボ
ン粉等からなる導電性ペースト等を用いて作成するよう
にすると良い。絶縁層22、24についても同様であり
ペースト状等のものを用いると良い。
【0021】熱遮断層21としては、不織布、フェルト
等の空気が流通し得る耐熱性材料のものが使用されてい
る。これは、抵抗発熱体層23の発熱で劣化せず、しか
も金属素管10との間に空気が入り込んでも、この空気
が内部を通ってその端面から外に逃げるような素材であ
る限り、どのようなものを用いても良い。即ち、耐熱性
繊維だけでなく、耐熱性発泡プラスチック等を用いるこ
とも可能である。熱遮断層21の厚みの設定については
説明の都合上後述する。
【0022】なお、熱遮断層21だけでも十分な絶縁性
と断熱性が確保されるときには絶縁層22を省略するよ
うにしてもかまわない。
【0023】上記のような抵抗体ヒートシート20を図
2に示すようにロール状にして金属素管10の外表面に
巻き付け、耐熱性の接着材、両面テープ等を用いて貼り
付け、その両側に給電端子30、30を取り付けるよう
にすると、加熱ローラ1が完成する。なお、熱遮断層2
1として、ポリイミドを含浸させた耐熱性繊維を用いた
場合、ポリイミドを加圧・加熱するという方法で金属素
管10に貼り付けることも可能である。
【0024】加熱ローラ1の軸部30は図1に示すよう
にベアリング3により軸支されている。ここでは軸部3
0が給電端子としての機能を有するようになっている。
即ち、軸部30として銅等の成型品を用いており、その
軸側の端面が圧力バネ51により押圧されたカーボンブ
ラシ5に接触するようになっている。コイル51はホル
ダ52内に取り付けられており、カーボンブラシ5には
電気給電線53が電気接続されている。
【0025】即ち、加熱ローラ1に対する図外の定電流
電源からの給電は、電気給電線53、カーボンブラシ
5、軸部30というルートにより行われるようになって
いる。カーボンブラシ5が加熱ローラ1の軸部30の側
面ではなく、軸線上の端面に接触していることから、両
接触面の磨耗が非常に小さいというメリットがある。
【0026】なお、軸部30は抵抗体ヒートシート20
における抵抗発熱体層23の両端の電極部と導電性ペー
スト41を介して電気接続されている。図1中42は絶
縁スペーサである。
【0027】加熱ローラ1及び加圧ローラ2は図外のモ
ータにテンションベルトを介して機械的に連結されてお
り、記録紙Pが両ローラの間を通過する際にテンション
ベルト等の引っ張り力により加圧され、加熱ローラ1の
発熱により加熱されるようになっている。
【0028】なお、加熱ローラ1の表面には、記録紙P
を剥がすための剥離爪や温度計測用のサーミスタが接触
しているが、これについては図示省略されている。
【0029】以上のように構成されたトナー定着装置に
おいては、電源をONにすると、約8秒以内に加熱ロー
ラ1の表面温度が約160℃(定着温度)に達する。こ
のように従来に比べて大幅な昇温時間の短縮化を図るこ
とが可能になったのは、次のような理由による。
【0030】即ち、抵抗発熱体層23として金属箔低
抗体を使用したので、これに大電流を流すことができ、
これにより発熱量が増大したこと、金属シート25の
両面が粗面加工されており、記録紙P、絶縁層22との
密着性を高まり、熱伝導が良好になったこと、加熱ロ
ーラ1における抵抗体ヒートシート20の最下層に熱遮
断層21を設けて、抵抗発熱体層23から金属素管10
側に流れる熱エネルギーを熱遮断層21より遮断するよ
うにしたことが掲げられる。特に、熱遮断層21には空
気の層が存在することから(空気が流通し得るルートに
最初から存在する空気)、これにより一層大きな熱遮断
効果が得られる。この結果、加熱ローラ1の発熱効率が
高くなり、加熱ローラ1の表面温度が所定温度に達する
までに要する時間を大幅に短縮することが可能になっ
た。
【0031】ところで、加熱ローラ1に供給する電力を
小さくして、加熱ローラ1の表面温度を所定温度まで上
げるのに要する時間を短くするには、加熱ローラ1全体
の熱容量を小さくすることが必要である。ただ、熱容量
が小さすぎると、記録紙Pが加熱ローラ1に接触する際
に、加熱ローラ1の有する熱エネルギーが記録紙Pに奪
われ、その表面温度が急激に低下する。即ち、定着に必
要な温度を保持することができず、連続運転を行うこと
が不可能となる。それ故、これらの点を総合して、最適
な昇温特性及び熱容量特性が得られるように設定するこ
とが必要になる。
【0032】ここでは熱遮断層21の厚みを調整するこ
とにより、加熱ローラ1全体の熱容量を変化させ、これ
により上記したような最適な特性を実現することが可能
である。加熱ローラ1の構成の中で最も熱容量が小さい
のは抵抗発熱体層23であり、逆に最も熱容量が大きい
のは金属素管10である。金属素管10と抵抗発熱体層
23との間に熱遮断層21が配置されているので、熱遮
断層21の厚みを変化させると、遮断効果の大小により
加熱ローラ1全体の熱容量が金属素管10との関連で変
化する。この結果、熱遮断層21の厚みを調整すること
により、最適な特性が得られる。逆に言えば、最適な特
性が得られるように種々の実験を通じて熱遮断層21の
厚みを設定するようにしている。
【0033】このように加熱ローラ1の発熱効率が高く
なり、昇温時間が大幅に短縮化されたことから、トナー
定着装置、ひいては電子写真システムの高速化、低消費
電力化を図ることが可能になる。特に、近年の複写機、
プリンタ等の電子写真システムは、OA電子機器と連動
させて使用することが多く、OA機器からの制御信号を
受けて運転が制御されている。従来、OA電子機器の高
速化が推進されたとしても、電子写真システム、特にト
ナー定着装置の高速化及び低消費電力化が遅れていたの
で、これがシステム全体に大きな影響を与えていた。上
記したトナー定着装置ではこの問題が全て解消され、シ
ステム全体の大幅な高速化を現実に達成することが可能
になる。
【0034】一方、加熱ローラ1の表面には、加圧ロー
ラ2、記録紙Pだけでなく、記録紙Pを剥がすための剥
離爪や温度計測用のサーミスタも接触しており、これら
を通じて大きな外圧が作用しているものの、離型層が金
属シート25であることから、その硬度が高く、容易に
傷付くようなことがない。また、上記外圧は絶縁層24
に作用しないことから、その硬度に関係なく、絶縁層2
4が傷付くようなこともない。このように加熱ローラ1
の表面が磨耗に強く、カーボンブラシ5との接触による
磨耗が小さい点や、抵抗発熱体層23が安定した金属箔
であることも含めて、長寿命化を図ることができる。ま
た、従来例による場合とは異なり、抵抗発熱体層23が
露出することがない点で安全性を図ることも可能にな
る。
【0035】このように加熱ローラ1が長寿命である以
上、トナー定着装置、ひいては電子写真システムの信頼
性の向上を図る上で大きなメリットがある。
【0036】加えて、加熱ローラ1の製造工程、具体的
には、抵抗体ヒートシート20を金属素管10の外表面
に貼り付ける際、両者の間に空気が入り込んで空気溜ま
りが発生したとしても、加熱使用時にその内部の空気が
膨張して同シートが破裂したりするようなことはない。
なぜなら、加熱使用時に空気溜まりの内部の空気が膨張
し、その圧力が高まると、空気が熱遮断層21の内部を
通ってその端面から外に逃げて空気溜まりが自然に消失
するからである。よって、従来例による場合とは異な
り、加熱ローラ1の製造工程において空気溜まりの発生
に注意を払う必要がなくなり、大掛かりな治具や装置を
用いなくても、加熱ローラ1の生産歩留りが格段に向上
し、低コスト化を図ることが可能になる。
【0037】なお、本発明の加熱ローラは上記実施の形
態に限定されず、例えば抵抗発熱体層を複数にしたり、
その間に負の温度係数を有する温度制御用抵抗体層を配
置すし、抵抗体ヒートシートにおいて自己温度制御機能
を発揮するようにしてもかまわない。また、加熱ローラ
の表面に作用する外力が小さいときには、離型層として
フッ素樹脂等を使用するようにしても良い。
【0038】また、本発明のトナー定着装置は、加熱ロ
ーラと加圧ローラとの間にトナー画像が転写された記録
紙を通過させ、加熱と同時に加圧してトナー画像を記録
紙に熱定着させるという機能を有する限り、加熱ローラ
以外の構成についてはどのような構成であってもかまわ
ない。
【0039】
【発明の効果】以上、本発明の請求項1、2に係る加熱
ローラによる場合、抵抗体ヒートシートをローラ本体の
外表面に貼り付ける際、両者の間に空気が入り込んで空
気溜まりが発生したとしても、この空気が熱遮断層の内
部を通ってその端面から外に逃げて空気溜まりが自然に
消失する構成となっているので、加熱ローラの製造工程
において空気溜まりの発生に注意を払う必要がなくな
る。それ故、大掛かりな治具や装置を用いなくても、加
熱ローラの生産歩留りが格段に向上し、低コスト化を図
ることが可能になる。
【0040】また、抵抗体ヒートシートにおける抵抗発
熱体層とローラ本体の外周面との間に熱遮断層が配置さ
れており、熱遮断層の内部には当初から空気の層が存在
していることから、大きな熱遮断効果が得られ、発熱効
率を十分に高くすることができ、これに伴って、昇温時
間の短縮化を図ることが可能になる。
【0041】本発明の請求項3に係る加熱ローラによる
場合、前記離型層は硬度が高い金属シートである構成と
なっているので、その表面に大きな外力が作用しても、
容易に傷付くようなことがなくなる。また、離型層の下
に位置する絶縁層の硬度に関係なく、絶縁層にも上記外
力が離型層を介して作用せず、容易に傷付くようなこと
がなくなる。即ち、加熱ローラの表面が磨耗に強いこと
から、長寿命化を図ることができ、抵抗発熱体層が露出
することがない点で安全性を図ることもできる。
【0042】本発明の請求項4に係る加熱ローラによる
場合、前記離型層としての金属シートの両面又片面が粗
面加工された構成となっているので、密着性が高まって
熱伝導が良好になり、非常に高い発熱効率が得られ、こ
れに伴って、一層の昇温時間の短縮化を図ることが可能
になる。
【0043】本発明の請求35に係る加熱ローラによる
場合、前記抵抗発熱体層として、金属箔抵抗体が使用さ
れた構成となっているので、寿命劣化等を心配すること
なく繰り返し大電流を流すことができる。これにより発
熱量を増大させることができ、より一層の昇温時間の短
縮化を図ることが可能になる。
【0044】本発明の請求項6に係るトナー定着装置に
よる場合、上記加熱ローラが使用された構成となってい
るので、低コスト化、昇温時間の短縮化、長寿命化を図
ることができ、これに伴って、電子写真システムの低コ
スト化、高速化、低消費電力化及び信頼性の向上を確実
に図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためる図であっ
て、トナー定着装置の部分断面図である。
【図2】同装置の加熱ローラの分解斜視図である。
【図3】同加熱ローラの部分断面図である。
【符号の説明】
1 加熱ローラ 10 金属素管 20 抵抗体ヒートシート 21 熱遮断層 22 絶縁層 23 抵抗発熱体層 24 絶縁層 25 金属シート 2 加圧ローラ P 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 徹 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA23 AA30 AA31 BA05 BB19 BB21 3K058 AA45 AA73 BA18 DA04 DA24 GA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ本体の外周面に抵抗体ヒートシー
    トが形成された加熱ローラにおいて、前記抵抗体ヒート
    シートは、少なくとも熱遮断層、抵抗発熱体層、絶縁層
    及び離型層が下から順に積層され、前記ローラ本体の外
    周面に貼り付けられており、前記熱遮断層として、不織
    布、フェルト等の空気が流通し得る耐熱性材料のものが
    使用されていることを特徴とする加熱ローラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加熱ローラにおいて、前
    記熱遮断層の厚みは、最適な昇温特性を得るのに必要な
    値に設定されていることを特徴とする加熱ローラ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の加熱ローラにおい
    て、前記離型層は金属シートであることを特徴とする加
    熱ローラ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の加熱ローラにおいて、前
    記離型層としての金属シートの両面又片面が粗面加工さ
    れていることを特徴とする加熱ローラ。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の加熱ロー
    ラにおいて、前記抵抗発熱体層として、金属箔抵抗体が
    使用されていることを特徴とする加熱ローラ。
  6. 【請求項6】 加熱ローラと加圧ローラとの間にトナー
    画像が転写された記録紙を通過させ、加熱と同時に加圧
    してトナー画像を記録紙に熱定着させるトナー定着装置
    において、前記加熱ローラとして請求項1、2、3、4
    又は5記載の加熱ローラが用いられていることを特徴と
    するトナー定着装置。
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