JP2001075083A - 反射型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
反射型液晶表示装置およびその製造方法Info
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Abstract
よる駆動が可能な反射型液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 透明電極と別の電極との間に、透明電極
と別の電極間に与えた電界に反応した選択反射の変化を
示す液晶が封入されたマイクロカプセルの複数個を含ん
で構成される液晶層を形成した反射型液晶表示素子であ
る。マイクロカプセルの電極面に垂直な方向の粒径が、
電極面に対して平行方向の粒径よりも小さくする。
Description
装置およびその製造方法に関する。
液晶を封入したものを表示に使う技術は、古くから知ら
れている。この表示方式は、TN方式の液晶表示などと
異なり、偏光板を使わないため、比較的明るい表示が可
能である。また、液晶がマクロな連続相を形成しないた
め、マイクロカプセル化していないカイラルネマチック
液晶と比べて、表示の保存性(メモリ性)に優れ、フレ
キシブルな基板を用いても表示素子が作れるなどの優れ
た特性を持っている。
4号においては、図8に示すような酸化錫からなる第1
の透明電極2と、タンタルからなる導電性抵抗線5との
間に、マイクロカプセルに封入した液晶からなるカプセ
ル化カイラルネマチック液晶層3と、黒色塗料吸収層4
とを順次積層したものが開示されている。
透明絶縁保護層1、裏面側に同じくガラスからなる下面
保護層7が設けられており、電気的および力学的刺激か
ら保護されている。導電性抵抗線5は、第2の透明電極
6の上に形成されている。
ル誘導体の混合物であり、マイクロカプセルの殻は、ゼ
ラチンとアラビアゴムをグルタルアルデヒドで硬化させ
たものである。マイクロカプセルの粒径は、10μmか
ら30μmであり、液晶層の膜厚は80μmである。
5の間にそれぞれ電圧を与え、カプセル化カイラルネマ
チック液晶層3に電界を加えることによって、カプセル
化カイラルネマチック液晶層3の発色は制御することが
できる。電圧は、リード線8,8’を通して透明電極2
および導電性抵抗線5に与えられる。
軸がランダムなプレーナ組織)を示す第1の発色と、電
圧を印加したときの青黒色(ホメオトロピック)を示す
第2の発色と、電圧を印加後除去したときの強い緑色
(螺旋軸が表示面に対して垂直に揃ったプレーナ組織)
を示す第3の発色とからなる。
によって何回でも繰り返し可能であるが、第1の発色状
態を再度得るためには、液晶を等方性液相となるまで加
熱した後、室温まで冷却しなくてはならない。導電性抵
抗線5に電流を流すことによる発熱が加熱に利用でき
る。第2および第3の発色間でスイッチングを行うため
に、リード線8,8’に与える電圧は約600ボルトで
ある。この電圧は直流でも交流でも構わない。
は、印加した電圧によって異なることが知られている。
例えば、図7は、横軸に印加電圧、縦軸に初期状態をプ
レーナ組織とし、印加電圧を印加後除去した後の反射率
を示している。
示す状態はプレーナ組織であり、4%程度の低い反射率
はフォーカルコニック組織である。プレーナ組織および
フォーカルコニック組織は、電圧除去後も長時間保持さ
れる。すなわち、メモリ性を有する。このような特性を
利用して、液晶層に対する印加電界を、画素位置ごとに
変えることにより、電圧除去後も長時間保持される画像
を形成することができる。
晶をマイクロカプセル化すると、前述したように、連続
相からなる液晶セルと比較して、画像の保持性、基板の
設計選択の自由度が増すなどの利点がある反面、印加電
圧の変化に対する反射率の変化の急峻性が失われたり、
駆動電圧が極端に大きくなってしまうなどの欠点があっ
た。
劣化は、時分割駆動におけるN数の減少となるため、単
純マトリックス電極駆動による大容量表示を困難にして
いた。
を積層した、いわゆる液晶光変調素子においては、駆動
電圧マージンの減少、表示コントラストの低下、表示分
解能の低下などの問題として現れ、マイクロカプセル化
したカイラルネマチック液晶の表示/空間変調素子への
適応の大きな障害となっていた。
明電極と別の電極との間に、マイクロカプセル化液晶層
を備える反射型液晶表示装置として、急峻な変化を示す
駆動特性と低い駆動電圧による駆動が可能なものを提供
することを目的とする。
に、請求項1の発明は、透明電極と別の電極との間に、
前記透明電極と別の電極間に与えた電界に反応した選択
反射の変化を示す液晶が封入されたマイクロカプセルの
複数個を含んで構成される液晶層を形成した反射型液晶
表示素子において、前記マイクロカプセルの前記電極面
に垂直な方向の粒径が、前記電極面に平行な方向の粒径
よりも小さいことを特徴とする。
型液晶表示装置において、前記マイクロカプセルの前記
電極面に垂直な方向の粒径が、前記液晶層の膜厚とほぼ
同一であることを特徴とする。
型液晶表示装置において、前記透明電極と別の電極が単
純マトリックスの構成となっていることを特徴とする。
型液晶表示装置において、前記液晶層と別の電極の間に
感光体層を形成したことを特徴とする。
晶が封入されたほぼ球形のマイクロカプセルの複数個を
含む液晶塗膜を島状に形成する第1の工程と、前記第1
の工程の後に、前記支持体面に垂直な方向から熱および
圧力を与える第2の工程とにより液晶層を形成すること
により、反射型液晶装置を製造することを特徴とする。
液晶層の目的とする膜厚よりも大きな粒径を有し、液晶
が封入されたほぼ球形のマイクロカプセルの複数個を含
む液晶塗膜を形成する第1の工程と、前記第1の工程の
後に、前記支持体面に垂直な方向から熱および圧力を与
える第2の工程とにより前記液晶層を形成することによ
り、反射型液晶装置を製造することを特徴とする。
ロカプセル化カイラルネマチック液晶の駆動特性と比較
すると、反射率の変化に要する電圧の大きさおよびその
電圧に対する反射率の変化の急峻性が非常に異なってい
る。
化カイラルネマチック液晶の場合、カイラルネマチック
液晶とマイクロカプセルの殻およびバインダとが直列コ
ンデンサとなっているため、カイラルネマチック液晶へ
印加される電圧の分圧が、全体に印加される電圧と比べ
ると小さくなっているためと考えられる。
晶の場合に、電圧に対する反射率の変化がブロードとな
るのは、マイクロカプセルの内部部位ごとに、液晶の駆
動特性が異なるためである。
00μm程度とされる。この粒径の下限以下になると、
粒径と、屈折率や分散などの光学定数によって期待され
る光散乱の発生が支配的になって、カイラルネマチック
液晶の選択反射は認識できなくなる。また、上限以上で
は、反射光色の変調に必要な電圧が極端に大きくなり、
実用性が低下する。
mから100μm程度の範囲である。この範囲から外れ
ると、表示のコントラストの低下や駆動電圧の極端な上
昇などの弊害が発生する。
に、マイクロカプセルは、平均して1から20程度存在
する。簡単のために膜厚と同じ粒径の球形のマイクロカ
プセルが、液晶層の膜厚方向に1個存在する場合を考え
る。
クロカプセル球の中心を通り、電極面に対して垂直な軸
からの距離によって異なる。すなわち、前記軸から近い
距離にある液晶は、マイクロカプセル化されていない場
合とほぼ同じ駆動特性を示す。なぜなら、前記軸から近
い距離にある液晶に関しては、電極間に与えられた電圧
は、すべてそれらの液晶に与えられ、電極面に平行なカ
プセル内面の配向降下が駆動特性を決めるからである。
えられる電圧は、マイクロカプセル間のバインダ(およ
び殻)と、液晶との間の分圧となるため、それらの液晶
に与えられる電圧は、電極間に与えられる電圧よりも小
さくなってしまう。また、カプセルの壁面による配向効
果も、マイクロカプセル内面の軸に対する傾斜が大きく
なるにつれて変化する。このため、マイクロカプセル内
において、軸から離れた所にある液晶は、軸付近にある
液晶に比べて大きな電圧を電極間に与えないと動作しな
いことになる。
液晶の電極間印加電圧に対する応答が異なってくる現象
を抑えるには、前記軸から離れても液晶に印加される電
圧が減少しないようにするため、前記軸から離れた所で
もマイクロカプセルの殻の壁面の傾きが電極面に平行に
なるようにすることである。
セルの電極面に垂直な方向の粒径が、電極面に平行な方
向の粒径よりも小さくされているので、マイクロカプセ
ルの形状は、偏平な回転楕円体の形状になる。このた
め、前記軸から離れた所でもマイクロカプセルの殻の壁
面の傾きが、球形の場合よりも、電極面に、より平行に
近くなる。このため、電極間とマイクロカプセル間に介
在するバインダが少なくなる。
印加されうる電圧は、電極間に印加される電圧と、より
等しくすることができ、また、互いに接するカプセル面
も、電極面とほぼ平行となり、傾きが少なくなる。した
がって、液晶のいかなる部位においても電極間に印加さ
れる電圧に対する応答を、ほぼ一様にすることができ
る。
ば、上記のような作用によって、マイクロカプセル化カ
イラルネマチック液晶を用いた反射型液晶表示装置に対
して、急峻な電圧―反射率変化を示す駆動特性と、低駆
動電圧特性を与えることが可能となる。
カプセルの、電極面に垂直な方向の粒径が、液晶層の膜
厚とほぼ同一であるようにされていることから、おおき
な表示コントラストが得られる。
組織時には、液晶―マイクロカプセル殻間の光学定数の
不一致により、不要な反射が生じて、表示のコントラス
トが低下する。しかし、請求項2の発明のように、電極
面に垂直な方向のマイクロカプセルの粒径を、液晶層の
膜厚とほぼ同一とすることにより、不要な反射をする液
晶とマイクロカプセル殻間の界面の数は、最小とするこ
とができるので、大きな表示コントラストが得られる。
1の反射型液晶表示装置において、急峻な電圧―反射率
変化を示す駆動特性が得られ、また、低い駆動電圧での
駆動が可能となり、単純マトリックスによる大容量表示
が可能となる。
の反射型液晶表示装置において、急峻な電圧―反射率変
化を示す駆動特性と低電圧駆動が可能となったことによ
り、マイクロカプセル化カイラルネマチック液晶は、感
光体の積層により、高分解能で高い反射率を示す、高画
質な表示を可能とする。
示装置の製造方法によれは、請求項1の発明の反射型液
晶表示装置を、容易に製造することができる。
イクロカプセル化液晶の塗膜を島状に支持体上に形成す
ることにより、支持体面に鉛直な方向から熱および圧力
を与えたときに、塗膜が支持体面に平行な方向へ変形し
つつ、逃げる空間を確保することができる。これによ
り、塗膜が支持体面に平行な方向へ伸びる力を受けて、
マイクロカプセルは、支持体面に鉛直な方向の粒径は小
さくなり、一方、支持体面に平行な方向の粒径は大きく
なる。
示装置の製造方法は、請求項2の発明の反射型液晶表示
装置を、容易に製造することができる。
的に支持体面に平行な方向へ伸びる力を受けて変形し、
支持体面に鉛直な方向の粒径は小さくなり、平行な方向
の粒径は大きくなる。
の発明による反射型液晶表示装置の第1の実施形態を示
すものである。
は、基板11および12の互いに対向する内面に電極1
3および14を設置し、電極13、14間に、それぞれ
カイラルネマチック液晶20を含むマイクロカプセル2
1と、マイクロカプセル21間の空隙を埋めるバインダ
22からなるマイクロカプセル化液晶層(以下、単に液
晶層と略称する)15を設けている。
の面には、光吸収層16を設ける。光吸収層16の位置
は、この位置に特定されるものではなく、観測者側(基
板11側)から入射した光のうち、液晶層15を透過し
たものを吸収できる場所であればいずれの場所でもよ
い。例えば、下方の電極14と下方の基板12との間に
設置してもよい。
ス、ソーダガラスなどの無機ガラス、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォ
ン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ノルボ
ルネン系ポリマなどの透明な有機ポリマーなどを用いて
構成する。なお、基板11、12の材料としては、これ
らに限られるものではなく、透明であればいかなる材料
でもよい。
料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム
錫などの透明金属酸化物などを用いる。なお、光吸収層
16を、電極14と液晶層15との間に設置するように
した場合には、下方の電極14は表示には直接関係ない
ので、この電極14は、通常の金属電極で代用すること
もできる。
を吸収するもので、黒色の塗料を塗布するなどによって
形成する、また、基板12として光吸収性を有するもの
を用いる場合には、基板12に光吸収層16を兼ねさせ
ることができる。
液晶層15の自己保持性が大きい場合には、基板11、
12の一方若しくは双方を省略することができる。
0としては、カイラルネマチック液晶を単独で、また
は、カイラルネマチック液晶を含む混合物若しくはカイ
ラルネマチック液晶と他の材料との複合材料を用いる。
カイラルネマチック液晶としては、単独でカイラルネマ
チック相を示す化合物、または、ネマチック液晶にカイ
ラル剤が混合されることによって、カイラルネマチック
相を示すものを用いる。
とは、不斉中心をもつ液晶化合物である。典型的なもの
としては、コレステリルナノエートなどの天然物誘導体
などである。ネマチック液晶としては、ビフェニル系、
フェニルシクロヘキサン系、シクロヘキシルシクロヘキ
サン系、ピリミジン系などの液晶化合物を、単独で、ま
たは、混合物として用いる。
チック相を示す化合物、または、単独ではカイラルネマ
チック相を示さないが、ネマチック液晶と混合されるこ
とによってカイラルネマチック相を示す光学活性有機化
合物を用いる。光学活性なカイラル剤としては、光学活
性エステル誘導体、光学活性シアノビフェニル誘導体、
光学活性ビスフェノール誘導体などのネマチック液晶類
似化合物を用いることができる。
は、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレー
ドライング法、パンーコーティング法、気中懸濁被覆
法、粉床法などの各種界面沈積法や、界面重合法、in
situ重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法な
どを用いることができる。
型的なものとして、ゼラチン−アラビアゴム系、ポリビ
ニルアルコール基剤系、ポリアミド基剤系、尿素ホルム
アルデヒド基剤系などを用いることができる。
晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
1上に、液晶20が封入されたほぼ球形のマイクロカプ
セル21とバインダ22とによる塗膜を、島状に形成す
る。ここで、塗膜を島状に形成するとは、図2(A)の
ように、塗膜を孤立した島状に形成する場合に限らず、
塗膜を、その膜厚が一様でなく、大きく変化する状態に
形成することも含む。
成する方法としては、各種印刷法や塗布法が用いられ
る。例えば、スクリーン印刷、スプレーコートとマスク
の併用、ワイヤーバーによるコーティングなどを用い
る。
形成することにより、マイクロカプセル化液晶による塗
膜を、支持体31面に垂直な方向から、熱および圧力を
与えたときに、塗膜が支持体31面に平行方向へ変形し
つつ、逃げる空間を確保することができる。
・固化によって形成する際に、塗布液を密着させて保持
および形状の決定を行うためのものである。支持体31
としては、金属やポリマーなどの固体、ポリマーフィル
ムを金属固体に密着させて平面状に保持したものなどを
用いる。
塗膜が支持体31に形成されたものに対して、図2
(A)に示すように、島状のマイクロカプセル化液晶塗
膜を押しつぶすように、支持体31の面に鉛直方向から
加圧部材32により圧力を与えると共に、熱を与える。
力を与える方法としては、ヒートロールを通す方法を用
いる。この場合のヒートロールの構成は、電子写真装置
におけるヒューザやフィルムラミネート装置のヒートロ
ールのものを利用する。
に、マイクロカプセル化液晶の塗膜が、支持体31の面
に平行な方向へ伸びる力を受けて、マイクロカプセル2
1は、支持体31面に垂直な方向の粒径が小さくなり、
一方、支持体31面に平行な方向の粒径は大きくなる。
の液晶層は、マイクロカプセル21の示す自己保持性を
利用して、支持体31から剥離する。そして、図1に示
すように、電極13、14間に、このマイクロカプセル
化液晶層を挿入して反射型液晶表示装置を得るようにす
る。
したポリマーフィルムを支持体31に用いると、マイク
ロカプセル21の液晶層の支持体31からの剥離の工程
は省略することができる。
置の場合には、図1に示されるように、マイクロカプセ
ル21の、電極13、14の面に垂直な方向の粒径が、
電極13、14の面と平行な方向の粒径よりも小さいの
で、マイクロカプセル21の中心を通る電極13、14
面に垂直な方向の軸からの距離が離れた位置の液晶であ
っても、マイクロカプセル21内の液晶には、ほぼ等し
い電圧が印加されるようになる。このため、急峻な電圧
―反射率変化を示す駆動特性が得られると共に、駆動電
圧は、低電圧で良くなる。
よる反射型液晶表示装置の第2の実施形態を示す。基本
的な構成要素は、図1における第1の実施形態と同様で
ある。この第2の実施の形態においては、マイクロカプ
セル21の粒径が、液晶層15の膜厚方向では、液晶層
15の膜厚と同じであり、液晶層15に平行な方向で
は、液晶層15の膜厚よりも大きい点が第1の実施の形
態の場合と大きく異なる。
な方法で、ほぼ球形のマイクロカプセルを、図3に示す
ような偏平形状に変形させるが、変形前の球形マイクロ
カプセルの粒径は、セル化完了時の液晶層15の膜厚よ
りも大きくしておく。
一次分散を行うときの攪拌速度(せん断力)や攪拌時間
などを変化させることにより制御して、決定するように
する。
晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
法においては、液晶20が封入された、粒径が目的とす
る液晶層15の膜厚よりも大きいほぼ球形のマイクロカ
プセル21とバインダ22とによる塗膜を、マイクロカ
プセル21が、支持体31の面に平行な方向へ変形しつ
つ、逃げる空間を確保するため、支持体31上に、島状
に形成する。この場合の「島状」は、図4(A)から判
るように、塗膜が、その膜厚が一様でなく、大きく変化
する状態となっている状態である。
に、支持体31面に垂直な方向から、熱および圧力を与
えることで、図4(B)のような液晶層を形成する。こ
の場合、マイクロカプセル21は、前述の第1の実施の
形態の場合よりも、より直接的に支持体31の面に平行
な方向へ伸びる力を受けて変形し、支持体31の面に垂
直な方向の粒径は小さくなり、平行な方向の粒径は大き
くなる。
を与える方法は、前記図2を用いて説明した第1の実施
の形態の製造方法の場合と同様のものを用いることがで
きる。
置の場合には、図3に示されるように、マイクロカプセ
ル21の、電極13、14の面に垂直な方向の粒径が、
液晶層15の膜厚とほぼ同一であるようにされ、マイク
ロカプセル21の中心を通る電極13、14面に鉛直な
方向の軸からの距離に関係なく、マイクロカプセル21
内の液晶には、ほぼ等しい電圧が印加されるようにな
る。このため、急峻な電圧―反射率変化を示す駆動特性
が得られると共に、駆動電圧は、低電圧で良くなる。
カプセル殻間の界面の数は、最小とすることができるの
で、おおきな表示コントラストが得られる。
よる反射型液晶表示装置の第3の実施形態を示すもので
ある。各々の構成要素は、前述の第1の実施の形態と同
様であるが、電極構成が単純マトリックスとなっている
点が、第1の実施の形態の反射型液晶表示装置とは異な
る。
峻な電圧―反射率変化を示す駆動特性とすることができ
ると共に、低電圧駆動ができるようになるので、この第
3の実施の形態のように、電極構成を単純マトリクスと
して、高性能の反射型液晶表示装置を、簡単な構成で実
現できる。
よる反射型液晶表示装置の第4の実施形態を示すもので
ある。
置においては、図6に示すように、液晶層15と下側の
電極14との間に、光吸収層16と感光体層17とを積
層して設ける。その他の構成要素は、第1の実施の形態
の場合と同様である。
層17を設けることにより、光アドレスを可能とした点
に特徴がある。
は、硫化カドミウム、水素化アモルファスシリコン、ア
モルファスセレンなどの無機光導電材料、電荷移動錯
体、共晶錯体型、積層形などの塗布膜で形成できる有機
光導電材料を用いることができる。
を、液晶層15に積層することにより、任意の画素位置
の感光体に対する露光・非露光により、液晶層15に加
わる電圧を変化させ、液晶層15に高解像度の画像を形
成することが可能となる。
的なものについて説明したが、この発明は、これらの実
施の形態に限定されるものではなく、原理的に同様な効
果をもたらすものには適用可能である。
のから、変形させるようにする方法としては、上述の例
に限られるものではない。例えば、マイクロカプセルの
殻の厚みを極端に小さくして、変形しやすくし、マイク
ロカプセル塗布液のバインダの収縮乾燥による応力や重
力などによって、上記と同様なマイクロカプセルの変形
を得ることも可能である。この場合には、マイクロカプ
セルの殻の強度は低下するが、工程を単純化することが
できる。
の、より具体的な実施例(実験例)について、以下に説
明する。
マチック液晶E8(メルク社製)74.8部に、カイラ
ル剤CB15(BDH社製)21部とカイラル剤R10
11(メルク社製)4.2部とを加熱溶解後、室温に戻
して、ブルーグリーンの色光を選択反射するカイラルネ
マチック液晶を得た。
晶10部に、キシレンジイソシアネート3モルとトリメ
チロールプロパン1モルとの付加物(武田薬品工業製D
−110N)3部と、酢酸エチル100部とを加えて均
一溶液とし、油相となる液を調整した。
ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1
000部に加えて攪拌後、放置冷却することによって、
水相となる液を調整した。
た家庭用ミキサーによって、前記油相を前記水相中に1
分間乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油
エマルジョンを調整した。この水中油エマルジョンを、
60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、
界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成し
た。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レー
ザー粒度分布計によって約12μmと見積もられた。
のステンレスメッシュを通して濾過後、一昼夜放置し、
乳白色の上澄みを取り除くことにより、マイクロカプセ
ルからなる固形成分約40重量%のスラリーを得た。
る固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニル
アルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶
液を加えることにより、塗布液を調整した。
(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、上記塗布液
を、#44のワイヤーバーで2回塗布することにより、
液晶層を形成した。おのおのの塗布の際に、ワイヤーバ
ーの位置は、精密に位置決めを行い、塗布のために形成
される凹凸の位置が一致するようにした。
ワイヤーピッチに対応した多数の平行した溝が形成され
ていた。溝の凸部分の膜厚は約36μm、凹部分の膜厚
は約22μmであった。この塗膜を、室温で半日乾燥さ
せた後、90℃のオーブンで一昼夜乾燥させた。
フィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、完全
水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライW
S−321A/LD−55(大日本インキ化学工業)を
塗布乾燥させて4μm厚の接着層とした。この接着層と
前記液晶層を密着させ、70℃においてラミネートを行
った後、一方のPETフィルムの基板表面に、ブラック
ポリイミドBKR−105(日本化薬製)を塗布し、モ
ノクロ表示の液晶セルを得た。
(A)のようなものであった。高電圧側のフォーカルコ
ニック組織からプレーナ組織に向かう閾値特性は、反射
率4%で230V、反射率12%で320Vであった。
鏡で観測した結果、マイクロカプセルが膜厚方向に押し
つぶされており、膜厚方向の粒径が、膜と平行な方向と
比べて小さくなっていることが確認された。
クロカプセル化カイラルネマチック液晶塗布液を、エッ
ジコータで、125μm厚ITO付きPETフィルム
(東レ社製ハイビーム)のITO面上に塗布した。得ら
れた液晶層の表面は平坦であり、膜厚は約28μmであ
った。この塗膜を室温で半日乾燥させた後、90℃のオ
ーブンで一昼夜乾燥させた。
フィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、完全
水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライW
S−321A/LD−55(大日本インキ化学工業)を
塗布乾燥させて4μm厚の接着層とした。この接着層と
前記液晶層を密着させ、70℃においてラミネートを行
った後、一方のPETフィルムの基板表面にブラックポ
リイミドBKR−105(日本化薬製)を塗布し、モノ
クロ表示の液晶セルを得た。
(B)のようなものであった。高電圧側のフォーカルコ
ニック組織からプレーナ組織に向かう閾値特性は、反射
率4%で220V、反射率12%で420Vであった。
すなわち、反射率12%での閾値特性は、実施例1の場
合よりも100Vも高く、この発明による反射型液晶表
示装置の、低電圧駆動特性が確かめられた。
鏡で観測した結果、マイクロカプセルはほぼ球形である
ことが確認された。
マチック液晶E48(メルク社製)78部に、カイラル
剤CNL−611L(旭電化社製)22部を加熱溶解
後、室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射す
るカイラルネマチック液晶を得た。
晶10部に、キシレンジイソシアネート3モルとトリメ
チロールプロパン1モルとの付加物(武田薬品工業製D
−110N)3部と、酢酸エチル100部とを加えて均
一溶液とし、油相となる液を調整した。
ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1
000部に加えて攪拌後、放置冷却することによって、
水相となる液を調整した。
家庭用ミキサーによって、前記油相を前記水相中に20
秒間乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油
エマルジョンを調整した。この水中油エマルジョンを、
60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、
界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成し
た。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レー
ザー粒度分布計によって、約24μmと見積もられた
が、粒径分布は粒径20μmと粒径45μmの2つのピ
ークを持つものであった。
乳白色の上澄みを取り除くことにより、マイクロカプセ
ルからなる固形成分約40重量%のスラリーを得た。
る固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニル
アルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶
液を加えることにより、塗布液を調整した。
(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、上記塗布液を
#44のワイヤーバーで2回塗布することにより、液晶
層を形成した。得られた液晶層の表面は、ワイヤーバー
のワイヤーピッチに対応した多数の平行した溝が形成さ
れていたが、その凹凸の程度は実施例1ほどは、なはだ
しいものではなく、マイクロカプセル粒子そのものの大
きさによる凹凸の方が目立った。この塗膜を室温で半日
乾燥させた後、90℃のオーブンで一昼夜乾燥させた。
フィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、完全
水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライW
S−321A/LD−55(大日本インキ化学工業)を
塗布乾燥させて4μm厚の接着層とした。この接着層と
前記液晶層を密着させ、70℃においてラミネートを行
った後、一方のPETフィルムの基板表面にブラックポ
リイミドBKR−105(日本化薬製)を塗布し、モノ
クロ表示の液晶セルを得た。
(A)のようなものであった。高電圧側のフォーカルコ
ニック組織からプレーナ組織に向かう閾値特性は、反射
率4%で220V、反射率12%で300Vであった。
鏡で観測した結果、液晶層の膜厚は約29μmであり、
特に、粒径45μm前後のマイクロカプセルが、膜厚方
向に押しつぶされており、膜厚が元のマイクロカプセル
の粒径よりも小さくなっていることが確認できた。
カプセル塗布液を、8×8マトリックスの評価用セルD
M88(イー・エッチ・シー社製)のガラス上に塗布乾
燥して膜厚を30μmとし、別のガラス基板をラミネー
トしてセルとした。行電極印加電圧を250V、列電極
印加電圧を50Vとして、マトリックス駆動を行ったと
ころ、反射率12%、コントラスト2:1での表示が可
能であり、良好な視認性を示した。一方、比較例で作成
したマイクロカプセル塗布液を利用して、同様のセルを
作成して、行電極印加電圧を250V、列電極印加電圧
を50Vとしてマトリックス駆動を行ったところ、反射
率10%、コントラスト1.3:1の表示しかできなか
った。
Tフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、実
施例1で作成した塗布液を、#44のワイヤーバーで2
回塗布することにより、液晶層を形成した。別の125
μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビー
ム)のITO面上に、電荷発生層としてベンズイミダー
ルペリレン(BZP)を、蒸着により0.08μm厚に
形成し、次に、電荷輸送層として、ビフェニルージアミ
ン系材7.2%、ポリカーボネートビスフェノールZ
(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカ
ーボネート))10.8%、モノクロロベンゼン82%
の溶液をスピンコートにより塗布することにより、3μ
m厚の膜を作製した。
光体層とした。さらに、ブラックポリイミドBKR−1
05(日本化薬製)を塗布して遮光層とした。さらに、
完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドラ
イWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工
業)を塗布乾燥させて、4μm厚の接着層とした。
着層とを密着してラミネートし、反射型液晶表示装置を
得た。
して画像上に10mW/cm2の露光を行い、電極間に
900Vの直流電圧を与えた後に電圧を除いた。液晶層
には、露光パターンに対応したプレーナ組織による高反
射領域が表れ、非露光部分は、フォーカルコニック組織
による黒色領域となっていた。
ば、透明電極と別の電極間に与えた電界に反応した選択
反射の変化を示す液晶が封入されたマイクロカプセルか
らなる液晶層を備える反射型液晶表示装置として、急峻
な変化を示す駆動特性と、低電圧駆動を可能にしたもの
を提供することができる。
施形態を示す図である。
の第1の実施の形態を説明するための図である。
施形態を示す図である。
の第2の実施の形態を説明するための図である。
施形態を示す図である。
施形態を示す図である。
と、比較例の駆動特性の特徴を示す図である。
る
Claims (6)
- 【請求項1】透明電極と別の電極との間に、前記透明電
極と別の電極間に与えた電界に反応した選択反射の変化
を示す液晶が封入されたマイクロカプセルの複数個を含
んで構成される液晶層を形成した反射型液晶表示素子に
おいて、 前記マイクロカプセルの前記電極面に垂直な方向の粒径
が、前記電極面に平行な方向の粒径よりも小さいことを
特徴とする反射型液晶表示装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の反射型液晶表示装置にお
いて、 前記マイクロカプセルの前記電極面に垂直な方向の粒径
が、前記液晶層の膜厚とほぼ同一であることを特徴とす
る反射型液晶表示装置。 - 【請求項3】請求項1に記載の反射型液晶表示装置にお
いて、 前記透明電極と別の電極が単純マトリックスの構成とな
っていることを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 【請求項4】請求項1に記載の反射型液晶表示装置にお
いて、 前記液晶層と別の電極の間に感光体層を形成したことを
特徴とする反射型液晶表示装置。 - 【請求項5】支持体上に、液晶が封入されたほぼ球形の
マイクロカプセルの複数個を含む液晶塗膜を島状に形成
する第1の工程と、 前記第1の工程の後に、前記支持体面に垂直な方向から
熱および圧力を与える第2の工程とにより液晶層を形成
することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項6】支持体上に、液晶層の目的とする膜厚より
も大きな粒径を有し、液晶が封入されたほぼ球形のマイ
クロカプセルの複数個を含む液晶塗膜を形成する第1の
工程と、 前記第1の工程の後に、前記支持体面に垂直な方向から
熱および圧力を与える第2の工程とにより前記液晶層を
形成することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方
法。
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