JP2001075110A - 電気光学装置とその製造方法および電子機器 - Google Patents

電気光学装置とその製造方法および電子機器

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JP2001075110A
JP2001075110A JP25220399A JP25220399A JP2001075110A JP 2001075110 A JP2001075110 A JP 2001075110A JP 25220399 A JP25220399 A JP 25220399A JP 25220399 A JP25220399 A JP 25220399A JP 2001075110 A JP2001075110 A JP 2001075110A
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optical material
substrate
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Yoichi Momose
洋一 百瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶注入孔からはみ出したモールド用樹脂の
盛り上がり部がなく、しかもモールド用樹脂の盛り上が
り部の除去に起因する割れや欠け等の傷が発生しにく
く、強度を向上できる電気光学装置の提供。また、この
電気光学装置の製造方法および上記電気光学装置を備え
た電子機器の提供。 【解決手段】 2枚の基板1a、1bは電気光学材料注
入孔2aを有する環状のシール材2を介して対向し、シ
ール材2で囲まれた電気光学材料封入領域に電気光学材
料3が注入され、注入孔2aはモールド樹脂5で封止さ
れ、樹脂5の端面は2枚の基板1a、1b間に露出し、
樹脂5が露出する側の2枚の基板1a、1bの端面1
i、1gのうち少なくとも一方の端面と樹脂5の露出面
とは面一であり、樹脂5の露出面と樹脂5が露出する側
の2枚の基板1a、1bの端面1i、1gはそれぞれレ
ーザーカットされた面であることを特徴とする電気光学
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置とそ
の製造方法および電子機器に関し、特に、電気光学材料
注入孔外に形成されたモールド用樹脂からなる盛り上が
り部と上記電気光学材料封入領域との間の2枚の基板の
うち少なくとも一方をレーザーカットにより切断するこ
とにより、モールド用樹脂の盛り上がり部の除去に起因
する割れや欠け等の傷が発生しにくく、強度を向上させ
た電気光学装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置を製造するには、従来か
ら、それぞれが複数個の基板領域を含む一対の基板母材
の表面の各基板領域に透光性電極、配向膜、その他の必
要な要素を形成した後、一方の基板母材の各基板領域の
周辺部分に液晶注入孔となる開口を有する環状のシール
材を形成し、ついで、上記一対の基板母材をそれらの基
板領域が互いに対向するように貼り合わせた後、上記一
対の基材母材に対して個々の基板領域の周囲の基板母材
を切断して個々の液晶表示パネルを取り出し、ついで各
液晶表示パネルの液晶注入孔からシール材で囲まれた液
晶封入領域に液晶を注入した後、上記液晶注入孔にモー
ルド用樹脂を上記注入孔からはみ出すまで充填した後、
硬化させることにより液晶注入孔をモールド樹脂で封止
し、この後、液晶表示パネル部分を液晶表示装置に実装
する方法によって行われている。
【0003】基板母材の切断は、図13に示すように、
定盤などの支持台52によって基板母材51を支持し、
スクライブローラ53によって線状のスクライブ溝54
を基板母材51の厚さ方向に形成したのち、図14に示
すように、スクライブ溝54を形成した部分を反対側か
ら押圧し、その押圧力によってスクライブ溝54の底部
を起点とした亀裂(センタークラック)54aを厚さ方
向に成長させることにより切断する方法などによって行
われている。なお、図14中、符号、54b、54b
は、センタークラック54aの両側に形成されたサイド
クラック54b,54bである。
【0004】ところが上述のような従来の製造方法によ
り液晶表示パネルを製造した場合、上記液晶注入孔から
モールド用樹脂の一部がはみ出し、盛り上がり部ができ
てしまう。液晶表示パネルに上記のような盛り上がり部
があると、その分、パネル外形が寸法が大きくなってし
まうという問題があった。また、液晶表示装置に実装時
に上記の盛り上がり部を納めるスペースを要するため、
予め液晶表示装置の設計時に上記スペースを考慮して設
計する必要があった。
【0005】そこで、上記のような問題を改善するた
め、図15に示すように液晶表示パネル60のシール材
63に形成された液晶注入孔61からはみ出したモール
ド用樹脂の盛り上がり部62aをカッター等の刃物を用
いて除去して、図16に示すような液晶表示パネル60
を得ている。
【0006】図17は、得られた液晶表示パネルを示し
た概略斜視図である。
【0007】図17において、符号51a、51bは、
基板母材を切断して得られた基板を示している。この基
板51a、51bの端面の外面に近い部分には、基板母
材を切断する際に設けられたスクライブ溝54があり、
このスクライブ溝54内にカッターマーク55、55が
形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な液晶表示パネルの製造方法にあっては、基板51a、
51bの端面と外面とからなる角部に割れや欠け57等
の傷が発生しやすく、得られる液晶表示パネル60の強
度が弱いことが問題となっていた。
【0009】それは、図17に示したように基板51
a、51bの端面の外面に近い部分には、その基板51
a、51bを切断する際に形成されたカッターマーク5
5部分のクラックを起点とした割れが発生しやすいた
め、シール材63に形成された液晶注入孔61からはみ
出した盛り上がり部62aを刃物を用いて除去する際
に、この刃物がカッターマーク55に引っかかってサイ
ドクラック54bが成長し、割れや欠け57等の傷が発
生してしまうからである。
【0010】また、上記モールド用樹脂の盛り上がり部
を除去する従来のその他の方法としては、ダイシング法
があるが、この方法では基板端面に細かな傷が入り基板
の強度を低下させるため、適当でない。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、上記の問題を解決し、液晶注入孔からはみ出したモ
ールド用樹脂の盛り上がり部がなく、しかもモールド用
樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け等の傷
が発生しにくく、強度を向上できる電気光学装置を提供
することを課題としている。
【0012】また、この電気光学装置の製造方法および
上記電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課
題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置
は、互いに対向する2枚の基板間に電気光学材料を有す
る電気光学装置であって、上記2枚の基板は電気光学材
料注入孔を有する環状のシール材を介して対向し、上記
シール材で囲まれた電気光学材料封入領域に上記電気光
学材料が注入され、上記電気光学材料注入孔はモールド
樹脂で封止され、該モールド樹脂の端面は上記2枚の基
板間に露出し、上記モールド樹脂が露出する側の上記2
枚の基板の端面のうち少なくとも一方の端面と上記モー
ルド樹脂の露出面とは面一であり、上記モールド樹脂の
露出面と上記モールド樹脂が露出する側の2枚の基板の
端面はそれぞれレーザーカットにより得られた面である
ことを特徴とする。
【0014】このような電気光学装置では、上記電気光
学材料注入孔を封止するモールド樹脂の露出面と、上記
モールド樹脂が露出する側の上記2枚の基板の端面のう
ち少なくとも一方の端面とは面一であるので、上記電気
光学材料注入孔からはみ出したモールド用樹脂の盛り上
がり部がなく、電子機器への実装時に上記の盛り上がり
部を納めるための工夫が不要である。また、上記モール
ド樹脂の露出面はレーザーカットにより得られた面であ
るので、モールド用樹脂の盛り上がり部を刃物で除去し
て得られたものと異なり、上記モールド樹脂が露出する
側の基板の端面や、該端面と外面とからなる角部にモー
ルド用樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け
等の傷が発生しにくいものとなる。
【0015】また、上記2枚の基板の端面もレーザーカ
ットにより得られた面であるので、滑らかで、上記2枚
の基板の端面や、該端面と外面とからなる角部にクラッ
クが形成されにくいものとなる。また、スクライブロー
ラを用いる従来の基板の切断方法によって切断された基
板のように、端面にカッターマークが形成されることが
ないため、カッターマーク部分に存在するクラックを起
点とした割れが発生することがない。
【0016】従って、上記のような構成とすることによ
り、電気光学材料注入孔からはみ出したモールド用樹脂
の盛り上がり部がなく、電子機器への実装時に上記の盛
り上がり部を納めるための工夫が不要で、しかもモール
ド用樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け等
の傷が発生にくく、強度が向上した電気光学装置とする
ことができる。
【0017】上記の電気光学装置においては、上記電気
光学材料封入口を封止するモールド樹脂が露出する側の
2枚の基板の端面の表面粗さを、1μm以下とすること
が望ましい。
【0018】このような電気光学装置とすることによ
り、上記2枚の基板の端面にクラックが形成されにくい
ものとなるので、優れた強度を有するものとなる。
【0019】この電気光学装置において、上記モールド
樹脂が露出する側の2枚の基板の端面の表面粗さが1μ
mを超えるものとした場合、上記2枚の基板の端面の表
面粗さが粗くなり、上記端面にクラックが形成され易く
なり、該クラックを起点とした割れや欠けが発生し易く
なるため好ましくない。
【0020】上記の電気光学装置においては、上記レー
ザーカットにより切断された2枚の基板の切断面のうち
少なくとも一方の切断面と、上記シール材で囲まれた電
気光学材料封入領域との距離が1mm以下とすることが
望ましい。
【0021】このような電気光学装置とすることによ
り、モールド用樹脂の盛り上がり部を刃物を用いて除去
して得られた従来のものと比べて、外形寸法を小さくで
き、小型化できる。
【0022】本発明の電気光学装置の製造方法は、互い
に対向する2枚の基板間に電気光学材料を有する電気光
学装置の製造方法であって、上記2枚の基板を電気光学
材料注入孔を有する環状のシール材を介して対向させた
後、上記電気光学材料注入孔からシール材で囲まれた電
気光学材料封入領域に電気光学材料を注入し、ついで上
記電気光学材料注入孔にモールド用樹脂を充填、硬化さ
せて上記電気光学材料注入孔をモールド樹脂で封止する
とともに上記電気光学材料注入孔の外にモールド用樹脂
からなる盛り上がり部を形成した後、該盛り上がり部と
上記電気光学材料封入領域との間の2枚の基板のうち少
なくとも一方の基板をレーザーカットにより切断するこ
とを特徴とする。
【0023】このような電気光学装置の製造方法によれ
ば、上記電気光学材料注入孔からはみ出したモールド用
樹脂からなる盛り上がり部と上記電気光学材料封入領域
との間の2枚の基板のうち少なくとも一方の基板をレー
ザーカットにより切断しているので、上記電気光学材料
注入孔からはみ出したモールド用樹脂の盛り上がり部を
除去でき、上記電気光学材料注入孔を封止するモールド
樹脂の露出面と、上記モールド樹脂が露出する側の上記
2枚の基板の端面のうち少なくとも一方の基板の端面と
を面一とすることができ、電子機器への実装時に上記の
盛り上がり部を納めるための工夫が不要である。
【0024】また、上記モールド用樹脂からなる盛り上
がり部と上記電気光学材料封入領域との間の2枚の基板
のうち少なくとも一方の基板をレーザーカットにより切
断しているので、モールド用樹脂の盛り上がり部の除去
に刃物を用いなくても済み、該刃物により上記モールド
樹脂が露出する側の基板の端面や、該端面と外面とから
なる角部に割れや欠け等の傷が発生するの低減できる。
【0025】また、上記モールド用樹脂がはみ出す側の
2枚の基板の端面もレーザーカットされているので、2
枚の基板の端面や、該端面と外面とからなる角部にクラ
ックが形成されにくい。
【0026】また、スクライブローラを用いる従来の基
板の切断方法のように、端面にカッターマークが形成さ
れることがないため、カッターマーク部分に存在するク
ラックを起点とした割れが発生することがない。
【0027】従って、このような電気光学装置の製造方
法によれば、電気光学材料注入孔からはみ出したモール
ド用樹脂の盛り上がり部がなく、電子機器への実装時に
上記の盛り上がり部を納めるための工夫が不要で、しか
もモールド用樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れ
や欠け等の傷が発生しにくく、強度が向上した電気光学
装置を得ることができる。
【0028】上記の電気光学装置の製造方法において、
上記モールド用樹脂からなる盛り上がり部と上記電気光
学材料封入領域との間の2枚の基板のうち少なくとも一
方をレーザーカットにより切断するに際して、レーザー
カットにより切り落とす上記基板の幅を、上記基板の厚
みと同じ大きさ以上とすることが望ましい。
【0029】このような電気光学装置の製造方法によれ
ば、上記モールド用樹脂からなる盛り上がり部と上記電
気光学材料封入領域との間の基板をレーザーカットによ
り良好に切断できる。
【0030】また、レーザーカットにより切り落とす上
記基板の幅を上記基板の厚みの1.5倍以上2mm以下
とすることがより望ましい。
【0031】この電気光学装置の製造方法において、切
り落とす上記基板の幅を上記基板の厚みの1.5倍未満
とした場合、レーザーカットにより切断する際の応力が
効率良く働かない。一方、切り落とす上記基板の幅を2
mmより大きくした場合、切り落とす上記基板の端面と
上記電気光学材料封入領域との距離が長くなるため、上
記電気光学材料注入孔にモールド用樹脂を充填し難くな
り好ましくない。
【0032】上記の電気光学装置の製造方法において、
上記モールド用樹脂からなる盛り上がり部と上記電気光
学材料封入領域との間の2枚の基板のうち少なくとも一
方ををレーザーカットにより切断するに際して、レーザ
ーカットにより切断した基板の切断面の電気光学材料封
入領域からの距離が1mm以下となるように切断するこ
とが望ましい。
【0033】また、本発明の電子機器は、上記のいずれ
かに記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
【0034】このような電子機器とすることで、優れた
強度を有するものとなる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を例を示して詳しく
説明する。
【0036】[第1の実施形態]図1は、本発明のMI
M方式(二端子型非線形素子方式)の液晶パネルの一例
を示した平面図であり、図2は、図1に示した液晶パネ
ルを示した概略斜視図である。
【0037】この液晶パネル10に、液晶駆動用IC、
バックライト、支持体などの付帯要素を装着することに
よって、最終製品としての液晶表示装置となる。
【0038】この液晶パネル10は、平面視矩形で、環
状のシール材2を介して互いに対向するように貼り付け
られた一対の透光性液晶基板1aおよび1bを有する。
シール材2には、液晶封入領域に液晶を注入する液晶注
入孔2aが形成されている。一方の透光性液晶基板1a
は、MIM素子を搭載する素子側の基板であり、対向す
る対向側の基板である透光性液晶基板1bと、これら透
光性基板1a、1bの間のシール材2で囲まれた液晶封
入領域には、液晶3が封入されている。
【0039】液晶注入孔2aはモールド樹脂5で封止さ
れている。このモールド樹脂5の端面5aは、図2に示
すように透光性液晶基板1a,1b間に露出している。
モールド樹脂5aが露出する側の透光性液晶基板1a,
1bの端面1i、1gと、モールド樹脂5の露出面5a
は、図2に示すように面一とされている。
【0040】また、モールド樹脂5の露出面5aと、モ
ールド樹脂5が露出する側の透光性基板1a,1bの端
面1i、1gは、それぞれレーザーカットにより得られ
た面である。
【0041】次に、このような液晶パネル10の製造方
法について説明する。
【0042】まず、図3に示すように、面積の大きい透
光性基板母材4aおよび4bを用意する。これらの透光
性基板母材4a、4bは、例えば、厚さ0.4mmの透
光性を備えたガラスによって形成される。一方の透光性
基板母材4aには、図1に示す素子側の透光性液晶基板
1aを4個形成するための液晶基板領域1aが含まれ
る。また、他方の透光性基板母材4bには、図1に示す
対向側の透光性液晶基板1bを4個形成するための液晶
基板領域1bが含まれる。
【0043】ついで、対向側の透光性基板母材4bの液
晶基板領域1bの内側表面(図3の下側表面)に周知の
成膜方法を用いてカラーフィルタを形成する。そして、
このカラーフィルタの上にスパッタリングによりITO
(Indium Tin Oxide)を一様の厚さと
なるように成膜し、さらに、フォトリソグラフィ処理を
用いてパターニングしてストライプ状の透光性電極11
を形成する。さらに、それらの透光性電極11の上に配
向膜を形成する。
【0044】一方、素子側の透光性基板母材4aの液晶
基板領域1aの内側表面(図3の上側表面)に、直線状
の配線12を互いに平行に複数個配列し、さらにそれら
の配線12の間に、非線形抵抗素子としてのMIM素子
13を形成し、さらに個々のMIM素子13に対応して
ITOによりドット状の透光性画素電極14を形成す
る。
【0045】MIM素子13は、周知の構造の素子であ
るので、詳しい説明は省略するが、簡単にいえば、透光
性基板母材4aの上にTa(タンタル)などによって第
1電極を形成し、その第1電極の上に例えば陽極酸化法
を用いて絶縁層としての陽極酸化膜を形成し、その陽極
酸化膜の上にCr(クロム)などによって第2電極を形
成した構造を有している。上記の透光性画素電極14
は、MIM素子13の上記第2電極の先端に重ねて形成
される。
【0046】次に、各液晶基板領域1a内の全域に配向
膜を形成し、さらに、その液晶基板領域1aの周辺部分
にシール材2をスクリーン印刷法によって環状に形成す
る。シール材2の一部分は開口2aとされ、この開口2
aが液晶注入孔とされる。
【0047】素子側および対向側の透光性基板母材4
a、4bに対して、上記の処理を行ったのち、いずれか
一方の透光性基板母材の電極面上にビーズ状のスペーサ
を分散し、素子側および対向側の透光性基板母材4a、
4bそれぞれの電極面が相対向するように、素子側の透
光性基板母材4aと対向側の透光性基板母材4bとを互
いに重ね合わせて貼り合わせることによって、図4に示
す面積の大きな液晶パネル母材16が形成される。図4
において、透光性基板1a、1b間と、シール材2によ
って囲まれる領域が、液晶が封入される液晶封入領域と
される。
【0048】次に、このようにして形成された液晶パネ
ル母材16をレーザーカットにより切断する。
【0049】ここで使用するレーザーカットについて説
明する。
【0050】レーザービームスポットは極めてエネルギ
ー密度の高い光スポットである。ガラス基板等の透光性
液晶基板にレーザービームスポットを照射すると、透光
性液晶基板表面に局部的に大きな圧縮応力が発生する。
レーザービームスポットで加熱すると同時に適当な冷媒
を用いて加熱部分の局所的な冷却を行うと引張応力を誘
起し、圧縮状態にある材料部分にまで浸透して応力が材
料の強度を超えると亀裂が発生する。この操作を透光性
液晶基板表面の所定位置に施せば、透光性液晶基板を任
意の形状に切断することができる。基板を切断をするに
は先ず透光性液晶基板材料を加熱せねばならず、レーザ
ー光は透光性液晶基板材料に対して不透明でなければな
らない。このため透光性液晶液晶基板としてのガラス基
板の切断に使用するレーザー光の波長は、通常2μmを
越える赤外領域の波長のものを使用する。このような観
点から一般にガラス切断では波長が10.6μm近辺の
COレーザーを利用する。その他にYAGレーザー
も利用できる。冷媒としては一般に窒素ガスが用いられ
る。レーザービームスポットの形状及び寸法、レーザー
の出力密度、冷媒の供給速度などは切断するガラス基板
材料の材質、厚さ及び切断速度などを考慮して適宜最適
値を選択すれば良い。
【0051】レーザー切断により材料を曲線を含むパタ
ーンに切断するには、被切断材料を載せた作業ステージ
とレーザースポットの位置とを、いわゆる数値制御(N
C)手段を利用して相対的に移動させることにより行う
ことができる。即ち、作業ステージ上にX−Y座標を設
定し、切断パターンをあらかじめX−Y座標で決めて制
御装置に記憶させておく。次いでこのX−Y座標に従っ
て、作業ステージとレーザースポットの位置とを相対的
に移動させれば良い。
【0052】レーザーカットによる場合には、極微小領
域にのみ応力が発生するので破断面にクラックが残るこ
ともなく、綺麗な切断面となるので衝撃によって切断面
近傍からの割れの発生を抑止する効果を有する。
【0053】上記のようにして形成した液晶パネル母材
16をレーザーカットするには、まず、レーザー切断装
置(図示省略)の切断処理ステージにセットして、液晶
パネル母材16のレーザー切断処理を行う。
【0054】レーザー切断装置はCOレーザーを用
いたものであって、冷媒には窒素ガスを用いる。レーザ
ー切断装置は基板母材の材質、厚さや切断速度等に応じ
て、レーザーの出力、スポットの形状と大きさ、冷媒の
吹付け位置や吹付け量を適宜調整することができる。ま
た、切断パターンは切断処理ステージ上にX−Y座標を
取り、切断パターンをあらかじめX、Y座標で装置に記
憶させておき、いわゆる数値制御方式で切断処理ステー
ジとレーザースポットとの相対位置を決めることで、自
動的に任意のパターンに切断することもできる。
【0055】図4に示す液晶パネル母材16は切断処理
ステージの所定位置に、対向側の透光性基板母材4bを
上にしてセットした後、先ず、図4の液晶基板領域1b
の周縁に沿った切断線Y1に沿って直線切断する。切断
線Y1はレーザーの出力を上げて透光性基板母材4b及
び透光性基板母材4aを2枚同時に切断する。この際切
断線Y1は各液晶注入孔2aの入口を横切るように形成
する。
【0056】次いで、レーザーの出力を落とし、図4の
切断線Y2に沿って透光性基板母材4bのみを1枚だけ
直線切断する。この結果、図3に示す大型の液晶パネル
母材16は、図5に示す2枚の中型の液晶パネル母材1
7となる。図4中符号18は端材として除去される部分
である。
【0057】次いで、液晶注入孔2aの連なった中型の
液晶パネル母材17の段階で、液晶注入孔2aから上記
液晶封入領域に公知の手段により液晶3の注入を行う
と、作業効率が良く好都合である。このように液晶3を
注入したならば、光硬化型樹脂などのモールド用樹脂を
液晶注入孔2aにこれの外にはみ出すまで充填した後、
光を照射させモールド用樹脂を硬化させると、液晶注入
孔2aがモールド樹脂5で封止されるとともに液晶注入
孔2aの外にはみ出したモールド用樹脂からなる盛り上
がり部5aが形成される。
【0058】次に、上記で得られた中型の液晶パネル母
材17を反転し、透光性基板母材4aを上にして切断処
理ステージの所定位置にセットし、図6の切断線Z1に
沿って直線切断する。切断線Z1は透光性基板母材4a
及び透光性基板母材4bの2枚を同時切断する。
【0059】次いで、図6の切断線Z2に沿って透光性
基板母材4aのみを1枚だけ直線切断する。
【0060】次いで、図6の液晶注入孔2aの外にはみ
出した盛り上がり部5aと液晶封入領域との間を通る切
断線Y3に沿って透光性基板母材4a及び透光性基板母
材4bの2枚を同時切断する。このようにすると、盛り
上がり部5aが除去されて、透光性基板母材4a,4b
の間に液晶注入孔2aを封止するモールド樹脂5の端面
が露出するともに、この露出面と、透光性基板母材4
a,4bのレーザーカットされた両端面とが面一とな
る。ここでの切断線Y3と上記液晶封入領域との距離L
1は、1mm以下とすることが、得られる液晶パネル1
0のモールド樹脂5の端面が露出する側の透光性基板1
a、1bの端面と、液晶封入領域との距離L1が1mm
以下と短くなり、液晶パネル10の外形寸法を小さくで
き、小型化できる点で好ましい。また、ここで切り落と
す透光性基板母材4a、4bの幅W1は、レーザーカッ
トにより良好に切断できる点で、透光性基板母材の厚み
と同じ大きさ以上とすることが望ましく、また、レーザ
ーカットにより切断する際の応力が効率良く働く点およ
びレーザーカット前に液晶注入孔2aからモールド用樹
脂を充填し易い点で上記幅W1を透光性基板母材の厚み
の1.5倍以上2mm以下とすることがより望ましい。
【0061】上記のようにすると、図5に示す各中型の
液晶パネル母材17から、図1乃至図2に示す所定の大
きさの液晶パネル10が2枚得られ、結局図4に示す1
枚の大型の液晶パネル母材16から、図1乃至図2に示
す所定の大きさの液晶パネル10が4枚得られたことに
なる。
【0062】このようにして得られた液晶パネル10の
透光性液晶基板1a,1bの端面は上記のレーザーカッ
トにより得られたものであるので、表面粗さが1μm以
下であり、滑らかである。
【0063】この実施態様の製造方法により得られた液
晶パネル10では、液晶注入孔2aからはみ出したモー
ルド用樹脂の盛り上がり部5aがなく、以後の電子機器
への実装時に上記の盛り上がり部を納めるための工夫が
不要である。また、モールド樹脂の露出面はレーザーカ
ットにより得られた面であるので、モールド用樹脂の盛
り上がり部を刃物で除去して得られたものと異なり、上
記モールド樹脂が露出する側の透光性液晶基板1a、1
bの端面や、該端面と外面とからなる角部にモールド用
樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け等の傷
が無く、衝撃に強くて以後の電子機器の組立工程におい
ても搬送中に端面や、該端面と外面とからなる角部に割
れや欠け等の傷が発生することも少なく、電子機器の使
用に際してもかなりの衝撃に耐えるものである。
【0064】また、透光性液晶基板1a、1bの端面も
レーザーカットにより得られた面であるので、滑らか
で、透光性液晶基板1a、1bの端面や、該端面と外面
とからなる角部にクラックが形成されにくいものとな
る。
【0065】また、スクライブローラを用いる従来の基
板の切断方法によって切断された基板のように、端面に
カッターマークが形成されることがないため、カッター
マーク部分に存在するクラックを起点とした割れが発生
することがない。
【0066】従って、上記のような構成とすることによ
り、液晶注入孔2aからはみ出したモールド用樹脂の盛
り上がり部がなく、電子機器への実装時に上記の盛り上
がり部を納めるための工夫が不要で、しかもモールド用
樹脂の盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け等の傷
が発生にくく、強度が向上した電気光学装置とすること
ができる。
【0067】また、この実施態様の製造方法による場合
は、切断工程を切断部分毎にまとめて行うことが可能で
大量生産に適している。
【0068】図7に、従来のスクライブ法による切断と
レーザーカットに依るガラス基板の切断面の表面粗さを
比較した結果を示す。図7(a)は従来のスクライブ法
で基板厚さが0.7mmの場合、図7(b)及び(c)
はレーザーカットでガラス基板厚さがそれぞれ0.7m
mと0.4mmの場合である。図7は切断面のほぼ中心
部を接触式の表面粗さ計により、25mmスキャンした
ときの触針の触れる高さを示している。表面粗さを示す
Ra値は、従来のスクライブ法では約5μmであるのに
対し、レーザーカットでは1μm以下となっており、非
常に滑らかな切断面となっており、クラックを防止でき
ることがわかる。切断面が滑らかになっていることで、
切断面に存在するクラックを起点とする割れが発生しに
くい液晶パネルとすることができる。
【0069】以上、第1の実施形態において、本発明の
電気光学装置およびその製造方法の好ましい一例を、液
晶パネルとその製造方法の例を挙げて説明したが、本発
明はこの例のみに限定されるものではなく、本発明の範
囲内で種々に改変することが可能である。
【0070】第1の実施形態として、MIM方式の液晶
表示装置とその製造方法を示したが、MIM方式以外の
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置、例えば、T
FT方式の液晶表示装置に対しても適用することができ
るし、あるいは、単純マトリクス方式の液晶表示装置に
対しても適用できる。
【0071】また、第1の実施形態では1枚の大型の液
晶パネル母材16から4枚の液晶パネル10を製造する
方法を示したが、本発明は1個の液晶基板領域を備えた
1枚の液晶パネル母材から1枚の液晶パネルを製造する
場合にも適用することができる。
【0072】[電子機器の例]次に、上記の第1の実施
形態の液晶パネル10を備えた電子機器の具体例につい
て説明する。
【0073】図8は、投射型表示装置の一例の要部を示
した概略構成図である。
【0074】図8において、符号30は光源、符号3
3、34はダイクロイックミラー、符号35、36、3
7は反射ミラー、符号38は入射レンズ、符号39はリ
レーレンズ、符号20は出射レンズ、符号22、23、
24は液晶光変調装置、符号25はクロスダイクロイッ
クプリズム、符号26は投射レンズを示している。
【0075】光源30は、メタルハラルドなどのランプ
31とランプ31の光を反射するリフレクタ32とから
なる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー33
は、光源30からの光束のうちの赤色光を透過させると
ともに青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光
は、反射ミラー37で反射されて、赤色光用液晶光変調
装置22に入射される。一方、ダイクロイックミラー3
3で反射された色光のうち緑色光は、緑色光反射のダイ
クロイックミラー34によって反射され、緑色光用液晶
光変調装置23に入射される。一方、青色光は、第2の
ダイクロイックミラー34も透過する。青色光に対して
は、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ3
8、リレーレンズ39、出射レンズ20を含むリレーレ
ンズ系からなる導光手段21が設けられ、これを介して
青色光が青色光用液晶光変調装置24に入射される。
【0076】各光変調装置により変調された3つの色光
は、クロスダイクロイックプリズム25に入射する。こ
のプリズムは、4つの直角プリズムが張り合わされ、そ
の内面に赤色を反射する誘電体多層膜と青色を反射する
誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘
電体多層膜によって、3つの色光が合成されて、カラー
画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学
系である投射レンズ26によってスクリーン上に投射さ
れ、画像が拡大されて表示される。
【0077】このような投射型表示装置は、上記の液晶
パネル10を用いた液晶光変調装置22、23、24を
備えたものであるので、液晶光変調装置22、23、2
4の強度が優れた投射型表示装置となる。
【0078】次に、本発明の電子機器の他の例について
説明する。
【0079】図9は、携帯電話の一例を示した斜視図で
ある。
【0080】図9において、符号1000は携帯電話本
体を示し、符号1001は上記の液晶パネル10を用い
た液晶表示部を示している。
【0081】図10は、腕時計型電子機器の一例を示し
た斜視図である。
【0082】図10において、符号1100は時計本体
を示し、符号1001は上記の液晶パネル10を用いた
液晶表示部を示している。
【0083】図11は、ワープロ、パソコンなどの携帯
型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
【0084】図11において、符号1200は情報処理
装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1
204は情報処理装置本体、符号1001は上記の液晶
パネル10を用いた液晶表示部を示している。
【0085】図9から図11に示す電子機器は、上記の
液晶パネル10を用いた液晶表示部を備えたものである
ので、優れた強度を有するものとなる。また、上記の液
晶パネル10は、モールド樹脂5の端面が露出する側の
透光性基板1a、1bの端面と、液晶封入領域との距離
を1mm以下に短縮され、外形寸法が小さく、従ってこ
のような液晶パネル10を用いた液晶表示部を備えた図
9乃至図11に示す電子機器は、小型化されたものとな
る。
【0086】
【実施例】[実験例]本発明の実施例の液晶パネルと、
比較例の液晶パネルの強度の測定を行った。
【0087】この強度測定に使用した実施例の液晶パネ
ルは、以下のように製造した。
【0088】ガラスからなる図3に示す透光性基板母材
4aおよび4bを用い、第1の実施の形態の液晶パネル
10の製造方法と同様にして図4に示す液晶パネル母材
16を形成した。ここで用いる透光性基板母材4aおよ
び4bを構成するガラスとしては、厚さ0.3mm〜
0.7mmの範囲で変更したものを用いた。
【0089】そして、この液晶パネル母材16の切断線
Y1に沿って透光性基板母材4a及び透光性基板母材4
bをレーザーカットした後、切断線Y2に沿って透光性
基板母材4bをレーザーカットした後、液晶を注入、つ
いで、紫外線硬化型樹脂からなるモールド用樹脂を液晶
注入孔2aにこれの外にはみ出すまで充填した後、紫外
線を照射させモールド用樹脂を硬化させて、液晶注入孔
2aをモールド樹脂5で封止するとともに液晶注入孔2
aからはみ出したモールド用樹脂からなる盛り上がり部
5aを液晶注入孔2aの外に形成した。
【0090】次いで、図5の中型の液晶パネル母材17
を反転し、透光性基板母材4aを上にして切断処理ステ
ージの所定位置にセットし、図6の切断線Z1に沿って
透光性基板母材4a及び透光性基板母材4bをレーザー
カットした。次いで、図6の切断線Z2に沿って透光性
基板母材4aのみを1枚だけレーザーカットした。
【0091】次いで、図6の液晶注入孔2aの外にはみ
出した盛り上がり部5aと液晶封入領域との間を通る切
断線Y3に沿って透光性基板母材4a及び透光性基板母
材4bをレーザーカットし、図1乃至図2と同様の液晶
パネル(実施例)を得た。ここでの透光性基板母材4a
及び透光性基板母材4bの切り落とし幅W1は、2mm
とした。
【0092】得られた実施例の液晶パネルの素子側の透
光性液晶基板1aは、幅42mm、長さ46mmであ
り、対向側の透光性液晶基板1bは、幅46mm、長さ
42mm、また、モールド樹脂5の露出面側の透光性液
晶基板1a、1bの端面1i、1gから液晶封入領域ま
での距離L1は、1mmであった。
【0093】この強度測定に使用した比較例の液晶パネ
ルは、以下のように製造した。
【0094】まず、上記実施例の液晶パネルの作製方法
と同様に液晶パネル母材16を作製し、このパネル母材
16を切断線Y1、Y2に沿って切断するスクライブ法
を用いた。なお、スクライブ法を用いる場合、透光性基
板母材4a、4bを同時に切断できないため、1枚づつ
切断した。ついで、上記実施例の液晶パネルの作製方法
と同様にして液晶注入孔2aをモールド樹脂5で封止す
るとともに液晶注入孔2aからはみ出したモールド用樹
脂からなる盛り上がり部5aを液晶注入孔2aの外に形
成した。そして、図5の中型の液晶パネル母材17を反
転し、図6の切断線Z1に沿って透光性基板母材4a及
び透光性基板母材4bをスクライブ法を用いて切断し
た。次いで、図6の切断線Z2に沿って透光性基板母材
4aのみを1枚だけスクライブ法により切断した。な
お、スクライブ法を用いる場合、透光性基板母材4a、
4bを同時に切断できないため、1枚づつ切断した。
【0095】次いで、図6の液晶注入孔2aの外にはみ
出した盛り上がり部5aをカッターを用いて取り除き、
比較例の液晶パネルを得た。
【0096】得られた比較例の液晶パネルの素子側の透
光性液晶基板は、幅42mm、長さ46mmであり、対
向側の透光性液晶基板は、幅46mm、長さ42mm、
また、カッターにより露出させたモールド樹脂の露出面
側の透光性液晶基板の端面から液晶封入領域までの距離
は、1mmであった。
【0097】このようにして得られた実施例と比較例の
液晶パネルに対し、曲げ強さを調べた。曲げ強さは、J
IS R 1601に基づいて、4点曲げ強さを測定し
た。
【0098】その結果を図12に示す。図12は、実施
例と比較例の液晶パネルのそれぞれについて、液晶パネ
ルを構成するガラス厚と破壊強度(kgf)との関係を
示したグラフである。図12のの線は実施例の結果、
の線は比較例の結果である。
【0099】図12より、液晶パネル母材をレーザーカ
ットにより切断し、液晶注入孔からはみ出したモールド
用樹脂の盛り上がり部と液晶封入領域の間の透光性基板
母材をレーザーカットにより切断して得られた実施例の
液晶パネルは、各厚みにおいて、液晶パネル母材を従来
のスクライブ法により切断し、液晶注入孔からはみ出し
たモールド用樹脂の盛り上がり部をカッターを用いて取
り除いて得られた比較例の液晶パネルの2倍以上の破壊
強度が得られており、強度が優れてことがあきらかとな
った。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気光学装
置は、上記電気光学材料注入孔を封止するモールド樹脂
の露出面と、上記モールド樹脂が露出する側の上記2枚
の基板の端面のうち少なくとも一方の端面とは面一であ
るので、上記電気光学材料注入孔からはみ出したモール
ド用樹脂の盛り上がり部がなく、電子機器への実装時に
上記の盛り上がり部を納めるための工夫が不要である。
また、上記モールド樹脂の露出面はレーザーカットによ
り得られた面であるので、モールド用樹脂の盛り上がり
部を刃物で除去して得られたものと異なり、上記モール
ド樹脂が露出する側の基板の端面や、該端面と外面とか
らなる角部にモールド用樹脂の盛り上がり部の除去に起
因する割れや欠け等の傷が発生しにくいものとなる。
【0101】また、上記2枚の基板の端面もレーザーカ
ットにより得られた面であるので、滑らかで、上記2枚
の基板の端面や、該端面と外面とからなる角部にクラッ
クが形成されにくいものとなる。また、スクライブロー
ラを用いる従来の基板の切断方法によって切断された基
板のように、端面にカッターマークが形成されることが
ないため、カッターマーク部分に存在するクラックを起
点とした割れが発生することがない。
【0102】従って、本発明の電気光学装置は、電気光
学材料注入孔からはみ出したモールド用樹脂の盛り上が
り部がなく、電子機器への実装時に上記の盛り上がり部
を納めるための工夫が不要で、しかもモールド用樹脂の
盛り上がり部の除去に起因する割れや欠け等の傷が発生
にくく、強度が向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるMIM方式の液晶パネルの一
例を示した概略平面図である。
【図2】 図1に示した液晶パネルを示した概略斜視図
である。
【図3】 本発明に係わる液晶パネルの製造方法の一工
程を示した斜視図である。
【図4】 本発明に係わる液晶パネルの製造方法の他の
一工程を示した斜視図である。
【図5】 本発明に係わる液晶パネルの製造方法のさら
に他の一工程を示した斜視図である。
【図6】 本発明に係わる液晶パネルの製造方法のさら
に他の一工程を示した斜視図である。
【図7】 従来のスクライブ法による切断とレーザーカ
ットによるガラス基板の切断面の表面粗さを比較した結
果を示すグラフである。
【図8】 本発明の電子機器の一例として、投射型表示
装置の一例の要部を示した概略構成図である。
【図9】 本発明の電子機器の一例として、携帯電話の
一例を示した斜視図である。
【図10】 本発明の電子機器の一例として、腕時計型
電子機器の一例を示した斜視図である。
【図11】 本発明の電子機器の一例として、携帯型情
報処理装置の一例を示した斜視図である。
【図12】 実験例における実施例と比較例の液晶パネ
ルのガラス厚と破壊強度との関係を示したグラフであ
る。
【図13】 従来の基板の切断方法の一工程を説明する
ための図である。
【図14】 従来の基板の切断方法の他の一工程を説明
するための図である。
【図15】 従来の液晶表示パネルの製造方法の一工程
を示した平面図である。
【図16】 従来の液晶表示パネルの一例を示した平面
図である。
【図17】 図16に示した従来の液晶パネルを示した
概略斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b 透光性液晶基板(液晶基板領域) 1i、1g 端面 2 シール材 2a 開口(液晶注入孔) 3 液晶 4a、4b 透光性基板母材 5 モールド樹脂 5a 盛り上がり部 10 液晶パネル 11 透光性電極 12 配線 13 MIM素子 14 透光性画素電極 16 液晶パネル母材 17 液晶パネル母材 20 出射レンズ 21 導光手段 22、23、24 液晶光変調装置 25 クロスダイクロイックプリズム 26 投射レンズ 30 光源 31 ランプ 32 リフレクタ 33、34 ダイクロイックミラー 35、36、37 反射ミラー 38 入射レンズ 39 リレーレンズ 1000 携帯電話本体 1001 液晶表示部 1100 時計本体 1200 情報処理装置 1202 入力部 1204 情報処理装置本体 Y1、Y2、Y3 切断線 Z1、Z2 切断線 L1 距離 W1 幅

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する2枚の基板間に電気光学
    材料を有する電気光学装置であって、 前記2枚の基板は電気光学材料注入孔を有する環状のシ
    ール材を介して対向し、 前記シール材で囲まれた電気光学材料封入領域に前記電
    気光学材料が注入され、前記電気光学材料注入孔はモー
    ルド樹脂で封止され、該モールド樹脂の端面は前記2枚
    の基板間に露出し、前記モールド樹脂が露出する側の前
    記2枚の基板の端面のうち少なくとも一方の端面と前記
    モールド樹脂の露出面とは面一であり、前記モールド樹
    脂の露出面と前記モールド樹脂が露出する側の2枚の基
    板の端面はそれぞれレーザーカットされた面であること
    を特徴とする電気光学装置。
  2. 【請求項2】 前記電気光学材料封入口を封止するモー
    ルド樹脂が露出する側の2枚の基板の端面の表面粗さ
    は、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の電気光学装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザーカットにより切断された2
    枚の基板の切断面のうち少なくとも一方の切断面と、前
    記シール材で囲まれた電気光学材料封入領域との距離が
    1mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の電気光学装置。
  4. 【請求項4】 互いに対向する2枚の基板間に電気光学
    材料を有する電気光学装置の製造方法であって、 前記2枚の基板を電気光学材料注入孔を有する環状のシ
    ール材を介して対向させた後、前記電気光学材料注入孔
    からシール材で囲まれた電気光学材料封入領域に電気光
    学材料を注入し、ついで前記電気光学材料注入孔にモー
    ルド用樹脂を充填、硬化させて前記電気光学材料注入孔
    をモールド樹脂で封止するとともに前記電気光学材料注
    入孔の外にモールド用樹脂からなる盛り上がり部を形成
    した後、該盛り上がり部と前記電気光学材料封入領域と
    の間の2枚の基板のうち少なくとも一方の基板をレーザ
    ーカットにより切断することを特徴とする電気光学装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記モールド用樹脂からなる盛り上がり
    部と前記電気光学材料封入領域との間の2枚の基板のう
    ち少なくとも一方をレーザーカットにより切断するに際
    して、レーザーカットにより切り落とす前記基板の幅
    を、前記基板の厚みと同じ大きさ以上とすることを特徴
    とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記モールド用樹脂からなる盛り上がり
    部と前記電気光学材料封入領域との間の2枚の基板のう
    ち少なくとも一方をレーザーカットにより切断するに際
    して、レーザーカットにより切断した基板の切断面の電
    気光学材料封入領域からの距離が1mm以下となるよう
    に切断することを特徴とする請求項4又は5に記載の電
    気光学装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007233128A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Epson Imaging Devices Corp 液晶装置の製造方法、液晶装置、及び電子機器
JP2013130713A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Japan Display Central Co Ltd 液晶表示装置の製造方法

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