JP2007206396A - 基板、電気光学装置および電子機器、基板の製造方法、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

基板、電気光学装置および電子機器、基板の製造方法、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡略化したプロセスで自在に形成することができる光の屈折率が変化した層を備えた基板、このような基板を備えた電気光学装置および電子機器、基板の製造方法、電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】液晶表示装置20は、一対の基板1,2と、一対の基板1,2によって挟持されシール材3によって封着された液晶4と、2つの防塵ガラス11,12とを備えている。一対の基板1,2と光が入射する側の防塵ガラス12の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、各基板1,2,12の内部に表示領域Dを囲むように額縁状にそれぞれ遮光性を有する改質層7,8,13を形成した。各改質層7,8,13は、各基板1,2,12の液晶4側に面する表面から僅かに離間した位置を始点として形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて光学的処理を施した基板、この基板を用いた電気光学装置および電子機器、基板の製造方法、電気光学装置の製造方法に関する。
昨今、様々な材料加工の分野でレーザ光を用いる方法が知られている。例えば、エキシマレーザを多光子吸収が発生するように集光して照射する石英ガラス材料の切断加工方法(特許文献1)、パルス・レーザビームを用いた各種材料のレーザ誘起破壊の方法(特許文献2)、半導体材料基板やガラス基板等のウェハ状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、加工対象物の切断予定ラインに沿って内部に多光子吸収による改質領域を形成し、これを起点に加工対象物を切断する方法(特許文献3)などがある。
これらの方法は、基本的に加工対象物の表面あるいは内部に集光されたレーザ光のエネルギーにより、加工対象物に化学的及び物理的な破壊、分解、切断、蒸発等の変化を起こさせるものである。
また、このようなレーザ加工方法を活用可能なデバイス分野として、例えば電気光学装置がある。図11は電気光学装置としての液晶表示装置を示す概略図である。また、図12はパネルユニットを示す概略図である。図11(a)および(b)に示すように、液晶表示装置40は、プロジェクタなどの投射型表示装置に用いられ、光源からの光を制御するライトバルブである。パネルユニット30が開口部41aを有するケース41に収納され、周囲を接着剤43で固定して開口部42aを有する金枠42を取り付けたものである。図12(a)および(b)に示すようにパネルユニット30は、対向基板33と、素子基板34と、両基板33,34に挟持されシール36によって封着された液晶37とを有する液晶表示パネル38を備えている。また、液晶表示パネル38を駆動するための駆動回路部35と、図示しない外部駆動回路に接続するための中継基板50とを備えている。さらに、液晶表示パネル38を挟んで接着された2つの防塵ガラス31,32を備えている。光源からの光が入射する側の防塵ガラス31と液晶表示パネル38の対向基板33とには、入射光が表示領域D以外に入射しないようにそれぞれ額縁状に遮光膜31b,33bが設けられている。これらの遮光膜31b,33bは、いずれも遮光性の金属材料等から構成されている。
特許第3024990号公報 特許第3283265号公報 特許第3626442号公報
上記パネルユニット30の製造工程においては、上記遮光膜31b,33bを形成面へ膜付けする成膜工程と額縁状とする形成工程とを必要とする。成膜工程では、金属材料等をターゲットとして真空蒸着法やスパッタ法で成膜を行う。また、形成工程では、成膜された遮光膜31b,33bをフォトリソグラフィ法によりエッチングして開口部を設け額縁状とする。したがって、真空成膜装置、フォトレジスト塗布・乾燥装置、露光装置、現像装置、エッチング装置などの製造設備を必要とすると共に、対応する加工工程が必要となり、製造工程が複雑であった。また、フォトマスクを始めとする治工具類やフォトレジストなどの補助材料を必要とし製造コストを低下させることが困難であった。
また、上記液晶表示装置40を投射型表示装置に用いる場合、光源からの光の一部が投射型表示装置の内部で反射して液晶表示装置40に角度をもって入射することがある。角度をもって入射した光は防塵ガラス31や対向基板33により屈折し、遮光膜31b,33bが設けられているにもかかわらず、表示領域Dに入射するという課題がある。表示領域Dに不必要な光が入射すると、本来の表示画質が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、より簡略化したプロセスで自在に形成することができる光の屈折率が変化した層を備えた基板、このような基板を備えた電気光学装置および電子機器、基板の製造方法、電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の基板は、電気光学装置に用いられる基板であって、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して形成され、光学的に屈折率が変化した改質層を備えることを特徴とする。
電気光学装置に用いられる基板として、ガラスやプラスチック等からなる透光性の基板がある。このような基板に光の屈折率が変化した層を設けるには、屈折率が異なる材料をターゲットとして減圧下で蒸着やスパッタする方法や当該材料を含む溶液に基板を浸漬するなどの液相法で成膜する方法がある。これらの方法はいずれも基板の表面に成膜する方法であって、ピンホールや異物などの欠陥を無くして成膜することはとても難しい。また、基板の表面に一様に成膜することは容易であるが、部分的に屈折率が変化した層を設けるには、成膜された層を追加工する必要がある。この構成によれば、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して形成され、光学的に屈折率が変化した改質層を備えている。基板の内部にレーザ光の集光点を結ばせることにより、レーザ光のエネルギーを与え内部に材質の例えば熱的な変化や組成変化を伴った改質層を形成することができる。改質層が基板の内部に形成されているため、改質層に入射した光の屈折方向が変化する。また、基板に角度を持って入射した光も屈折させることができる。すなわち、基板の表面に光学的に屈折率が変化した層を屈折率が異なる材料を用いて設ける場合に比べて、レーザ光を照射するだけのより簡略化されたプロセスで自在に形成でき、光の屈折率が変化した層を内部に備えた基板を提供することができる。このような基板を電気光学装置に用いれば、光源または発光素子からの光を改質層が形成された領域において自在に制御することができる。さらには、基板以外の材料を必要としないので、より安価な基板を提供することができる。
上記改質層が、レーザ光の集光点において多光子吸収を発生させて形成されたものであることを特徴とする。これによれば、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して、集光点において多光子吸収を発生させる。基板の内部に多光子吸収が発生すると化学的および物理的な破壊、分解等により微小空洞を有する改質層が形成される。このような改質層に入射した光は屈折し、散乱や吸収が生じる。すなわち、透過する光を制御可能な改質層を内部に備えた基板を提供することができる。
また、上記改質層が基板の外形に沿って内部に額縁状に形成され、遮光性を有することを特徴とする。これによれば、基板に対して入射する光を遮光性を有する改質層によって、周辺に光が射出しないように制御することができる。
本発明の電気光学装置は、少なくとも1つの基板と、基板上に形成された複数の画素と、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素のそれぞれを区画するように基板の内部に形成された改質層とを備え、改質層が遮光性を有することを特徴とする。
この構成によれば、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ形成された遮光性を有する改質層が、複数の画素のそれぞれを区画するように基板の内部に形成されている。したがって、電気光学装置を透過する光は、画素を区画するように形成された改質層によって遮光され、画素以外の部分から射出され難い。よって、画素以外の部分から光モレし難い。ゆえに、光モレによるコントラスト低下などの画質低下が少ない電気光学装置を提供することができる。また、基板の表面に各画素を区画するように遮光層を備える場合に比べて、遮光層形成時に用いられた遮光性材料等の異物付着による不具合の発生を低減可能である。遮光性材料を必要としないのでより安価な電気光学装置を提供することができる。
本発明の他の電気光学装置は、少なくとも1つの基板と、基板上に形成された複数の画素と、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素が配置された表示領域を囲むように基板の内部に額縁状に形成された改質層とを備え、改質層が遮光性を有することを特徴とする。
この構成によれば、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ形成された遮光性を有する改質層が、基板の内部に表示領域を囲むように額縁状に形成されている。したがって、電気光学装置を透過する光は、改質層によって遮光され、表示領域以外に射出され難い。よって、表示領域以外の部分から光モレし難い。ゆえに、光モレによる周辺コントラストムラなどの画質低下が少ない電気光学装置を提供することができる。また、基板の表面に表示領域を囲むように遮光性の見切り部を備える場合に比べて、基板の内部に遮光性の改質層を有するので、基板の内部で屈折して表示領域に入射する不要な入射光を遮光することができる。見切り部形成時に用いられた遮光性材料等の異物付着による不具合の発生も低減可能である。遮光性材料を必要としないのでより安価な電気光学装置を提供することができる。
また、本発明のさらなる電気光学装置は、少なくともいずれか一方に複数の画素を有する一対の基板と、一対の基板によって挟持された電気光学材料としての液晶と、一対の基板を挟んで配置された2つの透明基板と、一対の基板のうち少なくとも一方の基板および透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素が配置された表示領域を囲むように当該基板の内部に額縁状に形成された改質層とを備え、改質層が遮光性を有することを特徴とする。
この構成によれば、一対の基板のうち少なくとも一方の基板および透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ形成された遮光性を有する改質層が、当該基板の内部に表示領域を囲むように額縁状に形成されている。したがって、電気光学装置を透過する光は、改質層によって遮光され、表示領域以外に射出されない。よって、表示領域以外の部分から光モレし難い。すなわち、光モレによる周辺コントラストムラなどの画質低下がより少ない電気光学装置としての液晶表示装置を提供することができる。また、当該基板の表面に表示領域を囲むように遮光性の見切り部を備える場合に比べて、当該基板の内部に遮光性の改質層を有するので、当該基板の内部で屈折して表示領域に入射する不要な入射光を遮光することができる。見切り部形成時に用いられた遮光性材料等の異物付着による不具合の発生も低減可能である。このような電気光学装置を投射型表示装置に用いれば、光源からの光を所定の表示領域から射出させ、光モレの少ない表示が可能である。また、透明基板を備えることにより電気光学装置の表面に付着した異物に焦点が結ばず、高い表示品質を確保することができる。
また、光源からの光が入射する側の上記一方の基板および上記透明基板に上記改質層が形成されたことを特徴とする。これによれば、光源からの光が入射する側の一方の基板および透明基板の内部に表示領域を囲むように改質層が形成されているため、当該各基板の内部で屈折して表示領域に入射する不必要な入射光を効率よく遮光することができる。
本発明の電子機器は、上記発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。これによれば、光モレによる画質低下が少ない電気光学装置を備えているので、高い表示品質を有する電子機器を提供することができる。
本発明の基板の製造方法は、電気光学装置に用いられる基板の製造方法であって、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、基板の内部に光学的に屈折率が変化した改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする。
この方法によれば、レーザ照射工程では、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射する。これにより多光子吸収を発生させ、光学的に屈折率が変化した改質層を基板の内部に形成することができる。したがって、光の屈折率が異なる材料を用いて基板の表面に成膜する場合に比べて、光学的に屈折率が変化した改質層を簡略化したプロセスで容易に形成することができる。また、所望の位置にレーザ光を照射することにより、基板の内部に自在に改質層を形成することができる。
また、上記レーザ照射工程では、レーザ光の集光点を基板の内部において基板に対して相対移動させ、基板の外形に対して額縁状に遮光性を有する改質層を形成することを特徴とする。これによれば、額縁状に形成された遮光性を有する改質層を見切り部とし、当該見切り部から光モレが少ない基板を簡略化したプロセスで容易に製造することができる。
また、上記レーザ照射工程では、レーザ光の集光点を基板の内部において基板に対して相対移動させ、基板の内部に連続するように改質層を形成することを特徴とする。これによれば、改質層を基板の内部に連続的に形成するので、基板の内部で屈折した入射光を含めて光学的な制御が可能な基板を製造することができる。
また、上記レーザ照射工程では、レーザ光の集光点を基板の内部において基板に対して相対移動させ、基板の内部に間隔をおいて改質層を複数形成することが好ましい。これによれば、改質層を基板の内部に間隔をおいて複数形成するので、内部に連続して形成する場合に比べて、基板の内部で屈折した入射光を含めて光学的な制御が可能な改質層を有する基板を効率よく製造することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、複数の画素を有する少なくとも1つの基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素のそれぞれを区画するように基板の内部に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、レーザ照射工程では、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射する。これにより多光子吸収を発生させ、複数の画素のそれぞれを区画するように基板の内部に遮光性を有する改質層を形成する。したがって、電気光学装置を透過する光は、画素を区画するように形成された改質層によって遮光され、画素以外の部分から射出され難い。よって、画素以外の部分から光モレし難い。よって、光モレによるコントラスト低下などの画質低下が少ない電気光学装置を製造することができる。また、基板の表面に各画素を区画するように遮光層を形成する場合に比べて、遮光性材料等の異物付着による不良の発生を低減可能である。すなわち、高い表示品質を有する電気光学装置を歩留まりよく安価に製造することができる。
本発明の他の電気光学装置の製造方法は、複数の画素を有する少なくとも1つの基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素が配置された表示領域を囲むように基板の内部に額縁状に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする。
この方法によれば、レーザ照射工程では、基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射する。これにより多光子吸収を発生させ、基板の内部に複数の画素が配置された表示領域を囲むように額縁状に遮光性を有する改質層を形成する。したがって、電気光学装置を透過する光は、表示領域を囲むように形成された改質層によって遮光され、表示領域以外に射出され難い。よって、表示領域以外の部分から光モレし難い。よって、光モレによる周辺コントラストムラなどの画質低下が少ない電気光学装置を製造することができる。また、基板の表面に表示領域を囲むように遮光性の見切り部を形成する場合に比べて、基板の内部に遮光性の改質層を形成するので、基板の内部で屈折して表示領域に入射する不要な入射光を遮光することができる。よって、遮光性の改質層を最適な位置に形成可能である。さらには、見切り部形成時に用いられた遮光性材料等の異物付着による不良の発生も低減可能である。すなわち、高い表示品質を有する電気光学装置を歩留まりよく安価に製造することができる。
また、本発明のさらなる電気光学装置の製造方法は、少なくともいずれか一方に複数の画素を有する一対の基板と、一対の基板によって挟持された電気光学材料としての液晶と、一対の基板を挟むように配置された2つの透明基板とを備えた電気光学装置の製造方法であって、一対の基板の少なくとも一方の基板および透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素が配置された表示領域を囲むように当該基板の内部に額縁状に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする。
この方法によれば、レーザ照射工程では、一対の基板の少なくとも一方の基板および透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射する。これにより多光子吸収を発生させ、当該基板の内部に表示領域を囲むように額縁状に遮光性を有する改質層を形成する。したがって、電気光学装置を透過する光は、表示領域を囲むように額縁状に形成された改質層によって遮光され、表示領域以外に射出され難い。よって、表示領域以外の部分から光モレし難い。よって、光モレによる周辺コントラストムラなどの画質低下が少ない電気光学装置としての液晶表示装置を製造することができる。また、当該基板の表面に表示領域を囲むように遮光性の見切り部を形成する場合に比べて、当該基板の内部に遮光性の改質層を形成するので、当該基板の内部で屈折して表示領域に入射する不要な入射光を遮光することができる。よって、遮光性の改質層を最適な位置に形成可能である。さらには、見切り部形成時に用いられた遮光性材料等の異物付着による不良の発生も低減可能である。すなわち、高い表示品質を有する電気光学装置としての液晶表示装置を歩留まりよく安価に製造することができる。
上記レーザ照射工程では、光源からの光が入射する側の上記一方の基板および上記透明基板に改質層を形成することを特徴とする。これによれば、レーザ照射工程では、光の入射側に配置された一方の基板および透明基板の内部に表示領域を囲むように改質層を形成するので、当該各基板の内部で屈折して表示領域に入射する不必要な入射光を効率よく遮光することができる。
また、上記レーザ照射工程では、レーザ光の集光点を当該基板の内部において当該基板に対して相対移動させ、当該基板の内部に連続するように改質層を形成することを特徴とする。これによれば、レーザ照射工程では、改質層を当該基板の内部に連続的に形成するので、当該基板の内部で屈折して表示領域に入射する不必要な入射光をより効率よく遮光することができる。
また、上記レーザ照射工程では、レーザ光の集光点を当該基板の内部において当該基板に対して相対移動させ、当該基板の内部に間隔をおいて複数層形成することが好ましい。これによれば、レーザ照射工程では、改質層を当該基板の内部に間隔をおいて複数形成する。よって、当該基板の内部に連続的に形成する場合に比べて、当該基板の内部で屈折して表示領域に入射する不必要な入射光を遮光可能な改質層を備えた電気光学装置としての液晶表示装置を効率よく製造することができる。
(実施形態1)
本発明の一実施形態について、プロジェクタなどの投射型表示装置に用いられる電気光学装置としての液晶表示装置およびその製造方法を例に説明する。なお、説明に使用する図面は、構成を明確にするために適宜拡大縮尺して表示している。
<液晶表示装置>
図1は、液晶表示装置の構成を示す概略図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のA−A線で切ったパネルユニットの断面図である。なお、同図(b)は、入射光が図面の上方から入る場合のパネルユニットの断面図を示している。
図1(a)に示すように、本実施形態の液晶表示装置20は、外部駆動回路に接続するための中継基板(FPC)50を有するパネルユニット15と、パネルユニット15が収容されるプラスチック製のケース21と、開口部22aを有する金枠22とを備えている。
ケース21には、パネルユニット15が収容される底面部に開口部(図示省略)を有している。パネルユニット15は、ケース21の底面部に密着すると共に内壁と隙間を持って収容され、該隙間に接着剤が充填されてケース21に固定されている。
金枠22は、ステンレス等の金属材料からなり、開口部22cを有する一対のアーム部22bを備え、ケース21の側面に突出したツメ21aと嵌合することにより、ケース21に収容されたパネルユニット15を押えている。
ケース21の底面部に設けられた開口部と金枠22に設けられた開口部22aは、パネルユニット15の表示領域に対応した大きさで形成されている。よって、後述する投射型表示装置200の光源210(図8参照)からの光は、図1(a)の底面側から入射し、開口部22a側から出射する。なお、投射型表示装置200において、液晶表示装置20の光の入射側と出射側には、それぞれ光を所定の方向に偏向させる偏光板が配置される。
図1(b)に示すように、パネルユニット15は、液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10を挟むように配置された2つの透明基板としての防塵ガラス11,12とを備えている。
液晶表示パネル10は、一対の基板としての複数の画素電極5を有する素子基板1および共通電極6を有する対向基板2と、両基板1,2によって挟持されシール材3によって封着された電気光学材料としての液晶4とを備えている。また、複数の画素としての画素電極5のそれぞれに3端子のうちの1つが接続されたスイッチング素子としての複数のTFT(Thin Film Transistor)素子(図示省略)を備えている。液晶表示パネル10は、所謂アクティブ駆動型の表示パネルである。
素子基板1は、石英ガラスなどの透明な材料からなり、基板内部に複数の画素電極5が配置された表示領域Dを囲むように額縁状の改質層7を有している。
対向基板2は、素子基板1と同様に石英ガラスなどの透明な材料からなり、基板内部に表示領域Dを囲むように額縁状の改質層8を有している。
2つの防塵ガラス11,12は、ホウ珪酸ガラス等の透明な材料からなり、液晶表示パネル10の入射側と出射側の表面に密着するように透明な接着剤等を用いて固定されている。これは、液晶表示パネル10に入射光の焦点を合わせた時に、各基板1,2の表面に付着した異物等が投射されないように設けられたものである。また、入射光の熱が直接液晶表示パネル10に伝わらないように設けられたものである。さらには、防塵ガラス11の表面11aと防塵ガラス12の表面12aには、屈折率が異なる薄膜を積層して薄膜の干渉により表面反射を低減するAR(Anti Reflection)膜(図示省略)が形成されている。このAR膜は、およそ430nmから630nmの波長域において反射率が低下するように形成されている。
対向基板2側に配置された防塵ガラス12は、基板内部に液晶表示パネル10の表示領域Dに対応した位置で額縁状の改質層13を有している。
各改質層7,8,13は、各基板1,2,12の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ形成されたものである。また、各基板1,2,12のそれぞれ液晶4に近い側の基板表面から僅かに離間した位置(例えば、およそ1μm程度離れた位置)を始点として設けられている。レーザ光の集光点では、エネルギーが集中して多光子吸収により直径がおよそ0.5μm程度の微小空洞が生じる。各改質層7,8,13は、レーザ光の集光点を各基板1,2,12の内部において移動させることにより微小空洞が連続した状態で形成され、遮光性を有するように形成されている。
パネルユニット15に入射した光は、各改質層8,13で遮光され、改質層形成領域からは射出されない。また、各改質層8,13が各基板2,12の内部に形成されているため、例えば、防塵ガラス12の表面12aに角度を持って入射した光が基板内部で屈折して表示領域Dに入射する不必要な入射光の少なくとも一部を遮光することが可能である。さらに、素子基板1側に設けられた改質層7は、液晶表示装置20を透過した光が投射型表示装置200のクロスダイクロイックプリズム225(図8参照)によって一部が反射し、再び液晶表示パネル10に入射することを防ぐために設けられている。よって、このようなパネルユニット15を備えた液晶表示装置20は、表示領域D以外からの光モレが少なく、光モレによる周辺コントラストムラが低減されている。各改質層7,8,13の詳しい形成方法については後述する。
図2は、マザー基板を示す概略図である。同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のB−B線で切った断面図である。
図2(a)および(b)に示すように、実際の液晶表示パネル10の製造方法は、まず複数の素子基板1がマトリクス状に配置されたマザー基板W1に所定の位置でシール材3を塗布する。塗布方法としては印刷法、転写法、ディスペンス法などが挙げられる。シール材3で囲われた内側に液晶4を充填して減圧下で複数の対向基板2を接着する。そして、XおよびY方向の切断シロSx,Syをダイシングやスクライブ等の方法で切断して複数の液晶表示パネル10を取り出している。
<改質層の形成方法>
次に改質層の形成方法について図3から図5に基づいて説明する。図3は、レーザ照射装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、レーザ照射装置100は、レーザ光を出射するレーザ光源101と、出射されたレーザ光を反射するダイクロイックミラー102と、反射したレーザ光を集光する集光手段としての集光レンズ103とを備えている。また、基板としてのワークWを載置するステージ105と、集光レンズ103に対してステージ105をレーザ光の光軸101aと略直交する平面内で相対的に移動可能な第2の移動手段としてのX軸スライド部108およびY軸スライド部106とを備えている。また、ステージ105に載置されたワークWに対して集光レンズ103を相対的に移動させてレーザ光の集光点の位置をZ軸方向において調整可能な第1の移動手段としてのZ軸スライド機構104を備えている。さらには、ダイクロイックミラー102を挟んで集光レンズ103と反対側に位置する撮像装置110を備えている。
レーザ照射装置100は、上記各構成を制御する制御部としてのメインコンピュータ120を備えている。メインコンピュータ120には、CPUや各種メモリーの他に撮像装置110が撮像した画像情報を処理する画像処理部124を有している。撮像装置110は、同軸落射型光源とCCD(固体撮像素子)が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ103を透過して焦点を結ぶ。
また、メインコンピュータ120には、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する入力部125とレーザ加工時の各種情報を表示する表示部126が接続されている。そして、レーザ光源101の出力やパルス幅、パルス周期を制御するレーザ制御部121と、Z軸スライド機構104を駆動して集光レンズ103のZ軸方向の位置を制御するレンズ制御部122とが接続されている。さらに、X軸スライド部108とY軸スライド部106をそれぞれレール107,109に沿って移動させるサーボモータ(図示省略)を駆動するステージ制御部123が接続されている。メインコンピュータ120は、X軸スライド部108とY軸スライド部106によるステージ105の相対移動によりワークWにレーザ光を照射する1回の走査ごとに、レーザ光の集光点の位置がワークWの内部においてZ軸方向にずれるように、レンズ制御部122に制御信号を送ってZ軸スライド機構104を制御する。
集光レンズ103をZ軸方向に移動させるZ軸スライド機構104には、移動距離を検出可能な位置センサが内蔵されており、レンズ制御部122は、この位置センサの出力を検出して集光レンズ103のZ軸方向の位置を制御可能となっている。したがって、撮像装置110の同軸落射型光源から出射した可視光の焦点がワークWの表面と合うように集光レンズ103をZ軸方向に移動させれば、ワークWの厚みを計測することが可能である。
レーザ光源101は、例えばチタンサファイアを固体光源とするレーザ光をフェムト秒のパルス幅で出射するいわゆるフェムト秒レーザである。この場合、レーザ光は、波長分散特性を有しており、中心波長が800nmであり、その半値幅はおよそ10nmである。またパルス幅はおよそ300fs(フェムト秒)、パルス周期は1kHz、出力はおよそ700mWである。なお、レーザ光源101は、フェムト秒レーザに限らずパルスとしてレーザ光を発信するYAGレーザを用いることも可能である。
集光レンズ103は、この場合、倍率が100倍、開口数(NA)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズである。集光レンズ103はZ軸スライド機構104から延びたスライドアーム104aによって支持されている。
尚、本実施形態では、ステージ105は、Y軸スライド部106に支持されているが、X軸スライド部108とY軸スライド部106との位置関係を逆転させてX軸スライド部108に支持される形態としてもよい。また、ステージ105をθテーブルを介してY軸スライド部106に支持することが好ましい。これによれば、ワークWを光軸101aに対してより垂直な状態とすることが可能である。
図4は、改質層の形成方法を示す概略断面図である。同図(a)はレーザ光の集光領域を示す概略断面図、同図(b)はレーザ光の集光領域をワークの内部で移動させた状態を示す概略断面図、同図(c)は改質層の形成状態を示す概略断面図である。
ここで多光子吸収による改質層の形成について説明する。基板が透明な材料であっても、材料の吸収のバンドギャップEgよりも光子のエネルギーhνが非常に大きいと吸収が生じる。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス幅を極めて短くして、多光子吸収を基板の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、イオン価数変化、結晶化または分極配向等の永続的な構造変化が誘起されて屈折率変化領域(実際には微小空洞)が形成される。本実施形態では、この屈折率変化領域を改質層と呼ぶ。
図4(a)に示すように、集光レンズ103により集光されたレーザ光113は、波長分散特性を有しているため、ワークWに入射するとワークWの屈折率により、短波長側のレーザ光114から長波長側のレーザ光115までその集光点が光軸101a上でずれた集光領域116に集光される。集光領域116は、いわゆる軸上収差を有している。この場合、集光領域116の長波長側のレーザ光115の集光点が表面Wbに近づいているので、短波長側のレーザ光114と長波長側のレーザ光115との軸上収差が大きくなっている。すなわち、ワークWの内部におけるZ軸方向の集光領域の幅が最大に近づいている。
図4(b)に示すように、集光点の位置を入射面Wa側に近づくように、Z軸スライド機構104を駆動して集光レンズ103をZ軸方向(ワークWの厚み方向と同一方向)にワークWに対して相対移動させてゆくと、短波長側のレーザ光114と長波長側のレーザ光115との軸上収差が次第に小さくなってゆく。したがって、ワークWの内部における集光領域の幅が集光領域116から集光領域117へと徐々に小さくなるように変化する。この場合、レーザ光の集光点を表面Wb側から表面Wa側に移動させることにより、図4(c)に示すようなワークWの内部に連続した改質層118を形成する。
尚、レーザ光源101として波長分散特性が小さい、すなわち半値幅が非常に狭く、且つ集光レンズ103の色収差が小さいあるいは補正されたものを用いれば、集光点の位置によって集光領域の幅が変化する変化量を抑えることは可能である。
図5は、改質層の形成状態を示す概略断面図である。上記レーザ照射装置100を用いて、板状のワークWの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させれば、以下のような改質層を得ることが可能である。
図5(a)に示すように、入射面Waからレーザ光を照射して表面Wbから僅かに離間した位置に集光点を結ぶようにして多光子吸収を発生させる。この状態でステージ105をX軸,Y軸方向に移動(走査)すれば、ワークWに対して光の透過領域(液晶表示装置20においては表示領域に該当)Dを囲むように額縁状に改質層を形成することができる。そして、Z軸スライド機構104により集光レンズ103をZ軸方向にワークWに対して移動させることにより、集光点の位置を徐々に入射面Wa側に移動させる。これに同期して、前述のステージ105の走査を行えばワークWの内部に連続した改質層118を形成することができる。ワークWの内部に改質層118が形成されているので、改質層118に入射した光は、遮光され改質層形成領域から外に射出されない。例えば、表面Wbに透過領域Dを囲むように金属材料等からなる遮光膜を額縁状に設ける場合に比べて、入射面Waから入射した光が屈折して光モレを起こすことをより低減することができる。また、透過領域Dの内側に遮光膜形成用の金属材料等からなる異物が付着する等の不具合が生じない。
また、図5(b)に示すように、レーザ光の集光点をワークWの内部においてワークWに対して相対移動させ、間隔を置いて複数の改質層118a,118b,118cをワークWの内部に形成してもよい。このようにすれば、レーザ照射とこれに伴うステージ105の走査の回数を低減して、効率よく複数の改質層118a,118b,118cを形成し、改質層118a,118b,118cに入射する光を遮光することが可能である。
さらには、図5(c)に示すように、レーザ光の集光点をワークWの内部においてワークWに対して相対移動させ、表面Wbに離間した位置で透過領域Dを囲むように額縁状に改質層118aを形成した後に、ワークWの側面Wcに沿って離間した位置に改質層118dを形成してもよい。これによれば、入射面Waに角度を持って入射した光を改質層118dで遮光することにより、必要以上の光が透過領域Dからモレることを低減することができる。
図5(a)〜(c)に示した改質層の形成方法は、それぞれの方法に限定されず、互いに組み合わせて改質層を形成してもよい。例えば、改質層の断面形状が三角形となるように形成することも可能である。
<液晶表示装置の製造方法>
次に、本発明の一実施形態である液晶表示装置の製造方法について図6および図7に基づいて説明する。図6は液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート、図7(a)〜(f)は液晶表示装置の製造方法を示す概略断面図である。
図6に示すように、本実施形態の液晶表示装置20の製造方法は、液晶表示パネル10の対向基板2にレーザ光を照射して改質層8を形成するレーザ照射工程(ステップS1)と、同じく素子基板1にレーザ光を照射して改質層7を形成するレーザ照射工程(ステップS2)とを備えている。また、2つの防塵ガラス11,12を液晶表示パネル10に接着する接着工程(ステップS3)と、対向基板2側の防塵ガラス12にレーザ光を照射して改質層13を形成するレーザ照射工程(ステップS4)とを備えている。なお、レーザ照射工程では、上記レーザ照射装置100を使用した上記改質層の形成方法を用いている。
図6のステップS1は、対向基板2に改質層8を形成するレーザ照射工程である。ステップS1では、図7(a)に示すように、対向基板2が上になるように液晶表示パネル10をレーザ照射装置100のステージ105にセットする。対向基板2の内部にレーザ光の集光点が結ぶように表面2aからレーザ光を照射して多光子吸収を発生させる。そして、ステージ105をX軸およびY軸方向に移動させる走査を行う。またこれに同期してZ軸スライド機構104により集光レンズ103をZ軸方向に対向基板2に対して相対移動させることにより、集光点の位置を対向基板2の内部でZ軸方向に相対移動させて、図7(b)に示すように対向基板2の内部に表示領域Dを囲むように額縁状に改質層8を形成する。なお、改質層8を、入射面(表面2a)に対して反対側の表面2bから僅かに離間した位置を始点として形成する。このようにすれば、レーザ光を照射した際に、レーザ光の集光領域の一部が液晶4に届いて変質等の不具合が起こることを避けることができる。また、改質層8が表面2bに届かないので、改質層8を起点にして対向基板2に表面クラックが生ずることを避けることができる。そして、ステップS2へ進む。
図6のステップS2は、素子基板1に改質層7を形成するレーザ照射工程である。ステップS2では、図7(c)に示すように、素子基板1が上になるように液晶表示パネル10をレーザ照射装置100のステージ105にセットする。そして、先のステップS1と同様にして素子基板1の内部にレーザ光の集光点が結ぶように表面1aからレーザ光を照射して多光子吸収を発生させる。そして、ステージ105および集光レンズ103を相対移動させる走査を行って、図7(d)に示すように素子基板1の内部に表示領域Dを囲むように額縁状に改質層7を形成する。この場合も改質層7を、表面1bから僅かに離間した位置を始点として形成する。そして、ステップS3へ進む。
図6のステップS3は、防塵ガラス11,12の接着工程である。ステップS3では、図7(e)に示すように、改質層7,8が形成された液晶表示パネル10の入射側と出射側の表面に透明な2液混合型シリコーン接着剤等を塗布して防塵ガラス11,12を貼り付ける。貼り付け後は、およそ80℃に加温した乾燥炉内に一定時間放置して接着剤を硬化させる。これによりパネルユニット15の形ができあがる。そして、ステップS4へ進む。
図6のステップS4は、防塵ガラス12に改質層13を形成するレーザ照射工程である。ステップS4では、図7(f)に示すように、防塵ガラス12が上になるようにパネルユニット15をレーザ照射装置100のステージ105にセットする。そして、先のステップS1と同様にして防塵ガラス12の内部にレーザ光の集光点が結ぶように表面12aからレーザ光を照射して多光子吸収を発生させる。そして、ステージ105および集光レンズ103を相対移動させる走査を行って、図1(b)に示すように防塵ガラス12の内部に表示領域Dを囲むように額縁状に改質層13を形成する。この場合も改質層13を、表面12bから僅かに離間した位置を始点として形成する。なお、防塵ガラス12の表面12aには、あらかじめ前述のAR膜が形成されているが、本実施形態では、レーザ光の中心波長が800nmのフェムト秒レーザを用いているので、AR膜の影響を受けずに問題なくレーザ加工が可能である。
このようにして改質層7,8,13が形成されたパネルユニット15が得られる。当然のことながら、液晶表示装置20の製造方法は、上記工程の他にパネルユニット15の端子部にFPC50をACF等を用いて接続する工程と、FPC50が接続されたパネルユニット15をケース21に収納して接着し、金枠22を取り付ける工程とを有している。
上記液晶表示装置20の製造方法によれば、遮光性を有する改質層7,8,13を該当する各基板1,2,12にレーザ光を照射するだけで形成することが可能である。すなわち、各基板1,2,12の液晶4側の表面にそれぞれ遮光性を有する金属材料等からなる遮光膜を形成する方法に比べて、簡略化されたプロセスで遮光性を有する改質層7,8,13を所望の領域に自在に形成することが可能である。さらに、改質層13は、防塵ガラス12の内部に形成されるため、防塵ガラス12の表面12bに遮光膜の残渣等の異物が生ずることがない。すなわち、異物不良を低減することができ歩留まりよく液晶表示装置20を製造することが可能である。
上記実施形態1の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態1の液晶表示装置20は、一対の基板1,2および光が入射する側の防塵ガラス12の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、各基板1,2,12の内部に表示領域Dを囲むように形成された額縁状の各改質層7,8,13を有している。したがって、液晶表示装置20に入射した光は、改質層8,13で遮光され、表示領域D以外から光モレし難く、光モレによる周辺コントラストムラが低減された液晶表示装置20を提供することができる。
(2)上記実施形態1の液晶表示装置20の製造方法は、一対の基板1,2および光が入射する側の防塵ガラス12の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させる。そして、レーザ光の集光点を各基板1,2,12の内部において各基板1,2,12に対して相対移動させ、各基板1,2,12の内部に表示領域Dを囲むように遮光性の各改質層7,8,13を額縁状に形成するレーザ照射工程を備えている。したがって、各基板1,2,12の液晶4側の表面に表示領域Dを囲むように金属材料等の遮光膜を形成する場合に比べて、レーザ光を照射するだけの簡略化したプロセスで遮光性の材料を新たに必要とせずに遮光性の改質層7,8,13を形成することができる。よって、表示領域Dに対応する各基板1,2,12の表面に金属材料等からなる遮光膜の残渣等の異物が生ずることがない。すなわち、異物不良を低減して歩留まりよく安価に液晶表示装置20を製造することができる。
(3)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、各改質層7,8,13は、各基板1,2,12の液晶4側の表面から僅かに離間した位置を始点として形成される。したがって、レーザ光の集光領域が液晶4に届かず、液晶4がレーザ照射によって劣化することを防ぐことができる。また、各基板1,2,12の表面に改質層7,8,13が到達していないので、表面クラックが発生することを防止することができる。
(4)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、素子基板1に改質層7が形成されるので、液晶表示装置20を一旦透過して再び入射する入射光を遮光することができる。
(実施形態2)
次に本発明の電気光学装置としての液晶表示装置20を備えた電子機器の一例である投射型表示装置について図8を基に説明する。図8は、投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、本実施形態の投射型表示装置200は、光源210と、2つのダイクロイックミラー213,214と、3つの反射ミラー215,216,217と、入射レンズ218と、リレーレンズ219と、出射レンズ220と、3つの液晶光変調装置222,223,224と、クロスダイクロイックプリズム225と、投射レンズ226とを備えている。光源210はメタルハライド等のランプ211とランプの光を反射するリフレクタ212とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー213は、光源210からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー217で反射されて、赤色光用液晶光変調装置222に入射される。一方、ダイクロイックミラー213で反射された光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー214によって反射され、緑色光用液晶光変調装置223に入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー214も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ218、リレーレンズ219、出射レンズ220を含むリレーレンズ系からなる導光機構221が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置224に入射される。各液晶光変調装置222,223,224により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム225に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ226によってスクリーン227上に投射され、画像が拡大されて表示される。
各液晶光変調装置222,223,224はライトバルブと呼ばれ、上記実施形態1の液晶表示装置20と、液晶表示装置20の光の入射側と出射側とにそれぞれ配設された偏光素子としての偏光板(図示省略)とを備えたものである。
上記実施形態2の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態2の投射型表示装置200は、遮光性の改質層7,8,13が形成された各基板1,2,12を有する液晶表示装置20を備えているので、表示領域Dおよびその周辺に不必要な光モレが生じ難く、高い表示品質で画像等を投射可能な投射型表示装置200を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態1および上記実施形態2以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、改質層7,8,13は、レーザ光の集光点において多光子吸収を発生させる場合に限定されない。例えば、プラスチック等の基材からなる基板を用い、その内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射し、レーザ光の熱や光エネルギーによって、基材の材質を変化させて屈折率が変化した層を形成することも可能である。
(変形例2)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、各基板1,2,12のそれぞれに改質層を形成しなくてもよい。例えば、光源からの光が入射する防塵ガラス12だけに改質層13を設けても良い。これによれば、より製造工程を簡略化してコストパフォーマンスが高い液晶表示装置20を提供あるいは製造することができる。
(変形例3)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、改質層の形成方法は、これに限定されない。例えば、防塵ガラス12に形成する改質層13は、入射光の状態を勘案して防塵ガラス12の内部に遮光特性を満足する位置と厚みで形成すればよい。すなわち、遮光膜としての改質層を最適な位置に形成することが可能である。
(変形例4)上記実施形態1の液晶表示装置20およびその製造方法において、防塵ガラス12に形成する改質層13の位置は、表示領域Dを囲むようにしなくてもよい。例えば、表示領域Dよりも僅かに外側を遮光するように額縁状に改質層13を形成する。このようにすれば、レーザ照射の加工精度によって改質層13が表示領域Dの内側に侵入して形成されることを低減することができる。
(変形例5)上記実施形態1の液晶表示装置20の製造方法において、各改質層7,8,13を形成するレーザ照射の工順は、これに限定されない。例えば、改質層7を先に形成してもよい。あるいは、液晶表示パネル10に防塵ガラス11,12を接着した後に、各改質層7,8をまず形成し、続いて改質層13を形成してもよい。この場合、改質層13を先に形成すると、改質層8を形成する際に、入射したレーザ光の一部が改質層13に掛かることになり、安定して集光されないので改質層13は後から形成するのが好ましい。
(変形例6)上記実施形態1の液晶表示装置20の製造方法において、各改質層7,8,13を形成する方法は、1つのパネルユニット15を単位としたレーザ照射方法に限定されない。例えば、図2(a)および(b)に示したように、マザー基板W1に集積された複数の液晶表示パネル10のそれぞれにレーザ光を照射して各改質層7,8を形成してもよい。また、レーザ照射工程で基板としてのマザー透明基板の内部に額縁状の改質層13を複数マトリクス状に形成し、これを分断して改質層13が形成された防塵ガラス12を取り出し、各改質層7,8が形成された液晶表示パネル10に接着してもよい。
(変形例7)改質層が設けられた電気光学装置は、上記実施形態1の液晶表示装置20に限定されない。図9は、変形例の液晶表示装置を示す概略図である。同図(a)は、素子基板側の電気的な構成を示す配線図、同図(b)は素子基板の要部断面図である。同図(a)に示すように、素子基板1は、マトリクス状に配置された複数の画素電極5と、各画素電極5を駆動するスイッチング素子としてのTFT素子14と、各画素電極5に対応する保持容量16とを備えている。TFT素子14の3端子は、データ線18と、走査線19と、画素電極5とに接続されている。保持容量16は、画素電極5と容量線17とに接続されている。同図(b)に示すように、素子基板1の表面には、SiO2を主体とする下地保護層1cが下地として形成され、その上にはシリコン層14aが形成されている。このシリコン層14aの表面には、SiO2及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層1dが形成されている。また、シリコン層14aのうち、ゲート絶縁層1dを挟んでゲート電極14eと重なる領域がチャネル領域14bとされている。なお、このゲート電極14eは、走査線19の一部である。一方、シリコン層14aを覆い、ゲート電極14eを形成したゲート絶縁層1dの表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層1eが形成されている。また、シリコン層14aのうち、チャネル領域14bのソース側には、低濃度ソース領域14cおよび高濃度ソース領域14Sが設けられる一方、チャネル領域14bのドレイン側には低濃度ドレイン領域14dおよび高濃度ドレイン領域14Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域14Sは、ゲート絶縁層1dと第1層間絶縁層1eとにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極14fに接続されている。このソース電極14fは、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域14Dは、ゲート絶縁層1dと第1層間絶縁層1eにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極14fと同一層からなるドレイン電極14gに接続されている。ソース電極14fおよびドレイン電極14gが形成された第1層間絶縁層1eの上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする平坦化膜1fが形成されている。この平坦化膜1fは、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、TFT素子14やソース電極14f、ドレイン電極14gなどによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。そして、ITO等からなる画素電極5が、この平坦化膜1fの表面上に形成されるとともに、該平坦化膜1fに設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極14gに接続されている。すなわち、画素電極5は、ドレイン電極14gを介して、シリコン層14aの高濃度ドレイン領域14Dに接続されている。素子基板1の内部に集光点を結ぶように表面1a側からレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、複数の画素電極5をそれぞれ区画すると共に、その一部がシリコン層14aを覆うように表面1bから離間した位置に遮光性を有する改質層9が設けられている。これによれば、液晶表示装置を透過する光は、画素電極5を区画するように素子基板1の内部に形成された改質層9によって遮光され、画素電極5以外の部分から射出され難い。よって、画素電極5以外の部分から光モレし難い。すなわち、光モレによるコントラスト低下などの画質低下が少ない液晶表示装置を提供することができる。また、改質層9の一部がシリコン層14aを覆うように素子基板1の内部に形成されているため、シリコン層14aに入射する光を遮光し、TFT素子14の光誤動作を防止することができる。このような液晶表示装置は、素子基板1の背面側に光源を備えても安定した駆動で表示を行うことができる。
(変形例8)改質層が設けられた基板は、液晶表示装置20の一対の基板1,2や防塵ガラス12などの基板に限定されない。図10は、変形例の導光板を示す概略図である。同図(a)は概略斜視図、同図(b)は概略断面図である。例えば、同図(a)に示すように導光板60は、透明なポリカーボネイトなどのプラスチック材料と、光源からの光が射出する表面60aの反対側の表面60bに設けられたAlなどの反射層62とを備えている。同図(b)に示すように、導光板60は、内部に集光点を結ぶように表面60b側からレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、射出領域60cを囲むように内部に額縁状に形成された改質層61を有している。反射層62は、改質層61を形成した後に、Alなどの金属の蒸着やスパッタにより形成する方法あるいは、Alなどを蒸着したフィルムを貼り付ける方法により構成されている。このような導光板60は、液晶表示装置などの照明装置として用いられ、側面側に配置された例えばLED70などの光源からの光を導いて表面60a側に射出するものである。改質層61は、射出領域60c以外に漏れる光を遮光することができる。また、改質層61を額縁状とせず、表面60aに沿って導板光60の内部に層状に形成してもよい。これによれば、光源からの光を表面60aの近傍において散乱させてムラのない状態で射出させることができる。このようにレーザ光に対して透過性を有する基板であれば、光学的な散乱や吸収が生じる改質層をレーザ照射によって基板の内部に自在に形成することが可能であり、透明なプラスチックあるいはガラスなどからなるレンズ等にも光学的な処理を簡単に施すことが可能である。
(変形例8)上記実施形態1の液晶表示装置20を備えた電子機器としては、実施形態2の投射型表示装置200に限定されない。例えば、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器や携帯端末機器、携帯型パーソナルコンピュータ、ワープロ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等、電気光学装置である液晶表示装置を用いる機器が挙げられる。
(a)および(b)は液晶表示装置の構成を示す概略図。 (a)および(b)はマザー基板を示す概略図。 レーザ照射装置の構成を示す概略図。 (a)〜(c)は改質層の形成方法を示す概略断面図。 (a)〜(c)は改質層の形成状態を示す概略断面図。 液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(f)は液晶表示装置の製造方法を示す概略断面図。 投射型表示装置の構成を示す概略図。 (a)および(b)は変形例の液晶表示装置を示す概略図。 (a)および(b)は変形例の導光板を示す概略図。 (a)および(b)は従来の電気光学装置としての液晶表示装置を示す概略図。 (a)および(b)は従来のパネルユニットを示す概略図。
符号の説明
1…基板としての素子基板、2…基板としての対向基板、4…液晶、5…画素としての画素電極、7,8,9,13…改質層、10…液晶表示パネル、11,12…透明基板としての防塵ガラス、20…電気光学装置としての液晶表示装置、60…基板としての導光板、61…改質層、100…レーザ照射装置、113…レーザ光、116,117…集光点としての集光領域、118,118a,118b,118c,118d…改質層、200…電子機器としての投射型表示装置、D…表示領域、W…基板としてのワーク。

Claims (18)

  1. 電気光学装置に用いられる基板であって、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して形成され、光学的に屈折率が変化した改質層を備えることを特徴とする基板。
  2. 前記改質層が前記レーザ光の集光点において多光子吸収を発生させて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 前記改質層が前記基板の外形に沿って内部に額縁状に形成され、遮光性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板。
  4. 少なくとも1つの基板と、
    前記基板上に形成された複数の画素と、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素のそれぞれを区画するように前記基板の内部に形成された改質層とを備え、
    前記改質層が遮光性を有することを特徴とする電気光学装置。
  5. 少なくとも1つの基板と、
    前記基板上に形成された複数の画素と、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素が配置された表示領域を囲むように前記基板の内部に額縁状に形成された改質層とを備え、
    前記改質層が遮光性を有することを特徴とする電気光学装置。
  6. 少なくともいずれか一方に複数の画素を有する一対の基板と、
    前記一対の基板によって挟持された電気光学材料としての液晶と、
    前記一対の基板を挟んで配置された2つの透明基板と、
    前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板および前記透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素が配置された表示領域を囲むように当該基板の内部に額縁状に形成された改質層とを備え、
    前記改質層が遮光性を有することを特徴とする電気光学装置。
  7. 光源からの光が入射する側の前記一方の基板および前記透明基板に前記改質層が形成されたことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 請求項4ないし7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  9. 電気光学装置に用いられる基板の製造方法であって、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記基板の内部に光学的に屈折率が変化した改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする基板の製造方法。
  10. 前記レーザ照射工程では、前記レーザ光の集光点を前記基板の内部において前記基板に対して相対移動させ、前記基板の外形に対して額縁状に遮光性を有する前記改質層を形成することを特徴とする請求項9に記載の基板の製造方法。
  11. 前記レーザ照射工程では、前記レーザ光の集光点を前記基板の内部において前記基板に対して相対移動させ、前記基板の内部に連続するように前記改質層を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の基板の製造方法。
  12. 前記レーザ照射工程では、前記レーザ光の集光点を前記基板の内部において前記基板に対して相対移動させ、前記基板の内部に間隔をおいて前記改質層を複数形成することを特徴とする請求項9または10に記載の基板の製造方法。
  13. 複数の画素を有する少なくとも1つの基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素のそれぞれを区画するように前記基板の内部に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 複数の画素を有する少なくとも1つの基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板の内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素が配置された表示領域を囲むように前記基板の内部に額縁状に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 少なくともいずれか一方に複数の画素を有する一対の基板と、前記一対の基板によって挟持された電気光学材料としての液晶と、前記一対の基板を挟むように配置された2つの透明基板とを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記一対の基板の少なくとも一方の基板および前記透明基板のいずれかの内部に集光点を結ぶようにレーザ光を照射して多光子吸収を発生させ、前記複数の画素が配置された表示領域を囲むように当該基板の内部に額縁状に遮光性を有する改質層を形成するレーザ照射工程を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  16. 前記レーザ照射工程では、光源からの光が入射する側の前記一方の基板および前記透明基板に前記改質層を形成することを特徴とする請求項15に記載の電気光学装置の製造方法。
  17. 前記レーザ照射工程では、前記レーザ光の集光点を当該基板の内部において当該基板に対して相対移動させ、当該基板の内部に連続するように前記改質層を形成することを特徴とする請求項15または16に記載の電気光学装置の製造方法。
  18. 前記レーザ照射工程では、前記レーザ光の集光点を当該基板の内部において当該基板に対して相対移動させ、当該基板の内部に間隔をおいて複数層形成することを特徴とする請求項15または16に記載の電気光学装置の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008090268A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Lg Phillips Lcd Co Ltd 液晶表示装置用基板及びその製造方法
JP5220015B2 (ja) * 2007-08-01 2013-06-26 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法
WO2021010050A1 (ja) * 2019-07-17 2021-01-21 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像装置及び電子機器

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