JP2000321911A - 蓄熱型定着用クイックヒートローラー - Google Patents
蓄熱型定着用クイックヒートローラーInfo
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 複写機やプリンター等の電子写真装置におい
て、長寿命かつ超高速加熱が可能で、他のOA機器とシ
ステム化した際に、処理スピードに高速に応答できる蓄
熱型定着用ヒートローラーを実現する。 【解決手段】 表面を粗面にしたアルミ、洞、ステンレ
ス等の金属シート4の上に絶縁体層6、発熱抵抗体層
8、絶縁体層14などをスクリーン印刷法で積層製膜し
て発熱抵抗体シートを製作する。表面に断熱層18を設
けた金属素管16の外周に、最外周が金属シート4とな
るように、発熱抵抗体シートを巻回接着して、蓄熱型定
着用クイックヒートローラーを完成する。このとき、絶
縁体層14と断熱層18が密着して接合する。
て、長寿命かつ超高速加熱が可能で、他のOA機器とシ
ステム化した際に、処理スピードに高速に応答できる蓄
熱型定着用ヒートローラーを実現する。 【解決手段】 表面を粗面にしたアルミ、洞、ステンレ
ス等の金属シート4の上に絶縁体層6、発熱抵抗体層
8、絶縁体層14などをスクリーン印刷法で積層製膜し
て発熱抵抗体シートを製作する。表面に断熱層18を設
けた金属素管16の外周に、最外周が金属シート4とな
るように、発熱抵抗体シートを巻回接着して、蓄熱型定
着用クイックヒートローラーを完成する。このとき、絶
縁体層14と断熱層18が密着して接合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の電子写真装置における現像剤(トナー)定着用のヒ
ートローラーに関し、更に詳細には、定着用ベルトを掛
け、間接的に記録紙上のトナー像を定着する、長寿命で
高速加熱が可能な蓄熱型定着用クイックヒートローラー
に関する。
等の電子写真装置における現像剤(トナー)定着用のヒ
ートローラーに関し、更に詳細には、定着用ベルトを掛
け、間接的に記録紙上のトナー像を定着する、長寿命で
高速加熱が可能な蓄熱型定着用クイックヒートローラー
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタ等の電子写真
装置におけるトナー定着装置は、発熱手段を備えたヒー
トローラーと、加圧ローラーを対向して配置し、これら
のローラー間に、トナー画像を転写した記録紙を通過さ
せ、加熱と同時に加圧してトナー画像を記録紙に熱定着
する。
装置におけるトナー定着装置は、発熱手段を備えたヒー
トローラーと、加圧ローラーを対向して配置し、これら
のローラー間に、トナー画像を転写した記録紙を通過さ
せ、加熱と同時に加圧してトナー画像を記録紙に熱定着
する。
【0003】従来から実用化されているヒートローラー
は、アルミニウムやステンレス等の金属パイプの内部に
ハロゲンランプ等の発光加熱管を内装したものである。
しかし、このヒートローラーは輻射熱を利用するため、
発熱効率が悪く、定着に必要な所定の温度、例えば16
0℃に昇温するには、数分から十数分を必要とし、待機
時の電力消費も大きく、未使用時には省エネルギー問題
も生じる。デジタル技術時代、定着デバイスの開発目標
は、消費電力の軽減と昇温時間の短縮化技術に尽きる。
特にカラー機器では、高速昇温と温度分布の均一性が、
高画質の最大の要因となる。
は、アルミニウムやステンレス等の金属パイプの内部に
ハロゲンランプ等の発光加熱管を内装したものである。
しかし、このヒートローラーは輻射熱を利用するため、
発熱効率が悪く、定着に必要な所定の温度、例えば16
0℃に昇温するには、数分から十数分を必要とし、待機
時の電力消費も大きく、未使用時には省エネルギー問題
も生じる。デジタル技術時代、定着デバイスの開発目標
は、消費電力の軽減と昇温時間の短縮化技術に尽きる。
特にカラー機器では、高速昇温と温度分布の均一性が、
高画質の最大の要因となる。
【0004】また、近年では複写機やプリンタを他のO
A機器と連動させて使用するため、オフ状態或いは小休
止状態の複写機やプリンタに信号入力があった場合に
は、ヒートローラーの昇温時間が長いとシステムが進行
せず、システム全体の高速化を阻害する主要因となって
いる。即ち、他の電子装置が如何に高速化されても、ト
ナー定着部の抜本的解決策がない限り、電子写真システ
ムの高速化は困難な情況下にある。
A機器と連動させて使用するため、オフ状態或いは小休
止状態の複写機やプリンタに信号入力があった場合に
は、ヒートローラーの昇温時間が長いとシステムが進行
せず、システム全体の高速化を阻害する主要因となって
いる。即ち、他の電子装置が如何に高速化されても、ト
ナー定着部の抜本的解決策がない限り、電子写真システ
ムの高速化は困難な情況下にある。
【0005】前述のごとく従来の定着用ヒートローラー
は、金属素管の内面に熱源を設け、金属素管全体を加熱
して、定着温度に昇温し使用する。このため、消費電力
が増大し、昇温時間の短縮が困難であった。そこで発光
加熱管方式を改善する提案が種々なされてきた。例え
ば、定着用ヒートローラーである金属パイプからなる円
筒体の外周面に、ポリイミド等の絶縁体層を形成し、そ
の外周面に発熱抵抗体層を設け、更にその表面にテフロ
ン(弗素樹脂)等の離形層を備えた構造のヒートローラ
である(特開昭55−72390号、特開昭62−20
038号、特開昭63−158582号参照)。発熱抵
抗体層を通電加熱すれば、ヒートローラー全体を高速昇
温できるというアイデアである。
は、金属素管の内面に熱源を設け、金属素管全体を加熱
して、定着温度に昇温し使用する。このため、消費電力
が増大し、昇温時間の短縮が困難であった。そこで発光
加熱管方式を改善する提案が種々なされてきた。例え
ば、定着用ヒートローラーである金属パイプからなる円
筒体の外周面に、ポリイミド等の絶縁体層を形成し、そ
の外周面に発熱抵抗体層を設け、更にその表面にテフロ
ン(弗素樹脂)等の離形層を備えた構造のヒートローラ
である(特開昭55−72390号、特開昭62−20
038号、特開昭63−158582号参照)。発熱抵
抗体層を通電加熱すれば、ヒートローラー全体を高速昇
温できるというアイデアである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者ら
は、このヒートローラを研究する中で、実用化が不可能
な重大な欠点を見いだすに至った。即ち、離形層および
電気絶縁体層は、金属パイプの外周面に形成されてお
り、しかもこれら各層の材料は有機樹脂のため硬度が低
いことである。狭圧状態にあるヒートローラーと加圧ロ
ーラーの間に記録紙を走行させるから、表面に露出する
離形層とその次にある電気絶縁体層には直接外力が作用
し、極めて傷つきやすい状態にある。
は、このヒートローラを研究する中で、実用化が不可能
な重大な欠点を見いだすに至った。即ち、離形層および
電気絶縁体層は、金属パイプの外周面に形成されてお
り、しかもこれら各層の材料は有機樹脂のため硬度が低
いことである。狭圧状態にあるヒートローラーと加圧ロ
ーラーの間に記録紙を走行させるから、表面に露出する
離形層とその次にある電気絶縁体層には直接外力が作用
し、極めて傷つきやすい状態にある。
【0007】にもかかわらず、記録紙を剥がすための剥
離爪がヒートローラー外周面に接触するだけでなく、こ
の外周面に温度計測用のサーミスターが所定の押圧力で
接触配置されており、その結果、ヒートローラー外周面
は極めて傷つき易く、しかも急速に磨耗してゆく。摩耗
が進んで発熱抵抗体層が露出すると、ショートによる漏
電事故など不測の事故を生起する。これらの理由のため
に、この方式は実用化されること無くアイデア倒れとな
り、現在もなお発光加熱管方式が利用されている。従っ
て、長寿命性、安全性および高速昇温性を同時的に満足
するためには、さらに工夫を必要とする。
離爪がヒートローラー外周面に接触するだけでなく、こ
の外周面に温度計測用のサーミスターが所定の押圧力で
接触配置されており、その結果、ヒートローラー外周面
は極めて傷つき易く、しかも急速に磨耗してゆく。摩耗
が進んで発熱抵抗体層が露出すると、ショートによる漏
電事故など不測の事故を生起する。これらの理由のため
に、この方式は実用化されること無くアイデア倒れとな
り、現在もなお発光加熱管方式が利用されている。従っ
て、長寿命性、安全性および高速昇温性を同時的に満足
するためには、さらに工夫を必要とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蓄熱型定着
用クイックヒートローラーは、断熱性を付与した円筒体
の外周面に発熱抵抗体シートを備え、この発熱抵抗体シ
ートは少なくとも金属シートと発熱抵抗体層からなり、
この発熱抵抗体層を通電加熱して、金属シート部を所望
の定着温度に設定することから構成される。
用クイックヒートローラーは、断熱性を付与した円筒体
の外周面に発熱抵抗体シートを備え、この発熱抵抗体シ
ートは少なくとも金属シートと発熱抵抗体層からなり、
この発熱抵抗体層を通電加熱して、金属シート部を所望
の定着温度に設定することから構成される。
【0009】前記発熱抵抗体シートは、金属シートの上
に、絶縁体層、発熱抵抗体層、絶縁体層をこの順に積層
した4層構成からなる層状シートで、この発熱抵抗体シ
ートを、表面に断熱層を設けた円筒体の外周面に、基体
の金属シートが最外周になるように密着接合させた構成
とする。
に、絶縁体層、発熱抵抗体層、絶縁体層をこの順に積層
した4層構成からなる層状シートで、この発熱抵抗体シ
ートを、表面に断熱層を設けた円筒体の外周面に、基体
の金属シートが最外周になるように密着接合させた構成
とする。
【0010】前記金属シートは金属薄層であり、絶縁体
層との接触面は密着性を高めるために粗面加工されてい
る蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案する。ま
た、発熱抵抗体シートのうち、発熱抵抗体層をスクリー
ン印刷法で形成し、発熱抵抗体層の膜厚を多層印刷によ
り制御する蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案
する。
層との接触面は密着性を高めるために粗面加工されてい
る蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案する。ま
た、発熱抵抗体シートのうち、発熱抵抗体層をスクリー
ン印刷法で形成し、発熱抵抗体層の膜厚を多層印刷によ
り制御する蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案
する。
【0011】前記の蓄熱型定着用クイックヒートローラ
ーに定着用エンドレスベルトをかけ、この定着用エンド
レスベルトと蓄熱型定着用クイックヒートローラーの間
に転写紙を通過させてトナー画像を熱定着するように配
置した蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案す
る。前記定着用エンドレスベルト面で転写紙のトナー画
像を熱定着する蓄熱型定着用クイックヒートローラーを
提案する。。
ーに定着用エンドレスベルトをかけ、この定着用エンド
レスベルトと蓄熱型定着用クイックヒートローラーの間
に転写紙を通過させてトナー画像を熱定着するように配
置した蓄熱型定着用クイックヒートローラーを提案す
る。前記定着用エンドレスベルト面で転写紙のトナー画
像を熱定着する蓄熱型定着用クイックヒートローラーを
提案する。。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者等は、従来例およびその
改良案の欠点を鋭意研究した結果、断熱性を付与した円
筒体の外周面に発熱抵抗体シートを配置してヒートロー
ラーを構成すれば、熱をヒートローラー表面に蓄熱でき
るので、ヒートローラーの表面温度を数秒以内に所望温
度にまで昇温できることを着想するに到った。また、こ
のヒートローラーにエンドレスベルトをかけ、エンドレ
スベルト面を転写紙のトナー画像面に密着させれば、ベ
ルトを瞬時に昇温しながら熱定着の高速化を実現でき、
しかも、待機時間や省エネルギー問題などの従来欠点を
克服できる新技術を見いだすに到ったのである。
改良案の欠点を鋭意研究した結果、断熱性を付与した円
筒体の外周面に発熱抵抗体シートを配置してヒートロー
ラーを構成すれば、熱をヒートローラー表面に蓄熱でき
るので、ヒートローラーの表面温度を数秒以内に所望温
度にまで昇温できることを着想するに到った。また、こ
のヒートローラーにエンドレスベルトをかけ、エンドレ
スベルト面を転写紙のトナー画像面に密着させれば、ベ
ルトを瞬時に昇温しながら熱定着の高速化を実現でき、
しかも、待機時間や省エネルギー問題などの従来欠点を
克服できる新技術を見いだすに到ったのである。
【0013】エンドレスベルトの表面に離形層を設けて
おけば、定着後に記録紙は簡単に剥がれることができ
る。離形層としては、例えばテフロンなどのフッ素樹脂
が利用できる。この方式では、ヒートローラーの表面に
記録紙の定着面や剥離爪、サーミスターが接触しないの
で、ヒートローラーの長寿命性と安全性を確保できる。
また、最外周にある金属シートの厚さを加減すれば、長
手方向の温度分布の均一性を改善できる。
おけば、定着後に記録紙は簡単に剥がれることができ
る。離形層としては、例えばテフロンなどのフッ素樹脂
が利用できる。この方式では、ヒートローラーの表面に
記録紙の定着面や剥離爪、サーミスターが接触しないの
で、ヒートローラーの長寿命性と安全性を確保できる。
また、最外周にある金属シートの厚さを加減すれば、長
手方向の温度分布の均一性を改善できる。
【0014】発熱抵抗体シートは各層をシート状に積層
して形成され、また円筒体表面には断熱層を形成してお
く。この発熱抵抗体シート表面の絶縁層と円筒体外周面
の断熱層とを耐熱性樹脂からなる接着剤で貼り合わせる
だけで、簡単にヒートローラーを構成できる。前述した
ように、断熱層に遮断されて熱が円筒体内部に伝導しに
くく、表面に熱が蓄熱し易いので、このヒートローラー
を蓄熱型定着用クイックヒートローラーと称する。つま
り、熱が金属シート側に吸収されて熱効率を高効率化で
きるので、低電力で高速定着が可能な電子写真器用定着
装置の画期的な改良を実現できる。
して形成され、また円筒体表面には断熱層を形成してお
く。この発熱抵抗体シート表面の絶縁層と円筒体外周面
の断熱層とを耐熱性樹脂からなる接着剤で貼り合わせる
だけで、簡単にヒートローラーを構成できる。前述した
ように、断熱層に遮断されて熱が円筒体内部に伝導しに
くく、表面に熱が蓄熱し易いので、このヒートローラー
を蓄熱型定着用クイックヒートローラーと称する。つま
り、熱が金属シート側に吸収されて熱効率を高効率化で
きるので、低電力で高速定着が可能な電子写真器用定着
装置の画期的な改良を実現できる。
【0015】まず、金属パイプからなる円筒体の外周面
に、断熱層として耐熱性樹脂層を形成しておく。一方、
金属シート上に絶縁体層、発熱抵抗体層、絶縁体層をこ
の順番に積層して発熱抵抗体シートを形成する。次に、
このシートを円筒体の外周面に巻回接着してヒートロー
ラーを形成する。但し、金属シートが最外面になるよう
に配置する。更に、エンドレスベルトとヒートローラー
間に転写紙を狭持走行させるために、このヒートローラ
ーの外周面に圧接するようにエンドレスベルトを張設
し、エンドレスベルト面でトナー画像の熱定着が行われ
るように配置する。
に、断熱層として耐熱性樹脂層を形成しておく。一方、
金属シート上に絶縁体層、発熱抵抗体層、絶縁体層をこ
の順番に積層して発熱抵抗体シートを形成する。次に、
このシートを円筒体の外周面に巻回接着してヒートロー
ラーを形成する。但し、金属シートが最外面になるよう
に配置する。更に、エンドレスベルトとヒートローラー
間に転写紙を狭持走行させるために、このヒートローラ
ーの外周面に圧接するようにエンドレスベルトを張設
し、エンドレスベルト面でトナー画像の熱定着が行われ
るように配置する。
【0016】以上のように配置すると、シートの絶縁層
とヒートローラーの断熱層により、発熱抵抗体層、金属
パイプ及びエンドレスベルトが相互に電気的に絶縁さ
れ、漏電などを防止して安全面を確保できる。
とヒートローラーの断熱層により、発熱抵抗体層、金属
パイプ及びエンドレスベルトが相互に電気的に絶縁さ
れ、漏電などを防止して安全面を確保できる。
【0017】また、円筒体として絶縁性パイプを利用す
れば、電気的絶縁体は断熱性能も高いから、円筒体であ
る絶縁性パイプの表面に断熱層を別途形成する必要はな
い。従って、この構成では省エネルギーの定着装置を実
現できる。
れば、電気的絶縁体は断熱性能も高いから、円筒体であ
る絶縁性パイプの表面に断熱層を別途形成する必要はな
い。従って、この構成では省エネルギーの定着装置を実
現できる。
【0018】発熱抵抗体層は電流の通電によって発熱す
るシート状部材で、この発熱抵抗体層は金属粉体やカー
ボン粉体等からなる導電性ペーストを塗膜形成したり、
所定の電気抵抗を有する抵抗性フィルムを張設したりす
ることによって形成する。その厚みを調節すれば抵抗値
を可変でき、発熱電力を調節できる。
るシート状部材で、この発熱抵抗体層は金属粉体やカー
ボン粉体等からなる導電性ペーストを塗膜形成したり、
所定の電気抵抗を有する抵抗性フィルムを張設したりす
ることによって形成する。その厚みを調節すれば抵抗値
を可変でき、発熱電力を調節できる。
【0019】発熱抵抗体材料は、導電剤だけでなく、こ
れにマトリックスを成す合成樹脂またはガラスを添加し
た混合物を用いることもできる。また、目的に応じてそ
の他の公知の材料を添加することもできる。導電剤とし
ては、Ag、Ni、Au、Pd、Mo、Mn、W等の金
属材料、あるいはRe2O3、Mn2O3、LaMnO
3等の金属間化合物を用いる。またマトリックスを成す
ガラスを用いることにより、加熱サイクルによっても抵
抗値の変化を少なくすることができる。
れにマトリックスを成す合成樹脂またはガラスを添加し
た混合物を用いることもできる。また、目的に応じてそ
の他の公知の材料を添加することもできる。導電剤とし
ては、Ag、Ni、Au、Pd、Mo、Mn、W等の金
属材料、あるいはRe2O3、Mn2O3、LaMnO
3等の金属間化合物を用いる。またマトリックスを成す
ガラスを用いることにより、加熱サイクルによっても抵
抗値の変化を少なくすることができる。
【0020】更に好ましくは、導電剤としてAg、Ni
を主剤とし,これにマトリックスとしてガラスを混合さ
せ、流動性のある導電性ペーストにする。この導電性ペ
ーストをスクリーン印刷法により所望パターンに塗膜形
成する。
を主剤とし,これにマトリックスとしてガラスを混合さ
せ、流動性のある導電性ペーストにする。この導電性ペ
ーストをスクリーン印刷法により所望パターンに塗膜形
成する。
【0021】ガラスをマトリックスとして用いた場合に
は、加熱冷却サイクルによっても抵抗値の変化を少なく
することができる。また、合成樹脂やガラスをマトリッ
クスとして用いると成膜強度を向上することができる
等、発熱抵抗体層の物性値の改善効果を有する。導電材
料は90〜10重量%、マトリックスは10〜90重量
%の範囲で含有させる。発熱抵抗体層の厚さは5〜10
0μmとすることが好ましく、20〜60μmがより好
ましい。しかし、配合量や厚さはこれらの数値に限定さ
れるものではなく、昇温性能や高温保持特性、温度分布
特性などの諸条件を満足させるように、より適切な数値
を選択することができる。
は、加熱冷却サイクルによっても抵抗値の変化を少なく
することができる。また、合成樹脂やガラスをマトリッ
クスとして用いると成膜強度を向上することができる
等、発熱抵抗体層の物性値の改善効果を有する。導電材
料は90〜10重量%、マトリックスは10〜90重量
%の範囲で含有させる。発熱抵抗体層の厚さは5〜10
0μmとすることが好ましく、20〜60μmがより好
ましい。しかし、配合量や厚さはこれらの数値に限定さ
れるものではなく、昇温性能や高温保持特性、温度分布
特性などの諸条件を満足させるように、より適切な数値
を選択することができる。
【0022】絶縁体層は発熱抵抗体層からの電流を絶縁
するもので、絶縁性粉体の塗膜や絶縁性フィルムの張設
等によって形成する。絶縁材料としては無機絶縁材料と
有機絶縁材料に分かれる。無機絶縁材料にはマイカ、大
理石、セラミックス、ガラス等があり、有機絶縁材料に
は繊維、プラスチックス、ゴム、ろう、コンパウンドな
ど各種の公知材料があり、絶縁度、処理性能等によって
使い分ければよい。特に、プラスチックフィルムやその
類似物は、それ自体で表面が極平坦なシート状に形成で
きるから、そのまま絶縁体層として利用できる。
するもので、絶縁性粉体の塗膜や絶縁性フィルムの張設
等によって形成する。絶縁材料としては無機絶縁材料と
有機絶縁材料に分かれる。無機絶縁材料にはマイカ、大
理石、セラミックス、ガラス等があり、有機絶縁材料に
は繊維、プラスチックス、ゴム、ろう、コンパウンドな
ど各種の公知材料があり、絶縁度、処理性能等によって
使い分ければよい。特に、プラスチックフィルムやその
類似物は、それ自体で表面が極平坦なシート状に形成で
きるから、そのまま絶縁体層として利用できる。
【0023】最外面に発熱抵抗体シートの基体である金
属シートを設けることにより、発熱抵抗体層から透過的
に又は直接的に散逸放射される熱線を吸収できる。更
に、断熱層を通して円筒体面に放射される熱線も、円筒
体として鏡面加工した金属パイプを使用すれば、熱線を
反射するから加熱効果が更に上昇し、ヒートローラーの
昇温時間を著しく短縮でき、しかも省エネルギーに寄与
することができる。
属シートを設けることにより、発熱抵抗体層から透過的
に又は直接的に散逸放射される熱線を吸収できる。更
に、断熱層を通して円筒体面に放射される熱線も、円筒
体として鏡面加工した金属パイプを使用すれば、熱線を
反射するから加熱効果が更に上昇し、ヒートローラーの
昇温時間を著しく短縮でき、しかも省エネルギーに寄与
することができる。
【0024】導電性ペーストで発熱抵抗体層を形成した
り、絶縁性ペーストで絶縁体層を形成する場合には、ス
クリーン印刷法を活用するとその形成を容易化できる。
もちろん、導電性フィルムや絶縁性フィルムの場合には
張り付けるだけでそのまま層として利用でき、使用する
フィルムの厚さを変えれば厚さ調整も可能となる。スク
リーン印刷法とは、所望の孔空きパターンを介在させて
印刷する方式で、その孔あき部分にペーストが印刷され
る。従って、使用するスクリーンを変更するだけで任意
のパターンを印刷でき、また膜厚を調整するために2
重、3重と多層印刷することにより、発熱抵抗体層の抵
抗値や絶縁体層の厚さを自由に設定することができる。
り、絶縁性ペーストで絶縁体層を形成する場合には、ス
クリーン印刷法を活用するとその形成を容易化できる。
もちろん、導電性フィルムや絶縁性フィルムの場合には
張り付けるだけでそのまま層として利用でき、使用する
フィルムの厚さを変えれば厚さ調整も可能となる。スク
リーン印刷法とは、所望の孔空きパターンを介在させて
印刷する方式で、その孔あき部分にペーストが印刷され
る。従って、使用するスクリーンを変更するだけで任意
のパターンを印刷でき、また膜厚を調整するために2
重、3重と多層印刷することにより、発熱抵抗体層の抵
抗値や絶縁体層の厚さを自由に設定することができる。
【0025】ヒートローラーは転写紙上のトナー画像を
加熱定着する作用を有するから、定着ムラをなくすため
には、ヒートローラーの全面を均一温度に設定すること
が重要である。一般にヒートローラーの両端から、電流
導入端子を通して熱が散逸するから、温度分布は中央部
分が高く、両端が低くなる傾向にある。従って、発熱抵
抗体層の両端を次第に薄くすることによってその部分の
発熱効率を高め、ヒートローラーの全面を均一温度に設
定することができる。換言すれば、発熱抵抗体層の膜厚
(抵抗値)を適切に調整することにより、ヒートローラ
ーの温度分布を均一にし、かつ昇温速度の制御を容易に
することが可能となる。
加熱定着する作用を有するから、定着ムラをなくすため
には、ヒートローラーの全面を均一温度に設定すること
が重要である。一般にヒートローラーの両端から、電流
導入端子を通して熱が散逸するから、温度分布は中央部
分が高く、両端が低くなる傾向にある。従って、発熱抵
抗体層の両端を次第に薄くすることによってその部分の
発熱効率を高め、ヒートローラーの全面を均一温度に設
定することができる。換言すれば、発熱抵抗体層の膜厚
(抵抗値)を適切に調整することにより、ヒートローラ
ーの温度分布を均一にし、かつ昇温速度の制御を容易に
することが可能となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面によって説明す
る。図1は本発明に係る発熱抵抗体シートの断面図であ
る。図1に示すように、金属シート4の表面に、スクリ
ーン印刷法により、ポリイミド樹脂からなる絶縁層6を
5〜20μmの厚さに印刷し硬化させる。その上に、発
熱抵抗体層8をスクリーン印刷法により印刷し、乾燥・
硬化させる。次に、電極層10、12を同じくスクリー
ン印刷法により印刷して乾燥・硬化させ、更に絶縁層1
4をポリイミド樹脂により10〜30μmの厚さにスク
リーン印刷し、乾燥・硬化させて発熱抵抗体シート2を
完成する。
る。図1は本発明に係る発熱抵抗体シートの断面図であ
る。図1に示すように、金属シート4の表面に、スクリ
ーン印刷法により、ポリイミド樹脂からなる絶縁層6を
5〜20μmの厚さに印刷し硬化させる。その上に、発
熱抵抗体層8をスクリーン印刷法により印刷し、乾燥・
硬化させる。次に、電極層10、12を同じくスクリー
ン印刷法により印刷して乾燥・硬化させ、更に絶縁層1
4をポリイミド樹脂により10〜30μmの厚さにスク
リーン印刷し、乾燥・硬化させて発熱抵抗体シート2を
完成する。
【0027】上記作成法を更に詳細に説明すると、まず
平面ガラス板上に、表面を電解エッチングにより粗面と
した厚さ0.1mmのステンレス板を金属シート4とし
て固定する。その上にポリイミド樹脂を厚さ5〜10μ
mにスクリーン印刷法で印刷して絶縁体層6とする。発
熱抵抗体材料としてAg,Niを主体とし、蒸気マトリ
ックスを成す合成樹脂およびガラスを50%含有させて
調製し、前記絶縁体層6の上に3回スクリーン印刷を行
い、約11.7Ωの発熱抵抗体層8を形成した。第1回
のスクリーン印刷で発熱抵抗体層を形成し、第2回のス
クリーン印刷で温度分布を均一にするために発熱抵抗体
層の膜厚分布調整を行い、第3回のスクリーン印刷で導
電用の電極層10、12を形成した。次に、発熱抵抗体
層8の上に絶縁体層14としてポリイミド樹脂をスクリ
ーン印刷して硬化させ、発熱抵抗体シート2を完成し
た。
平面ガラス板上に、表面を電解エッチングにより粗面と
した厚さ0.1mmのステンレス板を金属シート4とし
て固定する。その上にポリイミド樹脂を厚さ5〜10μ
mにスクリーン印刷法で印刷して絶縁体層6とする。発
熱抵抗体材料としてAg,Niを主体とし、蒸気マトリ
ックスを成す合成樹脂およびガラスを50%含有させて
調製し、前記絶縁体層6の上に3回スクリーン印刷を行
い、約11.7Ωの発熱抵抗体層8を形成した。第1回
のスクリーン印刷で発熱抵抗体層を形成し、第2回のス
クリーン印刷で温度分布を均一にするために発熱抵抗体
層の膜厚分布調整を行い、第3回のスクリーン印刷で導
電用の電極層10、12を形成した。次に、発熱抵抗体
層8の上に絶縁体層14としてポリイミド樹脂をスクリ
ーン印刷して硬化させ、発熱抵抗体シート2を完成し
た。
【0028】金属シート4の表面の粗面加工は絶縁体層
6との密着性を高めるために施されている。また通電時
には、金属シート4は発熱抵抗体層8からの熱線を吸収
して高温になる。金属シート4の裏面は、後述するエン
ドレスベルトとの熱伝導性を良くするために鏡面加工さ
れることが望ましい。表面に断熱層を形成したアルミパ
イプの外周にこの発熱抵抗体シートを巻回して耐熱性接
着剤で貼り付け、蓄熱型定着用クイックヒートローラー
を製作する。
6との密着性を高めるために施されている。また通電時
には、金属シート4は発熱抵抗体層8からの熱線を吸収
して高温になる。金属シート4の裏面は、後述するエン
ドレスベルトとの熱伝導性を良くするために鏡面加工さ
れることが望ましい。表面に断熱層を形成したアルミパ
イプの外周にこの発熱抵抗体シートを巻回して耐熱性接
着剤で貼り付け、蓄熱型定着用クイックヒートローラー
を製作する。
【0029】図2は蓄熱型定着用クイックヒートローラ
ーの構造断面図である。直径20mm、長さ283m
m、肉厚0.9mmのアルミ素管16の表面に厚み10
0μmのポリイミド絶縁体からなる断熱層18を形成す
る。アルミ素管16の両端に導電リング28、30を設
け、アルミ素管16の端面に導入端子24、26を絶縁
管20、22を介して装着し、更に導電リング28、3
0と導入端子24、26を導線32、34で接続した。
次に、アルミ素管表面の断熱層18と発熱抵抗体シート
表面の絶縁層14とを貼り合わせ、同時に電極層10、
12と導電リング28、30を導電性接着剤で接続す
る。
ーの構造断面図である。直径20mm、長さ283m
m、肉厚0.9mmのアルミ素管16の表面に厚み10
0μmのポリイミド絶縁体からなる断熱層18を形成す
る。アルミ素管16の両端に導電リング28、30を設
け、アルミ素管16の端面に導入端子24、26を絶縁
管20、22を介して装着し、更に導電リング28、3
0と導入端子24、26を導線32、34で接続した。
次に、アルミ素管表面の断熱層18と発熱抵抗体シート
表面の絶縁層14とを貼り合わせ、同時に電極層10、
12と導電リング28、30を導電性接着剤で接続す
る。
【0030】アルミ素管と発熱抵抗体シートの貼り合わ
せ方法としては、絶縁性接着剤を塗布したアルミ素管1
6に発熱抵抗体シート2の金属シート4が最外周になる
ように、断熱層18と上部の絶縁層14を加圧密着しな
がら貼り合わせる。具体例として、耐熱性ポリイミド樹
脂接着剤を用い、断熱層18と絶縁層14を密着させて
300℃で30分間焼成し、接着剤を加熱硬化させる。
このようにして蓄熱型定着用クイックヒートローラー3
5を完成する。
せ方法としては、絶縁性接着剤を塗布したアルミ素管1
6に発熱抵抗体シート2の金属シート4が最外周になる
ように、断熱層18と上部の絶縁層14を加圧密着しな
がら貼り合わせる。具体例として、耐熱性ポリイミド樹
脂接着剤を用い、断熱層18と絶縁層14を密着させて
300℃で30分間焼成し、接着剤を加熱硬化させる。
このようにして蓄熱型定着用クイックヒートローラー3
5を完成する。
【0031】アルミ素管16、導入端子24、26、導
電リング28、30などの諸材料は熱膨張係数の差がで
きるだけ小さい方が好ましく、そのような材料を選択す
ることが望まれる。また、発熱抵抗体シート2の導電材
料の電気抵抗率や絶縁体層6、14の絶縁率、また断熱
層18の熱伝導率などの各種物性値も、目的に応じて適
切に選択されるものである。
電リング28、30などの諸材料は熱膨張係数の差がで
きるだけ小さい方が好ましく、そのような材料を選択す
ることが望まれる。また、発熱抵抗体シート2の導電材
料の電気抵抗率や絶縁体層6、14の絶縁率、また断熱
層18の熱伝導率などの各種物性値も、目的に応じて適
切に選択されるものである。
【0032】導入端子24、26は機器の機壁に設けら
れた絶縁性軸受に支えられ、外部電源からの電流により
発熱抵抗体層8を加熱制御する。後述する温度計測用サ
ーミスタによって蓄熱型定着用クイックヒートローラー
35を所定温度に加熱設定し、図示しない制御回路によ
り電力制御を行なう。発熱抵抗体層8は両端ほど薄く形
成されているから発熱率が高くなり、軸受への熱散逸を
補充して、結果的に発熱抵抗体層8の全面での加熱温度
を均一化している。このヒートローラー35に100V
の電圧を印加したところ、約6Aの電流が流れ投入電力
は600Wであった。
れた絶縁性軸受に支えられ、外部電源からの電流により
発熱抵抗体層8を加熱制御する。後述する温度計測用サ
ーミスタによって蓄熱型定着用クイックヒートローラー
35を所定温度に加熱設定し、図示しない制御回路によ
り電力制御を行なう。発熱抵抗体層8は両端ほど薄く形
成されているから発熱率が高くなり、軸受への熱散逸を
補充して、結果的に発熱抵抗体層8の全面での加熱温度
を均一化している。このヒートローラー35に100V
の電圧を印加したところ、約6Aの電流が流れ投入電力
は600Wであった。
【0033】この蓄熱型定着用クイックヒートローラー
の昇温特性を図3に示す。図中、▲は400W、▲黒四
角▼は600W、●は800Wの電力を投入した場合を
示し、横軸は昇温時間(秒)で縦軸はヒートローラー表
面の温度(℃)である。所定の定着温度、例えば160
℃に達するには、400Wで2秒、600Wで1.3
秒、800Wで1秒と、いずれも従来のハロゲンランプ
と比較して1/10〜1/20と高速になった。絶縁層
6(厚さ20μm)を薄くすることによって、更に高速
昇温が期待できる。
の昇温特性を図3に示す。図中、▲は400W、▲黒四
角▼は600W、●は800Wの電力を投入した場合を
示し、横軸は昇温時間(秒)で縦軸はヒートローラー表
面の温度(℃)である。所定の定着温度、例えば160
℃に達するには、400Wで2秒、600Wで1.3
秒、800Wで1秒と、いずれも従来のハロゲンランプ
と比較して1/10〜1/20と高速になった。絶縁層
6(厚さ20μm)を薄くすることによって、更に高速
昇温が期待できる。
【0034】また、本発明のクイックヒートローラーを
用いたカラー定着ユニットの構成を図4に示す。36は
予熱用クイックヒートローラー、38・40は定着用ク
イックヒートローラーで、これらのローラー36・38
・40は本発明の蓄熱型定着用ヒートローラーで構成さ
れる。42はテンションローラーで、定着用エンドレス
ベルト50(Ni製のシームレスベルト)を定着用クイ
ックヒートローラー40に密着させる役割を持つ。これ
により、低速から高速へ、ニップ幅の制御が可能とな
る。
用いたカラー定着ユニットの構成を図4に示す。36は
予熱用クイックヒートローラー、38・40は定着用ク
イックヒートローラーで、これらのローラー36・38
・40は本発明の蓄熱型定着用ヒートローラーで構成さ
れる。42はテンションローラーで、定着用エンドレス
ベルト50(Ni製のシームレスベルト)を定着用クイ
ックヒートローラー40に密着させる役割を持つ。これ
により、低速から高速へ、ニップ幅の制御が可能とな
る。
【0035】定着用エンドレスベルト50の表面には、
離形層としてフッ素樹脂層(テフロン)が形成されてい
る。サーミスタ52がローラー38・40間に配置さ
れ、定着用エンドレスベルト50の裏面から定着温度を
測定して、ユニット全体の温度制御を行っている。54
はクリーニングローラー、56はシリコンオイル供給ロ
ーラーである。
離形層としてフッ素樹脂層(テフロン)が形成されてい
る。サーミスタ52がローラー38・40間に配置さ
れ、定着用エンドレスベルト50の裏面から定着温度を
測定して、ユニット全体の温度制御を行っている。54
はクリーニングローラー、56はシリコンオイル供給ロ
ーラーである。
【0036】次に、この定着ユニットの作動を説明す
る。転写されたトナー画像Tを上向きにした状態で転写
紙Pが送られてくる。転写紙Pは定着用クイックヒート
ローラー40と定着用エンドレスベルト50の間に送入
され、トナー画像Tはエンドレスベルト50と直接に接
触する。エンドレスベルト50は定着用クイックヒート
ローラー38・40と接触して直ちに定着温度に到達す
るから、エンドレスベルト50によりトナー画像Tは加
熱定着される。
る。転写されたトナー画像Tを上向きにした状態で転写
紙Pが送られてくる。転写紙Pは定着用クイックヒート
ローラー40と定着用エンドレスベルト50の間に送入
され、トナー画像Tはエンドレスベルト50と直接に接
触する。エンドレスベルト50は定着用クイックヒート
ローラー38・40と接触して直ちに定着温度に到達す
るから、エンドレスベルト50によりトナー画像Tは加
熱定着される。
【0037】定着用クイックヒートローラー38・40
から発熱した熱は、前述した断熱層18によってヒート
ローラー内部への熱伝導が遮断され、熱のほとんどが金
属シート4へと流出する。この熱はエンドレスベルト5
0に直ちに伝わり、転写紙P上のトナー画像Tの定着に
使われる。熱を定着用ヒートローラー40と定着用エン
ドレスベルト50の間に蓄積保存するから、熱効率が極
めて高く、高速昇温とともに省エネルギーにも貢献でき
る。
から発熱した熱は、前述した断熱層18によってヒート
ローラー内部への熱伝導が遮断され、熱のほとんどが金
属シート4へと流出する。この熱はエンドレスベルト5
0に直ちに伝わり、転写紙P上のトナー画像Tの定着に
使われる。熱を定着用ヒートローラー40と定着用エン
ドレスベルト50の間に蓄積保存するから、熱効率が極
めて高く、高速昇温とともに省エネルギーにも貢献でき
る。
【0038】本発明では、金属パイプの表面を断熱材で
巻回しているから、発生熱を全て外表面へ伝熱させ、熱
効率のよいシステムが構成されている。従来から使用さ
れているハロゲン発熱管方式と比較すると、待機時間の
省略と省エネルギーを同時に達成した画期的システムで
ある。
巻回しているから、発生熱を全て外表面へ伝熱させ、熱
効率のよいシステムが構成されている。従来から使用さ
れているハロゲン発熱管方式と比較すると、待機時間の
省略と省エネルギーを同時に達成した画期的システムで
ある。
【0039】また、他のカラー定着ユニットの構成を図
5に示し、図4と同一部分には同一符号を付して、異な
る部分だけを説明する。このカラー定着ユニットは予熱
用クイックヒートローラー36を省略した構成で、2本
の定着用クイックヒートローラー38・40とテンショ
ンローラー42からなり、その作動は図4と同様であ
る。従って、高速昇温性と長寿命性が保証される。低速
では、定着用エンドレスベルト50として硬質有機樹脂
ベルトが利用できる。この場合もベルト表面に離形層を
設けるのが望ましい。
5に示し、図4と同一部分には同一符号を付して、異な
る部分だけを説明する。このカラー定着ユニットは予熱
用クイックヒートローラー36を省略した構成で、2本
の定着用クイックヒートローラー38・40とテンショ
ンローラー42からなり、その作動は図4と同様であ
る。従って、高速昇温性と長寿命性が保証される。低速
では、定着用エンドレスベルト50として硬質有機樹脂
ベルトが利用できる。この場合もベルト表面に離形層を
設けるのが望ましい。
【0040】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含す
ることは云うまでもない。
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含す
ることは云うまでもない。
【0041】
【発明の効果】請求項1によれば、発熱抵抗体シートを
円筒体の外周に巻回するだけであるからヒートローラー
の製造が簡単になり、発生熱が最外周の金属シートに集
中するので熱効率が極めて高い。また金属シートを最外
周に配置しているから、発熱抵抗体層の損傷が無く、長
寿命性を確保できる。
円筒体の外周に巻回するだけであるからヒートローラー
の製造が簡単になり、発生熱が最外周の金属シートに集
中するので熱効率が極めて高い。また金属シートを最外
周に配置しているから、発熱抵抗体層の損傷が無く、長
寿命性を確保できる。
【0042】請求項2によれば、発熱抵抗体シートを4
層構成とし、発熱抵抗体層を絶縁体層で挟着したから漏
電などの危険性が無く、また金属シートを最外周として
いるから熱の発散の防止と共に、昇温性能の高度化を達
成できる。
層構成とし、発熱抵抗体層を絶縁体層で挟着したから漏
電などの危険性が無く、また金属シートを最外周として
いるから熱の発散の防止と共に、昇温性能の高度化を達
成できる。
【0043】請求項3によれば、金属シートの表面を電
界エッチングなどで粗面加工しているから、絶縁体層と
の接着が強力となり、また粗面であるために発熱抵抗体
層からの熱線を反射することなく有効に熱を吸収でき、
熱効率を向上できる。
界エッチングなどで粗面加工しているから、絶縁体層と
の接着が強力となり、また粗面であるために発熱抵抗体
層からの熱線を反射することなく有効に熱を吸収でき、
熱効率を向上できる。
【0044】請求項4によれば、発熱抵抗体シートの製
造にスクリーン印刷法を適用したもので、本発明の量産
性を可能にして安価な市場供給を達成し、また多層印刷
法の導入によりヒートローラーの温度分布の均一化を図
ることができる。
造にスクリーン印刷法を適用したもので、本発明の量産
性を可能にして安価な市場供給を達成し、また多層印刷
法の導入によりヒートローラーの温度分布の均一化を図
ることができる。
【0045】請求項5によれば、蓄熱型定着用クイック
ヒートローラーを用いたベルト式定着法を提案したもの
で、ニップ幅を自由に選択でき、また小口径のヒートロ
ーラーが使用可能であるから、小型のカラー定着ユニッ
トが実現できる。また、定着用エンドレスベルトの外面
にサーミスタを接触させたりするから、蓄熱型定着用ク
イックヒートローラーの表面に機械的力が作用しないの
で、ヒートローラーの長寿命化を達成できる。
ヒートローラーを用いたベルト式定着法を提案したもの
で、ニップ幅を自由に選択でき、また小口径のヒートロ
ーラーが使用可能であるから、小型のカラー定着ユニッ
トが実現できる。また、定着用エンドレスベルトの外面
にサーミスタを接触させたりするから、蓄熱型定着用ク
イックヒートローラーの表面に機械的力が作用しないの
で、ヒートローラーの長寿命化を達成できる。
【0046】請求項6によれば、定着用エンドレスベル
ト面でトナー画像の熱定着を行うから、蓄熱型定着用ク
イックヒートローラーの表面がトナーで汚れないため、
ヒートローラーの長寿命化を実現できる。
ト面でトナー画像の熱定着を行うから、蓄熱型定着用ク
イックヒートローラーの表面がトナーで汚れないため、
ヒートローラーの長寿命化を実現できる。
【図1】本発明に係る蓄熱型定着用クイックヒートロー
ラーに用いられる発熱抵抗体シートの断面構成図であ
る。
ラーに用いられる発熱抵抗体シートの断面構成図であ
る。
【図2】本発明に係る蓄熱型定着用クイックヒートロー
ラーの断面構成図である。
ラーの断面構成図である。
【図3】本発明に係る蓄熱型定着用クイックヒートロー
ラーの昇温特性図である。
ラーの昇温特性図である。
【図4】本発明に係る蓄熱型定着用クイックヒートロー
ラーを用いたカラー定着ユニットの構成図である。
ラーを用いたカラー定着ユニットの構成図である。
【図5】本発明に係る蓄熱型定着用クイックヒートロー
ラーを用いた他のカラー定着ユニットの構成図である。
ラーを用いた他のカラー定着ユニットの構成図である。
2・・・発熱抵抗体シート 4・・・金属シート 6・・・絶縁体層 8・・・発熱抵抗体層 10・・電極層 12・・電極層 14・・絶縁体層 16・・金属パイプ 18・・断熱層 20・・絶縁管 22・・絶縁管 24・・導入端子 26・・導入端子 28・・導電リング 30・・導電リング 32・・導線 34・・導線 35・・蓄熱型定着用クイックヒートローラー 36・・予熱用クイックヒートローラー 38・・定着用クイックヒートローラー 40・・定着用クイックヒートローラー 42・・テンションローラー 50・・定着用エンドレスベルト 52・・サーミスタ 54・・クリーニングローラー 56・・シリコンオイル供給ローラー P・・転写紙 T・・トナー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000002037 新電元工業株式会社 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 (72)発明者 河村 孝夫 大阪府堺市高倉台1丁17番11号 (72)発明者 荻野 修 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 (72)発明者 原田 昭雄 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内 (72)発明者 西 毅 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内 (72)発明者 山本 之雄 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA30 AA32 BA05 BA11 BA31 BB12 BB19 BB21 BB39 3K058 AA02 AA11 BA18 CA28 CA61 DA04 DA24 DA26 GA06
Claims (6)
- 【請求項1】 断熱性を付与した円筒体の外周面に発熱
抵抗体シートを備え、この発熱抵抗体シートは少なくと
も金属シートと発熱抵抗体層からなり、この発熱抵抗体
層を通電加熱して、金属シート部を所望の定着温度に設
定することを特徴とした蓄熱型定着用クイックヒートロ
ーラー。 - 【請求項2】 前記発熱抵抗体シートは、金属シートの
上に、絶縁体層、発熱抵抗体層、絶縁体層をこの順に積
層した4層構成からなる層状シートで、この発熱抵抗体
シートを、表面に断熱層を設けた円筒体の外周面に、基
体の金属シートを最外周になるように密着接合させた請
求項1記載の蓄熱型定着用クイックヒートローラー。 - 【請求項3】 前記金属シートは金属薄層であり、その
絶縁体層との接触面は密着性を高めるために粗面加工さ
れている請求項1又は2記載の蓄熱型定着用クイックヒ
ートローラー。 - 【請求項4】 前記発熱抵抗体シートのうち、発熱抵抗
体層をスクリーン印刷法で形成し、発熱抵抗体層の膜厚
を多層印刷により制御した請求項1乃3記載の蓄熱型定
着用クイックヒートローラー。 - 【請求項5】 請求項1乃至4記載の蓄熱型定着用クイ
ックヒートローラーに定着用エンドレスベルトをかけ、
この定着用エンドレスベルトと蓄熱型定着用クイックヒ
ートローラーの間に転写紙を通過させてトナー画像を熱
定着するように配置した蓄熱型定着用クイックヒートロ
ーラー。 - 【請求項6】 前記定着用エンドレスベルト面で転写紙
のトナー画像を熱定着する請求項5記載の蓄熱型定着用
クイックヒートローラー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11173107A JP2000321911A (ja) | 1999-05-16 | 1999-05-16 | 蓄熱型定着用クイックヒートローラー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11173107A JP2000321911A (ja) | 1999-05-16 | 1999-05-16 | 蓄熱型定着用クイックヒートローラー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000321911A true JP2000321911A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15954304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11173107A Pending JP2000321911A (ja) | 1999-05-16 | 1999-05-16 | 蓄熱型定着用クイックヒートローラー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000321911A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1510884A1 (en) * | 2002-06-03 | 2005-03-02 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Heat roller and heat roller manufacturing method |
KR100477678B1 (ko) * | 2002-11-11 | 2005-03-21 | 삼성전자주식회사 | 전자사진방식 화상형성장치의 정착장치 |
US7024146B2 (en) * | 2002-12-20 | 2006-04-04 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Fusing roller of image forming apparatus |
US7349661B2 (en) | 2004-10-29 | 2008-03-25 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Fusing roller and fusing apparatus using the same |
-
1999
- 1999-05-16 JP JP11173107A patent/JP2000321911A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1510884A1 (en) * | 2002-06-03 | 2005-03-02 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Heat roller and heat roller manufacturing method |
EP1510884A4 (en) * | 2002-06-03 | 2009-03-25 | Fuji Xerox Co Ltd | HEATING ROLLER AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
KR100477678B1 (ko) * | 2002-11-11 | 2005-03-21 | 삼성전자주식회사 | 전자사진방식 화상형성장치의 정착장치 |
US7024146B2 (en) * | 2002-12-20 | 2006-04-04 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Fusing roller of image forming apparatus |
US7349661B2 (en) | 2004-10-29 | 2008-03-25 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Fusing roller and fusing apparatus using the same |
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Legal Events
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